ポーションの少なささえ克服すれば満足度は一気にアップ！ : 日本料理 鶴寿

この日は鶴見でディナー。

やって来たのがこちらの日本料理店。

場所は、JR鶴見駅西口から徒歩4分少々のバス通り沿い。

2016年9月15日にオープンしたお店ですが、この度はマイレビ様の
お誘いを受けての訪問となります。

お店の外観だけを拝見するとザ・料亭と思われる荘厳な佇まい。
これだけを見てしまうと、皆さん敷居の高さを感じて尻込みするかも？

門をくぐって中庭を通り玄関へ行くと、男性の方に迎えられました。

靴を脱いで上がり、左前方にある板間のダイニングエリアに通されます。

かなり広いスペースに、2名掛けテーブル2卓、4名掛けテーブル2卓。
贅沢な間取りを施しています。他にも8名入れる個室も有ります。

大きな窓から見える中庭の風景も素晴らしい。

我々は入って手前付近の4名掛けテーブルに案内されました。

夜のメニューは、

・ディナーコース　10000円（税・サ10%別）

のみになります。

まずは二人とも、

・オリジナルビール（爽やか系）　1200円　×　2杯
　　やや琥珀色の色味。
　　神奈川県川崎市のムーンライト株式会社で醸造したクラフトビール。
　　330mlで5%のアルコール度数。エールっぽい風味を感じましたね。
　　フルーティーな仕上がり具合で。

を頼んでカンパ～イ♪

この日のディナーコースの内容は以下になります。

・海 2010
　　ワイングラスに注がれているのは昆布出汁。利尻昆布だそうです。
　　飲んでみるとほんのり温かく。
　　ワイングラスですので昆布出汁の香りを余すことなく感じ取れます。
　　まったりととろみのある昆布出汁。

・あすぱら
　　栃木と富良野産アスパラをピーラーでスライスしたものに、
　　長野の２種類のチーズを合せ、からすみと松の実、柑橘類をトッピング。
　　アスパラのシャキシャキ食感が心地よく、チーズとカラスミの甘みとコク、
　　塩味との相性がいいですね。これは好みで美味しかったなあ。
　　家でも作りたいくらいに。作れんけど（T▽T）ノ＿彡☆ばんばん！

・梅山豚
　　梅山豚の椀物です。
　　梅山豚とは、中国の原種豚の品種名で、猪にも近い豚とのこと。私は初めての経験。
　　その豚ばら肉をロール状にして、白髪ねぎを載せ、出汁を張ったものです。
　　出汁は利尻の昆布を使ってんでしょうね。そこに梅山豚の脂のコクが加わります。
　　力強さを感じる椀物です。

・オリジナルビール（コク系）　1200円
　　私のオーダーです。
　　今度は黒ビールとまではいかないのですが、それに近いコクを感じるテイスト。
　　色味もダークブラウンで。

・さくら
　　北海道の桜鱒の軽い燻製です。
　　行者ニンニク、木の芽などの香草を散らしています。
　　軽いわりにはしっかりと燻製香を感じました。

・金目鯛
　　勝浦の金目鯛の炙り 新玉ねぎソース添えです。雪菜の花も添えられます。
　　金目鯛の火入れはジューシーさを残しており、皮目もこんがりとして旨いです。
　　新玉ねぎソースはなんだろう。白味噌のような甘みとコクの方が印象的でした。
　　美味しいのですが、いかんせんポーションが少なくて（＾＾；

・ジャージー
　　雄のジャージー牛の熟成肉サーロインステーキです。
　　付け合せにマッシュポテトとふきのとう。そして粗塩。
　　通常、ジャージー牛は乳牛として知られており、雄は悲しい運命をたどるのですが、
　　こちらのご主人はそのような食材にも目をつけ、肉牛として育てられた
　　雄のジャージー牛を使用しているとのことです。
　　適度な脂が乗っていますが、基本は赤身の旨味の味わえるサーロイン。
　　私好みの肉です（＾＾）
　　ただし、これもポーションが少なくて（涙）
　　これの4倍くらいは喰いたい！

・長珍 特別純米酒　1200円
　　私のオーダーです。
　　愛知県津島市の長珍酒造株式会社の醸造した純米酒です。
　　お猪口は3種類から選ばせてくれました。いつもは選ばない柄をチョイス。
　　日本酒の種類も含めてお任せしましたが、ぬる燗でのサーブ。
　　飲んでみると米の旨みに溢れ、力強さを感じます。通好みの一杯。
　　ぬる燗にすることで香りもしっかりと立ってますなあ。

・食事
　　豆ご飯でした。2合くらいを土鍋で炊いたものです。
　　米はご主人の出身地である奥出雲の仁多米を使用。
　　京都の超有名店である未在のご主人も同じ出身で同じ米を使用していますね。
　　油揚げとわかめ、ねぎの味噌汁が添えられます。この味噌汁の出汁が旨くて（＾＾）
　　子供の頃は、実は豆ご飯って好きじゃ無かったんです。
　　それよりも白飯の方が好きだったこともあり。でも最近は季節を感じますし、
　　昭和の時代のグリーンピースとはクオリティが全然違いますので美味しく頂けます。
　　もちろんしっかりと完食させて頂きましたよ（＾＾）

・うぐいす
　　うぐいす餅です。作り立てですので非常に柔らかな仕上がりに。
　　そのまま懐紙を持ってかぶりついて頂きます。
　　中にはつぶ餡とバナナクリーム。一手間加えてるのがいいですね。

・さくら
　　桜アイス ココナッツフレーバーです。
　　上には桜の葉を乾燥させたものをトッピング。
　　パリパリと崩してアイスに混ぜて頂きました。
　　桜の葉の香りと塩気がアイスに溶け込んで旨いねえ（＾＾）
　　塩漬けの桜の葉ではなく、乾燥したものを用いるのはアイデアですね。

・お茶菓子
　　梅あられの金平糖です。
　　創業1847年の京都の金平糖専門店である、緑寿庵清水の商品。
　　玉あられを核にすることで蜜の層が薄くなり、サクサクとした食感の金平糖に。
　　食べてみると本当に梅の味がしっかりと出ています。これは凄い。
　　2週間以上かけてゆっくりと角を出していく作業を経て我々の口に。
　　守るべき伝統ですねえ。これは。

・お茶
　　日本の野草茶と松浦珈琲から選べますので私は日本の野草茶を。
　　カキドオシ（垣通し）という野草を使ったお茶です。
　　日本全土の道端などに自生する多年草。
　　お茶にすると色味は薄い緑かな。飲んでみるとまさに野草らしいフレーバー。
　　いわゆる健康茶のようなテイストですよ。

これでサービス料10%に消費税を加えて〆て30175円。一人当たり約15000円。

品数と手の加えようなどを勘案すると悪くないCPだと思います。

ただし一つ残念だったのがポーションの少なさ。
特に感じたのが、金目鯛とジャージー牛。いずれもメイン料理と言える皿でしたので、
期待をしていたのですが、皿は見事なのにお上品な量で余計に少なく見えました。

ただしその後の食事、デザートと食べ進め、結果的には帳尻が合いそこそこ満腹に。

少食な女性であればこの量はちょうどいいと思いますし、
見た目も綺麗ですので喜ばれることでしょう。

私の場合は、15000円にしてもいいのでポーションを多くしてもらいたい派。
しかしこれは諸刃の剣で「NO！」という方も多いでしょうから難しい。
10000円と15000円のコースの2種類にするとか？
これは数が捌けるようにならないとお店側のリスクが有りますしねえ。

そうはいっても料理自体は美味しくて満足なんですよ（＾＾）

ご主人は料理の世界に飛び込んだのが20代中頃と非常に遅かったため、
王道の日本料理で勝負しても経験の差が歴然。

そういうこともあり、洋の要素を取り入れたりと創作和食系の色も出していると。
あれこれと差別化を考えていかないと厳しい世界ですもんね。

まだまだお若くこれからの方ですのでどんどんと腕を磨いて王道の日本料理でも勝負を
かけれるくらいになるといいですね。今でも十分に美味しいですけど。

ご馳走様です！（2018/5/30現在、3.06ポイント）