関東炊かないおでん : 常夜燈

おでん。そうだ。おでん食べよう。おでんとは、これでもかという多種多様な具材達がひとつ鍋の中でセンターポジションを目指して熾烈な戦いを繰り広げる笑いあり涙ありのまさにODN48なのだ。キミの推し具材はなんだ？(キリッ

ちなみにおでんダイエットというのがあるらしいが流行っているのかは全く知らない。が、年初に無謀にも糖質制限ダイエットを敢行していたしゃもじ隊的には、おでんはかなり強力な糖質オフ晩ご飯メニューだった。おでんのタネは糖質の無いものが多いのだ。あ、でもジャガイモとかちくわぶには手を出してはいかん。ちなみにハンペンは嫌いです。

とついミニコラムづいてしまう位におでんは魅力的な食べ物なのだが、何気にお店で食べたことはあまりない。いやあるけどツマミにおでん5種盛りとかそういうヤツだけだ。

そういうのではなくおでんを食らう為にその店に行きおでんと共に出汁に浸るほどの体験をしてみたいわけだ。ハービバノンノ。

ということで何故か場所は大阪・梅田。ここにおでん界に激震を走らせるアンビリーバボーおでんがあるということでのれんをくぐる。その名も「常夜燈」さん。

そもそもおでんは別名・関東炊きと言われてるわけで、てことはこの店は関西炊きってことなのか。てことはアレかい、四国で作ったら四国炊きで九州で作ったら九州炊きってことかい？ついでにアフガニスタンで作ったらアフガニスタン炊きってことなのかい？ええっ？どうなんだい！？

と誰に突っ込んでるのかわからぬ興奮冷めやらぬ状態で着席。実は本店に電話したんだが、予約が取れずにこちらにお邪魔した経緯はナイショだ。

さてまずはビールをグイッと。さぁおでんだ。なんだが美味しそうな一品メニューがあるが間違えてはならん。我々はここにおでんを喰らいにきたのだ。脇目もふらずにおでんなのだ。つまりODNだ。

しゃもじ隊はいつも通り予習を欠かさない勤勉かつ失敗を恐れるビビリなペンギンなので、テッパンおでんダネで勝負。

よって、聖護院大根・玉子・ロールキャベツ・ひろうす・こんにゃく・海老芋・ハモ豆腐・タコでスタート！

ちなみに知識のないボウヤのために解説しておくと「ひろうす」とは関東で言う所のガンモのことだ。あのダミ声の鳥みたいなのじゃねえぞ。それはグーグーガンモだってばよ。しっかりしろよ。間違えてんじゃねえよ。角野卓造じゃねえよ。

ちなみに「海老芋」と「ハモ豆腐」はしゃもじ隊的には謎のタネなのだが調べによるとこちらの名物とのこと。ぐふふ楽しみだわ。

さぁおでん鍋登場！なっ！！出汁がっ！濁ってる…これが関西炊きなるゆえんなのか…関東のおでんのような透明感はゼロだ。どっちかというと鳥の水炊きの白濁スープに近いイメージ。

獲物を狙うベンガルワシのように炊かれ続けるおでんを眼前にお預けを喰らうしゃもじ。店のおっかさんのもういいわよ！を合図にレッツゴーしゃもじ。

まずはひろうすから。アフアフ。むー！しみてるねぇ。演歌だねえ。思ったより柔らかくてしっとりしてます。確かにこの出汁美味しい！しっかりした味。でも重くない。コイツが秘伝のダシの底力か…

ということは。ですよ。しみるといやぁ。ねぇ？大根ですわな！満場一致ですわな！いきますわな！

上島竜兵ばりに顔面にビターンと行きたい衝動を抑えつつ箸を入れるとしょわーと切れます。こりゃあ期待できるってもんだ。

(@￣ρ￣@)

こっ。これはなんというかおでんの大根というより単独の割烹料理に近いような。しみ方も半端ないが聖護院大根独特のほっくりした食感が出汁とうまいこと合ってる。

と続けざまに玉子さんを。と思ったら何と黄身が2個あるヤツじゃない。これは当たり…？まぁいいや。んー玉子もいいね。玉子はおでん界のセンターポジションだからね。これが無くちゃ始まらないってもんよ。でもおでんの黄身ってヤツは恐ろしく熱くなってるので気をつけて食べないとしゃもじ隊のように口の上の歯の裏の部分を大火傷するので気をつけてもらいたい。メッチャ痛いっす。くそぅ。

そして待望の海老芋をいってみます！おぉ。確かに海老っぽいけどなんか芋っぽい。そのまんまやんけ！というツッコミも覚悟のうえだがなんていうかホントにそうなんだもの。でも海老っぽさがしっかりしてて美味い。新しい感覚かも。

そしてハモ豆腐。確かにハモっぽい。だがしかし豆腐。こんな雑なコメントばっかだな、今回…

なんというかフワッとしていてすり身の味も程よく感じられる。豆腐とはいえないこの感じはこれまた新感覚。でもハンペンみたいにフワッとしすぎてなくて美味しい！

と、ここでタコ登場〜！おっかさん曰くタコは一緒に炊くと固くなっちまうから別にして出すらしい。なるほどね。

串に3つ刺さってます。うむっ！美味いっ！プリップリです！タコは美味しいなぁ。結構太めの足を選んでいるのか、かなり満足の食感。

ということで練り物は腹にたまるのも顧みずに食べまくって大満足。ちなみにこんにゃくもエライ美味しかった。

初めての関西炊き。感動した！

もちろん関東のキリッとした醤油だしももちろんいいんだけど、これは全く別の食べ物。こってりとした出汁に短い時間でしっかり味を染み込ませるこの匠の技。この出汁がタネに染み込んだら渾然一体となった料理になってしまう奥深さがある。

大阪のそこかしこでこんなステキなおでんが食べられたらパラダイスだが、多分そんなことはないだろう。名店と言われるにはそれなりの理由がある。お値段は少々お高めだが、屋台で食べるものだというおでんの鉄板常識を覆し、心して立派な料理としてまた食べてみたい。

でもこの店夏場はどーすんだろ…

「真夏に大汗かいておでん」がこれからのニューウェーブになるのかならないのか。

ともあれ大変おいしゅうございましたー

ごちそうさまでしたー