山菜満載（再訪） : 越後まつだい里山食堂

　２０１５年６月．
　若い友人と『星峠の棚田』を見に行った際，以前からチェックしていたこちらのレストランにおじゃましました．日曜日の１２時２０分頃です．

　レストランは，まつだい雪国農耕文化村センター『農舞台』の２階にあります．
　『農舞台』は，『大地の芸術祭の里』の拠点になっている施設で，北越急行ほくほく線 まつだい駅の南側にあります．駅からは屋根付きの連絡通路が延びており，徒歩で２〜３分だと思います．

　里山の風景にはやや不釣り合いな幾何学的な建物で，建物や館内の各部屋自体がアート作品になっています．有料エリアもありますが，こちらのレストランや売店へは無料で入ることができます．
　なお，２階のトイレにはオモシロイ仕掛けがあるので，ぜひ利用してみてください．

　レストランのスペースは半円形で，南側がガラス張りになっています．ガラスの向こうには，青々とした山と棚田，棚田に設置されたアート作品が広がっており，かなりの開放感です．
　レストラン内の壁・天井・床はスカイブルーに統一されており，清々しい雰囲気です（でも，料理の写真が旨そうに撮れないんですよね）．半円形のオープンキッチンを囲むように２〜４人がけのテーブル席が複数ありました．席間が広く，余裕がありますね．テーブル上面は鏡になっており，天井に飾られた里山の風景写真が映り込んでいました．心憎い演出に感心しました．
　スタッフは，若い方と農家（？）のオバチャンが半々くらいでしょうか．接客は主に若い方が担当していましたが，気さくでテキパキとしており，気分が良かったです．また，オープンキッチン内では，オバチャンがテキパキと山菜の下ごしらえをしたり天ぷらを揚げており，実に印象的でした．

　なお，おじゃました時には７割方の席が埋まっていました．年齢層は高めで，ほとんどが観光客のようでした．

　土・日・祝日には「里山ビュッフェ」が開催されています（コレが自分の目的です）．大人１,５００円，小学生８００円，幼児４００円で，ドリンクセットはプラス３００円です．時間制限は，特に無いようですね．
　「里山ビュッフェ」は、前払い制です．レジで料金を支払うと，白い大きな平皿を渡され，ビュッフェ開始となります．平皿の提供は１回限りですが，ご飯やスープ用の小椀は料理のカウンターに用意されており，自由に使用することができます．

　料理は２０〜２５種類くらいあったでしょうか．コレがイカしていました．
　野菜・山菜料理が中心ですが，肉入りの炒め物や揚げ物もあり，ボリューム的にもかなり満足できました．また，おふくろの味的な料理とともに，エスニック風・イタリア風にアレンジされた料理があり，飽きずに食べ続けられます．シンプルな調理のものが多く，素材が活かされているのも良いですね．

　料理の名称はうろ覚えですが，「ダイズ・ヒジキ・紫タマネギのサラダ」，「切り干しダイコンのサラダ」，「ニンジンとツナのサラダ」，「昆布のシイタケの佃煮」，「マタタビとモヤシのナムル」，「スティック野菜（キュウリ・ウリ；野菜味噌・粗塩・オリーブオイル添え）」，「カブ・キュウリ・ウドの浅漬け」，「フキとドライトマトのソテー」，「豚しゃぶサラダ」，「セロリと鶏挽肉のピリ辛炒め」，「アスパラ・エリンギ・豚肉の炒め物」，「ナス味噌」，「山菜（ウドの葉・クズの芽・コゴミ等）の天ぷら」，「ご飯のひとくちコロッケ」，「おからのひとくちコロッケ」，「鶏唐揚げ」，「大学いも」，「黒ゴマペーストのカナッペ」，「ニンジンケーキ」，「フォカッチャ？」，「粉豆腐（郷土料理）」，「ハクサイの豆乳グラタン？」，「ブナシメジ・ヒヨコマメ・豚肉のカレー」，「シソご飯」，「白飯」，「玄米」，「玄米スープ」等がありました．多くは定番メニューではなく，季節メニューだと思います．
　特に印象に残った料理は以下のとおりです．

　マタタビとモヤシのナムル：マタタビの若葉を食べたのは初めてです．意外にクセは無く，爽やかな風味が感じられました．猫だったら狂喜しているかも（笑）．

　スティック野菜：みずみずしく，いくらでも食べられます．コクのある野菜味噌が良く合いました．

　フキとドライトマトのソテー：今回のイチオシです．フキとドライトマト・・・かなり意外な取り合わせですが，フキの風味とドライトマトの甘み・酸味，オイルのコクが良く合っていました．自宅でも作ってみたいですね．

　豚しゃぶサラダ：ナンプラー（？）がきいたエスニックな味わいです．シャキシャキ野菜がイカしてました．

　アスパラ・エリンギ・豚肉の炒め物：やや濃いめの甘辛味で，ご飯にピッタリでした．

　ナス味噌：甘辛味でトロリとしており，コレもご飯がススミましたね．

　山菜の天ぷら：揚げたてが次々に供されます．この時期，やはり山菜の天ぷらは良いですね〜．

　ブナシメジ・ヒヨコマメ・豚肉のカレー：サラリとした軽い味わいで，具がゴロゴロ入っています．程よく煮込まれた豚肉が旨かったです．


　こちらの「里山ビュッフェ」，予想以上のバリエーション・旨さで，ちょっと感激しました．
　ぜひ，季節を変えて再訪したいと思います．


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


　２０１６年５月．
　友人と２人で松之山の『美人林』を観に行った際，昼食をとるためにおじゃましました．

　日曜日の１０時２０分頃に到着しましたが，レストランの様子が前回と違っています．
　スタッフにきいたところ，当日は昼に『山菜を楽しむ会』が開催され，その準備をしているんだとか．そして，１１時〜１３時までは貸し切りで，「里山ビュッフェ」の提供は１３時以降になるとのこと．
　『それは残念』と諦めて帰ろうとしたところ，スタッフから『山菜を楽しむ会が２席空いているので，参加してみませんか』とのお誘いが！　迷わず参加を決めました．
　ちなみに，『山菜を楽しむ会』は参加費３,６００円で，昼食料金に『農舞台』と『まつだい郷土資料館』の入館料がセットされています．また，希望者は，昼食後にこれら２施設のガイドツアーに参加することができます．

　『山菜を楽しむ会』の参加者は４０人くらいだったでしょうか．中高年の方がほとんどでした．スタッフによると，毎年参加のリピーターが多いんだそうです．

　料理は以下の６品で構成されており，山菜がふんだんに使われています．演出もイカしていて，大満足の昼食でした．
　なお，飲み物は別料金で，「手作りジンジャーエール」とノンアルコールビールをいただきました．

　食べる山菜図鑑：コレが圧巻でした！！　蓋付きの角形容器で供され，蓋を外すと１５種類の山菜料理が現れます．かたくり山葵浸し・ふきのとうみそ生春巻・つくしと五月菜のカキノモト和え・アズキナ胡麻和え・うるい辛子マヨネーズ和え・ののば くるみ和え・こごみと鶏肉のごま味噌和え・わらび納豆・うどの黒米バルサミコソテー・のびる味噌田楽・ぜんまい信田巻・木の芽卵ジュレ・わらびオリーブ漬け・切干大根山椒和え・またたび芽ナムルで，芽を出す順番（カタクリ⇒マタタビ）に並んでいました．まさに山菜図鑑！
　それぞれの料理を食べ比べると，山菜の風味・食感の違いがよくわかりますね．下ごしらえがキチンとされており，イヤなアクは全く感じられませんでした．

　山菜天ぷら：根曲がり竹・くずの芽・山ぶどうの芽の天ぷらで，揚げたてアツアツです．粗塩が振りかけられていました．コリッ・シャキッとした食感のネマガリタケと，甘味のあるクズが印象に残っています．

　妻有ポークとんとろ煮 のかんぞう添え：豚肉が柔らかく煮込まれています．脂の部分がトロトロでした．甘辛味で，ご飯が欲しくなります．粗挽き黒コショウが良いアクセントになっていました．ノカンゾウはクセが無いですね．

　ふきごはん セリのせ：フキの葉を敷いた茶碗で供されます．ココロニクイ演出でした．薄味で，フキ・セリ・ショウガの風味が心地良かったです．おかわりをすすめられて，３膳食べちゃいました（笑）．

　みょうが竹 豆腐のおぼろ仕立て（椀）：吹雪のように細かい豆腐の入った，上品な汁物です．ミョウガタケの風味が初夏を感じさせました．

　菜の花レアチーズのいちごソースがけ：ワイングラスで供されます．レアチーズケーキのコクと，イチゴソースの酸味・風味がベストマッチでした．

　
　思いがけず良い企画に参加することができました．リピーターが多いのも頷けます．
　『山菜を楽しむ会』は毎年この時期に開催されているそうなので，いつか山菜好きの両親を連れて参加したいですねぇ．