祇園で1番のオーセンティックバー : BAR TALISKER

バータリスカーのお勧めはカウンターにも飾られたタリスカー10年。スコッチのシングルモルトとしては、かなり飲み易い口当たりとすっきりした後味が特徴。オーナーバーテンダーの軽快な口調の後味にも似ていなくもない。スカイ島で作られるようになって200年近く。スモーキーなモルトが好きなら別だが、アイラ島とはひと味違う深みのある大麦の味わいが、10年という醸造期間にマッチして、誰もが美味しいと思えるウィスキーとなっている。

オーセンティックなバーらしさは、オーソドックスなカクテルの品揃えからも伺える。しかしそのレシピはオリジナリティに溢れ、この店、このオーナーバーテンダー独特の味わいを作り出している。ギムレットは大きめなグラスに控えめに注がれる。アメリカンでもヨーロピアンでもない銀座仕様。滑らかなシェイクスタイルは京都に来てからより滑らかに、まさにはんなりとした味わいを作り出す。マティーニのステアさえ、はんなりしてきたような錯覚を覚える。

祇園で1番の人気となったオーセンティックバーは、地元京美人が1人で来れる店として新しい常連も増えた。相変わらず銀座時代の常連も転勤や出張、旅行の際にやって来ている。以前はカウンター1列、全て銀座からの客だったこともあったが、今や半分以上は地元客となった。東男と京女が静かに、はんなりと、軽快なオーナーバーテンダーの話を聞きながら傾けるシングルモルトやカクテルがシックなインテリアや暗めの照度と相まって、祇園らしさを醸し出すバーとなっている。

チャージ　1000円/チャーム代
　殻付きアーモンド　スナック　他

ウィスキー　1500円～2000円程度
　タリスカー　10年
カクテル　1500円～2000円程度
　ギムレット
　マティーニ

オーナーバーテンダーの白いバーコートとネクタイが、オーセンティックなバーの象徴のようでもある。銀座から移転して間も無く4年となる店。20年間にわたる銀座での名声を捨て去り、この祇園に骨を埋めに来たオーナーは、NBAでは知らない人のいないオリジナリティ豊かなカクテルにこだわる名バーテンダー。照度を落とした店内のオーク調なインテリアも、まさにオーセンティックバーのそれとなっている。

今回はギムレットのジンの配合を見直し、口当たりの優しさを前面に押し出したとのこと。ややもするとキツい物言いとも取れる実直なオーナーのトークも、京都らしい柔らかでゆったりとして口調に変わってきていて、カクテルとともに京都らしい雰囲気の店に変わりつつあるように見える。見直したギムレットはナンバーテンとゴードンの2種類のジンを独自の配合でブレンドすることで、柔らかさを実現している。はんなりと京都弁で話す女性客に、ぴったりな味わいとなっているように感じるギムレット。

季節のフレッシュフルーツは金柑。ふんだんに使った金柑のカクテルは、ちょうど良い酸味と甘さを控えた味わいが、一気に飲めてしまう美味しさ。今日のお勧めのフルーツを聞くと、これが一番と飲み方まで丁寧に教えてくれるオーナーの人当たりの良さも、このバーの居心地の良さの理由となっている。

ウィスキーはスコッチのシングルモルト、特にアイラのヴィンテージ物が充実していて驚く。今回はボウモアの12年。しかもエニグマの旧ラベルを出してくれた。滑らかな口当たりが、まさに飲み頃となっている。銀座から持ってきた大量の在庫は、どれも貴重で希少なウィスキー。仕入れ当時の価格で出しているのか、会計の安さにも、ウィスキーの種類の充実以上に驚いてしまう。

祇園の街並みに溶け込む本格的なオーセンティックバーは、20年に渡って名を馳せた銀座の名店を閉めての移転から間もなく4年を迎える今、すでに祇園の名店と言えるバーになっている。銀座からの客も相変わらず絶えないが、地元京都の、はんなりと控え目に話す女性1人客も増えている。居心地満点の雰囲気と、素晴らしいテクニックを持つオーナーのカクテル、貴重で希少なウィスキーのバーは、東男と京女の憩いの場になっているようにも思える。

チャーム　1000円
　アメーラトマト
　チョコレート
　枝付き干し葡萄　他

カクテル　1500円－2000円程度
　ギムレット
　金柑のカクテル

ウィスキー　1500円－2000円程度
　BOWMORE ENIGMA 12年

祇園にオープンして3年となるオーセンティックバー。銀座で20年、かなり有名となったあとに移転して来ている。このオーナーバーテンダーは、NBAでも知らない人がいないほどの腕の持ち主。カクテルのレシピやシェイクにも独特のスタイルを守り、まさに知る人ぞ知る名バーテンダー。八坂神社の直ぐ近くの祇園の街で、銀座からの常連や観光客、地元の新しい常連で賑わっている人気バー。

インテリアのシックな雰囲気や照度を落とした雰囲気が、オープンして3年とは思えぬ老舗感を漂わせている店でもある。カクテルもオーナーのオリジナリティが発揮できるものを勧めているのが面白い。それ以外は普通より美味しいけど勧めないと、はっきり言うところがこの店の特徴。オーナーのある意味、心意気と言えなくもない。

まずはオーソドックスにマティーニから。ジンはタンカレーのナンバー10。オーソドックスの中のオーソドックス。ベルモットの量が控えめのせいか、1杯で十分酔えるドライで切れ味抜群の仕上がり。オリーブは使わない。代わりに細いレモンピールを沈める。20数年前の銀座のスタイルの一つを垣間見ることができて嬉しい。

チャームのチョコもビターな味わいにもかかわらず、口当たりはカクテルやウィスキーの邪魔をしない柔らかいもの。センス抜群のセレクト。シェイクはギムレットがお勧め。大きなカクテルグラスに半分程度注ぐビジュアルもこだわりを感じる。ウィスキーはシングルモルトもブレンディドも充実している。銀座から持ってきている量が凄い。珍しいものも価格が買い得で驚く。今回はボウモア12年。

銀座で名を売ったオーナーバーテンダーの祇園での再出発は、その人気を見るだけでも成功だったことが分かる。独自のスタイルに相当のこだわりを持つ自信に溢れたオーナーにとっては、銀座よりも京都の方が肌に合っているのかもしれない。行きたいバーの少なかった京都に、次々と名店が登場してきていて、この数年の変化は嬉しいとしか言いようがない。

チャーム　1000円

カクテル　1500円程度
マティーニ
ギムレット

ウィスキー　1500円程度
ボウモア　12年