ホテルマンのお勧めで : 魚源 西舞鶴店

　天橋立に観光に行きました。旅行１日目の夜、宿泊ホテルの大浴場で
一緒の湯船に浸かっていた広島から来た同年代の女性と、世間話をしま
した。その方は前日に舞鶴港を観光したそうです。「横浜と横須賀を足し
て２で割った感じで面白かったですよ」と教えてもらったので部屋に
帰って検索してみたら、土曜日は海上自衛隊ＯＢの解説付き港湾クルーズ
や戦艦の一般公開をしているようです。私は今まで軍港をよく見たこと
が無いので行くことにします。翌日夕方に西舞鶴駅に移動しました。
　
　さて、西舞鶴駅に到着。駅でもらった観光パンフレットによると、
「海軍カレー」と「肉じゃが」という軍港らしいメニューで町おこしを
図っているようです。そういえば、ここ数十年、外食で肉じゃがを食べ
ていないことに気がつきます。今回の旅行はあえて自分ルールで食べ
ログは封印し、現地を歩いて直感で店を決めることにしていたのですが、
あいにくこのときはすごい土砂降り。ここで「困ったときはデパートの
上に行くかホテルマンに聞け」というマイフォロアーの西島兵庫様の
言を思い出しました。早速フロントのお姉さんにどこか美味しい
肉じゃがを食べさせてくれる店がないかを聞いてみます。が、「え？
肉じゃがですか？（困惑）」という反応。どうも行政の観光ＰＲ方針と
民間の間でギャップがあるようですな；代わりに、魚ならここが美味
しいですよと教えてもらったのが当店です。

　折角海沿いの街に来て海鮮を食べないで帰るのもな…ということで、
お勧めに従うことにします。予約無しなら早めに店に着いたほうが
良いと判断し、１８時に着きました。お隣は経営母体の鮮魚店。夕方
だったので品薄でしたが、新鮮な地魚や牡蠣がかなり格安で並んで
いました。これは当店も期待できそう。
　店内に入り、カウンターに着席します。帳場は壮年の男性と助手の
青年。給仕は女性２名。大将は寡黙な人らしく、むっつりとしていて
なんか話しかけにくい…。関東では滅多に口に入らない地魚を頂きた
かったのですが、ビビリなのであまり質問する気も起きずに無難な
メニューを選択してみました。

・お造り盛り合わせ（１２００円くらい？）
　砕いた氷の上に乗せられて、盛り付けが美しい！内容は鮪、鯛、シマ
アジ、ボタン海老、のどぐろ。私も大分いろいろな街へ旅行に行って魚
をいただいてきましたが、今まで食べたどのお造りよりも美味しくて
びっくり！何も日本海側の街で鮪を出さなくても…なんて気持ちでまず
初めに口に入れた鮪ですら驚きの旨みの濃さ！臭みや筋っぽさは一切
ないのはもちろん、口当たりも滑らかで、しなやか。海沿いの街にあり
がちな鮮度バリバリで死後硬直みたいな刺身とは違います。適度に熟成
させているのかしら？特にのどぐろは、上品な脂乗りとまろやかな旨み
に唸りました。居酒屋さん価格なのに高級なお寿司屋さんで出てくるよう
な味です。

・天ぷら盛り合わせ（１０００円）
　海老、しし唐、茄子、かぼちゃ、白身魚。見た目は平凡ですが衣が
厚すぎず、薄すぎず丁度良い揚がり具合。海老はプリップリで野菜は
甘味が凝縮しています。そして、またしても「こんなに美味しい魚の
天ぷらは初めて食べた！」と思ったのが白身の魚。マンガ魚という魚
だそうです。後で自分で調べたところによるとあまり市場には出回ら
ない地魚らしい。ホクッとした身で甘鯛に似た鮮烈な旨みが口の中に
広がり、飲み込むのが勿体ないと思うくらい美味しかったです。

・焼き牡蠣（１０００円）
　隣の鮮魚店で山になって売っていたので気になって注文。プランクトン
豊富な舞鶴湾は牡蠣も名物。身はしっかり締まっていて、プリンプリン。
一口齧ると濃厚でミルキーな旨みが弾けます。ただ、私個人の好みとして
は太平洋側（広島、岡山、宮城など）で食べた牡蠣のほうが香りが良い
と感じました。十分に美味しいけどちょっと大人しめ？

　この価格でこれだけ美味しい魚が食べられるなんて素晴らしいすぎます。
紹介してくれたホテルに感謝です。が、こちらから聞かないと魚の種類の
説明を一切してくれなかったのがちょっと残念。「さすがに日本海側は魚が
美味しいですね」と話をふっても「はぁ、そうですか」という感じで全く
話が弾みません（汗）。私だけじゃなく同じくカウンターに座っていた
常連らしきお一人女性も、料理提供のとき以外は全く放置だったし、それ
ほど嫌～な感じでは無かったので、大将がただのぶっきら棒さんなのかな
と思いました。