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午後にエチゴを出て飛行機を使い、リムジンバスで梅田に到着。
堂島まで歩いて定宿で荷物を解くや、大きな交差点をまたぎ曽根崎新地に入り、足は自然、コチラに向かう。
コントワールに立つ。ポジッションを決める。
いつもの佇まい、善き哉。
いらっしゃい、お飲み物は
マティニをさ、
はい?
ビルドで作って氷入れて、そこに炭酸水足してください。
え゛? オリーブどーします?
ヌキで。レモンツイストは絞って入れちゃって。
気温が25℃を越え、首から下げたネクタイをどうしようかな? と思う頃合いの季節。
いっぱい目には、おなじサンボアでも数寄屋橋サンボアの津田マスターから教わったマティニ・ソーダが具合がいい「ような気が」する。
リクエストを聞いて一拍おいた前田店長、おもむろにタンブラを取り出しゴードンとノイリープラット、ビタスを大ぶりの氷と共に放り込み、バースプーンをくるくるやって目の前に。
口に含むとジントニックやジンリッキーよりは複雑な、しかしショートに作ったマティニほどは切実な感じがしない香りと舌へのあたりは、梅雨に入る前の気候には調和し、バスの中で既にスマホで電子版には当たっていたものの、改めてカウンタ上の日経新聞夕刊を開くと、利上げとQTで世間は騒がしいが、今、目の前にあるこの空間は静かでゆっくり時間が流れており、やっぱり夕方の酒場はいいよねと、シカゴで生まれロンドンで教育を受け、ロサンゼルスに流れて、コルト・スーパーマッチ.38を肩から吊った探偵を主人公にしたペイパーバックを量産した小説家もどきのセリフを口の中で呟かない、事もない。
クリスマスにはワイルド・ターキーを飲むのダ、アオシマユキオが国会で決めたのダ!
年末第六波が来る前「今のうちに」と日本全国のセールス・メンは挨拶回りに動き回っているので、却って面談の機会が見出しにくかったりしても、旅商人は荒野を目指し、ヴァイナハテンの夜もひとりで過ごす。
ひとりの夜はワイルド・ターキーに決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすれば、日本のクリスマスの食の歴史は、代替品の歴史 https://news.yahoo.co.jp/articles/1a7bfc64a0ff28a6893573d04e2f6a516f664734?page=2 と言われては、ここは本格だゼ! と、ケンタッキーと七面鳥に着目するとこうなる、とは、そりゃ単に語呂合わせじゃねぇか、とお叱りを頂くから黙っている。
そう思いながら、ショットグラスに注いでもらった褐色の酒を口に含むと、ゴツいキックが口いっぱいに、そして北方謙三先生のハードボイルドがアタマいっぱいにひろがり、ソープへ行け! https://blogos.com/article/221709/ とパブロフ博士のワンワン・スタイルで口をつき、 #スタイルはいらない と口走らない、事もない。
一式。
コントワールに立ち、マティニから始め、ハイボールで喉を潤し、サンドウィッチを摘めば、アペリティフと晩酌と夕食が、一度に済んでしまう
……というのはあまりにも忙しないが、この時世だからやむなし。
食べ終わって〆に、グレンリヴェットのナデューラをストレイトで
「え゛、ナデューラって? MSSBさん、ホントにハシゴしないんですか? 」
前田店長にビックリされるのも、いとをかし、って、まったくもう、なにが「新しい生活様式」だよ、ま、好きなもん飲んで食べてるからいいけどさ、はは。
酒場に行くという事。
三ヶ月半ぶりにふらりと寄る。
カウンタの中と目が合い、
やあどうも。
あ、いらっしゃいませ。
変わらぬ立ち位置、変わらぬ酒、変わらぬ空気のにおい。
特別すぎることがあったけれど、それには殊更触れず、普段通りにカウンタに置かれた夕刊を手を取り、目を落とす。
氷と水、パースプーンでハンドクラフト? に冷やされた酒は、自然で無理がなくスムーズに喉を通る。
日が傾き、カウンタの隙間が埋まりつつある頃合いを測り、勘定書きを見せてもらい、店を出る。
稠密とか外疎とか、客のほうで譲り合えばいい事なんじゃないかな、と #よけいなことをかいてはいけません
意に沿わぬことが多い昨今だけれど、酒場でも食べ物屋でも、ぐずぐず長っ尻というのを「あんまり」見かけなくなったのは、決して悪いことではない、と独断しない、事もない。
Regular Customer
「常連」という言葉は、どこか物悲しい。
曰く、
やたら店員に馴れ馴れしく、我がもの顔で振る舞う。
曰く、
じぶんの入る「まえ」と「あと」で店に流れる空気が変わってしまう事に頓着しない「ここは自分の茶の間」状態でいる
曰く、
いちげんの客、じぶんより通った日数の浅い客に年配者、先輩づらする(それくらいしか自慢する事ないのかよ? )
曰く、
先客で満席、或いは/及び、予約で埋まっているのに「断れない客」づらで無理やり席を作らせ、嬉々としてドッカリと座る
曰く、
店も店で、「これ、サービス」と、他の客には出さない珍品(と、いう名の大哥なのかもしれないが)を渡す、と、やあ参っちゃったなあ俺ばっかり、と、頼まれてもいないのにひけらかす
......これで店に、新しい客などつくわけが、ない。
しかしながら。
世の中、同じ言葉の裏側に、まるで「別の意味」が内包されている事もある。
やあ、さすが常連氏、姿がいいねと印象を与える「お馴染みさん」というのもあって
11.扉を開き、(他の客で盛況で)その日の雰囲気にじぶんがそぐわない、と感じた時には、無理に入らず、又ねと、踵を返す
22.混んでいて店員の手が塞がり、カウンタの上が片付けられないような時、さりげなく(ここが重要! )グラスや皿をまとめて、但し重ねず(高い食器に疵がついちゃうかもしれないから)店の省力化に努める。
33.満席にも関わらず、新しい客が入ってきた。しかし他の客は動かない、といった時に、「あ、オレ勘定! 」と、率先して立つ
44.いわゆるニッパチ、キューリョービ前でも、普通に顔をだし
55.聞かれなければ、よその店の動向、噂話は口に出さない
......わたくしがどちらのタイプかは別にして、ここは大阪。
心斎橋南サンボアの「佇まい」に深い感銘を受けたからといって、普段から出入りしているコチラに顔を出さないというマナーが、オナジミ「道」? として許容されるものであろうか、いや、ない、と、古文の定法
「二重否定は強い肯定」
でココロ決めをし、別の日、北新地に降り立ち、店に向かい扉を開き、丗年近く着続けて、もはや東京ぼん太*1 の風呂敷と区別がつかぬほどに草臥れたトレンチコートを上衣掛けに託し、コントワールの前に立つ、というのがノブレスオブリージュであり、ジェントリーであり、ギャラントリーであること、いうを待たぬ。
ドラフトのスタウトをいっぱいガブリ。ベルベットの喉越し、旨し。
こういう日もない、事もない。
*1 え? 知らない? いやはやショーワは遠く、なりにけり、だゼ!
【20200227日初稿 20210928日一部改稿】
#誰が撮ってもおんなじシャシン
それが記念撮影であり、酒場の記憶であり、スタンプラリー的な自己満足であろうと、これをやらずに済ませる事が出来ようか、いや、ない、と、古文の定法
「二重否定は強い肯定」
を酒精で煮えたアタマの中で繰り返しつつ、酔眼でパチリ!
さすがに最低限の抑制は効いていて、頼んだのはシングル・ハイボール
......だった「らしい」と、昨年のシャシンを観ながらぼんやり考えない、事もない。
【20191126日初稿 20210928日一部改稿】
坦懐。
なんでも最初は真似っこでも、やり続けているとホンモノになる
…んだそうである。
何をもってホンモノかニセモノか、というのが、そもそも分かっていない。
わかっていないが、素振り千本、身体で覚える、とか、溶接における腕前の巧拙は、それまでの接合距離によって担保される、なんて言葉もあり、何かが気にいると、そればかり頼んで、飲んだり食べたりしている事が少なくない。
たぶん、反復動作を繰り返すうちに身体と脳がシンクロし、「型」が決まり、ある日突然「わかる」「出来る」という、今ではあまり流行らない、武道や習い事の「プロセス」が嫌いじゃないのであろう。
まこと、ディジタルだのIOTだの第四次産業革命だのからは程遠い人情でお寒い限り、ではあるが、性分だからしょうがない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここのところ酒場ではマティニを頼む。
カクテルの王様だから、などと大上段に構えるつもりはない。
健康志向でありながら合理主義で忙しない、という妙な世の中にあって、カウンタに置かれたチューリップ型のカクテルグラスに、透明な火酒がたゆたっている、という風景は、ややオールドファッションというか、レトロスペクティブというか、浮世離れしたところがあり、なんというか、ホッとさせられる。
なのでいつでもどこでも大概、最初に注文し「続けて」いる。
問題は、グラスの中のオリーブはいつ食べるものなのか、あるいは食べないものなのか? という点。
崎陽軒のシウマイ弁当の中にある「干し杏」よろしくいきなり口に入れて「なかったことにする」と、グラスの中が「すっからかん」な風景となり、なんだか寂しい。
といって、惜しがっていつまでも浸けておくと、お汁粉に塩少々じゃないが、実から塩気がしみだしてきて、酒が甘ったるくなり、締まりがなくなりそうである。
食べたら食べたでカクテルピンなり爪楊枝の置き場に困るし、途中、木の実に歯形が付いているのを眺めながら、ショートカクテルに向かい合っている、というのは、どこがどうとは言えないのだが間が抜けている
…ような気がする。
いっそ「オリーブなしで」と頼んでしまえば余計なことに悩まずに済みそうだが、そうすると先の「なかったこと」同様、グラスの中が殺伐とする。
困ったモンである。
ところが…
先の冬に旅商いでカナダ、アメリカを廻った。
「夜の部」に食うのは当然、ステイクである。
では! とステイクハウスに赴き、席に着き、初手の飲み物は? となった折、「ドライマティニを」と応えるや
「ジンかウォトカか」
「ジンなら銘柄はどうする」
「オーヴァーアイスでビルドか、シェイクするか、それともステアか」
「オリーブかレモンツイストか」
と、どこの店でも必ず聞かれる。
我が国のバーシーンにおいては、マティニとはジンベースであり、ステアであり、オリーブを沈めたのち、レモンピールをグラスのふちで絞って「香りのお化粧だけ」というのが「お作法」になっており、飲むほうも、提供する側も、それ以外の処方を「あんまり」考えない。
店によっては、オリーブをパールオニオンに替えた「ギブソン」でも頼もうものなら
「お客さん、そんなゲテモノ頼んじゃいけません」
と、強いご指導を賜るほど。(いや、ホント! )
しかしながら、カクテル発祥の地(諸説あり)な北米大陸においては、逆に「お作法」「オリジナルレシピ―」には「あんまり」拘泥しないようで、マティニ・アズ・ユー・ライクという感じである。
そうやってココやコチラで覚えた「レモンツイスト・ノー・オリーブ」という奴。
レモンの皮は食う食わないなんて悩む必要はないし、第一「見た目」が引き締まり「シュッ」としている一方、目にうるさくなく、
…悩みは解消した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
かくして帰国後も
「オリーブなし、レモンツイストで」
「レモンはグラスに入れるンですか? 」
「ええ、お願いします」
「入れる前に絞りますか」
「どちらでも」
というヤリトリをしている。
先週末、知り合いの会社が主催の会合にお付き合いで顔を出すためオーサカへ。
レセプションでご馳走を頂戴してからチル・アウトでこちらに。
ジガ―を用いぬ、いっけん無造作だが「素振り千本」で培われた、こちらのグループ特有のミクシングの芸を眺めつつ
「オリーブなし、レモンツイストで」
と、いつも飄々としたマエダ店長に向かい合い、グラスを傾けていると、虚心坦懐とはこういうココロモチなのかしら? などといい気にならない、事もない。
腹減った〜っ、に強い味方
…バーを食堂づかいする、というのは余り行儀のいい真似ではないが、一年のうち半分の「夜の部」を地元、自宅以外の場所で過ごす旅商人としては、毎日「これは! 」というご馳走や地方の名店、その土地に根ざしたB級グルメばかり口にしていては、アゴが出る。
それに、土地の名物居酒屋には、基本的には地場の「お馴染さん」がいて、この人たちの憩いの時間に門外漢が割り込む、というのも、どうかなあ、と思うタチである。
…地方のいい店に行って、この土地にはもったいない、と、書かれる強心臓の持ち主もいるようだが、ほら、あたし、気弱だから、さ #嘘八百
そうかと言ってナショナルチェーンのファストフードや居酒屋チェーンもやるせない。
こんな時、バーやパブリックハウスのカウンタで、ちょっとしたものをぱくつきながら、パックバーの酒壜の中から好みのものを出してもらい、一息つく、というのは、救いであり、社会通念であり、ワールド・ヴァリュー(世界基準©️副島隆彦)である事、いうを待たぬ。
と、言うわけで、こちらに伺い、まずはマティニ・ロック。
この強い酒はストレイトアップ・ノーアイスに限る! といううるさ方のご意見はもっともである。
一方、世の中、お台場シティもといダイバー・シティ、多様化の時代だから、 #いんだよ細けえ事は! と、自称「ミスターマティニに薫陶を受けた」バーテンダーのいる店*1 のご近所で、横紙破りをしてみる、というのも悪くない。
空きっ腹にガチッとくる酒を入れると、俄然、食欲が湧く。
バーでの食欲対処は、ビフカツ・サンドに決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすれば、同じサンボアでも、ビフカツ・サンドを名物としているお初天神ちかくのCCなかしまhttps://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27049330/dtlphotolst/?smp=2 の出店にして今はなき、北新地のバーなかしま https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27004892/ で店主を張っていた、現天神橋サンボア https://tabelog.com/osaka/A2701/A270103/27074644/ 田仲店主の奥さまに敬意を表し…と、 #知ってることを全部いう すると、「よけいなことをかいてはいけません」と、当局から、強いご指導を頂戴するから黙っている。
そう思いながら、厨房から運ばれてきた断面の紅色が艶かしい、佳い仕上がり具合のビーフカツレツが挟まれたサンドウィッチにかぶりつくと、グッとケダモノの血の香り、旨味が口腔にほとばしるのが素晴らしい!
…ンであるが、肉の縦横の切り出し方由来か、筋切りの刀工に迷いがあったのか、噛み切りにくく、ままよ! と一切れをまるごと口の中に押し込むと、渋滞し、「一所懸命」噛み締めないと落ち着かないような感じになり、目を白黒させながら、むう、とはいえリキはつくような感じがしないでもない、と、平気な顔をして嘯きつつ、酒のお代わりに余市ハイボールを頼んで、ハードボイルドを気取らない、事もない。
*1 くどいがソクインのジョーで敢えて店名リンクは避ける
おかえりただいま
京都との間には結界じみたものがあるのか、快速電車でほんの30分ほどでしかないのに、大阪駅のプラットホームに立つと、妙にホッとする。
なんというか引力が違うような風があり、歩く足の裏に掛かる重みがふと軽くなったように思う。
無論、錯覚にすぎず、単に観光と雅の街より、ナニワヲトコのドコンジョー! なシノギの町の方が、旅商人には気安い、という事なのであろう。
翌朝、空港までのアクセスのいい梅田の宿が久しぶりに取れたので荷をほどき、ついでに着ていた背広をラフなものに替え、トコトコ地下道を歩いて北新地に向かう。
「いつもの」最初の一軒。
こちらより銀座、浅草の出店でお見かけする機会の方が多いマスターは相変わらずの佇まい。
土曜日の夕方だというのにコントワールはほぼ埋まっており、チョッとダーク(ダックス)なポーズをお願いして隙間に入り込む
と、別に故郷でも、勤め先でもないのに、あゝ帰ってきたよ、という感覚になるから不思議だ。
雑誌ダンチューで2号に渡り特集されたからか、以前より若いお客が増えたような気がするが、休日だからかもしれないし、もっと言えば、こちらが勝手に「年をとってしまった」だけ、なのかもしれない。
サンダウナーのカクテルアワーでは、ストラスアイラ・ストレイト・ノーアイスに決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすれば、めしの前に強い酒精で胃を刺激してやると、食欲に弾みがついて良いような気がするが、島系の各種香りと味の要素が強すぎるスカッチでは何やら騒がしいし、そうかと言って、酒精だけを追求したホワイト・スピリツ、中でもジンを求めると、ジャック・ザ・リッパーが追い回した、身も世もない貧しい娼婦たちのようだから、とは、公手成幸先生訳スティーブン・ハンター著「我が名は切り裂きジャック」(扶桑社 刊)に脳が煮えすぎだから黙っている。
そう思いながら持ち重りという表現が適切なダブル容量のショットグラス、と、文法上は矛盾を抱えるが #いんだよ細けえ事は! な器を親指と人差し指でCの字を作り、縁に沿わせるように掴み、中指を人差し指に添えるようにして口まで運び、二本の指の間から酒をすする「山口瞳晩酌方式」を採用し、しかし背中は丸まらないよう配慮の上、琥珀の液体の素性を舌で探ると、利き酒用語で言うところのフローラルな香りと甘みが遠慮ぎみに、しかし確りと広がり、嚥下すると引っかかる事なくスムーズに食道を抜け、胃粘膜を焼き、京都祇園で昼から使った燗酒とご馳走の記憶から緩やかに解放されて行くさまが心地よく、流石世界のベストセラー、シーヴァスリーガルの原酒に採用されるだけのことはある! と、口の中で呟いては、こりゃ酒場レビューじゃなくて単なる #知ってる事を全部いう テイスティング・ノートに過ぎねえな、と、薄い唇の端を少しだけ上げて笑う代わりにする、アランドロンの殺し屋スタイルを真似っこしない、事もない。
当たり前だが新地っぽい
インバウンドな爆買いさんが盛況になってからこちら、梅田方面のホテルが取りにくくなり、玉突きみたいな話だが堂島で荷を解く事が増え、結果的に北新地をうろちょろする機会が増す。
同じサンボアなら全日空ホテル近くの堂島サンボアもクラシックでいいが、銀座、浅草にものれん分けで同名の店を出している新谷オーナーのこちらに寄ると、無意識にそれら二つと比べるからか、より大阪に来たな、という気になり、旅人気分に浸る事ができる
…ような気がする。
そして、こちらで酒食している人々の、大人っぽくも静かな様子を見ていると、アホちゃうかなんでやねんの大阪人のイメージが、いかにテレビで練り上げられたものかを痛感する。
新地ではマティニ・ロックに決めている。
決めているのに理由はない、あったとしても忘れてしまった。
もしあるとすれば、飲み終わったあと、二杯目を注文し、空のグラスを下げてもらう時、新谷氏が西部劇のワンシーンみたいに、カウンターの上をザーッと走らせる様が好きで、その際コリンズ・グラスだと、万が一にもひっくり返らないかと心配で、重心の低いオールドファションド・グラスで出されるものをつい頼みがち、とは、何を言ってるかわかりにくく、百聞は一見に如かずなので黙っている。
そう思いながら、ゴードンとノイリープラット、オレンジ・ビターズを用いビルドで構築され、レモンピールの香りは移さない、古典な処方のそれを口に運ぶと、店の落ち着いた空気も相まり、昭和の終わりに銀座で飲んでいた若い頃を思い出し、半ばタイムスリップしたような気になるが、バックバーの奥に、半ば隠すように置かれた、廃番久しいジョニーウォーカー・グリーン・ラベルのボトルが目に入り、これをオン・ザ・ロックで所望すると惜しげもなくダブルで注がれ、ヴァット・モルトの風味を鼻で舌で感じると、ああ、やっぱり今は平成の世の中で、自分もしっかり中高年のおぢさんであるなと再認識しない、事もない。
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ムササビヒンソー
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「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら
店名 |
北新地サンボア
|
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受賞・選出歴 | |
ジャンル | バー |
予約・ お問い合わせ |
06-6344-5945 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
北新地駅から257m |
営業時間 |
|
予算(口コミ集計) |
¥3,000~¥3,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード可 (JCB、AMEX、VISA、Master、Diners) 電子マネー可 |
席数 |
32席 (スタンディングカウンター約10席、テーブル22席) |
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個室 |
有 (8人可) |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | ワインあり、カクテルあり、カクテルにこだわる |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 一軒家レストラン |
ホームページ | |
オープン日 |
1994年 |
備考 | |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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旅先での一軒目、どこに入ったらいいかウロタえてしまう……というのは酔漢の言いぐさ以外の何ものでもないが、宿につき荷物を解き、洗面所の鏡に向かい、ヨレたネクタイをちょっと引っ張り、自分では最高にチャーミングだと思い込んでいる笑顔の「練習」* をしてから宿を出て、さて今夜はどこから始めようか、という時に、「立って飲む」コントワール式の酒場がとりあえずの目標になる、というのは月並調かもしれないが、移動でややとっ散らかった気持ちを沈めるのには悪いことではない、と決めつけている。
こんぬつわ。
今日お着きで?
うん、で、明日の朝一仕事してすぐ帰るんだけどさ。
ははは、相変わらずですね。
はは、まぁね、ジン・トニック。
氷の上にたっぷりのライム汁を絞り込み、ジンは北方謙三パイセンをして「ゴードンだけがジンさ」と言わしめたロンドン・ドライジンを、このグループの作法でダブル処方。
そこにビタズを数滴落とすところも、やや時代がかっているが、昔からのこちらの作法。
とはいえトニック・ウォータは薬事法改正と共に輸入が始まって久しいキニネ添加なフィーバー・ツリーにいつの間にか代わり、総じてクラシックではあるが、決してオールドファションドに止まっていない事に改めて気がつく。
こちらも喉を鳴らしてガブリとやらず、いつからか、いっぱいをじっくりと
「口に含み、味わい、嚥下する」
ようになっていて、店もひともこうしてゆっくり、少しずつ変わっていくんだね、と分かっているんだかいないんだかわからない(から、「分かっていない」んだろう)感慨を持ちつつタンブラを空にし、勘定を申し付け、さて、本格に飲んで食うかと、予め電話をし、席を取っておいた店に向かわない、事もない。
尚、具体的な御菜の詳細は、別掲のシャシンないし、シャシンのコメント欄に当たって頂きたい。
*傍からは単に顔をクシャッとしてるようにしか見えない #冷徹な事実