九州西海岸を往く食堂列車◆観光列車 おれんじ食堂 : 観光列車 おれんじ食堂

肥薩おれんじ鉄道線 八代駅～川内駅116.9kmを走る観光列車、おれんじ食堂。
西九州を食事しながら移動する、2両のクルーズトレイン。
JR以外の鉄道としては路線延長が九州で最も長い。
テーマは「食とスローライフを満喫する九州西海岸の旅」
運行区間・ダイヤは4つ。
<1便モーニング>
提供店 出水市 パン工房 麦穂。大人4000円、小人2500円。
<2便スペシャルランチ>
提供店 水俣市 鶴の屋。大人21000円、小人14000円。
<3便アフタヌーン>
阿久根駅 駅マルシェと手作り体験。ご当地グルメの軽食。大人8000円、小人6500円。
<4便イブニング>
提供店 出水市 ホテルキング。大人11000円、小人7000円。
食事飲物なし乗車のみプラン有(2号車)座席指定料金 大人1400円、小人700円+乗車区間運賃。
(おれんじ食堂HP) https://www.hs-orange.com/kankou/

2013年3月デビューの、おれんじ食堂。
この列車のデザイナーは、JR九州などのデザイン顧問でもお馴染みの水戸岡鋭治さん。
八代～川内間の九州西海岸を走る食堂にずっと乗りたくて。
やっと機会がありまして、予約しました。
予約は乗車日3ヶ月前の同一日、午前9時30分より。
食事付きプランは、利用日の4日前が最終受付。
お問い合わせは、おれんじ鉄道予約センター。電話番号0996-63-6861。
営業時間9:30～17:00、年中無休(12月30日から1月3日は除く)。
案内通知が郵送で届き、振込後に予約確認書が再度郵送で届いて、当日乗車。
今回の利用は、おれんじ食堂で1番人気の2便スペシャルランチ。

新八代からの乗車です。
在来線改札前にて受付。時間になると乗務員さんが。
予約確認書を提示して、おれんじ食堂列車の乗車券・マルシェクーポンを受け取ります。
さぁホームへ。
ホームでは同じ方向を向き一眼レフを構える、撮り鉄さん。

ホームに入ってきました！
おれんじ食堂だけど色印象は違う、濃いブルーの車体。
気持ちが前に出過ぎて、1号車の席なのに2号車の場所に待っていたらしく、そこから乗車。
水戸岡さんらしい明るい木目の車内です。心安らぐあたたかいデザイン。
2号車はリビング・カー。
乗車区間の運賃＋座席指定料金という価格設定の区間乗車も可能。
料理はオプションとして追加が可能とか。2号車にトイレあり。定員20名。
1号車はダイニング・カー。
原則として全区間乗車、料理込みの旅行商品として発売。定員23名。
カウンター側が海沿い。山側座席のロングシートが予約されていました。
料理は提携のレストランで調理されていて、キッチンは水栓はあり火は使わないようです。
車内禁煙。
席には、沿線のミネラルウォーター1本と紙袋と温かいおしぼり。
紙袋はお土産入れとの説明。
各車両に自由に食べられる小菓子の提供。
ル・プレジールの、甑島みかん塩クッキー。
お菓子麦屋のデコポンマドレーヌ。しっとり、柑橘の良い香りです(^^

◆2便 スペシャルランチ【提供店:水俣市 鶴の屋】21000円(税込)
[新八代10:08発→川内13:47着]　
献立は、沿線の海・山・里の幸をふんだんに使った料理。
・馬肉の押し寿司 瞬間スモーク
・9種のオードブル
・マッシュルームのポタージュ
・津奈木町で獲れた足赤海老のポシェ 根セロリのピュレソース添え
・熊本県産 味彩牛サーロインのコンフィ
・アスパラガスのデグリネゾン

女性乗務員のアナウンスで始まります。
2020年初日の運行日でした。
乗車の全ての人に、ホット・アイスコーヒーをサービス。
食事つきプランの乗客へは、焙じ茶、紅茶、熊本県産 不知火(しらぬい)みかんジュースの用意があります。
テーブル上のランチョンマットには滑り止め効果あり。
食事の提供は水俣駅から。
アナウンス多めで観光も十分に楽しめます。

10:08発【新八代駅】
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10:12着 【八代駅】 3分停車 10:15発
熊本のお正月らしい赤酒をショットでの提供あり。
続いて、温かい熊本の八代茶。
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10:26着 【日奈久温泉駅】 45秒停車 10:27発
名物の日奈久ちくわの提供あり。温かい。
ドリンクメニューには、沿線で作られたお酒たち。
ちくわのお供に日本酒を♩
有料ドリンクは、キャッシュオンデリバリー。その場で支払いです。

◆萬坊(亀萬酒造) 1500円(税込)。
地元水俣の越小場産のアイガモ農法無農薬米を使用した純米吟醸酒。すっきりとした飲み心地。
吟醸香が広がる、ワイングラスで美味しい日本酒アワード2019最高金賞受賞酒。
ちくわの後には、次の駅のマルシェに出されているお店の太刀魚の骨せんべい。
お酒も美味しいのですが、おつまみが更に美味しさを引き上げてくれます…

区間の景勝地(不知火海)、八代湾沿線を車体を傾け走り、海が近く迫力あります。
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10:55着 【佐敷駅】15分停車【駅マルシェ開催】11:10発
全員マルシェクーポンを持って下車。この駅では数種から好きなものを選べました。
「でこぽん」の缶詰をいただいて。
横で売られていたカレーパンを無視できず購入。まだ温かい。スパイシーで美味しい(^^
列車に戻り、メニューから地ビールを。カレーパンと相性ばっちり。

◆水俣ビール 800円(税込)、ソレイユとケセラセラ。福田農場オリジナルのクラフトビール。
カレーで町興しの芦北町が駅近くにあります。
日本でカレーを家庭料理として紹介した江上トミさんの出身が、駅近郊の芦北町出身。
功績を称えようと、芦北伽哩街道もあります。

車窓は今の時期ならではの柑橘の実る木々、おれんじ食堂の名前の由来。
区間の景勝地は(重盤岩)があります。
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11:23着 【奈津木駅】 30秒停車 11:23発
景勝地(桜並木)※時期のみ
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11:27着【新水俣駅】 30秒停車 11:28発
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11:32着 【水俣駅】12分停車【駅マルシェ開催】11:44発
全員マルシェクーポンを持って下車。この駅では水俣名物の引換。
袋にお菓子の詰め合わせ。地元菓子店のものが色々。
ここで販売されていたのは、日昭堂の「かりんとう万十」140円(税込)。
詰め合わせにも入っていましたが、出来立ては美味しいですよね。
カリッとした揚げ万十の皮に滑らかでしっとりとした漉し餡。

停車時間で駅も見学。
工業デザイナーの水戸岡鋭治さんのデザインによって2015年にリニューアルした水俣駅。
バリアフリーを取り入れた空間で、温もりを感じさせながらも洗練された雰囲気。
ベージュの駅舎が印象的。
「かぞくいろ」の映画ロケ地、水俣駅での撮影エピソードが掲示されていました。

食事の提供は水俣駅から。
出発すると、9種類のオードブルと馬肉の押し寿司。
スモークの演出、目前で。
熊本と鹿児島の県境で列車は停まり、景観の説明アナウンス。
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12:02着 【出水駅】 8分停車 12:10発
こちらの駅で、パーサーが交代。
車窓に鶴の姿が見えると都度説明あり。正月飾りの鬼火焚きも車窓から。

この間の食事は、マッシュルームのポタージュ。
おれんじ食堂限定、おれんじパン。温かい。
一般のレストランのようにBGMが流れてます。
ワインを貰います。
◆シャルドネ(白) ハーフ1本 1500円(税込)
ちゃんとガラスのグラス。揺れますが滑り止めが効いてて安定。

津奈木町で獲れた足赤海老のポシェ 根セロリのピュレソース添え。
熊本県産 味彩牛サーロインのコンフィ、無花果のソース。
黒粒胡椒はフレッシュでした。
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12:43着 【阿久根駅】 6分停車 12:49発
短い停車時間ですが、こちらの駅も見学で降ります。
こちらも水戸岡鋭治さんが手掛け、2014年にリニューアルオープンした駅。
カフェスペースやホール、キッズルームなどもあります。

食事はこの区間でデザートに。
アスパラガスのデグリネゾン。甘くなくオードブルでも良い感じ。
阿蘇の溶岩で焙煎しているというコーヒーをマグで提供。

この区間で動画を1本撮ってみました。
旅の様子をご覧になりたい方はどうぞ(^^
(先頭車両からの景観) https://www.youtube.com/watch?v=dFfOe9Rfsuc&feature=youtu.be
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13:14着 【薩摩高城駅】17分停車【駅マルシェ開催】13:31
停車時間が一番長い駅。
東シナ海を望む浜辺まで歩いて行くことができる、薩摩高城駅。
鉄道職員さんが自ら雑木林を伐採し、遊歩道を設けるなどして整備したそうです。

駅マルシェの水俣名物引換は、きびなご地酒風味。
家でまた飲めそうです(^^
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最後の区間では、おかわりのコーヒー。
温かいおしぼりが最後に出される配慮。
ランチで利用した赤いナプキンは先ほどの駅の離席時に綺麗に折られており、お土産にと。
寒い日なのでと、カイロも配布され。
終点 13:47着 【川内駅】

念願の楽しい列車旅でした(^^

おれんじ食堂の走る路線、八代～川内間は、JR九州の鹿児島本線の路線の一部でした。
2004年3月に九州新幹線が一部開業すると共に、第三セクターによる肥薩おれんじ鉄道として開業。
この区間を第三セクターで維持することを条件に九州新幹線が着工したと聞きます。
第三セクターの鉄道会社は概ね、経営的に順調な会社は多くないものです。
観光食堂列車への思いも大きいかと。サービスへの努力が伝わって来ます。

この区間、新幹線だと30分。
新幹線では味わえないゆっくりとした旅は、およそ3時間40分をかけて。
天気が今一つの日だったので、輝く晴れ日にまた乗車したいと思いました。