味だけでは語れないからこそ寿司屋選びは難しいね。アハハハハッ！ : ゆう座

◼︎ 基本情報
□ 地域：奈良県＞奈良市
□ ジャンル：寿司
□ 食べログでの評価
(2018/07/02)★3.59/20口コミ［1位/97軒］

◼︎ ディテール
□ 奈良県奈良市右京にある寿司屋。
□ 最寄駅は近畿日本鉄道京都線・高の原駅。
□ 日本の寿司の代名詞的存在である銀座久兵衛の帝国ホテル店(大阪)で経験を積まれた店主が営んでいる。
□ ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012で★１つを獲得するも、その後は掲載にとどまっているが、奈良県一の声も多いと聞く海なし県の名店。

◼︎ 訪問時の状況

□ 訪問時間：土日祝日19時
□ 予約有無：事前電話予約済
□ 混雑状況：先客2組4名［待ち時間なし］

◼︎ 西島兵庫の感想

□ 料理・味：★3.8/ 驚きよりも納得の料理
□ サービス：★3.0/ リズムや趣向が合わず
□ 雰囲気　：★3.0/ 凛とした雰囲気好きなら
□ コスパ　：★3.5/ 内容と価格のバランスは良い
□ 総合　　：★3.8/ 寿司屋選びは実に難しい
(3.55)

□ オススメ：ー

各項目の詳細は、下記に記載したので、お時間のある方、興味のある方はどうぞ。

◼︎ 料理詳細

［2018/05］
□ おまかせ
酒肴① ホタルイカの沖漬け
酒肴② 真鯛の湯引き 醤油 ポン酢
酒肴③ たいらぎの磯辺焼き
酒肴④ とり貝 柑橘 塩又は醤油
酒肴⑤ かつお にんにく醤油 しそ 茗荷 わけぎ かいわれ
酒肴⑥ かますの焼き物 大根おろし
酒肴⑦ 煮あわび

寿司① いしだいの昆布締めの握り
寿司② こちの握り
寿司③ 中とろの握り
寿司④ けんさきいかの握り 柑橘 塩
寿司⑤ こあじの握り 少し締めてある
寿司⑥ えびの握り
寿司⑦ ばふんうにの握り 塩
寿司⑧ あぶりとろの握り にんにく醤油
寿司⑨ 赤身の握り
寿司⑩ 煮はまの握り
寿司⑪ あなごの握り 塩とタレ半分ずっこ

きゅうりのぬか漬け

御酒① 初孫 生もと純米酒(山形県酒田市/東北銘醸)
御酒② 新政 純米吟醸(秋田県秋田市/新政酒造)

⚫︎ 酒肴7品＋寿司11貫の寿司割烹コース。
⚫︎ 店主は余計なことは言わず、黙々と仕事を進める昔ながらの職人気質のよう。

⚫︎ ほたるいかの沖漬けから始まる酒肴はまさに正統派と言えるもの。
⚫︎ 真鯛の湯引きは咀嚼による皮の旨味が柑橘強めのポン酢により巧みに引き出されている。
⚫︎ 生だろうか、とり貝はその甘みととろけるようなしなやかな食感。
⚫︎ かつおは脂乗りの良いものを爽やかに食わせる方向ではなく、さっぱりしたものよりさっぱりと食べさせる方向のもの。
⚫︎ 煮あわびに至っては、これこそザ・トラディショナルな味わいで、最近流行りの肝ソースなどには頼らない潔さがある。
⚫︎ へえという驚きはないが、外連味のない、納得のいくものばかりであった。

⚫︎ 握りに使うシャリは米酢(白酢)による味付けで、あまり味は加えていないもの。
⚫︎ 米の輪郭がはっきりとした、丁度良い握り具合であった。
⚫︎ また、おひつのシャリをドッカと捨てていたので、品質管理はしっかりしているよう。
⚫︎ 寿司ネタはまぐろは築地だが、それ以外は大阪木津市場から引いているそう。
⚫︎ むにゅっとした食感のこちの握りと程よい軽さで締めたこあじの握りが印象的であったが、それ以外は破綻がないものの、強い印象は残らなかった。

⚫︎ あくまでも個人的なことであるが(レビューというのは元来そういうものだが)、どうもこちらの店主とはリズムが合わなかった。
⚫︎ 醸造アルコールが苦手なので純米系でとお願いすると、純米吟醸酒(提供された新政は何度かのやり取りの後に提供)は選択肢から外すし、提供のテンポもやや早い。
⚫︎ 何より産地などを伺い、その土地に想いを馳せながら食べたい兵庫としては、黙々と出されるスタイルは旨味に広がりが出ないのが残念。
⚫︎ この辺りの相性は人によるので一概には言えないので、お試しいただくしかない。

⚫︎ 相性という意味では、ここへ来る前に訪れた平城天皇陵の主・平城天皇は父・桓武天皇との相性が悪かったのだろう。
⚫︎ 決して暗愚ではなかったが、蝦夷討伐に積極的だった父と異なり、外征には消極的であったし、父の設置した勘解由使(地方行政の監査役)を観察使と改変する等、父のやることを大きく改めていった。
⚫︎ 官僚上がりの実務家であった桓武天皇と妃の母に想いを寄せる情緒的な平城天皇では噛み合わぬのも当然であろう。
⚫︎ そして遂に、父の遺命に背いて、都を平安京から平城京へ移そうとする。
⚫︎ 彼は弟に譲位し、上皇となっていたが、この時ばかりは弟・嵯峨天皇が黙っていなかった。
⚫︎ 迅速さで上回った嵯峨天皇は平城上皇の企てを未然に防ぎ、都の地位は二度と奈良には戻らず、京都が千年の都であり続けたのである。

⚫︎ 合う合わないというのは、お互い、それなりのポリシーを持っているから起きるもの。
⚫︎ それは悪いことではないし、味は前評判通りの店だった。
⚫︎ もっとも、安くはないので、再び兵庫がこの店に戻ることは多分ないかな、平城京に都が戻らなかったように。アハハハハッ！