こんな建物のこんな雰囲気の中でこんな料理をいただくと、いい日になる : 大磯迎賓舘

大磯迎賓館については、ホームページ、多くのレビュワーの方からの説明がなされてきているので、大磯迎賓館は大正元年竣工で100年以上の歴史を持つこと、「国登録有形文化財建造物」「景観重要建造物」(の第一号)に登録されたこと、多くの賓客を受け入れてきた歴史があることを紹介するに留めておきます。

現在はイタリアンですが、初めてこちらに伺った時は、フランス料理のお店で経営も違っていたと思います。どちらにしても普段のランチ使いに伺いに来ることは殆どなく、何かないと中々来ないお店ではあります。
ただ、比較的やさしい料金のランチセットもあります。

今回は食べログから「地域応援ランチセット」(4620円)をネット予約をしていきましたが、『「地域応援特別コース」(6600円)で予約されていたようです。どちらにするか迷っていた位なのでそのまま受け入れました。後でメニューを見ると前者はなく、スペシャルランチセットがそれに比較的近いようです。)

1月の土曜日の11時半の予約でしたが、11時には着いてしまいました。駐車場はまず入口が狭目で、中で車を入ってきた方向と逆側に向けて斜め駐車することになるので、既に駐車している車があると切返しが大変です。運転する車が大きいと尚更です。
それにしても素敵な建物ですね。見ていて飽きることがありません。何かが伝わってくるような気もします。

建物を見ていたり、周辺をぶらっとしたりしていると、「寒いでしょうから」と早めに店内に入れていただけました。
建物は手前側と奥側に分かれていて、廊下を抜けて奥側の建物に向かいます。
奥側の窓からは湘南の海が一望できます。優雅に。

その窓側の席を案内されました。昨日は晴れて海の青さが距離によって異なり、南の海のようでしたとか、房総半島が見えることとか、丁寧ながら静かな笑顔を交えて経験豊富といった給仕さんが話されます。いかにも迎賓館といった雰囲気でしょうか、
当日は生憎の曇り空で、空と海の境界がはっきりしない灰色の海でしたが、それでも海を一望できるのはいいものです。

最初のドリンクはノンアルコールのスパークリングワイン(ドゥク ドゥ モンターニュ)を頼みました。
ノンアルコールでも美味しく、酔ったような気分にもなります。海を見ながらの至福のひとときです。

以下、料理です。
［前菜］
　-イタリア産ハムの盛り合わせ-
　-ラスパドゥーラチーズのサラダ-
ラスパドゥーラチーズ、薄く削られたチーズが白い薔薇の花のように盛り付けられています。薄く柔らかな食感がよく、その割にしっかりとしたチーズの味わいとの組み合わせ美味でした。旨味の十分なイタリア産ハムは勿論美味しく、スパークリングと頂くと美味さは格別。サラダのドレッシングは、オイルにバルサミコ酢を加えたもの。とてもよく合いました。

［温菜］
　-大磯カマスと旬野菜のフリット
　大磯の漁港であがったであろうカマスのフライは、サクサク表面と、やはり柔らかみがありながらサッパリ食感の白身の一体感が楽しく美味しいです。
旬野菜は牛蒡、菜の花。写真では分かりにくいですが、ペラペラのポテトのように(または大きい鰹節のように)見えるのが牛蒡です。

［スープ］
-大磯野菜の本日のスープ
　その日はミネストローネのスープでした。よく見られるトマトベースではなく、またスープの量も少なめですが、大磯で採れた新鮮な野菜がたっぷりで、さっぱり感が美味しいスープです。胃の一休み的な感覚もあっていいですね。

次に行く前に自家製ジンジャエールを注文。
ジンジャーが効いていて美味しい。

［ピッツァ］
　-湘南しらすと青のり　マルゲリータ
　ピッツァは、大磯迎賓館の売りの逸品です。イタリアから輸入した大きなお洒落なピザ窯で焼いたピッツァは格別です。1枚を2人でシェアすることになります。半分のエリアに湘南しらす、青のり(もちろんモッツァレラも)が載り、残りはスタンダードなマルゲリータです。

色々なタイプの料理で飽くことがありません。それでいながら、統一感があるんですね。
そしてメインは、これまた！といった料理です。
魚料理か肉料理か選択できます。魚料理も肉料理もそれぞれ2種類あります。

［メイン］
　-金目鯛のカダイフ巻き(+550円)
　金目鯛がカダイフにぐるぐる巻きされた印象的なビジュアルです。カダイフのパリパリ感と金目鯛の柔らかい食感の組合せがいいし、なんといっても金目鯛が美味しいです。カダイフに載った具材の味もアクセントになります。+550円の価値があります。

［デザート］
　-本日のドルチェ
　パンナコッタとレモンケーキとイチゴでした。(ドリンクは紅茶を)
パンナコッタの濃厚感とレモンケーキのさっぱり感の両方を楽しめていいですね。

紅茶も飲み終えて、席からは少し遠くに見えたピザ窯を見せて貰いに行きました。大きさ故の搬入時の苦労などの話をお聞きしましたが、実は話してくれた職人は搬入時いなかったと;;
本当に綺麗で素敵なピザ窯です。

歴史ある建物ですが料理は進化しています。
たまーにはこんな雰囲気の中でこのような料理をいただくのもいいと実感した日でした。


ご馳走様でした。