魚が食べたくなったら根岸家 : 根岸家

今日は久し振りに横浜の名酒場、根岸家にお邪魔した。
早い時間に来られたとしても開店前から並ぶので中々入店困難な店なのだが
コロナ禍だからか今日は10席程のカウンター席にすんなり座れた。
とは言え私が座ってカウンター席は残り一席だけとなったが。

定番のお通し（無料）切干し大根の煮物が出される。
おっ、今日は人参が入ってるよ。

酒は緑茶ハイ（380円）でひとりカンパ～イ！

さてツマミだが大好物の湯豆腐にしようかとも思ったけれど
根岸家といえば魚貝という事で赤貝さしみ（600円）をオーダー。
先ずは何も付けずに食べると甘く、貝の爽やかな香りが鼻に抜ける。

次のツマミは普段は揚げ物は控えているが
こちらに来ると頼んでしまう玉ねぎフライ（280円）
玉ねぎの甘みと油の甘みが相俟って美味いねぇ。

酒は玉ねぎフライに合わせてウーロンハイ（380円）にチェンジ。

店内はテーブル席も奥の座敷席も埋まったようだ。
カウンター席は満席になってもサク飲み客もいて1～2席常時空く様になった。

やはり根岸家に来たら熱燗（380円）を飲まないと。
銘柄は高清水。
甘さはあるがしつこくは無い。

赤さばさしみというのが気になったが
つい先日、蕁麻疹が出たので自粛。
人生で過去3回蕁麻疹が出たが
その内2回がさばを食べた後だった。
という事で、こち昆布〆（480円）をオーダー。
昆布の味がほんわか効いてこちの旨味が倍増。

熱燗おかわり。

熱燗を飲みながらメニューを眺める。
肉系メニューはハムカツとくじら位か。
やはり魚貝に自信があるからなのだろう。

厚焼き玉子（300円）を追加。
オーダーした後に思い出したが
こちらのは冷たいスイーツみたいなのだった。
でも意外と熱燗にも合う。

ん？なにか甘い香りがして来たぞ。
隣りを見るとウインストンの3mmを吸っている。
私はたばこは吸わないが昔はヘビースモーカーだったので
酒の席では全くたばこは気にならない。
ってか、この店のカウンターはたばこが吸えるんだな。

熱燗おかわり。

さよりのさしみ（480円）を追加。
キラキラとした綺麗な身。
甘味と旨味があってこれもいい。

さて、今夜はここまで、〆て4040円。
やっぱりいいなぁ、ココ。
魚が食べたくなったら又来よう。
帰る頃には店内に空席が目立つようになって来た。
やはりコロナの影響は大きいな。
ご馳走様。

横浜一の名酒場といえばやはり野毛の武蔵屋だろう。
だが残念ながら2015年7月で惜しまれつつ閉店して伝説の店となってしまった。
武蔵屋無き後は新子安の諸星か日ノ出町の栄屋酒場？はたまた岩亀横丁の常盤木だろうか？
いやいや東神奈川にも根岸家という名酒場があることを忘れてはいけない。
東神奈川駅前再開発で2004年に高層マンションの1階に入ったので外観では老舗とは分からないが
実は戦後まもない頃の創業とかなりの老舗酒場なのだ。
最初はこの新しい店舗の老舗酒場の良さがあまり分らなかったが
何度か通う内にどんどんとこの酒場が好きになっていった。
私はこちらのコの字カウンターでボーっとテレビを見ながら酒を飲むのが好きで
今夜はやや久々となってしまったがお邪魔してみる事に。

とある土曜日の開店時間の10分前に店に到着すると既に7名の方が並んでいた。
若い男性店員さんが店頭に出て来て並んでいる客にグループ客かどうかの確認をしている。
グループ客には座るテーブルを指示していた。
そして開店時刻の16時には20名程の行列となっていた。
いつも平日に来ていて土曜日の様子が分からなかったので早めに来てみたが正解だった。
店内はコの字カウンター14席、4人用テーブルが2つ、奥には小上がり席がある。
私はコの字カウンターには座れたのだが
前回座れたテレビが見える側は口開けで来る常連さんの席らしく
私は入口から見て右側のテレビを背にする席になってしまった。

お通し（無料）は切干し大根の漬物。

酒は以前は無かったような気がする緑茶酎ハイ（360円）をオーダー。
焼酎はあまり濃くはなかった。

さてツマミだが開店直後で店員さんがバタついているので酒を飲みながら暫く待つ。
常連さんがどんどんオーダーしていたら何と開店3分でいわしの刺身が売り切れになり焦る。
ただ、その後壁に掛けられたいわしの刺身の短冊メニューの板は
裏になったり表になったりを繰り返していたので
一気に売り切れない様に時間を見ながら調整しているようだ。

やっと店員さんが落ち着いて来たので湯豆腐（400円）とくずれしゃこ（400円）をオーダー。
この店の素晴らしさの一つが殆んどのメニューが300円台～400円台と激安なのである。
そして一人飲みには丁度良い量なのもお気に入りの理由。
先ずは湯豆腐が提供される。
たっぷりの鰹節と長ねぎ、柚子が載っていて鱈が添えられていたのは嬉しい。
醤油を回し掛けて食べると寒い日にはぴったりのツマミ。

湯豆腐が無くなりかけた頃にタイミング良くシャコが到着。
醤油を入れる小皿も一緒に出されたが何も付けない方がシャコの味を楽しめていい。

これは熱燗（360円）だなとお願いする。
ここで飲む熱燗は燗つけ具合が上手なのか特別に美味く感じる。

この日はカウンター席は開店直後にその他の席も開店30分で満席となったようだ。
外はまだ明るいが店内はそろそろ酔っ払ってきたお父さん達のボルテージが上昇。
カウンター席は常連客が多く皆さん一人で来ているのだが
顔見知りなので2、3人ずつのグループになって楽しそうに飲んでいる。

壁の刺身メニューから珍しい「おじさん」という魚があったので
おじさんがおじさんさしみ（420円）をオーダーしてみた。
見た目はタイのような白身でコリコリとした部分ともっちりとした部分があり
初めて食べたが名前とは裏腹にとても美味しい魚だった。

熱燗をおかわり。
この店は空いた徳利は下げないので綺麗に並べると気分も上がり更に美味しく酒が飲める。

こちらの店はフライ物も美味しくていつも食べてしまうのだが
今日は大好物の玉ねぎフライ（280円）をお願いした。
熱々サックリで玉ねぎの甘みが口中に広がってやっぱり美味いなぁ。

この日は3月の半ばの天気の良い日だったが気温が低くかった。
でも確実に春は近づいていて数日後には桜の開花予想も出ている。
春と言えばやはり貝を食べないと。
という事で今が旬の青柳わさび（400円）をオーダー。
噛むと爽やかな青柳の香りが鼻から抜けていく。

熱燗をおかわり。

開店から一時間を過ぎても帰った客はまだ一人しかいない。
その間、何名もの人が断られてはがっかりしながら帰って行く。
これはそろそろ席を譲らないといけない。
今夜はここまで、〆て3340円。

何を食べても美味しくて、そして安い。
人生の先輩方が上機嫌で飲んでいる店内は最高の雰囲気だった。
今夜も大満足な根岸家だった。

たまに早く仕事が終わるときがある。
夕方４時台に横浜に戻れる時は根岸家である。

この店は東神奈川駅前再開発で今のビルの１階に入ったが、
昔からこの地で営業している老舗酒場である。
店に入ると右手に１２人ほど座れるカウンターと
左手にはテーブル席が２、３卓、奥には小上がりもあるようだ。

酒は大したものはないが、大衆酒場に多くを求めてはいけない。
ただ、清酒の安い方でも３２０円はどうなの？
老舗大衆酒場なんだから２５０円くらいにして欲しいところだ。
肴はなんでも安い。
近くに横浜中央卸売市場があるので美味しい魚が安く食べられる。
刺身は毎日１０種類以上あるが大体４００円前後だ。
遅い時間に来ると多くが売り切れている。
他にイカフライやメンマなど大衆酒場らしいメニューがある。

私はこの店のカウンターに座り、テレビのニュース番組を見ながらボーっと飲むのが好きだ。
良い店である。