多食材の豊富な味わいを楽しめコスパも高い清芳午餐（平日限定） : 菜香新館

横浜方面に所用があり、評価が高いこちらに訪れました。

みなとみらい線　元町・中華街駅１番（山下公園口）を出るとすぐ見える朝陽門をくぐり、少し行くと３本道がある中央の道（中華街大通り）を入って少し歩き一つ目の角を左折。
さらに少し行くと細い道を過ぎた右角にお店があります。
外装が金色の大きなビルに広い間口、‘菜香’と書かれた看板があるので非常にわかりやすいです。
料理写真のあるメニューが店頭に置いてありましたが、それらも小さく見えてしまうほど。

店内は非常に広く、右側に厨房、中央奥の衝立の手前、奥、左右両側に円卓と通常のテーブル席が点在し、ベンチシートになっています。
壁に中国風の画や掛け軸がありますが上品で明るく、高い天井には扇風機が回り、席間も広くゆったりとした造りになっています。

平日１２時半頃訪れましたが、２割程で非常に空いていました。

ランチメニューは以下の通り。

★清芳午餐　2,200円
　料理１０品
●デザート（一つ選択）
　　ゆば豆腐のデザート、フルーツとタピオカ入りココナッツミルク、夢見ごごち、なめらか杏仁豆腐
●中国茶（一つ選択）
　　凍頂烏龍茶、特選茉莉花茶、特選雲南普洱茶、荔枝紅茶、本日のおすすめ茶

●スープ　+300円
　　コーンスープ or 春の健康スープ
●ダック　+800円
　　窯焼き北京ダック１巻、スープ

★平日バリューセット（２名様から）　2,500円
野菜の甘酢漬け広東風、海老のチリソース炒め、菜香人気の点心２種、季節のとろみスープ、広東風マーボー豆腐、かに肉チャーハン、フルーツとタピオカ入りココナッツミルク

★飲茶コース　3,000円
野菜の甘酢漬け広東風、大根蒸しぎょうざ、肉汁あふれるショウロンポウ、スペアリブの黒豆みそ蒸し、にらまんじゅう、海老のウェハース巻き揚げ、具だくさん春巻、菜香健康スープ、福建風あんかけチャーハン、フルーツとタピオカ入りココナッツミルク
中国茶はウーロン、プーアル、ジャスミンの３種類より選択

★人気料理コース（2名様から）　5,000円


飲茶が大好きなので飲茶コースも惹かれつつ、清芳午餐は一番人気、且つ点心も入っているとのことなのでそちらにし、デザートは杏仁豆腐、お茶は雲南普洱茶にすることにしました。

まず程なくしてお茶が、それに続いて数分後に前菜が運ばれて来ました。

特選雲南普洱茶：　茶漉しが上部に付いた縦長の茶碗での提供。
大人数にはティーポットが向いていますが、各自好みのお茶を選べるこちらのコースにはとても合っていると思います。
ポットでお湯を持って来てくれるので、各自注ぎ足せるのはとても良かったです。
こっくりとまろみがあり、クセが少ない飲み口でした。

前菜：　２品長細いお皿に一緒にのってきました。
豚すね肉、ささみ、春キャベツの冷菜：　すね肉はしっかりした食感で旨味が溢れ、ささみは柔らかくさっぱりしていて対照的。
春キャベツがシャキシャキと歯応え良く、葱と生姜の香りをのせた油（タレ）がかかっていて風味豊か、塩梅良い味付けでした。
鎌倉野菜の甘酢漬け　皮蛋、黒酢ジュレと共に：　キュウリ、大根の甘酢漬けは歯応え良く、フルーツのような味わいを感じる甘味強めの甘酢でした。
皮蛋のコクもレモンやジュレと共にいただくとさっぱりいただけました。

点心に続き、料理６品が少しずつアフタヌーンティーのワゴンのように並べられ、テンションアップしますね。

菜香蒸し点心：　大根入り海老饅頭。
「味がついているのでそのままお召し上がりください」とのこと。

やや厚めでプルンとした皮の中にはプリップリの海老が入っていて甘味があります。
下にはニンジンの薄切りが敷かれていました。

いかとひき肉の南乳蒸し：　細かく切ったいかと（おそらく）豚ひき肉を混ぜて団子状にして蒸したもののようで、上に大根と赤パプリカの細切りがのっていました。
いかと肉の取り合わせが個性的で、ひき肉のプルンとした食感と脂が美味しかったです。

海老のサウザンソース：　やや大きめな海老に衣をつけて揚げ、甘いサウザンソースを絡めたもの。
海老が香ばしく、ソースは酸味少なめでかなり甘めでしたが、他の料理とのバランスは良かったです。

春菊と鶏肉入り　春うらら茶碗蒸し：　鶏肉がプルプルと食感良く、卵白を溶き入れてとろみをつけた餡は薄味で素材の旨味を引き立てていました。
春菊の香りがアクセントになっていて良かったです。

新じゃがと干し海老の椒塩炒め：　新じゃがともどした干し海老をピリ辛で仕立てたもので、上に葱がのっていました。
新じゃががホクホク、干し海老が旨味たっぷりで、ピリ辛味が効いて美味でした。

ほたてと菜の花のクリームあんかけ：　ほたてがプルっと、もどした干し椎茸が肉厚で齧ると中から旨味がじゅわっと出てきました。
クリーム餡にコクがあり、素材にしっかり味が入っていました。

清芳ミニふかひれ：　小さいふかひれが一つとろみのついた上湯に入っていました。
ふかひれは繊維がしっかり感じられ、上湯もあっさりしつつじっくりした旨味があって、贅沢な気分になりました。

あさり入り春色チャーハン　中国漬物入り：　あさりの剥き身、細かく刻んだ青菜、玉子に、切り干し大根のような食感の甘味のある漬物が入っていました。
米粒が油でコーティングされぱらりとしつつ、ややしっとりめのチャーハンでしたが、薄味で上品な味付けでした。
深めの器だったので量はそこそこあって食べきれるかな？と思いましたが、あっさりした味つけでとても美味しくいただきました。

夢見ごごち、なめらか杏仁豆腐：　つるんとした食感にミルキーな味わい、アーモンド風味のシロップがかけられ、ミントの葉がちょこんと上にのっていました。
優しく上品な甘さが嬉しかったです。

胡麻団子：　お店からのサービス品で、黒・白胡麻がたっぷり周囲についていました。
お腹一杯だったので持ち帰りたい旨伝えると、プラスチックパックの中に入れて袋に入れてくださいました（画像参照）。

帰宅後夜にいただいたのですが、胡麻が香ばしく、むっちりとした餅の中に黒胡麻餡が入っていて、じゃりっとするほど砂糖が入っていて甘かったです。（笑）
かなり甘かったですが、上品な味わいだったのはこのお店ならではですね。


選べる中国茶から最後のデザートまで、多くの食材を使い、一つ一つ丁寧に調理された料理はいずれも味わい深くとても美味しかったです。
蒸し物、炒め物、煮物・・・と調理法も変え、味付けも被らないように工夫されていました。
色合いを考え、季節感を取り入れたメニューだったのも良かったと思います。
全体的に油をそれほど感じないあっさりめのものが多く、日本人の味覚に合わせてあり、なかなかよく考えられたメニューだと思いました。

少しずついろいろな料理が楽しめるメニュー構成は個人的に好みでもありますが、どちらかというと女性向きかもしれません。
味、内容、すべての点でコスパが高く、平日限定ならではのメニューだと思いました。

ホールスタッフはすべて中国人でしたが、日本式サービスを心得た方々ばかりで非常に丁寧、親しみやすさもあって好印象。
入口入ったところすぐにアルコールが置かれ、トイレにも配置、スタッフがメニューを１ページ、１ページ丁寧にアルコールで拭いていらっしゃり、コロナウイルスへの対処もきちんとされていて安心できました。

当日は家族、友人同士が多かった印象ですが、接待、集まり、デート等幅広く使えるお店です。


横浜中華街は幼少の頃から訪れることが多く、私的に思い出多い場所でもありますが、今回のように人がまばらなのは初めての経験でした。
ピリピリムードなしに心の底から楽しめるときが早く来ることを願いつつ、又いつか再訪させていただきたいと思います。