痺れのムコウ側。味覚の新しい扉が開いた「陳麻婆豆腐」（九龍＠ #松本 南原） : 中国料理 九龍

四川料理の父といわれる陳建民氏が日本風にアレンジして
1970年NHKきょうの料理で紹介したことが麻婆豆腐が日本に持ち込まれたきっかけ。
1971年丸美屋が「麻婆豆腐の素」を発売したことでより広く日本の食卓にのぼるようになった。

1800年代半ばの成都で陳劉氏が作ったのがルーツであることからその名前がついた
豆腐料理、陳麻婆豆腐。
本国では陳麻婆豆腐店は国営化されており、
四川省成都市飲食公司からの暖簾分けを認められた店舗が日本でも展開している。

暖簾分け以外でも、いわゆる日本風の麻婆豆腐と区別して、
正宗（正統）四川料理の麻婆豆腐という意味で「陳麻婆豆腐」という呼称が使われている（ようだ）。

一般的な日本風の麻婆豆腐と比べ、
四川山椒が入るため「麻味」（マーウェイ）がより際立つほか、
肉は牛ひき肉を使う、豆鼓（トウチ）が入るなどの違いが。
（Wikipediaなどより）


さて


九龍さんにランチにうかがったとき、メニューに陳麻婆豆腐があったのでオーダー。
単品価格\1,500（ハーフ\1,000）ですが、同じ価格で丼・定食・焼きそばにマッシュアップできるとのこと。


陳麻婆豆腐定食(\1,500)


真っ白い皿の縁にかかった山椒が、これから押し寄せる麻味を予感させる。


＜以下、私が感じたとおりに書きます。人によって感じ方はまったく違うはず＞

一口目。

豆鼓らしい旨味を感じる美味しい麻婆豆腐。
辣味はもちろんありますが（比較的強い方なので）、
麻味のほうは構えていたほどではないかな、という印象。


しばらく食べすすめるうち、
何か味覚の扉が開いた（閉じた？）らしく、
すごく塩辛く感じるようになった。

豆腐だけ選んで食べても塩辛い。
なぜか、ごはんを食べても塩辛い。

（この感覚。
　１０年以上前、 楓林（閉店）で感じたことがある。
　当時は「あれ、塩の量間違えた？」って思ったけど、
　そうじゃなくて、山椒のせいだったのか。疑ってすみません）

（４年前に蔵前の汁なし担々麺の有名店で、痺れ大でオーダーしたときもそうだった。
　あの時は、塩辛さを感じすぎて撃沈した）

今回も撃沈かと思いつつさらに食べすすめると、
今度は塩味センサーが麻痺してきたのか、
ふくよかな甘味が前面に出てくる。

美味しい！

（これまでは、この感じにまでは至らなかった）

大変不思議な感覚を覚えながら完食しました。


ネットで陳麻婆豆腐を検索しても、「辛くて美味かった」みたいな感想ばかりで、
私のような感想がヒットしないので、本場の四川山椒と私の相性による
限定的な現象なのかもしれません。

松本エリア各店によるテイクアウトメニューが一堂に会する
アイシティ21での週末催事「地元を食べようフェア」。
数十店舗のお弁当やおかずが並びます。

こういったイベント形式ならば購入個数が少なくてもお店に気兼ねしませんし、
一度に複数のお店のメニューを味わえていいですね。
１１時前からショーケース周辺は大賑わいで、まもなくレジには長蛇の列が。

松本市の中華有名店九龍のお弁当が並んでいましたので購入。

九龍特製ルーローハン弁当(\1,350)

丼タイプの容器でぱっと見のサイズ感からは少しお高めかなぁとも感じましたが、

・ルーローハンのカシラ　八角が香るあまから豚肉
・エビチリ　プリッとしたエビが４尾も
・から揚げ　こちらも普通のから揚げとはちょっと違う中華テイスト
という、いずれもメインを張れるような主役級おかずが３種類も入り、

下段に入っているご飯の量も十分。

九龍といえばお得な平日ランチ、というイメージで、
基本ランチ帯は土日しか動けない私にとっては、なかなか縁のなかったお店。

暑い。
こんなときは辛いのがいい。

いわゆる激辛ラーメンはいくつかのラーメン店にもメニューがありますが、
辛旨を求めてこちらのお店が思い浮かびました。

土曜日の正午過ぎ。
タイミング良くかろうじて１席空いてましたが、以後は待ちが出る満席。

定食系は平日のみなので、食事なら丼ものか麺。
ラーメン専門店以上に麺メニューが充実してます。


麻婆坦々麺(¥1,200)

黒い丼に真っ赤さが引き立つスープ。黒マー油とのコントラスト。
辛さはきちんとあるもののただヒリつくだけの激辛では決してなく、
しっかりした痺れとのバランスもちょうどよい、あくまで麻辣感は旨さの引き立て役。
普通のお店の担々麺って、具材がひき肉だけっていうイメージでやや寂しいんですけど、
麻婆だけにちゃんと豆腐も入り、豆腐＆あんのドロっと感が辛さをマイルドにしてくれる。
さらに、レンゲですくうとタケノコやしいたけ角切りの具材がたっぷり。
これが旨いんだなぁ。
麺だけでもなかなかのボリュームですが、増したい方は焼き餃子(3個,\450-)を追加で。


クリーム豆乳坦々麺(¥1,080)

牛乳ラーメンといえば万両（閉店）。
クリーム系・牛乳系のラーメンといえばトマト系ラーメンとあわせて
２大「変わりダネ」ラーメンのジャンル。
これまでに食べたそれらのラーメンの味を想像してました。

食べてみると「かなり濃い」ミルク感。
シチューのような濃厚さで麺にもしっかり絡むスープ。
うまーい。
こちらもスープの底には角切り具材がいっぱい。


ラーメン気分のときの選択肢が増えました。