ビリヤニデーに再訪したかったな : 南インド料理 ケララキッチン石垣島

ほぼ一年ぶりの再訪をさせていただいた。
本来なら月に２回程度開催されるビリヤニデーに行きたかったところだが、石垣島訪問直前にビリヤニデーが終わってしまっていたのだ。

この日にいただいたのが、チャパティミールス。
チャパティとは南アジア周辺で一般的に食べられている主食的な食べ物のことで、日本で知られているナンは現地ではほとんど食べられることも無いようだ。
日本にやってきた別のあるインド人シェフによると、彼はそれまでの人生でナンを２回しか食べたことがなかったらしい。

正直なところ、日本米のライスは要らないからチャパティを３枚くらい付けて欲しいなぁとは思うものの、やっぱりディビッドさんの料理は秀逸で、そこに満足してしまった。

次は絶対にビリヤニデーに来たいなぁ。

なんと短期間で訪問３回目のケララキッチン。
今回は偶然滞在中にビリヤニ提供日があると知ったために、予約して取り置きをお願いしていたのだ。

前のレビューにも書いた通り、シェフのデビッドさんはアーンドラプラデーシュ州の州都であり、ビリヤニで有名なハイデラバードのホテルで２０年以上に渡って腕をふるってきた料理人。
ビリヤニの聖地とも言える場所で料理を作ってきた、いわばビリヤニを知り尽くした人だと言っていいかもしれない。

個人的に本格的なビリヤニを初めて食べたのは当時住んでいた東京の御徒町にあるアーンドラキッチンだったが、何だかアーンドラという地名には縁があるような気もする。

ちなみにビリヤニはこのお店では月に２回くらいの不定期でしか作らないらしいので、ビリヤニ目当てで行くなら事前にケララキッチン石垣島のFacebookをチェックした上で取り置きをお願いしておくなどの注意が必要だ。
ビリヤニはバスマティライスを使うなど、素材も高いのでむやみに作らず、予約数量を目安に作るようなので。

ビリヤニはチキンレッグが丸々一本入っていた。
マトンはやっぱり高いそうだが、沖縄なら山羊で作るのも面白そうだとは思うものの、山羊も流通量に限りがあるのでこれまた難しいだろう。

ビリヤニ自体が美味しいのはもちろんのこと、上にかかっている玉ねぎの入ったペーストの旨みが感動レベル。
付いてくるグレービーも野菜の甘みも感じつつ、ジワジワくる辛みが素晴らしい。
ライタはシャバシャバ系で酸味のあまり強くないタイプ。個人的にはこの手のライタが好きかな。

全体的にみると、日本でもあまり多くない程の高いレベルのビリヤニだったように思う。
もちろん最近の日本の大都市でも良い南インド料理のシェフが増えてきているので、国内でも高いレベルの料理を口にできる機会は増えてきたと思うし、自分にはその優劣をつける程の舌はないけれども、このビリヤニは大都市でも充分高い評価を受けるべきレベル。明らかに筋金入りのプロフェッショナルの作る味だった。

ただこのお店は気軽に来られないのが残念。
でもこの店のビリヤニを食べることを、次回の石垣島訪問のモチベーションにするのも良いかなと思う。

こちらの珍しいところは、南インド料理なのにビーフカレーがあるところ。

インドの多くはヒンズー教なので牛肉がタブーとばかり思っていたが、南インドでもケララ州などはその手のタブーにあまり拘りがないようで、牛肉もよく食べるんだとか。聞いてみないと分からないもんだね。
これは結構辛さ強めで牛肉の味がよくしみ出たグレービーで、かなり美味しかった。

あとはケララ州くらいにしか無いんじゃないかという、バガーラライス。バガーラライスとはスパイスなどを入れて炊き上げたライスだが、クミンなどで作るジーラライスとは全く違うもの。
見た目にはホールスパイスはクミンくらいしか見当たらないが、香りは複雑なスパイスの香りがする。その割にはカレーと合わせても過度に主張することなくて美味しく食べられる、なかなか優秀なライスだった。

まさか石垣島に来てまで、こんな本格的な南インド料理に出会えるとは思いもしなかった。

次回の訪問はいよいよビリヤニデー。
インドにおけるビリヤニの聖地、ハイデラバードのホテルで長年勤め上げたデビッドさんの作るビリヤニが楽しみで仕方がない。

店名がケララキッチンなので、南インド料理に興味を持つ自分としては訪問したいと思っていた。

オーナーは日本人のようだが、基本お店はシェフのデビッドさんが任されているよう。
デビッドさんはインド南部のケララ州の出身で、20年以上に渡ってアーンドラ・プラデーシュ州の州都であるハイデラバードのホテルで腕を磨いてきたらしい。

インド料理に詳しい方はここでピンとくるかもしれないが、ハイデラバードと言えばインドのビリヤニの聖地とも言える街。そこで長年腕をふるってきたシェフが、今この石垣島にいるというのも何だか不思議な感じがしてくる。

この日いただいたチャパティミールスは、チャパティ一枚にカレー２種(４種から選択)、パパド、アチャール、日本米、サラダが付いて1,080円。
カレーはダル(豆)とチキンを選択してみた。

カレーは南インド料理にしてはかなり辛さは抑えてはいるが、スパイス感やグレービーの旨みは抜群。
現地出身のシェフの作る料理に自分みたいなのが評価をするのもおこがましいとは思うけど、まさか石垣島で本格的な南インド料理を口にできるとも思っていなかったので、何だか嬉しくなってしまった。

ただ石垣島のような場所はシーズンによっても訪問客は大きく変動するんだろうけど、この時は他にお客さんはなく、デビッドさんがこういう環境にいるのも何だか勿体ないような気もした。