岡山県で突出した評価を受ける全国的な有名寿司屋 : すし処 ひさ田

場所は岡山の瀬戸駅というところから、タクシーで約２０分程行ったところにあります。
岡山駅までタクシーに乗ると４０分前後かかります。
車の道中はほとんど真っ暗闇の田舎道です。

こちらは岡山で、突出してダントツナンバー１評価を受けている高級寿司店でして、
関西全土のお寿司屋さんの中でも随一とうたわれる名店です。
その抜群の人気にも関わらず、営業は週末の金・土・日の週３日間のみでして、
予約がかなり難しいとされているお店です。

普段全く足を運ぶ事のない岡山に加え、その岡山の中でもかなりのアクセスの悪さですが、
今回はこちらに伺うために、２ヵ月程前から予約した上でワクワクしながら足を運びました。

外観は一軒家となった建物ですが、街灯がほぼなく暗くて全体像は見えません。
扉の部分のみ綺麗に照らされています。

店内は入ったフロアに大きなテーブルがあり、
そのすぐ隣のフロアにＬ型になったメインとなるカウンターがあります。
テーブルは使っていないようで、カウンターのみの配席となります。

サービスは女将さんが対応してくれ、全員揃う頃に大将が出てきてあいさつをされました。

夜の提供は、１９時からの一斉スタートとなります。
オーダーはおまかせ１種のみで、価格は確か２００００円（税別）だったと思います。

写真撮影は本来ＮＧですが、今回運よく一緒になったお客さんも撮りたいとの事で、
嬉しい事に特別許可が下りましたので、撮影させていただきました。

では料理紹介に。

まずはアテから。
・タコ
・サワラのタタキ
・煮ホタテ
・モッツァレラチーズの漬け
・ミツバとキクラゲ入り玉子焼き

鮮度抜群のタコから始まり、それぞれ違った味付けでアテを３種類。
次に、大将の地元にある吉田牧場というところから長年仕入れているという、
モッツァレラチーズを醤油漬けにして、オリーブオイルと山葵がかけられ提供。
お寿司屋さんのイメージではなく斬新さと面白さが相まった現代的な一品ですが、
これが１０年くらい前から定番で提供されているというのにはとても驚きました。
今でも尚この一品は珍しいのに、当時のチョイスとしては目を付けるセンスの良さというか、
さぞこのオリジナリティはもっと珍しがられた事でしょう。
玉子焼きも創作された物、きくらげの食感が良いですね。

ここからがメインの握りになります。

・ヤリイカ
・ヒラメ
・鯛
・コフグ
・サヨリ
・ブリの漬け
・トロの漬け
・車エビ
・黒ウニの炙り
・イクラ
・サバ
・タチウオ
・サワラの辛味大根
・青ウナギ
・ハーブと沢庵の巻き
・あんこ玉
以上の料理内容です。

ネタはアテ含め、ほとんどが瀬戸内海で採れた魚を使用されているとの事。
シャリは酢、塩加減がかなり控えめであっさりとしたお米がベースです。

さすがの評判と、数十年経験された上に色々なお店を食べ歩かれているだけあり、
ネタの素晴らしさに加え、見事な包丁の切れ目や特殊なエビの握り方など、
至る所で技量の高さが垣間見える、こちらならではの握りが多くありました。

味わいとしては、山葵の代わりに柚子胡椒を使ったトロや、炙られた黒ウニ、
コフグ、素材の良さと火入れが相まった抜群の青ウナギ等が素晴らしく美味しかった。
もちろん他のネタも素晴らしく、どれも外れなどなく美味しかったです。
使われている海苔も全てパリパリに仕上げられています。
ただ唯一大きな一点、ネタの素材はどれも素晴らしいのですが、
個人的にはシャリの酢加減があっさりとしすぎており、そこは好みに合いませんでした。
僕が今まで食べてきたお寿司屋さんの中で、おそらく一番シャリの酢が弱いです。
ここは完全に好みでしょうが、そのため僕にとっては一貫一貫の存在感が弱く感じました。
強めの酢や個性的な赤酢を使われている握りが好きな方には物足りないかもしれません。

ただサービスに関しては、お寿司屋さんでこれ以上とないくらい最高峰の対応でした。
大将は自らもかなり会話をされる方で、常連さんや一見などの境目はなく、
最初から細かな気遣いに加え、一つ一つの対応はとても居心地が良かったです。
物腰の低い丁寧な硬い対応というのではなく、それを少し崩した際の絶妙な形で、
こちらからも気軽に質問をしたり声をかけたりできる空気感を作ってくれました。
なので色々な会話をさせていただきました。

それにサービス精神旺盛で、途中特別に余ったネタの握りをサービスをしてくれたり、
一連の全てを食べ終わった後もおまけで握ってくれたりと、とても親切にしてくれました。

さらに特記すべきは、お酒に加え、そこに対してのサービス。
あまり見ない日本酒が色々と取り揃えられており、こちらのオーダー以外の日本酒も
好みかどうかを少量で色々と試させてくれたり、そのバランス量を常に提案してくれる。

正直なところ、１週間で３日しか営業されておらず、尚且つアクセスも悪く、
食事も一斉スタートでの開始と、色々な場面で個性が満載。
大将は職人肌の硬めの感じの方なのかな？と勝手に想像していましたが、
これが全く逆で、実際はとても気さくでサービス精神旺盛の素晴らしい方。
個人的にはこれまで伺ったお寿司屋さんでもトップに来る対応でした。

会計は２人で４万円後半、
地方という場所柄に加え、タクシー移動が瀬戸駅からでも往復５０００円を超えるので、
それを踏まえた上で考慮すると、決して良いコスパではありません。
ただその場所柄を覗けば、金額に見合うだけの技量と素材の良さは文句無しなので、
あっさり目のシャリさえ好みに合えば、わざわざ足を運ぶ価値があると思います。
シャリさえ好みであれば…そこのみを残念に思いながらタクシーで帰りました。

どちらにしても、トータルでは素晴らしいお寿司屋さんというのは間違いありません。
どこのお寿司屋さんもこの様なサービスだったらもっと楽しいのに、
と素直に思える、まさにお手本になる様な素晴らしい人間性の大将でした。


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