沖縄県内全ての酒造所の泡盛を地元の家庭料理とともにいただける泡盛バー。 : 泡盛酒場 ほたる橋

泡盛酒造所をはじめ多くの業界関係者の方々から「あそこはいいよ～」と支持を集められているといわれる泡盛バー「ほたる橋」さん。
私も以前に地元の方からその話をお聞きしていながらなかなかタイミングに恵まれずにいたのですが、ようやく今回念願の初訪問を果たすことができました。
場所はディープな飲み屋街である栄町社交街を通り抜け、さらに住宅地の中を進んだ先にあります。
県外の観光客が偶然通りかかる場所ではないだけに店内はもちろん地元の常連さんばかり。
いかにも地元の本当に泡盛好きな方々が集まる地元密着型の泡盛バーという感じですね。
一見なので最初は若干アウェー感を感じますが、知識豊富なおかみさんとご主人が親切丁寧に接してくださいますのですぐにリラックスできます。

まずは泡盛の前にオリオンの生で喉を潤していきます。
ちなみに「ほたる橋」さんではお通しはありません。
また料理についても決まったものは無いらしく、ホワイトボードに書かれただいたい10〜15品くらいの日替わりのメニューから選ぶ形となっているようです。
価格はどれも全て300〜500円という設定が嬉しいところですね。

この日いただいたのは「島豆腐」「ゴーヤーチャンプルー」「豚ロースソテー」の三品。
「島豆腐」は独特の固さと大豆の旨みがとても心地よいです。
「ゴーヤーチャンプルー」は、ゴーヤー、缶ポーク、島豆腐、玉子というシンプルな内容ながらも胡麻油の風味がしっかりと効いていて、家庭料理のような美味しさですね。
「豚ロースソテー」は柔らかくて肉汁ジューシーで「ラフテー」などとはまた違った意味で泡盛などのお酒ともとてもよく合っています。

さて、オリオンに続いては泡盛のほうもいただいていきましょう。
「ほたる橋」さんには沖縄県内全ての酒造所の泡盛が揃えられているだけでなく、それぞれの蔵の中でも希少な銘柄もいただけるのが嬉しいところ。
しかもほとんどの銘柄がグラス一杯300円からいただけるのもありがたいところですね。

まず最初の一杯目はすっきり飲みやすいものからと「琉球」か「ザンシロ」あたりかで迷っていたところ、オススメいただいたのは「宮の華」。
宮古島限定の銘柄をいくつか出されている「宮の華酒造」さんの一般酒ですね。
古酒の「豊見親」は以前に宮古島でいただいたことはありますが「宮の華」は初めてです。
なるほどと思えるすっきりとした味わいですが、じんわりとくる味わい深さもあって、こちらが求めているものをしっかりわかってくださっているような流石と思わせてくれるセレクトでした。

二杯目は逆にちょっとクセのあるタイプが飲みたくなり、今度は双方がセレクト一致し「白百合」をグラスロックでいただくことにします。
一昔前までの独特の臭さはちょっと影を潜めてしまい良くも悪くもやや洗練された味わいになってしまいましたが、それでも石垣島の密林の苔を思わせるような独特の香りは楽しめますね。

三杯目にいただくのはミーハーと言われようともあればやはりいただきたくなる「泡波」をグラスロックで。
沖縄県内48酒造所全ての泡盛を揃えられている「ほたる橋」さんではもちろんいつでも「泡波」もいただくことができます。
しかも1,000円未満でいただけるのは「ほたる橋」さんならではの魅力ですね。
クセの強い泡盛をいただいた後でいただく「泡波」はチョコレートのようなかすかな甘みを感じさせてくれてやはり美味しいです。

四杯目は「春雨」シリーズの中から「ゴールド」をグラスロックでいただきます。
「カリー」はいただいたことはありますが「ゴールド」は初めてです。
程よい強さとしっかりとした旨みがとても印象的な美味しい泡盛ですね。

そして最後の五杯目にいただいたのは「海の邦」の10年古酒43度をグラスロックで。
出荷後さらに10年近く寝かされていたようで20年近い熟成酒ということになりますね。
43度という度数の強さを感じさせないまろやかさととろりとした甘みがすごく印象的です。
じっくりといただくのに最適な泡盛ですがあまりの飲みやすさからあっという間になくなってしまいました。
これを600円でいただけるというものあらためて驚きです。

希少な銘柄も含めて非常に種類豊富な泡盛が揃い、しかもリーズナブルにいただけるという、泡盛好きにはまさに天国のような酒場ですね。
ややシンプルな内装ですが、おかみさんとご主人によるアットホームな雰囲気がとても心地よく、常連になればなるほどより居心地が良くなっていきそうな感じがあります。
22時閉店という点だけは気を付けなければなりませんが、これで安里界隈での2軒目以降の選択肢により幅が広がりました。