中華街は変わってしまった : 安記

【2022/12/06 何度目か分からない】　　 安記

　中華街にあるカフェでプリンを食べた後、カフェのお向かいにある中華粥の専門店の入り口に行くと先に来ていたお客さんが困った様子。この店は火曜日は定休日でもなく空いているはずなのに、お店のドアが閉まっていて店内は暗くなっていた。じゃぁ1号店に行ってみようと行ってみると定休日だった。果たして中華粥は食べられるのだろうかと思い、中華街で中華粥を食べられるお店を考えてみた。すると、思い当たるお店はやっぱり「安記」だねと言うこ事とになった。

　17時半。
中華街大通りを曲がって香港路にある「安記」に着く。ここは台湾系のお店。
店内は4人用のテーブルは埋まっていて2人用のテーブルに座った。
　メニューから、このお店のお勧めの品々を頼んで行く。
目的はお粥なので、それぞれ好みのお粥を頼み、別にこの店の名物のお料理を頼んだ。

　　　鶏片粥　（かいせんるいおかゆ）
　　　三鮮粥　（とりほねなしおかゆ）
　　　もつ皿　（名物）
　　　自家製焼売

　＂巻揚”は売り切れ。と言うかそもそも＂巻揚”は作るのに手間が掛かる料理だし、人手が足りなくて作れなくなったみたい。

　まず持って来てくれたのは＂もつ皿”。このお店の名物料理の一つだ。
臓物系をあまり食べない子供も美味しいと言って食べる。

　ラーメン椀に入れられた粥の上には、油条（揚げパン）もトッピングされている。。
三鮮粥の具は海老、イカ、ツブ貝。鶏片粥は鶏肉。出来上がりでは粥に沈んで見えないが蓮華でかき混ぜると出て来る。
ツブ貝はコリコリ、海老はプリプリ、イカはしっとり。

　お隣の方々の注文を見ていて美味しそうに見えたので頼んでみた。

　　　イカとさやえんどう豆炒め

　松笠切りしたイカと若いさやえんどうを炒め薄味のスープを餡かけにしたもの。さやえんどうがシャキシャキしてイカの柔らかさがの食感の違いと緑と城の色彩が綺麗だし上品にして美味しい。

　また、別のお隣の方々からもつ皿とレバ皿を＂合い盛り”と言う注文の仕方がある事を教わった。
勿論、両方のお隣の方々はこのお店の常連で、そんな人達の注文を見ながら、時に同じ品を注文し、様々な事を教わるのが面白い。
お店の方からは「安記」にもコースがある事を教わった。かれこれ30年以上、このお店に通っているがコースがあるのも知らなかったし、誰も注文するのを見た事がなかった。かつては電話予約の時はコースを予約したものだったらしい。

　「中華街は変わってしまった」と言うのが常連の方々とお店の方々の共通した意見だった。

　「安記」を出て同じ香港路にある創業昭和11年（1936)の「海員閣」の前に来てみると、ドアに「只今、完全ワンオペにつき【完全予約制】にて【コース料理の提供】、【焼売土産の販売】の2業務のみ対応中」と書かれた張り紙がされていた。どうやら今年の9月からこうなったらしい。「海員閣」も予約しないと入れなくなってしまった。これもコロナ渦の為なのか、高齢の為の人手不足のせいだろうか。今の所、今年いっぱい予約不可になっている。暫くの間、豚ばらそば（扣肉麵）や大きい焼売は食べられそうにない。

備考）
中華街で絶滅危惧種の＂巻揚”を食べられる店
１）楽園　　　　　　　中華街大通り　1948年創業　広東風モツ料理と＂巻揚”
２）同發本館　　　　　中華街大通り　明治の創業
３）龍鳳酒家　　　　　中山路　　　　1981年創業
４）一楽　広東名菜　　中華街大通り　1926年創業
５）安記　　　　　　　香港路　　　　1932年創業
いつまで食べられるか分かりませんね。

【2012/03/29 何度目か分からない】　　　　　安記

　子供を連れての中華街での夕食です。子供を連れているので冒険は出来ないし、かといって高級店でコースなんかを食べる気は全然起きないので、ちょっとビックリするかもしれないけれど香港路の「海員閣」に連れて行こうとしました。
　所が店の前で子供が躊躇して入ろうとはしません。せっかく誰も並んでいないので好都合なのですが、入口には「牛腩は売り切れ、扣肉はあります」という張り紙。これは「牛ばらは売り切れで豚ばらはあるよ」という意味ですが、「やっぱりね」とッ。「でっかい焼売はたべさせてあげたいのですが、牛腩がないとちょっと」という事で諦めて、いつも行くほぼお向かいの「安記」に入る事にしました。中華街でのお気に入りの店の一つです。中華粥がとても美味しい。

　幸い煙草を吸っている客もいなさそうなので、メニューからバタバタと注文をして早く食べてしまう事にしました。子供は“エビマヨ”を食べたいと言いますが、今度はこちらが拒否。「あんなもん中華じゃない」（今は香港でもありますが）という事でメインは“酢豚”です。「当店のおすすめの料理から選ぶのが正しい」とは言え、元来天邪鬼ですから日本人が中華料理屋に行って頼みがちなメニューにしてみます。そして驚かすと言う趣向です。

　　　　　シュウマイ　　　　　500円　　名物です
　　　　　モツ皿　　　　　　　700円　　モツは胃です。これも名物です
　　　　　蝦仁炒飯　　　　　　800円　　海老入り炒飯
　　　　　青菜炒め　　　　　1,300円　　ちょっと高かったかな？
　　　　　酢豚　　　　　　　1,800円　　ここのは普通のじゃないのよ
　　　　　杏仁豆腐　　　　　　300円　　子供へのご機嫌伺い

●モツ皿
　　最初にが運ばれてきました。よりによってと言うか当然と言えば当然なのですが、さっき別の店の前で躊躇していたのが、今度はモツを見て躊躇です。そう言えば焼肉屋でもまだホルモン系は経験させていないし、せいぜい食べさせたことのあるものは”センマイ刺し”ぐらいですから、最初に“モツ皿”を見ると引きますよね。私としては“レバ皿”も頼みたかったのですが、これからの教育の課題です。中華でもフレンチでも美味しいのは臓物系ですから。

●青菜炒め
　“青菜炒め”は白湯スープたっぷりで餡が掛かっていました。最高に美味しい。子供も気に入ったようです。

●蝦仁炒飯
　海老がゴロゴロと入っていて、油と塩味の回りも丁度良く、コメが極端にパラパラではなくてちょっとしっとりしていてすごく旨い。一緒に付いてくるスープは醤油味で出汁が効いていて美味しい。

●シュウマイ
　シュウマイは名物なので味は保証済み。ここのはちょっと小ぶり（あっちがデカすぎ？）

●酢豚
　“酢豚”が今日のメインです。日本人が頼みがちなメニューです。酢豚に入っている具材は豚の揚げ物、玉ねぎ、きぬさやです。人参もきくらげも入っていません。ビックリしたかな？　揚げ立ての豚はアツアツですから知らずに食べると火傷をします。酢は黒酢ではなく透明のもで酸っぱみ強いです。この酸っぱさが好きなのです。ほんの少量のケチャップと食紅でピンク色が油に溶けて見えます。器が面白いですね。中にお湯を入れて料理が冷めなくする事が出来る器です。

●杏仁豆腐
　出来合いではありません。もちろん自家製です。ここの杏仁豆腐の皇杏、北杏、南杏の３種類の配合はまだ伺っていません。

　結局“モツ皿”も含め綺麗に完食。いつものように(^.^)最初は愛想のない奥さんが、食べ終わる頃には笑顔でお茶を注いでくれました。一方敵は満腹のようです。丁度食べ終わったころに男５人の団体が入って来ました。煙草を吸いそうなので早々に撤収する事にしました。

　支払の時「女の子は最初は見た目で決めるからね」と奥さん。


【2011/04/10】　　　　　安記の粥には美味しい月がある

　日曜日の18:00、今日の中華街はかつての賑わいを取り戻しつつあるように見えます。
久しぶりに、海員閣じゃなくって、順海閣本館、違って、ブラジル違って、安記です。特に関帝廟通り側から来るともう香港路は狭くて混んでていろんなお店があって大変です。最近お腹の調子がもう一つなので中華粥が食べたくなりました。そこで安記の登場です。安記のお粥は油が少ないのです。今日は長年疑問だったこの事を聞きに来ました。

　注文したのはいつもと同じ、海鮮粥とモツ皿。お腹の調子がもう一つなので焼売５個を頼むのを断念しました。ハーフサイズ皿もみんな断念しました。ノンアルコール・ビールも断念しました。むっ。ノンアルコール・ビール！ってなんだ。こんなの前にはなかったゾ。

　まずはモツ皿のハチノスから。醤油と胡麻油とネギと言う中華では定番のタレで食べます。
　粥から大好きなつぶ貝を取り出して小皿の醤油と葱にまぶして食べます。
次にハチノス。次に粥、次にエビ、、、、と交互に、もうみんな食べてしまいました。そうなのです。安記の粥はこんなにすぐ食べられるほどに軽いのです。

　さて、お勘定の時に今日の目的を果たします。
　　　　問：「お粥を炊く前にお米を油に塗（まぶ）してどのぐらい置きますか？」
　　　　答：「うちはお米を油に塗しません。出来上がりの少し油をさしますが。」
　　　　　　　　。。。。そ～れ来た。質問がいいとすぐに結果が出る。
　　　　問：「お米は？タイ米とかじゃないんですか？」
　　　　答：「うちは昔から日本米を使っています。一番美味しいから」
　　　　答：「コシヒカリとかサカニシキとかですか」
　　　　問：「いろいろブレンドしてもらって、。。」
　　　　問：「じゃあ、美味しい時ってあるでしょう？」
　　　　答：「9月頃の新米の時がお粥が一番美味しいですよ」
　　　　　　　　。。。。わおッ、そんなことは全然知らなかった！