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| 店名 |
ボーセジュール(BEAUX SEJOURS)
|
|---|---|
| ジャンル | フレンチ |
|
予約・ お問い合わせ |
0267-42-1112 |
| 予約可否 | |
| 住所 | |
| 交通手段 |
軽井沢駅から1,485m |
| 営業時間 |
|
| 予算(口コミ集計) |
¥15,000~¥19,999
¥4,000~¥4,999
|
| 利用シーン |
|
|---|---|
| ホームページ | |
| 初投稿者 |
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ふらり一人旅をしたい時がある。
1人は孤独で辛いと人々は言うが私はそう思わない。
いやむしろその逆だ、と。
スターでいる事もまた辛いのだ。
日々当たるスポットライト、歓声、僻み、嫉妬。
愛情と憎悪が入り混じった、そんな極彩色の世界に身を投じている私は時折その極彩色のそれから逃げ出し1人というご褒美を満喫する。
そんな私が訪れた先は軽井沢。
愛車のオープンカーを走らせ6月にしては肌寒い軽井沢の風を顔に受け、日々作りに作り上げたカリスマホスト東城誠としての顔をクールダウンする。
ディナーの会場はここボーセジュール。
目の前がガラス張りになっており、軽井沢の情景が優しく目に飛び込んでくる。
天井も高く開放的でそこが都会とは隔離された甘美な空間である事を再認識させる。
沈む夕日を眺めながら食事を始める。
食事を始めてふと気付く。
日が沈んだ店内は少々暗いのでは?
闇に映える夜景が売りの店であれば納得なのだが外は漆黒の田舎風景。
無論、外はほとんど何も見えないのである。
店内が暗い事で料理の色鮮やかさが死んでいる。写真を撮っても上手く撮れない。これではインスタグラムに…
そこまで思いかけて刹那
自分がSNSの犬に成り下がっている現状を強く自覚した。
ここは軽井沢。
そんなことはどうでもいいのだ、ただ味わおう。
目の前には胸腺を使った料理が。
恥ずかしながら胸腺には馴染みがなかったもので、恐る恐る口にする。
口の中に入れるとすぐにバラバラに解体される感覚に陥る。解れると表現するのが近いかもしれない。
解れながら口の中に広がっていく。
不思議な感覚だ。
特筆すべきは口の中で解れながらも、そのピース1つ1つからしっかりと旨味を感じる事ができる。
1つの肉塊としても美味いし、解散しても美味い。
幼い頃に誰もが1度は言われたであろう「帰るまでが遠足です」というセリフ。
それを忠実に守っている。
帰るまでしっかりと遠足をしてくれるのである。
そんな優等生な一皿を味わっていると、このボーセジュールが底抜けに優しい店に思えてきてならない。
SNS映えしない仄暗さは、そんな事を忘れ去りひたすらに味に向き合ってくれ、というボーセジュールの粋な計らいなのではないか?
スマートフォンの犬と化した現代人に、真の食の喜びを教えるための荒療治ではないか?
そんな風に思えてくるのだ。
ウェイターにとても美味しいと伝えると、嬉しそうに笑顔を浮かべてありがとうございますと言う。
天井を見上げれば高く優しい木目調。
普段明るいスマートフォンばかり見つめていた目が自然の暗闇に慣れてくると夜の木々が佇み池が颯爽と揺らいでいる。
なんだ、ここ。
いい景色じゃないか。
都会から随分と離れたフレンチレストランで、私は失った何かを取り戻したような気がした。
完