日替り御膳の方が良かったかも、と若干後悔。きじまには平均点路線を目指して欲しくない！ : 寿司・海鮮 うお三昧きじま 戸塚駅前店

この日は、所用があって戸塚まで出向きました。
午前中の所用だったので、11時前には用務が終わりました。
その後、戸塚の街をちょっとブラブラして、11時から営業しているランチスポットでちょっと早めのお昼をとることにしました。

それで伺ったのが、こちらのお店です。

「きじま」は、戸塚の住民には説明するまでもないお店ですが、トツカーナモール１階にあった店舗を昨年こちらに移転したのはちょっと意外でした。
アクセス条件としては劣る場所への移転だけに、家賃の問題なども加味したうえでの一種の実験といった意味合いもあるのかもしれません。
そう、こちらのお店は、駅横にできた新しいビルである戸塚駅西口ビルという４階建てのビルの２階にあるんです。
１階に入居したファミマと共にこのビルの核テナントであり、確かにトツカーナモールのお店と比べると独立性という面ではぐっとアップしたように思いますので、この点も大きかったのでしょうか。

きじまと言えば、真っ先に活きイカというイメージがあるように、自社ＨＰでも1990年に剣先イカを日本で初めて輸送に成功したと謳っています。
ただ、これにはやや異論もあるようです。
と言うのも、実は、呼子イカの輸送については、産学官連携（ワイビーエムサービス・唐津市・九州大学・佐賀県玄海漁連・呼子漁協など）による「水産物の保全・畜養技術開発事業」により、2006年～2007年にかけて実証実験を行ったことが公開されているんですね。
それによれば、「 活イカ搬送はすでにいくつかの方法が試されている」との記載があり、同時に「味がどうしても損なわれているのが現状」と報告されています。
そんなことで、きじまの成功が質の面でどうであったのかは疑問の残るところですが、それはさておき、このフロンティアスピリットは、元戸塚住民としても大いに称えたいと思います。

さて、この日は、11時をちょっと回った時間に訪問しました。
1階の暖簾をくぐると右手に専用のエレベーターがあります。バリアフリーは完璧ですね。
階段もあるので、私は階段で2階まで上がりました。

上がったところに自動扉があって、それにタッチして入店します。

店内は、左手に厨房とそれに面したカウンター席、右手に窓から外を見下ろせるテーブル席。奥にもテーブル席が広がっています。
先客はいない様子で、どこに座っても良さそうな感じでしたが、一番奥のカウンター席に座らせてもらいました。

卓上には、ランチメニューが置かれていますが、席に着くと店員さんが一枚紙の日替りランチメニューを持ってきてくれます。
この日の日付が入っており、本日の焼魚御膳と煮魚御膳をはじめ、丼ものやちょい飲みメニューなどが並んでいます。因みにこの日の焼魚はソイ、煮魚はホウボウと地魚系です。
このメニューを見た時にはなかなかやるなと思わせました。

ランチメニューは、あらかじめ置かれている定番メニューもあり、握り寿司や磯の華膳という定食系、天丼などがあります。

地魚系の日替りランチにも惹かれるものがあったのですが、例えば焼魚御膳は、焼魚に茶碗蒸し、漬物、味噌汁、ごはんで1,814円とかなり割高な印象があります。
これに対して定番メニューの磯の香膳は1,706円とやはり値段は張るものの、刺身盛り合わせに煮魚、茶碗蒸しと色々楽しめそうな感じがあったので、直感的なコスパ比較から磯の香膳を注文しました。

一番乗りの客ということもあったのか、待ち時間は比較的短く6〜7分ほどで磯の香膳の提供です。

この磯の香膳、見た目は悪くないです。刺身盛り合わせは、アジ、ハマチ、マグロ、生エビ、タイの５点盛り。煮魚はマグロのあら煮で、これに茶碗蒸し、漬物、味噌汁がついています。

まず刺身盛り合わせからいただきます。日替りランチから地魚色が感じられたのですが、この刺身盛り合わせのネタは上記の通りやや平板。天然の釣り物ではなく、養殖物が中心かと思われます。味はマズマズでしたが、見た目ほどのインパクトはありません。

マグロのあら煮は、荒々しさの無いあら煮で、マグロの煮物といった方がいいかもしれません。
煮魚は、メニューには真鯛のかぶとあら煮と書かれていたので、看板に偽り有りとも感じました。それならそれで一言欲しかったところですが、何の説明もありませんでした。この点は残念でしたね。

茶碗蒸しは、鶏肉、銀杏、小エビ、椎茸と茶碗蒸しの一般的な上級ネタは全て盛り込まれており、小さいサイズながらもしっかりした茶碗蒸しだったと思います。

漬け物も、ナスとキュウリのぬか漬けで、これもなかなか美味しい。
味噌汁は、とろろ昆布の味噌汁で、まあ普通でした。

そんなことで、この磯の香膳、いわゆる平均点と言う意味ではマズマズかと思いますが、刺身盛り合わせも煮魚も全体におとなしすぎるというのが正直なところ。
これなら多少コスパは悪くとも日替りランチの方が良かったかなと思わせました。

私が戸塚に引っ越して来た当時のきじまは、西口商店街に本拠を構え、お飾り的な部分では無く内容で勝負するお店という印象が強かったのですが、業容の拡大に合わせて、お飾り的要素が強まる方向に舵が切られているようで、この点はやや残念に感じます。
回転寿司進出(海のあきんど)の失敗の轍を踏んで欲しく無いと思うのは私だけでしょうか？