凄みの一端を感じさせる松阪牛と梅割♪ : 元祖ホルモン脇田屋 津店

松阪駅付近の一升びんに行くも、贔屓レビュアー様が訪れた２年前とは違い、凄みが薄れてきたと感じた。
翌日、再び松阪駅まで引き返し、別の焼肉屋でリベンジしようと考えていた。
が、県庁所在地の津駅にいる(爆)ので、その場で試しに食べログを検索してみた。
すると、脇田屋の津支店がヒットしたのである。(本店3.52点、津店3.51点(2016.9.20現在))

脇田屋は松阪で創業50年を超える松阪牛ホルモンの老舗であり、毎朝、売上日本一の地元老舗精肉店朝日屋から新鮮な牛肉を仕入れているのが自慢のお店である。
ちなみに創業以来、赤味噌ベースの味噌ダレを使っている。

そりじゃぁしょこに決めたということで、2016年8月某日19時半頃出陣してみた。
一番心配だったのは、土曜日だったこともあり、おひとり様だと拒否されることであった。
が、店内は５割程度の混み方で、すんなり4名テーブル席に通された。拍子抜け。

テーブル席でメニューを見るも松坂牛の表記がない。
そこで、店員さんに松阪牛を食べたい旨を伝え、松阪牛のメニューを教えて頂いた。
・上カルビ：1750円
・ミスジ　：1400円
・上ハラミ：1160円
・シンゾウ：600円
・上キモ/キモ：750円
・上ホルモン/ホルモン：700円
・センマイ：560円
・ユッケ風ステーキ：1030円
東南アジア系のかわいい女性店員だったので、聞き間違いがあるかもしれない(爆)。

豊富なメニューから熟慮の上、以下を選択した。
・上カルビ(松坂牛)：1750円
・上ハラミ(松坂牛)：1160円
・上キモ(松坂牛)：750円
・ホルモン(松坂牛)：560円
・上タン(和牛)：1060円
・ワカメスープ：370円
・キムチ：100円(別に本格キムチ：320円があった)
・中瓶ビール：500円
・梅割：300円（量り売り）

焼き台は七輪に備長炭の網焼き♪
味付けは備え付けの塩コショウと、店員さんが持ってきた茶碗入り味噌ダレのみ。
首都圏ではお馴染みの醤油ベースタレは無かった。
牛タンを頼んだからか、レモン汁が追加された

直ぐ出た一番搾りの三重づくりを呑んでいたら、漬物が出てきた。
一瞬お通しかなぁと思ったが、恐る恐る食べてみたら、百円のキムチ風味の浅漬けだった(爆)。

上タン(和牛)。
今でもタンモトだと信じて疑わないが、いきなり凄いのが出てきたと思った。
軽く焼いて、レモン汁でいただいてみたが、超絶だった。
次に秘技で焼いても食べてみたが、仙台の都留野で食った牛タンのタタキを思い出した。

ホルモン(松坂牛)、上キモ(松坂牛)。
上ホルモンが売り切れということなので渋々ホルモンを注文した。
両方に味噌ダレが掛かって出てきたのには苦笑したが、いつもホルモンは味噌ダレなので良し。
いつもはいつまで焼けばいいのか良くわからないホルモンだが、新鮮だったので、完全に火を通すことに気を使わないで焼いたら、ことの他うまく焼けて、美味しくいただいた。
上キモとはもちろん上レバーのこと。味噌が掛かったものはじっくり焼き、そうでないものは秘技で焼いてから食ってみた。
大贔屓レビュアー様の表現をパクれば、濃厚な大人の生チョコという感じでとても美味かった。
さすがは老舗の牛ホルモン屋だと感じ入った。

上カルビ(松坂牛)、上ハラミ(松坂牛)。
またまた両方に味噌ダレが掛かって出てきた。
醤油ダレで食べたいが、ここは松阪のおひざ元、自慢の味噌ダレでいただく。
炎壽で食った佐賀牛に匹敵しそうな美味さだと感じた。
とくに、ハラミはちょうどいい厚さで、やんわらかくって美味しかった。
上カルビを食べるころには、なんとなく味噌ダレにも慣れてきたのか(大爆)美味しくいただけた。
しかし、過去に食べたブランド牛との比較のためにも醤油ダレでも食べたいと思った。

梅割。
脇田屋で脳漿が飛び散る程驚いたのがこの梅割の存在であった。
梅割とは、大正時代生れの甲種焼酎に梅シロップを垂らした呑みものである。
もちろん横浜にもあるし、東北でも存在を確認してはいるものの、基本は東京の下町のものだと思っていた。
しかし、関西弁が及ぶ最東端地かつ関西文化圏だと個人的に思っていた津市にあったことが衝撃だった。
さらに900ml瓶の焼酎瓶と梅割シロップがデーンとテーブルに置かれ、量り売りだと言うのである(大驚愕)。
海馬が飛び散る程驚きつつも、超大正解と心の中で大絶叫する自分がいた。
昔は臭くて飲めたものではなかった焼酎に梅シロップを垂らすという貧乏臭い創意工夫が、関東関西を問わず、同時多発的に発生しただろうことに驚いた。
日本には、どこにでも「安くて美味いものを沢山」という想いの料理人がいたことがうれしかった。合掌。

※大贔屓レビュアー様からの指摘で、キンミヤ焼酎の蔵元の宮崎本店の御膝元だから梅割を出すことができたのではないかとの指摘を受けました。
900mlの量り売りの瓶は、再利用瓶でラベルが剥げていたのですが、薄いグリーンであることと、瓶に「宮﨑直詰」とあります(証拠写真あり)ので、この焼酎はキンミヤだと思われます。また、梅シロップはどうも自家製らしいともわかってきました。
全てを総合すると、関西文化圏なのでホッピーがヒットするか難しい土地柄のため、宮崎本店と力を合わせて、かなり前から梅割を出している可能性が高いと思われます。
ただし、初稿の文面は一切変えておりません

最後に総評だ。
肉系でもホルモン系でも満足度は極めて高く、松阪牛の凄さを感じた。
大贔屓レビュアー様から特にホルモンは鮮度が命だと聞いていたので、毎朝新鮮なホルモンや肉を必要分だけ仕入れてくる姿勢も素晴らしいと感じた。
お蔭で、中まで火をお通すことに神経を使わず、得意の(爆)焼き過ぎに至らなかったことも大きかったと振り返った。
また、松阪で松阪牛を食べる時は、松阪牛にはＣ１～Ａ５等級まで存在すること(従来定義の松阪牛は全体の約６％程度とか)と、牛を一頭買いするお店ではホルモン系を売り切る実力がないお店だと当たり外れが大きいことに十分に留意してお店を選択しないといけないと勉強した。