追加　酒蔵経営の古民家和食店　雰囲気抜群 : 蔵元料理 天青

私の住む地元・茅ヶ崎には希有な酒蔵がある。造り酒屋に加え地ビールを醸造。同じ敷地には。そのビール酵母を使用するベーカリー。そしてイートイン出来るカフェも。さらに古民家を移築したレストランまで。実に積極的な事業展開。

こう書けばすべてが順調という印象。しかし現在の6代目熊澤茂吉氏。廃業の危機に直面した酒蔵を。見事に再生させ、かつこのように。古民家再生など新しい文化を発信。それは熊澤氏の古いものの存在には意味があり。選ばれた良いものが残っている。

その信念に基づく。彼のアメリカでの放浪経験により芽生えた。ゆっくりと醸成していくことが大切。時間をかけて良いものをつくりあげてゆく。それが新しい文化を築いてゆくと。熊澤酒造は1872年（明治5年）創業。１46年の歴史を持つ湘南唯一の酒蔵。　

この天青は古民家リノベーションの贅沢空間。創業当時、酒樽や道具の修理製作を行う工房だった。桶場と呼ばれた倉庫をリノベーション。重厚な店造りは本物感にあふれている。１階は湘南地域の作家やアーティストの作品を販売。

ところで天青（酒蔵）といえば銘酒で有名かつ全国区。風露、千峰、雨過、吟望など。どれも逸品ばかり。料理は食材にこだわり。新しい風を吹き込んだ和食。さらに、この佇まいと情緒。まだ青年の面影ある熊澤氏。これからさらに新しい風を吹かすだろう。

突き抜けるように涼やかさと。潤いに満ちた味わいを目指す天青


○酒煮盛り合わせ（焼鮭の醤油漬け、ヒラメのマリネ、クリームチーズの
○〆鯖
○魚のカマ焼き
（真鯛、金目鯛）

突き抜けるように涼やかさと潤いに満ちた味わいを目指す「天青」。茅ケ崎市北部の香川にある熊澤酒造が造り出す銘酒には4種のラインナップがあります。

今回はそのすべてを飲み比べる「天青4種利ききくらべ」を中心に酒肴を楽しみました。大正時代の土蔵建築は骨組みが力強く落ち着いた居心地を育んでいます。秋の夜長にしんみりと酒を、肴をと堪能しました。

まずは湘南ビタービールで喉を潤し以下の酒肴を楽しみました。どれも素材と工夫は良いのですが焼の技術がもう少し優れていればと思います。

○酒煮盛り合わせ（焼鮭の醤油漬け、ヒラメのマリネ、クリームチーズの
○〆鯖
○魚のカマ焼き
（真鯛、金目鯛）

利きくらべは
・風露天青
やや軽めの飲み口ですがバランスがとれておりキレを感じる

・吟望天青
旨味たっぷりの純米酒。さらに香りと後味のキレが良くて

・千峰天青
山田錦の持味であるすっきりとした旨味と香りに満ちており品の良さを感じる

・雨過天青
山田錦を35%まで精米しておりさらに約1年間熟成してから出荷しており、繊細な旨味で純米大吟醸の王道を行く銘酒です。

それで追加は千峰天青を1合ほど。これで結構ほろ酔い加減になります。

最後に「青天」のカクテルを。神秘的な夕暮れ間近の深い青空をイメージしましたと解説にありますがすっきりとした味わいの日本酒カクテルです。残念ながらデジカメでは写真の青が限度でした。

この店は本来創作和食のコースが中心ですが肴類もそこそこ揃っており今回の私のように酒と肴だけでも十分楽しめます。

＊最初の9枚が今回の写真です。

2006.7.17
内部は大正時代の酒蔵を改装してあり太い柱が重厚な雰囲気を作っています。いわゆるお洒落系のそれらしく簡易に作った店構えや内装とは全く異なります。特に天井も高く空間を多くとってありますので開放的で落ち着きがあります。

蔵元創作料理とは聞き慣れない名前ですが、あの天青という日本酒の傑作を作り出した熊沢酒造の事ですからやはり期待してしまいます。

さらに実際に隣接する蔵で搾る出来立ての新酒を味わえるのです。熊沢酒造は湘南に唯一残る蔵元で海外留学経験のある熊澤社長と生真面目で控えめな杜氏の五十嵐氏の若きコンビが造り上げた名酒天青は瞬く間に日本酒のスターにのし上がりました。

非常に高い評価を得て、生産量が少ないために入手困難な酒の一つとなっています。私もこの香川まで買いに来るくらいです。

神奈川で美味しい酒は「いずみ橋」がありますが今やこの2つが双璧でしょう。私が日本有数のCPの良さと感心する佐賀の七田にも匹敵します。飲んだ印象は香ばしいながら、清々しいイメージ。穏やかな感じもしますが品の良い余韻が長く残ります。

千峰のコースを頂きました。和食と言っても創作系のような和洋折衷とも思える料理です。白い皿の上に色彩美と造形美を意識したようにも思えます。満足はしましたが、例えばイサキのバルサミコソースはややうるさい（しつこい）感じがしてしまい、イサキの皮が美味しいのに勿体無いように思えました。

酒は天青の4種類のきき酒セットが1200円と大変お手ごろなので大満足です。それで千峰を何杯も追加で頂きました。

あ、それからこの日はまた何と4人もの美女と私一人というメンバーだったのですが、中に着物を着た美人がおりました。すると着物客が入ると10％引きとかで大変助かりました。

どうして何時も私が美女たちといっしょなのか読者の方々は不思議に思われるでしょう。私はもちろん某お花や編み物の先生とは違ってゲ○ではありません。男性です！またジゴロでもありません。妻の尻に敷かれている小心者の薄給のサラリーマンです。要は無害なんでしょう。（哀）

ジゴロと言えば昔1980年、突然「アメリカン・ジゴロ」なんて衝撃的な映画が登場して来ました。ブロンディーの歌（Call Me）がまた良くて映画のオープニングで効果的に使われています。でもこれがリチャード・ギアの出世作だなんて凄いですねえ・・・全く関係ない話ですが。


前菜：　
比内地鶏の温泉卵とコンソメビシソワーズ
軍鶏のタタキと揚げ茄子のお浸し
燻製鰯の春巻き
本日のお造り

副菜
ライチ酢の野菜カクテル
魚介のタルタルオープンサンド

主菜食
イサキの炙り焼き、黒胡麻ソース

主菜肉
イベリコ豚の山葵焼き

ご飯膳
丹波社氏白飯、味噌汁、漬物

甘味
本日のデザート、デザートドリンク