汝、もやしを侮るなかれ : 成龍萬寿山 本店

数あるメニューの中から、今日は初体験
「もやしラーメン」。

昨今の原油高騰の影響で値上がりしたとはいえ
心強い家計の味方であることに変わりない、
夢の食材もやし。
見た目の弱々しさに反し、ビタミン・カリウム・
カルシウム。食物繊維にアスパラなんとかと栄養豊富
でありながら、100g食べてもたったの15kcal！
四捨五入ならカロリーゼロ！
つまり、いくら食べても太らない！！
こんなステキなもやしを使ったもやしラーメン、
食べるしかなくなくない！？

麺に絡まるしゃっきりもやしに長葱、細切り豚肉。
この絶妙な炒め具合、ふくよかなる滋味は、
ショボい都市ガスとテフロン加工のフライパンで
とうてい出せるものではない。

もやしだけでは栄養が偏るやも知れんと、
合間合間につまむ餃子の溢れる肉汁と相まって
個々の具材の奏でる妙はまさに、一心同体少女隊。

食べても食べても一向に減らないもやしは、
丼の底からこんこんと湧き上がる泉のよう。
これぞSDGs「持続可能な開発目標」。

ただ茹でただけのもやしにニンニクまぶし山の如く
積み上げた系とはひと味もふた味も違う、
中国四千年の歴史が走馬燈のように
脳裏に浮かんでは消え、消えては浮かぶ
寒い日の夜。

酢豚定食¥1,050

注文直後、厨房から肉を揚げるジュワ～という音が立ち始めると
先行して漬物とスープ、山盛りご飯が配膳される。


スープをひとくち、たくあんポリポ······する間もなく、
ものの5分で｢オマッセシマッター。酢豚デ～ス｣　　

は、早え～！！！

豚肉の唐揚げに、玉ねぎとピーマン。　それだけ。
見た目地味～な酢豚。

だが、ケチャッピーな甘酢あんの絶妙なとろみの中で、
たった３種の具材は見事に調和する。


にんじんも椎茸も竹の子もパプリカも無い。

あれば嬉しいと思うが、もうこの際そんなもの無くても
問題ない。

噛み締める度に肉汁が沁み出す揚げ豚と玉ねぎの香り。
最後にひときれ残したピーマンを使って、皿にこびりついた
甘酢あんをくまなく拭いとったらご飯に載せ、一気に完食。

若い店員さんの｢ドォモ！アリガトゴジャイマッタ～｣の爽やかな
挨拶もとても良い。

最近、接客の質がグンと上がったように感じる。

強欲で嘘つきで意地悪で大食らいな私は、あの世では
地獄に落ちることは、ほぼ決定事項。

私自身、｢だよね｣と思うところは多々あるので、今さら
どうこう言うつもりは無いのだが、
ベロを抜いたり針山を登る際には、麻酔を使うなどして
苦痛をなるべく軽くしてもらいたいというのが本音。

今のうちから少しでも苦痛に慣れておこうと、
今日も元気に自主トレに励む。


ものすごい量の油を摂取したが、
雪降る中、頭から湯気あげつつ歩いて帰って来たので、
プラマイゼロには、なったはず。

｢明日はこの冬一番の冷え込みになるでしょう｣という天気予報を
みて、いよいよ決行を決意。
成龍萬寿山の水煮肉片を食べに行っちゃうんだもんね。

本当はもっと早く行きたかったのだが、ただでさえ汗っかきの私。
暑い季節にこんなの食べたら、道行く人々に、仙台市役所前の噴水に
飛び込んだのかしらと思われてしまいそうなので、
ひたすら寒波の到来をお待ち申し上げておりましたのだ。　

マイ·F様haruchannさんも難儀されたというこの料理名、
｢スイジュロウペン｣。
翻訳アプリで発音を聴くと、シュイ·ジュ·ラゥ·ピェ？　
う～ん、やはりナカナカ覚えられない。

そこで、普段から心がけの良い私は、
出掛ける前にシッカリ｢手｣に書いて、歩く道々発声練習しながら
お店へ向かう。
学生時代テスト前にこれ位の努力をしてれば、
も少し何とかなったのに、と今さらながら思う。


いざ席に着き、メニューも見ずにオーダー。
｢ハイ、シュェイヂュロウピィェンね～｣　やった！通じた！　
ひとりで食べきれるかしら····と余計な心配しつつウーロン茶も
お願いし、待つこと2分。


ウーロン茶が登場······って、泡たってるし！

やぁだ～、私の発音良すぎて、｢ウーロン茶｣って言ったつもりが、
｢生ビール｣って聴こえちゃったのかしら!?

ザーサイつまみながら泡立つウーロン茶ぐいぐい飲んでると、
追っ付け水煮肉片の登場。

おぉ～····真っ赤ですね～。

箸で肉を引っ張り出そうとしても、片栗粉かなんかまぶしてある
らしく、身をくねらせツルツルと逃げる。
うりうり、逃がすものか、ここか？ここがエエのんか？
とレンゲですくってガブリと噛みついたら、
これがまた、熱いの辛いのなんのって！

食べても食べても、肉とキャベツが盛りだくさん。
泡立つウーロン茶もおかわりしちゃったりして、あ～うまい。

後半は酢でサッパリと味を変化させ、汗だくになりながら
なんとか間食。


食後、やや胸焼けしながらも、大満足の美味しさでした。