さすががんこ寿司のDNA。ランチでもキチンと手をかけた沖縄料理です。 : 沖縄時間

2021年が始まりました。
オリンピックイヤーになるのかどうか、取り敢えず祝日の移動は行われるようですが、足元のコロナの状況を鑑みると、実現可能性についてはなかなか見通しづらいところですね。
それはさておき、いつもの年だと、年の始まりには、今年はこれをやってあれをやってみたいな欲張った気持ちにもなるのですが、コロナ対策で少なくとも年の前半は色々と制約もあるでしょうから、例えば旅行の計画などは白紙で臨まざるを得ないですし、食べ歩きの方も様子を見ながらということになりそうです。
取り敢えずランチ活動とベーカリー巡りについては継続するつもりでスタートしますが、これとて状況によっては臨機応変に対応することが求められそうですね。

さて、昨年の新年初ランチは池袋だったのですが、今年は横浜でということになり、横浜ポルタの一角にあるこちらの沖縄料理店を利用することにしました。
実は、当店、以前に何回も訪れたことがあるのですが、何故かレビューがありません。
食べログを始めて10年以上を経過していますので、直近に利用したのが10年以上前になるのか、或いは何らかの事情があってレビューしなかったのか、確かな記憶はありません。

当店を経営しているのは、株式会社リトル沖縄オーバーシーズ。
代表取締役の小嶋達典氏は、「がんこ寿司」で知られる大阪のがんこフードサービス株式会社創業者である小嶋淳司氏のご長男にあたります。
小嶋淳司氏と言えば、私が京都に勤務していた時（平成7年～平成11年）に、四条烏丸の地下鉄駅出入口近くで自ら一人で店のちらしを配布しているのを見かけたことがありました。
たまたま小嶋氏のことを知る機会があったので、それが分かったわけですが、商売に対する情熱を感じるとともに、やはり社長たる人間はかくあるべしと思ったことを今でもはっきりと覚えています。

ご子息の達典氏は、大学（佛教大学社会学部応用社会学科）卒業後、現在は閉店した京都の老舗料亭「桜田」で修行します。
2年間の丁稚奉公を終えた後は、全く畑違いの三洋電機株式会社で2年間サラリーマンとしてのキャリアを積み、1997年にがんこフードサービスに入社します。
ちらし配りの件からも、恐らくこのキャリアの糸をひいていたのは、淳司氏ではないかと感じています。
達典氏は、がんこフードサービス社では2007年に常務取締役企画本部長に就任しますが、その直後の2008年、事業譲渡により託されたリトル沖縄オーバーシーズ社の舵取りを任されることになり、代表に就任したという経緯があります。

リトル沖縄オーバーシーズ社は、現在、当店以外にも銀座に3店の沖縄料理店を展開しています（リトル沖縄、竹富島、ちゃんぷるぅ家）。
一時は有楽町にも「あちこーこー」というお店も運営していましたが、そちらは閉店しているようですね。
この他、リトル沖縄については、西武ドームと葛西臨海公園に期間限定の販売店も出店しているようですね（リトル沖縄 西武ドーム店、13192571,リトル沖縄 オーバーシーズ]）。

当店は、横浜ポルタ地下街のAREA5の一角にあります。
両隣は、イタリアンの「パッパーレ・ヴィーノ」と「とんかつ 和幸 横浜ポルタ店」です。

この日は、オープン時刻の11時を目指して伺いました。
店内はカウンター席ありテーブル席ありで結構広いです。
オープン直後でも数名の先客が散らばって着席していましたが、私は2人用テーブル席に案内されました。
卓上には簡易ですが、プラスチックの仕切り板もセットされています。

お店の広さ故かスタッフは、確認出来ただけでも、厨房に5名、ホールに4名の計9名もいました。
効率化を考えるとちょっと考えづらい手厚い布陣ですが、小嶋さんのことですから、何がしかの考えがあってのことだと思われます。

卓上にはランチメニューのメニューブックが置かれていました。
内容は、沖縄そばの単品メニューのほか、各種セットや定食などがラインナップしており、片手間のランチではなくて、顧客満足という視点に立った工夫の跡が窺えるメニューと思われます。
お値段もまずまずリーズナブルなラインに抑えられているのも嬉しいですね。

注文は、多少高価ではあるものの、代表的な沖縄料理がかなり盛り込まれている感のあるうちなープレート@1,180円にしました。

待ち時間は9分ほど。
提供時間があまり早いと作り置きとか温め直しで味が犠牲になっているケースが多いだけに、この待ち時間には期待できそうな予感めいたものを感じました。

うちなープレートは、ラフテー、スヌイ天(もずくの天ぷら)、ゴーヤチャンプルの乗ったおかずプレートをメインに、じゅーしー、ミニ沖縄そば、もずく酢がセットされています。
手軽な沖縄料理はひと通り揃っている感じで、欲張りさんには有り難いセットですね。

味の方は、予想通り、全体に作りたて感があって、なかなかのレベルです。
スヌイ天は温め直しだとは思いますが、ゴーヤチャンプルや沖縄そばは都度作りではないかと思います。
スヌイ天などやや塩味が強過ぎる感じもありましたが、これが沖縄料理の個性なのかもしれませんね。
手作り感漂うゴーヤチャンプルともどもなかなか美味しかったですし、特にじゅーしーは、旨みたっぷりで、秀逸な味でした。

接客も全体に良く鍛えられている感じがあり、そつがありません。
手厚い布陣については、このご時世に贅沢だなという感じすらしましたが、そこは出口に顧客満足ということを置いているとすれば納得で、さすががんこ寿司のDNAを受け継ぐお店だなという印象を持ちました。
姉妹店を含めて食べログ評価が比較的高いのも納得ですね。