飾らず、表面的ではなく、本質的に豊かになろうという想いを込めて : 鎌倉青山

この日は鎌倉でランチ。

やって来たのがこちらのホテルレストラン。

場所は、JR鎌倉駅西口から徒歩3分ほどの今小路沿い。

東京駅の目の前の丸の内ビルディングにオフィスを構える、
フロムファーストホテルズ株式会社のグループになると思われる、
鎌倉青山合同会社の運営するホテルのレストラン。

「まちのホテル・レストラン」。

をコンセプトに掲げ、観光客だけでなく、鎌倉で暮らす方、働いている方も
日常使いで通っていただけるような、鎌倉のまちに深く繋がる
ホテル・レストランを目指しているそうです。

情報がほとんど落ちていませんのでとりあえず伺ってみることに。

工事中はずっとビニールの目隠しが施されていましたが、この地にこんな立派なホテルが
できるとは誰も想像しなかったのではと思われます。
わりと広い敷地が有ったんだなあとびっくり。

ホテルエントランス＝レストランエントランスになり、
入口近くにメニューブックが置かれていました。これは有りがたい (〃^▽^〃)

そちらを拝見して目星を付けてからホテルに入り、まずは手指消毒と検温のセレモニー。

それから左手に見えるレストランフロアの方に伺うと、
メニューの置いてある空いている席にどうぞとの案内。

2名掛けテーブルが基本になっていて、それを組合せることで適宜4名掛けも構成。
カウンターと思われるエリアも2か所ありましたが、ランチタイムはなのか、
現時点ではなのか分かりませんが使っていませんね。
ちなみに入口左手にテラス席もあります。

私は、窓際の2名掛けテーブルに座ることにしました。

すぐにメニューブックが渡され、簡単な説明を受けます。

しばらく何にしようかとじっくりと検討します。

ランチでも単品メニューや一品料理も選べますが、
どう考えても「お昼の御膳」がお得になりますので、

・比内地鶏の親子丼とうどん御膳　1980円
　　うどん、小丼、小鉢、香の物

を注文することにしました。

うどんは、

・冷たい稲庭うどん(細麺)＋比内地鶏醤油だし
・温かい氷見うどん(中太麺)＋焼きアゴ出汁

の2種類から選べますので、

・冷たい稲庭うどん(細麺)＋比内地鶏醤油だし

でお願いすることにしました。

店内はかなりのゆったり空間。
ロビーカウンター＆ドリンクカウンターらしきものが中央付近にあり、
その手前と左手にレストラン用のテーブルが並んでいます。
左手の大きな窓からは庭も見える趣向。

こちらのホテルの建築テーマは「自然を取り込む」「本物の素材」。
「自然」は、周辺の景色の構成要素であり、日々成長して空間に変化をもたらします。
「本物の素材」は、時を経るとともにエイジングして「味」となります。
どちらも今がピークではなく、今後手をかけることにより
さらに趣を醸すことを目指してデザインしているんだそうです。
これは深いわ。鎌倉のまちそのものの考え方じゃん。

BGMはあえてなのか流してなかったような？
緑をイメージするようなヒーリング系のインストナンバーあたりが流れると
この雰囲気をさらに後押ししてくれるのになあと。

てなことを考えながらお冷を飲んで配膳を待ちます。

13分ほどで配膳されてきました。

この日の比内地鶏の親子丼とうどん御膳の内容は以下になります。

・香の物
　　しば漬けと刻みたくあんです。普通に美味しいです。

・小鉢
　　おぼろ豆腐です。ちゃんと本山葵を乗せてるのは泣かせますね。
　　そのまま食べてみると豆の味が濃くて美味しかったので、
　　醤油はかけずにそのまま食べちゃいました。
　　塩があればかけたと思いますけど。

・温かい氷見うどん(中太麺)＋焼きアゴ出汁
　　本当は、冷たい稲庭うどん(細麺)＋比内地鶏醤油だしを頼んだのですが、
　　なぜかあまり気にせずに一口食べちゃいました。
　　そこで温かいうどんを食べていることに気付き、オーダーミスであったことが発覚。
　　しかしながら既に手を付けていますし、伝票を見ても間違って無いですし、
　　今から作り直してもらうのは時間がもったいないこともあり、
　　そのままこれを食べ続けることにしました。
　　精算時に伝えようかとも思いましたが、確たる証拠も無いですし、
　　慣れてくればこの手のミスは自然に改善されるだろうと思い、何も言いませんでした。
　　ぶっちゃけ、どっちのうどんでも良かったというのも有ったので (〃^▽^〃)
　　絶対にこっちじゃないと許せん！という場合にはその場で速攻気付いたはずです。
　　で、肝心のうどんですが、渋い丼に入っていますね。
　　具は、海苔、白髪ねぎとシンプル。
　　うどんは中太の手延べになります。
　　氷見うどんは初めて食べると思いますが、表面がぬめっていて、
　　程よい噛み応えと弾力があります。全体的な食感はもちもちタイプで。
　　なかなか美味しいうどんだなと思いました。固過ぎないのがいいかも。
　　うどんつゆは薄く茶色に色づいています。
　　トビウオの加工品である焼きアゴで出汁を取ったものです。
　　最近ではラーメンの出汁としても利用されるケースがありますので
　　関東でも市民権を得てきたのではと思いますが、氷見の地区でも焼きアゴなんだ？
　　九州あたりの専売特許では無いんですね。
　　焼きアゴらしい力強い出汁を感じますが、癖も無くて万人受けする仕上がり具合。
　　ちょっと塩分が濃いかなあとは思いますが。
　　その分、うどんつゆの量を少なめに加減してくれています。

・比内地鶏の親子丼
　　こちらも渋い丼でのサーブ。小丼ですが2/3人前くらいのボリュームに見えます。
　　実際に200g前後はありそうなご飯の上に、刻み海苔を散らし、
　　その上に、比内地鶏のもも肉と玉ねぎの親子煮を乗せています。
　　ご飯はジャストな炊き加減で瑞々しさがあります。美味しいです。
　　比内地鶏のもも肉もさすがのクオリティ。よく噛むと味が濃いというか。
　　皮の部分も旨いんだよなあ (〃^▽^〃)
　　割り下は関東風にやや濃いめの甘辛味。旨いっすよ。
　　上に乗っかる親子煮の量は立派な一人前サイズがありましたよ (*￣∇￣*)b

この内容で1980円。ロビーのレジでSuicaでのお支払いです。

デザイナーズちっくなイカしたホテルレストランですので、
サービス料的な部分も入ってるんでしょうね。純粋な御膳の価格としては
やや高めの値段設定ではと思います。

それでも、このゆったりとした空間で、庭を眺めながらの食事。
オーダーミスはあったものの、おぼろ豆腐も親子丼も美味しく頂けましたので満足。

施設名である「seizan」はあるがままの自然な姿を賛美する、
禅の言葉「青山緑水(せいざんりょくすい)」に由来しているそうです。

飾らず、表面的ではなく、本質的に豊かになろうという想いを込めて。

ご馳走様です！（2022/4現在、ポイント無し）