幾重にも変化する万華鏡のようなつけ麺（湯河原：らぁ麺 飯田商店） : らぁ麺 飯田商店

湯河原にある全国区の知名度を誇るラーメン屋さんです。OMAKASEのクリック戦争で苦戦しながらも予約枠を勝ち取りました。

東京から車で約3時間で到着。店舗は住宅街の中にあります。湯河原自体が東京から遠いのに、この立地で超人気ラーメン店になったのは本当に凄いと思います。

45分制で時間になると予約した順に呼ばれて入店です。入店の際に手指のアルコール消毒、券売機での購入ではなく、店員さんに注文して代金はトレーで受け渡しです。感染対策はばっちりです。

店内はカウンターが10席、奥に6人掛けテーブル席が2つあります。テーブル席で予約を取りました。テーブル席の奥には広い自家製麺所があります。

〇つけ麺塩味（1800円）＋お出汁割（200円）
〇つけ麺しょうゆ味（1800円）＋お出汁割（200円）

10分ほどで配膳されました。
白色の中細麺と茶色の全粒粉の麺の2種類と比内地鶏のチャーシュー2枚とTOKYO-Xの炭火焼きチャーシューが1枚、海苔3枚が盛られています。つけ汁は2種類で黄色く澄んだ温かいスープと蕎麦のつけ汁のような冷たい黒色のスープ。薬味は白髪ねぎ、柚子、味噌です。しょうゆつけ麺の薬味はねぎが青ネギです。

まずは白い麺を何も付けないで食べます。小麦の芳醇な香りがする麺で、ツルツルしていてのど越しがいいです。サッとつけて、ズルズルッとすするのに適したタイプ。温かいほうの美しい塩のスープに付けてズルズルっと食べます。数種類の塩をブレンドしているというスープは塩味のキレが効いた鶏と豚の清湯スープでコクと旨味があります。このスープと麺のコンビネーションは、と絶句。いままでに食べたことがない衝撃的な味です。
続いて茶色の麺。白い麺よりも太く、香ばしい風味とコシのある食感です。冷たいつけ汁で食べると、まるで日本蕎麦のような風味です。
白い麺は温かいスープ、茶色い麺は冷たいスープに合うように思います。

しょうゆ味のスープは数種類のしょうゆをブレンドしているとのことでこちらは醤油の芳醇な香りと鶏と豚の旨味がたまりません。こちらも白い麺との相性が抜群です。
2種類のチャーシューはいずれも分厚く、比内地鶏のチャーシューは噛み応えがあり旨味が凄い。TOKYO-Xの炭火焼きチャーシューはしっとりと柔らかく、でも上品な豚の旨味たっぷりです。どちらも驚愕の美味しさ。

少し食べ進めると店員さんが席まで来て昆布のお出汁と薄切りロースチャーシューが配膳されます。お出汁はつけ麺にかけて、チャーシューは温かいスープに入れて、お出汁のかかった麺をスープに付けてチャーシューと一緒に食べて下さいとのこと。お出汁は透明でドロリとしています。お出汁が絡まった麺はそのままでもお出汁の風味でそのままでも美味ししい。それをつけダレに入れ、柔らかいレアめのロースチャーシューと一緒にすすると、鰹節の香り、濃厚な昆布の旨味とコク、豚の旨味、スープの程よい塩味が合わさり、上品な和のアンサンブルを奏でます。これは素晴らしい。元々は塩味が強いスープですが、お出汁で割られることで徐々にマイルドに味変します。この味の変化もいいですね。

その後も麺に山葵を付けたり、味噌を付けたり、スープに柚子を垂らしてみたりと、味変を楽しみます。まるで万華鏡のようにコロコロを味を変えるつけ麺。素晴らしすぎです。

最後に出汁割にしてもらいます。いったんお膳が厨房に戻されます。指宿産の一本釣り鰹の本枯節をテーブル席の目の前にあった店内の機械で削って鰹節にするのが見えました。その鰹節から取った出汁と海苔が追加され、お膳が戻ってきました。とてもいい出汁の香りがします。レンゲを使わずにそのまま飲んで下さいとのこと。すすってみるとこれが絶品。これはもはやラーメンではありません、高級な割烹料理です。謹んで頂きました。出汁割は醤油よりも塩のほうが好みでした。

退店する時に飯田店長さんに「美味しかったです。」と挨拶しました。飯田店長さんの「ありがとうございました。」の言葉を背にお店を後にしました。

素材と味、提供方法に徹底的にこだわりながら独自の道を行くつけ麺は、自分のつけ麺の概念を覆した一杯でした。今後、この店以上のつけ麺に出会える気がしません。次はらぁ麺を食べてみたいです。

ごちそうさまでした。