味は一流、会計は庶民的です。 : 井桁寿司

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

私にとって、いいお店ってどこだろう？一言で言うには、とても難しいが、やはり居心地のよさが一番。居心地がよくて、なおかつお料理が美味しかったら、さらに嬉しい。また、カウンターに一人で来店した時に、お店の方が、タイミングを見計らって話しかけてくれるのも嬉しい。そうなると、滞在時間も長くなる。とどのつまり、自宅のようにリラックスでき、かつ、自分では作れないお料理を供してくれるお店が、私にとっていいお店ということになる。

私は、機会あるごとに此方にうかがっている。嬉しかった時、悲しかった時、おめでたい時、そういえば、親族で伺ったこともある。今回は、入院していた姪っ子が最近退院し、｢何が食べたい？｣と聞いたら、｢美味しいお寿司！｣と言うので、大将に無理を言ってお持ち帰りで握っていただいた。まだ、姪っ子、甥っ子は小さいので、さび抜きで。かつ姪っ子は、まぐろ・いくらが好きなので、それを多めにとリクエスト。大将が｢何時間後くらいに食べる？｣と聞いてきたので、｢2時間後｣と応えた。聞けば、寿司は握りたてが一番美味しいので、少し柔らかめに握るという。そういう心遣いもまた嬉しい。あと、これは実家に帰ってから気付いたのだが、今回のこのお持ち帰り、私もコハダだけ頂いたのだが、シャリがとても小振りだった。多分、大将が小さな子供たちのことを気遣ってくれたのだと思う。

実家で、ご開帳。子供たちは大興奮。ビックリしたのは、退院したばかりの子が｢美味しい、美味しい｣と言いながら、たくさん食べてくれた。子供の舌は騙せない。その食欲に妹はとても喜んでいた。私の両親、妹夫婦、子供2人、私で5人前を頼んだつもりだった。私がお酒とつまみを嗜んでいると、見る見るうちに桶の中身がなくなっていく。あわててコハダだけ確保。ま、いいですけど…。

こちらの創業は昭和３年。現在は3代目と4代目がカウンターに立ち、寿司を握っている。大将は毎朝、横浜中央卸売市場に行き、最高のネタを仕入れてくる。風情のある建物で、初めて入るには勇気がいるが、店頭におきまりのお値段が出ているので、安心できる。ランチの「梅にぎり」(税抜き1200円)は、本マグロの赤身、ほんのり甘いツメを塗った穴子、おまかせの白身など９カンに、巻き物、シジミの赤だしが付く。ランチは他に｢竹｣(税抜き1700円)、｢松｣(2200円)、｢特｣(3200円)と分かれている。ちらし、鉄火丼も用意されている。

伝統あるお店だが、大将は全然偉ぶっていない。楽しそうに寿司を握り、楽しそうにお客さんとの会話のキャッチボールを楽しんでいる。それは4代目も同様。このお二方がこちらのお店の居心地の良さを創り出しているのは間違いない。初めての方でもカウンターをお勧めします。予約しないとすぐ一杯になってしまいますが…。

シャリは魚沼産のコシヒカリ、マグロは本マグロのみを使用。そ～いえば姪っ子(6歳)は｢のりが美味しい～｣としきりに言っていた。多分こだわりの逸品を使っていると思う。今年も機会あるごとに自分へのご褒美に伺えたらと思う。

(以下2011年11月のレビューです。)
今年のマイベストレストランの井桁寿司さん‥。そりゃもうお世話になっています。私なんかがカウンターでお寿司をつまむなんて100年早いのですが、こちらではカウンターでつまむことができます。楽しい時間を過ごすことができます。一流のネタを楽しむことができます。いつも酔っ払ってしまうので、この日はお酒をセーブしつつ、画像を撮りました。

この日の献立

①きゃらぶき
お通しです。ビールと一緒に出てきます。濃い味付けで、ビールが進みます。

②刺身盛合わせ3種
ひらめ、マグロの中トロ、カンパチ。どれも美味しいです。以前東京の一流といわれるおすし屋さんで食べたものと比べても、遜色ありません。大将曰く、マグロの質には自信を持っていて、マグロはいつ食べても美味しいと思えるものを出してくれます。また、この日はおまけでマグロのカマの部分をつまませてくれました。まさに絶品。口の中でとろけます。甘みがあります。非常に美味しいです。

③名物の煮たタコ
本当にこれ素晴らしいです。これを食べるために小田原から関内に行っているといっても過言ではありません。一流店ではこれよりも柔らかい桜煮などを食べさせてくれたお店もありましたが、井桁寿司さんのタコは、歯ごたえと柔らかさの調和がうまく取れています。タコのうまさをストレートに感じられる逸品です。

④さよりのお刺身
こちらでは初めて食べた1品。生姜醤油でいただきました。身がプリプリしていて、魚の甘みが感じられました。日本海産だそうです。大将は産地にこだわらず、その日の市場にあった美味しいものを仕入れてくることを心がけていらっしゃるそうです。

⑤しめ鯖
いい鯖が入ったときに仕込まれます。スーパーのしめ鯖で、酢の強い身が真っ白になってしまっているものを多々見かけますが、当たり前ですが全く違います。15分ほどしか酢につけていないため、鯖の甘みも感じ、身もしっかりしています。しめ鯖好きな私としては、ありがたい逸品です。

⑥握り
穴子、イカ、煮ハマグリ、巻物が出てきました。穴子はいつ食べても美味しい。穴子だけは羽田沖から取れたもののみを使っているそうです。握りはかなり小ぶり。酢飯はやや硬め。個人的には大好きな握り方、大好きな酢飯です。巻物はごぼうとたくあんが入っていました。ここの巻物は高さもそろっていて、かつきめ細かくて美味しいです。大将の息子さんである政さんの腕が光ります。

初めて行かれる方は、夜はコース(5000円～）を頼まれたらいいと思います。美味しいもの食べて最後にちょっと握ってもらって。あとここはあがりが美味しいので、飲み物も生ビールを飲んだら2杯目からは焼酎のお茶割りを飲むようにしています。

こちらも友人・家族連れてきて、外したことはないです。タイトルにあるように『味は一流』です。『お会計は庶民的』です。常連さんでカウンターは埋まっています。特に夜に伺うときは、予約が必須です。また伺います。ご馳走様でした。


2011年6月

いつの間にか1ヶ月に1回はここのお寿司を食べなければ耐えられないからだになってしまいました。
刺身、つまみ、ビールと焼酎をたらふく飲み、大将とゴルフ談義をする。とても幸せなひと時を過ごさせてもらっています。大将はもとより最近、息子の政さんの腕前が格段に上がり(と個人的に勝手に思っている）、1品1品レベルの高いものを堪能できます。

ある日の献立
　ひらめのエンガワ
　たこの煮
　刺身盛合わせ
　寿司６カン

あっという間の２時間が過ぎてしまった。また伺います。

(以下２０１０年１０月の投稿)

4日の土曜日に親族の集まりで利用させてもらいました。皆さんの口コミにある通り、大人の週末に載ったばかりなので、混雑を予想しましたが…。すんなり予約でき、美味しいお寿司を堪能しました。

・刺身盛り合わせ
中トロ、ヒラメ、シマアジ、どれも美味しいです。
・煮タコ
塩でいただきますが、これが絶品。柔らかすぎず、固すぎず、いい塩梅です。
・カツオ
生姜醤油でいただきました。柔らかく、脂の乗りもバツグン。

この時点で、お酒の進むこと、進むこと。ただこのお店で安心できるのは、生ビール、焼酎とも1杯500円なので、勘定をさほど心配せず、杯を進められます。
・焼きホタテ
ホタテを少し焼いて、のりに巻いて出してくれます。絶品です。

・握り
中トロ、アナゴが特筆。巻物も人数分出してくれて、量的には少し多いくらいでした。

一流の味を堪能でき、しかも値段は庶民的。すごくいいお店です。

ちなみに大将は、ゴルフのハンディキャップが7。アプローチとパットがめちゃくちゃお上手です。大将とゴルフ談義する人もいれば、ゴルフのいろはも大将が色々教えてくれます。