お箸でトースト。 : コイデ

またしても松本であります。
や～っぱね、今までの人生の半分を松本で過ごしてきたんだし、定期的に行かないとホームシックみたいにもなるわな。
いつものように前日、仕事後に川崎を出て夜中に松本到着。んで、いつものホテルに泊まって・・・というパターン。
ほんとはな、さらにもう一日のんびりしたいんだけどさ。連休って希望を出さない限り、まずないし。
いつも直前で行くことを決めるもんだから。
今回は、以前の職場にお邪魔することになってる。前みたいに、登場した途端、お仕事をやらされるというイレギュラーはないはず。

で、ホテルで朝食バイキングという選択肢もあるけど、いつも素泊まりを選択してチェックアウト後にどこかで朝食を摂るというのがお約束。
だってさ、ホテルの朝食時間にはまだ部屋でウダウダしてる場合が多い。・・要は時間までに起きられないってこった。
なので、チェックアウト後、松本駅前をウロウロ・・・なのだ。

でだ。
当初、松本に行くのは、この日じゃなかった。予定していた日がドンピシャリに大雪だったの。天気予報を見て、雪が確実と言うのが分かった時点で、次の休みに予定を先送りしたの。自分の車もスタッドレスを履いてるし、もっちっち自身も雪道運転は平気だけど、それ以前に高速が通行止めになった日にゃ、タイヤどうののレベルじゃないから。
案の定、上野原から先、ず～っと通行止めでござる。予定変更で大正解よ。
ついでに穂高に住んでる元同僚が、いつもは３０分で着く松本の職場への道のりを、渋滞のため３時間かけても着かないってラインが来たもんね。
松本って雪国って呼べるほど雪がいつも降るわけじゃないせいか、雪に弱いのよね～。すぐ大渋滞。除雪こね～し。同じ長野県内でも野沢温泉みたいな豪雪地は融雪パイプとか仕込んであるみたいだけどさ。

んでだ。
予定変更して松本に到着した日は、さすがに幹線道路には雪はなかったけど、路肩には雪が積まれてたし、裏路地に入れば、ふつ～に雪道。・・というか氷道。車の温度計はマイナス８度。ま、正直なとこ、まだマイナス８度なんだ～なんて思ったけど。こんな低温の中でも、サンダル履いてるぞ。

翌朝、ホテルをチェックアウトして、車に荷物を放り込み、朝食の旅へ。
あ～、そういえば、六九のほうに喫茶あったな～。←六九・・ろっく・・・だよ。
何年か前にアーケードも撤去されちゃったけど、千歳橋の８２銀行の横から六九商店街ってのがあって、裏松本だっけ。そう呼ばれてたし、隠れ家的ないいお店がたくさんだったんだ～。
で、今回のお店は、ティールーム・コイデ。
松本城に向かう千歳橋。←ちとせ・・・じゃないの。せんさい。
千歳橋を右に行けば縄手通り。左に行く。田川沿いにテケテケ歩く。結構雪が残ってる。
中央大手橋を過ぎて、すぐ右手。田川を挟んでガソリンスタンドが見える。平たく言えば、伊勢町交差点を田川方面に行けば見えるよってやつだな。

ドアを開けると
「いらっしゃいませ～」
の声。おお～、横文字で言うとアンティーク。漢字で言うと昭和的。なんとも言えない落ち着いた感じの店内。
外から見るよりも奥に広い。左手にカウンター席。８つくらいイスが並んでる。席の間隔が結構あるので詰まった感はない。
窓際に四人掛けが２卓。右側の壁際には四人掛けが３卓。
通路も広く、どこの席もゆったりと座れそう。
先客は常連さんらしいおじちゃんがひとり。長野県内で圧倒的なシェアを誇る信濃毎日新聞を読んでる。←略して「しんまい」

奥の４人掛けに座る。
メニューを見ると、軽食はトースト類のみ。あとはアイスクリームとコーヒーゼリー。
それ以外はドリンク類。
こう書くと品数は少なそうだけど、トースト類が実に豊富。
ノーマルなトーストを皮切りに、ジャムトースト、はちみつトースト、シナモントースト、チーズトースト、ピザトースト、ハムタマゴトースト、ハムポテトトーストなどなど。まだ他にもあるのよ。トースト価格にプラス３００円でセットになります。コーヒー、紅茶から。

ドリンクはブレンド、アメリカン、カフェオレ、紅茶、ココアにミルク、コーラ。レモンスカッシュ、クリームソーダ。１００％のオレンジジュース、トマトジュース、レモンジュース。１００％レモンジュースってめっちゃ酸っぱそうだけど美味しそうだな～。

で、朝食になにかトーストって思ったら・・・・。
まだパンが届いてない・・・・とな・・・・。
いつもはすでに届いているはずの時間ということで、お店の方も困惑しておられるご様子。
とうことは、その日に焼き上がったパンを使っているのですね。ううう・・・。
「とりあえずコーヒーくだせえ」
ブレンドを注文。
以前の職場に行くとは行っても、出没予告だけして時間の約束をしてるわけじゃなし、特に急いでいるわけでもない。ただいまの時間は１０時。
こっと待ってみよう。雪が積もりまくってる裏道。他の店に移動するのめんどいし。

物腰柔らかい奥さまが、カウンター内でハンドドリップしてるのが見える。
おっと、コーヒーが香ってきましたよ。空腹に染みる香りなのねん。カウンターに新聞や雑誌が置いてあるので、もっちっち、久しぶり信毎を読む。
う～ん、懐かしいなあ、信毎。
そしてコーヒーの到着。おお～さらに香る。
あち。←お約束の猫舌。熱い。とりあえず熱い。カントリーマァムが添えられてるので、これで空腹を凌ぐ。
酸味のないすっきり感満載のブレンド。やや苦味を感じる、好きなタイプのコーヒーである。

次に常連さんらしい男の人が登場。
「雪、だいぶ解けたねえ。今回の雪、重くていけねえわ～」
とか言っておる。って、これでだいぶ解けたんかいっ！　って、そういえば親友のまっちゃんが、１月のくせに上雪っぽいから雪かき大変だったって言ってたな～。
解説→上雪・かみゆき・・・であります。長野でしか使わない言葉らしいぞ。雪の多い北部の長野市方向じゃなくって、松本あたりから南の飯田方面を中心に降る雪なの。春に近い時に降ることが多いんだけど。で、特徴として、水分が多くて重いので、雪かきは重くて大変だし、夜にはカチカチに凍るしよ～。

そんなこんなで２０分くらいしたらパン登場。
「遅くなって申し訳ありませ～ん！！」
と長～いいパンを抱えたパン屋さん。
やったあああ！　もっちっちの朝ごはんが来た～！！
窓越しに見えるパン屋さんの軽ワゴン。車体に「小松のパン」の文字。
ああ～！！　小松なのか～！！
こちらのトーストは小松パン。そりゃ～絶対、美味いだろ。大正の時代から続く老舗のパン屋さん。小松パンといえば牛乳パンが超絶品。
松本にはマルショウとか、マルナカとか、スヰトとか、いろいろ老舗のパン屋さんが多いし、新しいパン屋さんも多いけど、小松のパンは知らない人はいないぞ。まじ美味いから。

シナモントーストをお願いして、絶対に美味いってのを確信してるので、ワクワクして登場を待ちます。
やがてサラダとともにやってきたトーストは厚切り。そして、お箸が添えてあります。サラダ用なんだろうけどね。５センチ近い厚切りのトーストはものすごいフカフカである。フワフワはなくてフカフカ・・・が正しい表現だ。
サラダはキャベツ、キュウリ、ポテトサラダ、トマト。サービスサラダにしては盛りがいい。
３つに切り分けて、網目に切り込みが入ったトーストにはシナモンとグラニュー糖がたっぷり。湯気がフンワリと立ち上る。うわ～。
写真、ブレてやがるうう。もっちっちの下手くそ～。

おしぼりも添えられてるけど、あるからお箸でトーストを食べる。だって、手掴むと、どうしたって、手に砂糖とシナモンが付くから。いちいち手を拭くよりも最初からお箸で食べたほうが世話ナシじゃん。
久しぶりに小松のパンを食べた。こうやって、さらに美味しく加工してくれるとひとしおだ。
厚切りで食べ応えがあるので、サラダもあって、結構お腹に溜まって満足であります。お会計８００円なり。
ちょっと待ったけど、満足してお店を出る。
待ってる間に、この日の行動を全部、頭の中で組み立てておいたから、そのプラン通りに行きませう。