知ってる人だけが時期になると食べに来る、刺激と香りの麻婆豆腐 : 蘭蘭

川崎区新川通にある中華料理店です。

１９７３年創業と川崎の中華料理店でも歴史のあるお店です。以前は、川崎区内に支店もありましたが、今はここだけです。
中華街の名店の聘珍楼で修業をした店主が調理をしています。そのため、広東料理をベースとした日式中華ですね。

店内は、入ると右手にテーブル席、左手にカウンター席があり、奥には座敷があります。奥のお座敷は、地元のお客さんの宴会での利用のときに使われることが多いですね。
固定の常連さんが多く、年末にはお正月用の中華おせちを販売します。

今日の訪問の目的は、店頭に「生山椒の麻婆豆腐」の張り紙が出たからです。これは、初夏の一時期だけの限定メニューで、提供される時期になると、店頭に張り紙がでます。香辛料が好きな人はこれを目当てに来店しますね。そこそこの期間提供していますが、気づくと無くなってしまうので、見つけたら迷わずに飛び込むのが肝要です。

いただいたのは、
■麻婆豆腐（７００円）
ベースの麻婆豆腐は、典型的な広東式です。
その広東式の麻婆豆腐を作ってから、ラー油をかけ、花椒を散らして完成です。花椒は粒ではなく、挽いてある粉です。
肉は、川崎で有名な「肉は宮代」のからの仕入れです。そのため、ひき肉なれど、やや粗挽きで旨みがあり、味わいも甘さのほうが強いですね。
ラー油と花椒のあたりは多少の刺激がありますが、やはり全体を支配するのは、ベースとなる広東式の甘さと旨みです。
そして、気になる生山椒（青山椒）ですが、フレッシュな刺激でこれがたまりません。噛むと香りが立つのですが、柑橘に近い感じで、まるで、上質な七味唐辛子の味をひと粒で再現しているようです。この香り、非常に柑橘に近いので気になって食べながら調べると、山椒は「ミカン科サンショウ属」とのこと。陳皮だと思っていた香りは、山椒の香りも加わっていたのかもしれません。
ちなみに花椒は、日本の山椒とは別種なので、味も風味も違いますし、生では食べません。この生山椒は日本の山椒です。
ラー油（唐辛子）と花椒の刺激とは違う方向性の生山椒の香りは、麻婆豆腐を非常に香り豊かな食べ物に変えてくれますね。
美味しかったです。また、来年、食べにくることにしましょう。

●生ビール（５００円）
川崎・鶴見のビールといえば、キリンです。これは鶴見区生麦にキリンの工場があるからです。
ということで、こちらは、生が一番搾り、瓶がラガーという品揃えです。
ちょっと高いですけど、一番搾りでもしっかりとした、いい味しています。
お酒を頼むと無料のお通しでザーサイが出ました。唐辛子が多くてこれもいいですね。


街の普通の中華料理店ですが、旬の食材を使った麻婆豆腐は魅力的ですね。春先から初夏にかけての味わいです。

１９７３年創業とのことで、４０周年だそうです。

店内は、歴史ある中華料理店の割りにきれいで清潔な印象。
入り口付近から見える席は、カウンター８席、テーブル１８席ですが、奥か２階には座敷もあるようです。


■タンタンメン（６５０円）
一見、ニュータンタンメン本舗系ですが、ニンニクはほとんど感じず、辛さは唐辛子だけでなくラー油を強く感じます。具にも卵・ひき肉だけでなく、ニラとにんじんも入ります。味付けも、花椒も入っています。
麺は、一般的な中華料理店で使う中細麺より、やや太めです。タンタンメンには相性がいいと思います。
味わいは、ニュータンタンメン本舗とはまったく異なり、北京系のとろみのあるあんかけのようなタンタンメンとも異なります。当然、一般的な四川料理の担々麺とも異なり、唐辛子を主体とする香辛料とラー油による辛味の強い、このお店独自の味わいになっています。
ニュータンタンメン本舗の強い味に慣れていると、口に合わないかもしれません。

■サンマーメン（６５０円）
神奈川ご当地ラーメンのサンマーメンです。こちらのものは、基本どおりで醤油ベースのラーメンにもやし・白菜・青梗菜・にんじん・きくらげなどを軽く炒め、餡に絡めたものがのります。
味も、少し濃いめの醤油スープと具とのバランスがよく大変美味しいです。

■天津飯（７５０円）
玉子が厚く、具もかに肉・しいたけ・たけのこ・ねぎ・きくらげなどがたくさん入り、他のメニューと比べて高級感があります。
玉子焼自体にはあまり味付けがされておらず、甘酢餡にしっかり味があって、ご飯とのバランスをとってあります。
餡もたっぷりかかっているので、最後まで美味しくいただけます。
付属のスープは、しょうがの味のするややクセのある味です。好みがわかれる味かもしれません。

大陸系中華料理店よりやや高いですが、払った分のクオリティで提供してくれる安心の日本式中華料理店です。

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