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一見すると大衆的割烹だが店主の実力は本物
2013年8月再訪
今回、久々に高松に立ち寄る機会があったので、急遽、夜の訪問を決めた。
当日まで予定が立たなかったため、予約ができなかったことが悔やまれるが、ある意味、気が向いたときにふらっと立ち寄れるような大衆性あるこの店の、普段のままの料理の地力を知ることができたようにも思う。
そしてその実力は、記憶していた以上に、ひたむきな努力に裏打ちされた本物であることが確信できた。
店に到着したところで、たまたま店外に出てきた大将とばったり出会い、何年も顔を見せていなかった私と目が合うや、まるでいつもの常連客に接するかのように、「今日は何もありませんよ。予約してくれればよかったのに」と、気軽に大げさすぎる前置きの言葉を掛けてくれた。
もちろん、何もないなどということはなく、この季節の名物の鱧をはじめ、旬の料理を十分に楽しむことができた。
前回のレビューは古い記憶に頼った大雑把なものだったので、今回はやや具体的に食事内容を記しておくこととする。
・お通し
鱧の入った酢の物。
うざくの鰻を鱧にしたようなさり気ないお通しであったが、その一口目にして背筋がピンと伸びる思いがした。
絶妙な酢加減と端正に整えられたこの味は、まさに本物の料理人の仕事である。
・鱧おとし
夏の鱧料理はここの名物である。
瀬戸内の上質かつ安価な鱧を使用しており、京都の下手な高級店に出る鱧よりも美味く、そして無論CPも卓越している。
が、ここの特徴は、鱧自体の質もさることながら、あれこれ試行錯誤した末に結論に至ったという、梅肉ダレである。
梅は、梅のプロに任せるのが一番、つまりは大将の選んだ名店の梅干しに手を加えず、そのまま使ってしまえばいいと。
シンプルな発想であるが、私の知る限り、梅肉ダレに付ける、という鱧の食べ方としてこれに勝るものはない。
もちろん鱧自体の質にも妥協がないだけに、「これで(鱧の味を)誤魔化していると思われるのが嫌なんですが」と大将が言うのもよく分かるのだが、ともかく美味いものは美味い。
・シズの握り
正式にはイボダイであるが、何とも言えない独特の味わいが奥深く美味。
この魚を生で味わえるのも地の利ゆえであろう。
皿に並んだ握りの姿も美しい。
・冷たい蒸しアサリ
大将自身のお気に入りという逸品。私にとっても、今回の料理の白眉であった。
冷やした蒸しアサリには中華風を思わせるネギ・油使いが施されており、アサリの旨みと相俟って名状しがたい美味さを体験する。
そしてこの冷たい食感が、夏には嬉しい。
聞けば、椀物にまでこうした油使いをすることがあるとのことであり、自ら「よく邪道だと言われる」と苦笑していた。
日本料理の確かな腕を持ち、仕事に厳格な大将であるが、味の追求にかけては実に柔軟な思考をする。
・鴨ロース
これもまた大将のお気に入りとのこと。
地の食材というわけではないが、こうしてふらっと入っても、これほど幅広い引き出しが用意されているのは凄い。
・メバルの塩焼き
メバルといえば煮付けであるが、このシーズンには塩焼きでも出すとのこと。
地の海の幸を知り抜いている大将の出す魚料理に間違いはない。
・マナガツオのフライ
写真を見ていただければ一目瞭然であるが、同じ魚料理でも今度は一転して実にも洋食風である。
これほど唐突な落差には驚かされるが、大将にとって、美味い料理を供するうえで、和洋中の越境などはさしたる問題ではないのだろう。
・手造り冷奴
これは私がメニューを見て、締めの前に追加した一品。
どこの居酒屋にもあるような何でもない一品であるが、ここは大豆を擦る所から完全に手造りなのだそうである。
一体どこまで妥協なく仕事をする大将なのだろう。
豆腐は素朴ながら私の好物の一つなので注文したのだが、納得の出来栄えであった。
・鱧雑炊
「ここの鱧をもう一度食べたくて来た」と最初に大将に伝えておいたからだろうか、締めに鱧雑炊を勧めて出してくれた。
やはり上質な鱧の出汁がしっかり感じられて美味い。
・酒
今はあまり「王祿」の揃えはないとのことであったが、「王祿 『渓』 純米吟醸 本生」を出してくれた。
ここの料理に合う、いい酒である。
総じて、記憶していた以上の満足度に私自身驚かされた。
予約なしでふらっと立ち寄って(今日は何もないとあらかじめ断られて)こうなのであるから、きちんと予約をすればより優れた逸品を用意してくれるだろうことは想像に難くない。
また、会計の際、「こんなにお値打ちでいいんですか?」と思わず聞いてしまうほどのCPなのであったが、大将は「これをお値打ちと言ってもらえるといいんですけどねぇ」と微かな嘆息混じりの返事であった。
これほど大衆性と妥協のない料理とを見事に両立させているかに見えるこの店でさえ、裏ではかなりの苦労があるのだろう。
ここの料理の真価は、是非とももっと知られてほしい、と切に思う。
今回の訪問に伴い、記憶の正確なレビューができたことから、評価を上方に修正することとする。
総評:★4.0
再訪の価値あり、オススメ。
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京都の名店などで修業をした実力ある料理人の進路には、大きく分けて二つあると思う。
第一に、末友のように京都で独立し、自分の店を構える。
第二に、虎屋 壺中庵のように、自分の出身地など、素材豊かな地方に店を構える。
私が好むのはこの第二のパターンなのであるが、こうした店というのは、往々にして客層に関していささか地元を置き去りにし、県外などから足を運ぶ客が中心となりがちである。
そんな中、地元に馴染むような大衆性と、料理にかける妥協のなさ、という二点を最もバランスよく両立させていると感じた店、それがここ「味どころ 撰」である。
メニューを見れば手ごろな価格の一品料理がずらりと並ぶ。
客層も、近所の家族連れ、地元の何かの集まりでの会食、また力仕事に汗を流した後のオジサンが居酒屋風に利用していたりもする。
が、料理の一つ一つには決して抜かりがなく、さり気なく本物の腕が振るわれているのが分かるのである。
酒も手ごろなものから、種類豊富な「王祿」を中心に本格的な日本料理に合うものまでが取りそろえられている。
全国を食べ歩いているレビュアーに対しても、一度は食べてみて損はないとオススメできる店である。
夏からは鱧も京都の名店以上に美味しく食べさせてくれる。
ここのご主人、実はかの赤い本で二つ星を獲得し、食べログでも評判の京都の名店「祇園 にしかわ」の店主が今でも頭が上がらないという、修業時代の兄弟子なのである。
西川氏の修業時代の面白エピソードなどをからかい半分に聞かせてもらったりもした。
それはともかく、このご主人、穏やかな落ち着いた接客をしつつもじわじわと滲み出るような気迫を感じさせる。
決して妥協を許さない厳しさ、真剣さを備え、そして凄まじく肝が据わった料理人であろうことは、西川氏から聞いた話からも確信できる。
香川県の食というとウドンばかりがイメージされがちであるが、新鮮で活きのいい魚介類の他、生命力あふれる野菜(香川県は実は三豊ナスといった固有の品種も含め、野菜の宝庫と呼べる)など、長年京都で修業をしてきた店主をして「手を加えなくても美味しい」と驚かせるほど素材が充実している。
それを本物の腕を振るって調理するのであるから、美味くないわけがない。
もちろん、価格帯をかなり低く設定している店であるので、素材力、味の絶対値には限界があるが、CPは素晴らしいといえる。
地元に馴染み、愛されていることが伺える、気軽な、気取らない、どこかほっとした気分で食事ができる店であった。
高松へ赴いた際には必ず訪問する一軒である。
食べログでももっと知られてもいいと思い、ここに紹介した次第である。
総評:★3.5
一食の価値あり、オススメ。
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東京のF
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東京のFさんの他のお店の口コミ
店名 |
味どころ 撰(せん)
|
---|---|
ジャンル | 日本料理、居酒屋 |
予約・ お問い合わせ |
087-837-6221 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
レインボー通りベスト電器のある交差点を右折、長居街道を300m東へ高松信用金庫手前右側。 林道駅から422m |
営業時間 |
|
予算 |
¥5,000~¥5,999 ¥1,000~¥1,999 |
予算(口コミ集計) |
¥6,000~¥7,999
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード可 (JCB、AMEX、VISA、Diners) |
席数 |
34席 |
---|---|
個室 |
有 (6人可) |
禁煙・喫煙 |
全席喫煙可 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
有 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり、座敷あり |
ドリンク | 焼酎あり、日本酒にこだわる |
---|---|
料理 | 魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
サービス | 2時間半以上の宴会可、テイクアウト |
オープン日 |
2001年8月 |
備考 | |
初投稿者 |
このレストランは食べログ店舗会員等に登録しているため、ユーザーの皆様は編集することができません。
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久々の訪問。
この店の概要は以前のレビューにて十分な紹介をしていると思うので割愛する。
今夜は予約もせずに居酒屋感覚で訪問してみた。以前とガラッと変わっていたのは日本酒の揃え。以前は大将お気に入りの島根県の地酒、「王祿」を数種類置いている程度であったが、今は全国の大将お気に入りの銘酒を揃えている。また、レギュラーの酒もあれば、その時期・タイミング限定のスポット商品という枠を設けている事も、酒好きとしては極めて嬉しいグレードアップである。
大将曰く、一時期は30種以上を取り揃えていた事もあったが、仕事全体のバランスに鑑みて、今の揃えに落ち着いたのだという。
料理であるが、今回は魚介は控え目に、菜食志向でお願いした。(といってもカキフライや海老の天ぷら、フグの白子その他イカとタコのお造りなどは出てきたのであるが)
私は遥か以前より、今ひとつの香川県内の常連店での食事なども通じ、香川県はうどんよりも、多様にして高品質の独自品種の野菜こそを全国に誇るべきと思っていた。それは三豊ナスにはじまり、ごく一部で生産されているゴボウ、大きな食べ応えと濃厚な風味を併せ持つ白菜などに幾度となく感動させられてきたからである。
ここ撰は、特にこの店をよく知る者は、その魚介料理の技術とCPに驚嘆する。無論それはこの店の美点として無視できない事は間違いない。しかし今夜、大将と少し話したところ、香川県が誇る高品質の野菜の多様さ・豊かさという点で意気投合することができた。
私は居酒屋感覚で、まず冷奴を頼む。冷奴といっても、豆の段階から全ての工程を自家製で行なっている、極めて味わい深い一品である。
そして、白人参の天ぷらが供された。元の姿を見せてもらえばまるで大根のよう、しかしその味はジューシーな甘み・旨みがギュッと詰まった実にも美味なるもよであった。そんな変わり種の人参だけでも総仕入れ品種を並べると虹のように色とりどりなのである。
中には、本来、つるりと丸くなければおかしいとある野菜がキャベツのような形態をしていたりと、大将自身をしてその不可思議さに感嘆するようなものもあるのだ。
そんなこんなで、今夜は大将と香川県の野菜について語り合った良い夜であった。魚介、野菜、そして酒と、この地味な立地で居酒屋風に利用されながらも、着実に前へと進むその姿勢には畏敬の念を禁じ得ない。