大衆蕎麦の名手 : やぶ久

2016.10　再訪。っていうか常連。

大将、また旨い蕎麦を食いに来たよ。

手打ちのせいろは、聞けば、一九だという。
これは失礼いたしました。

手打ちと機械打ちで、蕎麦粉は変えている。

せいろが供される。
他の手打ちの蕎麦屋の大盛以上の量だ。
嬉しい‼️
「手打ちの方はさ、この量出すと、もうボランティアさ」

星は少し。
エッジの立った、太さバラバラな手打ち。
冷やし良し。よく冷えて、蕎麦がシャキっとしている。
ただ、水切りは甘い。笊から水がしたたり、盆の上に水たまりを作る。
今日は風味あり。旨し‼️
コシは弱くあり。喉越し良し。つるつると手繰る蕎麦。
ただし、一九のためか、蕎麦がちぎれる。

今日の蕎麦も旨いねぇ。
でも、大将、蕎麦が平たくなってきたよ。
目が悪くなったんじゃないの？
「そうだな。でも、蕎麦を切るのは感覚だから、目隠しされたってできるわい」
「でも、延ばしの時、厚さがわかんなくなってきたからさ、打ち場の板を黒く染めたのよ」
そうすると、よく見えるらしい。
へぇぇ、工夫されてるんですねぇ。
尊敬します。

今日は、辛汁も出汁が香って旨し‼️
かえしとのバランスも、辛めで好み。

ここのそば湯は、サラッとタイプ。
今日はよく延びて、旨し‼️
冷酒とも合う。

また参ります。ごちそうさま。
これからも頑張ってください。

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2016.05　再訪。っていうか常連。

蕎麦切りは進化を続けている。
旨い蕎麦屋には、すでに大衆の財布からは乖離したところもある。
しかし、ここは、いまや貴重な大衆蕎麦屋だ。

さてさて、平日午後一時過ぎ。ツレと二人で入店。
このツレも、やぶ久を旨いと評価している蕎麦喰いの仲間だ。
二階の宴会場も、一階の小上がりも、宴たけなわで大繁盛でありますな。

まずは生ビールでお疲れさん。
お通しは枝豆。

いつもは、カモヤキ、板わさなんかがオイラのアテの鉄板。
ツレの希望で、今日は、ラムヤキ、ギンナン、タタミイワシをオーダー。
なぜだか全部カタカナ表記。

ここのメニューは、まるで宇宙。
蕎麦屋の天麩羅は良いとしても、刺身、ベーコン、トン足、ブタキムチ、焼き鳥、牛すじ、イカトマト、チーズ揚げ、カニ玉、アボガドサラダetc。
まさに何でもあり。
ちょっと、野毛の東京庵を思い出す。
しかし、こちらでは、大将1人で提供するのだ。驚愕。

給仕の姉さんが、ギンナン売り切れでぇ〜す、と高らかに宣言。
タタミイワシは、マヨネーズで。うむ。普通。

ここで、酒をオーダー。
八海山のコップ酒。常温で。

卓上で、固形燃料でぐつぐつ火を通したラム肉。
こりゃ、和風タレのジンギスカンじゃん。日本酒とは合わない。。

今日は、今まで頼んだことのないアテをいってみよう！
キモ。230円
聞けば、うなぎの肝だという。
おいおい本当か。
やや焼きすぎで供される肝。
一串に6個ほど刺されている。
いやぁ、酒に合うねぇ。ほろ苦いのが旨し‼️

こんだけ、肝を出すんだから、鰻の肉もあるでしょう。
「メニューには、載せてないけどね。良いの仕入れてるよ」とお姉さん。
裏メニューの蒲焼き。800円。
えー？安すぎない？？

オーダーから7分で供される。う〜ん、怪しい。
でも、この値段ならしょうがないか。鰻専門店じゃないし。
これは、卓上の山椒たっぷりかけて食べてみる。
ま、八海山のアテとしては十分旨し‼️

そっか。卓上に山椒があるのは、鰻があるっていう黙示録なのね。
今まで、考えもしなかったよ。

さぁ。蕎麦だ。
この店では「もりそば」というと、機械打ちが出てくる。単品500円だ。
昼時のお客さんは、建築関係やタクシードライバーが多く、
彼らに大人気のカツ丼セットにつく蕎麦は、すべて機械打ちの蕎麦である。

「せいろ」というと、大将自慢の二八の手打ち蕎麦が出てくる。単品750円。
オイラ達は、もちろん、いつもせいろだ。

星が少し。エッジは立っているが、太さがややバラバラの蕎麦が来る。
冷やし、水切りはしっかり。
いつも通り、そのまま蕎麦を手繰ってみる。
あれ？今日は蕎麦の風味が弱い。こんなものだったっけ？
いや、小嶋屋、壱、千花庵、海望など、名だたる名店を巡ってきたところで、
オイラ達の要求水準が上がってしまったのか？

本山葵とおろし金がついてくる。
常連になる前、山葵は、辛汁には入れず、蕎麦に直接つけなさいと指導が入ったっけ。
今日もつーんとくる、良い香り。今回も、ご指導に従っております。

辛汁。
出汁があまり薫らない、甘辛。味醂が多いような。。。
あれ？こんなものだったっけ？
蕎麦徳利の残り香には、鰹節が薫るが、そば湯で延ばすと雲散霧消した。残念。

蕎麦と辛汁は、その日によって、出来不出来の波があるからね。
ま、しょうがない。
また来ます！！


以下、大将の滝沢さんから伺った話。自分用の備忘録として。

滝沢さんは、羽田にある、やぶ久の総本店で10年間修行したあと、昭和42年、鶴見市場で開業。
11年ほどして、元、横浜信用金庫のあった現在地に移転。一代で自社ビルを建てた。

やぶ久は、神田薮蕎麦の流れ。
やぶ久麺業協同組合としては、南関東を中心に現在37店。
現在のやぶ久総本店の大将は、滝沢さんの実弟。婿入りして名字は神山になった。

座右の銘は、最高の材料を使え！


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手打ちも機械打ちもとにかく蕎麦が旨い。たまに水切りが甘いときがある。牛すじやカモ焼きは、しょっぱいが旨い。全面喫煙可