南仏の片田舎にあるような可愛らしいレストラン。ただし料理は本格派！ : La table au japon

☆ La・table・au・japon（京都・河原町・フレンチ）について　☆　

　京都の河原町にあるフレンチレストラン「ラ・ターブル・オ・ジャポン」
ミシュランガイド京都・大阪２０１８においてビブグルマンを獲得しているレストランで、プロヴァンス地方のトゥール・トゥールという街にある「レストラン・ラ・ターブル」の日本店。「屋根裏部屋にあるレストラン」をコンセプトにアットホームな雰囲気とおもてなしを目指しているとことです。（お店ＨＰより。）
　この付近に京都の定宿があるため、時々利用させていただいているレストランで、今回はディナーで利用させていただきました。
　場所は高辻御幸町を少し西に入ったところ。地下鉄を利用しての利便性はあまり良くないため、公共交通機関を利用する場合は市バスの河原町松原辺りからお店に向かうと良いでしょう。

１　雰囲気について
　レストランが立地するエリアは、付近に観光スポットや繁華街が無いため、夜ともなれば閑静で落ち着いた雰囲気。
　店舗が入る建物は、１階がガレージで、その２階の屋根裏部分がレストランとなっており、屋根裏部屋でフレンチを食すというのがこの店の最大の特徴かと思います。
　店内は、白とブルーを基調とした、地中海風レストランを思わせる爽やかな印象。小窓に飾られたインテリアやちょこんと飾られた植物が可愛らしく、ナチュラル系のカフェ、或いはお洒落な雑貨屋の中で食事をいただく様なイメージです。
　座席は、５～６のテーブル席とカウンター席が少々ある程度の収容数で、敷地面積の割にはテーブル数が少なく、縦のスペースが抑えめですが、横のスペースは広く取られ、かなりの占有感と居心地の良さが感じられるレストランです。
　用途としては、可愛らしいイメージがあるので、デートか女子会向き。少なくても男性同士や会社の宴会等での利用はないかなと思います。

２　料理について
　ディナーのメニューは下記の２つのコースからの選択で、いずれもプリフィクス。
他のレビュアーの方のコメントどおり、ポーションが大きめなので、少な目のコースにしようと思いましたが、Ｍｅｎｕ　Ｂに記載されていたスープが魅力的（料理の説明が上手い）だったので、この日はＭｅｎｕ　Ｂを選択しました。
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□　ＭＡＮＵ　Ａ　＜￥4,300＞
　アミューズ＋前菜＋メイン＋デザート
□　ＭＡＮＵ　Ｂ　＜￥5,990＞
　アミューズ＋前菜＋魚料理orスープ＋メイン＋デザート
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　料理の総じた感想としては、「しっかりとした味付け」で「ボリュームたっぷり」な料理が供されるのが特徴で、古典的で安定感のある味わいの料理が楽しめます。メニュー構成もビストロの定番料理が揃っており、かつ選択も多いので、気兼ねなくフレンチを食べたい時に来てしまうレストランです。
　その一方、流行りのモダンフレンチと比べると、やや若干大味で、日本人向けにアレンジされていないので、万人受けするタイプではないかと思いますが、現地の味を忠実に再現したものと個人的には良い解釈をしており、ガブガブとワインを飲みながら料理を楽しむ。そんな用途に向いているレストランだと思います。個々の料理の簡単な感想は下記のとおりです。
（１）アミューズ【★３．２】
　厚切りの自家製ハムとオリーブが供されます。
ハムは臭みが無く、肉の旨みが強く弾力性のある食感。ペッパーが効いておりアペリティフに合う味付け、オリーブは普通でした。
（２）前菜【★３．３】
　前菜は、下記のメニューからの選択で、サーモンのパヴェをオーダー
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・　ローストビーフと削ったフォアグラのサラダ
・　パテ　ド　カンパーニュ
・　わさび風味のサーモンのマリネのパヴェ
・　ヴァンショーに漬け込んだフォアグラのエスカップ
・　京都府亀岡産　七谷鶏のテリーヌ(+\300)
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円柱状に盛られたサラダの上に、厚切りのサーモンが乗せられたもので、マスの玉子が乗せられた一品です。サーモンはミキュイの製法で作られていないと思いますが、若干火が通っている模様で、マリネとミキュイの中間ぐらいの食感。鮮度が良く、ワサビの風味も効いており、途中まではパクパクいけるのですが、いささかボリューム多いので、食べ進めるにつれ飽きがくる印象。付け合わせで味に変化を加えるとか、燻製の香りをつけるとか味と香りの変化が欲しいところ。
（３）スープ【★４．５】
　前菜の次はスープか魚料理かの選択で、前者をオーダー。
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・　シャンピニオンのクリームスープ　トリュフ風味
　自家製ベーコンのソテーとモッツアレラと
・　本日のお魚料理
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運ばれてきただけでトリュフが香り、その香りだけで美味しいとわかるもの。
スープはクリームベースで中には、ソテーされたキノコとベーコンがはいっており、その上にたっぷりのトリュフが削られ供されます。
京都独特の底冷えのする夜だったので、クリーム系のほっかりするような優しい味わいと嗅いだだけで幸せになるトリュフの香りに包まれ、身も心も暖まる一品でした。
（４）メイン【★３．９】
メインは、下記からの選択で、牛ホホをオーダー。
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・　国産牛サーロインのポワレ　コショウとワサビ風味(+\1,200)
・　京都亀岡産　七谷鶏のポワレ　アーティチョークのピューレと(+\900)
・　岐阜県養老豚のロースト　塩レモンの香り
・　ナヴァランダニョー
・　牛フィレ肉のポワレ　レフォールソース
・　バターライスを詰めた大山鶏のロースト　ソース　ヴァンジョーヌ
・　骨付き仔羊のロースト　グリーンタプナードソース
・　牛ホホ肉の赤ワイン煮込み　じゃがいものピューレと
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見た目はありきたりの牛ホホですが、一口食べるとホロホロと肉の繊維が崩れ、丁寧に作られていることが見て取れます。牛ホホの赤ワイン煮込みは、ソースで決まるといっても過言ではないと思いますが、酸味と甘みのバランスが絶妙で、最後まで飽きさせないものとなっていました。また、付け合わせの野菜も鮮度も良かったです。
（５）デザート【★４．０】
　チーズの盛り合わせをお願いしました。
供されたのは、シェーブル、白カビ、ロックフォールの３種。
いずれも、チーズの発酵したむわっとくる香りが強く、状態は素晴らしい。
経験上、京都のレストランで供されるチーズは相対的に美味しいと思うのは私だけでしょうか？
（６）パン
　シンプルなバゲットが供されます。どこのお店のものを使用しているのか聞きそびれたのですが、小麦の風味が強く、クラムがもっちり、クラストがパリッとした非常に美味しいバゲットです。どこのパン屋のものを使用しているのでしょうか？
（７）カフェ
　コーヒー・紅茶・エスプレッソから選択可能でプティフールも付きます。香りコクとも秀逸なエスプレッソで、最後まで手抜かり無しでした。

３　ワインについて
　グラスワインのメニューは下記のとおりで、その他ノンアルコールドリンクが用意されています。
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□　アペリティフ
　・スパークリングワイン(850)
　・ハートランド(750)
　・シェリー(750)
　・キール(850)
　・キール　ロワイヤル(850)
　・ミモザ(850)
　・カンパリソーダ(750)
□　グラスワイン白
　・ヴィニウス　シャルドネ(850)
　・ドメーヌ　ミショー(850)
□　グラスワイン赤　
　・ドメーヌ・ド・オーシェール(850)
　・シャトー　パスキエ　キュヴェ　デラッセ(850)
□　食後酒
　・マクヴァン(1,300)
　・マール　ド　ブルゴーニュ　ルイジャド(1,100)
　・カルヴァドス　ブラー　ソラージュ(1,100)
　・ポートワイン(1,100)
　・ピノー・デ・シャラント(850)
　・グラン　マル二エ(800)
　・エミリオ　ルスタウ　デラックス　クリーム(850)
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スパークリングワイン→グラス白→グラス赤→マクヴァン→マールという流れでいただいたのですが、料理の傾向に合わせた力強い傾向のものが用意され、かつガブガブ飲める価格帯のワインが揃えられている印象。また、食後酒のラインナップが豊富で、シェフが修行先でよく飲まれていたという「マクヴァン」はフワッと香るアロマが心地よい秀逸なもので、おススメの一杯です。

４　サービスについて
　ご夫婦で経営されているらしく、接客は専ら奥さんが対応してくれ、奥さんの手が込んでいる時には、シェフが丁寧に対応してくれます。奥さんは口調からして癒し系で、店の可愛らしい雰囲気にマッチしており、シェフの誠実な人柄の方で、お二人の接客の良さもあって、この店の居心地の良い雰囲気を醸し出しているのかもしれません。また、ナプキンは布製ですし、カラトリーも料理毎に変えてくれるので、料理はビストロ風ですが、それ以外はレストラン仕様でした。

５　総　評
　お店の雰囲気やサービスを含めた空気感が素晴らしいレストラン。
料理のメニュー構成から鑑みても京都っぽい雰囲気というよりは、南仏の片田舎のレストランをそのまま持ってきたようなイメージで、観光客向けというよりは、普段使いに向いているレストランかもしれません。京都に観光に行くと、どいうしても京都っぽいものもを求めがちですが、普通に美味しい良店を訪ねてみるのも良いかと思います。
京都に行った際には、またまた利用させていただきたいと思います。