５年ぶりの山越に涙ちょちょ切れ : 山越うどん

実に５年ぶりの山越。前回強風で飛ばされちゃった看板はいかに？？？と思いながら、名物の長く伸びる行列に並んでたら、修復せずにあの時のままでした。

でも、相変わらずの大行列。そしてそれを上回る回転の速さ、お母さんの注文受付の神技も変わらずに健在です。

○かまたま　大
○カニクリームコロッケ

山越に５年ぶりで、かまたま意外に何を頼めようか！！！というところ。なおかつ卵とうどんの黄金比率の大をお願いします。

どこまでも伸びそうなうどん。押し返すような弾力があって、飲むように食べながら自然と笑顔になってしまう、これぞ讃岐うどん！というシンボル的なうどんです。

熱々の釜上げ直後のうどんに熱せられて、卵は半熟状態に。一回しかけた出汁と相まって、最高級のカルボナーラと化しております。しあわせとはこんな瞬間を言うのでしょうか。あまりにも旨すぎて涙ちょちょ切れのトランス状態。

今回驚いたのが、神技ゾーンの後のお会計に、自動レジというのか、キャッシャーというのか、文明の利器が投入されておりました。うどんの旨さや素晴らしさは普遍でしたが、そんなところには進化の跡が。世の中はＤＸの時代だもんね。それぐらいは当たり前かな。

やっぱり山越は特別です。

中村でやおの看板が中村になっていた衝撃から一夜明け、いよいよ山越。行列に並びながら角を曲がり、入り口に近づくと、なんと山越の看板も無くなっている。やっぱり台風で飛ばされたのだろうか。もしそうなら讃岐うどん界の被害は甚大。被害額はリーズナブルな讃岐うどんの価格からすると何杯分に相当するんでしょう。

開店時間ジャストに到着。比較的少なめの行列で、交差点手前のポールまでは満杯になっていません。ただ今日はいつもの進み具合よりなぜか遅め。まさかおばちゃんの頭の中でトロッコが走らなくなっちゃったのでは？というのは取り越し苦労で、少しスタッフの方が少なかったようです。

やっぱり伸びやかで弾力のある素晴らしいうどんでした。前回は四国に着くや否やの最初の一杯で今回は最終日。久しぶりの山越に、讃岐うどんの旨さを鮮烈に見せ付けられた前回に対し、うどんを食べに食べた末にたどり着いた今回は、そんな状況の中でもまったく飽きさせない、さすが山越という存在感を感じさせてくれました。

弾力があって伸びやかなうどん。出汁も濃すぎず薄すぎず。揚げ物もバラエティーに富んでいます。いつものようにおばちゃんが次々と注文を受け、艶やかなうどんが提供されて行きます。初オーダーのかまたまやまは、かまたまより更にのど越しよし。かけはもちろん絶品。

これが通算９回目の山越詣で。つまり四国行きは９回目ということ。我が家にとって四国に行くということは「山越」に行くのほぼほぼ同義語なのだ。

ここ10年で実に8回目の山越詣で。
ナビで検索したら、我が家からの道のりは814kmで車なら10時間13分、徒歩なら6日と5時間かかるうどん屋さん。

新幹線、マリンライナー、レンタカーと乗り継いで、金曜日のお昼過ぎに到着。夏休みや連休以外に来るのは初めてだったので、拍子抜けするほど空いてました。並んでいたのは十数人。ここは提供スピードも天下一品なのでそんなものは屁でもありません。程なくそんなに聴いて大丈夫？というほど次々に注文を取っていくおかみさんに、かまたま大！

押し返すような弾力のある麺。うどんは飲み物という説もあるが、個人的にはうどんは歯ごたえ噛みごたえかなと。食べていて楽しくなるうどんです。

玉子を丼に入れておいてから熱い釜揚げを直接投入する（見てるとすごく熱そう）いわゆる「玉子先入れ方式」もポイント。玉子が麺に絡むだけでなく、熱々の麺で玉子に固まりが出来やすく素晴らしく美味しいかまたまが完成します。

山越のうどんは、とにかく安定感抜群。奇をてらう訳でもないただのうどん。どのメニューを頼もうが、外れることなく普通に満足しちゃううどん。天ぷらも出汁も出汁醤油もしっかりと脇を固め、すべてにおいて平均点以上。レベルの高いバランス型でどれかが際立ってる訳ではなく、すべてが際立ってるので、ある意味凄みを感じさせない。分かりやすく言えばジャンボ鶴田のような存在。

わが家からは数百キロ離れている何の変鉄もない（失礼）街のそれも街外れに、突然現れる大行列。得意先がある訳でもなく親戚縁者が近くに住んでる訳でもない、そんな綾川町に数万円の交通費をかけ、一杯250円のかまたまを食べに通う。つくづくものずきだなぁとは思います。