日本酒とのペアリングコースで祝い膳 : 横浜紅葉坂日本酒 ふじひら

桜木町から程近い紅葉坂交差点近くの日本酒割烹で職場の仕事仲間の結婚祝いをしてあげました。
こちらの訪問は4度目になりますが、今回は初めてコースを予約しての訪問です。
料理１品ごとに利き酒師が選んだ日本酒を組み合わせたペアリングコースで5000円という手軽な料金です。
日本酒は60mlのお猪口での提供ですが、プラス1000円で90mlに変更できるというので、当然そちらに変更です。

コースを予約するとハートランドの瓶ビールが３００円で呑めるというので、まずはハートランドで乾杯。
お通し代わりの蕎麦の実のお浸しみたいなのからスタートです。

前菜は、朝摘み野菜のバーニャカウダーです。契約農家の矢島農園に店主が伺って直接買い付けて来た野菜とのことで新鮮でシャキシャキしています。胡瓜、蕪、コリンキー（生でたべるカボチャ）、紅芯大根、ミニトマトを和風ソースでいただきます。合わせるお酒は「大江山　生貯蔵酒純米」

お造りは写真を撮り忘れてしまいましたが、本鮪と鱸。鉄板の美味しさです。あわせるお酒は、東一の純米吟醸うすにごり。
焼物は太刀魚塩焼きと薩摩芋、お酒は相模灘の特別本醸造。

煮物は鰊と茄子にトッピングはおくら、茗荷、糸唐辛子。細かく包丁を入れた茄子に旨い出汁がしみこんで美味しい。
日本酒は石川県の御祖酒造の「ゆうほのみどり　山おろし純米」

揚物は穴子とズッキーニの天麩羅。亀の王の純米吟醸生貯蔵酒を合わせます。

強肴は和風のローストビーフに青梗菜とゴーヤスライスをトッピングしてマスタードソースでいただきます。
奥飛騨酒造の初緑　夏純吟の爽やかな飲み口をあわせます。

食事の前にもう一品つまみたかったので、ゴロ烏賊をコース外で追加。
ゴロは能登方言で烏賊わたのことで、内臓ごと干してあるので旨味が半端無い。
これにはしっかりとした謙信のしぼりたて生酒を追加してもらいました。

〆のご飯は海鮮バラちらし。土鍋ご飯もいいけど、シンプルなバラチラシもいいものです。
すっかりお腹一杯になりました。

これだけのコースにお酒をセットにして5000円＋1000円は、申し訳ないくらい安いうえに連れにも満足してもらえましたので良かったです。

横浜の紅葉坂は、桜木町駅から徒歩5分ほどの国道16号の紅葉橋交差点から横浜開港当時は奉行所が置かれていた紅葉丘に向かって緩やかに上る坂道で、歩道から車道まで総石畳という珍しい道路です。

そこから音楽通りを少し桜木町寄りに行ったところにオープンしたのが、能登直送の鮮魚と各地の地酒を提供する「ふじひら」というお店。

開店祝いの胡蝶蘭が飾られた店頭には大きな提灯が下がっていいるのですぐに見つけられました。
店内は厨房を囲むゆったりとしたカウンター席が6席、2人テーブルが2卓、4人テーブルが１卓の14席というこじんまりとしたお店です。

先ずはビールからスタートですが、ビールはハートランドの小瓶だけです。
日本酒メインの店なので最初の一杯はこれくらいの量が丁度いい。

お通しは魚のアラ煮ですが、乱切りの大根も味が染みていて旨い。
緑のズッキーニが添えてあって彩りも良く、さっぱりとした感じになっていてお通しとは思えないレベルの料理です。
「お通しの美味しい店にハズレなし」というのが、私の経験則なので安心して料理を注文することにします。

お造り盛り合わせは3種盛りが1480円、5種盛りが1980円ですが、ハーフサイズで一人前を半額で作りますとのことなので5種盛りをハーフでお願いします。
能登の西海漁港から取り寄せた真鯛、烏賊、わらさ、蛸と帆立の5種類が２貫ずつ。刺身の妻は生で食べられる黄色いカボチャのコリンキーの繊切、鮮やかな黄色でシャキシャキとした食感が食欲が増す。
刺身はどれも美味しかったが、中でも真鯛は熟成感のある旨味と弾力のある歯応えがたまらない。

おでんもおすすめとのことだったので、おでんの五点盛を追加。
備前焼の皿に焼き豆腐、大根、こんにゃく、ちくわぶの４点が先に提供されます。

器も立派だし、豆腐には白髪ねぎ、大根にはとろろ昆布がトッピングされているので、おでんというよりは割烹料理の煮物的な印象。
薬味に醤油麹、ふきみそ、辛子が別皿で提供されるのも高級感があるし、おでんとの相性も確かに良い。
驚いたのは、その出汁の美味しさです。
横浜でおでんといえば野毛の「あさひや」の透き通った出汁が一番おいしいと思っていましたが、この出汁はそれに勝るとも劣らない旨さです。
５点目は別皿で「出汁巻き卵の生海苔餡かけ」が出てきました。
上品な銀餡に磯の香りの生海苔を合わせて、ふんわり柔らかな出汁巻き卵を包み込んでいて割烹料理的な逸品です。

日本酒は一杯目はソムリエおすすめの能登輪島の白藤酒造の寧音（ねね）。
アルコール度数低めのすいすい飲めるお酒からスタートという寸法です。
二杯目は能登宇出津の竹葉の冷美酒（クールビシュ）。その名の通りクールな口当たりの夏酒です。
三杯目は富山県高岡の勝駒の純米酒。小さな酒蔵なので入手困難な銘酒で最初は甘く感じますが酸味もあり実は辛口という面白い酒です。
こういうレアものの仕入れルートを持っている店主の人脈も大事な要素です。

一人では種類を食べられなかったので、人数を集めてあれこれつまんでみたいものです。
これからちょくちょく通いたいお店になりました。