庶民的な雰囲気と本格派の料理！ : 余志屋

京都・先斗町のこの場所で60年以上続く老舗の小料理屋、「余志屋」。
料理の味は間違いなく、「何を食べてもハズレなし！」
と地元の呑み助や美味しん坊から絶大な信頼を持って愛され続けている店！との事。


MENUは、おばんざいから、刺身、焼物、煮物等の一品料理、そして釜飯と幅広く、
グランドMENUをベースに、季節毎の料理を加えて提供している感じです。
因みに、こちらの大将はおばんざいや土鍋料理等の著書を持つ方です。


場所は先斗町通りの真ん中辺りですが、河原町方向からよりも、三条方面からの方が少し近いかも知れません。
ただ、お店があるのは通り沿いではなく、そこから細い路地を入った先の一番奥。
と言った具合に、やや分かりにくい場所にあるので、
通り過ぎないようにと、店の看板を探しながらゆっくり歩き、無事辿り着きました。


予約時間の6時に入店すると、厨房を囲むように配置された10席程のカウンター席と4人掛けの小上がりは、
我々の2席を除いて既に満席。
２階席（＝畳敷きの個室）も予約で埋まっているようでした。
そして、次から次へと途切れる事なく、お客さんが入って来ます。
そして、どの席のお客さんも、皆、笑顔、笑顔で、とても楽しそう！


手元のお品書きと、味のある大将の口上によるこの日のお勧めを参考に、以下の品々を戴きました。


■焼き茄子の胡麻ダレ（お通し）

ジューシーな焼き茄子に、濃厚且つクリーミーな胡麻のペーストを掛けた一品。
コチラの定番のお通しのようで、しみじみと美味しい。


■刺身盛合わせ

よこわ、縞鯵、剣先イカ、鯛、タコ、生湯葉
「2人前が多いようでしたら、1.5人前でもご用意出来ますよ。」との女将さんの心配りに感動。
どれもすこぶる新鮮で美味！　特に剣先イカの甘さがヤバかったです！
生湯葉が加わるところも京都らしくて良いですね。


■コッペ蟹

茹でる際の塩加減がドンピシャで、身の甘さも最高。
味噌と内子もたっぷり。


■ぐじの塩焼き

私の大好物！ 京都に来たら外す訳にはいきません。
皮は唐揚げで・・・。


■生湯葉と生麩の野菜の餡かけ

素揚げした野菜（茄子、人参、インゲン）、生湯葉、生麩、こんにゃくを
出汁の旨みがたっぷり詰まった旨々、アツアツの餡で絡めた一品。
取り皿に移し、用意されたおろし生姜をたっぷり加えて・・・。
各々の食材の美味しさと、出汁の効いた餡の旨さが堪りません。
この日、一番気に入った一品でした。


■牡蠣と銀杏の釜飯

腹パンでしたが、名物の釜飯は外せません。
数種類あるMENUから、季節限定の「牡蠣と銀杏」をお願いしました。
牡蠣の風味とお出汁の旨味を吸ったご飯がすこぶる美味しい！
炊き立ては勿論ですが、お土産で持たせて戴き、翌朝戴いた冷たくなったお握りも美味しかったです。


■黒糖シャーベット

最後にサービスで戴いたデザート。
甘さ控えめで上品な味わい。

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居酒屋っぽい気さくで気取らない店の雰囲気とは対称的に、料理は王道の本格派。
タイプとしては、華やかで繊細な京都らしい料理と言うより、小細工なしの男前料理。
評判に違わず、どれも納得の美味さでした。
食材の質が良いのは当然として、味のベースとなるお出汁がしっかりしているので、何を戴いても美味しいんでしょうね。


そして、店の雰囲気がとても良い！
お客さんが、皆、凄く楽しそうですし、厨房と客席に一体感のようなものが感じられます。
お客さんもこの店が大好きだし、店側もお客さんをとても大切にしている雰囲気が伝わって来ます。


声が大きく元気一杯の大将を中心にチームワーク良く笑顔でキビキビ動くスタッフの姿は、見ていて気持ちが良い！
そして、目が回るような忙しさの中でも、料理の手を止める事なく、接客も明るく丁寧にこなす若い料理人達に感心！


先斗町もかつて程の賑わいはなく、歩いていても暇そうな店が多いです。
そんな中、コチラは路地を挟んだ店の真向かいに、新館をオープンする等、元気一杯。
その理由は、一度、店を訪れれば、自ずと分かります。


本当は、人気MENUと聞く「出汁巻き卵」や「鴨饅頭」等、まだまだ食べたいものが沢山あったのですが、
１回程度の訪問ではとても無理！
食事を終え、帰りの道すがら、「あ～、良い店だったなぁ！」と自然に口からこぼれた言葉！
舌と心に染み渡る良店でした。