銭湯で絶品ハンバーグを堪能。 : さらさ西陣

６月の日曜日。
家内と夕飯がてら、ずっと気になっていたこちらのお店に行ってきました。
銭湯を改築してカフェを営んでおられるとのこと。
最近は文化財的な建築物を別の用途で再利用して、
あわせて保存もしていこうという考えがありますね。
たいへんいいことだと思います。

こちらのお店に到着したのは１９時半頃。
噂どおり、古い銭湯の名残を感じさせるお店です。
外観からして「千と千尋の神隠し」に出てくる油屋のようで、
中から湯婆々が顔をのぞかせそうな雰囲気ですが、
そんなイメージとは裏腹に可愛らしい女の子が迎えてくれました。
店内はそこそこお客さんが入っていましたが、
その女性は私たちに好きな席を選ばせてくださいました。

その店内は銭湯の間取りをイメージさせてくれるもので、
タイル張りの壁もじつに印象的です。
これが時代を感じさせるなかなか味のあるタイルで、
その統一されたデザインのものがビッシリと張り巡らされています。
手を加えた内装もレトロな雰囲気を生かせるように
ウッディな造りにされたんでしょうね。

店内にはちょっとした書籍やマンガ、雑誌も置いてあり、ブックカフェのジャンルにも入りそう。
ソファー席を選んでしばらく寛ぐのにもいいかもしれません。
ちょっとした銭湯アミューズメントパークみたいなカフェですが、
ホント、こういうお店をプロデュースした人はスゴいなぁと感心します。

店員さんは若い人たちばかり。
出で立ちはカジュアルですが、ちゃんとした接客をされています。
こういうところも好感が持てますね。

さて、料理のほうですが、
私は「大判サイズの自家製ハンバーグ」990円とライス210円、
家内はナポリタンスパゲッティ840円を注文しました。
自家製ハンバーグは赤味噌デミグラスソースと
白味噌クリームソースのいずれかを選べますが、
私は赤味噌デミグラスソースでいただくことに。
ハンバーグのほうは店員さんから焼くのに20分程かかると告げられましたが、
あらかじめお話しいただければ何のストレスもありません。
先に家内に食べ始めてもらえばいいかと…。

ところが、20分近く待った頃、
この私のハンバーグと家内のナポリタンを一緒に持ってきてくださいました。
２つの料理をつくる時間が異なるので、
時間のかかる私のハンバーグに合わせてくださったんですね。
たくさんのお客さんが入っているのに、
２人で来ているお客さんの立場に立って料理を提供される配慮を大事にされているのは、
なかなかできそうでできるもんじゃありません。
感心いたしました。

その料理のほうもかなり美味しい！
自家製ハンバーグは大判で分厚くボリューム感たっぷり。
中までしっかり火が通っているのはキチンと２度焼きされているからでしょうか。
ふんわり柔らかな食感でありながら、フォークで切っても崩れたりしません。
もちろん、無駄な肉汁でグデグデになるようなこともなし。

合わせたデミグラスソースもイメージしていたものとは全く異なり、
トマトの酸味と食感を活かせたどちらかというと爽やかなソースです。
赤味噌っぽさなんて全然感じられず、
これをデミグラスソースって呼んでいいのか戸惑ってしまうほど。
それでも美味しいんですよね、このソース。
大判のものを食べても胃がもたれることはないでしょう。

ワンプレートに一緒に盛り付けられていたグリーンサラダもたっぷり。
トマトの角切りがトッピングされていて、フレンチドレッシングが軽く和えられています。
残念ながら白ご飯のほうはベストではなかったですが、
この絶品ハンバーグと一緒にペロリといただきました。

家内のナポリタンスパゲッティのほうも、少し味見をさせてもらいましたが、
懐かしい味付けながら深みを感じるケチャップ味です。
鉄板の上に乗せられて出てきますが、
熱し加減がよいのか焦げてしまうようなことはなく、
ケチャップ水分が飛んで味付けがより濃厚になる効果があるようです。
これも美味しいスパゲッティでした。
家内も満足です。

食べ終わってからしばらく寛いで、お勘定へ。
そこで見つけたのですが、２階では無人のフリーマーケットを開設されているとのこと。
極めて急な階段を登って見に行ってみると、
古着やＣＤなど、いい感じに展示されています。
しかも、いくらフリーマーケットとは言え、どれもこれも安い。
お勘定は缶に入れて、商品を持ち帰っていいシステムですが、
こんなことが通用するのは、日本人だけですよね。

そんなわけで、サラサ西陣さん。
たいへん美味しく、居心地がよく、楽しませていただいたお店でした。
場所がちょっと行きにくいのがツラいところですが、
きっとこれからも利用させてもらうことでしょう。

ごちそうさまでした。