日本の心を写す摘草料理 : 草喰 なかひがし

食べログ京都1位の草喰なかひがしさんに再訪。

京都でも指折りの予約困難店で有名ですが、毎月1日の予約日には2階個室の予約を受け付けており、数時間頑張って電話すると運が良ければ繋がり予約可能です(笑)。また、一度伺うと次回の予約は5ヶ月先まで取れますので、通われている方に連れて行ってもらうのも一つの手ですね。

前回の昼8000円コースでもお腹がはち切れそうなほど大満足のボリュームでしたが、今回は夜の部15000円コースをお願いしました。夜の部は12000円、15000円、18000円の3コースで、ボリュームによる違いとのこと。当日の満腹度で増量可能とのことで真ん中のコースにさせて頂きました。非常に柔軟な対応で嬉しいサービスですね。結果的には小食なメンバーがいたので増量はしませんでしたが、出されたら食べられたと思います(笑)

昼夜と伺ってみた感想としては、昼の部のCPの高さが際立っているなと感じました。夜の部もお酒を飲んで2万円以内と京都の人気店の中でも破格の設定で食後の満足感がこの上なし。

料理の内容も他店で味わうことの出来ない此処だけの味わい構成にドキドキワクワク楽しませて頂き、ルーツの美山荘にも是非とも行ってみたくなりました。今回は前回到達出来なかったニューヨークまで行けたので心残り無しです(笑)

お品書きは写真にて略。

初訪問時に引き続き、非常に丁寧な接客、恥じらいながらの店主直伝のギャグなど終始和やかで居心地良い滞在。

大地の恵みを食べ尽くす幸せ。
また季節を変えて伺いたいですね。

銀閣寺門前から徒歩5分ほど。

食べログアワード2017　Silver受賞
ミシュラン二つ星

訪問時、未在と並んで食べログ京都ランキング1位。

店主は中東久雄 氏。
京都から門外不出とされた摘草料理で有名な嵐山美山荘の四代目の実弟。

摘草料理とは、野山で摘み取った季節の草花や野菜に魚や肉料理を取り入れたもの。

京都でも指折りの予約困難店ですが、毎月1日に翌月の2階個室座敷席の半数を電話予約席として用意しているため、頑張れば自力訪問可能。

今回は予約開始日の1日に2時間電話をかけ続けて予約成功しました。一度伺うと、次回の予約を取りながら通うことが可能です。

店内は店主と会話を楽しめる1Fカウンター席、2Fには個室座敷席もあります。
1Fカウンター席の予約は常連枠で早々と埋まってしまうようですね。

本日は昼の部8000円のコースを電話時に予約しました。

・八寸　味女どじょう、白無花果、空豆ときな粉、銀杏と黄身、玉蜀黍のスポンジと大納言小豆、小芋、茹で落花生、秋刀魚と胡桃の燻製
・ミズ、和栗、モロヘイヤ、豆腐のクルトン（乾山の写し「菊棚」）
・煮物碗　鹿ヶ谷南瓜、茗荷の白味噌仕立て
・焼物　子持ち鮎と万願寺唐辛子、オレンジ、うるかタレ
・造里　鯉のお造里、大根シャーベット
・炊合 山科茄子、祇園豆、薩摩芋の葉、蓮根と小豆、赤万願寺
・強肴　鹿のロースト　大塚筍、イタリアントマト、ヤングコーン
・糸瓜、香茸、人参の葉など
・お食事　おこげ（パリ）　山椒オイル、香物
・水菓子　オレンジゼリー・バジルアイス・バルサミコ酢、葡萄、20世紀梨


何とも心洗われる美しい料理たち。日本の美意識がそのまま写されたような、時に大胆で時に繊細、数々の骨董器との調和も古都・京都らしく趣深い。

1品目の八寸から心を鷲掴み。まるで野山でそのまま草花・野菜を摘んで食べるかのような童心に帰ったワクワク感。菊棚をあしらった乾山の写しに山菜が一杯に詰め込まれた一品は秋の訪れを感じさせてくれました。煮物椀は京風にどこまでも優しく出汁が引かれてほっとしますね。鯉のお造りは洗いにせず数週間の間、清流水に泳がせて泥臭さを抜いたもの。しっかりした歯応えで、噛む度に旨みが溢れます。鯉の造りとは思えないほどピュアな味わいに驚かされました。付け合わせの大根シャーベットが清涼感あって良いアクセント。炊合や強肴にも京野菜が盛沢山で摘草料理らしさ全開。お食事はお焦げにめざしという趣向。8000円のランチで驚くほどのボリューム。この料金設定も満足度を上げてくれます。

自然と大地の恵みに感謝しそれを摘み取り料理として客をもてなす店主の温かな想い、それを少しでも感じ取ることが出来る心あれば、きっと記憶に残る時間となることでしょう。