洗練された土佐料理が味わえる店 : 凛々 鈴のや

■　凛々　鈴のや（高知／居酒屋）について
　高知市にある居酒屋「凛々　鈴のや」
歩き遍路で高知市に滞在時に訪問。
実を言うと、同じはりまや町の人気店に当初は行きたかったのですが、その日はあいにくの満席。
そこで、食べログ上位の店から空席がないかと尋ねまくり、たどり着いたのが「凛々鈴のや」
この店も電話をかけた際には満席でしたが、空きが出たらTELをしてくれるとの丁寧な対応をしていただいたので、お言葉に甘えて利用させていただきました。
１．雰囲気について
　上品で落ち着いているというのが第一印象。
座席は、厨房に面したカウンター席とその背後にあるテーブル席が用意されているのですが、カウンター席の比率が高いためか、そう感じさせるのかもしれません。
したがって、高知の他店と比較すると、より少人数での利用が向いているものと思われます。
２．料理について
　訪問時の主なメニューは下記のとおりで、カツオタタキ、煮穴子、天ぷら盛合わせ、日高トマトのクリームチーズのせ、さば炙り寿司をオーダー。
料理は総じて、手が込んでおり、ポーションはやや小さめ、したがって、沢山の種類の料理を食べたい方には良いかもしれません。
個々の料理の感想は下記のとおりです。
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【郷土料理】
■　ワラ焼きカツオタタキ（たれ・塩）（￥1,350）
【造り】
□　カツオ・真鯛・岬あじ・しまあじ（各￥1,200）
□　活穴子・ぐれ・めっき・あじ（各￥900）
■　煮穴子（一本）（￥1,200）
□　煮穴子棒寿司（￥1,500）
【煮焼】
□　ち鯛・ベイケン・真鯛あらだき・白身魚の西京焼（各￥900）
【天ぷら】
□　穴子・キス・ほたるいか（各￥900）
■　天ぷら盛合わせ（￥1,200）
□　野菜天ぷら盛合わせ（￥800）
□　がっちょ唐あげ（￥550）
□　うつぼ唐あげ（￥950）
【一品】
□　ほたるいかとウドの酢みそあえ（￥650）
□　真鯛白子ポン酢・しらすと新玉ねぎ（各￥500）
■　日高トマトの茎わさびクリームチーズのせ（￥550）
□　鯛めし（青さのりみそ汁・つけもの付）（￥900）
■　さば炙り寿司（￥800）
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（１）つきだし
　つきだしは何とマグロの握り。
一口サイズの大きさではありますが、爽やかな脂の風味が口の中に広がり美味。
つきだしでマグロの握りが供されたのは初めてで、この後の料理に期待が持てる一品でした。
（２）日高トマトの茎わさびクリームチーズのせ
　高知産のトマトにクリームをのせその上に茎わさびをのせたもの。
トマトはチーズにも負けないくらい味が濃く、それぞれの相性は抜群。
また茎わさびが結構ツーンと強烈で、味の輪郭をはっきりさせる役割。
胡椒の散らし方も心憎く、大将はイタリアンの経験があるんじゃないのと思わせる一品。
（３）ワラ焼きカツオタタキ（塩）
　高知の居酒屋に行ったらマストなのがカツオのタタキ。
見た目は標準的な高知の居酒屋のそれより、こじんまりした印象。
ただ、旨みの凝縮感と身の弾力性は同じ時期に食べ比べた高知の店の中では一番。
個体差による要因が大きいとは思いますが。。。
（４）ワラ焼きカツオタタキ（タレ）
　塩と切り方を変えており、表面積を広くし、よりタレの絡みが増すよう配慮されていると思われる。
やはり、この店は芸が細かい。
（５）天ぷら盛合わせ
ホタルイカ、キス、レンコン、しし唐、しいたけの天ぷらの盛り合わせ。
ホタルイカの天ぷらは初めて食べましたが、噛みしめるとほんのり甘い味わいが
美味でした。
（６）煮穴子
　身の崩れが皆無で、非常に丁寧な仕事をされている。
タレは甘すぎないですが、しっかり穴子全体に味が染みわたっており、酒のつまみには最高の一品。
普段はあまり、頼まない日本酒をついついオーダー。
（７）さば炙り寿司（￥800）
　ひと口サイズのさば寿司が８個供される。
鯖の皮目にはしっかり火が通されているため、余計な脂が落ち、さっぱりした印象。
ご飯との間に挟まれた大葉との相性も絶妙。
４　サービス
高知というと威勢の良さをウリにした接客が多いような気がしますが、こちらの店は対極的に落ち着いた腰の低い対応をされており、電話の対応時から好印象でした。
個人的には、料理を楽しみたいので、この落ち着いた接客は大歓迎。
また来たいなと思わせるサービスです。
５．総　評
　良い意味で高知っぽくない店。
高知の料理というと、豪快でポーションが大きいというイメージがありますが、この店の料理は繊細で、ポーションは小さめで、真逆の性向にあるように思えます。
ただし、高知の食材はしっかり使用し、ちゃんと高知しているので、料理の「種類」を食べたい方にはおススメ。
無論、料理の味は秀逸で、落ち着いた雰囲気、サービス素晴らしく、たまたまの訪問となりましたが、いい店に巡り合えてラッキーでした。
お遍路は、まだしばらくはグダグダ高知を歩く予定なので、再訪はマストです。