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すしログ:京都らしさの中にモダンな感性を宿す老舗の日本料理店「京都 近又(きんまた)」
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店名 |
近又(きんまた)
|
---|---|
ジャンル | 日本料理 |
予約・ お問い合わせ |
075-221-1039 |
予約可否 |
完全予約制 |
住所 | |
交通手段 |
地下鉄烏丸線「四条駅」から徒歩10分 京都河原町駅から237m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥20,000~¥29,999
¥10,000~¥14,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、JCB、AMEX、Diners、Master) 電子マネー不可 QRコード決済可 (PayPay) |
サービス料・ チャージ |
サービス料15% |
席数 |
50席 |
---|---|
個室 |
有 (2人可、4人可、6人可、8人可、10~20人可) |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、座敷あり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり |
---|
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | ホテルのレストラン、一軒家レストラン |
サービス | ドリンク持込可、ソムリエがいる、テイクアウト |
お子様連れ |
子供可 お座敷個室のみ可。テーブル席は12歳以上から。 |
ホームページ | |
オープン日 |
1801年 |
お店のPR |
文化財の京町家で、坪庭の四季を愛でつつ味わう伝統の食文化
懐かしい京都情緒が漂う錦市場。【近又】の立地は、その錦市場の東端に近い御幸町通り沿い。ここは京料理の伝統ともてなしの心を受け継ぐ老舗料亭です。創業は享和元年(1801)。明治に建てられた典型的な町家造りの建物は、2001年3月に文化庁による「国の登録有形文化財」に登録されました。そして饗される料理を一言でいえば「旬のおいしいもの」。決まったメニューはここにはありません。季節によって、またゲストの要望に応じ、和食の粋を極めた料理人たちが心に残る料理の数々を提供してくれます。繊細にだしを引き、素材の持ち味を最大限に生かす。料理の本質はこれなのだと、まさに目からうろこが落ちる思いです。 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
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「日本料理の聖地」とも言える京都において、最も訪問したかったお店の一つが「近又」さんです。
かつて錦市場周辺を散策している時に出会い、外観の風情に惹かれて訪問したいと感じた老舗です。
創業を1801年(享和元年)にさかのぼる歴史がありながら、お料理は現代の人間が頂いても申し分ない味わい。
古臭さなどは一切なく、むしろ洒脱なセンスを感じさせます。
個人的には、昨今予約困難になるド派手なお店よりも、こちらのような地に足の着いた京料理が好みです。
「京都近又」さんのお料理の詳細
「京都 近又」さんの魅力は、確かな伝統技術をベースに、程良い遊び心を加えている点だと感じました。
先付の【生海胆の琥珀かん】や油ものの【いちじくの天ぷら】のように現代風の感性を表現しつつ、確たる技術があるので、上品そのもの。
このようなお料理こそ、京都で頂く価値がある…と感じます。
季節感の表現もバッチリで、味覚の段階的調整にも目を見張ります。
甘味や食感を順次変えていき、興奮を高めるアプローチは見事。
淡い味の中に伝統の力強さを実感します。
この度頂いたお酒
羽田酒造、五百万石純米吟醸2,185円
東山酒造、坤滴ひやおろし純米酒 2,415円
上記の価格は消費税・奉仕料込みです。
頂いた【昼懐石】12,650円(税・奉仕料込み)の内容
先付:生海胆の琥珀かん
刺身:鯛、鰆
海老芋の蒸しもの
炊き合わせ:秋茄子、サツマイモ、三度豆
揚げもの:いちじくの天ぷら
焼きもの:子持鮎(落ち鮎)
お食事:松茸ご飯、留め椀、香の物
水菓子:いちぢく羊羹
先付:生海胆の琥珀かん
琥珀かんに海胆を使用している点も面白いが、「梨とお豆腐のすりおろし」を用い、好奇心をくすぐる先付だ。
揚げた稲穂と梨に秋を感じる。
初手から季節が表現されていると、日本料理はテンションが上がる。
琥珀かんには出汁が効いていて、長芋の食感が良いアクセントだ。
海胆の濃厚な味わいを、梨の香りと甘味が優しく支える。
よく考えられている味覚構成。
刺身:鯛、鰆
魚は鰆と鯛で、添えているのは刺身湯葉。
刺身に鮪を使用していない点に好感を覚える。
刺身に鮪を機械的に使用するお店には、コストと想像力を他の食材に使って欲しいと願うばかりだ。
鯛は香りがあり、旨味も乗っていて好印象。
脂の甘味もある。
また、生の鰆とは東に住んでいる人間としては嬉しい限りだ。
脂も乗っている。
それでいて鰆らしくサッパリ。
湯葉はむっちりと肉厚で濃密な味わい。
山葵は紛れも無い本山葵。
抜かり無い。
海老芋の蒸しもの
出始めの海老芋の蒸しものに、鴨肉と百合根を合わせていて、実に京都らしい。
おかきの粉をまぶしているところが素晴らしい!
海老芋の甘味に鰹出汁のキレある香りとおかきの粉の香ばしさが調和する。
鴨の下味が素敵で、生姜醤油のような佳き味が旨い。
火入れも良く、決してボソッとしていない。
松茸は不作の年であるが、広島産を用いていて嬉しい。
抜群に美味しく、伝統の中に個性を表現している。
炊き合わせ:秋茄子、サツマイモ、三度豆
炊き合わせには甘味を利かせ、メリハリのある構成に仕上げている。
秋茄子はトロトロで美味しく、三度豆はシャキシャキ、サツマイモはほっくり。
サツマイモは甘味と爽やかな香りが印象的だが、食感が柔らかすぎない点に技術とセンスを見る。
東京の多くの和食では「食材のクオリティ」なるものに右往左往する人が多いが、繊細な塩梅や食感の制御に気を払う人は少ない。
「フーディー」と呼ばれようとも、ファストフードに慣れた舌と感覚は多大なリハビリを要する事の証左だ。
揚げもの:いちじくの天ぷら
濃いめのツユ、たっぷりの薬味。
個々で味わうと大仰であるものの全てを一緒に頂くと高度に完成する。
いちじくの甘味が嫌み無く活きる。
ツユにも甘味を効かせて味覚的調和を取っている。
トロッととろけるいちじくに、ふんわり、もっちりした衣が絶妙に馴染む。
いちじくの甘味、タネのプチプチ食感、天麩羅と言う調理によるとろみなど、新鮮な発見を与えてくれる逸品だ。
甘味だけでなく出汁と醤油もしっかり効かせている点と、コースの途中から甘味を強めている流れが非常に勉強になった。
焼きもの:子持鮎(落ち鮎)
予期せぬ子持鮎との出会いに相好を崩す。
添えられているのは花山椒の醤油漬け、はじかみで、調味料は蓼酢ではなく柚子胡椒酢とお洒落。
落ち鮎には子がみっちりと詰まっていて美味!
落ち鮎の骨は硬いので、別途骨煎餅にする心遣いも素敵だ。
お食事:松茸ご飯、留め椀、香の物
松茸ご飯は一膳分であっても、十分な満足感がある。
留め椀の椀種は大徳寺麩。
もぎゅもぎゅした食感は実に快感!
力強さを付与する大徳寺麩は偉大だ。
白米はおかわり自由で、まさかの大容量が用意されている(笑)
水菓子:いちじく羊羹
ドライいちじくのシロップ漬けだろうか?
ほんのりと洋風なテイストを感じる。
甘味は軽やかで、日本料理の水菓子として非の打ち所が無い。
お薄
「京都 近又」さんの立地と雰囲気
「近又」さんは錦市場からすぐの場所にあり、抜群の好立地です。
町家建築は、周囲でとりわけ目を引く。
不思議と、お店の前に立つと静寂と平穏を感じさせる。
1階には予想外にもスタイリッシュなカウンターがあるが、ゆったりと建築に浸るなら個室が良い。
京都らしさを空間と接客で感じさせてくれる名店だ。