おぉ、Mari Muthu chef は、一流のタミル料理人ですね。 : 南インド料理店 ボーディセナ

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3.9

¥3,000~¥3,9991人
  • 料理・味4.1
  • サービス3.6
  • 雰囲気4.0
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-

3.9

¥1,000~¥1,9991人
  • 料理・味4.0
  • サービス3.8
  • 雰囲気4.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
2019/12訪問2回目

3.9

  • 料理・味4.1
  • サービス3.6
  • 雰囲気4.0
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
¥3,000~¥3,9991人

おぉ、Mari Muthu chef は、一流のタミル料理人ですね。

こちらBodhi Sena さんは、
横浜の中心、関内の地で、
洋館をリノベーションした天井の高い空間をお洒落に使って、
まじめに南インド料理を提供しておられます。
店構えから味つけまで、おおよそ、
東京・御茶ノ水・小川町の三燈舎のスタイルを
フォロウアップしていて。
そこまでは、ぼくと女友達は、
前回ランチミールスをいただいて、了解しました。
さて、そうなると気になるのが、
ディナーの本気度がいかばかりか、ということです。


ヘッド・シェフは、Mari Muthu さん、タミルナドゥ出身。
セカンドはケーララ人らしい。
給仕は、日本人青年と日本人の若い女性。
さて、メニューを見てみましょう。


ワンディッシュプレートの
ミールス(ノンヴェジ)2100円
ミールス(ヴェジ)2000円

各種のカレーと
各種ドーサがあって。

軽食に、
バラカバブ、
フィッシュフライ、
ラムチョップ、
はたまたワダとチキン65
などなど並んでいます。


メニューにタンドール系料理がないのは、
厨房にタンドール釜がないからかもしれません。
南インドレストランですからね、さして問題ありません。


メニュー構成は、料理人2人でまわしているレストランであることを考慮すれば、
(寂しすぎず、ゆたかすぎず)おおむね標準的です。
値つけは、いくらか高めの設定です。


ぼくと女友達が注文したのは、
キーマドーサ(ハーフ)800円と
アヴィラモンマトンマサラ 1500円。
(聞いたことのない料理名ゆえ、
つい選んでしまう。)


ぼくは注文を取りに来た女性給仕に訊ねる、
「アヴィラモンってなんですか?」
彼女は答える、「地名です。」
彼女が去ってしばらくすると、
青年給仕が追加説明をしてくれる、
「ヘッドシェフの郷里の名前なんです。
もともとそういう料理があったわけではありませんが、
うちで、趣向として、料理名としてみました。」
ぼくは感心した、さすが日本人青年、
インド料理愛が感じられます。
もしもインド人給仕だったなら、
こういうこまやかな接客ができる人はたいへん少ない。
(とはいえ、その土地がタミルナドゥ州のどこに存在するのか、
いまだぼくはわからないままだ。次回シェフに直接尋ねてみたい。)


まず、白い陶製の丸皿が(暖められて)2枚サーヴされます。
つづいて料理が届きます。
キーマドーサは、薄めに仕上げた豆粉と米粉のクレープを、
鶏挽肉をスパイシーに炒めたものを包んで、
三角形に折ってあります。
サンバル、トマトチャトニ、ココナツチャトニつき。
(サンバルは、煮込んだタマネギのほの甘さを、
タマリンドの酸味でバランスを取った、独特のもの)。
うん、おいしい!


アヴィラモン・マトン・マサラは、
濃度濃い目の、レッドブラウンカラーの
ほどよくオイリーなセミグレイヴィーのカレーです。
ひかえめなトマトベースのなかに、
スパイスの奥行感が遺憾なく表現されていて、
そのスパイスワールドのなかで煮込まれた羊肉も柔らかく、
ぼくはおもわず叫んだ、すばらしい!!!


食後にチャイ。
例の日本人青年の給仕は、
上手にチャイのエア・プレイを見せながら、
サーヴしてくれた。
われわれがかれに盛大に拍手すると、
かれはちょっぴり照れていた。





東京在住者にとって(も)、
横浜の中心・関内・伊勢佐木町に
好きなお店があるのはうれしい。
なぜって、関内には港があって、
潮の匂いのする風が吹いていて、
街並は英国人好みに整然としていて、
お隣、伊勢佐木町はちょっぴり崩れた夜の街の
かすかな退廃があって、
それらはいずれも東京にないものだから。


この日ぼくと女友達は、赤レンガ倉庫を訪ねた。
ぼくにとってその場所は、2000年代初頭、(酔狂にも!)
横浜トリエンナーレの現代美術を鑑賞しに行った場所だったけれど、
しかし、近年のこの場所は、
館外にはポップなファストフードブースが立ち並び、
また館内には、誰もに愛されるスーヴェニールショップが無数に入った、
いかにも郊外都市のキラキラ感にあふれていた。
もしも、ぼくがひとりでこの場所を訪れたならば、
必ずや深い疎外感に襲われていただろう。
でも、この日は大丈夫!
なぜなら、ぼくは大好きな女友達と一緒だったから。


ぼくは言った、「ぼくはね、クリスマスが近づくと、
ティム・バートン監督の『シザー・ハンズ』をおもいだすの。
あの人がまた自分自身を「疎外される者」として認識していて、
『ピーウィハーマン』から『エド・ウッド』まで、
異形の者たちに愛が深いでしょ。
『エド・ウッド』なんて、最初はジョン・ウォーターズ監督に
企画が行ったそうな。しかしジョン・ウォーターズ監督は断った、
”かんべんしてよ、悪いけどお断りするよ。
おれが例の悪趣味映画『ピンク・フラミンゴ』撮ってから、
まともな人間として扱われるまでに何年かかったとおもう?
二十年かかったんだぜ。
もしもおれがいま『エド・ウッド』なんて撮ったなら、
また二十年まえに逆戻りじゃないか。”
他方、ティム・バートン作の『エド・ウッド』を愛するわれわれもまたおもう、
もしもジョン・ウォーターズがあの作品を撮っていたならば、
主題たるエド・ウッドはただの女装趣味で、
ゴミ映画を山ほど撮った境界例映画監督で、
必ずやその映画はグロテスク・ビューティフルにおもしろかっただろうにしても、
しかし、誰もエド・ウッドに共感も愛も抱きはしなかったろうね。」


初冬の横浜は美しかった。木々の葉は黄金色に輝き、
そろそろ葉を落とし裸に近づきつつも、
それでもまだ美しく、人工湖もまるで映画のセットのようで、
そんな街を歩きながら、ぼくは彼女に訊ねた。
「ねぇ、あなたがいちばん好きな悪趣味世界は、なに?」


ぼくと女友達とインド料理、ときどきフランス料理。
http://tabelog.com/rvwr/000436613/


  • 南インド料理店 ボーディセナ -
  • 南インド料理店 ボーディセナ -
  • 南インド料理店 ボーディセナ -
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2019/11訪問1回目

3.9

  • 料理・味4.0
  • サービス3.8
  • 雰囲気4.5
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

インド料理好きの横浜デートは、まずはここから。

お、インド料理好きにとって、横浜ががぜん輝きはじめたね。
いいえ、これまでだってちゃんと能見台には
クリエイティヴな料理をふるまうチャーミングなガネーシュがあるし、
またセンター北には、ブッフェの人気店ニルヴァナムもあって、
それはなかなかに立派な充実ではあるのだけれど。
では、横浜の顔たる関内・伊勢佐木町は、どうだろう?
ネパール料理のエミ・ネパールが健闘している。
インドレストランのなかではモハンががんばっているらしいという噂も聞く。
そんななかさらにいっそう強力なトピックがふたつも飛び込んで来た。


表の話題は、なんと言ってもこちらボーディセナで、
洋館をリノベーションした店舗を、お洒落に整え、
南インド、タミルナドゥ州Madurai出身のヘッドシェフの料理を楽しめる。
経営者は日本人、サーヴィスは日本人青年で、
レストランの位置づけは、東京の御茶ノ水・小川町の、
女たちに人気の本格南インド料理店、三燈舎と同じカテゴリーではないかしら。
と言うか、三燈舎のスタッフが工夫を凝らして作り上げた世界が、
すでに後続レストランにとっては、「三燈舎モデル」として、
フォロウされ、活用されはじめていて。
それであってなお、こちらボーディセナはたんなるフォロワーでもなく、
独自のプレゼンスを感じさせるところが、堂々たるもの。


裏の話題は、繁華街の隠れ家的・独特空間で、
日本人の仙人みたいな人が(?)孤高の趣味趣味インド料理をふるまう、
チャンカリー(Chang Curry)ですよ。
実は、それらの情報をぼくに教えてくれたのは、
インド料理を愛する女友達で、
そこでぼくは彼女を誘った、
「横浜でデートしましょ、半日たっぷり楽しみましょ。」


ぼくらはJR関内駅北口そば、B Cafe で待ち合わせして、
ふたりでこちらボーディセナへ向かった。
洋館をリノヴェーションした空間は、
いかにも由緒正しく、天井が高く、落ち着いた趣。
インテリアもひかえめながら趣味のあるしつらえ。
平日月曜日のランチでありながら、たいへん活気のあるお客さんの入りです。
ヘッド・シェフは、Mari Muthu (タミルナドゥ州、Madurai 出身)、
セカンドはケーララ出身らしい。
サーヴィススタッフは日本人青年2人、ちょっぴりたよりない感じがありつつも、
そのういういしさが好印象をかもし出しています。


ぼくは、C ランチミールス 1200円を注文しました。
構成はこんな感じ。

マトンカレー。(赤っぽいブラウンカラーのグレイヴィーは、
ほど良くオイリーにてらてら輝き、トマトベースのグレイヴィーは、
レッドチリ系の辛味とタマネギの甘さが巧みなバランスを取り、
シナモンのアロマがエキゾティックに誘惑的で、
そんなグレイヴィーのなかで羊に肉が柔らかく煮込まれています。
まさに、とうぜんのように拍手喝采を勝ち取る堂々たる1品。)


野菜カレー。(よりいっそうタミル的に言えば、
クートゥになるのかな。華やかな黄色いグレイヴィーのなかに、
優しく煮込まれた熱々のカブ、ニンジン、タマネギ、
そして黒ひよこ豆が佇んでいます。カブの使い方が上手で、
とってもおいしい。)


サンバル。これは特に印象がありません。
ラッサム。(タマリンドを抑えめにして、水煮トマトの味を強調することで、
日本人客に嫌われない工夫が施してあって。
いかにもダバ・インディア出身の料理人らしい、
プロフェッショナリズムを感じます。
余談ながら、西葛西アムダスラビーでは、
けっしてこういう「わかりやすいラッサム」は出しませんが、
しかし店側がそんなことを粋がっていると、天罰てきめん、
開店から3年間も、吹けば飛ぶような極小利益しか稼ぎ出せません。)


パパド。豆粉の薄焼きせんべいみたいな例のあれです。
砕いて、ごはんの上に撒いて、食感を楽しみます。


ライス。(+100円でバスマティ米が選べますが、
ぼくは自分の主義にしたがって、日本米を選びました。
なお、ぼくはビリヤニおよびプラオにはバスマティが大好き、
しかし、ミールスはむしろ日本米こそが好きなんです。)


バトゥーラ。風船みたいな揚げパン。(標準的な仕上がりです。)


さて、ぼくの総評は・・・。
こちらボーディセナは、ヘッドシェフの技術が高く、
ちゃんとポピュラリティのある仕上がりになっていて、
たいへんに高いプロフェッショナリズムを感じます。
構成は、マトンカレーを主役に据えていて、
そのマトンカレーがまた華麗な出来映えですばらしいのだけれど。
ただし、もしも南インド料理マニアとしてガチなコメントをするならば、
そこが同時に、サンバル、ラッサム、ポリヤルそのほかの、
南インド料理らしい魅力を制限してもいて。
ここを経営者側によるオーヴァープロデュースと見るか、
逆に、ビジネス的な意味で適切なジャッジだと判断するか、
そこは微妙なところではあって。
ぼくは個人的にはいくらかもったいない・・・
と、おもわないこともないけれど、
しかし、関内はけっして西葛西ではないのだから、
あるいはこちらボーディセナこそが正解なのかもしれません。
いずれにせよ、内装、料理、サーヴィスがトータルにバランスが良く、
インド料理マニアたちを魔法にかけ、
関内に引き寄せる強い魅力となっています。


こういうふうにがんばっていて、しかもレヴェルの高いレストランは、
けっしてランチだけで満足してはいけなくて、
ちゃんとディナーでア・ラ・カルトも食べてこそ、です。
そんなわけで、ぼくは次のデートがいまから楽しみです。


ついでながら、レストランの名前、Bodhi Sena に、
ぼくのまわりのタミル人たちは不思議がった、
「人の名前だけど、誰だろう? 知らないなぁ。」
調べてみると、8世紀に 唐を経由して来日したインド人仏僧の名前、
菩提僊那(ボーディセーナ) のことであるようだ。
東大寺の大仏の開眼供養の導師を務めたことで名高いらしい。


ぼくと女友達とインド料理、ときどきフランス料理。
http://tabelog.com/rvwr/000436613/

  • 南インド料理店 ボーディセナ -
  • 南インド料理店 ボーディセナ -
  • 南インド料理店 ボーディセナ -
  • 南インド料理店 ボーディセナ - Mari Muthu chef(タミルナドゥ州マデュライ出身)。

    Mari Muthu chef(タミルナドゥ州マデュライ出身)。

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店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
南インド料理店 ボーディセナ(南インド料理店 bodhi sena)
受賞・選出歴
アジア・エスニック 百名店 2023 選出店

食べログ アジア・エスニック EAST 百名店 2023 選出店

アジア・エスニック 百名店 2022 選出店

食べログ アジア・エスニック EAST 百名店 2022 選出店

ジャンル インド料理、インドカレー、ダイニングバー
予約・
お問い合わせ

050-5456-2173

予約可否

予約可

恐れ入りますが、ランチタイムのご予約はお受けしておりませんので、予めご了承ください。

住所

神奈川県横浜市中区住吉町3-28 新井ビル 1F

交通手段

横浜市営地下鉄ブルーライン「関内駅」3番又は1番出口より徒歩3分
JR根岸線「関内駅」北口より徒歩4分
横浜高速鉄道みなとみらい線「馬車道駅」5番出口より徒歩5分
横浜高速鉄道みなとみらい線「日本大通り駅」1番出口より徒歩6分  

関内駅から286m

営業時間
  • 月・火・水・木・金・土・祝日

    • 11:30 - 15:00

      L.O. 14:30

    • 17:00 - 21:00

      L.O. 20:00

    • 定休日
予算

¥3,000~¥3,999

¥1,000~¥1,999

予算(口コミ集計)
¥3,000~¥3,999 ¥1,000~¥1,999

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支払い方法

カード不可

電子マネー可

QRコード決済可

(PayPay)

席・設備

席数

32席

最大予約可能人数

着席時 40人

個室

貸切

(20人~50人可)

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

近隣にコインパーキングあり

空間・設備

オシャレな空間、席が広い、カウンター席あり

メニュー

コース

飲み放題

ドリンク

ワインあり、カクテルあり

料理

ベジタリアンメニューあり、英語メニューあり

特徴・関連情報

利用シーン

家族・子供と 一人で入りやすい

こんな時によく使われます。

サービス

2時間半以上の宴会可、ドリンク持込可

お子様連れ

子供可(乳児可、未就学児可、小学生可)、ベビーカー入店可

公式アカウント
オープン日

2019年9月24日

電話番号

045-264-8297

備考

ディナータイムのみカード可
電子マネー:paypayのみ

初投稿者

tobimustobimus(403)

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