いかにもD級の匂いがしたのですが、1,000円アンダーのしゃぶしゃぶランチはコスパ高し。 : こすぎ畑

食べログを利用したGo To Eatキャンペーンのポイント付与は、2020年11月15日(日)21:40頃の予約分をもって終了となりました。
時を同じくして新型コロナの感染拡大（第三波とも言われている。）が続いているのですが、ポイント付与終了は予算上限に達したというのが表向きの理由で、感染拡大防止のためということではないようです。
ただ、経済的効果が期待できるのであれば、ポイント付与事業の延長（追加予算措置）という選択肢もあったと思われるところ、そういう話は全く俎上に上らないところを見ると、間接的には感染防止も視野に入れたポイント付与終了と見るのが妥当なのではないでしょうか。
今後、ポイント利用について制約が設けられる可能性もあるそうですが、取り敢えず予約済のポイントは付与されることになるので、この日は、終了ギリギリで予約を入れた当店を予定通り利用することにしました。

食べログでGo To Eatキャンペーンを利用したことのある人ならお気づきと思いますが、対象になるのは、食べログを通じて予約したものだけであり、そうなると予約するお店は、必然的に食べログ会員店であることが求められることになります。
これはGo To Eatキャンペーンの一つの制約要因になりますよね。
と言うのも、食べログ会員店というのは、会費負担を伴いますので、一般論としては、人気のある優良店はコストを負担してまで会員になることは考えない、つまり食べログを頼る必要性はないことになるわけです。
従い、会員店にはレベルの高いお店が少なくなり、その代わりコスト負担の余力のある（≒広告宣伝費の損金算入が可能になる）企業系のチェーンなどが幅を利かせるという現象に至るわけですね。
ステマ問題などで世を騒がせているZ級とかD級とか言われる劣悪居酒屋なども紛れ込む余地があるということです。

もっとも、新型コロナの影響は、いわゆる人気優良店も苦境に陥れているケースも見られますので、Go To Eatキャンペーンをきっかけにこれら人気店でも（売上回復を狙って）食べログ会員店になるという行動も数は少ないながらも見られるわけですが。
このような事情から、Go To Eatキャンペーンは、グルメサイトのためにある事業とも揶揄されていますね。

今回予約した当店は、いわゆる企業系のチェーンです。
運営主体は、株式会社KIDS HOLDINGS。
2005年（平成17年）9月に設立された外食企業で、200店舗内外の飲食店を運営しています。
名の知られているブランドとしては、九州料理の「木村屋本店」（9店舗）、牛タン料理の「牛タン圭助」（10店舗）、「原酒酒場 はかた商店」（13店舗）などがあります。
当店は正式には、「やさい屋しゃぶしゃぶ こすぎ畑」という店名であり、姉妹店として、品川にも「やさい屋しゃぶしゃぶ しながわ畑」というお店があります。

当店は、完全個室制のお店との触れ込みなので、個室料が一人当たり380円かかってくるのがちょっとネックでした。
それでも、ランチの単価は1,000円内外で、500ポイント獲得は魅力だったですし、感染防止の観点からは個室は力強い味方でもあるので、個室料負担覚悟で予約したものです。

当店の場所は、武蔵小杉駅から徒歩1分ほどです。
東急南口1から出ると50mほど先の右手に亀屋万年堂がありますが、その先の角を右折して亀屋万年堂の2軒先、QBハウスの隣のビル(千里ビル)の2階で営業しています。
同じビルの地下1階には「くろべこ」という焼肉店があり、ランチでの利用、レビュー歴があります。

12時からの予約を入れていましたので、その時間を目指して伺いました。
電車の都合で3分ほど遅刻してしまいましたが、階段を上ったところにある入口は開放されていたので、そこから入店します。
すぐに店員さんが出てきましたので、予約の旨を伝えるとタブレットでチェックして席に案内してくれました。
店内の様子は、狭い廊下の左右に簡素な仕切り板で間仕切りされた半個室風の空間が並ぶもので、Z級とは言わないまでも、食べログ会員店であることも手伝って、低レベルなD級居酒屋の香りがぷんぷんします。

この時点で、個室料のこともあり、これは期待出来ないだろうなと覚悟しました。

案内されたのは4人用テーブル席。
隣席とはカーテンで仕切られていますが、向かいの席は格子を通して人の顔が見えます。
これで380円取るの？と思いましたが、まあここは大人しく何も言わずに卓上に置かれたランチメニューに目を通します。

ランチメニューは、一番安いのが豚しゃぶ定食で@800円。
次に安いのが牛豚しゃぶ定食の@900円で、その他、肉のランクに応じて、最も高いA5仙台牛黒豚しゃぶ定食@1,800円まで6種類がラインナップしています。
この時点ではD級の匂いが立ち込めてましたので、高いメニューを頼むつもりは毛頭無く、牛豚しゃぶ定食@900円を注文しました。
タレをゴマだれとポン酢から選べるので、ポン酢をチョイスします。

待つこと4分少々で、注文の定食が運ばれてきましたが、それを見て、ちょっとばかり驚きました。
と言うのも、肉の色がとても鮮やかで、しかもたっぷりの量が盛られていたからです。
さらに、野菜やキノコも充実しており、とても劣悪店の900円メニューには見えませんでした。

鍋は1人一つ鍋の紙鍋で、店員さんが固形燃料に火を付けてくれます。

肉は3種類で、特選豚カルビ、牛カルビ、特選豚ロースとなっていましたが、カルビとあるのはバラ肉のことだと思われます。
それでも結構立派なサイズの肉がそれぞれ4枚づつ盛られていました。

紙鍋は火力が弱いせいもあり、沸騰まで時間が掛かります。
今回私は比較的スピーディーに食べたので良かったですが、それでも最後は燃料が切れており、しっかり加熱したい人は焦らずに燃料の交換も念頭に置いた方がいいかもしれません。

肉質は、正直上質というわけではありませんが、仮に輸入肉だとしてもそれなりのものであって、味は決して悪くはありません。
キノコ、野菜も、舞茸、しめじ、エノキに白菜と青菜で充実してましたし、とにかく量がたっぷりなので、食べた感があります。

小鉢のポテサラとデザートのわらび餅は、あまり上等なものではありませんでしたが、漬物は高菜、しば漬け、たくわんと比較的充実してましたし、全体としてはこれで900円なら全く悪くないです。

会計時には、これに個室料を加えた1,280円の支払いを覚悟していたのですが、請求額は900円ポッキリ。
結局、個室料は取られませんでした。
確かに個室とは名ばかりの半個室風空間だったのは事実でしたが、これには良心を感じましたね。
Go To Eatの500ポイントも付与されますので、とても満足度の高いランチになりました。

何事もそうですが、やはり予見で判断しては駄目ですね。
当店の運営会社には失礼な見方をしてしまいましたが、このレビューで多少なりとも挽回出来ればと思っています。
ランチの営業時間が12時からというところからも、決して本腰を入れたランチではないことも透けて見えるのですが、だからこそ敢えて儲け度外視で夜の部の宣伝と位置付けているのかもしれず、Go To Eatのポイント付与が無くともランチはかなりお得だということだけはしっかり記しておきたいと思います。