2022.02.28 ラーメン ONOMICHI (オノミチ) / 狩場町 : オノミチ

2022.02.28 ラーメン ONOMICHI (オノミチ)
本日の家系ラーメン巡礼は、家系の流れを作った歴史系の名店 “六角家” さんの新横浜ラーメン博物館と井土ヶ谷店の店長を務め上げ、初の姉妹店として小野道生氏に依り1996年に開店した “オノミチ” さんを、昨年11月以来の無沙汰を経て再訪しましょう。
此方は “六角家 戸塚店” さんと共に、今は無き “六角家” さんの味を伝える貴重な店舗なのです。
パチンコ店の駐車場を利用して、口開け早々に店舗へ到着すると、既に常連さんらしき先客6名の盛況振りで、旧式の券売機で食券を購入して、ホール係の女性店員さんへ食券を渡し、問われた好みに全部普通をコールします。
チャーシューメン ¥ 850
昨今、巷に押し寄せる単価改定の荒波は、“オノミチ” さんへは未到達な模様で、デフォの単価設定が ¥ 650とは嬉しい限りです。
感染防止対策のパーティションが設置された大型L字形カウンターの末席付近に陣取り、店舗全体のオペを俯瞰しましょう。
厨房は御主人と男性店員さんの2名体制で、気配りが出来るホール係の女性店員さんは、本日も客の好みを暗記する “横浜家系伝統技能” を遺憾無く発揮して、緊張感を漂わせつつ店内を差配しておりますよ。
眼前のストーブには3本の大型寸胴が設置され、手前から “あっさり醤油の支那そば” で使用される鶏ガラスープ、豚ガラスープ、メイン寸胴の豚骨スープの順で並んでいますね。
口開け早々に訪れるのは、店側が指向するベストな状態のスープに巡り合う事が目的であり、複数の寸胴で炊き出される様には期待が膨らみますが、覚悟無き者の入店を拒むが如く立ちはだかる豚骨臭が若干少なくなったと感じます。
御主人により “(株)酒井製麺” さんの銘入りの麺箱から麺が取り出され、丁寧に解された後に丸型ポットへ投入され、ロット2名分で麺茹でが開始されます。
作業台には青磁の器が並べられ、カエシ、鶏油、薬味長葱が投入され、メインの豚骨スープの寸胴からストレーナーで漉された豚骨スープが注がれます。
中央部が若干折り曲げられた平ザルを使用して、軽い湯切りの後に青磁の器へ麺が投入され、調理補助である男性店員さんの盛付け後にカウンターへ配膳され着丼、セルフで引取り御対麺と相成ります。
古典的な青磁の器に非乳化な豚骨スープが張られ、残念乍ら差して盛付けられた板海苔、煮豚タイプで部位は肩ロースと思しきチャーシュー、ほうれん草、薬味長葱、そして妖しくくねらせた麺線をスープから覗かせる “(株)酒井製麺” さんの中太麺、正に ”六角家“ さんの系譜を継承する丼顔ですわ。
先ずは最下層にカエシが効いたスープがあり、其の上に厚い層を成す豚骨の油、更に表面には水玉模様状に分離した鶏油が煌めく3層のスープを散蓮華で啜ると、適度な豚骨臭が鼻腔を抜けて、鶏油のコクとカエシの塩味がバランス良く纏まって、動物系の旨味が下支えする家系オールドスタイルな出来栄えですね。
お次に“ (株)酒井製麺 ” さんの軽いウェーブな低加水短尺平打麺を手繰ると、麺の茹で加減は指定無しのデフォですが、此方のデフォは柔めな事は既知であり、“ (株)酒井製麺 ” さんの麺が最も美味いと言われる柔めな茹で加減で提供され、外側はモチモチした食感で、内側はコシが強く食べ応えを有し、多加水麺と低加水麺の特徴を兼ね備え、更に逆切りにより広い面積のテクスチャーを有しスープのノリも申し分無く、スープの持ち味を最大限に発揮させる麺の実力は他の追随を許しませんね。
本日の煮豚タイプのチャーシューは、判が小さい事を補うべく厚みがあり、咀嚼する際に押し返す如き弾力と、塩味の効いた味付けですね。
現在の家系総本山 ”吉村家“ さんや直系店とは異なる、家系の源流を具現化した一杯ですわ。
“ラーメン” を堪能しつつも、新形態の日常生活を模索しましょう。
本日も御馳走様でした。
13-2022

2017.09.24 ラーメン ONOMICHI (オノミチ)
此方へは開店当初に訪問して以来です。
入店時にしっかりとした獣臭は変わりませんね。
ﾗｰﾒﾝ ¥630
好みは全部普通をｺｰﾙします。
寸胴へ丁寧にほぐされた酒井製麺の平打ち麺が投入され、平ｻﾞﾙを使用した麺上げです。
8名分のﾛｯﾄでの麺茹でですが、中盛りの識別の為、丼の縁にちょこんと乗せられたほうれん草を久し振りに拝見しました。
程無く着丼、伏せられた板海苔の盛付けは、正統派ｵｰﾙﾄﾞｽﾀｲﾙです。
先ずｽｰﾌﾟを啜ると獣臭が鼻孔へ広がり、動物系の出汁とｶｴｼのﾊﾞﾗﾝｽが図られた豚骨醤油です。
口当たり良くﾓﾁﾓﾁした食感の平打ち麺ですが、薄過ぎる板海苔と、くたれん草は残念な出来栄えです。
部位はモモ肉と思しき八角の香るチャーシューは、嗜好が分かれる処です。
獣臭、多目な鶏油、柔めな茹で加減な平打ち麺等々、全盛期な六角家の伝統を正しく継承していますね。
昨今進化した横浜家系ﾗｰﾒﾝの、創成期を彷彿させるｼﾞｬﾝｸ感溢れる一杯でした。
77-2017