よいお料理とそうでない料理がはっきり分かれているように感じました。 : レ・シャンドール

地元のグルメの方から、このお店の情報をいただきました。
地元では30年以上続いているクラシックフレンチのお店だそうです。

本日、夜は焼鳥のコース料理にしておりますので、量をできるだけ抑えたいので、
メイン一つのコースにいたしました。1日に二つのコース料理をいただくのは
相当しんどいです。でも、良いという情報を聞くと、食べたくなってしまいます、
で、完全に矛盾しています。

(0)飲みもの

緑茶(500円)にしました。フレンチでは目面しいですね。
イタリアンのTACUBO様以来の洋食での緑茶です。今回は非常に美味しかったです。
気品あり、かつフレッシュで若い良い茶葉の味の印象を持ちました。
お料理はお値段ではありませんよね。TACUBO様では一杯2000円でしたので。

以下、お料理です。

(1) アミューズ

ツブ貝のサラダです。
一番上にツブ貝、その下にりんごの角切り、その下にじゃがいも
のペーストがあります。ジャガイモのペーストは間が抜けたような
お味で、バター感が強いです。ジャガイモの風味がありません。
りんごは生です。したがって、酸っぱい
生感を相当主張いたします。火を通して、もう少し、弱らせた方が
味のバランス的には良いと思います。ツブ貝は単体としては美味しいと思いますが、
りんごとジャガイモのペーストが邪魔して、バランス的に悪いと思います。
このお店大丈夫かと不安を感じました。もしかしたら、
フランス語でかけている？と感じました。
ジャガイモはフランス語で大地のりんご(pomme de terre)と言います。
ジャガイモは火を通して、さらにベーストにしていますので、
生のりんごとはもはやどこにも共通点はありません。
また、味的にも合わないと思います。

(2) 前菜：

ムースと具材です。一番上にオマール海老、ホタテがあります。
その下にセロリのムース、ごぼう、レンコンがあります。
オマール海老は食べ応えがありました。味は旨みが強く、
わずかに甘みがありました。昔、フランスロスコフの
高級ホテルでいただいた絶叫するような甘みのオマール海老に
は及びませんでしたが、かなりのレベルのオマール海老でした。
「いいぞ、いいぞ」と思いました。ホタテからは白ワインの風味
を感じました。これも良いです。ごぼう、レンコンも
入っています。セロリのムースは生クリーム感がきつくなく、すっとしています。
一番下から、このお料理は掬って頂くようにアドバイスを受けました。甲殻類
(海老、カニ)から出汁を取ったジュレです。殻の出汁がよく出ています。
特有の旨みがあり、かき混ぜられと、上のセロリのムースの層に侵入していきますので、
口の中で混ざり、二つの味の攻撃が心地よいです。いい感じになっていました。


(2.5) バゲット

これは全く普通のバゲットでした。これ以上、言葉が出てきません。


(3) スープ

人参のポタージュです。これはぼんやりした味のスープでした。
具材は人参、じゃがいも、玉ねぎ、牛乳、バターです。
(生クリームが入っているかどうかは微量だと思いますので、わかりませんでした。
どっちでも良いです。)同じものを作ったことがありますが、じゃがいもの味が人参の味を
ぼやかしてしまいます。じゃがいもなしにするか、ほんの微量にした方が
いいと思います。じゃがいもの影響力はとても強いです。
とろみはお米でつけて、旨味はトマトでつけて(ここがなかなか思いつかない!)、
じゃがいもなしにした方が美味しいと思います。


(4) 鯛

天然の鯛のポワレです。表面がパリッとしています。独特の切り口です。
鯖寿司とかでは見かけますが。長方形の形の固いものは歯触りがいいですね。
中はふわっふわっとしています。味も旨みが強いです。
付け合わせのカブはバターの味が染み込んでいます。菜の花(季節的に早いな〜）
も苦みの味がとても濃いです。お野菜はどこかの農家さんと契約しているかと思いましたが、
八百屋さんから買っていると聞いて、びっくりしました。クオリティーが高かったです。
ソースは美味しかったので、原材料を聞きました。
シェリービネガー、白身魚の出汁、バター、生クリームです。
(家で、ワインビネガー、昆布茶、バター、生クリームでソースを
作ってみたいと思いました。)バターの旨みに魚の出汁が加わり、とても美味しく感じました。
この味、とても好きです。

(5) デザート

3品ありました。先週、訪問したトロワグロ様と比べると、全くの平凡なレベルの
デザートでコメントしたくなくなります。

(a) アールグレイのプリン

完全に卵の味がプリンから消えています。
色も卵感が消えています。食感的には卵感が残っています。
プリンというようりは、アールグレイの甘いムースです。
既製品感をなくした、手作りのプッチンプリンの方が
個人的には好きかなと思いました。プリンから、
卵感がなくなると、もはやプリンではなくなってしまいますね。

(b) リンゴのコンポート

白ワインではなく、何かの洋酒で煮込んでいます。
その洋酒の味が強いです。ちょっと、どういう味か言葉で表現できません。

(c) カシスのシャーベット

非常に濃い味です。下の写真からその味が想像できるかと
思います。赤ワインの味もしたような気がしました。

(6) お茶

エスプレッソにしました。しぶ苦い味で美味しく感じませんでした。


まとめますと、美味しいお料理とそうでないお料理の差が激しいと感じました。
お茶、前菜、メインが美味しかったです。あとは普通に感じました。
期待値には届かなったかな。(クラシック)フレンチに求めるレベルは
高いので、現在の得点3.94より私のつけた点は下回りますが、
どうぞお許しください。

サービスは気遣いがあって、とても良かったと思いました。個人として、
相当、頑張っていると感じました。ただ、あくまで、個人としてです。

当店訪問後も、既にレビューしました、キュズーヌミッシェルトロワグロ様は
総合的にすごかったなとその差に改めて感じた次第であります。分野を問わず、
個人経営のお店では、印象度的(得点的にではありません)に
キュズーヌミッシェルトロワグロ様を超えることは非常に難しいとは思ってはおります。