くるみの木 - 作り上げた世界はカフェの"ひとつの理想形" : くるみの木 一条店

■Introduction■

奈良市の中心部から少し外れた場所に、一件のカフェがあります。
くるみの木。
全国に名前が知れ渡っている人気のカフェです。
お店が開いたのは1984年。
今ではネイチャー／オーガニック／ハンドメイドなど、自然なライフスタイルをイメージしたカフェ形態は珍しくありませんが、当時は数多の趣味・趣向の一部に過ぎなかったでしょう。
それがいつしか人々の関心を経て、今や1つのジャンルとして世の中へ広まっています。
そんな黎明期から1つのコンセプトを培ってきたお店。
決して派手ではありませんが、素朴で温かいお店です。
私の母も学生の頃、よく通っていたそうで。
母が幼い私を食事に連れてきた時、私は「家のご飯と変わらない」と喚いたらしいですが(笑)

そんな話もあり、いつかお伺いしようと思っていたんですが・・・
中々朝から奈良市に行く用がないんですよね・・。
月日が過ぎたある日、朝早くから市内に行くことに。
1人でブラブラ出来る時間があったので、くるみの木にお邪魔しに行くことにしました。
奈良市から車で一条高校方面を目指します。新大宮から右折、24号線に入って法蓮町の信号を更に右折。
踏切を過ぎたそばに"くるみの木"の文字が書かれた小さな看板が見えます。
その看板を通り過ぎると、シカの絵が書かれた駐車場の案内板が。
かなり時間は早いけど、予約のサインを書きに行きます。

お店の周りはそこだけ雰囲気がガラッと変わったように、木々を中心に自然を強調したつくりになっています。
門をくぐり、玄関へ。右手には何かの工房らしき小屋が。
カフェの電気は点いておらず、静まり返った玄関の扉の前にはボードがポツンと立っています。
子供の頃来た筈なのに、全く覚えておらず(笑)
とりあえず確認すると、11時30分から開店→署名順に呼ぶから待っててね、という事らしいです。
開店時間までは2時間ほどあったと思うけど、もう先客のサインがチラホラと。
こんな田舎でそれは早すぎる・・・地元の常連さんかな？

とりあえずサインをして、一旦お店を離れることに。
暇をつぶして10分前に到着。
お店の前には既に沢山のお客さんが！今か今かと開店を待っておられます。
奈良でこれだけ店前で客がワイワイしてる光景を初めて見ました(笑)

時間になり、お店の中から店員さんが登場。慣れた手付きでお客を呼び、案内していきます。
この客の集まりも彼らにしては日常的な光景になっているんでしょうか。
私の番が回ってきて、お店へ入れてもらいます。
お店の中もやはり自然にこだわっていて、木でできた机や椅子、家具が目立ちます。
壁際にはウォールシェルフがあり、カフェに隣接している雑貨屋で売っていそうなインテリアが飾られています。
真ん中の大きなテーブルに案内される私。
客席は結構な数があると思いますが、恐らく一回目の呼び出しで全て埋まるでしょう。

店員さんが注文を伺ってきます。
私の目的は数量限定のランチメニュー。
このお店の推しであり、ほとんどのお客さんがランチメニューを注文しています。
店員さんに注文を伝えると、とりあえず周りをボーっと観察。
やはり女性に人気が高いようで、お友達と一緒にいらっしゃる女性客が目立ちます。
地元のカフェらしく、ご高齢の夫婦とみられる方もチラホラと。
1人客は私ぐらいのものです。
店員さんはコットンのエプロンと三角巾を装着。細かいところまで素朴な印象を感じます。
机の上に置いた私のカメラが異様な雰囲気を醸し出しています。しまいましょう。

しばらくすると、お客さんに食事が配られていきます。
コースのように一品ずつではなく、デザートまで一気に出てくるので、お弁当や給食のように選びながら食べる楽しみがありそうです。
目の前に出てきたのはご飯、お味噌汁、主菜、副菜2つ、甘味の6種類。中々のボリュームです。
それでは、いただきます。

■Menu■

～本日の注文～
ランチメニュー　￥1,575

・割干し大根と桜海老のごはん
・新じゃがいもとワカメのお味噌汁
・新玉ねぎと三つ葉のサラダ
・いかと大根の甘酢炒め
・かき揚げ
・からし菜のお浸し
・桜のゼリー
・コーヒーorりんごジュース

＜割干し大根と桜海老のごはん＞
大根の食感が歯ざわり良く、桜海老の風味が噛む度に鼻から抜けていきます。
素朴な味わいながら、それが良いと感じさせる色ごはん。
お米の炊き上がりも少し食感を残した炊き上げで、他の料理ともよく合います。

＜新じゃがいもとワカメのお味噌汁＞
新じゃがいもは皮付きのままゴロッと入っていて、この皮が美味！
ジャガイモの風味と、シャリッとした食感が立っていて美味しいです。こんなお味噌汁作りたいなぁ・・

＜新玉ねぎと三つ葉のサラダ＞
玉ねぎは鮮度が良く、シャキシャキとしています。渋みや辛みはほとんどありません。
ドレッシングはさっぱり目のお味。

＜いかと大根の甘酢炒め＞
いちょう切りにした大きな大根と分厚く切ったいかの炒めもの。
いかは弾力があり、中々噛み切れないです(笑)。甘酢餡がとても美味しい。
大根は水分が多く、餡の旨味が少し薄れているので、もう少し味を染みこませてほしかった。

＜かき揚げ＞
一見、何のフライかわからない棒状の物体（写真参照）。実はこんにゃくのフライでした。
パン粉が軽くてサクサクして美味しい！こんにゃくがまさかフライに合うとは！
かき揚げも芋の食感が非常にGood。少し冷めていましたが、美味しくいただきました。

＜からし菜のお浸し＞
ピリッとした辛みと苦味のあるからし菜は、大人の味と言った方がいいですかね。
子供の頃の私なら間違いなく残してます(笑)

＜桜のゼリー＞
ゼリーには塩漬けの桜の花が入っていて、見た目もよいです。
ほんのり甘くて美味しいです。

＜りんごジュース＞
食後のドリンクにはりんごジュースを選択。コーヒーの味は評価できる舌じゃないんです。
果肉ごとミキサーにかけているのか、しっかりと果肉の味がします。


とても満足しました。女性にも丁度良いくらいの食事量にされています。
レジに行くと、レジの横に手作りのケーキが売られています。
家族用に2～3つ買って帰りました。

カフェの隣には、"cage(カージュ)"と、"ノワ・ラスール"という2つの雑貨店があるので、
気になる方はコチラに立ち寄ってみても良いかと思います。
また、レシピ本も出版していらっしゃるので、参考にしてみてください。

皆さんも是非、暖かい陽だまり・優しい空間の中でランチタイムをお楽しみくださいませ。
ごちそうさまでした。

■Information■

名前：くるみの木
ジャンル：カフェ
住所：奈良県奈良市法蓮町567-1
電話番号：0742-23-8286（予約不可）
営業時間：[月～木]
11:30～17:30(L.O.17:00)
[金・土・日]
11:30～21:00(L.O.20:00)
定休日：第３水曜日
駐車場：あり