料理は美味しいものの、騒がしく、用途は限定されます。 : ビストロ椿

☆　ビストロ椿（新潟市／洋風居酒屋）について　☆

　新潟市の萬代橋の近くにある「ビストロ椿」。新潟で複数のブランドで展開する「よね蔵グループ」が経営する洋風居酒屋で、食べログの新潟／フレンチランキングでも１～２を争う評価の高いレストラン。場所は新潟駅から徒歩２０分、萬代橋を渡って約３分の距離に位置します。公共交通機関を利用の場合は「新潟交通」を利用し、本町バス停から徒歩１分です。いつもこの通りの前を通る度、オシャレな外観とドでかい看板が印象的で、だいぶ昔から気になっていたレストランで、念願かなっての初訪問です。

１　雰囲気について
　店内は、ダークブラウンの木目調のシックな内装で、ガラス窓が広く取られ開放的な雰囲気です。入口付近にあるオープンキッチンでは、料理人が元気にキビキビと働く姿が目に映り、活気のある店の雰囲気を作り出す１つの要素となっています。店舗の座席総数は、１４０席とかなりの大型店舗で、メインダイニングにあるテーブル席とカウンター席、奥にある個室、外にはテラス席も用意され、様々な用途に対応可能です。私はメインダイニングにある円卓の席に案内されたのですが、テーブルは大きいものの、隣の席とほぼくっつけられた状態で、東京でもパリでもこんなに隣席との距離が近いビストロは初めて。必然的に隣席の会話が喧しく、おまけに喫煙が可能なので、受動喫煙の状態が続き、苦痛の一言でした。たまたま、私の隣の方がちょっとした宴会で騒がしく、タバコを吸われる方だったからかもしれませんが、この様なリスクはあるということは認識しておいた方が良いでしょう。なお、メインダイングはほぼ満席でしたが、奥のスペースはかなり空いていのが疑問です。また、店員の接客に関しても、フロアマネージャーがバイトらしきサービススタッフを指示して仕切るといったスタイルを取っているのですが、その指示（ダメ出しを含め）を客が食事をしているダイニング内で行うため、バタバタしていて騒々しさに拍車をかけていました。総じて「騒々しい」というのが一番の印象で、大事な人との食事には不向きで、若い方の宴会用の居酒屋といった感じです。

２　料理について
　メニューは、下記に示すグランドメニューと写真に掲載したその日のおススメメニューが用意されています。ビストロと名乗るだけにフレンチを提供する店なのかと思いきや、ほどんどの料理がイタリアンかスペイン料理でビストロというのは名前だけ。「洋風居酒屋」と定義するのが正しいでしょう。
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【冷製　魚料理】
・　本日鮮魚のカルパッチョ盛合わせ　640円
（２人前より）
【前　菜】
・　生ハム盛合せ　980円
・　チーズ盛合せ　880円
・　かつお風味のピクルス　480円
・　パテ・ド・カンパーニュ　580円
・　ベーコンチェダービスケット　200円
・　ガーリックトースト　150円


【牡蠣料理】
・　本日の牡蠣　１Peace　360円
　　（２Peaceより）
・　グリル牡蠣　360円
　　茄子とトマトソース
　　フレッシュトマトとジェノベーゼソース
　　ほうれん草とクリームソース
　　アンチョビキノコトマトソース
　　ゴルゴンゾーラバターソース
・　グリル牡蠣５種盛り　1,600円
【温製　肉料理】
・　グリルミスト　1,980円
・　にいがた和牛タリアータ　1,280円
・　村上牛のレアハンバーグ　1,280円
・　アンガス牛のハラミグリル　1,080円
・　牛１００％ハンバーグ　780円
【温製　肉料理　ラム】
・　ラムチョップ　580円
・　自家製ラムソーセージ　680円
・　Bistroラム餃子　580円
【佐渡牛のトリッパ】
・　シンプル　880円
・　トマトソース　980円
・　デミグラス　1,080円
【手造り　ソーセージ】
・　ソーセージ盛合わせ　980円
・　自家製ラムソーセージ　68０円
【PIZZA】
・　マルゲリータ　クアトロフォルマッジ　680円
・　イタリア産生ハムとハーブサラダ　680円
・　半熟玉子のボロネーゼ　680円
・　ベーコンときの子のホワイトソース　680円
・　茄子とアンチョビ・オリーブのトマト　680円
・　彩り野菜とベーコンのペペロンチーノ　680円
・　フレッシュトマトと小海老のジェノベーゼ　680円
【アヒージョ】
・　イイダコ　岩海苔のコリアン　850円
・　トムヤムクン　850円
・　椿特製　Sea　Food　880円
【野　菜】
・　半熟玉子のシーザーサラダ　880円
・　季節野菜のバーニャカウダ　1,280円
・　ゴルゴンゾーラのポテトサラダ　580円
・　パクチーと春菊のデトックスサラダ　680円
【温　菜】
・　皮付きポテトフライ　450円
・　ベーコングリル　880円
・　アンチョビポテト　550円
・　３種貝の白ワイン蒸し　650円
・　桜海老アンチョビキャベツ　550円
・　シューストポテトフライ　420円
・　ペンネゴルゴンゾーラ―　720円
・　つぶ貝とほうれん草のアンチョビバター　880円
・　スパイシーチキンウイング
　　（１２P　580円／２４P　980円）
【食　事】
・　紅ズワイ蟹のトマトクリームパスタ　980円
・　村上牛ボロネーゼパスタ　980円
・　特製オムライス　880円
・　スパイシートマトカレー　880円
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（１）お通し：チーズ入りスコーンとメープルバター　400円
チーズ入りのスコーンにメープルバターを付けて食べるというもの。基本的にフレンチ・イタリアンを食べるときは、最初にパンを食べるとお腹が一杯になってしまうため、ボリューム的に物足りないと感じた時に手を付ける程度なのですが、料理のスタートにスコーンを出されたことや、アペリティフでオーダーしたスパークリングワインとメープルバターの相性が良いとは思えないので、全く手を付けませんでした。そもそも、食べたくない料理にお金と余計なカロリーを摂取しなければならないというのは納得がいきません。
（２）アンチョビポテト【★３．０】
　お皿の上に敷かれたアンチョビソースの上に揚げたポテトをのせたもの。高温・短時間で揚げられているため、ポテトの表面が固くソースが絡みにくい。ソースはお酒に合うので、じゃかいものホクホク感を残した揚げ方で調理してくれた方が好み。
（３）夏野菜のグリーンサラダ【★３．７】
　トマト・レタス・ブロッコリー・ヤングコーン・紅芯大根・オクラが使用され、レモンの効いたドレッシングでいただくという料理。野菜の味の凝縮感が素晴らしく味が濃い。また、レモンのドレッシングも爽やかで、夏にぴったりのサラダ。ソーヴィニヨン・ブランとかと合わせたくなるようなサラダです。
（４）村上牛のレアハンバーグ【★４．５】
　鉄のプレートの上にハンバーグ、ジャガイモ・ニンジン・レンコンのソテーが添えられたもの。頃合いを見計らって自分でソースをかけるので、焼き加減は調整可能です。「レア」をウリにしているだけに、もちろんレアの状態でいただいたのですが、肉の旨みが素晴らしく、脂も上品で村上牛の素材の良さが味わえます。東京でレアハンバーグといえばミート矢澤が有名ですが、こちらのレアハンバーグの方が美味しいと感じました。
（５）ゴルゴンゾーラのオムレツ【★４．０】
　ゴルゴンゾーラチーズ、チキン、キノコが入ったオムレツ。トロトロの玉子にトロトロのゴルゴンゾーラチーズが絡み、蘊蓄無く美味しい料理。無論ワインとの相性は抜群で、〆のパスタが来るまで、この料理とワインでちびちび味わいながら楽しみました。
（６）生ワタリガニのビアンコパスタ【★４．２】
　ワタリガニ、トマト、ケイパーを使用したパスタ。躊躇なくニンニクをたっぷり使用しており、食欲が減退しがちな夏にぴったりの味付け。甲殻類の出汁もしっかり出ており茹で加減もばっちりで美味しいパスタでした。

３　ワインについて
　アペリティフにグラスのスパークリングワインをオーダーし、以降、赤・白のグラスワインを数種類オーダーしました。グラスワインのラインナップとしては掲載写真のとおりですが、５００円均一のイタリア産のスパークリングワインが３種、イタリア産の白・赤ワインがそれぞれ５種類用意されています。その他８００円までの価格で、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン及びフランス産のワインが用意され、ワインのラインナップは豊富です。味わいに関しては価格相応ですが、それぞれブドウの品種の特性を表現した個性のあるワインが用意されているので、料理との相性を考えながらワインを楽しむことができました。

４　サービスについて
　総じて、元気でテキパキしているのですが、客の目線に立っていない面が見受けられました。例を挙げると、電話予約の際に喫煙可能である旨を伝えない。カップルとカップルの座席の間に宴会目的の客を座らせる。メインダイニングの奥のフロアが空いているのにも関わらず客同士を固めて座らせる。フロアマネージャの指示等スタッフ間の調整を客が食事と会話を楽しんでいる背後で行う等が挙げられ、元気が良くキビキビ（バタバタ）働くということ以外に褒められる要素がありません。サービス料を支払っていないので、機転の利いたサービスまでは求めませんが、最低限落ち着いて料理を味わいたいので、静かに効率的に働いてくれればそれでいいのですが。。。

５　総　評
　料理はイタリアンとスペイン料理がほとんどを占めますが、総じてクオリティーが高く、宴会目的にワイワイ気軽に飲んで食べるには十分すぎるレベルです。特に村上牛のレアハンバーグとパスタは美味しく、安く、ボリュームがあり、満足感が高い料理でした。ただし、騒々しい環境、タバコの煙の中で食事を摂るというのは耐え難く、料理の美味しさを語る以前の問題だと思います。また、料理が美味しいといっても、そもそもこの手のジャンルに関しては、都内に住んでいれば普通にどこでも味わえるレベルなので、あえて新潟に行って、騒がしい中で時間を過ごす必要性は無いでしょう。一度訪問すればいいかなというのが正直な感想です。