グルメ杵屋のブランドは安心感があります。 : 越後 叶家 ラゾーナ川崎店

新型コロナの3回目のワクチンを打って丸2週間が経過しました。
接種後10日目から外食ランチを細々と解禁していますが、それにしても毎日東京で万の単位の感染者が継続して出ているにも関わらず、街中の人出がガタっと落ちたという感じはしないのが不思議です。
濃厚接触者等の待機日数が短縮されたことなども影響しているのかもしれませんが、もはや感染させる可能性のある人が街中に溢れていると考えた方がいいのかもしれませんね。
これをコロナ対策の破綻と見るのか、ウィズコロナの一つの現象と見るのかは見解が分かれるような気もしますが。
そんなことで、外食ランチを楽しむのは復活したものの、周りには感染者がうじゃうじゃいるとの前提に立って感染防止対策は徹底していきたいと思います。

この日は、川崎までやって来ました。
川崎は、今の生活圏と照らすと特別に重点エリアということにもならないので開拓もほとんど進んでいないため、ランチ候補店はそれこそ星の数ほどあると言ってもいいくらいです。
そんな中から、この日は所用の関係で時間的にタイトだったこともあり、駅直結のラゾーナ川崎のレストランフロアからお店を選ぶことにし、越後のへぎそばを食べさせる当店に白羽の矢が立ちました。

当店を経営しているのは、あの株式会社グルメ杵屋ですので、チェーン店の重しがありそうに思うのですが、食べログ評価は3.36点と比較的高めなので、興味を惹かれました。

グルメ杵屋と言えば、言わずと知れた大阪発祥の外食チェーンですが、1967年（昭和42年）の創業ですので、外食チェーンとしてはかなりの老舗と言っていいと思います。
店頭にうどん打ちのスペースを設けることで、その名を一躍高めることになった"実演手打ちうどん"の「杵屋」の1号店は、当時のダイエー奈良店への出店で1971年（昭和46年）のことでした。
6年後の1977年（昭和52年）には関東進出も果たし、会社も株式上場を果たすなど徐々に全国チェーンとして頭角を現していくことになります。

私のグルメ杵屋とのご縁と言えば、うどんの杵屋を度々利用したことだけではなく、京都勤務時代に仕事で関わっていたとあるプロジェクトの関係でグルメ杵屋とご縁が出来たんですよね。
当時は、創業者でもある椋本彦之さんが代表で、同氏は、業界団体の重鎮でもあり、教育関連にも熱心（大阪初芝学園理事長を兼ねる）であったことなどで関西ではかなりの有名人で、直接お目にかかったこともありますが、2008年（平成20年）に73歳で亡くなられていますね。
現在は同氏の長男の椋本充士氏が代表に就任しており、株式会社グルメ杵屋レストランを新設し、レストラン事業の店舗運営業務を委託する形態を採っています。
ブランドもうどんだけに限らず、HPで公表されているブランドは33ブランド（うどん6ブランド、そば９ブランド、和食9ブランド、洋食5ブランド、その他4ブランド）に及び、かなり手広く展開するに至っており、2021年12月末の店舗数（直営、FC合計）は323店です。
ただ、さすがに新型コロナ禍の影響は甚大で、コロナ前の2019年12月時点の店舗数は396店舗を数えていましたので、ここ2年で2割近いお店をスクラップしたことになりますね。

越後叶家ブランドは、現在9店舗の展開ですが、神奈川県が当店と湘南テラスモール店の2店舗あるのが唯一の同一都府県内複数店舗で、後は東京都、埼玉県、千葉県、静岡県、愛知県、大阪府、奈良県と分散出店しているのが特徴になっています。
越後という店名から推測されるように、魚沼地方の名物であるへぎそばを看板商品として打ち出しているお店です。
ただ、へぎそばの名称については、1977年に小千谷市の業界団体が商標登録していてちょっとした騒動があったこともあって、なかなか店名には採用しづらい事情があるのかもしれませんね。

当店は、ラゾーナ川崎の4階ショッピングゾーンにあります。
この日は11時10分過ぎくらいの訪店で、この時点では空いていましたが、11時20分を過ぎた頃にはかなり混み始めていましたので、なかなか人気があるお店のようです。
私は店員さんの案内で4人用テーブル席にゆったり座らせてもらいました。

卓上には備え付けメニューがあり、メニューブックのトップメニューは、やはりへぎそば。
次いで温かいつけ汁そば、冷たいそば、御膳メニューと続きます。

へぎそばを注文しようかと思ったのですが、へぎそばは、小(8巻)で@1,450円と結構お値段が張るので、何となくコスパ重視の気になってかき揚げつけ汁そば@1,240円を注文しました。
これでもカジュアルなそばレストランと比べるといいお値段です。

待つこと6分ほどで注文の品が提供されました。
正方形のせいろには、茶褐色のそばが盛られています。
細くてなめらかなそばでしっかりしたコシがあります。玄そばの星や透明感は無く、私の好みとはやや乖離がありましたが、そばの風味は豊かでなかなか美味しいです。

かき揚げはとにかく分厚く、どうやって食べようか困惑するくらいです。
かぶりつくわけにもいかず、箸で少しづつほぐしながらいただきました。
店員さんから「かき揚げは、卓上の佐渡島の塩でどうぞ」と言われましたので従いますが、とにかく分厚いかき揚げなので、塩オンリーだとかなり油っこいです。
なので、半分以上はつけ汁に浸していただきました。

そのつけ汁は、ネギと三つ葉の入った香り豊かなつけ汁で、爽やかであっさりしているので、かき揚げとのバランスが良いですね。

そばの量は多からず少なからずですが、かき揚げのボリュームが凄いので、単品でも結構お腹が膨れました。

全体にやはりグルメ杵屋のブランドは安心感があるなという思いを改めて強くしました。
その分、サプライズが無いのもまた事実なのですが、今の時代は、当たりとハズレに大きく分かれるサプライズよりも安定感の方か貴重になっているのかもしれないですね。

世の中全体の流れとしては、ローリスク・ローリターンよりもハイリスク・ハイリターンの方がもてはやされる時代ですが、敢えてその流れの逆を行くことで希少価値を獲得するビジネスモデルもあっていいと思います。
こういう業態の方が長続きしますし、不測の事態に直面した時の対応力もあるような気がしますね。