ランチは初動を誤ったか？ : 戸塚肉酒場

この日は久し振りに戸塚の新店を攻めてみようと出掛けてみました。
最近は神奈川県のレビューがややご無沙汰で、神奈川レビュー店数2,000（東京と合わせたダブル2,000）を目前にして足踏みしていますので、たまにはということもありました。

横浜の一地方都市で東京へ出るのも40分近くかかる戸塚ですが、引き続きマンション建設などは旺盛で、例えば戸塚小学校についてはこの少子化の時代に１学年４～５クラスあると聞きますから人口は増えているのでしょうね。
都心のマンションだとちょっと手が出ない層には、地価的にもちょうどいい立地ということなのかもしれません。
かつての私もそうでした。

こんな動きを反映してか飲食店の入れ替わりも結構あって、当店はトツカーナモールの１階、元々「うお三昧きじま」があった場所に2017年12月にオープンしたお店です。

店名は戸塚肉酒場ですが、経営屋号は「徳永肉酒場」で、本店は、ＪＲ東神奈川駅近くにあります（徳永肉酒場本店）。
その他、関内（徳永肉酒場）と鶴見（徳永肉酒場）にもお店を展開、さらに「闇市肉酒場」の店名で関内（闇市肉酒場 横浜 曙町店）と川崎（闇市肉酒場 川崎店）にも出店している新興の居酒屋・肉バルですね。
勢いはあるようですが、出店経緯などを眺めてみるとリニューアルとか移転を繰り返していますので、店舗網拡大に際しては、居抜きとかＭ＆Ａ的なものも併用しているのかもしれませんね。

当店はランチタイムも営業しています。
オープン当初は夜のみの営業だったのですが、この人通りの多いトツカーナモール（若干引っ込んだ場所ではありますが・・）で営業するからにはランチで知名度を獲得しようというのはいい作戦かもしれません。同時に例によってＦＬ比率（売上高に占める食材費と人件費の比率）の押し下げ効果を狙ったものと思われます。
いずれにしても、上記姉妹店ではランチ営業をしていませんので、当店が初チャレンジになるようです。

当店のランチ営業時間は11時半から。
しかし、トツカーナモールに入っている各店のランチ営業は基本11時からで、11時半からなのは当店とその前で営業している「庄や」くらいです。
庄やは大規模チェーンでチェーン運営方針があるのでしょうから仕方無いとしても、当店はその意味で他店から浮いていますね。
これはランチ客が他店に流れる機会ロスにつながっている可能性があるので(トツカーナのレストランは11時から営業というのがこの辺りの住民の常識になっている可能性大)、ＦＬ比率押し下げ効果のためにも見直した方がいいと思います。

この日は11時45分頃に入店しました。
店内に先客はおらず私が一番乗りのようでした。
しかし、ＧＷ期間中のこの時間でこの空き具合はどうでしょう？
ランチ営業は、純粋なランチユースのほか、昼呑みもアテにしているのでしょうが、この時間は、双方からそっぽを向かれているような感じ。
当店としてはちょっと目論見が外れたのではないでしょうか？
営業時間のせいばかりでは無いと思いますが、多少の機会ロスは影響しているかもしれませんね。

店内はカウンター席とテーブル席。
多少は手を加えていますが、きじま時代の名残が随所に見られる造りです。

店員さんからどこでも好きなところに座って可と言われましたので、放映中のテレビが見える席に座ることにしました。
卓上にはランチメニューが1枚置かれています。
もちろん、昼呑みにも対応できるメニューもあります。

ランチはシンプルに肉料理がＡ〜Ｃの3種類のみ。
Ａランチは店頭メニューでは「豚バラ中落ちカルビのガリペパ炒め定食」@1,000円(税別。以下、同じ。)となっていましたが、店内メニューだと「豚バラ」が「イベリコ豚」に変わっています。
Ｂランチは「国産牛はらみの焼肉定食」@1,100円、Ｃランチは「牛すき焼き定食」@1,200円です。
いずれにしても、居酒屋ランチとしては高めの価格帯です。
これも集客力に影響しているかもしれないなと思いました。

注文は、Ａランチ。イベリコ豚に惹かれた形になります。
この時間、お店は男性2人、女性1人の3人で切り盛りされているようでした。

待つこと4〜5分ほどでイベリコ豚の中落カルビ ガーリックペッパー炒め定食が提供されました。
メイン料理のほか、小松菜のお浸し、漬物、ワカメスープ、ごはんが付いてきます。

メインのイベリコ豚の中落カルビ ブラックペッパー炒めは、とにかく塩辛い。
これはさすがに味付けのミスだと思います。
料理人は味見をしないのかそもそも舌が麻痺しているのかどちらかでしょう。
ペッパーが効いている云々以前の問題として塩を入れ過ぎだと思います。
イベリコ豚はサイコロ状にカットされた肉が適度に入っていましたが、量が多いとは言えません。
脇役は小松菜とモヤシですが、これはごく普通。
付け合わせが小松菜のおひたしだったので、ここでダブるのは(小松菜)如何なものでしょうか？
使いまわしではありませんが、印象悪いです。
これもＦＬ比率と関係あるのだとしたら、限度問題だと思います。

これに対してごはんは軟らかめに炊かれていますがなかなか美味しい。
開店間もない時間帯だったことも功を奏した感じがしますが、この点は素直に評価したいです。
漬物は白菜の浅漬けでまずまず。
スープは焼肉屋でよくあるやつです。

食べた結果として、これで税込み1,080円はコスパが良いとは言えません。
庶民の町戸塚ですので、駅前モールとは言ってもリーズナブルさが求められると思いますし、この価格設定は周囲のお店と比べても分が悪いと思います。

夜の部は肉バルブームの順風もあって、まずまずの盛況のようですが、ランチ政策は早晩見直しがあるかもしれませんね。