これぞ正に地の利を最大限に活かした空間作りと料理！ : 大和

三重県は桑名市で圧倒的な知名度を誇る名店と言えば蛤の『日の出』ですが、そこから北に20分ほど山々を眺めながら車で進むと、また別の名店『大和(だいわ)』があります。
実際に2021年12月時点で食べログの評価は3.80と素晴らしい。
こちらも1番のメインは初夏の蛤しゃぶしゃぶですが、春は山菜、夏は蛤、秋は自然薯、冬は牡丹とシカ、というように、四季折々のコースを用意してくださっています。
今回は自然薯鍋か牡丹鍋か選べたのですが、やっぱジビエっしょという事で後者にしました。数日前に電話でスッと取れましたが、そもそも予約無しだとこれらのコースは頂けませんのでご注意を。
自然豊かで開放的な見晴らしの中、唐突にででーんと現れる大きな建屋にテンションが上がる。ああ〜ここなら頑張ってサプライチェーン組まなくてもいくらでも美味しい食材が集まってくるだろうなあ。
中に入ると右手にはカウンター席が、奥に進むと長い廊下があり、いくつかの個室が用意されています。無予約だと、大広間で他のお客さんと一緒に食べる感じになるのかな。
頂いたものは下記の通り。

お会計　約2万円/3人
<ぼたん鍋コース 4,400円/1人>

◆前菜
もみじ(鹿肉)のたたき
地元や店の畑で採れた野菜(春菊等)
-初っ端のサラダがめちゃんこ美味い。私は野菜があまり好きではないので本来生の春菊なんか食べたら死んでしまうのですが、クセになる美味さ。ドレッシングも良いですね。一切臭みが無く、クリアでダイレクトに旨味を噛み締めることの出来る鹿肉もGood7,

◆ぼたん鍋
伊賀で獲れた猪肉
地元や店の畑で採れた野菜やキノコ(菜花、タモギダケ、ハナビラタケ等)
地元の赤味噌
-今回のメインディッシュ。なんとインスタ映えしまくりな一皿でしょう。綺麗に盛られた新鮮な猪に思わずお辞儀。これまではすぐ近くの山で猟師さんに獲ってきてもらっていたらしいのですが、最近は伊賀の方の山で獲れたものを仕入れているそう。ただ多度と伊賀の山は結構スペックが似ているらしく、伊賀なら変わらず良いものが獲れる、と確信しての仕入れです。
鍋は味噌ベース。それも恐らく多少砂糖の入った少し甘めのもの。猪と味噌ってどうなの？と半信半疑だったのですが、これが意外とクセになる。脂のくどく感じる部分とか臭みが全く気にならないんですよね。そもそも実力の高い猪だと思うのですが、結構な量でもパクパクいける組み合わせに感じました。
そしてその辺で採れたキノコや菜花も沁みる美味さ。
全体として相当ボリューミーですが、最後まで美味しく頂きました。
後半、生卵を出されてすき焼き風に食べても良いよ〜と言われるのですが、卵の濃厚な味はこの際無くても良いかも。

◆〆
鰻茶漬けorうどん
-全員が同じものを頼む必要は無いので、お腹に余裕があればそれぞれ1個ずつ頼んで両方堪能しましょう。
先の生卵をここでうどんと絡ませても美味し。
鰻茶漬けは出汁をたっぷりかけて食べると生姜の風味も相まって腹パンでもスルスルといけてしまう一品。

◆デザート
かぼすゼリー
-このゼリーがまたかぼすゼリー界でトップレベルに美味い。当店の畑で採れたものらしいのですが、ビビッと来る酸味と濃ゆい甘味が堪らない。

<追加>
◇鰻　白焼き(2,420円)
-そうそう、当店に来たらこの白焼きは必食。
桑名の養殖鰻を使用していて、身の厚みは普通なのですが、かなり強めに焼きを入れてあり、外側のパリッと感と中からジュワッと溢れ出てくる旨味が最強にGood。ちょっともちっとしているのも良い。
是非山葵を大量に付けて、桑名の日本酒『石取』と一緒にどうぞ。

◇鰻　蒲焼き(2,420円)
-白焼きがストライクだったのでついでに蒲焼きも。かなりさっぱり目のタレで、白焼きと同じようなテンションで頂けます。どちらを頼んでも決して間違いではないですが完全に私個人の好みだと白焼きの方が僅かに好き。

<飲み物>
◇生ビール×3
◇日本酒『石取』

という事でたっぷりの牡丹鍋を堪能し、鰻の白焼きと蒲焼きの食べ比べを実施して、お酒も飲んで、お会計は3人で20,000円程度。
不便な場所である事のデメリットは勿論ありますが、それを補って余り有るメリット、空間と食材のリソースの豊富さをフルに活用した素晴らしいお店でした。
こうなると、かなり時間はかかりそうですが蛤しゃぶしゃぶや自然薯も是非堪能してみたい。
桑名に行く際はこちらへの予約を忘れずに！オススメ！