素材にも拘った蓼科中央高原の絶品ガレット。 : レスリズィエ

▪️ポイント
１)前日に営業状態をＨＰでチェックか電話確認した方がベター ２) スローなオペレーションの為、時間がない人は行かないこと ３) 初めて食べるなら「コンプレット ドゥ 蓼科」はイチオシだと思う４)車の運転がなければシードルは必須 ５)地元産に拘った拘りの素材は安心安全で美味。6)山っぽいウッディなお店の雰囲気もまた良し

数年前に店前の国道(通称メルヘン街道)を通った時、洒落た山っぽい雰囲気のお店に沢山のお客さんが居るのを見て「何の店だろう？」と思い。割合最近になってに調べたら、ガレット屋で、土日祝のみの営業(一部平日の夜は予約営業あり)じゃないですか。ほぼ平日休みに私にとって、いかにハードルの高い店だったことかw やっと訪問してまいりました。

11:00の開店で、開店と同時に入店しないとすぐ席が一杯に…な情報もあり、勇んで開店時間に行ったら
「本日都合により11:30開店」の張り紙…
已む無く車で待ちます。11:15ごろ、ふと顔を上げると、店主らしき外国人男性が剪定用脚立を脇に抱えて帰宅。何やら畑の木でも手入れしていたのだろうか。開店時間変わる時はホームページ有るなら一言案内入れてよね。って思うのは私だけじゃないはず！まあ、予告無しの臨時休業よりよっぽどマシですが(^^;;

でもこの恐らくフランス人と思わしき少々年配の外国人男性の店主、とても感じが良い方で、そんな気分はすっかり帳消しに。

他にもう一人、歩いて入店した女性お一人様も。
まあお天気悪いし満席になる様なスタートは免れた。静かな店内。

ウッディな店内入ると右にホール。複数人がけの大きめのテーブルが3卓。石油ストーブが燃えている。玄関正面は書棚。店主の蔵書がずらり。どうやらこの本は無料でお借りすることが出来る様子(貸し出し帳なるノートがあった)。玄関入って左は寛げるソファーと調理可能な薪ストーブが燃える山小屋のリビング風な空間。

メニューから、小さめサイズのガレットを２つ。お腹に余裕があれば食後に甘い系の何かを頼むつもりでオーダー。

コンプレット ドゥ 蓼科 mini 1400円
ローストチキンのマスタードクリームソース mini 1200円

非常に正確なイントネーションの日本語を話すご主人(珍しいくらい日本語ペラペラ)に「厚さは薄いよね？私なら２枚イケるよね？」って訊ねると、「私も２枚は食べられます」と言いながら、ガレットの大きさを模した厚紙が載ったお皿をプレゼンしてくれる。きっと同じ様なことを尋ねる客が多いのだろう。分かり易すぎる(^^)ミニサイズは25cm角、ノーマルは35cm角。

暫し待ちの時間。ここからが長い。
多分30分は待ったと思う。私は急ぐ事情もなかったので、書棚からガーデニングの本を引っ張り出して来て読みふけってたので気にならなかったが、御主人一人で回すこのスローな時間の流れは、客数多いとパンクするのが容易に想像できる。夏とかどうなってしまうのだろうか…

もっとも、こちらは素材にこだわり、手間暇かけた完全手作り。ガレットの上に乗せる具材も一手間掛かっているメニュをオーダーした事も影響したと思う。
そう、まず蕎麦粉が蓼科産に拘っています。あの茅野の蕎麦屋「蓼山亭」の粉も一部の料理に使用している。野菜や卵、チーズも地元産、しかも出来るだけ無農薬など安心安全な素材を使い、もちろん調理にはケミカルな調味料など一切使っていない。
イイですね。

私は車だし予算もあってこの日敢えてドリンクはオーダーしなかったが、喉から手が出るほどシードルが飲みたかったのは言うまでもない。完熟の柑橘の入ったと思わしき美味しいお冷で我慢だ(聞き忘れたが、良くあるレモン水と言うより、国産完熟レモン〜オレンジの様な味の美味しいお冷だった)。

さあ、まずコンプレット(蓼科)から参りました。
非常に薄く美しく焼かれたガレット。パリッと風味よく、僅かな厚みの変化と上のチーズが滲みたところはややモチッとして食感も良い。チーズは長門牧場。ガレットにバッチリ合ってます。自家製ベーコンは好みの味とは違ったが、自家製らしい味わいが全体の中でピッタリバランスしている。添えられたキノコのソテーも、ラタトゥイユも、チコリのソテーも、それぞれ健康的な美味しさで、チーズと生地とのバランス感も絶妙。生地自体の味が良いので、ひと口目は縁のチーズの付いていないカリカリ部分だけを是非味わってみてほしい。

１枚目を食べ終えて10分ほどすると次のマスタードクリームがやって参りました。こちらは脂分を削ぎ落としたローストチキンの解したものが控え目に真ん中に乗り、周りにマスタードクリームが載っている。チーズ無しのある意味シンプルなガレット。普通にフレンチっぽく美味しかったが、コレ一品だといわゆる「ガレット食った〜」って言う気分になり難いかも。

途中、観光風の30代カップルが来たが、どうやらお店のスローな対応に若干キレ気味ww 最初いくつかオーダーする様だったが、あんまり時間かかるので、一枚だけ食べてソソクサと会計して帰ってしまった。勿体ない(^^; まあ次の予定でも合ったんでしょう…

さて、お腹にスイーツが入る隙間がありそうなので、もう一品。甘いガレットと思っていたのだが、食べたことのないメニューが。

小さなそば粉のファーブルトン600円。
何やら現地でお粥を焼き固めたスイーツとして食べられていると言う。このメニューの蕎麦粉は蓼山亭の物らしい(ガレットには粉の性質が合わないらしく、別の蓼科産蕎麦粉を使用中らしい)。

しっかり温められたプレートに思ったより大き目のワンピースのそれと、カリッと両面焼きされクルッと丸めたガレットが添えられ、ソースが敷かれている。
なるほど蕎麦のお粥を焼き固めたライスプディング的な料理でした。普通に美味しくいただいたが、次回は素直に甘いガレットをオーダーするかな、って感じだった。
ソースはリンゴの様で杏子やプラムのようなニュアンスも感じられ、何だろう？と思い食後に尋ねたら、リンゴソースに隠し味でアレがちょっと入ってるんですよ、ってコソッと教えてくれた。やや秘密っぽかったのでココでは非公開w

お腹いっぱいになりましたよ。
しめて3200円也。
3200円…。

やはりココがネックだな。
素材が良いしとっても美味しいけど、ガレットってそもそも大衆料理なワケで…お昼に3200円は普通に高いよね。ちょっといい(かなりイイ？)ランチコース食べられる値段なので、CPだけは点数悪くなった。

でも美味しいし素材もよく安心して食べられる良質なお料理なので、機会あったら是非召し上がっていただきたいお店だ。夏はお庭も綺麗で雰囲気も一層宜しいかと思う。

偶然、数週間前に山梨県甲府にある某専門店でかなり美味しいガレットを頂いた。そちらの店主も東京の有名店で修行後、フランスで数年ガレット修行された筋金入りの本場仕込だったが、個人的にはそれよりも更に好みに合った(ガレットのタイプが違うので比較対象にはならないが)。

美味しかったです。ご馳走様でした。