スローフードが似合う隠れ家的蕎麦懐石コース（予約必至） : 蕎麦 惠土

蕎麦恵土

葉山の優雅な蕎麦懐石

2013年12月26日現在　食べログ評価　3.68

以前、飛び込みで行って撃沈したことのある葉山の蕎麦屋。
歩きで行ってアウトだった破壊力は計りしれず・・・
今回は入念に事前予約をして、ご近所のKEN21さんと、ランチの3,500円コースを食しにウォーキングツアーです。

予約をすると基本、コースメニューのみ。
アラカルトは飛び込みで、というルールですが、この日も予約で満席でした。
親子4人家族連れが予約無しで、あえなく撃沈。
平日でも満席だったし、土日は予約はマストですね。

鎌倉駅に午前10時に集合。
予定通り、大町から逗子に抜けて途中から葉山の海岸沿いを歩き、11時30分に店前に到着。
場所は葉山元町交差点辺りの住宅街の中。
有名な海鮮料理の店「魚寅」の近くになります。
そう言えば、前日に魚寅の悪夢が（笑）
魚寅違いですが・・・

住宅街の中に普通に佇んでる庭付きの古い一軒家。
アーリーな昭和木造住宅を改装した民家リノベーション的な店舗です。

オープンは12時からで、まだ時間が早いので、有名な「葉山旭屋牛肉店」へちょっと寄り道、お土産用にコロッケを購入しました。
アツアツだったので、本当はその場でパクつきたかったのですが、ここはグッと我慢して再び恵土さんへ戻りました。

12時になり、玄関で靴を脱いで畳敷きの店内へ。
昔懐かしい民家の香りがします。
間仕切りをぶち抜いた和室の畳の上にテーブルが4卓。
最大でも15～16人しかもてなせない、もったいないくらいのゆったり感。
これでは直ぐに満席になるのも肯けます。

客年齢は高めで、騒がしい客は皆無なので、静かな時がゆっくりと流れて行きます。
BGMはアコースティックなジャズなのは若い店主の趣味でしょうか？
それとも流行？
我々のテーブルの角にはサーフボードが立てかけてあります。
葉山に越して来てからご主人が始めた趣味だそうです。
瀟洒な日本家屋にオブジェの様にサーフボードを置くセンスは若さゆえ、でしょうかね。

接客は奥様が担当。
非常に上品で聡明感溢れる美人女将で、しかも中々商売上手（笑）
我々は何時の間にシッカリ洗脳され、気が付いたらオプションをオーダーしてました（笑）
凄く感じがよい方で、サービス評価は高いですよ。
要所では、料理持参で登場するご主人。
昔はやんちゃだったのかな？と思わせる風貌のイケメンです。
でも・・・中々の腕前で、料理をお一人ですべて担当。

まず、ドリンクをオーダーしました。
KENさんはハートランド中瓶700円
宇宙はエビス中瓶700円
相場よりは高めの値段設定です。
葉山価格か？

料理：お昼の店主おまかせコース　3,500円
蕎麦を限定あら挽き手挽きせいろに＋200円でバージョンアップしました。
それにコースに入っていない出汁巻玉子を追加オーダー。
女将さんの接客に見事にハマりました。
結局一人当たり4,120円の料理になりました。

葉山で昼呑みのプチ蕎麦懐石の始まり始まり～（＾0＾）/
出前生活のうっ憤を晴らす最高の昼食ですね！

●蕎麦の実入りがんもどきと三浦大根の煮びたし
料理の顔つきがよろしい！
まず、出汁が旨い。
たっぷり汁を吸ったがんもには人参、牛蒡、大根に加えて蕎麦の実も入っています。
擦った生姜と葱を載せて、上品ながらも力強い味がしました。
地野菜の三浦大根もホロホロで。
これが一品目から登場とは、先が楽しみですね（＾＾）

●前菜盛り合わせ
・帆立しんじょうと素揚げ銀杏
・カワハギの煮こごり
・高菜とじゃこのお浸し
・蓮根、椎茸、慈姑（くわい）の炊き合わせ
これまたバラエティに富んだ酒の肴のオンパレード。
絶品は高菜。今が旬の生高菜で甘味すら感じられる美味しい高菜とじゃこの塩分のバランスが良い感じです。
凄く優しい味ですね。
それと帆立しんじょうは帆立の甘味をたっぷり封じ込めた揚がり具合で絶品でした。
カワハギの煮こごりに若干の魚臭を感じてしまいました。
煮炊きは普通に美味しかったです。

ここで、日本酒、愛媛の石鎚（純米吟醸）950円を宇宙が、青森の安東水軍（特別純米）をKENさんがオーダー。
女将さんがそれぞれを呑めるよう、Wでお猪口を用意してくれたので、双方を味比べできました。ラッキー（＾＾）
愛媛はKENさんの故郷、ご当地もので、すっきりシャープでサラッとイイ感じね！
安東水軍はコクが強く、ピリッと辛口。
どちらも美味しくいただきましたです。
器も見どころがありイイですね！

●焼き味噌
もうこれは！酒が益々ススムくんですね！
柚子が香り、味噌の甘味、蕎麦の実の歯ごたえの良さ。
焼き加減も良好で、添えの人参にも合いますね。

ここは熱燗でしょ（笑）

●蕎麦豆腐の焼き白子のせ
これが旨かったです。
蕎麦豆腐は想像よりアッサリでした。もっとモッチリを想像したので。
でもそれを補うのが焼いた鱈の白子のネットリ加減。
合わさって丁度いいテイストを演出していたのですね。
山葵も名脇役です。
地モノのホウレン草が上品。
菊の花のお浸しが散りばめられていました。
もはや蕎麦屋レベルではないです。

●だし巻き玉子　840円
オプションで追加した一品です。
女将さんの作戦勝ち（笑）
ふんわり柔らかく、出汁を吸った玉子焼き。
キュッと締まった甘さが特徴ですかね。
美味しかったです。
でも、コレステなので、4個中3個はKEN氏の胃袋に（笑）

熱燗・・・純米　香住鶴　790円
これもなかなか、最初からこれでもよかったかな。
実は無類の熱燗オヤジなんですよね～

●天ぷら盛り合わせ
牡蠣、下仁田ネギ、カリフラワーの盛り合わせです。
口に含んだ瞬間ジューシーな牡蠣汁がジュワッと。
写真が物語ってるでしょ？
比較的大粒で食べごたえもあり。
最近、私、牡蠣の天ぷらに完全にハマっているだけにナイスなメニューです！
下仁田は甘味のある瑞々しさ、カリフラワーは今が旬の美味しさ。
毎週藤沢のワイワイ市に行ってると旬の野菜が手に取るように分かって楽しいですよ！
高菜もカリフラワーもたくさん並んでました。
旬の概念をきちんと料理する点が好感度高いです。
塩でいただきました。

●冷たい蕎麦
本来のコースに付いてくるのは「あら挽きせいろ」840円なのですが、200円アップすると「限定あら挽き手挽きせいろ」1,050円にできると女将にニッコリ奨められてのバージョンアップ「限定あら挽き手挽きせいろ」の登場！
ざるにこんもり盛られた灰色で星がたっぷりの蕎麦です。
薬味はおろしと葱のみで山葵はありません。
この辺は店主の拘りでしょうか？
辛汁はそれほど濃くはなくて、さっぱりと食べられました。
期待しすぎたか、思ったほどの感激はありませんでしたが、レベルの高い蕎麦であることは間違い無し。
若干ヌメリがあり、水切りは甘めです。

蕎麦湯
湯で割ると、汁の旨さが引き出されますね。
大きな器にたっぷり入った蕎麦湯を蕎麦汁と蕎麦湯のみで味わいましたが、上々なレベル。
湯は適度な白濁。蕎麦の味はしっかりしました。

●デザート
ラフランスのソルべですね～
ラフランスを赤ワインで煮たものがチョコンとのってます。
適度な酸味がサッパリで旨いです。

トータルで一人頭6,500円ぐらい。
昼から贅沢しちゃいましたね～
酒が高めなので、飲兵衛だと高くついちゃうかな？
ただしコース内容は中々で、こちらのCPは悪くないと思います。
アラカルトよりもお得かもしれないので、コースを利用する手は十分あると思いますよ。
予約しないと入り辛い事象も考慮して、コースでの選択をお奨めします！

リピート度　★★★★☆