個室中心の居酒屋のくせに、すごくうるさい : 信州まつもと 夜噺

2008年9月

ここのレビューで、「高級感」「料亭みたい」のようなことを書かれていた。残念ながら、私が行った夜は、それとはまったく違う光景が繰り広げられていた。

ちなみに、まったく料亭ではない。
ここ数年で東京でも増えた、よくある「半個室が多いタイプの居酒屋」である。プライベート感が出てる分、お料理などのお値段が少しずつ高い、という程度のもので、料亭ではないし、割烹でもなく、小料理屋でもない。
入り口においてあるメニューが、カラー印刷したもので、その内容や価格帯を見ても、チェーン展開をする居酒屋であることは一目瞭然だと思う。

店内には、２～４名で座るとちょうどいいサイズのほりごたつ式の半個室（廊下との間の仕切りは、ほとんど透けて見えるすだれのようなスクリーンだけ）がずらり。

そこの一席に案内されたが、最初に席に通されただけ。テーブルには箸が３人分並んでいた。
次に同じ男性が、１～３分後にバタバタと戻ってきて、おしぼりをくれた。
我々は二人だったので、残る一膳の箸を、下げてもらうようにテーブルの端に追いやったが、それはわからなかったようで、そのままにして彼は下がっていった。
また１分後くらいに、バタバタと今度は、メニューをくれる。最初に食事のメニューを見せ、次に「こちらがドリンクメニューです」ときた。
最初のドリンクメニューのオーダーを取らないで下がろうとしたのには、びっくりした。当然のように、余分な箸も下げていかなかった。
そして、後で詳しく書くが、お通しは、店に入ってから４５分たって、ようやく我々の席に届いた。

てきぱき動くべき瞬間にこう何度も無駄な動きをして、ここの店は大丈夫かなぁ、と最初から不安になった。

普通なら、店の入り口から、「何名様」という情報が奥に伝わり、奥で待ち構えていたスタッフが、最初に、おしぼりとお通し、ドリンクメニューを持ってスタンバイ。そして、お通しを席に並べ、ドリンクのオーダーを取り、「お食事のご注文決まられましたら、こちらを押してお呼びください」といって下がる。ここまでが、１つの動作で行われることが普通だ。
しかし、ここのスタッフは、何をどういう順番ですべきか、ほとんど教えられていない。そんな印象だった。

料理は、サラダやらお造りの盛り合わせやら、馬刺しやら、と頼んだ。

しかし、料理が届いたのは、我々が４５分も待ちきれず、ドリンク一杯だけでこのままでは酔いつぶれてしまうと危惧して、「さすがに遅いんじゃないの」と声をかけた後である。その後、お通しから何から、次々に料理が並んだのは言うまでもない。・・・んな一度には食べれません（怒）。

料理が遅い店は、たまにある。

しかし、この夜は、おまけがついていた。

我々のすぐ横は、廊下になっていて、どうやら、奥にある団体用の大部屋からトイレへ向かう通路になっている。

ここを通っていった若い学生と思われる一群が、トイレの周りで嬌声をあげて騒ぐ。
カップルがロマンチックに口説いてるとかなら、まだいい。それなら、少なくとも、静かだ。
しかし、今回のは、思いっきり、学生コンパのノリだ。

男　「チンｘ さわった手ぇ、つーけた！」
女　「えーっ、最悪ぅ～。ねえ、ｘｘｘちゃん、ひどいんだよ～。こいつ、チンｘ を触った手で私にさわるんだよー」

これを近くで大声でやられて、丸聞こえ。
（上記は、あくまでも、聞こえた話のごくごく一例にすぎない）

お料理が４５分も（お通しすら）こないことをクレームした時、この店の女性スタッフは、
「すみません」を言わずに、「今日は、大勢の宴会がたくさん入ってしまって・・・」と店の都合を口にした。
彼女は、立ち去るまで、結局、一言も謝らなかった。

半個室を並べた店なら、静かに少人数が食事を取るべきで、彼らは、ここの店が予約を受けるべき客ではない。どうしても、儲かってないからあんな客も取りたいのなら、少なくとも、宴会場の横にトイレでも作って、他の客と隔絶したレイアウトにしてから取るべきだ。そして、万一騒いだなら、注意すべきだ。
また、料理が作れないほどの客は、取るべきではない。
結局、それができていない。

しかも、1600円程度取るお造り盛り合わせで、この わさびの名産の地方にある店が、わさびは「練りわさび」だった。安い居酒屋の数百円の刺身なら、練りわさびなのはよくあるが、これはひどい。
器はきれいだが、お料理は・・・手抜きである。

パルコに近い（＝繁華街に位置している）、同じブロックにホテルもある。
こういうロケーションで、甘えが出ているのではないか。

店のコンセプトをもう一度見直し、きちんとサービスが回るようにしないとね。
ま、私は、二度と行きませんけど。