限定麺「冷やし納豆和えつけそば」。中華ざるの納豆トッピングという大衆的なメニューが創作麺料理に変身。みょうがや大葉などの定番はもちろん、きゅうりの浅漬け、ピリ辛の鶏ミンチなど多彩なトッピングが楽しい! : 南部屋路ばた 盛岡市上太田店

この口コミは、hidey803164さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

4.8

~¥9991人
  • 料理・味4.8
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.9
  • CP4.6
  • 酒・ドリンク-
2020/06訪問156回目

4.8

  • 料理・味4.8
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.9
  • CP4.6
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「冷やし納豆和えつけそば」。中華ざるの納豆トッピングという大衆的なメニューが創作麺料理に変身。みょうがや大葉などの定番はもちろん、きゅうりの浅漬け、ピリ辛の鶏ミンチなど多彩なトッピングが楽しい!

6月27日(土)

一昨日(25日)に行ったばかりの「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。

「鶏そば(冷やし・醤油)」と「煮干しそば(塩)」を食べた25日をもって、私の「路ばた」通いをラストにしようと決めていたのですが、昨夜、村山店主がTwitterやInstagramに発表した今日からの新限定麺を見て、決意が揺らぎました。

結局、無謀にも「麺の極 はなみち」→「路ばた」の限定麺連食という年甲斐もない暴挙を敢行。

○限定麺「冷やし納豆和えつけそば」(800円)

「はなみち」で、限定麺「濃厚煮干つけ麺」(麺量250g)を食べたあと、舘坂橋からタクシーで上太田の「路ばた」へ。
私が盛岡市のラーメン店で一番通った「路ばた」のラストが連食の2食目というのは申し訳ありませんが、なにせ残り2日なのに行きたい店がそれ以上にあるという事情をご理解ください。

そんな無謀な行為をさせてしまうほど「路ばた」の限定麺は魅力的。

「はなみち」を12時30分に出たあと、タクシーで「路ばた」到着が12時50分。
新しい限定麺が今日からスタート。
しかも、今日は土曜とあれば、大混雑だと想像していました。
しかし、駐車場の車の数は平日の昼時以下。
店に入ると、最近はすぐに座れないカウンター席(今は席数を減らし4席)にも先客1人。

楽勝でカウンターの右端の席に座ることができました。

それにしても、村山店主の仕事は速い。
トイレから戻ると、もうカウンターに限定麺が置かれていました。

「冷やし納豆和えつけそば」。

そう言っても東京ではピンと来ない人も多いでしょうが、岩手では「中華ざる」が夏の定番麺料理。
昨日某ローカル局で、「中華ざる」の特集が組まれたほど。

細麺の中華麺を茹でたあと冷水で締め、日本そばの「もり」「ざる」のように皿やすだれ等に盛り、これも「もり」「ざる」と同様、そば猪口に入ったそばつゆにつけて食べるというシンプルな料理。

薬味はネギのほか、これも定番の大葉やみょうが。
バリエーションとして、納豆トッピングも人気があります。

今回の限定麺は、上記の中華ざるの納豆トッピングという夏の定番的メニューをベースに創作麺料理に仕上げたもの。

運ばれた盆には、麺と納豆をはじめ多彩なトッピング。
そば猪口には、昆布、節などの和ダシに醤油を合わせた中華ざるのつゆ。

ただし、つゆも只者じゃなく、冷たいつゆの上には、つゆを凍らせたあと、かき氷のようにシャリシャリとかいた「つゆのかき氷(私の仮称)」をのせ、涼味満点。

もう1つそば猪口があって、ここには煮干しオイルが少量入っています。

自家製麺の盛られた大皿には、麺以外に納豆、千切りの海苔、削り節、小口切りのネギ、大葉、みょうが、皮付き鶏モモ肉のチャーシュー、そしてきゅうりの浅漬けなど多彩なトッピング。
これだけでも驚きですが、さらに大皿にはレンゲが置かれ、そこには辛味入りの鶏ミンチがたっぷり。

これだけのトッピングがあるせいか、どうやって食べようか迷うところ。
しかし、食べ方は自由で、中華ざるのようにそば猪口に麺をつけ、トッピングをお好みで入れるなど、「つけそば」的に食べることもできます。

あるいは、そばつゆを納豆をはじめトッピングの付いた麺にふりかけ、トッピングと麺を和え、和えそばとして食べても構いません。

私は、まずは麺をそばつゆにつけるオーソドックスな「つけそば」風の食べ方にトライ。

大皿にたっぷり盛られた細打ちの自家製麺。
岩手県産小麦粉(中力粉)「ねばりごし」をメインに、同じく岩手県産の強力粉「ゆきちから」をブレンド。
切り刃20番、加水率34%の角ストレート中細麺。

茹でたあと冷水で締め、大皿に盛っています。
麺量は200g。

ツルツルと啜りやすく、喉ごしのよい中華ざるに絶好の麺ですが、麺がくっつき気味なのと、麺の長さが長いので、小さなそば猪口に入れるのにちょっと苦労。

さらに、そば猪口には納豆をはじめトッピングを入れづらいので、「つけそば」風の食べ方をあっさり断念(笑)
そば猪口に入ったそばつゆを全部麺に振りかけ、麺とつゆとトッピングを混ぜる和えそば風に食べることに。

そばつゆは、昆布と節類のダシに醤油を合わせていますが、「つゆかき氷(仮称)」のジャリシャリとした涼しげな食感と甘味を抑えた辛口の深みのある風味が絶妙。

そばつゆと喉ごしの良い自家製麺との相性は最高。
これに納豆を混ぜると、納豆のネバネバが麺に絡み、納豆の風味がさっぱり感を増幅。
麺をさらに啜りやすくなります。

それ以外の具も、麺やそばつゆ、納豆に良く合い、冷たい和えそばとしの完成度を高めています。

とくに効果的なトッピングが、レンゲにのった辛味入りの鶏ミンチ。
鶏挽き肉に一味、ハバネロ、塩ダレなどを加え炒めた鶏ミンチは、ピリ辛でコクがあり、食欲を増進させます。

皮付きの鶏モモ肉のチャーシューは大きめのサイコロ状。
肉厚で食べ応えがあり、しっかりとした味付け。
肉も柔らかくジューシー。

さらにたっぷりトッピングされたきゅうりの浅漬けも見逃せません。
パリパリとした食感の浅漬けは、和えそばの食感に多様性を与えるのに貢献。

後半になって、もう一つのそば猪口に少量入った煮干し油を全量振りかけると、煮干しのビター感と油のオイリー感が加わり、さっぱりした和えそばが一気に味変。

この見事な味変の妙も、和えそばの魅力。

中華ざるの納豆トッピングという岩手の夏の風物詩的なメニューを、自家製麺と「つゆかき氷(仮称)」でさらにグレードアップ。

定番のトッピングの他に、きゅうりの浅漬けやピリ辛の鶏ミンチ、皮付きの鶏モモ肉チャーシューを付けるほか、ラストに煮干し油による驚きの味変というサプライズを用意するなど、村山店主のセンスがいかんなく発揮された一品。
もはや大衆的な料理ではなく、立派な創作料理になっています。

食べ終えたあと、次第に混んできて調理に余念のない村山店主にお礼とお別れを告げ、タクシーを待ちました。

2016年7月に「鶏そば」「煮干しそば」に出会い、無化調・自家製麺の驚きの完成度に衝撃を受けたことを鮮明に覚えています。
さらに限定麺(これも無化調・自家製麺)の魅力にはまり、2016年秋以降は毎週のように通い、とうとう私の岩手における最多訪問店に躍り出ました(レビューも156回)。

改めて村山店主に感謝したいと思います。
明後日東京に行って以降しばらく「路ばたロス」に陥るでしょう。

またいつの日か、コロナウイルスが収束したあと、盛岡を訪れ、まずは「路ばた」の限定麺を最初に食べたいと思います。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし納豆和えつけそば」(2020年6月27日)

    限定麺「冷やし納豆和えつけそば」(2020年6月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし納豆和えつけそば」(2020年6月27日)

    限定麺「冷やし納豆和えつけそば」(2020年6月27日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2020年6月27日)

    麺と具(2020年6月27日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2020年6月27日)

    麺と具(2020年6月27日)

  • 南部屋路ばた - 「つゆかき氷(仮称)」の入ったそばつゆ(2020年6月27日)

    「つゆかき氷(仮称)」の入ったそばつゆ(2020年6月27日)

  • 南部屋路ばた - 後半の味変用の「煮干し油」(2020年6月27日)

    後半の味変用の「煮干し油」(2020年6月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし納豆和えつけそば」の説明書き(2020年6月27日)

    限定麺「冷やし納豆和えつけそば」の説明書き(2020年6月27日)

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2020/06訪問155回目

4.8

  • 料理・味4.8
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.9
  • CP4.6
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

「鶏そば(冷やし・醤油)」「煮干しそば(塩)」。鶏のコラーゲンたっぷりのプルプルしたジュレ状の冷やし鶏醤油スープ。「塩煮干し」は煮干しの旨味が圧倒的。雑味なく煮干しの旨味のみを極限まで高めた最高の一杯

6月25日(木)

昨晩(24日)、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主は、25日から提供される限定麺を発表。

「姫竹と仙台牛すじの和えそば」は60食の提供。
先週からの限定麺「冷やし担々つけそば」が30食残っているとはいえ、60食では明日(26日)売り切れるのは必至。
それを見越してか、土曜(27日)からは納豆を使った限定麺を始めるという。

大変な限定麺ラッシュで、いつもの私なら今日と明日で終わる「姫竹と仙台牛すじの和えそば」をねらうところでしょう。

しかし、29日に引っ越しで、「路ばた」も今日が最後かも知れない。
そう考えると、限定麺を追っても切りがないので、「鶏そば」「煮干しそば」の食べ納めに行きました。

○「鶏そば(冷やし・醤油)」(750円)

今日の盛岡は肌寒く雨の降り続く一日。
それでも、12時50分頃「路ばた」につくと、やはりほぼ満席。

ここで一考。

「鶏そば」「煮干しそば」の完全な連食だと、麺量合計320gと苦しい。
しかも、両方とも醤油の熱いスープでは芸がない。

そこで、食券を渡すときに村山店主にお願いし、「鶏そば」は冷やしにして、麺量を100gに抑え、「煮干しそば」は熱いスープのフルスペックの麺量としました。
これなら、「冷やしラーメン」→「熱いラーメン」と変化がつけられるし、麺量も260g。

まずは、カウンター席に座り、「鶏そば(冷やし・醤油)」を待つことに。

すぐに到着した「鶏そば(冷やし・醤油)」。
吸い込まれそうな濃い琥珀色の鶏醤油スープ。
千切りのきゅうりがたっぷりトッピングされ、涼しげなビジュアル。
チャーシューは、大きめの白い豚ロース肉低温調理チャーシューが1枚。
あとは、穂先メンマと麺を減らした代わりの味玉サービス。

親鳥の丸鶏とπウォーターという「鶏と水のみ」のスープ。
これに再仕込み、たまり、杉樽仕込み、そして生醤油3種の計6種の醤油に味醂、酒、フルーツ酒などを足した醤油ダレを合わせています。

この鶏醤油スープを冷やしたコラーゲンプルプルのジュレ状の冷たいスープ。

プルプルとした食感の中から鶏の旨味、そして甘味を含んだ旨味十分ですが、さっぱりとした醤油ダレの風味が立ち上がります。
鶏の旨味は熱いスープにくらぺると少し控えめですが、それを補って余りあるプルプル食感の醤油ダレの旨味が沁み込んだスープ。

鶏の旨味が控えめというのが、むしろプラスして醤油などタレの旨味がさっぱりしつつも、最大限感じられます。
鶏ダシはジュレに変身して、醤油ダレと見事に一体化。
冷やすことで、タレの甘味もアップし、熱いスープとは別のかたちで、鶏ダシと醤油ダレが融合。
「鶏そば」の熱いスープしか食べたことがない方には、このユニークなコラーゲンプルプルのスープは絶対オススメ。

麺は切り刃20番、加水率36%の中細角ストレート麺。
岩手県産の強力粉「ゆきちから」メインで、小麦のふすま(表皮)を練り込んだ自家製麺。

冷水で締めた結果、もともと固め食感の麺にさらにコシが加わり、歯応えのある麺。
小麦の香りを満喫できる素晴らしい麺。
冷たい麺でも、魅力が変わらないどころか、さらに増す麺。
今回は100gでお願いしました。
固めの風味豊かな麺にプルプルの冷たい鶏醤油スープが良く絡み、いつもの「鶏そば」とは違った美味しさ。
デフォでは麺量160g。

ネギの代わりにたっぷり乗せられた千切りのきゅうりが冷たいラーメンの清涼感をさらにアップ。
ちょっぴり冷やし中華の趣。

豚ロース肉低温調理チャーシューも、脂肪のほとんどない部位を使用。
柔らかく味付けは淡白。
この淡白さが冷やしにぴったり。

穂先メンマはシャキシャキした食感で、味付けは薄め。素材の旨味を生かした味付け。

サービスの味玉は、しっとりとした黄身に甘めの味付けが施され、これがやや甘め醤油ダレのプルプルスープとベストマッチ。

冷たいスープを飲み干し、女性スタッフに「煮干しそば」をお願いします。

○「煮干しそば(塩)」(750円)

女性スタッフに「煮干しそば」をお願いしたときは「醤油」を想定。
ところが、村山店主が一言。
「塩」あります。
待っていたとばかり、「塩にします」と言っていました。

実は6月6日から「煮干しの配合、産地変えます。多分良くなります」という村山店主のコメントを覚えていました。

煮干しの配合、産地を変えるなら、それをよりダイレクトに感じることがてきる「塩」の方が良い。

すると、注文から速攻で「煮干しそば(塩)」が到着。

写真では茶色が濃く映っていますが、実際は茶色がかっているものの、もっと透明感のあるいかにも塩ラーメンらしいビジュアル。

表面の4分の3以上を麺が占め、麺の綺麗な盛り付けを強調する憎い演出。
それにしても、惚れ惚れするような美しい麺線。
もう、このビジュアルだけでも、美味しさが保証されたようなもの。

具は丼の上の端に寄せられ、豚チャーシューが2枚。
上に豚ロース肉低温調理チャーシュー、下に豚バラ肉の煮豚。
チャーシューの上にはネギが盛られ、スープのなかに枕木メンマが2本潜んでいます。

煮干しの良い匂いが湯気とともに立ち上ぼり、堪らずレンゲでスープを飲み始めます。

最初こそ塩気がやや強めに感じられますが、すぐに圧倒的な煮干し感に完全にノックアウト。

煮干しのはらわたや頭をつぶして入れながらも、スープに雑味はなし。
苦味やエグミなどもなく、煮干しの純粋な旨味を抽出。
これを未体験ゾーンのレベルにまで高めています。
煮干しの旨味がふわっと感じられるとか、煮干しがガツンと来るというのではなく、もう半端じゃない旨味。

煮干しが立ち上がって来るような強いインパクトと、そのコアにある圧倒的な旨味。
それを塩ダレがうまく引き立て、前記の塩気強め感は、煮干しの旨味の波のなかに、その一部としてぴったりはまります。

煮干しはこれまでの背黒・平子・白口・ウルメから背黒・平子・白口(2種)に。
さらに煮干しの産地も変え、昆布も加えた煮干しダシがさらにレベルアップ。

動物系不使用の淡麗煮干しとしては、最高レベルの一杯。

麺は、先の「鶏そば」と同じ自家製麺(切り刃20番、加水率36%。ふすま入り)。
しかし、こちらは冷水で締めていないので、食感が違います。
たしかに、固めで歯切れの良い小麦の香り溢れる麺ですが、噛むと、冷やしの麺にはないモチモチ感。
もちろん歯切れも良く、これにモチモチ感が加わっているといった方がいいでしょう。

私には十分満足な麺ですが、村山店主によると、麺を少し柔らかく打ってしまったという。
水で締める冷やしにはぴったりですが、熱いラーメン用には、少し柔らかいという実にきびしい自己採点。

いかにも完全主義者らしい村山店主の面目躍如。

豚ロース肉低温調理チャーシューは、見た目には肩ロース肉に近い赤みの強いもの。
脂肪のサシも混じっています。
味付けも、「冷やし」に比べ強め。
肉の旨味と醤油メインのタレの味が口のなかで融合。

豚バラ肉の煮豚は、柔らかく煮込まれ、ホロホロとトロける柔らかさと絶妙な味付け。

枕木メンマは、柔らかく煮込み、味付けはやや甘め。

村山店主は今日の麺の出来映えに不満そうでしたが、私はふすま入りの中細ストレート角麺の歯切れのよさとモチモチ感、それに煮干しの旨味が凄いレベルに達している塩煮干しスープとのマッチングに大満足。

プルプルした冷たい鶏ダシと深みがあり、それに甘味が寄り添う醤油ダレの組み合わせが絶品の「鶏そば(冷やし・醤油)」とともに、「路ばた」の「鶏そば」「煮干しそば」をちょっとイレギュラーなかたちながら堪能。

良い思い出になりました。

もちろん、両者はスープ、タレとも無化調。

今日が最後の「路ばた」と思っていましたが、週末の限定麺にも食指が動きます。
どうしようかな?

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(冷やし・醤油)」(2020年6月25日)

    「鶏そば(冷やし・醤油)」(2020年6月25日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(冷やし・醤油)」(2020年6月25日)

    「鶏そば(冷やし・醤油)」(2020年6月25日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(冷やし・醤油)」(2020年6月25日)

    「鶏そば(冷やし・醤油)」(2020年6月25日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(塩)」(2020年6月25日)

    「煮干しそば(塩)」(2020年6月25日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(塩)」(2020年6月25日)

    「煮干しそば(塩)」(2020年6月25日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば・煮干しそば」のボタン(2020年6月25日)

    「鶏そば・煮干しそば」のボタン(2020年6月25日)

  • 南部屋路ばた - 今日からの限定麺は「姫竹と仙台牛すじの和えそば」(2020年6月25日)

    今日からの限定麺は「姫竹と仙台牛すじの和えそば」(2020年6月25日)

  • 南部屋路ばた - 「お願い」(2020年6月25日)

    「お願い」(2020年6月25日)

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2020/06訪問154回目

4.7

  • 料理・味4.7
  • サービス3.9
  • 雰囲気3.9
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「アスパラと海老の冷やし担々つけそば」。ふすまたっぷりのコシのある平打ち麺と旬のグリーンアスパラ。それらを干しエビ、トマト、芝麻醤、ラー油がミックスした冷たい担々つけ汁に絡めるつけそば!

6月19日(金)

あと盛岡在住も10日。
ここ数年間、ほぼ毎週末楽しませてくれた「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の「限定麺」ともお別れかと悲しい気持ち。

そんな感傷に浸っていたとき、「路ばた」のTwitterを見ると、今日(19日)から新しい限定麺が始まるとのツイート。
最近「限定麺」は毎週土曜からスタートするケースが多かった。
それが金曜からというのは珍しい。

内容を見ると、先週から引き続き海老をフィーチャーしているものの、今回は「もりそば」ではなく、「冷やし担々つけそば」。
しかも、麺は「ふすま」(小麦の表皮)がたっぷり入った自家製の平打ち麺。
旬のアスパラもつくとあっては、土日の混雑を避け、提供初日の今日行こうと決意。

○限定麺「アスパラと海老の冷やし担々つけそば」(900円)

今日の盛岡は最高気温27℃だが、湿度が高く、蒸し暑い一日。
しかも、天気が不安定で、時折にわか雨が降るというじめじめした気候。
こんな不快な気候を吹き飛ばすには、冷たい担々つけ麺は最高!

金曜でも早い売り切れを恐れ、「路ばた」に12時48分到着。
着くなり、店前の駐車場の車の多さに唖然。
まあ昼時だから仕方ないかと思うものの、盛岡中心部から離れた田んぼの真ん中にある店に良くこれだけのお客が来るなと驚嘆。

これも「限定麺」「鶏そば」「煮干しそば」などを食べに来るラーメンファンと、町中華的なメニューを愛する近隣の常連のおかげ。

店内も満席で、食券を買ったあと、店内の待ち椅子で、カウンター席が空くのを待ちます。

約10分で、間隔をとるため、4席に減らしたカウンター席の一番左の席に着席。
ラーメン到着までマスクをしたまま。

それにしても、凝ったメニューにもかかわらず、座って5分もかからずに到着したのにも驚かされます。
村山店主一人で、こだわりのメニューから大衆的なメニューまで全部こなし、今回のような懲りに凝った内容と美しい盛り付けをさっと完成させてしまうのだから、大袈裟ではなく神業。

ベテラン女性スタッフが運んでくれた限定麺「アスパラと海老の冷やし担々つけそば」。

麺と具は、黒く深い丼に盛り付け。
丼の底には「ほぐし水」の役割を果たすさらっとした鶏ダシが少量張られています。
その上に、麺が盛り付け。
麺は、岩手県産小麦粉(強力粉)「ゆきちから」ほかを使った自家製麺。

加水率は38%。
麺帯をうどん製麺機にセットして、約4ミリ幅で裁断した平打ち麺。
麺を見ると、斑点がみられ、ふすまがたっぷり練り込まれているのが分かります。
太めの平打ち麺だけに、見た目にはそれほどの量には思えないものの、麺量は200g。

麺の上に、大きな茹でたグリーンアスパラが2本。
その上に刻み玉ネギ、ナッツ、甘辛く炒めた鶏ミンチ。
さらに糸唐辛子が添えられるなど、いつもながら、インスタ映えするビジュアルにほれぼれ。

一方のつけ汁は、赤黒い自家製のラー油が表面を覆い、いかにも辛そう。

しかし、レンゲでつけ汁をすくうと、表面のラー油の下に隠れていたクリーミーで甘めの自家製芝麻醤が現れます。
具は、小さく刻んだニラとこれもたっぷり入った干しエビ。
そしてトマト。
ベースのスープは、焼き海老と昆布。

単純な冷やし担々スープの域を超え、ラー油の辛さとゴマの風味と甘味が織り成す芝麻醤がミックス。
スープの焼き海老風味を干しエビのカリカリとした食感と香ばしい味が増幅。

ニラの食感や風味、トマトの酸味も加わる冷たいつけ汁は、担々スープでありながらも、海老、ニラ、トマトなどが混ざり合い、おそらく村山店主でしかつくれないであろう創意と感性を感じる唯一無二の一杯。
もちろん無化調です。

平打ち麺は固めに茹で上げ、冷水で締めているだけに、コシがあり、歯応えが抜群。
まずは、つけ汁につけないで、麺を噛むと、練り込まれた小麦のふすまを噛み切り、口の中が小麦の香りで満たされます。
これほど小麦の香り豊かな麺は、滅多にありません。

歯応えのある平打ち麺が、海老風味とクリーミーで甘味のある芝麻醤、辛いラー油が絶妙にミックスする冷たい担々つ汁に良く絡みます。

麺の具であるナッツのカリッとした食感、鶏ミンチのコクと甘味、刻み玉ネギのシャキシャキ感も追加。

極め付きはグリーンアスパラ。
茹でた瑞々しい緑の映える大きなアスパラは、噛むとサクッとした食感とほのかな甘味。
そのまま全部かじっても良いし、一本はそのままかじり、残りの一本は担々つけ汁につけて食べても良し。

焼き海老と昆布のダシに芝麻醤とラー油をブレンドした冷やし海老担々つけ汁と、小麦の風味豊かな自家製平打ち麺という基礎をしっかり押さえつつ、さらにスープの具や麺の具がめくるめく織り成す創作麺の世界。

創作性と抜群の美味しさを両立させた冷たい担々つけ麺。
提供初日に食べ、良かったと実感。
「路ばた」の「限定麺」もあともう1回(私にとって)。
次は一体何だろうか?
この楽しみやワクワク感がなくなるのが、寂しい。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「アスパラと海老の冷やし担々つけそば」(2020年6月19日)

    限定麺「アスパラと海老の冷やし担々つけそば」(2020年6月19日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「アスパラと海老の冷やし担々つけそば」(2020年6月19日)

    限定麺「アスパラと海老の冷やし担々つけそば」(2020年6月19日)

  • 南部屋路ばた - 平打ち麺とアスパラ(2020年6月19日)

    平打ち麺とアスパラ(2020年6月19日)

  • 南部屋路ばた - 平打ち麺とアスパラ(別角度)(2020年6月19日)

    平打ち麺とアスパラ(別角度)(2020年6月19日)

  • 南部屋路ばた - 冷やし海老担々つけ汁(2020年6月19日)

    冷やし海老担々つけ汁(2020年6月19日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「アスパラと海老の冷やし担々つけそば」の説明書き(2020年6月19日)

    限定麺「アスパラと海老の冷やし担々つけそば」の説明書き(2020年6月19日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」外観(2020年6月19日)

    「南部屋路ばた」外観(2020年6月19日)

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2020/06訪問153回目

4.7

  • 料理・味4.7
  • サービス3.9
  • 雰囲気3.9
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「海老塩小麦もりそば(並盛)」。中力粉中心の中細麺を冷水で締めた固めシコシコ食感の麺を、海老と昆布のダシに塩ダレを合わせたさっぱりした冷たいつゆにつけるもりそば。海老油を入れると海老風味が増大!

6月14日(日)

旬の食材と専用の自家製麺を合わせ、見た目が美しく、もちろんとても美味しい「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の「限定麺」。

毎週違った限定麺を1年中提供してくれるのですから、本当に楽しみ。
無化調・自家製麺の高レベルの限定麺を、過去5年間楽しませてもらいました。
それもあと実質2週間。

「南部屋路ばた」では、限定麺のほか、こちらも無化調・自家製麺のレギュラー「鶏そば」「煮干しそば」を提供。
いずれも、東京の名店に遜色ない味なので、残りの日々どれを選択するか?悩みが尽きません。
今後もずっと「路ばた」の限定麺や「鶏そば」「煮干しそば」を食べ続けることができる方々が羨ましい!

今週の限定麺は、昨日(13日)から提供の始まった「海老塩小麦もりそば」。

時には東京よりも最高気温が高くなる盛岡。
そんな盛岡の初夏にぴったりの冷たい中華ざる。
シンプルな中華ざるのつゆを、海老と昆布のダシと塩ダレでつくるセンス。

麺も、自家製の平打ち麺、手もみ麺、細打ち麺の3種を用意。
通常、限定麺は大盛不可ですが、今回のみは大盛可。
並盛では当初平打ち麺1種類。
平打ち麺が無くなると細打ち麺のみという1種類。
大盛にすると、平打ち麺ないし細打ち麺と手もみ麺の2種類の麺を楽しめるという趣向。
手もみ麺が無くなると、大盛は終了。

私は、提供2日目の本日(14日)行ってきました。

○限定麺「海老塩小麦もりそば(並盛)」(800円)

提供初日の昨日(土曜)は、開店(11時)から2時間30分弱の13時27分に売り切れ。
今日は日曜で、昨日以上の混雑が予想されましたが、明日(月曜)まで待てず、一番混んでいる12時台に訪問。
なぜなら、13時を過ぎると、完売の可能性があるから(実際は14時20分過ぎに売り切れ)。

12時30分に盛岡市郊外の田園地帯にぽつんとある同店に着くと、既に店前の駐車場は15台の車で満杯。

店の入口には、券売機で食券を買うお客さんの列。

新型コロナ対策で、厨房に沿った(漫画本で隔てられていますが)カウンター席を4席に縮小。
店内待ち椅子を1席だけにしているので、食券を買ったあと、カウンター席やテーブル席、小上がりの席、待ち椅子などに座れないお客が店内→風除け室→屋外へと溢れる状況。

同店は「ろばたグループ」の一店で、町中華的な各種の手もみラーメン(化調)やチャーハンなどのメニューと、同店オリジナルの無化調・自家製麺の「限定麺」「鶏そば」「煮干しそば」の両方を提供。
調理は村山店主が1人で担当しています。

とくに土日は、町中華メニューを楽しむ家族連れと、「限定麺」等を求めるラーメン好きが混在。
大混雑となります。

幸い私は唯一の待ち椅子に座れ、10分ほどの待ち時間でカウンター席に移ることができました。

しかし、食券を買うときに痛恨のミス。

先に今回の限定麺では、並盛の場合、麺は1種類、大盛にすると麺が2種類になると述べました。
それは、店からの帰りに「路ばた」のTwitterを熟読してから分かったこと。

なぜ普段大盛を出さない限定麺で、今回あえて「今回大盛できます」と貼り紙をしてあるのか?そこに込められた村山店主の深い思いを見落とし、「大盛では量が多すぎる。並盛で十分」と即断。

「大盛」のみで提供される手もみ麺を食べ逃し、細打ち麺と手もみ麺の食べ比べという相盛りの醍醐味を自ら放棄することに。

今日は提供2日目で、既に12時30分。
並盛は平打ち麺が終了し、細打ち麺となっていました。

さて、数分の待ち時間のあと、ベテラン女性スタッフが「海老塩小麦もりそば」を運んでくれます。

盆の上に、麺と具の乗った大皿、つゆの入ったそば猪口、海老油が少量入っている碗の3点セット。

大皿にすだれが敷かれ、自家製麺の細打ち麺がたっぷり盛り付けられています。
まるで、大盛のような大量の量。
この時点で、大盛は「細打ち麺+手もみ麺」という組み合わせであること(当然麺量もさらに多くなるが)を知らず、「並盛」にして良かったと安堵するのですから、事前学習不足。

細打ち麺は、切り刃20番の角ストレート麺。
中力粉メインということから、岩手県産の中力粉「ねばりごし」をメインに、同じく岩手県産強力粉「銀河のちから」「ゆきちから」を少量ブレンドしていると推測。

麺肌を良くみると斑点が見られるので、小麦のふすまが練り込まれているのかも。

今回は、一人で調理に忙しい村山店主に聞くことができなかったので、加水率や麺量は推測ですが、加水率38%、麺量は並盛で200gとみましたが、誤っていたらごめんなさい。

卵麺で、薄い黄色の長い麺。
固めに茹でたあと、冷水で締めているので、麺は固め食感としっかりとしたコシや弾力を感じるシコシコ麺。
その一方で、ズルズルと啜れる醍醐味のあるしやなかさと喉ごしの良さをあわせ持つ麺です。

麺に添えられた具は多彩でカラフル。
ヤングコーン(ベビーコーン)、姫竹、半分に切って、さやだけでなく、豆も良く見えるスナップエンドウの揚げ浸し。
これらの旬の野菜のほか、二つ折りした薄ピンク色の豚ロース肉低温調理チャーシューと鶏モモ肉の皮付き照り焼き2枚。

涼しげなガラスのそば猪口に入ったそばつゆ。
灰色のつゆは、海老と昆布のダシに塩ダレを合わせたシンプルなもの。
少し飲んでみると、ちょうど良い塩加減の昆布ダシのつゆから、海老の風味が立ち上がってきます。

海老風味は決して濃厚なものでなく、冷たくさっぱりとした塩味と昆布の旨味のつゆに、海老の味わいがジャストな濃度で重なっているという感じ。
海老味を醸し出しながらも、さっぱりとした塩味の冷たいつゆ。

麺が長くて小さなそば猪口に入れるのに苦労しますが、小麦の香り豊かなシコシコしつつも、しなやかな麺を冷たくさっぱりとした海老味の塩つゆにつけて食べるときの美味しさは抜群。

具のヤングコーンはサクッとした歯触りと自然な甘味。
前回天ぷらだった姫竹。
今回は茹でているだけですが、それだけに姫竹特有の味わいがストレートに感じられます。

スナップエンドウは、逆に揚げ浸しにするという手の込んだ調理。
油で揚げたあと、ダシに浸けたスナップエンドウのさやは柔らかくなり、豆も含め、自然な甘味にダシの風味が加わり、もはや和食の領域。

豚ロース肉の低温調理チャーシューは程よい厚みと柔らかさ。
ロースハムをといっても良いチャーシューは、淡白な味付けですが、それだけに肉の旨味をそのまま感じます。

そして、前回に続く鶏モモ肉の皮付き照り焼き。
醤油や味醂などのタレを塗って焼き上げた照り焼きは、皮はパリパリ、肉はジューシーで、肉の旨味とタレの旨味が相乗した絶品。
それが2枚も入っているのですから、大満足。

そばつゆが少なくなってきたら、いよいよ小エビの入った海老油を投入して、麺をつけます。
海老の味わいがさらに増し、しかもオイリーになったそばつゆ。

最初から海老油を入れてしまうと、海老と昆布と塩の繊細なマリアージュが失われてしまいますが、やはり最後は海老の濃厚な味わいで締めたいもの。

並盛でも約200g(推測)の麺量で、もうお腹は一杯。
今の私には大盛は無理でしょう。
それでも、明日以降も大盛が残っていたら、大盛を注文することをオススメします。
欲を言えば、並盛でも2種の麺を盛ってくれないかな?

  • 南部屋路ばた - 限定麺「海老塩小麦もりそば(並盛)」(2020年6月14日)

    限定麺「海老塩小麦もりそば(並盛)」(2020年6月14日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「海老塩小麦もりそば」(2020年6月14日)

    限定麺「海老塩小麦もりそば」(2020年6月14日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2020年6月14日)

    麺と具(2020年6月14日)

  • 南部屋路ばた - 海老と昆布のダシに塩ダレを合わせた冷たいそばつゆ(2020年6月14日)

    海老と昆布のダシに塩ダレを合わせた冷たいそばつゆ(2020年6月14日)

  • 南部屋路ばた - 小エビの入った「海老油」(2020年6月14日)

    小エビの入った「海老油」(2020年6月14日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「海老塩小麦もりそば」の説明書き(「今もり大盛できます」の付箋があれば大盛(2種盛)可)(2020年6月14日)

    限定麺「海老塩小麦もりそば」の説明書き(「今もり大盛できます」の付箋があれば大盛(2種盛)可)(2020年6月14日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」入口(2020年6月14日)

    「南部屋路ばた」入口(2020年6月14日)

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2020/06訪問152回目

4.7

  • 料理・味4.7
  • サービス3.9
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」。浅蜊、昆布、鶏などのダシをブレンドした冷やし塩ラーメン。生姜オイルやおろしきゅうりが爽やかさを生み、姫竹の天ぷらを添えるなど、季節感を表現した和食料理のような一杯!

6月8日(月)

復活して3回目となる「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺。
待ちわびていたファンが多く、提供初日の土曜と2日目の日曜は大変な混雑だったらしい。
今回の限定麺は、暑い日々に冷やし塩ラーメンがうまくマッチ。
すごい人気ぶりです。

提供初日の6日(土)は、開店1時間半で、早々と売り切れ。
日曜こそ提供杯数を増やしたのか、14時過ぎまで提供されたものの、私の訪ねた本日(月)は、平日ながら開店1時間50分後の12時50分に完売。

明日(火)は定休日。
水曜以降提供されるかどうかは未知数。
詳細は、村山店主のTwitterをご参照ください。

○限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」(900円)

土日の売り切れ時間や日曜の提供杯数を推測。
本日(月)はおそらく提供数が少なく、13時前には完売と読んで(開店は11時)、店に12時30分に到着。

昼時ということもありますが、盛岡の中心部から離れた田園地帯。
バスは、平日1本しか走らないという辺鄙な場所。
にもかかわらず、駐車場は車で埋まっています。

もしや完売か?と嫌な予感を抱きながら、店に入り、券売機左横に限定麺の説明書きが貼ってあるかどうかドキドキ。
説明書きを発見して安堵。
しかし、私が入店した12時30分から20分過ぎた12時50分に訪れたお客さんは、「限定麺売り切れました」と通告されていました。

座ってから本当に速攻で提供された限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」。

到着した瞬間、あまりの美しい見た目に圧倒されます。
インスタ映えする創作ラーメンとしは、日本有数のラーメンといっても過言ではありません。

冷やし塩ラーメンらしく、薄め黄金色の澄みきったスープ。
スープには生姜オイルの大きな気泡が浮き、自家製麺の平打ち麺が綺麗に盛り付け。

それ以上に具の数々とそれらの盛り付け方が芸術的。
具の鶏モモ肉の皮付き照り焼き、豚ロース肉の低温調理チャーシュー、緑色の鮮やかなソラマメ2つ、姫竹の天ぷら、これも緑色のおろしきゅうり、三つ葉などが、丼の中央に集約され、積み上げられています。

細長い姫竹の天ぷらが2本、スープと麺に突き刺さるように交差して盛り付けられているビジュアルもユニーク。

具のなかで、姫竹とソラマメが旬の食材。
旬の食材を使い、見た目が美しく、味も最高の創作ラーメン。
もちろん無化調・自家製麺。

まずは、澄んだ冷たい塩スープから飲み始めます。
鶏が下支えをし、浅蜊と昆布の旨味が見事に重なり合った冷やし塩スープ。
表面に気泡をつくる生姜オイルがスープに混ざり合い、生姜の爽やかな風味が加わります。

塩カドが立つほどでもなく、かといってマイルド過ぎるわけでもなく、ちょうど良い塩加減。
塩ダレが旨味のあるダシを見事に引き立てています。

鶏+浅蜊+昆布+生姜の旨味がブレンドした冷たいさっぱりとしたスープ。
あまりの美味しさに、レンゲが止まりません。

ここで、一息ついてスープから麺に移ります。
やや厚みのある平打ち麺は、もちろん今回の限定麺専用の自家製麺。
村山店主が大忙しで、麺の詳細を聞けなかったのが残念。

ツルツルした食感の麺が冷水で締められ、適度なコシがありながら、噛むとモチモチした食感と小麦の風味。

切り刃は20番。
加水率は38%。
麺のツルモチな食感から、中力粉のねばりごしメインで、これに強力粉の銀河のちから、ゆきちからを少しブレンドした麺と推測。
麺量は160gでしょうか?

具の中で主役といえるのが、姫竹の天ぷら。
細長い姫竹のコリコリとした食感に天ぷらの衣のサクサク感が合わさり、2本だけでは物足りない美味しさ。

すりおろしたきゅうりの緑の上に、すりおろし生姜の黄色がのる色のコントラストの美しさ。
単に美しいだけでなく、冷たい塩スープに溶くと、涼しげなきゅうりの風味がふわっと漂うとともに、スープの生姜風味が高まります。

豚ロース肉の低温調理チャーシューは、薄ピンク色のやわらかで、生ハムのような淡白な味。

ソラマメのホクホクとした食感と淡い味わいが、初夏の季節感を感じさせます。

素晴らしいのが、鶏モモ肉の皮付きの照り焼き。
コロッとした小ぶりの照り焼きですが、肉厚で肉はジューシー、タレを塗って焼いた皮はパリパリというコントラスト。
タレの効いた比較的濃厚な照り焼きの味付けが、さっぱりとしたスープと淡白で繊細な具のなかで、存在感を放っています。

冷やし塩ラーメンのダシに浅蜊を浅利を使うとともに、隠し味の生姜。
姫竹の天ぷらとソラマメで季節感を表現。
ツルモチの自家製麺と意外性のある鶏モモ肉の照り焼き。
地味ながら、おろしきゅうりとおろし生姜で爽やかさを高めるなど、村山店主のセンスが冴えわたる一杯です。

もはやラーメンの域を超え、創作和食料理。
そんなラーメンを900円で食べることができる(東京なら確実に1000円超えでしょう)盛岡を離れるのが寂しい!

  • 南部屋路ばた - 限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」(2020年6月8日)

    限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」(2020年6月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」(2020年6月8日)

    限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」(2020年6月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」(2020年6月8日)

    限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」(2020年6月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」の説明書き(2020年6月8日)

    限定麺「姫竹と浅蜊の冷やし塩そば」の説明書き(2020年6月8日)

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2020/06訪問151回目

4.7

  • 料理・味4.7
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「塩そば」。新しい限定麺は季節感こそないが、鶏、昆布、節、煮干し、しじみほか多様な食材のダシをスープと塩ダレに使った見た目はシンプルだが、深い旨味がじんわりと感じられる極上の無化調塩ラーメン!

6月1日(月)

先週の土曜(5月31日)から始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。

「路ばた」の限定麺といえば、旬の食材を駆使した「ラーメンで季節を感じる」創作性の高い無化調・自家製麺のラーメン。

今回は「塩そば」ということで、村山店主のアナウンスにもあるように、たしかに「季節感はありません」。
でも、限定麺には村山店主の実験的なラーメンという側面もあります。
たしかに「普通の塩そば」ですが、何と鶏、昆布、節、干しシイタケ、干し海老、煮干し、しじみなど多様な食材からとったダシをスープや塩ダレに使うまさに「シンプルに複雑にしました」という言葉がぴったり。

しかも、「鶏そば」「煮干しそば」用の麺を使うのではなく、専用麺を使用。
「鶏そば」「煮干しそば」用の麺は強力粉メインで、小麦のふすま(表皮)を練り込んでいますが、「塩そば」専用麺は中力粉メインの卵麺。
小麦ふすまは使っていません。

最近、鶏と水だけのスープの塩ラーメンを食べることが多いのですが、多様な食材を使った「バランス型の極致」ともいえる塩ラーメンが食べたくなり、「路ばた」を訪れました。

○限定麺「塩そば」(900円)

13時少し前に「路ばた」に着くと、平日なのに、駐車場は車で一杯。
コロナ対策で、現在カウンター席を4席に減らし、お客の間のディスタンスをとっている同店。

これでは、店内待ちになるかなと懸念しましたが、幸いテーブル席や小上がりを利用するお客が多く、カウンター席は4席中2席が空いていました。

いつものように券売機横に貼られた限定麺と限定飯の説明書きに注目。
幸い、「塩そば」は売り切れてなく、ひと安心。
帰りにTwitterを見たら、「塩そば」は13時37分に完売したという。
あと30分到着が遅れたら、危ないところでした。

もう1つ。やはり土曜から提供の始まった限定飯「鮪ご飯」をねらっていましたが、こちらは説明書きが撤去され、日曜で売り切れたよう。
その代わりに、限定麺がもう一つ「にぼ白湯つけそば」(800年)。
つけそば用の平打ち麺があったので、今日ちょこっと用意したという。

「にぼ白湯つけそば」は、「背脂煮干しそば」「鶏楽つけ麺」などと同様、本格的な限定麺が切れたとき、つなぎの役割の限定麺。
既に何回か食べていますので、予定どおり「塩そば」の食券を購入(もちろん、食券を買う前後、横に置かれたアルコール消毒液で手指を消毒)。

カウンター席に座っていると、ベテラン女性スタッフが食券をとりにきます。

まわりを見ると、「塩そば」を食べている方が圧倒的。

まもなく女性スタッフが「塩そば」と別皿の具がのったお盆を運んでくれます。

例によって、この時点でマスクを外して、抗菌マスクケースに入れ(同店では、外したマスクをテーブルの上に置かないよう要請しています)、買物袋に収納したあと、持参のアルコールハンドスプレーで手指を消毒。
たしかに面倒ですが、今のうちにこの習慣をつけ、東京に越してからも、コロナ収束まで実践し続けることにします。

「塩そば」は、スープと麺とワンタンのみの「かけラーメン」的な塩ラーメンの丼。
それに、豚と鶏のチャーシューが3枚、穂先メンマと三つ葉2枚という具は、別皿盛り。

まずは「鶏そば」のスープと麺をじっくり味わうことに。
塩ラーメンらしく黄金色のスープですが、多様な食材から出たダシが融合した濃いめの色。
そして、麺線綺麗に盛り付けられた中細ストレート麺。
さらにワンタンが1つトッピング。

ネギなどの薬味も排した(ワンタンを除けば)完全なかけ塩ラーメン。

スープと塩ダレには、先に記したように、鶏、昆布、節、干しシイタケ、干し海老、煮干し、しじみなどのダシが使われています。
どれがスープのダシで、どれが塩ダレに合わせたダシなのか関心がありますが、上記の食材の多くはスープ用という。

塩ダレはマイルドで、多様な食材を重ねたさっぱりとしながら、コクと深みのあるスープを味わえるよう工夫されています。
まさに食材の旨味が混合。
一口で表現できない旨味たっぷりで、しかもすっきりとしたスープに驚かされます。
これが説明書きにある「シンプルに複雑にしました」の意味だったのかと改めて納得。

食後、マスク越しにこの話を村山店主にすると、村山店主はやや不満顔で、多様な食材の旨味が重なりあった味だけでなく、スープの温度変化により個々の食材の味も分かるようにしたかったという(例えば、スープ温度低下とともに、しじみの風味が浮かび上がってくるなど)。

一見シンプルなスープにここまで思い入れがあるのかと、村山店主の凄さを実感。

麺は切り刃20番。
いずれも岩手県産の中力粉「ねばりごし」をメインに、強力粉「銀河のちから」と「ゆきちから」を少しブレンドした加水率38%の角ストレート卵麺。

麺は中力粉メインの割にはポクポクとした食感。
やや固めでサクッとした歯切れの良い麺。
そして噛むとモチッとした食感。
麺自体の旨味も十分で、それがスープとのバランスを通して、塩スープの旨味を増すのに貢献。

この麺の感想を村山店主に話すと、本当はもっとしなやかな麺をめざしたというが、「路ばた」のお客さんは固めの麺が好きな人が多いので、麺を茹で切っていないため、ポクポクとした食感になっているという。

もっとしなやかな麺を希望する方は、食券を渡すときに「麺茹で切り」希望の旨を伝えて欲しいとのこと。
麺量は160g。

シンプルに見える「塩そば」のスープと麺にこんな作り手の思いが潜んでいたとは!
まだまだ勉強不足ですね。

唯一「塩そば」のスープに入っている具のワンタンは、トゥルンとした皮で、あっさりとした味付けの餡を包んだもっと食べたくなる美味しさ。

別皿の具は豚と鶏のチャーシューが3枚という豪華版。

豚ロース肉の低温調理チャーシューは、これまでの同店のロースハムのような淡白な味のチャーシューと違い、醤油ダレの風味と肩ロース肉に近い肉の旨味が一緒になった比較的濃厚な味。

豚バラ肉の煮豚は、しっかりとした味付けと、口の中でトロけるような柔らか。

厚めにカットされたしっとりとした食感の鶏ムネ肉低温調理チャーシューは、淡白な味のなかにも、ブラックペッパーのスパイス味が強めに出て、これまでの同店の鶏ムネ肉チャーシューの淡白な味とは一線を画しています。

穂先メンマは、比較的柔らかく煮込まれ、シャキッとした食感も残しながら、ほのかな甘味がいい味を出している上品な出来。

最後に、三つ葉2枚を塩スープに入れ、三つ葉の良い香りとともに、スープを飲み干します。

「鮪ご飯」がおわっていたのは残念でしたが、「普通」の「塩そば」に込められた村山店主の思いと、「普通ではない」美味しさや仕掛けなどを感じることができ、満足。

こんな素晴らしい「南部屋路ばた」の限定麺や鶏そば、煮干しそばなどと6月末にお別れになるのが本当に寂しい。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「塩そば」(2020年6月1日)

    限定麺「塩そば」(2020年6月1日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「塩そば」(2020年6月1日)

    限定麺「塩そば」(2020年6月1日)

  • 南部屋路ばた - ワンタン以外は具のないかけラーメン的な塩スープと麺(2020年6月1日)

    ワンタン以外は具のないかけラーメン的な塩スープと麺(2020年6月1日)

  • 南部屋路ばた - 別皿のチャーシュー、穂先メンマ、三つ葉(2020年6月1日)

    別皿のチャーシュー、穂先メンマ、三つ葉(2020年6月1日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「塩そば」の説明書き(2020年6月1日)

    限定麺「塩そば」の説明書き(2020年6月1日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「にぼ白湯そば」も提供(2020年6月1日)

    限定麺「にぼ白湯そば」も提供(2020年6月1日)

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2020/05訪問150回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「新じゃがつけそば」。新じゃがを鶏白湯と合わせたつけ汁。さらに新じゃがのペーストなど、すりつぶした新じゃがを縦横無尽に使ったつけそば。グリーンカール、紫キャベツなどの具が色を添える一品!

5月23日(土)

昨日は1日休養。
そんな日の夜に「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主がインスタと新設のTwitterで、久しぶりの限定麺を発表。

そういえば、「南部屋路ばた」は4月25日より、通常の「ラーメンで季節を表現する」創作性の高い「限定麺」を封印。
一応限定麺と銘打っていましたが、いわゆる「つなぎ」の「背脂煮干そば」や「鶏楽つけそば」などを代わりに提供。
むしろ、テイクアウトメニューに力を入れていました。

そして、5月23日からいよいよ通常の限定麺を再開。
無職になった私にはタクシーでしか行けない同店を訪ねるのは大変ですが、残り1か月少しの盛岡生活。
楽しませてくれた「南部屋路ばた」の「限定麺」再スタート初日とあっては、行かないわけには行きません。

○限定麺「新じゃがつけそば」(900円)

「南部屋路ばた」の限定麺再開を待っていたファンが多いので、今日は混みそう。
そう予想していつもより早く自宅から店に向かいました。

11時30分に店につくと、既に駐車場はかなり埋まっていました。
店の表扉、中扉も半分ほど開けられ、換気にも留意。

券売機横にはアルコール手指消毒液。
まず手指を消毒してから券売機で、900円の限定麺ボタンを押します。

カウンター席は4席のみで、席の間は十分スペースを確保。

まもなくベテラン女性スタッフが運んでくれた「新じゃがつけそば」。

説明書きには、「新じゃが鶏白湯」と書かれていたので、つけ汁は、とろみのある濃厚なホワイトの鶏白湯塩スープに、刻んだ新じゃががコロコロ入っているタイプと勝手に予想していました。

しかし、目の前のつけ汁は全く違うもの。
まるで、味噌汁のような色合いのスープ。
レンゲでかき混ぜると、具は入ってなく、すりつぶした新じゃがをさらっとした鶏白湯塩スープに合わせ、鶏白湯と新じゃがが完全に融合。
「これが新じゃが鶏白湯か」と納得。

麺と具の入った白い大皿は、つけそばや汁なし担々麺に使う中央が窪んでいるタイプ。
窪みに幅約4ミリの平打ち麺が盛り付けられ、具はグリーンカール(グリーンリーフ)、紫キャベツ、薄ピンクの燻製豚ロース肉の低温調理チャーシュー、そして味玉半分。

さらにブルーのレンゲが刺してあって、タルタルソースのようなペーストがのっています。
これが説明にある「じゃがいもペースト」。

グリーンカールの緑、紫キャベツの紫、豚チャーシューの薄ピンク、味玉の黄身のオレンジ、じゃがいもペーストの白など、色合いも見事。
美味しいだけでなく、見た目も美しいのが「路ばた」の限定麺。
インスタ映えするビジュアルです。

まずは麺から。
麺は、岩手県産の小麦粉「ゆきちから」「ねばりごし」「銀河のちから」をブレンド。
ふすま(小麦の表皮)入り。
加水率38%。
麺帯をうどん製麺機で約4ミリ幅で裁断。
麺量は約230g。

平打ち麺は茹でたあと、水で締め、盛り付けると、麺同士がくっついていまうのが難点。それでも平打ちらしい軽やかな食感と小麦の香りが楽しめます。
もちろん、麺が本領を発揮するのは、つけ汁につけてから。

つけ汁はさらっとしていますが、鶏白湯らしく鶏の旨味が濃厚。
塩味はやや強めですが、ここですりつぶした新じゃがが機能。

じゃがいもが鶏白湯にとろみをつけてはいませんが、味の面で鶏白湯とじゃがいもが見事にブレンド。
鶏白湯独特のクセをじゃがいもの風味がうまく和らげ、鶏白湯の旨味とじゃがいもの風味が混ざり合い、飲みやすいスープに。

これに平打ち麺をつけると、麺の絡みが解消。
平打ち麺がつけ汁と良く絡み、つけ汁の塩味、鶏の旨味、じゃがいもの風味と小麦の香り豊かな麺が一体化。
麺もつけ汁につけると、水を得た魚のように変身。
麺のツルツル感が戻り、軽やかな食感はそのままで、麺にモチモチ感が加わります。

ここで、「じゃがいもペースト」を麺にのせ、つけ汁につけると、スープのじゃがいもにペーストのじゃがいもがプラスされ、じゃがいもの風味が一気に増します。

さらにペーストにはブラックペッパーが入っていて、爽やかな辛味が良いアクセントに。
ちなみに、しゃがいもペーストは、じゃがいも、生クリーム、ブラックペッバー、塩ダレをブレンドしたもの。
あとで知ったのだが、村山店主によると、じゃがいもペーストは、つけ汁にドボンするのがオススメの食べ方。

シャシシャキしたレタスのような食感ですが、レタスのような苦味のない食べやすいグリーンカール。
グリーカールよりもしっかりとした食感の紫キャベツ。
この両者の色と食感、風味などの対照も、つけそばの魅力をアップ。

折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシューは、柔らかく淡白な味と思いきや、噛むと香ばしい燻製味が滲み出て、口のなかに旨味が広がります。

トロッとした黄身の濃厚な旨味が絶品の味玉半分も、美味しさ抜群。

麺や具を食べ終え、残ったつけ汁。
スープ割りを頼もうとして、少
し考えたあと、そのまま飲み干すことに。
すると、つけ汁の底にすりつぶしたじゃがいもの断片が微かに残っていて、じゃがいもの風味が最後になって増してきます。

すりつぶしてつけ汁に混ぜたり、別添えのペーストにするので、じゃがいもの原型は残らず、あのホクホク感こそ楽しむことはできませんが、随所にじゃがいもの味わいを感じるユニークな塩つけそば。
村山店主のセンスが発揮された一杯です。

12時すぎに店を出ると、駐車場の車はいつしか満車になっていました。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「新じゃがつけそば」(2020年5月23日)

    限定麺「新じゃがつけそば」(2020年5月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「新じゃがつけそば」(2020年5月23日)

    限定麺「新じゃがつけそば」(2020年5月23日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2020年5月23日)

    麺と具(2020年5月23日)

  • 南部屋路ばた - 新じゃが鶏白湯つけ汁(2020年5月23日)

    新じゃが鶏白湯つけ汁(2020年5月23日)

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    限定麺「新じゃがつけそば」の説明書き(2020年5月23日)

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    テイクアウトメニュー(2020年5月23日)

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2020/03訪問149回目

4.7

  • 料理・味4.7
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「鶏そば」(750円)。醤油の銘柄を少し入れ替え、醤油の種類も増やすとともに、醤油ダレに手を加えた「鶏そば」。美味しさ抜群の醤油ダレのコクや深みがさらにアップ。鶏ダシの旨味も加わる究極の醤油ラーメン!

3月27日(金)

3月ももう残すところあと数日。
ということは・・・。

ここ数日、「岩手拉麦会」の各店を回ってきましたが、ラストはもちろん「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
幸い、本日午前に上太田に比較的近い滝沢市役所で会議があり、ちょうど昼前に終了。
タクシーを呼んで約10分(約2,000円)で、「南部屋路ばた」の駐車場到着。

平日というのに、さすがに昼時(12時15分着)。
駐車場は満杯に近い状態。
店に入ると、カウンター席は満席!

習慣になっている券売機左の限定麺の説明書きをみようと思ったら、今日は限定麺なし。
昨日(26日)は、限定麺として「かに和え玉」が提供されたようですが、1日限り?
もっもそれは織り込み済み。
今日は限定麺ではなく、レギュラーの「鶏そば」を食べにきたのですから。

実は昨日から「鶏そば」と「煮干しそば」の塩ができることを知っていたので、まずは食券を買ったのちに、ベテラン女性スタッフに「鶏そば」の「塩」をお願いしました。
そして待ち椅子でのんびりとカウンター席が空くのを待っていたら、厨房から村山店主が登場。
「鶏そばの醤油ダレをかなりいじったんですよ」いう趣旨の発言。
もちろん、「路ばた」で「鶏そば」といえば「醤油」。
今日のように、時々「塩ダレ」を用意して、「塩できます」とアナウンスするときもありますが、「塩」は滅多に食べることができないレアアイテム。
でも、醤油ダレを大幅に変えてきたと聞いたからには、急いで「鶏そば」を「塩」から「醤油」に変更。

そのあと、すぐにカウンター席が空き、一番右端の席に。

相変わらずスピーディーに「鶏そば」が到着。

〇「鶏そば」(750円)

濃い琥珀色の鶏醤油スープに鶏油が垂らされ、油膜ができています。
はっとするような美しい麺線。
折り畳んだ麺が、鶏ダシの醤油スープに実に綺麗に盛り付けられています。
麺線を強調するように、具が片側に寄せられているのも「路ばた」の「鶏そば」の特徴。
具もいつものとおり。
こちらも折ったんだ豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
その下に豚バラ肉の柔らかく煮込んだチャーシュー(煮豚)。
さらにスープの中には穂先メンマが2本隠れています。
チャーシューの上に白髪ネギと青ネギの細切りを、これまた綺麗に和えてトッピング。

スープの色や麺の姿、具の種類なども、これまでどおり。
一体、どのように醤油ダレをいじったのだろうか。

まずはスープから。
レンゲでスープを一口飲むと、鶏の芳醇な旨味が到来しますが、すぐに醤油ダレの旨味がやってきて、両者が一体化した「鶏そば」本来の味に。

特筆すべきは、醤油ダレの旨味。
基本、従来の「鶏そば」の醤油ダレ、あるいは醤油ダレと鶏ダシのミックスの延長線上。
それでもスープを飲み進むごとに感じる醤油のコクと深み、そして香り。
もちろんキレも十分で、ときに甘味も感じますが、醤油の深みのある美味しさがどっと押し寄せ、圧倒されます。

かつて村山店主は「鶏そば」のねらいについて、「醤油の美味しさを味わって欲しい」と述べていました。
そのとおりで、「路ばた」の「鶏そば」は醤油ダレが群を抜く美味しさ。
この深みのあるコクと香りにキレが加わった旨味たっぷりの醤油味。
もちろん醤油に味醂や酒、フルーツ酢などが足されて、コクとキレがある醤油の旨味の極致にありながら、ほのかに甘味も感じる絶妙な醤油ダレ。
こんな美味しさ抜群の醤油ダレの仕上がりがさらにアップ。
醤油自体のコクや香りなどがさらにアップすると同時に、「醤油タレ」自体の旨味もアップ。
もう究極の醤油ダレとしか表現できません。

親鳥の丸鶏とπウォーターという「鶏と水」のみでとった鶏ダシ。
「路ばた」は「地鶏」を使わず、親鳥だけで、この豊かな鶏の旨味を抽出しているのですから、本当に素晴らしい。
でも、私的に本当の主役は「醤油」ないし「醤油ダレ」。

鶏ダシの旨味は醤油ダレの旨味を引き立てるためにあるといっても過言ではありません。
村山店主に聞くと、従来は5蔵(メーカー)の6種の醤油を使っていたという。
つまり、再仕込みやたまりや杉樽仕込み、そして生醤油3種類。
それを醤油のメーカーを少し入れ替えると同時に、さらに使用する醤油の種類を増やしたという。
そして、醤油ダレの醤油以外の食材にも手を加えたという。
もちろんスープ、醤油ダレともに無化調。

繰り返しになりますが、これまでの醤油ダレの味の延長線上にありながら、さらに醤油自体と醤油ダレトータルの旨味や深みがグレードアップ。

この究極の鶏醤油スープに合わせる麺は、岩手県産の「ゆきちから」に外麦と小麦のふすまをブレンドした自家製麺。
切り刃20番、加水率は36%の角ストレート麺。
従来のポクポクとした食感の麺に比べると、若干コシが減るとともに、逆にしなやかさが増した感のある麺。
噛むと、小麦のふすまが効いて小麦の風味が味わえるとともに、これまで以上のモチモチ感。
麺量は170g。

二つ折りにした豚ロース肉低温調理チャーシューは、薄めのスライスでロースハムを思わせる柔らかくて薄めの味付け。
しかし、口に含むと肉の旨味がじわーっと溢れてきます。
タレで十分煮込んだ豚バラ肉の煮豚は、ホロホロと崩れるような柔らかさでタレが滲みこんだ旨味と肉の旨味が相乗した絶品ともいう出来。

穂先メンマ2本(大ぶりの穂先メンマ1本と小ぶり2本のときもあり)は、比較的薄めの味付けですが、こちらもシャキシャキとして噛むとメンマ本来の旨味が広がります。

さっぱりとしたネギの風味が、比較的濃いめながら微かな甘みと塩加減ちょうど良い鶏醤油スープの中で、ちゃんと存在感を発揮。

盛岡市で「鶏と水」のみの鶏ダシのスープに醤油ダレを合わせた無化調・自家製麺の「鶏そば」といえば、「らあめん サンド」(盛岡市西青山)と「路ばた」が完成度という点で抜けています。
「サンド」の「鶏そば」が洗練さの極致にあるというなら、「路ばた」の「鶏そば」にはもう少し素朴な味わいを感じます。
どこか、きわめて上質な「鶏鍋」を思わせる鶏ダシの醤油スープ。

ともあれ、醤油の美味しさを十二分に堪能できる「路ばた」の「鶏そば」が、今回の醤油ダレのパワーアップで、さらに充実。

おそらく今週末に新しい限定麺が登場するでしょうから、限定麺か「鶏そば」かという嬉しい選択の悩みに直面すること確実です。

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2020年3月27日)

    「鶏そば」(2020年3月27日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2020年3月27日)

    「鶏そば」(2020年3月27日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2020年3月27日)

    「鶏そば」(2020年3月27日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」と「煮干しそば」は券売機左下の同じボタン(2020年3月27日)

    「鶏そば」と「煮干しそば」は券売機左下の同じボタン(2020年3月27日)

  • 南部屋路ばた - 本日は限定麺がない代わりに、鶏そばと煮干しそばは「塩」もできます(2020年3月27日)

    本日は限定麺がない代わりに、鶏そばと煮干しそばは「塩」もできます(2020年3月27日)

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2020/03訪問148回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」。モッチリとした太平打ち麺を蟹の濃厚な旨味が香る無化調味噌つけ汁に絡めるつけそば。甘味のある柔らかい春キャベツが甲殻類の濃厚な味に対する一服の清涼剤!

3月22日(日)

盛岡では、3月末の3連休は、初日が強風、2日目と3日目が雨が降り続く散々な天気。
とくに、今日は強い雨と昨日よりもぐっと下がった気温という悪条件。

そんな中で、提供された「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
前回の限定麺「鯛と桜のつけそば」が終了したあと、土日40食ずつ「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」を提供。
なくなり次第、終了という。

最近の「路ばた」の限定麺人気からすれば、週末に1日40食なんて、13時頃までには売り切れること確実。
そこで、提供2日目にあたる今日の昼前に「路ばた」に行ってきました。

○限定麺「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」(900円)

この激しい雨にもかかわらず、11時45分に「路ばた」に着くと、店前の駐車場には10台以上の車。
これが、退店時の12時10分頃には15台に増加。
岩手ナンバーや盛岡ナンバーに混じって、岩手県南の平泉ナンバー、そして、仙台ナンバーなどの車も。

券売機左の限定麺のPOPを見ると、幸い「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」は、まだありました。
それ以外に、鯛のアラが残っていることから、日曜に限って提供された限定麺「鯛塩そば」(800円)も。

もちろん、限定麺900円の食券を購入。
女性スタッフに食券を渡しながら、「春キャベツ」を頼みます。

幸い、カウンター席のほぼ中央が空いたので、そこに座ります。
周囲は、皆「春キャベツ」。
あとから入店したお客さんもほとんどが「春キャベツ」を注文。
これでは40食も、早い時間に売り切るること確実。
早めに来てよかったと実感。

約7~8分の待ち時間の間に、写真撮影した説明書きを読みながら、来るべき限定麺への想像を膨らませます。
ある意味、一番楽しい時間。

まもなく、男性スタッフが「春キャベツ」を運んでくれます。

つけそばらしく、麺と具の盛り付けられた丼とつけ汁が入った碗。

つけ汁は「味噌つけそば」とあるとおり、見た目は完全に「味噌汁」。
でも、鼻を近づけると、甲殻類の旨味が湯気と共に立ち上ります。

麺と具はなかなか贅沢。
麺が見えないほどの具。
まず、レンゲが差し込んであって、刻み玉ネギと栗蟹の「カニ味噌」が乗っています。

そして、さっと茹でられた薄緑の鮮やかな春キャベツ。
薄ピンク色のまるでロースハムのような豚ロース肉低温調理チャーシューが折り畳んでトッピング。
その他、短冊状の枕木メンマが2本。
オレンジ色の黄身がゼリー状に煮込んである味玉半分。

豚ロース肉チャーシューの薄いピンク色、春キャベツの薄緑色、味玉黄身のオレンジ色が映え、相変わらずインスタ映えするビジュアル。

これらの具の下に、太平打ち麺が盛り付けてあります。
そこで、まず麺をそのまま少し食べてみます。

幅約5ミリはある幅広の平打ち麺。
岩手県産小麦粉「ゆきちから」に外麦やふすまをブレンド。
加水率35%の麺を、うどん製麺機で裁断しています。

今日は休日だけあって、村山店主は猛烈な忙しさ。
さすがに声をかけるのがためらわれましたが、以前、「今年のゆきちからは粘りが足りない。そこで、外麦を混ぜている。鶏そばや煮干しそば用の麺も同様」と語っていたのを思い出しました。

まず麺を食べてみると、やや固めの食感ですが、小麦の甘味が十分感じられます。

さて、つけ汁は栗蟹の白湯スープにカニ油、味噌を合わせた比較的さらっとしたスープ。
見た目まるで味噌汁ですが、飲むと、栗蟹の濃厚な旨味が溢れます。
同じ甲殻類でも、海老ダシは良く使見かけますが、濃厚でありながら、海老に比べると、比較的クセのない味。
この栗蟹ダシ(栗蟹白湯)と味噌の風味が良く合い、スープを飲みやすくするだけでなく、太平打ち麺と実に良く絡みます。

少々固めの食感だった太平打ち麺は、熱々のつけ汁にくぐらせると、ツルツル感が生まれ、麺の歯応えが今度はモチモチ食感に変貌します。

太平打ち麺が蟹と味噌のつけ汁をどんどん持ち上げ、みるみるうちにつけ汁の残量が少なくなります。

薄ピンク色の折り畳んだ豚ロース肉低温調理チャーシュー。
見た目も味もロースハムに酷似。
柔らかくしっとりとして、しかも上品な薄味ですが、肉の旨味が詰め込まれています。

短冊状の枕木メンマは、柔らかく煮込んであって、やや甘めの味付け。

黄身がゼリー状で、濃厚な旨味の味玉半分も変わらぬ美味しさ。

そして、さっと茹でた薄緑鮮やかな春キャベツは、普通のキャベツに比べる柔らかく、しかも甘味があって、濃厚な栗蟹白湯+味噌スープに対する一服の清涼剤。

途中、レンゲに乗った栗蟹のカニ味噌と刻み玉ネギをつけ汁に溶くと、刻み玉ネギのシャキシャキ感に加え、つけ汁の蟹の風味がさらに濃くなります。

残ったつけ汁をスープ割り(あるのかな?)せずに、蟹の風味を堪能しながら、そのまま飲み干しました。

栗蟹の濃厚な旨味と味噌のドッキング。
そんな蟹の旨味たっぷりのつけ汁に太平打ち麺を絡め、春キャベツが季節感を添えるつけそば。

たった2日間で終わるのが惜しい出来です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」(2020年3月22日)

    限定麺「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」(2020年3月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」(2020年3月22日)

    限定麺「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」(2020年3月22日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2020年3月22日)

    麺と具(2020年3月22日)

  • 南部屋路ばた - 栗蟹白湯と味噌をブレンドした濃厚なつけ汁(2020年3月22日)

    栗蟹白湯と味噌をブレンドした濃厚なつけ汁(2020年3月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」の説明書き(2020年3月22日)

    限定麺「春キャベツと栗蟹の味噌つけそば」の説明書き(2020年3月22日)

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2020/03訪問147回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「鯛と桜のつけそば」。鯛のアラと頭からとったダシと塩ダレを合わせた鯛の旨味たっぷりの塩つけ汁に昆布水に浸かった平打ち麺を絡めるつけ麺。桜の花が麺に散らされ、桜の塩漬けを添えるなど桜づくしの一品!

3月15日(日)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)が昨日(14日)から提供を始めた限定麺「鯛と桜のつけそば」。

提供初日が土曜。
土曜午前の岩手ローカルの情報番組のラーメン特集で、「南部屋路ばた」と当日から販売開始の限定麺「鯛と桜のつけそば」が取り上げられたことから、限定麺を求め、お客が殺到。

50食を用意したものの、開店2時間後の13時には売り切れたという。

2日目の今日は日曜。
昨日以上の混雑が予想されるので、12時30分までに行かないと危ない!
そこで、朝食は豆乳、野菜ジュース、ヨーグルトだけにして、いつもより早めの11時30分に自宅を出発。

店には12時少し前に到着。
やはり駐車場は満車。
券売機の前には行列。
店内はカウンター席、テーブル席、小上がりのカウンター席、テーブル席も含めすべて満席。

幸い限定麺は売り切れておらず、食券をゲット。
待ち席も満席で、立って待つことに。
それでも、15分ほどでカウンター席に座ることができ、女性スタッフに食券を渡します。

厨房を覗くと、1人で調理を担当する村山店主は鬼のような忙しさ。

○限定麺「鯛と桜のつけそば」(900円)

この混雑状態でも、それほど待たずに「鯛と桜のつけそば」が着丼。

トロみのある昆布水に浸かった自家製の中細平打ちストレート麺。
良く見ると、昆布水に浸かった麺には、ピンク色の桜の花びらが散りばめられています。

具は、豚ロース肉の低温調理チャーシュー2枚。
厚めのレアなローストポークと白っぽい薄くスライスした低温調理チャーシューを組み合わせるなど、なかなか凝っています。
さらに緑の菜の花、短冊状の枕木メンマ3本、そして桜の塩漬けが2枚添えられています。

つけ汁は鯛の出汁の塩つけ汁。
小さくザク切りしたネギが表面をびっしりと覆っています。

まずはトロッとした昆布水を少し飲んだあと麺を食べてみます。

麺は、岩手県産の中力粉「ねばりごし」80%、強力粉「ゆきちから」20%をブレンドした切り刃20番、加水率38%の平打ちストレートの自家製麺。

中力粉メイン、強力粉サブの組み合わせが反映され、ツルツルとした喉ごし抜群の食感と歯切れの良さ、程よいモチモチ食感が組合わさった小麦の香り溢れる麺。
昆布水が絡み、桜の花がほのかな風味を添える麺は、つけ汁につけずに食べることができる美味しさ。

つけ汁は、鯛のアラと頭からじっくりとったダシを一晩寝かせて、塩ダレとブレンド。
仕上油はネギ油。

やや塩角が立っていますが、上品な鯛の旨味が感じられる繊細な風味のつけ汁。
塩ダレだけに、鯛の旨味がストレートに出ているのも出色。

つけ汁に麺をくぐらせると、昆布水をコーティングし、桜の花が混じる麺が鯛の旨味がつまった塩味のつけ汁に絡み、季節感を味で楽しむことができます。

具のチャーシューのうち、厚みのあるレアチャーシューは、柔らかく肉の旨味がつまっています。
薄めにスライスされたロース肉低温調理チャーシューも、柔らかいものの、味はさらに淡白。

短冊状のメンマは柔らかく煮込まれ、上品な甘味のある味付けがメンマ本来の旨味と重なり、絶品ともいえる出来。

少し苦味のある菜の花も、春の到来が近いことを味で伝えます。

さらに2枚の桜の塩漬け。
口に含むと、塩味の中から強い桜の風味が一杯に広がります。
そこで桜の塩漬け(2枚)を1枚残し、麺や昆布水と一緒に、最後につけ汁に投入。

すると、つけ汁の温度はさらに下がりますが、鯛の旨味と昆布の淡い風味、それに桜の塩漬けの風味が一体化。

桜の花の良い香りが余韻として残り、満足。

見た目だけでなく、味でも春の到来を感じることができる限定麺。
東京では、今回の限定麺の提供開始日(3月14日)に桜が開花しましたが、盛岡の桜の開花日はもう一月先。

「鯛と桜のつけそば」で、一足も二足も早く桜の開花を感じませんか。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛と桜のつけそば」(2020年3月15日)

    限定麺「鯛と桜のつけそば」(2020年3月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛と桜のつけそば」(2020年3月15日)

    限定麺「鯛と桜のつけそば」(2020年3月15日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2020年3月15日)

    麺と具(2020年3月15日)

  • 南部屋路ばた - 鯛ダシの塩つけ汁(2020年3月15日)

    鯛ダシの塩つけ汁(2020年3月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛と桜のつけそば」説明書き(2020年3月15日)

    限定麺「鯛と桜のつけそば」説明書き(2020年3月15日)

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2020/03訪問146回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「煮干しそば(塩)」。久々の塩煮干し。煮干しのハラワタや頭を使いながらも、温度管理で雑味を抑え、煮干しの「旨味」を最大限抽出するスタイルにさらに磨きがかかった無化調淡麗煮干しの到達点!

3月8日(日)

今日の盛岡は、昨日以上の暖かさ。
昼の時点で11℃というのは、4月はじめの陽気。
実は、今日こそラーメン休養日にして、明日月曜に「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)を訪れようと考えていました。

「路ばた」の限定麺は、ひな祭り限定の「はまぐり塩そば」が終了。
それに続き、「自然薯のつけそば」「鯛白湯つけそば」「鯛塩そば」の3品を一気に投入。

しかし、「鯛塩そば」「鯛白湯つけそば」は早々に終了。
今提供されているのは「自然薯のつけそば」のみ。

あまりの好天に誘われ、ラーメン休養日の決意ももろくも崩れ、今日は11時30過ぎという私としては早い時間に自宅を出発。

「路ばた」に着くと、ちょうどランチタイム。
しかし、休日のランチタイムはこんなものではありません。
今日は8割方の入りで、すんなりカウンター席に座ることができました。
普段なら、駐車場に入りきれない車が並び、店周辺の道路は混雑。
店内で待ち席で待たされるのは当たり前。

やはり新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出を控えるムードが、じわじわと効いているようです。

さて、注目の券売機左横の限定麺メニュー。
やはり、今日は前記のように「自然薯のつけそば」(900円)のみ。
これにしようかと食券を買おうとしたら、「本日、鶏、煮干し塩できます」の貼り紙が目に入りました。
その瞬間、限定麺から急きょ「煮干しそば(塩)」に変更。

限定麺にも未練はありますが、最近「限定麺」をねらうあまり、基本の「鶏そば」「煮干しそば」をあまり食べていない。
しかも、最近滅多に食べることのできない「塩」を食べる絶好のチャンス。
結局、「煮干しそば」の塩を注文。

○「煮干しそば(塩)」(750円)

カウンター席に座ってお冷やを飲んでいたら、5分も経たずに「煮干しそば(塩)」を女性スタッフが運んでくれました。
相変わらず提供スピードが速い!

写真では、かなり茶色っぽいスープに映っていますが、実物は茶色がかっているものの、もっと薄く透明感のあるスープ。

具は端に寄せて麺線の美しさを強調するレイアウト。
具の周辺には煮干しダシ特有の泡が立ち、スープの表面には煮干しオイル。

端に寄った具は、豚ロース肉の低温調理チャーシューと、その下に隠れている豚バラ肉の煮豚。
短冊切りの枕木メンマが3本。
白髪ネギに細切りの青ネギを混ぜた薬味が美しい!

熱々のスープから立ち上る湯気からは煮干しの良い香り。
我慢できずにレンゲでスープをいただくと、塩ダレだけに、煮干しの風味がストレートに到来。

背黒、白口、平子、ウルメの4種の煮干しと昆布からとったスープに3種の塩をブレンドした塩ダレを合わせ、煮干しオイルを垂らした動物系不使用・無化調の塩煮干しスープ。

塩味が立っているわけではなく、かといってマイルドでもなくちょうど良い具合。
そのため、煮干しの旨味を純粋に伝えます。
その煮干し感は、苦味やエグミなどの雑味を温度管理で抑え、4種の煮干しと昆布から抽出された「旨味」をクローズアップ。

ビター感は感じられず、純粋に煮干しの「旨味」を前面に押し出しています。
塩ダレが煮干しの旨味を好アシスト。
煮干し好きなら、誰でも美味しいと思える味。
煮干しの旨味が凝縮され、しかも昆布の旨味が絶妙にブレンド。
「淡麗煮干し」の到達点といえる風味に酔いしれます。
塩分濃度が適度なので、飲みやすさも抜群。

麺は「ゆきちから」「銀河のちから」とそれ以外の小麦を半分ずつブレンド。
ふすま(小麦の表皮)を練り込んだ自家製麺。
切り刃20番、加水率35%の角ストレート麺。

以前に比べポクポク感やザラザラ感が減った反面、小麦がギュッと詰まったもののツルツルとした食感。
しかも、モチモチ感よりも歯切れの良さを感じる麺。
小麦の香りの豊かさは変わりません。
麺量は160g。

豚ロース肉の低温調理チャーシューは柔らかく、ロースハムのような淡白な味わい。
対照的に食べると口の中でトロける豚バラ肉の煮豚は、濃いめの味付け。

シャキシャキとした食感の枕木メンマは薄めの味付け。

白髪ネギの食感とほのかな苦味が爽快感を加えているのも見逃せません。

ときに軽いエグミを感じる時があり、それが良いスパイスとなっていましたが、あくまでも「煮干しの旨味」を純粋かつ強めに感じさせるラーメン。
その方向性がさらに強まっていると感じました。

次回は、これも久々に「醤油ダレ」のバージョンを試したくなりました。

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(塩)」(2020年3月8日)

    「煮干しそば(塩)」(2020年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(塩)」(2020年3月8日)

    「煮干しそば(塩)」(2020年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(塩)」(2028年3月8日)

    「煮干しそば(塩)」(2028年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 「本日、鶏、煮干し塩できます。」(2020年3月8日)

    「本日、鶏、煮干し塩できます。」(2020年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 今日の限定麺は「自然薯のつけそば」(2020年3月8日)

    今日の限定麺は「自然薯のつけそば」(2020年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば・煮干しそば」のボタン(2020年3月8日)

    「鶏そば・煮干しそば」のボタン(2020年3月8日)

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2020/02訪問145回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「はまぐり塩そば」。「ひな祭り」恒例の限定「はまぐり塩そば」2020年バージョン。ハマグリと昆布、鰹節に加え、鶏などの「動物系」を使用。ポルチーニオイルを合わせた旨味たっぷりの塩ラーメン。

2月27日(木)

毎年2月最終週から提供される「ひな祭り」恒例の限定麺「はまぐり塩そば」。
従来はハマグリとホタテ、あるいはハマグリとホンビノス貝などシェルを中心に和ダシを加えた動物系不使用のスープでしたが、今年は鶏を加え、さらにポルチーニ茸をオリーブオイルに溶かした「ポルチーニオイル」を仕上げ油に使っているところが特徴。
もっとも昨年までも「ポルチーニオイル」を使っていたかも知れませんが(完全に記憶が飛んでいる)、今年は「ポルチーニ」の香りがしっかりと感じられつつ、貝ダシや和ダシとうまくバランスしたトータルな旨みが増したスープ。

〇限定麺「はまぐり塩そば」(900円)

今日は12時40分に「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に到着。
もちろん、目的は昨日(26日)から提供開始した限定麺「はまぐり塩そば」。

風除室を抜け、店内に入ると、平日の昼時らしい適度な混み方。
カウンター席も2つほど空いています。

早速、限定麺「はまぐり塩そば」の食券を買って、カウンター席に着席。
女性スタッフに食券を渡します。
それからが早かった。
ものの3分程度で、速攻で限定麺が到着。

眼前の限定麺「はまぐり塩そば」。
いつも書いていますが、写真ではどうしても茶色く映ってしまいますが、実物はもっと透明感のある黄金色のスープ。

塩スープにはポルチーニオイルが浮かび、自家製麺が綺麗に折りたたんで盛り付けられています。
具は、大きな豚ロース肉の低温調理チャーシューが1枚。
その上にピンクと白のコントラストが美しい「花麩」(桜麩)が乗り、「ひな祭り」らしさを演出。
花麩の左にある茶色いペーストは、「はまぐり塩そば」では毎年お馴染みのマッシュルームとポルチーニ茸のペースト。
それらの上に白髪ネギと三つ葉がたっぷり乗り、今回もインスタ映えするビジュアル。

スープを飲むと、昆布や鰹節、鶏ダシなどがブレンドされた芳醇な旨みの中からハマグリの風味がふわっと立ち上ってきます。
昨年、一昨年の動物系不使用で、シェルメインの塩スープに比べると、ハマグリ感は若干弱めですが、むしろ動物系を含むその他のダシの旨味、そしてポルチーニオイルの独特の旨味が見事に重なった中からハマグリの旨味がふんわりと感じられるという実に凝った味わい。

塩ダレはマイルド。
もちろん無化調のスープですが、旨味の強さは相当なもの。

綺麗に盛り付けられた麺は、切り刃20番、加水率35%の自家製麺。
中細角ストレート麺で、ふすまは練り込まれていません。
最初の食感はやや固めで、ボソボソとしたもの。
口に含むと、小麦がぎゅっと詰まった感のある歯応えのある麺。
それでいて、程良いモチモチ感もあります。
最初、食感的に加水率がもっと低いと感じたのですが、村山店主に聞くと35%の中加水麺。
従来の「はまぐり塩そば」では、もう少し加水率の高い滑らかな麺を使っていたのですが、今回のような硬質感と歯応えにモチモチ感ないし粘り気が加味された麺も、旨味強めのスープに負けない存在感を放っています。
麺量は160g。

具の大きな豚ロース肉低温調理チャーシューは、スープとは対照的に薄味で肉の旨味がダイレクトに感じられ、なかなかの噛み応え。

マッシュルームとポルチーニ茸の茶色いペーストをスープに溶くと、ペーストがポルチーニオイルと合わさり、ハマグリの風味からポルチーニ茸の風味に味変。
従来はマッシュルームとポルチーニ茸のペーストを溶かしても、スープの色が濁る程度でそれほど強いインパクトはなかったのですが、今回はポルチーニオイルとの相乗効果で、鮮明な味変を実現。
洋風な香りとベースの和風のスープとの対照が実に味わい深く、スープをどんどん飲んでしまいます。

花麩のモチっとした食感も楽しく、昨年はなかった白髪ネギが洋風感を増したスープに対する一服の清涼剤。

最後は三つ葉の香りで締める「ひな祭り」限定麺。
貝の旨味とポルチーニによる味変という趣旨は変わっていませんが、今回はあえて和ダシや鶏ダシの中でハマグリを相対化。
逆にポルチーニはオイルとペーストの両方で攻めるという姿勢?
それにより前半の和風感から後半の洋風感への見事な転換を演出する仕掛け。
一杯の無化調塩ラーメンにこれだけのアイデアを詰め込んだ村山店主の才気溢れる一杯。

3月2日(月)まで提供予定です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「はまぐり塩そば」(2020年2月27日)

    限定麺「はまぐり塩そば」(2020年2月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「はまぐり塩そば」(2020年2月27日)

    限定麺「はまぐり塩そば」(2020年2月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「はまぐり塩そば」(2020年2月27日)

    限定麺「はまぐり塩そば」(2020年2月27日)

  • 南部屋路ばた - 「はまぐり塩そば」の説明書き(2020年2月27日)

    「はまぐり塩そば」の説明書き(2020年2月27日)

  • 南部屋路ばた - 900円の限定麺ボタンを押して、食券を購入(2020年2月27日)

    900円の限定麺ボタンを押して、食券を購入(2020年2月27日)

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2020/02訪問144回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「白金豚正油そば」。白金豚の肉のみでダシをとったスープに醤油ダレを合わせた醤油感の強いラーメン。たっぷりトッピングされた白金豚背脂の甘味が醤油感を緩和。平打ちの麺やホロホロの豚角煮が激旨!

2月22日(土)

本日(22日)開店前にインスタで公表された「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺「白金豚正油そば」。
「おそらく本日のみです」という村山店主の気になるコメント。
文字通り今日1日のみの限定で、明日(23日)から次の限定麺が始まるということなのでしょうか。

やはり「本日のみ」となると、行かないわけには行かず、13時少し前に店に到着。
相変わらず県外ナンバーの車を含め、駐車場は満杯近い状態。
店内も満席近く。

本日の限定メニューは、先週から提供されている「和牛脂の和え玉」(200円)、そして新しい限定麺(本日のみか?)「白金豚正油そば」(900円)。
限定飯は「南部かしわ玉子かけご飯」(200円)。

もちろん「白金豚正油そば」を食べるため、限定麺の900円ボタンをポチリ。

幸い、カウンター席に空席が2つあったので、食券を女性スタッフに渡したあと、一番右端の席に着席。

座ってからほんの2~3分程度で、「白金豚正油そば」が出てきたのにはびっくり。
提供スピードの速さも相変わらず。

〇限定麺「白金豚正油そば」(900円)

到着した「白金豚正油そば」は、白金豚の肉だけでスープをとり、醤油ダレやチャーシューダレを合わせた琥珀色の濃い豚清湯醤油スープに、白金豚の背脂がびっしり。
スープを背脂が覆いつくしているといっても過言でない状態。
「白金豚正油そば」というより、「白金豚背脂そば」という命名の方がぴったりきます。
具は、白金豚の大きな角煮が3個ほど。さらに白金豚の大判バラ肉ロールチャーシューが1枚。
穂先メンマと緑と白のネギの笹切りが薬味として乗せられています。

豚肉だけのピュアな清湯スープに醤油ダレとチャーシューダレを合わせたスープは、さっぱりとしているものの、醤油感はかなりのもの。まさに「しょっぱめ」のスープ。
それでも、この醤油感の強さは、醤油好きには堪らないでしょう。

同じ動物系でも豚と鶏では醤油との相性も違います。
豚骨や豚肉の方が、清湯にすると、鶏にくらべ素材の旨味よりも醤油の風味をストレートに出す傾向。
とくに豚肉の場合はなおさら。
そのためさっぱりとしたスープですが、醤油感は過剰なほど。
当然ちょっとしょっぱめ。

この醤油感の強さを緩和するのが、びっしり敷き詰められた白金豚の「背脂」。
背脂が甘味とコクをプラスし、醤油の強さをある程度緩和。
醤油の尖ったスープから、しょっぱさはあるものの、よりマイルドでコクのある醤油スープにシフトさせます。

この味変を楽しむためにも、最初は背脂をどけて醤油スープのみ飲み、次いで背脂を混ぜた方が良いでしょう。

麺は幅3ミリ程度の平打ち気味のストレート麺。
切り刃20番、加水率35%の自家製麺です。

プリプリとた食感と噛むとモチっとした食感への変貌。
小麦の香り高い麺です。

使っている小麦は、超多忙の村山店主に聞く余裕がなかったので、岩手県産小麦「ゆきちから」「ねばりごし」「銀河のかおり」のブレンドと推測。
プリモチの平打ち麺が背脂と良く絡み、スープと脂分が麺が口の中で見事に融合。
麺量は160g。

今回の限定麺はチャーシューが独特。
何といっても、ホロホロに煮込み、箸で楽に切ることができる白金豚の角煮が3枚も入っていること。
味は濃いめで、かなり大きな角煮ですので、食べ応え十分。
これに加え、白金豚のバラ肉ロールチャーシューも1枚。
こちらは脂身が混ざり、味付けは角煮よりも若干薄め。
やはり、柔らかくてホロホロととけるような仕上がり。

穂先メンマは薄味ですが、やや甘めの味付け。
背脂や豚角煮、ロールチャーシューなど、肉や脂分の素材がやや過剰ななかで、地味ながらシャキシャキとしてほのかな苦みもある笹切りネギが薬味として存在感を発揮。

多少脂分が過剰ですが、それでも豚肉だけでとった清湯スープに醤油感が強くややしょっぱめなタレを合わせ、この強い醤油感を背脂でうまく中和させる無化調の豚肉清湯背脂醤油ラーメン。

鶏や煮干しとも違う、豚清湯、しかも豚肉清湯と醤油ダレとのマッチングと背脂の存在感を改めて感じさせてくれる限定麺でした。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「白金豚正油そば」(2020年2月22日)

    限定麺「白金豚正油そば」(2020年2月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「白金豚正油そば」(2020年2月22日)

    限定麺「白金豚正油そば」(2020年2月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「白金豚正油そば」(2020年2月22日)

    限定麺「白金豚正油そば」(2020年2月22日)

  • 南部屋路ばた - 「白金豚正油そば」の説明書き(2020年2月22日)

    「白金豚正油そば」の説明書き(2020年2月22日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」入口(2020年2月22日)

    「南部屋路ばた」入口(2020年2月22日)

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2020/02訪問143回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「蓮根と和牛すじの和えそば」+限定麺「和牛脂の和え玉」。脂たっぷりの牛すじの甘味と「刻み玉ネギ」「トレビス」「クレソン」の苦味や辛味がバランス。蓮根トッピングの和えそばと牛脂が細麺に絡む和え玉!

2月15日(土)

今日からスタートした「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺2種。
前回の限定麺「牛だし担々麺」に続き牛を使ったメニュー。

○限定麺「蓮根と和牛すじの和えそば」(900円)

今日の盛岡は4月はじめの陽気。
天気も良く、ウキウキした気分と言いたいところですが、昨日(2月14日)の昼夜ラーメンが老体に響いたのか、朝になってもなかなかお腹がすかない。

午前中の岩手ローカル情報番組(何と、私の好きな八幡平市の「麺屋 から草」が紹介されてました)を見たあと、昼のニュースをみながら、ようやく出発。
「路ばた」到着は13時。
当然、駐車場は満車。

店に入り、恒例の限定麺確認。
すると、前日アナウンスのあった「蓮根と和牛すじの和えそば」以外にもう一品限定麺があるではないか。

それが「和牛脂の和え玉」。
こちらは単品購入は不可で、「鶏そば」「煮干しそば」「限定麺」などとのセット購入。

両方とも和えそば。
しかも、いずれも牛を使ったメニュー。
さらに、両方食べると麺量は相当なものに。
ということで、一瞬和え玉をやめようと思いましたが、結局勢いで食券を2枚買ってしまいました。

カウンター席は満席。
約10分ほど待ったあと、空いた席に案内されました。

待っている途中に食券を渡したこともあり、すぐに「蓮根と牛すじの和えそば」が先に運ばれてきます。

黒の深い逆円錐形の丼に盛られた和えそばと具。
まずは、美しいビジュアルに目を奪われます。
麺が見えないほどたっぷりと乗った具の数々。

脂肪のついたプリっとした和牛の牛すじ。
紫キャベツに似た赤紫色の「トレビス」。
緑色のクレソン。
刻み玉ネギと糸唐辛子。
そして、薄紫の蓮根が4枚。
なかでも、トレビスの赤紫とクレソンの緑、刻み玉ネギの白、蓮根の薄紫のコントラストが出色。
今回もインスタ映えするビジュアル。

和えそばのスープは牛白湯と醤油ダレのブレンド。
平打ちの自家製麺がスープに和えられ、麺の上に先の具が乗っています。

美しい具を混ぜてしまうのはもったいないのですが、ここは和えそば。
具を容赦なく麺に混ぜ、麺をスープに和えて食べ始めます。

スープは牛白湯と醤油ダレをブレンドしたというだけあって、牛の濃厚な旨味。
それに、脂がたっぷりついた牛すじが合わさり、牛肉特有の甘味と脂っぽさが濃密。
牛肉好きには堪らない味。

麺は切り刃20番、加水率35%の平打ち麺。
使用小麦は、村山店主が大忙しで聞けなかったのですが、岩手県産小麦粉「ゆきちから」「ねばりごし」「銀河のちから」ブレンドの「ふすま」なしの麺でしょうか?

平打ち麺はツルツルとして、モチッとした食感。
コシも適度にあって、歯切れのよい麺です。
平打ち麺が牛白湯や牛すじの脂とよく絡み、濃厚な牛の旨味や甘味を増幅。
麺量は200g。

牛すじ以外の具の野菜は、単に色合いだけで添えられているわけではありません。
まずは、旬の野菜。
そして、牛の脂っぽさを消す役割。

赤紫色が美しい「トレビス」(赤チコリ)はちょうど今が旬。
「紫キャベツ」に似た色ですが、「トレビス」はキク科、「紫キャベツ」はアブラナ科と全くの別物。
葉は「紫キャベツ」よりも柔らかく、ほのかな苦味が特徴。

緑色のクレソン(旬は初秋から初春)は、ピリッとした辛さ。

それにシャキシャキとして、さわやかな苦味のある刻み玉ネギ。

この三者が牛すじや牛白湯スープと絡まり、牛の甘みや脂っぽさを抑え、牛の旨味やコクを残しながらも、さっぱりとした味わいに仕上げる役割。

そして商品名にもなっている蓮根。
薄紫色の蓮根はサクサクとした食感と淡白な味で、箸休めに絶好。

牛白湯と牛すじたけでは、牛の脂っぽさや甘味が過剰になるところを、トレビス、クレソン、刻み玉ネギなどと合わせて苦味や辛味とうまくバランス。
さらに蓮根を加えた創作系和えそば。
自家製平打ち麺の美味しさとあいまって、無化調の食べ応えのある一杯になっています。

○限定麺「和牛脂の和え玉」(200円)

「蓮根と和牛すじの和えそば」を食べ終える頃に、女性スタッフが「和え玉」を持ってきてくれます。

少し深めの皿に盛られた和え玉。
タレは牛脂と醤油のブレンド。
それに切り刃20番、加水率35%の麺が和えられています。
切り刃は20番ですが、麺は文字通り細麺で、見た目や食感的には24番に近いもの。

こちらは麺をみると斑点があるので、小麦のふすまを練り込んでいる模様。
麺には刻み玉ネギとサイコロ状のチャーシュー(豚ロース肉と鶏ムネ肉か?)がトッピング。

こちらもタレに牛脂を使っているだけに、牛の旨味と脂っぽさが目立ちます。
オイリーなタレにシコシコとした食感の細麺が絡み、刻み玉ネギのシャキシャキ感と苦味が爽やかさを添え、さらにコロチャーがコクや風味を加えます。

「和え玉」単体としては良くできていますが、「蓮根と和牛すじの和えそば」とセットで食べると、さすがに牛続きで、少々飽きがきます。
「和えそば」自体が「鶏そば」「煮干しそば」の160gよりも40g多い200gの麺量。
「和えそば」と「和え玉」合計で300gは、さすがに多すぎました。

「和え玉」は、淡麗系の「鶏そば」「煮干しそば」とセットにした方がより美味しく食べることが出来るでしょう。
「蓮根と和牛すじの和えそば」は、「和え玉」とセットにせず、単体で頼んだ方が良いでしょう。

もちろん、牛肉大好きな方は「和えそば」「和え玉」の両方を頼んで、和牛の甘味と旨味とオイリー感を味わい尽くしてください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「蓮根と和牛すじの和えそば」(2020年2月15日)

    限定麺「蓮根と和牛すじの和えそば」(2020年2月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「蓮根と和牛すじの和えそば」(2020年2月15日)

    限定麺「蓮根と和牛すじの和えそば」(2020年2月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「和牛脂の和え玉」(2020年2月15日)

    限定麺「和牛脂の和え玉」(2020年2月15日)

  • 南部屋路ばた - 「蓮根と和牛すじの和えそば」の説明書き(2020年2月15日)

    「蓮根と和牛すじの和えそば」の説明書き(2020年2月15日)

  • 南部屋路ばた - 「和牛脂の和え玉」の説明書き(2020年2月15日)

    「和牛脂の和え玉」の説明書き(2020年2月15日)

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2020/02訪問142回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「牛だし担々麺」。牛骨と香味野菜を煮込んだ濃厚な牛白湯スープがベース。牛ダシや牛ミンチ、芝麻醤などの甘さにラー油のピり辛さと花山椒の痺れをプラス。モチモチの自家製麺が担々スープにぴったり!

2月10日(月)

昨日(9日)は、当日のみ25食ほどしか提供されたかった限定麺「ZERO煮干しそば」(前回のレビューを参照)を優先したため、提供開始から3日目にしてようやく食べることのできた限定麺「牛だし担々麺」。

今日(10日)は、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)からタクシーで約10分程度の距離にある滝沢市役所で13時30分から会議。
それに合わせ、12時20分頃に店を訪れました。
平日だけあって、昨日よりも少なかったものの、岩手ナンバー、盛岡ナンバーに混じって庄内ナンバーの車を発見。

店に入ると、やはり「ZERO煮干しそば」の説明書きは撤去され、今日の限定麺は「牛だし担々麺」のみ。
早速900円の食券を購入。
食券をスタッフに渡し、カウンター席に座り、限定麺の到着を待ちます。

〇限定麺「牛だし担々麺」(900円)

約7~8分待って着丼した限定麺の「牛だし担々麺」。
黒い丼に芝麻醤メインの黄色がかったクリーム色のスープ。
そこにキャンバスに絵の具を流したように真っ赤なラー油が混じる「路ばた」ならではの「担々スープ」。
スープには花山椒も浮かんでいます。

牛ミンチの肉味噌がたっぷりと添えられ、中央には具の白いセロリの甘酢漬けが3本。
その上に白髪ネギと青ネギ、糸唐辛子など。
さらに、坦々スープには、寒締めホウレン草のおひたしがのっています。

インスタ映えすること確実な美しさ。
スープや具の織り成すカラフルなビジュアルを壊すのが勿体ないくらい。

まずはスープから飲み始めると、牛骨とセロリなどを良く煮込んだクリーミーな白湯スープに芝麻醤のゴマ風味がブレンドさされた甘味とコクのあるスープ。
甘く炒めた牛ミンチの肉味噌を溶かすと、スープの甘味がさらに増します。

しかし、そこにラー油のピリ辛さと花山椒の痺れが切り込んできて、「担々麺」らしい甘味と辛みと痺れの混じったスープに。
今回は結構ラー油や花山椒が効いていて、ときには牛ダシや芝麻醤の甘味を凌駕するようなピリ辛さと痺れ。
かなり本格的な担々麺のスープ。
もちろん無化調です。

麺は、岩手県産小麦「ゆきちから」「ねばりごし」「銀河のちから」をブレンドした切り刃20番、加水率34%の「小麦ふすま」なしの角ストレート麺。
強力粉と中力粉がうまくブレンドされた麺は、ふわっとしたソフトな食感と噛むと半端じゃないモチモチ感。
小麦の甘さとモチモチ感を見事に一体化させた自家製麺。
この麺がクリーミーな担々スープを良く持ち上げ、麺の旨味とゴマ風味と牛ダシのコクのあるスープ、それにピリ辛さと痺れが口の中で融合。
自家製麺と担々スープの旨味を存分に楽しむことができます。
麺量は160g。

具の中で異色なのが、セロリの甘酢漬けと寒締めホウレン草のおひたし。
シャキシャキとした食感と甘酸っぱさが特徴のさっぱりとした甘酢漬けが、濃厚なゴマと牛ダシのスープの良い意味での口直しに。

しっとりとして柔らかく、微かな甘みさえ感じる寒締めホウレン草のおひたしは、「牛だし担々麺」に早春の季節感を与える重要な役割。

村山店主お得意の芝麻醤にラー油を流し、花山椒を振りかけた担々麺。
今回は牛骨と香味野菜の濃厚でクリーミーな白湯スープがベース。
これに牛ミンチの肉味噌を添える牛づくしのコクと甘味の一方で、辛味や痺れもしっかりと効かせ、凡人には思いもつかないセロリの甘酢漬けと寒締めホウレン草のトッピング。
強力粉と中力粉のブレンド加減絶妙の自家製麺のモチモチ麺など、創作性と美味しさを両立させた村山店主の才気ほとばしる創作系担々麺です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「牛だし担々麺」(2020年2月10日)

    限定麺「牛だし担々麺」(2020年2月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「牛だし担々麺」(2020年2月10日)

    限定麺「牛だし担々麺」(2020年2月10日)

  • 南部屋路ばた - 「牛だし担々麺」の説明書き(2020年2月10日)

    「牛だし担々麺」の説明書き(2020年2月10日)

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2020/02訪問141回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「ZERO煮干しそば」。醤油や塩などのタレを使わず、煮干しのエグミや魚感などを前面に出したニボラー歓喜のラーメン。煮干し二段仕込みでニボ度高めだが、昆布ダシを使い、飲みやすく仕上げたのはさすが!

2月9日(日)

盛岡市の郊外、田んぼの真ん中にある「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
村山店主の祖父が創業した「ろばたグループ」の一店だが、大衆的な手もみラーメン以外に、製麺機を導入。
岩手県産小麦を使った自家製麺と無化調スープの「鶏そば」「煮干しそば」が評判に。
さらに和食や洋食など村山店主の豊富な経験を生かした「ラーメンで季節感を表現する」無化調・自家製麺の「限定麺」をほぼ週替りで提供。
これがあの名店「饗 くろ喜」(秋葉原)の限定麺を彷彿させる独創性とレベルの高さ。

今では盛岡やその周辺にとどまらず、岩手全県、そして東北6県からもラーメンファンが訪れる岩手を代表する名店に。

そんな「路ばた」の「まつも鶏つけそば」に続く限定麺が、昨日(8日)からスタートした「牛だし担々麺」。
昨日は仕事で食べに行けなかったため、今日行こうとしたら、昨晩のインスタで本日のみの限定麺が突如発表。
それが「ZERO煮干しそば」。

「限定麺」の中には、「季節感」のあるメニュー以外に、村山店主の実験的なメニューも混じっています。
そうしたメニューは1日限りや数日間しか提供されないハードルの高い一杯。
発見したら、即食べに行かないと食べ逃すこと必至。

今回の「ZERO煮干しそば」は、同店の「煮干しそば」をベースに、何と醤油や塩などタレを使わず、しかも煮干しを二段仕込みした煮干し濃度の高い淡麗煮干しラーメン。

村山店主は「けっこうエグいです。私は苦手です」と書いていますが、タレを使わず、煮干しの塩分だけのエグい煮干しラーメン(もちろん無化調)なんて、ニボラーなら絶対逃せないメニュー。

しかも、25食ほどしか提供されないとあっては、食べないと後悔する。
ということで、昨日の仕事で疲れた体に鞭を打ち、今日の11時過ぎに自宅を出発。

11時40分過ぎに「路ばた」に到着。
すると、店前の駐車場は車で一杯。
もう売り切れか?と危機感をもちつつ、祈る気持ちで券売機横の説明書きを見ると、「牛だし担々麺」の説明書きの上に「ZERO煮干しそば」の説明書きがありました!

村山店主は売り切れると、限定麺の説明書きを外してしまうので、早く来て良かったと自分を誉めました。

店内とお客で一杯ですが、幸いカウンター席の一番右端に空きを見つけ、ベテラン女性スタッフを食感を渡しました。

○限定麺「ZERO煮干しそば」(800円)

相変わらず、座るなり速攻で到着した「ZERO煮干しそば」。
タレの入っていないスープは、「塩煮干し」のようなビジュアル。
スープには煮干し油が背脂のように浮かび、気泡も立っています。
湯気とともに、煮干しの良い香りが漂ってきます。

麺や具は「煮干しそば」と一緒。
小麦のふすまを入りの自家製中細ストレート麺が麺線綺麗に盛り付けられ、具は折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシューと、その下に隠れるように入っている豚バラ肉のチャーシュー。
枕木メンマ2本と薬味の細切りネギ。

背黒、白口、平子、ウルメの4種類の煮干しと水だけでとったダシに、さらに追い煮干しをする「二段仕込み」。
タレは一切加えず、煮干しから出る塩分のみ。
煮干し以外に昆布ダシをブレンドしているところは、「煮干しそば」同様。

スープを飲むと、ダシを使わず、追い煮干しをしているだけあって、煮干しのエグミと適度の魚感がストレートに押し寄せてきます。
村山店主はエグミの強い煮干しそばは好まないようですが、私はエグミや魚臭さは大好き。
淡麗煮干しで、これだけアタック感の強い煮干しそのもののダシは滅多にないでしょう。
さすがタレがゼロだけあります。

それでもエグミや魚感が過剰にならずに食べやすいのは、昆布ダシの効果。
個人的には、実験的に昆布を使わず、もっとエグい煮干しそばも食べてみたいのですが、それはエグミが苦手の村山店主が許さないでしょう(笑)
もちろん、スープは無化調。
頭やはらわたも一緒につぶして投入した大量の煮干しから出る塩分が、塩ダレのように効いています。

麺は、岩手県産小麦粉「ゆきちから」「銀河のちから」をブレンド。
小麦のふすまを混ぜた自家製麺。
切り刃20番、加水率35%の角ストレート麺。
ポクポクとした素朴な食感の小麦香る麺。
噛むと、今度はモチッとした食感。
「鶏そば」「煮干しそば」に使う麺ですが、エグミのある煮干し濃度の強い今回のスープにも実に良く合っています。
麺量は160g。

豚ロース肉チャーシューは、ロースハムのような柔らかく淡白な味ながら、肉の旨味を十分味わえる出来。
ホロホロとして口の中でとけるような豚バラ肉チャーシューは、しっかりとした味付け。
2枚のチャーシューの対照的な味付けや食感が楽しませてくれます。

2本の枕木メンマは良く煮込んだ柔らかい食感と薄味ですが、噛むとメンマ本来の味が堪能できます。

薬味の細切りネギの苦味とシャキッとした食感が、エグイ煮干しそばに爽やかさを添え、さっぱりと食べ終えることができます。

食後に村山店主に聞くと、「ZERO煮干しそば」は残りわずかだという。
オープンの11時から1時間も経ってないのに売り切れ間近とは!
いつもより早く来て良かったと、改めて思わずにはいられませんでした。

明日(10日)は、午後「路ばた」から比較的近い(それでも交通手段がないので、タクシー必須ですが)滝沢市役所で会議があるので、昼食に限定麺「牛だし担々麺」を食べる予定。
今から楽しみです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ZERO煮干しそば」(2020年2月9日)

    限定麺「ZERO煮干しそば」(2020年2月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ZERO煮干しそば」(2020年2月9日)

    限定麺「ZERO煮干しそば」(2020年2月9日)

  • 南部屋路ばた - 「ZERO煮干そば」の説明書き(2020年2月9日)

    「ZERO煮干そば」の説明書き(2020年2月9日)

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2020/02訪問140回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「まつも鶏つけそば」。岩手県産小麦粉「ネバリゴシ」100%のツルツルの平打ち麺と鶏ダシに醤油・塩ミックスのつけ汁の組み合わせ。具の「まつも」(松藻)のシャキシャキ食感と磯の香りが良いアクセント!

2月1日(土)

2月のラーメン食べ始めは、やはり「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺。
幸い、今日から新しい限定麺「まつも鶏つけそば」がスタート。
早速行ってきました。

○限定麺「まつも鶏つけそば」(900円)

13時少し過ぎに店につくと、土曜というのが信じられないほどの駐車台数の少なさ。
店に入っても、カウンター席には先客1人のみ。
いつも混雑している土曜昼過ぎといえど、こんなときがあるんですね。

もっとも、カウンター席に座り、限定麺を待っていると、次々にお客が入店。
私が店を出る頃には、駐車場が満杯に。
空いていたのは一瞬だったのですね。
でも、そのエアポケットのような時間帯に入店できたのはラッキー。

相変わらず、速攻で「まつも鶏つけそば」の麺と具、そしてつけ汁がお盆にのって運ばれてきました。

麺は岩手県産小麦粉(中力粉)「ネバリゴシ」100%の自家製麺。
平打ち麺です。
麺の上には、大きな豚ロース肉低温調理チャーシューが折り畳んで1枚のせられています。

麺と豚チャーシューの上には、おろし生姜とスダチ一切れ、そして生の「まつも」(松藻)、三つ葉3枚がトッピング。

つけ汁のなかに、鶏ムネ肉低温調理チャーシューが隠れていて、さらに小口切りのネギが散らしてあります。

トロトロの昆布水に浸った麺。
麺は加水率35%。
麺帯をうどん製麺機で約3ミリ幅で裁断した平打ち麺。

昆布水をまとった麺は「ネバリゴシ」100%だけあって、ツルツルと啜れ、喉越しが抜群。
しかも、小麦の甘味が昆布ダシの旨味とうまくマッチ。
歯切れの良さも十分。
麺量は220g。

つけ汁は、鶏ダシに醤油と塩の両方のタレを合わせています。
塩角の立つ手前ぐらいの塩加減を基調に、醤油の香りが鶏の旨味とともにほんのりと加わる絶妙なバランス感のつけ汁。
鶏と塩と醤油のミックスが素晴らしすぎて、しばし麺を忘れ、レンゲでどんどんつけ汁を飲んで飲んでしまいます。
もちろん、スープもタレも無化調。

昆布水をコーティングしたツルツルの麺を熱々のさっぱりとしたつけ汁につけて啜るときの快感は、筆舌に尽くしがたいもの。
昆布の旨味と鶏の旨味がドッキング。
旨味の増したつけ汁が平打ち麺に絡み、昆布水つけ麺の世界に引き込まれます。

つけそばの魅力をさらに高めているのが具の数々。

大きな豚ロース肉の低温調理チャーシューは、赤身にレア感があり、しっとりとしているとともに、柔らかく食べやすいチャーシュー。
味付けは最小限で、肉の旨味をダイレクトに楽しむことができます。

つけ汁のなかに隠れている鶏ムネ肉の低温調理チャーシューも、しっとりとした食感とブラックペッパーのスパイス風味がほのかに感じられる出来。

塩ダレだけに比べると、醤油の香りや旨味が程よく重なるつけ汁。
塩ダレの良さと醤油ダレの良さのいいとこ取りをしたようなつけ汁です。

これだけでもつけ汁として不足はないのですが、おろし生姜を溶かすと、生姜の風味と辛味が加わり、最初の味変。

次にすだちを麺にしぼってつけ汁につけると、今度は爽やかな酸味と柑橘系の香りが添えられ、第二の味変。

そして、メニュー名になっている生の「まつも」(松藻)。
三陸の初春の名物である「まつも」
は、岩場に自生する海藻。
松の葉に形が似ていることから「マツモ」と呼ばれ、酢で和えた「まつも酢」が代表的な料理。

ぬめりがある一方、シャキシャキとした食感、そして強い磯の香りが特徴。
この「まつも」の風味や食感が、つけ汁がさっぱりしているだけに、良いアクセントになっています。
「まつも」をそのまま食べても良し、麺と一緒につけ汁に絡めても良し。
三陸海岸の初春の味を堪能できます。

麺が残り少なくなったら、トロトロの昆布水や三つ葉と一緒につけ汁にドボン。

つけ汁の昆布水割りに三つ葉の良い香りが加味され、少しトロみのついたつけ汁を最後の一滴まで飲み干すことができます。

ネバリゴシ100%のツルツルの自家製平打ち麺、鶏ダシに塩だけ、醤油だけを合わせるのではなく、醤油と塩をミックスしたタレを合わせるセンス、そして意外性のある「まつも」のトッピングなど、創作性に満ちたつけそば。

食べるべき一杯です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「まつも鶏つけそば」(2020年2月1日)

    限定麺「まつも鶏つけそば」(2020年2月1日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「まつも鶏つけそば」(2020年2月1日)

    限定麺「まつも鶏つけそば」(2020年2月1日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2020年2月1日)

    麺と具(2020年2月1日)

  • 南部屋路ばた - 鶏ダシと醤油・塩のミックスダレのつけ汁(2020年2月1日)

    鶏ダシと醤油・塩のミックスダレのつけ汁(2020年2月1日)

  • 南部屋路ばた - 昆布水、麺、三つ葉をつけ汁にドボン(2020年2月1日)

    昆布水、麺、三つ葉をつけ汁にドボン(2020年2月1日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「まつも鶏つけそば」の説明書き(2020年2月1日)

    限定麺「まつも鶏つけそば」の説明書き(2020年2月1日)

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2020/01訪問139回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「早採りわかめそば」と限定飯「ぶりご飯」。昆布と節、煮干しのスープに醤油ダレを加え、早採りワカメたっぷりの磯ラーメン風。後半はおろし生姜を溶かし生姜風味に味変。脂ののった「ブリ」の漬けも絶品!

1月24日(金)

今朝、朝食をとっていたら、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主からインスタが届いていました。
今日から始まる新しい限定麺と限定飯の案内。

限定麺は動物系不使用の昆布メインのスープに早採りワカメをたっぷりトッピングした「早採りわかめそば」。
限定飯は「ぶりご飯」(ブリの漬け丼)。

一昨日(水曜)食べた「南部かしわの塩そば」は10食ほど残っているという。

それにしても、「路ばた」限定麺の最近の更新サイクルは速いですね。

中1日で「路ばた」というのも、あまりにも通いすぎる。
これではタクシー代だけで、給料がなくなりそうと悲鳴を上げながらも、結局行ってしまいました(笑)

〇限定麺「早採りわかめそば」(900円)+限定飯「ぶりご飯」(300円)

13時少し前に「路ばた」に到着。
平日のお昼時を過ぎたのだから、空いているのではないか?
そんな予想(期待)は見事に外れ、駐車場は車で一杯。

店内に入ると、限定麺「南部かしわ塩そば」の説明書きは既に撤去(売り切れ)。
説明書きは限定「早採りわかめそば」と限定飯「ぶりご飯」の2枚。

早速、食券を購入。
カウンター席の空いている席に座ります。

私が座った頃から、店が比較的落ち着いてきて、空席が目立つように。
やはり平日は常時混んでいるわけではなく、落ち着いて食べることができるので、良いですね。

まもなく最初に「早採りわかめそば」、次に「ぶりご飯」が着丼。
写真を撮影したのち、スマホで撮った説明書きを読みながら、まずは「早採りわかめそ」から。

まず驚くのは、スープが完全に隠れてしまうほどの大量の早採りワカメ。
中央に大きな豚バラ肉の肉厚のロールチャーシュー。
その上におろし生姜と刻み玉ネギ、糸唐辛子がトッピング。

説明書きによると、昆布、鯖節、鰹節、煮干しのダシにたっぷりのワカメ。

スープはやや濁りのある琥珀色。
あとで村山店主に確認しましたが、タレは醤油。
しかし、スープを飲むと、昆布の旨みがメイン。
これに節類と煮干しで厚みをつけています。
醤油ダレは、軽く合わせたという程度で、それほど強くはありません。
仕上油には鶏油を使っています。

(鶏油以外は)動物系不使用で、醤油味も軽めの昆布+節+煮干しのスープ。
1~2月に三陸で採れる早採りワカメは柔らかく、磯の風味豊か。
そんな早採りワカメがこんなに入っているのですから、ワカメの磯の風味がスープにブレンドされ、たとえは悪いのですが、高級な磯ラーメンを食べているかのよう。

麺は、「鶏そば」「煮干しそば」用の切り刃20番、加水率35%の角ストレート自家製麺。
岩手県産「ゆきちから」と「銀河のちから」に小麦のふすまを混ぜた小麦の香り豊かな麺。
ただし、一昨日食べた「南部地鶏塩そば」(やはり、鶏ダシのスープに貝ダシを少量入れているという)でも同じ麺を使っていますが、ポクポクとした食感よりもやや滑らかな食感。
もしかしたら、茹で時間をほんの少し長めにとっているのかな?(全くの想像です)
噛むと、モチっとした食感。
麺量は160g。

肉厚の大きな豚バラ肉ロールチャーシューは、箸でつかもうとすると、ホロホロと崩れる柔らかさ。
味付けは薄めですが、肉の旨みが十分なので物足りなさはありません。

さて問題はおろし生姜。
前半こそ、昆布ダシの風味とワカメの磯風味が良くマッチして、磯ラーメン風の味わい。
それがおろし生姜をスープに溶くと、今度は生姜ラーメンに味変。
生姜とワカメとの相性も良く、麺も含め、生姜風味を楽しみながら食べ終えてしまいます。

魚介スープとワカメの混じった磯風味が、生姜を溶くと一転して、生姜ワカメラーメン。
1回で2度美味しいラーメンです。
もちろん無化調・無添加のスープとタレ。

しいていえば、刻み玉ネギがかなりトッピングされている割には、ワカメと生姜に圧倒され、存在感が薄かったということかな?

ラーメンを食べ終えたあとは、お楽しみの限定飯「ぶりご飯」。
「ぶりの漬けごはんです」というこれまたシンプルな説明書き。
実は「早採りワカメそば」よりも、こちらの方が楽しみだったりして。

ミニ丼で、白飯の上に刻み海苔がのり、脂ののった大きなプリプリとしたブリの「漬け」が3枚も。
ブリには白ゴマが振りかけられ、薬味の細切りのネギが添えられています。

醤油と味醂、酒などをブレンドしたタレに漬けたブリ。
タレは量も少な目で、それほど濃くはありません。
タレがご飯にまで滲みていないので、タレが少なすぎるという感想をお持ちの方もおられるかも。
しかし、タレが小量な分、タレに邪魔されないブリの刺身そのものの旨みを心行くまで楽しむことができます。
薬味のネギの軽い苦みもよく効いて、脂ののっている割にはさっぱりとした味。

今日は寒ブリと早採りワカメを楽しむことができ、大満足。
限定麺と限定飯で季節を感じる昼食。
こんな贅沢な昼食はなかなかありませんね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「早採りわかめそば」(2020年1月24日)

    限定麺「早採りわかめそば」(2020年1月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「早採りわかめそば」(2020年1月24日)

    限定麺「早採りわかめそば」(2020年1月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「早採りわかめそば」(2020年1月24日)

    限定麺「早採りわかめそば」(2020年1月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「ぶりご飯」(2020年1月24日)

    限定飯「ぶりご飯」(2020年1月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「早採りわかめそば」の説明書き(2020年1月24日)

    限定麺「早採りわかめそば」の説明書き(2020年1月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「ぶりご飯」の説明書き(2020年1月24日)

    限定飯「ぶりご飯」の説明書き(2020年1月24日)

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2020/01訪問138回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「南部かしわ塩そば」。「南部かしわ」の丸鶏と水のスープに塩ダレと少々の貝ダシを加え、具は別皿の「かけ塩ラーメン」。貝ダシが塩ダレをマイルドに。優しい鶏の旨味と素朴な自家製麺との組み合わせが絶妙!

1月22日(水)

「しじみ塩そば」に続く「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺は「南部かしわ塩そば」。
2日前(月曜?)のインスタで提供を告知。
村山店主がインスタに添えた言葉「明日、明後日で無くなると思います」が気になりました。
しかし、告知翌日(?)の火曜は定休。となると、水曜と木曜でなくなるのかな。
そんな危機感に背中を押され、水曜の本日(22日)、12時15分に「南部屋路ばた」を訪れました。

平日行くときは、お客の落ち着いた13時過ぎと決めているのですが、今日は14時45分から職場で会議があるので、一番混んでいる昼時の訪問となりました。

案の定、駐車場には車が15台!
なかには、青森ナンバーや岩手県南の平泉ナンバーの車も。
当然、店内も満席。

今日提供されている限定麺は先週に引き続き「しじみ塩そば」(1,000円)と最新の「南部かしわ塩そば」(900円)。

900円の限定麺の食券を購入。
店内の待ち椅子で、カウンター席が空くのを待ちます。
幸い、それほど待たずに席が空きました。
しかし、私の次に座ったご夫婦は、私が食べている最中まで待っていたようで、それを考えると本当にラッキー。

大衆メニューの「手もみラーメン」を注文する方と、限定麺を注文するラーメンマニア?が同居する店内。
東京のラーメン専門店ではみられない風景です。

〇限定麺「南部かしわ塩そば」(900円)

座ったと思ったら、すぐに限定麺が出てきたのにはびっくり。
村山店主の提供スピードの速さはいつも驚かされます。

何と塩ラーメンは、笹切りのネギがのっているだけの「かけラーメン」。
具は別皿で提供。
これも、純粋に南部かしわの旨みを味わって欲しという村山店主のこだわり。

黄金色の透明感溢れるスープには鶏油が振りかけられ、キラキラと輝いています。
そこに、ふすまの斑点が入った中細ストレートの自家製麺が麺線綺麗に整えられて盛り付け。
もう、このビジュアルだけで美味しさが保障される鶏ダシの塩ラーメン。
具は、先にもいったとおり、笹切りのネギが少々。

具は別皿提供で、こちらには、寒じめホウレン草のおひたし、ピンクの濃い赤身と脂身の白が美しい折り畳んだ豚肩ロース肉低温調理チャーシュー、楕円形の小ぶりながら、厚みのある鶏ムネ肉低温調理チャーシュー。
さらに穂先メンマが大小2本。
トロッとした黄身の鮮やかなオレンジ色が食欲をそそる味玉半分。

説明書きは、「南部かしわスープと塩だれ、少々貝だしブレンドの塩そばです」と実に簡単。

帰りがけに、超多忙な村山店主からちょっと聞いたところ。
南部かしわの丸鶏と水のみのスープ。
これに塩ダレと貝ダシを少々合わせていますが、貝ダシを鶏スープにブレンドしたのか、それとも塩ダレにブレンドしたのかが分からない。
通常の鶏清湯の塩ラーメンでは、塩ダレに貝ダシをブレンドするのが普通ですが、その可能性を捨てきれないものの、もしかしたら、少量の貝ダシを鶏スープに直接ブレンドしているのかも。
こんなことにこだわる私もどうかしているのかな?

透明感のある塩スープを飲むと、南部かしわのピュアで優しい旨みがふわっと漂います。
鶏と醤油ダレが相乗する「鶏そば」のスープと違い、鶏の旨味は控えめ。
でも、むしろこれが鶏の素の旨味。
その意味で、鶏と水の素に近いスープにほとんど味付けしないで飲ませてくれるところに、鶏ダシの塩ラーメンの良さがあります。

先に「ピュアで優しい」という表現を使いましたが、同時にふくよかで滋味深い鶏の旨味。
塩ダレは貝ダシの効果なのか、マイルドで角が立ちません。
スープを飲み進むと、ほのかに貝ダシの旨みを少々感じます。
でも、主役はあくまでも鶏。

鶏のさっぱりとしつつ滋味深い旨みをそのまま伝えるまろやかな塩ダレ。
そして、微かに香る貝ダシが鶏の旨味に厚みを添えます。

麺は、「鶏そば」「煮干しそば」で使う切り刃20番、加水率35%の角ストレートの自家製麺。
岩手県産小麦「ゆきちから」と「銀河のちから」の小麦粉をブレンド。
小麦のふすまを練り込んだポクポクとした素朴な食感と小麦の香り高い麺。
噛むとモチっとした食感で、コシも適度。
鶏の優しくナチュラルな旨みとマイルドな塩ダレ、ほのかに感じる貝ダシが絶妙にブレンドした無化調の塩スープに実に良く合う麺。
麺そのものの旨味も豊饒。
麺量は160g。

さっと茹でたような笹切りのネギが、これも微かな甘みを醸し出しますが、決して鶏と水と塩と貝のスープを邪魔しないどころか、むしろ引き立てます。

そして別皿の具。

具をそのまま「かけ塩ラーメン」に入れると、スープの温度が下がってしまうので、なるべく具は直接食べることに。

まず目立つのが、最近「路ばた」の限定麺で良く使う具の「寒じめホウレン草」のおひたし。
柔らかくて味はさっぱり。
ほんのり甘味も感じられ、塩ラーメンと合わせて食べる具としては絶好。

赤みが濃いピンク色で、サシの白と赤身のピンクの対照が美しいレア感の強い豚チャーシュー。
同店定番の豚ロース肉低温調理チャーシューにしては、ピンク色が濃いし、サシも多め。
食べると、淡白なロース肉よりももっとコクのある味わい。
「これは肩ロースかな」と、やはり帰りがけに村山店主にちょっと確認すると、やはり「肩ロース肉の低温調理チャーシュー」とのこと。

最近、「路ばた」の鶏ムネ肉低温調理チャーシューは、小ぶりで丸型の肉厚タイプ。
プリッとした食感で、ブラックペッパーのスパイス感が程よく効いています。

大小2種の穂先メンマはシャキシャキ感というよりも、柔らかく煮込み、やや甘味の味付け。
ただし、甘味は決して過剰ではなく、むしろほんのりとした甘味の中からメンマの旨みが湧きだしてくるような味わいに仕上げています。

味玉半分は、こちらもやや甘く味付けしたねっとりとした黄身が抜群の美味しさ。
私は積極的に味玉トッピングをする方ではありませんが、この味玉ならぜひ1個食べたいとの衝動にかられました。

スープの温度が冷めてくると、最初よりも貝ダシの風味がより目立ってくるように。
鶏の旨みを塩ダレや貝ダシがうまく引き立て、洗練された鶏清湯のかけ塩ラーメンに仕上げた一杯。
別皿の具が一層の彩を添える限定麺。
すぐに終わってしまうのが惜しい出来です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわ塩そば」(2020年1月22日)

    限定麺「南部かしわ塩そば」(2020年1月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわ塩そば」(2020年1月22日)

    限定麺「南部かしわ塩そば」(2020年1月22日)

  • 南部屋路ばた - 笹切りのネギがのっただけの「かけ塩ラーメン」(2020年1月22日)

    笹切りのネギがのっただけの「かけ塩ラーメン」(2020年1月22日)

  • 南部屋路ばた - 具は別皿(2020年1月22日)

    具は別皿(2020年1月22日)

  • 南部屋路ばた - 「南部かしわ塩そば」の説明書き(2020年1月22日)

    「南部かしわ塩そば」の説明書き(2020年1月22日)

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2020/01訪問137回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「しじみ塩そば」+限定麺「寒じめ法蓮草油そば」。「しじみ」の旨味がガツン!菜の花や早採りワカメなどの具が楽しい。平打ち麺と醤油・鶏油のタレを和え、寒じめホウレン草たっぷりの油そばも美味しい!

1月18日(土)

今日から「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺がスタート。
それが「しじみ塩そば」。
しじみダシの塩ラーメンといえば、1月4日に2時間20分並んでようやく食べることの出来た「宍道湖しじみ中華そば 琥珀」(大田区西六郷)の「宍道湖しじみ中華そば(塩)」がすぐに思い浮かびます。

それと比べて「路ばた」の「しじみ塩そば」はどうかなと興味が尽きず、提供初日に訪問。

○限定麺「しじみ塩そば」(1000円)

12時30分頃に店につくと、既に駐車場は一杯。
仙台や秋田ナンバーの車もあります。
さすが、しじみダシのラーメンは「琥珀」の成功もあって、盛り上がっていますね。

店内に入り、券売機横の限定麺の説明書きを見ると、「しじみ塩そば」のPOPがあるのはもちろんですが、何ともう1つ限定麺のPOP。
それが、限定麺「寒じめ法蓮草油そば」。

実は「寒じめ法蓮草油そば」は、昨日(17日)20食ほど提供。
20食では、行っても売り切れ間違いなしと見送ったメニュー。
それが残っているだけなく、ちゃんと提供されている!
この機会を逃すわけにはいかないと、「しじみそば」→「油そば」という店内連食に無謀に挑戦することに。

満席で、店内待ちの出ている店内では、7割のお客が限定麺「しじみ塩そば」を食べています。
ちなみに、私の右隣の男性客は、「しじみ塩そば」とミニライスを注文。

「しじみ塩そば」の麺と具を食べ終えたあと、ミニライスを残ったスープにドボン。
雑炊にして、ご飯、スープとも完食。
なるほど、そうした食べ方もあったのですね。なかなか美味しそう。

そんなことを考えていると、ベテラン女性スタッフが、限定麺「しじみ塩そば」を持ってきてくれます。

白く濁った塩スープに中細麺ストレート麺が綺麗に盛り付けられ、具は中央に緑色の瑞々しい大きな菜の花。
それに早採りワカメがたっぷり。
豚チャーシューと鶏ムネ肉の低温調理チャーシュー。
味玉半分と大きなワンタンが1個。
早春の季節感を演出するだけでなく、色も鮮やか。
色と食感、味のすべてで楽しませてくれる「限定麺」の真髄が一杯のラーメンに凝縮。

スープを飲むと、もう誰でも「しじみ」の旨味を感じるほどのガツンとした「しじみ感」!
大量のしじみを使い、さらに昆布、鮪節、塩ダレ、エノキ油などさまざまな食材を駆使して、しじみの旨味に厚みをつけています。

個人的な感想では、あの「宍道湖しじみ中華蕎麦 琥珀」の「塩」よりも、ストロングな最初のしじみ感。
しかも、それが一口めだけでなく、ずっと続くのも魅力的。

塩ダレはマイルドで飲みやすく、しじみの旨味に浸ることのできる至福の瞬間。

麺は切り刃20番、加水率34%の自家製麺。
中細の角ストレート麺で、同店の「鶏そば」「煮干しそば」に使われる小麦のふすま(表皮)を練り込んだポクポクとした食感の麺とは全く違う食感。
「ふすま」なしのしなやかで、滑らかな食感のツルツルとした麺。

使っている小麦粉こそ、村山店主が大忙しで聞くことができませんでしたが、34%という加水率が信じられないほどの滑らかで、柔らかめに茹であげた麺。
でも、このソフトな食感の麺が、しじみダシの塩ラーメンと抜群の相性。
麺量は160g。

コリコリとした食感と軽い苦味のある菜の花、ツルツルとして柔らかく、しかも磯の風味が香ってくる早採りワカメ。
早春の季節感を表現するこの2つの食材が、しじみの旨味の強い塩スープとともに、ラーメンの魅力を高めています。

豚チャーシューは、一見すると豚バラ肉の煮豚風。
しかし、食べてみるとやや脂分が多いながら、バラ肉よりもしっかりとした食感。
それでも、通常のロース肉低温調理チャーシューよりも味付けは強め。
一体部位は何だろうと、村山店主に聞くと、「肩ロース」だという。
なるほど、肩ロース肉の低温調理チャーシューでしたか!

鶏ムネ肉の低温調理調理チャーシューは、やや肉厚で、しっとりというより、こちらも割としっかりとした食感とブラックペッパーを効かせたスパイス風味。

ゼリー状の黄身のコクのある味わいが印象的な味玉半分、ツルツルの皮で肉の旨味たっぷりの餡を包んだ大きなワンタンなども、満足感を高めるトッピング。

残ったスープを飲みながら、しじみの余韻に浸っていると、飲み干す前に、次の限定麺「寒じめ法蓮草油そば」が運ばれてきます。

○限定麺「寒じめ法蓮草油そば」(500円)

こちらはうどん製麺機で、幅広に裁断した平打ちの自家製麺。
加水率は35%。
おそらく岩手県産の小麦粉「ゆきちから」と「銀河のちから」を使った麺でしょう。
麺量は500円という値段からは信じられない200gというボリューム。

醤油と鶏油をブレンドしたタレに平打ち麺を和えたまぜそば(油そば)。
麺の上には漁粉と「寒じめホウレン草」、ザク切りのネギ、刻み玉ネギ、サイコロ状の豚ロース肉低温調理チャーシュー。

これらの具と麺を混ぜ、タレと和えて食べるシンプルな油そば。

醤油の香りと鶏油のオイリー感がミックス。
これに漁粉が効き、さらにサイコロチャーシューがコクを加えます。
刻み玉ネギやザク切りのネギのシャキシャキ感が薬味として効果的。

それ以上にユニークなのが、寒じめホウレン草の柔らかさとナチュラルな甘味。

これらのタレや具が平打ち麺に絡み、麺自体の美味しさと相まって、2杯目でも飽きがきません。

「ふすま」の入っていない平打ち麺はツルツルの食感。
しかも、モチモチとして、しっかりとコシが感じられる小麦の香り豊かな麺。

前回の限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」ではペーストにした寒じめ法蓮草。
それを今回は茹でただけで、そのまま食べることができるのも魅力。

食べるにつれ、ザク切りのネギが下に沈み、残ったタレと合わさります。
最後にタレを飲むと、一緒にネギが口のなかに流れ込み、ネギの香りや心地よい苦味が余韻として残ります。

結局、限定麺の連食で食べた麺量合計360g。
さすがに食べすぎですが、全くタイプの違う限定麺2杯を食べた満足感が食べすぎの反省を上回るのもいつものとおり。

「琥珀」では2時間20分も並んだ「しじみ」ダシの無化調塩ラーメンを、並ばずに食べることができるのも盛岡の良さですね。
もちろん、「寒じめ法蓮草油そば」も無化調です。

「路ばた」では、すぐに次の限定麺「南部かしわそば雄バージョン」の提供を始める予定です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「しじみ塩そば」(2020年1月18日)

    限定麺「しじみ塩そば」(2020年1月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「しじみ塩そば」(2020年1月18日)

    限定麺「しじみ塩そば」(2020年1月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「しじみ塩そば」(2020年1月18日)

    限定麺「しじみ塩そば」(2020年1月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「寒じめ法蓮草油そば」(2020年1月18日)

    限定麺「寒じめ法蓮草油そば」(2020年1月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「寒じめ法蓮草油そば」(2020年1月18日)

    限定麺「寒じめ法蓮草油そば」(2020年1月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「しじみ塩そば」の説明書き(2020年1月18日)

    限定麺「しじみ塩そば」の説明書き(2020年1月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「寒じめ法蓮草油そば」(2020年1月18日)

    限定麺「寒じめ法蓮草油そば」(2020年1月18日)

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2020/01訪問136回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」。鶏白湯に豆乳、自家製カレー粉を合わせたカレースープにラー油、マー油、寒じめホウレン草のペーストを加え、鮮やかな紫色のシャドークインを添えたカラフルなカレーラーメン!

1月11日(土)

3連休初日の今日(11日)から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。

実は昨日、一昨日「路ばた」で限定麺「オレンジ白菜のつけそば」「背脂煮干しそば」を食べたばかり。

そのとき、村山店主から「土曜から始める限定麺はカレーラーメンになる」と聞いていました。
短いサイクルで替わった最近の限定麺とは違い、「カレーラーメン」は1週間提供できると聞き、混み合う連休を避け、連休後の平日に行こうかなと思っていました。

しかし、本日開店前に村山店主から正式にインスタで案内され、具のジャガイモ「シャドークイン」「キきたあかり」は、「なくなり次第変わります」となると、提供初日に行くしかないと決意。

結局、3日連続で「路ばた」に通い、それぞれ別の限定麺を食べることに。

○限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」(900円)

12時35分に「路ばた」につくと、駐車場の車はいつもの土曜よりも少なめ。
それでも、青森ナンバーの車があるなど、限定麺人気がうかがわれます。
店に入り、限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」と限定飯「南部かしわの玉子かけご飯」の説明書きを撮影。
その後、食券を購入。

店内では、カウンター席がほぼ満席。
テーブル席や座敷には空きがあります。
幸い、カウンター席に空席を1つ見つけ、食券を女性スタッフに渡したあと、そこに座ります。

そのあと、トイレに入り、席に戻り、スマホで撮った説明書きを読もうとしたら、もう女性スタッフが「カレーそば」を運んできました。
驚くべき調理スピード!

目の前に置かれた「カレーそば」。
黄色いカレースープの上に、赤いラー油と黒いマー油、そして寒じめホウレン草の緑のペーストが添えられ、さらに中央に濃い紫色のジャガイモ「シャドークイン」がトッピングされています。
黄色に赤、黒、緑、紫が混じるカラフルなビジュアルは、本当に芸術的な美しさ。
味と季節感、そしてビジュアルの三者が揃った「路ばた」の限定麺には、もう「素晴らしい」という言葉しか浮かびません。

その他に、もう1つのジャガイモ「きたあかり」、皮つき鶏モモ肉のペッパーチキン2枚、カシューナッツのペースト、刻み玉ネギ、糸唐辛子など贅沢な具。

カレースープは、鶏白湯に八幡平市「ふうせつ花」の豆乳、数種類のスパイスをブレンドした自家製カレー粉を合わせたもの。

鶏白湯ペースに豆乳をブレンドしているせいか、クリーミーでマイルド。
ホウレン草ペーストが流れ込むせいか、はじめは甘味さえ感じます。
しかし、徐々にカレーらしい辛さが増してくる本格的な味わい。

冬採りのホウレン草のビニールハウスを収穫前に開放する独自の方法で栽培した「寒じめホウレン草」。
ホウレン草の葉が寒さから身を守るため、水分を減らし、その分糖分を溜め込むことから、通常のほうれん草よりも甘味や旨味が強いのが特色。
しかも、甘味や旨味のもとであるアミノ酸やビタミンCも通常栽培ものより多く含んでいます。

ラー油やマー油、カシューナッツのペーストをカレースープに溶かすと、香りや旨味がさらに上昇。
その上で、緑の寒じめホウレン草の緑のペーストを少しずつスープに溶かし、ホウレン草の風味と寒じめで増した甘味を堪能。

季節感が見事に味に反映された瞬間。

麺は、岩手県産小麦「ゆきちから」「銀河のちから」を使った自家製麺。
加水率は35%。
ふすまは入れず、うどん製麺機で約4ミリほどの幅で裁断した平打ち麺。
平打ち麺がカレースープを良くもちあげ、小麦の香りを放ちつつ、ツルツルでモチモチ感たっぷりの麺は、カレースープの強い個性に負けない出来。
麺量は170g。

具のなかで何といっても目につくのが2種のジャガイモ。
黄色く丸みのある「きたあかり」と中身が鮮やかな紫色の細長い「シャドークイン」。
「きたあかり」はホクホクとしたジャガイモらしい食感とほのかな甘味。
これに対し、「シャドークイン」はむしろサツマイモに近いしっとりとした食感と「キタアカリ」以上の甘味。

皮つき鶏モモ肉のペッパーチキンは、コリコリとした食感とスパイシーな味わいがカレースープにぴったり。

スープの残りが少なくなると、それまであまり存在感のなかった刻み玉ネギが俄然目立ってきます。
カレースープを飲み干すとき、刻み玉ネギのシャキシャキ感が良いアクセント。

カレースープを全部飲まず、少し残して、「半ライス」を注文。
スープにライスを投入して、カレーリゾットにして食べたら美味しいだろうなと思いつつ、今日は珍しく連食するので、半ライス追加は諦めました。

最初に書きましたが、トッピングのジャガイモ「きたあかり」「シャドークイン」はなくなり次第変わってしまいますので、やはり早めに行った方が良いでしょう。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」(2020年1月11日)

    限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」(2020年1月11日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」(2020年1月11日)

    限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」(2020年1月11日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」(2020年1月11日)

    限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」(2020年1月11日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」(2020年1月11日)

    限定麺「寒じめ法蓮草のカレーそば」(2020年1月11日)

  • 南部屋路ばた - 今日の限定飯は「南部かしわの玉子かけご飯」(200円)(2020年1月11日)

    今日の限定飯は「南部かしわの玉子かけご飯」(200円)(2020年1月11日)

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2020/01訪問135回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「背脂煮干しそば」。「煮干しそば」に白金豚の背脂をのせたラーメン。煮干しスープの程良いビター感と背脂の甘味とコクが絶妙にバランス。背脂たっぷりのスープに良く合うソフトでモチモチ感のある麺も魅力!

1月10日(金)

盛岡に戻った途端、昨日に続き2日連続「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)を午後訪問。
もちろん本日(10日)のみ提供する限定麺「背脂煮干しそば」を食べるため。

「路ばた」の限定麺といえば、季節感がキーワードになりますが、ときには季節感のない(?)メニューが登場することも。
「背脂煮干しそば」は以前も1日限定で提供されましたが、そのときは食べ損ね。
今回は絶対食べるという固い覚悟で訪れました。

もともと、「季節感」をもたせた限定麺がメイン。
こうした限定麺の更新の間、ときとして「つなぎ」で1日のみ「背脂煮干しそば」や「鶏楽つけそば」(東京・丸長系のつけそばを無化調で再現)などを限定麺で提供するときがあります。

季節感には欠けるものの、この「つなぎ」の限定麺も抜群の美味しさで、しかも無化調・自家製麺。
滅多に提供されないうえ、1日のみの提供のため、希少感もあります。

〇限定麺「背脂煮干しそば」(800円)

今日は昨日よりも少し早めの12時50分に「路ばた」に到着。
やはり平日の昼過ぎのためなのか、あの土日の喧騒が嘘のそうな落ち着いた店内。
昨日は、限定麺と町中華的な大衆的なラーメンが均等に出ていましたが、今日のお客さんは完全に限定麺ねらい。

果たして本当に「背脂煮干しそば」があるのかどうか?(というのも公式のインスタでは告知されなかったため)

店に入り、券売機横の限定麺・限定飯の説明書きをみて、「背脂煮干しそば」が提供されていることを知り、ホッとひと安心。
今日の限定麺は、水曜から提供されている「オレンジ白菜のつけそば」と「背脂煮干しそば」(いずれも800円)。
限定飯は、昨日と同様、「自然薯のトロロ飯」(200円)。

お客さんの注文は、「オレンジ白菜のつけそば」と「背脂煮干しそば」が半々。
カップルで来て、両方頼むお客さんも。
多くが限定麺に限定飯「自然薯のトロロ飯」を足しています。

今日は昨日と反対に、カウンター席の一番左端に着席。
女性スタッフに800円の限定麺食券を渡し、「背脂煮干し」をお願いします。

すると、5分も経たずに「背脂煮干しそば」が出てきたのにはビックリ。
提供の速さには驚くべきものがあります。

説明書きには、単に「煮干しスープに白金豚の背脂をのせただけです」とあるのみ。
「煮干しそば」と同じ丼にキツネ色のスープが並々と注がれ、白金豚の背脂がスープの表面を隠すようにびっしりとのっています。
中央には、刻み玉ネギが多めにのり、一部刻みネギも散見。
チャーシューは2枚。
豚ロース肉の低温調理チャーシューが折り畳んで盛りつけられるとともに、豚バラ肉のチャーシュー(煮豚)も添えられています。
あとは、穂先メンマが2本、味玉が半分。

早速スープを飲むと、まさしく「煮干しそば」のスープがベース。
程良い苦みを軸としたビター感がスープの核。
このビターな煮干し感強めの旨味が見事に抽出され、それに醤油ダレを合わせた「醤油ダレが煮干しの旨みを引き立てる」煮干し醤油スープ。

さらにびっしりと入った背脂が独特の甘みやコクをプラス。
煮干しのビター感と醤油ダレの旨味に背脂の甘味やコクが加わり、三者が絶妙なバランスを構成。
見た目ほどのギトギト感はなく、背脂の甘味とベースのビターな煮干しスープがドッキング。
通常の「煮干しそば」よりもまろやかでマイルドですが、その一方で煮干しのパンチ力もしっかり感じられるさっぱりとした「背脂煮干しそば」のスープに帰結。

煮干しは、白口2種、背黒、平子、ウルメの5種類を使用。
これに昆布ダシをブレンド。
醤油ダレは、生揚げ醤油、生醤油、再仕込み醤油、たまり醤油などをブレンド。
もちろん、スープやタレは無化調。
スープを飲んだあとは、無化調らしく舌に雑味が全く残りません。
塩分濃度もちょうど良く、スープを完飲しても喉が渇かないのも嬉しいところ。
トッピングの白金豚の背脂以外は、動物系不使用(アニマルオフ)のスープ。

麺は、昨日「オレンジ白菜のつけそば」で食べた麺と同じ。
岩手県産小麦の「ゆきちから」「銀河のちから」を使った自家製麺。
切り刃20番、加水率35%のふすま入りの角ストレート麺。

ただし、昨日の麺が水で締めたといってもポクポク感や歯切れの良さのあるぎゅっと締まった食感の麺だったのに対し、今日の麺はとても同じ麺とは思えない食感。
麺はふわっとソフトな感じに茹で上げられ、食感はモチモチ感が圧倒的。
ついつい村山店主に、昨日の麺に「もち姫」でも足したの?と聞いたほど。
しかし、麺は全く同じで、茹で方に工夫を凝らし、「煮干しそば」よりも麺をソフトに茹で上げているという。
茹で方は、単に少し長めに茹でるというだけでなく、企業秘密の部分もあるようだ。
麺がふわっと茹で上がったということもあって、「煮干しそば」の麺量は「煮干しそば」の160gよりも少ない150g。

折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシューは、ロースハムのような淡白な味。
対照的に、豚バラ肉のチャーシュー(煮豚)は、比較的しっかりとした味付けで、口の中でホロホロと崩れるような柔らかさ。

穂先メンマは良く茹でられていて、シャキシャキした食感というよりも、しっとりとした食感。
最初は味薄めに感じられますが、噛むごとに徐々に旨みが湧き上がるなかなか凝った味付け。

味玉ハーフは、既に盛り付けのときに、黄身がスープに流れ出しているほどのトロトロとした黄身のコクと旨みが絶妙。

スープを飲むときに、スープとともに背脂と玉ネギが一緒に口に入ってきますが、ビターな煮干し風味に背脂の甘味が加わり、玉ネギのシャキシャキ感が合わさることで、「背脂煮干しそば」を食べていることを強く実感させられます。

「つなぎ」の限定麺のままにしておくのがもったいない「背脂煮干しそば」。
今後レギュラー化を検討して欲しいものです。

「背脂煮干しそば」を食べていると、村山店主が厨房から出てきて、限定麺「オレンジ白菜のつけそば」の説明書きを撤去。
この時点(13時)で、「オレンジ白菜」は完売。
聞くと、「背脂煮干しそば」もあと残り数杯という。
改めて「路ばた」限定麺の人気を痛感。

さて、明日(11日)から新しい限定麺がスタート。
今晩の村山店主のインスタに注目!
今度の限定麺は比較的長く提供される予定とのことです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「背脂煮干しそば」(2020年1月10日)

    限定麺「背脂煮干しそば」(2020年1月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「背脂煮干しそば」(2020年1月10日)

    限定麺「背脂煮干しそば」(2020年1月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「背脂煮干しそば」(2020年1月10日)

    限定麺「背脂煮干しそば」(2020年1月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「背脂煮干しそば」の簡潔すぎる説明書き(2020年1月10日)

    限定麺「背脂煮干しそば」の簡潔すぎる説明書き(2020年1月10日)

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2020/01訪問134回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「オレンジ白菜のつけそば」+限定飯「自然薯のトロロ飯」。オレンジ白菜の昆布和えをのせた自家製麺を鶏ダシと醤油ダレのつけ汁につけて食べる「つけそば」と生海苔の磯風味香る「自然薯のトロロご飯」!

1月9日(木)

私が盛岡市のラーメン店のなかで一番通い詰めている「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
もちろん、ねらいは村山店主のセンスの光る限定麺。
自家製麺を使った無化調の「鶏そば」「煮干しそば」も、東北で有数の高水準ですが、週替わり、あるいは数日で交替する(なかには1日で交替する)無化調・自家製麺で、旬の食材を使い、季節をラーメンで表現する「限定麺」の魅力は、いったんはまってしまうと、「次は何か?」が気になり、もう毎週「路ばた」に通うことになります。

しかし、年末・年始にかけて村山店主が短いサイクルで提供した限定麺を3つ連続食べ逃し(涙)。

昨年最後の限定麺「仙台牛すじ正油そば」(900円)は、帰省でアウト。
新年最初の「鯛塩つけそば」(900円)も帰省中に終了。
新年第2弾の「セリ塩鶏つけそば」(900円)も6日(月)で終了。
そんななか、定休日の火曜をはさみ、昨日(8日)から提供がスタートした限定麺が「オレンジ白菜のつけそば」(800円)。
これもすぐに提供が終わってしまうというから、さすがに逃せないと本日の午後行ってきました。

一緒に提供される限定飯「自然薯のトロロ飯」(200円)をセットにすると、贅沢な昼食が楽しめます。

〇限定麺「オレンジ白菜のつけそば」(800円)+限定飯「自然薯のトロロ飯」(200円)

最近は土曜に行くことの多かった「路ばた」。
久しぶりの平日訪問です。

13時15分頃店に到着しましたが、やはり平日の昼時を過ぎただけあって、店内は満席までは行かない「適度な混み具合」。

券売機横の限定麺・限定飯の説明書きに「売り切れ」のシールが貼っていないのを見て、一安心。
週末は、後からあとから券売機の後ろに並ぶので、説明書きをゆっくり撮影することもできませんが、今日は食券を買う前に説明書きを余裕で撮影。
もちろん、限定麺と限定飯の両方の食券(限定飯は「ライス」の食券で代用)を購入。
カウンター席の一番右端に席を確保します。

それほど待たずに、限定麺と限定飯がお盆にのって一緒に運ばれてきます。

まずは限定麺の「オレンジ白菜のつけそば」。
そもそも「オレンジ白菜」の存在を本日初めて知ったという不勉強ぶり。
振り返ると、「路ばた」の限定麺に出会った2016年夏以来、約3年半。随分、食材を教わりました。

オレンジ白菜とは、白菜とカブを交配してできた「オレンジクイン」のこと。
外側から見ると普通の白菜ですが、内側がオレンジ色というのが名前の由来。
別にオレンジの味がするというわけではありませんが、普通の白菜にくらべて甘味が強いといわれます。

それ以上にオレンジ色の部分が栄養満点というのが「オレンジ白菜」の特徴。
シスリコピンというリコピンの一種が含まれ、リコピン同様、抗酸化作用があり、肌の老化防止や成人病予防などに効果がありますが、体内への吸収率がリコピン以上。

通常は浅漬けにして、塩昆布と和えていただくのが主な調理法。
今回も、つけ麺の麺の上には、白い外側の部分の上にオレンジ色の部分がのった「オレンジ白菜」の浅漬けを昆布で和えたものがのっています。

麺は、「鶏そば」「煮干しそば」などに使う自家製麺。
岩手県産の小麦「ゆきちから」と「銀河のちから」に「ふすま」(小麦の表皮)を練り込んだ切り刃20番、加水率35%の長い中細角ストレート麺。
麺は表面にふすまの斑点が見える濃い色合い。
ポクポクとした素朴な食感と歯切れの良さ、適度なモチモチ感などに加え、小麦の香りが堪りません。

白菜の浅漬けに昆布を和えた薄味の「オレンジ白菜」は、柔らかいオレンジ色の部分とシャキシャキした白菜そのものの白い部分との対照が魅力。
麺量は230gとたっぷり。

つけ汁は、鶏ダシに醤油ダレを合わせ、鶏油をふりかける一方、多彩な具がびっしり。
ざく切りのネギ、白牛蒡(ごぼう)、ナメコ、鶏つくね、白金豚などがつけ汁を埋め尽くすようにトッピング。

鶏ダシの旨味と醤油ダレの酸味や香り、ほのかな甘みなどが見事にブレンドされたつけ汁。
とくに醤油のコクや香りが強く出たスープは、塩分濃度も適度で、そのままどんどん飲めるほど。

シャキシャキとした食感の大量に入ったザク切りのネギ、極薄にスライスした白牛蒡、コロッと小さくカットした白金豚。
そして抜群の美味しさなのが1個しか入っていない鶏つくね。
口に含むと、鶏挽き肉以外にいろいろな食材が使われている模様。
その多重の旨みが小さなつくねのなかに凝縮して詰め込まれているかのような風わい。
今まで食べたなかでも、トップの美味しさの鶏つくね。
白金豚のコクのある味、ナメコのぬるぬるとした食感、白牛蒡の柔らかい皮や果肉など、厳選した食材がふんだんに使われ、具の美味しさや食感と、鶏ダシの旨みや醤油の酸味・旨味・香り・コクなどがドッキングした贅沢なつけ汁。
もちろん無化調。

そこにふすまをたっぷり練り込んだ自家製麺を目にも楽しい「オレンジ白菜」の昆布和えを添えてつけて食べる美味しさ。
麺がかなり長いので、少々食べ辛さはありますが、そんなことを打ち消す、麺とつけ汁とトッピング三者の魅力。

230gの麺量でも足りないぐらい。
普通なら、麺を食べ終えたあと、割りスープで割ってもらうのが筋でしょうが、キリッとした醤油味と鶏ダシの旨みが相乗したつけ汁の美味しさに引き込まれ、結局そのままスープ割りせずにつけ汁を飲み干してしまいました。
それでも、あとになって喉が渇かないのが素晴らしい。

「オレンジ白菜のつけそば」を食べ終えたあとは、「自然薯のトロロ飯」に。
熱々のご飯に天然の山芋(自然薯)をすりおろしたトロロがたっぷりかけられ、さらに中央に海からとってきたばかりのような新鮮な「生海苔」がのっています。

醤油を少しかけてトロロと一緒にご飯を食べると、もう箸が止まらない美味しさ。
そこに「生海苔」の磯の風味が加わり、こんなトロロご飯の食べ方もあったのかと、新たな発見!

食後、村山店主と少し雑談をしましたが、年末・年始と限定麺の更新サイクルが早いのは、食材の仕入れ量が少ないためというやむを得ない事情があったという。
「食べ手」の事情ばかり考え、食材の仕入れという「作り手」の事情を考慮しなかった私の無理な要求(サイクルが早すぎるという)を猛省。

ところで、村山店主は年末に調理中、高熱の油を手の甲にこぼし、火傷をするというアクシデントに見舞われました。
今日も火傷をした手に包帯を巻き、その上からゴム手袋をして防御している姿が痛々しい。
痛みは引いたといいますが、無理をしないでくださいね。

平日の午後の「路ばた」では、限定麺や「鶏そば」「煮干しそば」を食べるマニアと、大衆メニューである「手もみラーメン」や「チャーハン」などを楽しむ家族連れが仲良く共存。
一般客にも愛され、マニアの欲求も満たす多彩なメニューを誇る「南部屋路ばた」は、ローカルなラーメン店で質の高いラーメンを提供する一つのあり方を提示しているように思われてなりません。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オレンジ白菜のつけそば」と限定飯「自然薯のトロロ飯」(2020年1月9日)

    限定麺「オレンジ白菜のつけそば」と限定飯「自然薯のトロロ飯」(2020年1月9日)

  • 南部屋路ばた - 麺とその上にのった「オレンジ白菜」の昆布和え(2020年1月9日)

    麺とその上にのった「オレンジ白菜」の昆布和え(2020年1月9日)

  • 南部屋路ばた - 具がたっぷり入った鶏ダシ、醤油ダレのつけ汁(2020年1月9日)

    具がたっぷり入った鶏ダシ、醤油ダレのつけ汁(2020年1月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「自然薯のトロロ飯」(2020年1月9日)

    限定飯「自然薯のトロロ飯」(2020年1月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オレンジ白菜のつけそば」の説明書き(2020年1月9日)

    限定麺「オレンジ白菜のつけそば」の説明書き(2020年1月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「自然薯のトロロ飯」の説明書き(2020年1月9日)

    限定飯「自然薯のトロロ飯」の説明書き(2020年1月9日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」外観(2020年1月9日)

    「南部屋路ばた」外観(2020年1月9日)

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2019/12訪問133回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「鱈の塩そば」。スープにタラのあら、具に鱈の切り身と白子を使ったタラづくしの鍋風塩ラーメン。柚子の香りで始まる旨味の凝縮した塩スープ。麺はモチモチ。もみじおろしの辛味で〆る流れもパーフェクト!

12月21日(土)

今日(21日)からスタートした「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。

具に使うタラ(鱈)の白子(たらきく)がなくなり次第終了ということで、今日の昼訪れてきました。

○限定麺「鱈の塩そば」(900円)

12時15分に「南部屋路ばた」につくと、駐車場にとまっている車の数がいつもの土曜よりも少ない。
店に入っても、あの雑踏がなく、のんびりした雰囲気で、慌ててきた私としては、ちょっと拍子抜け。
そういえば、注文もいつも以上に大衆的な各種「南部手もみラーメン」が出ているよう。

ちなみに、同店では「南部手もみラーメン」は化調。
無化調・自家製麺は、「鶏そば」「煮干しそば」「限定麺」の3種です。

今日から限定麺は「鱈子の塩そば」。
早速、券売機左の説明書きをスマホで写真におさめたあと、限定麺(900円)の食券を購入。
ベテラン女性スタッフに渡し、カウンター席に座りました。

スマホで写した説明書きを予習していると、いつものとおりスムーズに「鱈の塩そば」が運ばれてきます。

今回もインスタ映えする綺麗なビジュアル。
やや薄茶の濁りのある塩スープに、タラの切り身がたっぷり。
タラの白子(たらきく)、春菊、菊の花びら、中央に生海苔がトッピング。
スープの中には、薄く輪切りにして、ダシが良くしみた大根が隠れています。
生海苔の上には柚子皮が一切れ、タラの白子の上には「もみじおろし」。

食べ始めると、まずは柚子皮から立ち上がる柚子の香りにうっとり。

スープは、鶏だし、タラのあら、昆布、鰹節など多彩な食材を使用。
タラチリを連想させながら、タラのあらを含む動物系、魚介系、乾物系などの食材の旨味が凝縮したスープ。
塩加減はマイルド。

麺は、岩手県産小麦「ゆきちから」「ねばりごし」「もち姫」をプレンドした切り刃20番、加水率38%の麺を茹でる前に、しっかり手で揉んで縮れをつけています。

「ねばりごし」「もち姫」などの中力粉が効いてモチモチ。
縮れた麺が各種食材の旨味が詰まったスープを良く拾います。
同時に、小麦の風味も鮮明。
麺量は160g。

たっぷり入ったタラの切り身はあっさりとした味。
タラの白子は口の中で溶けるような食感で、臭みも全くありません。
春菊の緑が色を添え、風味面でも貢献。
春菊の緑のほか、スープには黄色い菊の花が散りばめられています。
おでんの大根を薄くスライスしたような輪切りの大根も、薄味ながら存在感を示しています。

鱈の切り身と白子の白、菊の黄色、春菊の緑が見事なコントラスト。
見た目も良く、しかも美味しい稀有なラーメン。

スープの残りが少なくなると、もみじおろしの唐辛子がスープの下に沈み、ジワジワと辛味が感じられるように。

柚子の香りで始まり、タラのあらを含む動物系・魚介系・乾物系の旨味の詰まったスープ。
縮れ麺の食感やタラの切り身、たらきく、春菊、大根など贅沢な具の個性を楽しんだあと、もみじおろしのピリ辛さで終える構成。

さらに、「たらきく」にかけて、春菊や菊の花びらを添える遊び心が秀逸。

一見地味なようで、村山店主のアイデアが詰まった一杯。
最初に書いたようにたらきくがなくなり次第終了ですので、関心のある方はお急ぎを!

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鱈の塩そば」(2019年12月21日)

    限定麺「鱈の塩そば」(2019年12月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鱈の塩そば」(別角度)(2019年12月21日)

    限定麺「鱈の塩そば」(別角度)(2019年12月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鱈の塩そば」(真上から)(2019年12月21日)

    限定麺「鱈の塩そば」(真上から)(2019年12月21日)

  • 南部屋路ばた -
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2019/12訪問132回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「大浦牛蒡担々そば」。スープの表面が赤いラー油と白い芝麻醤に半々に分かれる美しいビジュアル。大浦ごぼう素揚げのカリカリ感が最高!ラー油とカレー粉がのった追い飯でリゾットにするのがオススメ。

12月14日(土)

今日(14日)から始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺は「大浦牛蒡担々そば」。

あいにく盛岡は早朝まで雪。その後小雨に変わりましたが、昼頃からは激しい降雨に。
それ以上に寒さが厳しく(昼の自宅近くの気温は1℃)、家でゆっくりしたいところ。

しかし、「路ばた」の新しい限定麺の提供初日とあっては、行かなければ!

雨が降りしきるなか、到着した「路ばた」の駐車場は満車近い状態。
私と同じ思いの方々がたくさんいるのでしょう。

店内に入ると、やはりカウンター席は満席(12時50分)。
女性スタッフからは座敷席を勧められましたが、丁重にお断りして、少し待ちます。
10分ほどの待ち時間で、カウンター席が1人分空きが出て、着席。

それから5分も経たずに「担々そば」が着丼。
最初は「追い飯」を注文していなかったのですが、隣で「担々そば」を食べ終えようとしていた方の「追い飯」を見ると、単なる白飯ではなく、カレー粉や煮詰めてペースト化したラー油のふりかけられた珍しいもの。
これは絶対担々麺に合うと確信。
あわてて券売機に行き、「追い飯」を追加注文。

○限定麺「大浦牛蒡担々そば」(800円)+「追い飯」(100円)

到着した「大浦牛蒡担々そば」は、スープの表面が赤いラー油と白い芝麻醤の2つに分かれるインスタ映えする美しいビジュアル。

白金豚の肉味噌の上には大浦ごぼうの素上げがたっぷり。
そのうえに白髪ネギとカイワレ、糸唐辛子がのる芸術的とさえいえる「美しさ」。

ビジュアルだけでなく、味も素晴らしい!
鶏と豚のコクのあるスープをベースに、ラー油の辛味と芝麻醤の甘めのゴマ風味が絶妙にミックス。
これに白金豚の肉味噌がさらにコクを与え、何と言っても「大浦ごぼう」の素揚げが圧倒的な存在感。

千葉県匝瑳市大浦地区だけでつくられる長さ1メートルもの巨大な「大浦ごぼう」。
成田山新勝寺に納められ、新勝寺の精進料理にも使われる貴重なごぼう。
その素上げはカリッとした食感と香ばしい風味。
「大浦ごぼう」の素揚げが、ラー油の辛さをうまく緩和する役割を果たしています。
もちろん、担々スープは無化調。

麺は自家製麺。
切り刃20番、加水率35%の中細角ストレート麺。
ツルツルとして、噛むと小麦の甘さとモチモチ食感。
「ツルモチ麺」が濃厚な担々スープの甘辛さによく合います。
麺量は160g。

トッピングの白髪ネギやカイワレのシャキシャキ感や苦味が担々麺にさっぱり感を与えている点も見逃せません。

大浦ごぼうの素揚げも、さすがにスープに浸る時間が長くなると、スープを吸ってカリカリ感はなくなります。
それでも、香ばしい旨味が消えないところはさすが。

大浦ごぼうの陰でもう1つの仕掛けが。
それが丼の底に仕込んである柔らかく煮込んだトマト。
終盤近くなって、辛味と甘味にトマトの酸味が加わります。
それにしても、担々麺にトマトをトッピング。
しかも、丼の底に潜ませ、最後に酸味を効かせるなんて、村山店主のセンスには驚かされます。
担々麺とトマトとの相性の良さを発見!

さて、スープを飲み干しそうになりますが、ぐっとこらえてスープを少し残します。
ここで「追い飯」の登場。

「追い飯」は白飯だけではなく、カレー粉やラー油をさらに煮詰めて黒くペースト状にしたものが白飯にのっています。

カレー粉やラー油付きの「追い飯」を担々麺のスープに投入してリゾットにすると、スープの辛味がさらに強くなるとともに、カレー風味が加わり、ご飯もスープも完食。

今回はスープの見た目の美しさ、大浦ごぼうの素揚げのトッピング、そして「追い飯」にラー油やカレー粉をのせ、残りスープに入れ「リゾット」にするなど「担々麺」を超える要素が一杯。

こんな斬新で美味しい無化調・自家製麺の限定麺を毎週食べることができるのですから、「南部屋路ばた」の限定麺通いはやめられません。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「大浦牛蒡担々そば」(2019年12月14日)

    限定麺「大浦牛蒡担々そば」(2019年12月14日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「大浦牛蒡担々そば」(別角度)(2019年12月14日)

    限定麺「大浦牛蒡担々そば」(別角度)(2019年12月14日)

  • 南部屋路ばた - 「大浦牛蒡担々そば」と「追い飯」(2019年12月14日)

    「大浦牛蒡担々そば」と「追い飯」(2019年12月14日)

  • 南部屋路ばた - カレー粉と煮詰めたラー油がトッピングされた「追い飯」(2019年12月14日)

    カレー粉と煮詰めたラー油がトッピングされた「追い飯」(2019年12月14日)

  • 南部屋路ばた - 担々麺の残りスープに「追い飯」を入れ、リゾットに(2019年12月14日)

    担々麺の残りスープに「追い飯」を入れ、リゾットに(2019年12月14日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「大浦牛蒡担々そば」の説明書き(2019年12月14日)

    限定麺「大浦牛蒡担々そば」の説明書き(2019年12月14日)

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2019/12訪問131回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「貝白湯つけそば」(800円)。さらっとした「南部かしわ」の鶏白湯に貝をたっぷり入れ、塩ダレを加えたつけ汁。麺は平打ちの自家製麺。鶏の旨みが凝縮した白湯を貝がさっぱりさせたつけ汁が新鮮!

12月12日(木)

盛岡は昨日の小春日和から一転して、強風が吹き、雪が舞う(夕方から本格的な降雪らしい)寒い一日。
おそらく明日朝は真っ白になっているでしょう。
そんな悪天にもかかわらず、昨日インスタで村山店主が告知した本日(12日)から提供開始の新しい限定麺「貝白湯つけそば」。

もっとも先週土曜食べた限定麺「醤油そば」と並行して、おそらく今週日・月にその前の限定麺「豚汁そば」で使った背脂が余ったので、それを使った「背脂煮干しそば」を限定杯数提供(マイフォロ様のレビューあり)。
「背脂煮干しそば」は月曜の早い時間帯で終ってしまったようだ。
そのため「背脂煮干しそば」は逃してしまいましたが、そのリベンジ(?)の意味でも「貝白湯つけそば」は是非食べておきたい。

本日(12日)から提供開始で60食というから、明日(13日)までぎりぎり持つにしても、多分早めに終わってしまうでしょう。
そして、土曜(14日)から次の限定麺。

〇「貝白湯つけそば」(800円)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に12時30分に着くと、この悪天候、しかも平日にもかかわらず、駐車場は車で一杯。
店内もごった返しています。
お客さんの約半数が限定麺、残りは大衆中華メニュー(手もみラーメン)。

それにしても、最近限定麺の説明書きが簡素化の傾向にあるといっても、今回の「貝白湯つけそば」の「鶏白湯に貝をたくさん入れました」は、あまりにも簡潔過ぎる!

これではイメージが湧かないので、勝手に濃厚なドロドロの鶏白湯に塩ダレを入れ、貝ダシないし貝のペースト(またはオイル)をトッピングしたつけ汁を想像。
ところが、運ばれてきたつけ汁は、予想とは全くの別物。

つけそばですから、当然、「貝白湯」のつけ汁とは別に麺と具が用意されています。
黒い丼に中細の平打ち麺が盛り付けられ、その上に薄ピンク色の豚ロース肉の低温調理チャーシューが2枚。
手前に味玉半分、奥には枕木メンマ2本。
右手に三つ葉が添えられています。

そして肝心のつけ汁。
これがホワイトのドロドロのスープという予想とは違い、まるで白味噌の味噌汁のような様相。
具は、ザク切りのネギだけ。
鶏白湯スープはさらっとしていて、貝ダシというよりも貝をミキサーで砕いてそのまま鶏白湯に投入している模様。
その意味で、つけ汁で鶏白湯と貝を判別することは難しく、本当に両者が融合したスープに塩ダレを合わせているという感じ。

麺は、岩手県産小麦「ゆきちから」「銀河のちから」「ねばりごし」をブレンド。
ふすまは入れずに自家製麺。
加水率38%で、約3ミリ幅でうどん製麺機でカットしています。
つけ汁につける前は、やや固めの食感で歯応えがあり、小麦の甘みもしっかりと感じます。
これを温かいつけ汁につけると、麺の食感が変化。
ツルツルとした啜り心地と歯切れの良さ、そして喉越しの良さが特徴の麺に変身。
平打ち麺が鶏白湯と貝が融合した塩味のスープを良く持ち上げます。
麺量は230gとボリュームたっぷり。

つけ汁は、サラッとしたスープで、一口目は塩角を感じます。
南部かしわの丸鶏を煮込んだ白湯スープをさらっと仕上げ、それにミキサーで貝を攪拌して投入。
白湯スープと貝のペースト(?)を融合させています。
南部かしわの旨みが凝縮した白湯スープに貝の旨みが重なり、鶏の旨みが全面的に展開するというよりも、それをリーズナブルなレベルで抑えた上で、貝の風味もふわっと感じるというところでしょうか。
鶏白湯と貝を塩ダレがつないでいますが、そのせいもあってか、やや塩角が強めに感じられます。

問題は「貝」というだけで、一体何なのかが分からないということ。
そこで村山店主に聞くと、「貝です」という答え。
どうやら使っている貝については、企業秘密らしい。

もっと貝の旨みがガツンと来るかと思ったらそうではなく、かといってプレーンな塩ダレの鶏白湯スープ特有の鶏の臭みも全くなく、完全に鶏と貝が融合して適度の鶏感と貝感がドッキングしたサラッとした塩ダレのスープ。
プレーンな塩味の鶏白湯スープではどうしても避けられない鶏の臭みを、貝を合わせることで完全に除去。
鶏の旨味と貝の旨みが見事に掛け合わされ、「新しいスープ」になっている感さえ抱きます。

具の豚ロース肉の低温調理チャーシューは、ロースハムのようなやわらかさと食感、風味の上品な味。
それが2枚ものっているのですから、かなりの満足度。
枕木メンマは柔らかく煮込んであり、やや甘めの味付け。
濃厚な味付けの黄身がトロッとしていて、垂れてくるような味玉半分。
そして、麺のトッピングである三つ葉が、麺と一緒につけ汁に投入されることにより、つけ汁のザク切りネギとともに、サッパリ感を増す仕掛け。

つけ汁を少し残してスープ割りを頼むと、つけ汁の中の白濁した部分が解消され、一層さらっとした味のスープに。
では、何のスープで割ったのか?
鶏清湯か?それとも貝ダシか?
割りスープも「企業秘密」とのこと。

私としては、今でも一体何の貝を使っているのか、鶏白湯と貝との合わせ方の詳細はどうやっているのか、そして割りスープの正体は何かなど気になっているのですが、「秘密」があった方が楽しいかも知れません。

限定麺「貝白湯つけそば」は60杯の提供なので、明日(13日)まで持っても、早めに終了。
そのあとは、土曜(14日)から次の限定麺「大浦牛蒡担々そば」が始まります。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「貝白湯つけそば」(2019年12月12日)

    限定麺「貝白湯つけそば」(2019年12月12日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2019年12月12日)

    麺と具(2019年12月12日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(別角度)(2019年12月12日)

    麺と具(別角度)(2019年12月12日)

  • 南部屋路ばた - 「貝白湯」のつけ汁(2019年12月12日)

    「貝白湯」のつけ汁(2019年12月12日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2019年12月12日)

    スープ割り(2019年12月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「貝白湯つけそば」の簡潔過ぎる説明書き(2019年12月12日)

    限定麺「貝白湯つけそば」の簡潔過ぎる説明書き(2019年12月12日)

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2019/12訪問130回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「醤油そば」。季節感はないが、鶏と魚介、乾物がバランスした和風スープに醤油ダレを合わせた懐かしさのある味の醤油ラーメン。巨大なワンタンの皮を具と麺の間に挟む「遊び心」に拍手!

12月7日(土)

「豚汁そば」に続く「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺は「醤油そば」。

路ばたの限定麺は、「ラーメンで季節感を表現する」のがモットー。
見た目や食材を通し、季節を感じさせるラーメン。
しかし、今回は村山店主がインスタで語っているように、見た目に季節感はありません。
むしろ、村山店主が今つくりたいラーメンと言った方が良いでしょう。

村山店主が「かえしをこねくりかえしました」と述べる「醤油そば」はどんな味なのだろうか。
ネーミングやビジュアルは地味ですが、「鶏そば」「煮干しそば」と差別化された「醤油そば」の味が気になり、恒例の土曜の路ばた訪問。

○限定麺「醤油そば」(900円)

今日もどんより曇り、ときどき小雪の舞う厳しい寒さ。
そんなことには関係なく、12時30分に路ばたにつくと、駐車場は一杯。

券売機横の「限定麺」「限定飯」の説明書きを見ると、限定麺は「醤油そば」のみ。
限定飯は「南部かしわ玉子かけご飯」(200円)。

店はほぼ満席。
幸い、カウンター席に空席を見つけ、女性スタッフに食券を渡し、着席。
周囲を見渡すと、幅広い世代のお客。
そんな多様な年齢のお客が「限定麺」を食べている微笑ましい風景。
路ばたの限定麺が岩手のラーメンレベルを確実に押し上げ、それを各世代のお客が支持しているのが良く分かる店内風景。

今日は「限定飯」は頼まず「限定麺」に集中。

まもなく、「醤油そば」が到着。
醤油感の強い琥珀色の澄んだスープ。
麺や具はオーソドックスだろうと思いきや、ラーメンを見ると、麺と具の間に「膜」がある!
これは何だろうと良く見ると、大きなワンタンの皮が丼を全面的に覆い、麺と具を分けています。

丼の中央に豚ロース肉低温調理チャーシューと厚みのある鶏ムネ肉低温調理チャーシュー。

チャーシューの上に白髪ネギと輪切りネギを綺麗に盛り付け。
スープには笹切りのネギも浮いています。
そして、巨大な穂先メンマ。

南部かしわの丸鶏とガラにアサリ、昆布、カツオ節などをブレンドしたスープ。
これに鶏油と醤油ダレを合わせています。

スープを飲むと、南部かしわのダシと鶏油が合わさる鶏の旨味が最初ふわっと感じられますが、飲んでいるうちに鶏と魚介、乾物が完全にバランス。

どの食材も突出せず、さっぱりとしながらも深みのあるスープ。
スープがバランス型のおとなしい味な分、醤油ダレの風味が相対的に目立ち、角のない沁み入るような醤油味が印象的。
まるで、良質な日本そば(かけそば)のつゆのような味。
それに鶏油やチャーシューの脂身由来の油脂が加わり、ほどよいオイリー感。

「鶏と水」のみの単一食材のスープのような突出性や個性はありませんが、その分どこか懐かしさのある飽きの来ない味。
いま首都圏ではバランス型のラーメンが全盛ですが、今日の「醤油そば」のスープを持っていきたい気持ち。
絶対受けると思います。
もちろん、スープもタレも無化調。

麺を食べる前に、ツルツルのワンタンの皮を食べるという村山店主の遊び心満点のワンクッション。

麺は切り刃20番、加水率35%の中細角ストレート麺。
強力粉の「ゆきちから」「銀河のちから」に中力粉の「ねばりごし」をブレンドした自家製麺。
「ふすま」は練り込んでいません。

「醤油そば」専用麺は、「ふすま」が入っていないだけに、小麦の香りこそ「ふすま」入りの麺に劣りますが、中力粉がブレンドされているだけに、適度なツルツル感と歯切れの良さが見事に両立。
噛むとモチモチというよりも、シコシコとした食感。
麺量は160g。

具の豚ロース肉低温調理チャーシューは、たまたまかも知れませんが、脂身が通常以上ついている上、柔らかさが通常以上で、ラーメンのトッピングというよりも、スープと完全に一体化し、脂身がスープの濃コクとオイリー感を高めているかのよう。

鶏ムネ肉の低温調理チャーシューは、厚めの部分と割と薄めの部分と差をつけた面白い切り方。
薄めの部位はしっとり、厚めの部分は食べ応えがあり、1枚のチャーシューで二度楽しめます。

巨大な穂先メンマは、やや濃いめの味付けですが、ちゃんとメンマそのものの味も感じられ、シャキシャキ感も半端ない絶妙な出来。

スープに浮かぶ笹切りのネギが、ラーメンの和風感を高めています。

「鶏そば」や「煮干しそば」のような強いインパクトはありませんが、まさにバランス型の典型。
カエシの旨味を楽しむラーメンは、懐かしさのなかに新しい工夫や遊び心が感じられる一品

テーブル席で「醤油そば」を食べていた老夫婦が、「美味しいスープと麺だね」と語り合っていたのが印象に残っています。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「醤油そば」(2019年12月7日)

    限定麺「醤油そば」(2019年12月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「醤油そば」(2019年12月7日)

    限定麺「醤油そば」(2019年12月7日)

  • 南部屋路ばた - 「醤油そば」の説明書き(2019年12月7日)

    「醤油そば」の説明書き(2019年12月7日)

  • 南部屋路ばた - 本日の限定飯は「南部かしわ玉子かけご飯」(2019年12月7日)

    本日の限定飯は「南部かしわ玉子かけご飯」(2019年12月7日)

  • 南部屋路ばた - 券売機の最下段が「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」(800円・900円・1000円)のボタン(2019年12月7日)

    券売機の最下段が「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」(800円・900円・1000円)のボタン(2019年12月7日)

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2019/11訪問129回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「豚汁そば」、限定飯「ローストビーフ飯」。やや甘めの白味噌ベースのタレのスープに背脂がびっしり。一味唐辛子の辛味、柚子や三つ葉の香りも加わり、大浦ゴボウの素揚げが香ばしさを添える「豚汁そば」!

11月30日(土)

11月最終日は土曜。
最近土曜の恒例となった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺探訪。
昨日(29日)から、新しい限定麺「豚汁そば」がスタート。
村山店主の言葉を借りると、「僕的には普通なんですが、意外に毎年リピート率1、2を争う」人気メニューという。
たしか、昨年は12月初めに提供されましたね。

〇限定麺「豚汁そば」(800円)+限定飯「ローストビーフ飯」(300円)

今日は、昨日とそれほど気温は違わないものの、風がなく、晴れ間があるせいか、穏やかな気候に感じられます。
午前中、盛岡駅西口の集合施設で仕事。
昼で仕事を終え、西口からタクシーで「南部屋路ばた」へ。

12時25分頃につくと、相変わらず駐車場が混んでいます。
岩手ナンバー、盛岡ナンバーの車が中心ですが、八戸ナンバーもあります。

店内に入り、限定麺の説明書きをチェック。
限定麺の「豚汁そば」のほか、限定飯が「ローストビーフ飯」とあっては、両方食べなければなりません。

幸い、カウンター席の一番左端が空いていたので、座りながら、女性スタッフに食券2枚を渡します。

待つ間に、スマホで撮影した説明書きを読み、限定麺と限定飯の予習。
でも、最近説明が簡素化され、今日は麺の加水率の記載もなし(涙)。

混んでいるので、到着まで約7~8分かかりますが、村山店主1人で調理している以上仕方がありません。

まもなく、限定麺と限定飯を女性スタッフがお盆に入れて運んでくれます。

まずは「豚汁そば」から。
豚骨、豚肉、玉ネギ、人参、ネギなどのスープに陸前高田市「八木澤商店」の白味噌ベースの味噌タレを合わせ、具は三つ葉、白金豚、コンニャク、大浦ゴボウという説明。

白味噌ベースのタレとびっしりと入った白金豚の背脂が効いて白っぽい味噌スープ。
逆円錐形で底の深い黒の丼の口径をはるかに超える長さの大浦ゴボウの素揚げが2本。
さすが千葉県特産の「巨大野菜」だけあります。
これがまず目を引きます。

さらに白濁した味噌と背脂のスープに、丼を一直線に横断するかのようにふりかけられた一味唐辛子の赤い帯。
それ以外に、こちらはカットされた大浦ゴボウの素揚げ、白金豚のバラ肉、コンニャク、三つ葉などの具がたっぷり。
スープに豚骨や豚肉、タレは味噌、具に豚バラ肉やコンニャクなどを使っているので、たしかに「豚汁そば」ですが、やはり目立つのは大浦ゴボウの素揚げ。

背脂びっしりの白味噌のスープは、見た目ほど濃厚ではありません。
やや甘めの白味噌と背脂のコクがベースになり、それに最初から一味唐辛子のピリ辛さが加わり、これに柚子や三つ葉の香りが加味されるという実に計算された緻密な味の組み合わせ。

さらにカリッと素揚げされた大浦ゴボウの香ばしさと食感がプラスされ、「豚汁そば」という素朴な(?)ネーミングをはるかに超える創作性の高い味噌ラーメン。
もちろんスープ、タレとも無化調、無添加。

麺は切り刃20番、加水率35%の角ストレート麺の自家製麺。
麺の厚みは角麺と平打ち麺の中間ぐらい。
通常の角ストレート麺よりも麺の厚みがやや薄いので、ツルツルと啜れる食感が増しています。
切り刃20番という数字以上にふっくらと茹で上げた感のある麺は、噛むとモチモチ。
ただし、加水率を35%に抑えているので、単なるモチモチ感だけではなく、弾力感もかなりのもの。
白味噌と背脂のコクと甘味のあるスープに良くマッチした麺です。
麺量は170g。

さきほど「豚汁そば」を超える創作性のある味噌ラーメンと述べましたが、そうした先鋭性を秘めながらも、豚バラ肉やサイコロ状のコンニャクで、「豚汁らしさ」を演出。
それを超える創作性を大浦ゴボウの素揚げや具の三つ葉、柚子などでしっかり出しています。

今日はいつも以上に限定麺の注文が多いようで、「豚汁そば」という親しみやすく、寒さに即した商品名や白味噌と背脂の組み合わせなど若者にもアピールするコクのあるスープ、そしてインパクト絶大の外観(インスタ映えする)の「大浦ゴボウ」の素揚げなどが人気の秘密なのでしょう。
さすが「リピート率1、2を争う」だけあります。

しかし、今日は限定麺の「豚汁そば」以外に「ローストビーフ飯」という破格の「限定飯」があるのですから、実に豪華。
「ローストビーフ飯」は、熱々の白飯に醤油メインのタレにつけた柔らかいローストビーフがのせられ、ローストビーフには茶色いソースがかかっています。
さらにネギや糸唐辛子がトッピング。
そして意外性があるのが、ワサビがついていること。

まずローストビーフから食べてみると、茶色いソースが玉ネギのソースであることが分かります。
まるでマグロの刺身(赤身)のようなしっとりとして柔らかいローストビーフの美味しさと食感もさることながら、醤油ダレや玉ネギソースの旨みが重なり、ミニ丼というのが勿体ないほど。
しかも、ローストビーフにワサビをのせると、ワサビのツーンとした辛さとほのかな甘みがローストビーフの旨みを一層引き立たせます。

トッピングの白ネギのシャキシャキとした食感を楽しみながら、ローストビーフとワサビという「和と洋」の意外な出会いを満喫。
あっという間に、「ローストビーフ飯」を食べ終えてしまいます。

今回の限定麺と限定飯は、コクと甘味と香ばしさの織り成す「豚汁そば」、それからワサビと玉ネギソースで「ローストビーフ」の美味しさを最大限活かしたさっぱりとした「ローストビーフ飯」という最強のコンビ。
お腹一杯になりましたが、満足感も一杯。
こんな素晴らしい限定麺と限定飯を、ほぼ週替りで提供してくれる村山店主に感謝!

  • 南部屋路ばた - 限定麺「豚汁そば」(2019年11月30日)

    限定麺「豚汁そば」(2019年11月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「豚汁そば」(2019年11月30日)

    限定麺「豚汁そば」(2019年11月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「豚汁そば」(2019年11月30日)

    限定麺「豚汁そば」(2019年11月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「ローストビーフ飯」(2019年11月30日)

    限定飯「ローストビーフ飯」(2019年11月30日)

  • 南部屋路ばた - 「豚汁そば」の説明書き(2019年11月30日)

    「豚汁そば」の説明書き(2019年11月30日)

  • 南部屋路ばた - 「ローストビーフ飯」の説明書き(2019年11月30日)

    「ローストビーフ飯」の説明書き(2019年11月30日)

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2019/11訪問128回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「法蓮草の生姜そば」「芹と鶏のつけそば」。今日も限定麺を連食。醤油ダレと生姜が見事に一体化した生姜醤油スープ。しっとりと茹でたほうれん草のおひたしも光る。「鶏そば」のつけそば版に芹がたっぷり!

11月23日(土・祝)

昨日(22日)から始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺「法蓮草の生姜そば」。
提供2日目の今日(23日)は、これと限定飯かなと思っていたら、昨晩のInstagramで、村山店主がもう1つの限定麺を今日から提供すると告知。

先週の限定麺「芹と滑子」で使ったセリがちょっと余ったので、「鶏そば」のつけそばバージョンにセリを添えてみましたという。
「多分すぐ終わります」と言われたからには、両方とも食べるしかない!

○限定麺「法蓮草の生姜そば」(800円)

どんよりと曇った土曜(祝日)のお昼に「路ばた」に行くと、予想していましたが、店前の駐車場は満杯。
駐車できない車が、とまっている車が出るのを待つ状況。
車が無事に入れ替わると、すぐに次の車が駐車待ちという盛況。

店に入ると、カウンター席、テーブル席、座敷すべて満席。

幸い限定麺2種はありましたが、券売機に1000円札を入れようとしたら、お札が入らない。
良く見ると、おつりの100円玉が切れています。
女性スタッフにお願いして、券売機に100円玉を補給。
無事、券売機が復旧。
限定麺800円の食券を購入。

まずは、待ち椅子に座り、カウンター席が空くのを待ちます。
約10分の待ち時間で、カウンター席に2人分の空きが出、着席。
女性スタッフに食券を渡し、最初に「法蓮草の生姜そば」を出すようお願いしました。

すぐに「法蓮草の生姜そば」が到着。
やや濃いめ琥珀色の澄んだ醤油スープ。
少々オイルが浮かんでいます。
具は、商品名になっているほうれん草のおひたし。
皮付きの鶏モモ肉チャーシューと豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
海苔が1枚と同店では珍しい枕木メンマ。

スープの色、具の枕木メンマや海苔など、昔懐かしい中華そばの趣。
スープは鶏と豚、煮干しブレンドという典型的なバランス型。
これに醤油ダレと生姜を合わせ、チャーシューダレ、鶏と豚の脂でコクを出しています。

スープを飲むと、バランス型だけあり、ダシは主張せず、やや強めの醤油味。
これに生姜の風味が混ざります。
鶏や豚の脂が適度なコクを加え、物足りなさはありません。

最初は醤油が目立ちますが、スープを飲むにつれ、徐々に生姜の風味が台頭。
それでも、生姜が突出することなく、醤油と生姜が絶妙にブレンドした生姜醤油スープ。
基本さっぱりとした味ですが、もっと生姜の香りを味わいたい向きには、塩ダレが欲しいところ。

麺は説明書きには「加水率34%」としか書かれていませんが、34%といい、食感といい、先週の限定麺「芹と滑子」に使った麺ではないでしょうか?
この点を村山店主に確認したかったけれど、殺到する注文を1人でこなす鬼のような忙しさ。

もし同じ麺だとすると、銀河のちから、ゆきちから、ねばりごしをブレンドした「ふすま」なしの自家製麺。
切り刃20番、加水率34%の角ストレート麺。

ツルツルとした食感で、噛むとシコシコ感のある「ツルシコ」麺。
このツルシコ麺が、生姜香る醤油スープにぴったり。
麺量は160g。

具の皮つきの鶏モモ肉チャーシューは、コリコリとした食感。
豚ロース肉低温調理チャーシューは、ロースハムのような淡白な味付け。
枕木メンマの味付けも薄味。
しっとりと茹でたほうれん草のおひたしも、クセのない味。
これに海苔や2種のネギなども加わり、トッピングは総じて味付けが薄めで、醤油と生姜の風味が際立つように工夫されています。
もちろん、スープもタレも無化調。

先に塩ダレバージョンも食べたいと書きましたが、Instagramを良く見ると、「法蓮草の生姜そば」の醤油を食べた方に限り、塩を提供するという。
これは来週の平日食べに行かねば!

○限定麺「芹と鶏のつけそば」(800円)

先週の限定麺の食材「セリ」が余ったからといって、「鶏そば」をつけそばにして、それにセリを添え限定麺に仕上げるなんて、何というセンスの良さ。

黒い逆円錐形の底の深い丼に、麺が渦を巻くように綺麗に盛り付け。
麺の根元を見ると、大きな穂先メンマ。
麺の上には豚バラ肉の煮豚。
その上に豚ロース肉低温調理チャーシュー。
上記のチャーシュー、メンマは「鶏そば」と同じ。
麺も鶏そばの麺を冷水で締めています。

麺の上のチャーシューのさらに上には、セリの葉と茎など緑の部位をおひたしにしてトッピング。

つけ汁は鶏そばのスープと醤油ダレ。
ただし、タレの量に比しスープが少ないので、醤油感が鶏そばよりも強くなっています。

実はつけ汁にもセリがたっぷり入っていて、こちらは根などの部位。
セリの部位を分け、緑鮮やかな葉と茎をおひたしにして、麺にのせ、地味な色の根をつけ汁の具にするセンスも秀逸。
まさに、セリづくしの鶏つけそば。

さらに、つけ汁には鶏つくねが3個も入っているなど、チャーシューと合わせて食べ応え十分。

まず麺を食べてみます。
こちらは鶏そば、煮干しそば用の自家製麺。
説明書きには麺に関する説明はありませんが、銀河のちから、ゆきちから、ゆきちからのふすまをブレンドした切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。

ふすまが練り込まれたやや茶色っぽい麺は、ふすまなしの「法蓮草」の白っぽい麺とは色も対照的。
食感も対照的で、水で締めたふすま入りの麺はざらっとした食感で、固めの麺。
歯応えは、鶏そば以上。
もちろん、小麦の香りが濃厚。
麺量は230gと、鶏そばの160gよりもかなり多め。

つけ汁は、鶏そばのスープとタレと同じ。
親鳥の丸鶏と水(πウォーター)だけでとったスープに、再仕込み醤油、たまり醤油、3種の生醤油をブレンドし、味醂、酒、フルーツ酢などを加えた醤油ダレを合わせています。

ただし、スープの割合が鶏そばよりも少ないので、つけ汁を飲むと、もう半端じゃない醤油感。

醤油のコクや香り、キレなど、まさしく醤油の旨味が全面展開。
それを鶏ダシや鶏油などの芳醇な鶏の旨味がしっかりと支えるつけ汁。
生醤油のインパクトも鶏そば以上で、ときに酢のような酸味を感じる瞬間も(フルーツ酢も効いているでしょうが)。

固めで歯応えのある麺を、醤油と鶏が一体化した濃厚なつけ汁にくぐらせ食べたときの美味しさは、鶏そばとは違った新しい世界!
しかも、麺だけでなく、セリの葉や茎、根の食感や風味が重なり、私のようなセリ好きには堪りません。

2種のチャーシューや穂先メンマの美味しさはもちろん、つけ汁に入った鶏つくねの優しい味も特筆もの。
尖りがちになる鶏と水と醤油ダレだけの濃厚なつけ汁を、さりげなく穏やか方向にシフトさせる見逃せない具。

さすがに限定麺連食で、麺量合計390gはきつかった!
欲張らずに、どちらか1つに絞るべきでしたが、いざ店に行くと連食せざるを得ないのが悲しい性(さが)。

何とかつけそばの麺を食べ終え、最後はスープ割りにしてもらって、こちらもスープ完飲。

もちろん、「芹と鶏のつけそば」も、スープ、タレともに無化調です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「法蓮草の生姜そば」(2019年11月23日)

    限定麺「法蓮草の生姜そば」(2019年11月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「法蓮草の生姜そば」(2019年11月23日)

    限定麺「法蓮草の生姜そば」(2019年11月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「芹と鶏のつけそば」(2019年11月23日)

    限定麺「芹と鶏のつけそば」(2019年11月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「芹と鶏のつけそば」(2019年11月23日)

    限定麺「芹と鶏のつけそば」(2019年11月23日)

  • 南部屋路ばた - 麺の上にセリの葉と茎のおひたし(2019年11月23日)

    麺の上にセリの葉と茎のおひたし(2019年11月23日)

  • 南部屋路ばた - 鶏と水と醤油ダレのつけ汁にも、セリの茎と根がたっぷり(2019年11月23日)

    鶏と水と醤油ダレのつけ汁にも、セリの茎と根がたっぷり(2019年11月23日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2019年11月23日)

    スープ割り(2019年11月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「法蓮草の生姜そば」の説明書き(2019年11月23日)

    限定麺「法蓮草の生姜そば」の説明書き(2019年11月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「芹と鶏のつけそば」の説明書き(2019年11月23日)

    限定麺「芹と鶏のつけそば」の説明書き(2019年11月23日)

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2019/11訪問127回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「芹と滑子」と限定飯「カレーご飯」。清涼感のあるセリの香りと食感、天然なめこのぬめりと食感を堪能できるさっぱりとした醤油ラーメン。トロみのある鶏カレーがのる「カレー飯」はサイドメニューに絶好!

11月16日(土)

前夜「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)のInstagramを見ていたら、明日(つまり今日16日)から新しい限定麺が提供されるという。

もっとも、先週の限定麺「キムチ納豆そば」と「葱」のあと、ゲリラ限定で「芹味噌そば」が提供されたらしい。
もちろん、ゲリラ限定は食べ逃しました。

さて今日から始まる限定麺は「芹と滑子」。
最近「限定麺」のネーミングは、「葱」「芹と滑子」のように、メイン食材をそのものずばり書くタイプが増えてますね。

「芹」(セリ)をメイン食材にした無化調あっさり醤油ラーメンといえば、都立家政(東京都中野区)にある「食堂七彩」が毎年12月に限定で出していた「セリ中華そば」を思い出します。

あっさりとした鶏ダシのスープに控えめの醤油ダレ、素麺のような食感の細麺「稲庭中華そば」を合わせ、根も含む芹をたっぷりトッピング。
鶏肉も入った「きりたんぽ鍋」を思わせる印象的なラーメンでした。

そんな「セリ中華そば」の思い出と、限定飯が「カレーご飯」ということもあって、混雑覚悟で提供初日の今日の昼に行ってきました。
なにせ、「南部屋路ばた」のカレーにハズレはないですから。

○限定麺「芹と滑子」(1000円)+限定飯「カレーご飯」(200円)

12時10分頃、「路ばた」につくと、予想通り駐車場は車で一杯。
これは券売機で並びができていそうだと観念して、店内に入ると、意外にも券売機の前には誰もいません。

すぐに事情を察知。
座敷にご老人の団体がおられたんですね(私も十分老人ですが)。
逆にカウンター席には空席も。
お陰で、券売機横の限定麺や限定飯の説明書きをじっくり撮影する時間がありました。

「路ばた」は大衆中華料理店と、無化調・自家製麺の「鶏そば」「煮干しそば」「限定麺」を出す先端的な店という2つの顔があります。
前者の大衆的なメニューを愛する方々と後者の先端的なラーメンを愛するマニアが自然に同居する都会では考えられないような状況。
でも、この二面性が同店の繁盛の秘密です。

今日のこの時間帯は、大衆的なメニューで昼食を楽しむグループがおられたというわけ。
もちろん、大衆的なメニュー、先端的なメニューのすべてを村山店主が1人で調理しています。

ベテラン女性スタッフに限定麺と限定飯の食券を渡し、カウンターの一番奥(右側)の席に着席。
すると、座って3分ほどで、限定麺と限定飯が出てきたのにはビックリ。

まずは「芹と滑子」から。
鶏と豚のWスープに醤油ダレを合わせ、鶏豚の脂を少々加えた澄んだ琥珀色の醤油スープ。
商品名のとおり、根こそついてませんが、ザク切りにしたセリの茎と葉がたっぷり。
傘の大きな天然なめこも5~6個入っています。

それ以外は、折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシューとその下に白金豚(?)のバラ肉の煮豚。
さらに、ワンタンが1個入るという贅沢さ。
芹や天然なめこの高さを踏まえると、1000円という価格もむしろ良心的。

鶏ダシの良く出たスープ。
豚は下支えの役割。
醤油味は見た目よりも控えめで、芹となめこの風味を存分に味わえるように工夫されています。
もちろんスープもタレも無化調。

麺は切り刃20番、加水率34%の自家製麺。
岩手県産小麦「ゆきちから」「銀河のちから」「ねばりごし」をブレンド。
「ふすま」不使用の角ストレート麺は、「鶏そば」「煮干しそば」用のふすま入りの麺とはかなり違った食感。

ツルツルとして、噛むとシコシコした食感。
小麦の香りこそ「ふすま」入りの麺に劣りますが、「ツルシコ」麺はさっぱりとしたスープにぴったりで、麺も芹となめこの風味を引き立てています。
麺量は160g。

茎と葉をザク切りにした芹は、シャキシャキとした食感と素朴ながら清涼感溢れる風味。
あの「食堂七彩」の「セリ中華そば」を食べたときの感動が甦ってきました。
芹とツルシコの麺が本当に良く合います。

そして天然なめこ。
栽培したなめこにくらべ傘が大きく、ぬめりも多め。
なめこ特有の風味も、天然ものの方な強く、ツルッと食べてしまうのがもったいないくらい。

具の2種のチャーシュー。
豚ロース肉の低温調理チャーシューは、ロースハムのような食感と淡白な風味。
それでいながら、肉の旨味が詰め込まれていることが、噛むと良くわかる出来。
その下に隠れている豚バラ肉(白金豚?)の煮豚は、ホロホロとして箸で取ろうとすると崩れ落ちる柔らかさ。
普段の煮豚にくらべると、味付けは抑え気味。
肉の旨味を前面に出しています。

ツルツルとした自家製の皮で包んだワンタンの具は、豚挽き肉。

まるで「きりたんぽ鍋」を食べているかのような「芹と滑子」。
チャーシューの代わりに鶏肉をトッピングすれば、もっと鍋感が強くなるでしょう。

あっさりとした醤油スープに自家製のツルシコ麺、そして野趣のある芹と天然なめこがたっぷり入る「芹と滑子」。
「天然なめこ」は無くなり次第、栽培ものに変更されるので、早めに訪れることをオススメします。

さて、限定飯の「カレー飯」。
いつもの限定飯の椀にご飯が一杯盛られ、トロみのあるカレーがこれもたっぷりかかっています。
一見ごく普通のほぐし鶏肉を入れたミニカレー丼。

しかし、スパイスを調合した自家製のカレー粉にトマト、玉ネギ、人参、白金豚などを入れ、ほぐし鶏肉を加えたかなり凝ったカレーです。

野菜の旨味が自家製カレー粉の辛さとうまくバランスした辛さ控えめのカレー。
食べるごとに、深みのある味に唸らされます。
こんな高レベルのカレーご飯が200円というのも、コストパフォーマンス高過ぎ。

食べ終わると、気持ちは早くも来週の限定麺と限定飯への期待に変わっています。
それに「鶏そば」「煮干しそば」も定期的に食べないと。
週一(あるいはそれ以上の)「路ばた」通いはやめられませんね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「芹と滑子」(2019年11月16日)

    限定麺「芹と滑子」(2019年11月16日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「芹と滑子」(2019年11月16日)

    限定麺「芹と滑子」(2019年11月16日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「カレーご飯」(2019年11月16日)

    限定飯「カレーご飯」(2019年11月16日)

  • 南部屋路ばた - 「芹と滑子」の説明書き(2019年11月16日)

    「芹と滑子」の説明書き(2019年11月16日)

  • 南部屋路ばた - 「カレーご飯」の説明書き(2019年11月16日)

    「カレーご飯」の説明書き(2019年11月16日)

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2019/11訪問126回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「キムチ納豆そば」「葱」。今週も限定麺を連食。本家を無化調でレベルアップさせた「キムチ納豆そば」。商品名は「葱」だが、主役は「牛」のつけそば「葱」。

11月9日(土)

昨日(8日)発表された「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺は、意外にも「キムチ納豆そば」。

村山店主が「ちょっと遊びます」とInstagramで発言したように、ちょっと肩の力を抜いて、盛岡を代表するラーメンを、「路ばた風」につくってみましたというニュアンス。

私もあれっ?と思いつつも、村山店主が盛岡市民のソウルフードとさえいわれる「柳家」の「キムチ納豆ラーメン」を無化調でどう再現?したのかに興味をもち、今日の昼、訪れてみました。

○限定麺「キムチ納豆そば」(800円)

12時20分頃、店につくと、駐車場は車で一杯。
店も満員で、店内待ちが出る状況。

まずは券売機左の限定麺のPOPを見ると、予定していた「キムチ納豆そば」以外に、今日から提供開始の最新の限定麺「葱」。
それにしても、最近「大根」「葱」など、一文字の商品名(それも、つけそば)が目立ちますね。

どちらにするか迷った結果、先週に続き今日も両者を連食することに決定。
800円と1000円の限定麺の食券を買い、最初に「キムチ納豆そば」を出してくれるようお願いします。

幸い、カウンター席に1つ空席をみつけ、そこに座り、いつものようにスマホで撮影した説明書きで予習。

まず「キムチ納豆そば」が到着。
黒い丼に本家顔負けの真っ赤なスープ。
ただし、細切りした白ネギと青ネギを中央に綺麗に盛り付け、その上に糸唐辛子を添えるビジュアルが「路ばた」の「キムチ納豆」であることを主張。

煮干しスープに、納豆を刻んで味噌と合わせた「納豆味噌」のタレをブレンド。
さらにキムチを加え、モヤシや白金豚のバラ肉、ニラなどの具、そして麺を合わせた具沢山のラーメン。

本家以上に真っ赤な?スープを飲むと、最初こそ納豆の匂いがプーンときますが、すぐに辛みが主流に。
納豆の風味は抑え気味。
それとキムチの辛さと酸味がバランス。
煮干しが下支えする辛みや酸味に旨味が絶妙に混じったスープ。
ほのかな納豆風味がアクセント。
もちろん、スープ、タレ、具などすべて無化調。

本家は10年以上食べていませんが、もっとすっきりとまとめたスープ。
麺の旨さも、本家よりもこちらの方が上。

麺は、切り刃20番、加水率38%の自家製の平打ち麺を手揉み。
たっぷり入ったシャキシャキしたモヤシや白菜、これも一杯入った白金豚バラ肉などの具材やスープにまみれ、麺がどこまで存在感を発揮できるかどうか?

手揉み麺らしいモチモチ食感の麺を想像すると少し違い、やや固めで歯応えのある麺。
しかし、これぐらいの主張の強い麺でないと、濃厚なスープやタレヤキムチ、そして大量の具のなかに埋もれてしまうでしょう。
麺量は200g。

スープを飲み干すと、これだけで十分という感じになりますが、もう一品残っています。

○限定麺「葱」(1000円)

現時点では一番新しい限定麺。
食べ終えた「キムチ納豆そば」と入れ替わりに、麺と具、つけ汁が運ばれてきます。

白い大皿の中央が窪み、そこに麺が盛られている同店のつけそば特有のビジュアル。
麺にはレンゲが刺してあって、そこにクレソンとオリーブオイルを合わせたグリーンの「クレソンオイル」がたっぷり。

大皿の縁には具。
くるっと巻いたローストビーフ2枚。
その上に玉ネギの煮物がさりげなく添えられています。
それから商品名の由来である「長ネギのマリネ」が3つ。
そして、焼きトマトが1枚。

つけ汁は牛ダシと白味噌など4種の味噌をブレンド。
具は仙台牛の牛すじ。
牛すじなどから抽出された脂肪やコラーゲンが白くびっしりつけ汁に浮かび、ビジュアルはいかにも濃厚そう。

麺の具のローストビーフ、つけ汁の牛ダシ、さらにつけ汁の具である牛すじなど、珍しい牛づくしのつけそば。

大皿中央の窪みに盛られた麺は、ゆきちから、銀河のちからにふすまを配合した加水率35%の自家製麺。
麺幅約4ミリの平打ち麺。
麺帯をうどん製麺機で裁断している模様。

ツルツルとした良く啜れる麺ですが、噛むと強力粉メインのため、コシが十分。
歯切れの良い麺で、「ふすま」が効いて小麦の香り豊かな麺。
麺量は250g。

つけ汁は、白味噌メインと思われる味噌ダレと牛ダシが合わさり、これに具の牛すじが加わるだけに、味噌味に牛の旨味や甘味が重なります。
もちろん無化調です。

幅広の平打ち麺が、濃厚なつけ汁を良く拾い、牛の旨味、甘味、コクを、麺とともに十分堪能できます。

しかし、さすがにオイリーで甘味のある牛と味噌のつけ汁には、途中でやや飽きがきます。
そこで、レンゲにのったクレソンオイルを麺にのせて、麺と一緒につけ汁に浸すなり、クレソンオイルを先に少しずつつけ汁に解くなりすると、濃厚な風味が徐々にさっぱりとした味に。
最後までストレスなく麺を食べ終えることがてきます。

忘れてはならないのが、麺の具。
ローストビーフは柔らかくて、牛の旨味が詰まった味。
ローストビーフの上に添えられた甘めの玉ネギの煮物が抜群な美味しさ。

「葱」という商品名の由来になっている「長ネギのマリネ」。
ネギをブツ切りにして、焼き目がつくまで炒め、そのあとダシや酢、砂糖、塩などに漬けたマリネ。
口に含むと、ネギの甘い風味と酸味のあるタレのジュースが溢れ、その甘酸っぱさに感動。

ダメを押すのが「焼きトマト」。
柔らかい「焼きトマト」の程よい酸味は、もう1枚食べたくなる美味しさ。

つけ汁にはプリプリとした牛すじがたっぷりと入り、牛すじ煮込みのファンには堪りません。

途中からクレソンオイルが入るので、最初は白っぽかったつけ汁は、次第に緑を帯びた色に。
最後はスープ割りをしてもらい、牛と味噌の旨味を味わいながら、完飲。

牛ダシに味噌を合わせるという意外な発想。
牛づくしの「牛の過剰感」をクレソンオイルで和らげ、箸休めに「長ネギのマリネ」や焼きトマトを添えるという村山店主の調理センスに、いつもながら感嘆させられます。

今日も連食の結果、450gもの麺を食べ、お腹一杯。
最近の限定麺2品攻勢に2週間付き合いましたが、やはり限界。
来週は一品に絞ろうと思います。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「キムチ納豆そば」(2019年11月9日)

    限定麺「キムチ納豆そば」(2019年11月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「キムチ納豆そば」(2019年11月9日)

    限定麺「キムチ納豆そば」(2019年11月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「キムチ納豆そば」(2019年11月9日)

    限定麺「キムチ納豆そば」(2019年11月9日)

  • 南部屋路ばた - 「キムチ納豆そば」の説明書き(2019年11月9日)

    「キムチ納豆そば」の説明書き(2019年11月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「葱」(2019年11月9日)

    限定麺「葱」(2019年11月9日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2019年11月9日)

    麺&具(2019年11月9日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁(2019年11月9日)

    つけ汁(2019年11月9日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2019年11月9日)

    スープ割り(2019年11月9日)

  • 南部屋路ばた - 「葱」の説明書き(2019年11月9日)

    「葱」の説明書き(2019年11月9日)

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2019/11訪問125回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

「剥茸と秋刀魚」「大根」。2種の限定麺を連食。濃厚サンマ白湯のつけ汁にソフトな麺をつける「剥茸と秋刀魚」。「弥吾七大根」と「赤大根おろし」をフィーチャー。醤油感の強いつけ汁に平打ち麺をつける「大根」!

11月2日(土)

3連休初日の土曜日。
盛岡市は、風はやや強いけれど、穏やかな晴天。
盛岡市郊外の上太田にある「南部屋路ばた」を訪れる絶好の天気。
混んでいるのは予想されましたが、新しい限定麺を食べたい一心で、「路ばた」へ。

先週土曜に訪れた折に提供されていた限定麺は「枝豆汁なし担々麺」と「煮干白湯つけそば」。
そのあと、ごく短期間「ボリと鶏塩」を平日に提供。
こちらは食べ逃しました。
そのあと2種類の限定麺が提供されている模様。

○限定麺「剥茸と秋刀魚」(900円)

12時40分頃に店前の駐車場につくと、満杯。
タクシーを降り、店に入ると、券売機の前で既に行列。
券売機横の限定麺の説明書きは2枚。
「剥茸と秋刀魚」(900円)と「大根」(800円)。
いずれもつけそば。
どちらかにするか迷いましたが、どちらか1つだけ食べて、また明日か明後日残りの1つを食べに行くのではタクシー代で破産してしまう!
もう、連食しかないと覚悟を決め、夕食は抜き。

食券2枚を購入。
「剥茸と秋刀魚」を先にお願いしました。

といっても、店内は満席。
先客に続き待ち椅子に座り、席が空くのを待ちます。
約10分の待ち時間のあと、カウンター席が空き、移動。
まずは「剥茸と秋刀魚」の到着を待ちます。
それほど待たずに、待望の「剥茸と秋刀魚」が運ばれてきます。

大皿に中細ストレート麺がたっぷり盛られ、具材は豚ロース肉の低温調理チャーシュー、焼きトマト、カイワレ、ムキタケ(剥茸)、すだちなど。

つけ汁は、写真では茶色っぽく映っていますが、実物はセメント色。
白湯というだけあって、トロみのあるサンマの灰色のペーストがスープに浮いているような様相。

まずは麺から。
何にもつけずに、麺をそのまま食べてみます。
岩手県産の小麦「ゆきちから」「ねばりごし」「銀河のちから」を使って打った自家製麺。
切り刃20番、加水率30%の角ストレート麺。

麺は割とソフトな食感。
噛むとモチッとした食感と小麦の良い香り。
麺量はつけそばだけあって、ラーメよりも多めで250g。

つけ汁をレンゲですくって飲むと、トロみのあるスープは、商品名のとおり、サンマの魚臭さと旨味、それに塩味がぎっしり詰まった強烈なインパクト。
当初、鶏白湯にサンマ節を大量に炊き込んだスープかと想像していましたが、サンマ節でここまで「もろサンマ」の味が出るわけがない。

帰りがけに、調理の最中の村山店主にちょっと聞いてみると、鶏白湯は使わず、サンマだけで白湯スープをつくったという。
それ以上確認する状況ではありませんてしたが、まさにサンマの塩焼きをすりつぶして、白湯に炊き込んだような味。
サンマ節なのか、焼きサンマなのか、生サンマなのか?いずれ確認したいと思います。

焼きサンマをミキサーにかけて、あの香ばしさと旨味をそのままスープにしている店として、池袋の「生粋」(残難ながら化調店)があります。
その「生粋」をはるかに超えるサンマのエキスのような「サンマ白湯」。
秋刀魚好きで、ラーメン好きなら、絶対食べるべきです。
塩ダレなので、秋刀魚の旨味がそのまま伝わります。
もちろん、つけ汁は無化調。

ソフトでモチモチとした中細麺を、濃厚なサンマ白湯のつけ汁につけて食べるだけでも、もう満足。
しかし、さすが村山店主だけあって、具材も凝りに凝っています。

折り畳んだ豚ロース肉低温調理チャーシュー。
生ハムのような柔らかく淡白で上品な味。
しかし噛むと、肉の旨味が口のなかに溢れます。

焼きトマトがのるのも異色。
でも、焼きトマトの酸味が濃厚サンマ白湯に対する箸休めになっています。

そして、商品名になっている「ムキタケ」(剥茸)が3つも。
秋の味覚であるムキタケは、別名「山のフカヒレ」。
たしかに、つるりとしてプリプリとした食感の「ムキタケ」は、「フカヒレ」の食感に少し似ています。
とくに風味は感じませんが、食感だけで十分。

ラーメンをとおして季節を感じることが「限定麺」のねらい。
その意味で、秋の味覚であるサンマと「ムキタケ」を組み合わせたセンスは素晴らしい。

あとは、すだちを麺に搾り、濃厚サンマ白湯のつけ汁につけると、酸味が効いて、サンマの魚臭さが抑えされます。

最後に、残ったサンマ白湯のつけ汁のスープ割りをお願いします。
すると、ブーメラン方式で帰ってきたスープ割りにはスープが足され、さらに刻み玉ネギを入れてくれます。

刻み玉ネギのシャキシャキ感を楽しみながら、適度に薄められたサンマダシのつけ汁を飲み干して終了。

○限定麺「大根」(800円)

同じつけそばですが、「剥茸と秋刀魚」が濃厚なつけ汁とすれば「大根」は醤油ダレの淡麗つけそば。
濃厚で魚感の強いつけ汁が苦手な方はこちらを選択した方が良いでしょう。

麺は切り刃20番の平打ち麺。
ふすまが練り込まれた麺の加水率は34%。
少々トロみのある昆布水が丼にたっぷり入り、麺が浸っています。
昆布水の味は薄めで、麺の風味をそのまま感じることができます。

麺の上には、折り畳んだ豚ロース肉低温調理チャーシュー、赤大根のおろし、すだち、大きな三つ葉がのっています。
なかでも目を引くのが、青紫色の「赤大根のおろし」。

つけ汁も多めで、濃い琥珀色。
鶏ダシ3、煮干しダシ7の割合でブレンドしたスープに醤油をたっぷり効かし、さらに鶏油を加えています。

つけ汁には、おでんの大根のような「弥吾七大根」と鶏つくねが2つ。

平打ち麺は麺の厚みが薄く、ツルツル感満点。
食感は、モチモチというよりもシコシコ。
小麦の風味も十分感じられます。

軽やかな食感の平打ち麺が昆布隙をまとい、つけ汁の醤油ダレや鶏ダシと合流するのが、このつけそばの1つのポイント。
麺量は250g。

つけ汁は琥珀色の濃さが示すように、醤油のコクや香りが過剰なほど、前面に出ています。
この過剰な醤油感が浮いてしまわないのは、鶏油と鶏ダシもしっかり効き、醤油の旨味をうまく支え、つけ汁に厚みを出しているから。
煮干しダシの風味はつけ汁からは感じられず、完全な下支え。
醤油の風味は強いものの、塩味は適度。
つけ汁は、もちろん無化調。

醤油感が強く、鶏の風味もふわっと感じられるつけ汁に、麺の厚みが薄いツルツルの平打ち麺をつけて食べるのも、濃厚な「剥茸と秋刀魚」と違った良さがあります。

さっぱりとした味付けで柔らかいつけ汁の具である「弥吾七大根」、鶏挽き肉のつくねなどが、さっぱりとしたつけそばの魅力をアップさせています。

商品名をあえて「大根」としているように、つけ汁に入った「弥吾七大根」と麺にのった「赤大根のおろし」が白眉。

「赤大根のおろし」は、「赤」色ではなく、「青紫色」。
そのまま食べると、大根おろしのような辛さ。
ところが、すだちを赤大根のおろしに搾って振りかけると、赤大根おろしの色が青紫から徐々に紅色に変色!
同時におろしにもすだちの酸味が加味され、苦味以上に酸味が強くなります。

最後は、昆布水とそれに浸かった麺すっかり変色したおろし赤大根をつけ汁にドボン。

昆布水で適度に薄められた醤油つけ汁に、おろし赤大根の苦味と酸味がドッキングして、一気に最後の一滴まで飲み干せる美味しさ。

結局、「剥茸と秋刀魚」「大根」と、タイプの全く違う限定麺のつけそばを連食。
2杯合計500gもの麺を食べ、完全に満腹。
もう夕食は入りません(笑)

「剥茸と秋刀魚」「大根」は、3連休の残り2日間も提供されるようですので、混雑は避けられませんが、食べる価値は十分あります。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「剥茸と秋刀魚」(2019年11月2日)

    限定麺「剥茸と秋刀魚」(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「剥茸と秋刀魚」(2019年11月2日)

    限定麺「剥茸と秋刀魚」(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - 「剥茸と秋刀魚」の麺と具(2019年11月2日)

    「剥茸と秋刀魚」の麺と具(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - サンマ白湯のつけ汁(2019年11月2日)

    サンマ白湯のつけ汁(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2019年11月2日)

    スープ割り(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「大根」(2019年11月2日)

    限定麺「大根」(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「大根」(2019年11月2日)

    限定麺「大根」(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - 「大根」の麺と具(2019年11月2日)

    「大根」の麺と具(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - 弥五七大根と鶏つくねが入った「大根」のつけ汁(2019年11月2日)

    弥五七大根と鶏つくねが入った「大根」のつけ汁(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - すだちを搾って「赤大根のおろし」にかけると、色変して鮮やかな紅色に!(2019年11月2日)

    すだちを搾って「赤大根のおろし」にかけると、色変して鮮やかな紅色に!(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「剥茸と秋刀魚」説明書き(2019年11月2日)

    限定麺「剥茸と秋刀魚」説明書き(2019年11月2日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「大根」の説明会書き(2019年11月2日)

    限定麺「大根」の説明会書き(2019年11月2日)

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2019/10訪問124回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「煮干白湯つけそば」。鶏白湯ベースのスープに白口煮干しを大量に炊き込んだ「ニガエグ」のセメント系つけ汁に、岩手県産新麦100%の自家製麺平打ち麺をつけるワイルドなつけそば!

10月26日(土)

昨日(25日)、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主のインスタが久々に更新。
今日(26日)から新しい限定麺として、セメント系を提供。
今提供中の限定麺「枝豆汁なし担々麺」も継続して提供。
「担々麺」がなくなり次第、「茸おろし」に切り替えるという。

「路ばた」久々のセメント煮干しだけあって、これは行かなきゃ!という以外に、以下の理由から今日(26日)の昼訪れました。

明日(27日)は盛岡市で開催される初のフルマラソン「いわて盛岡シティマラソン2019」にともない、盛岡市内で広範囲に交通規制。
なかでも、マラソンコースに近い「路ばた」前の道路は9時30分から14時30分まで長時間通行禁止。
自宅から「路ばた」に向かう道筋でも、あちこちで通行禁止にぶつかることに。

「路ばた」は明日も営業しますが、盛岡市街から入るのは困難。
店舗南側の流通センター方面から迂回して接近することになりますが、そうするとタクシー代が大幅に膨らむことに。

○限定麺「煮干白湯つけそば」(800円)

12時過ぎに店に着くと、駐車中の車がいつもの土日より少なめ。
店内に入ると、割に空いていて、これなら村山店主にいろいろ聞けるかもとひそかに期待。

券売機の横の限定麺説明の貼り紙は2枚。
先週から提供中の「枝豆汁なし担々麺」と今日から提供開始の「煮干白湯つけそば」。
「煮干白湯つけそば」には、「新麦コレクション」のシール。
つまり、つけそばの麺は、岩手県産新麦100%使用の自家製麺ですね!

限定飯は「南部かしわ玉子かけ飯」。
こちらは既に食べていますので、限定麺800円のボタンを押し、女性スタッフに「煮干白湯つけそばをお願いします」と述べ、食券を渡しました。

カウンター席に座り、いつものようにスマホで撮った説明書きを予習。
しかし、説明が簡単すぎる!

「セメント系のつけそば。煮干しの苦味、エグ味が大丈夫な方のみどーぞ」

たったこれだけ(笑)

そんなことを考えていると、やはりお客が続々と入店。今までは余裕で調理をこなしていた村山店主も、急に忙しくなりました。
これでは、今回も麺量を聞くのが精一杯かと少々気落ちしていると、麺や具の入った丼と、つけ汁の入った鉢の両方が運ばれてきました。

「つけ汁」は、セメント色のスープの表面に泡が立って、かなり濃厚そうなビジュアル。
麺は黒い逆円錐形の丼に綺麗に畳んで盛り付けられ、具材はこれも折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシューと豚バラ肉の煮豚(チャーシュー)1枚ずつ。
さらに枕木メンマ3本、カイワレ、味玉半分。

麺は、岩手県産新麦(ゆきちから?)100%使用の切り刃20番、加水率34%の平打ち麺。
自家製麺です。

まずは小麦をつけ汁につけずに、そのまま食べると、ツルツルの平打ち麺ですが、冷水でぎゅっと締めていることもあり、硬質感のある食感。
やや固めの麺は弾力があり、程よい歯切れの良さと喉ごしの良さが両立。
小麦の風味も十分感じられる麺。
麺量は250g。

つけ汁は鶏白湯スープをベースに白口をメインに炊き込み、醤油ダレを合わせた見かけと違い、サラッとしたスープ。
これも、つけ汁のみを飲んでみると、苦味がもろに舌をアタックします。
苦味の強さは、しばらく、口のなかに苦味が残るほど。
それに、エグ味がドッキングして、良い意味でつけ汁に一層のビター感を加味。

このように、潔いほどの苦味、エグ味が旨味の中核をなしているにもかかわらず、さっぱりと飲むことができるのは、スープがサラッとしていることと、無化調で雑味がないゆえ。

固めの平打ち麺をつけ汁につけると、ぎゅっと締めた麺がスープのなかで「解放」され、食べやすくなります。
つけ汁がシャバ系なので、ドロドロのつけ汁に比べ、つけ汁と麺との絡みは若干落ちます。
しかし、平打ち麺がつけ汁をうまくのせて、絡みを適度にリカバリー。
それ以上に、ニガエグのつけ汁と麺との絡みが「ほどほど」なので、絡みすぎて飽きがくるドロドロ系つけそばよりも、飽きずに最後まで食べるメリットが見逃せません。

ほぼ白口だけで、このニガエグさを抽出した村山店主の力量にも驚き。
鶏白湯のコクと白口の苦味・エグ味、そして醤油ダレの旨味が結び付きながら、ドロドロじゃないつけ汁はかなりの塩っぱさですが、この思い切った塩味にも潔さを感じます。

豚ロース肉低温調理チャーシューは、淡白な味付けの一方、食べると肉の旨味と醤油ダレの香ばしさが滲み出します。
豚バラ肉の煮豚(チャーシュー)は、ホロホロと崩れ、トロけるような食感と脂身の甘さ、タレの醤油感との理想的なドッキングを堪能できます。

3本入る枕木メンマは、最初は柔らかく、次第にシャキシャキ食感が現れる変化の妙とほのかに甘味が漂う味付け。

トロッとした黄身の濃厚な旨味が絶品の味玉半分は、消費税引き上げにともないレギュラーの「鶏そば」「煮干しそば」から消えただけに、貴重な存在。

多めのカイワレの爽やかな苦味が、一服の清涼剤。

麺や具を食べ終えたあと、残ったつけ汁のスープ割りをお願いします。
すると、ブーメラン方式で熱々の鶏ダシのスープを足して返してくれます。

もともとベースは鶏白湯てすが、鶏ダシのスープを追加すると、鶏と煮干しとのバランスがさらに良くなり、かなりおとなしくなりながらも、苦味が残る煮干しの風味を楽しみながら割りスープを飲み干します。

今回はセメント煮干しのつけそばバージョンでしたが、無化調でニガエグの強烈な煮干し感そのままで、次は是非さらっとしたラーメンバージョンを提供して欲しいものです。
「泡系」のセメント煮干しも懐かしいですね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「煮干白湯つけそば」(2019年10月26日)

    限定麺「煮干白湯つけそば」(2019年10月26日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「煮干白湯つけそば」(2019年10月26日)

    限定麺「煮干白湯つけそば」(2019年10月26日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2019年10月26日)

    麺&具(2019年10月26日)

  • 南部屋路ばた - 別角度から麺&具(2019年10月26日)

    別角度から麺&具(2019年10月26日)

  • 南部屋路ばた - セメント系だが、さらっとしたつけ汁(2019年10月26日)

    セメント系だが、さらっとしたつけ汁(2019年10月26日)

  • 南部屋路ばた - 鶏スープを足したスープ割り(2019年10月26日)

    鶏スープを足したスープ割り(2019年10月26日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「煮干白湯つけそば」の説明書き(2019年10月26日)

    限定麺「煮干白湯つけそば」の説明書き(2019年10月26日)

  • 南部屋路ばた - 「800円限定麺」のボタンを押し、スタッフに食券を渡すとき、「煮干白湯つけそば」をお願いします(2019年10月26日)

    「800円限定麺」のボタンを押し、スタッフに食券を渡すとき、「煮干白湯つけそば」をお願いします(2019年10月26日)

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2019/10訪問123回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「枝豆汁なし担々麺」と限定飯「鰹藁炙り飯」。貴重な晩成の枝豆と食用菊が秋の季節感を演出する本格的な汁なし担々麺。藁で炙った鰹のたたきが3枚ものる限定飯も美味!

10月20日(日)

強い雨が降り、肌寒かった昨日と打って変わって今日は快晴。
気温も20℃と暖かく、まさにラーメン日和。
「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺が出たとの情報を得たからには、早速GOです。

そう言いたかったのですが、相変わらずの出不精で、昼過ぎまで自宅でのんびり。
ようやく12時30分過ぎに自宅を出るという完全な出遅れ。

「限定麺売り切れ」の恐怖におびえながら、13時に店に到着。
店前の駐車場から岩手山が良く見えますね。
そんな岩手山の美しい姿を見る余裕もなく、店に突入。
券売機横の説明書きには、新しい限定麺。
券売機の「限定麺800円ボタン」も確認して、売り切れてなかったことに感謝。
やはり出掛けて良かった!

新麦限定麺から通常の限定麺に戻った第一弾は「枝豆汁なし担々麺」(800円)。
ついでに、限定飯の「鰹藁炙り飯」(300円)も注文するという豪華な休日の昼食。

ちなみに、13時で駐車場には車が10台ほど。
店内も、家族連れやご夫婦、カップルが多く、テーブル席や小上がりは一杯ですが、カウンター席はお客ゼロ(私の到着時)という極端な対照。
でも、皮肉なことに私の到着後続々とお客が入店。
あっという間に、カウンター席も満席になったのですから、良いタイミングで到着したというしかありません。

○限定麺「枝豆汁なし担々麺」(800円)+限定飯「鰹藁炙り飯」(300円)

カウンターの一番手前の席に座り、お冷やを飲みながら、いつものようにスマホで撮影した限定麺の説明書きを読み、事前学習。
麺の形状や加水率を書いてくれるのはありがたいのですが、できれば自家製麺だけに、使用小麦を書いて欲しいですね。

そんなことを考えていると、ベテラン女性スタッフが限定麺と限定飯ののった盆を持ってきてくれます。

限定麺「枝豆汁なし担々麺」は、白と紺の模様の大皿に自家製の芝麻醤がたっぷり。
そこに同じく自家製のラー油が垂らされ、芝麻醤に赤いラー油が点々。

芝麻醤に平打ち麺が和えられ、具は晩成の緑の枝豆が、これもたっぷり。
白金豚の肉そぼろにナッツ。
そして、白髪ネギとカイワレ、黄色と紫色の食用菊が添えられるというカラフルなビジュアル。

良く見ると、芝麻醤には花椒が振りかけられています。

芝麻醤とラー油、麺、具をまぜて食べ始めると、最初は花椒の痺れとラー油の辛さが舌を直撃。
かなりのパンチ力。

しかし、芝麻醤のゴマの甘味とコク、さらに晩成枝豆の甘味が徐々に効いてきて、「痺れ・辛さ」と「コク・甘味」がバランス。
辛いラーメン苦手の私でも、大丈夫。

これに肉そぼろの旨味やナッツのカリッとした食感、白髪ネギやカイワレ、食用菊などの爽やかな風味や食感も加わり、秋の季節感を感じながら、しかも本格的な汁なし担々麺を堪能できます。

なかでも特筆すべきなのが、晩成の枝豆。
商品名にもなっているように、今回の汁なし担々麺の主役といっても良い存在。

10月中旬のほんの1週間しか収穫できないという希少な枝豆で、実が大きく、豆の香り豊かで甘さが通常の枝豆以上。
口に含むとホクホクとした食感で、たしかに自然な甘味が口のなかに広がります。
この希少な晩成枝豆が一杯トッピングされているだけでなく、痺れや辛さを緩和する役割を果たします。

芝麻醤のゴマのコクと甘味に晩成枝豆の甘さが重なるところが、今回の限定麺のキモといえるでしょう。

麺は加水率32%、麺幅約4ミリほどの自家製の平打ち麺。
やや固めの茹で上がりで、弾力感のある食感と小麦の香りが特徴。
食べ応えのある平打ち麺が芝麻醤・ラー油・花椒の混じるタレと絡み、そこに大粒の晩成枝豆の旨味がプラスされる唯一無二の汁なし担々麺です。
麺量は220g。

「枝豆汁なし担々麺」を完食したあと、限定飯「鰹藁炙り飯」に移ります。

ご飯に刻み海苔が敷かれ、藁で炙った鰹のたたきが3枚のせられ、甘めのゴマだれを振りかけています。
その上に「枝豆汁なし担々麺」のトッピングと同じ白髪ネギ・カイワレ・2色の食用菊が添えられています。

ゴマのコクと甘味を活かしたゴマだれが香ばしい鰹のたたきの旨さを引き立て、ご飯を食べる手が止まりません。
トッピングのネギ等の爽やかな風味が、甘くなりがちなゴマだれとうまくマッチ。
鰹のたたきの旨味と香ばしさとともに、満足度の高いミニ丼。

店を出て、駐車場に止まっている車のナンバーを眺めるのが日課に。
今日も、盛岡や岩手ナンバー以外に県外ナンバーもチラホラ。
「南部屋路ばた」の限定麺人気を改めて実感させられます。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「枝豆汁なし担々麺」(2019年10月20日)

    限定麺「枝豆汁なし担々麺」(2019年10月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「枝豆汁なし担々麺」(2019年10月20日)

    限定麺「枝豆汁なし担々麺」(2019年10月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「枝豆汁なし担々麺」(2019年10月20日)

    限定麺「枝豆汁なし担々麺」(2019年10月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「鰹藁炙り飯」(2019年10月20日)

    限定飯「鰹藁炙り飯」(2019年10月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「鰹藁炙り飯」(2019年10月20日)

    限定飯「鰹藁炙り飯」(2019年10月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「枝豆汁なし担々麺」と限定飯「鰹藁炙り飯」(2019年10月20日)

    限定麺「枝豆汁なし担々麺」と限定飯「鰹藁炙り飯」(2019年10月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「枝豆汁なし担々麺」と限定飯「鰹藁炙り飯」(2019年10月20日)

    限定麺「枝豆汁なし担々麺」と限定飯「鰹藁炙り飯」(2019年10月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「枝豆汁なし担々麺」の説明書き(2019年10月20日)

    限定麺「枝豆汁なし担々麺」の説明書き(2019年10月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「鰹藁炙り飯」の説明書き(2019年10月20日)

    限定飯「鰹藁炙り飯」の説明書き(2019年10月20日)

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2019/10訪問122回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

新麦限定麺「シュウリ貝の塩つけそば」。シュウリ貝(ムール貝)のダシと塩ダレを合わせたつけ汁に昆布水と和えたツルモチの中細麺をつける磯の香り漂う塩つけそば!

10月14日(月・祝)

10月の3連休最終日。
天気も冴えず、台風一過の好天だった昨日とは打って変わった肌寒い曇り空。
台風19号の甚大な被害が報道で明らかになるにつれ、気持ちも沈み、とても連休を謳歌する気分にもなれません。

でも、ラーメンを食べに行ってしまうという矛盾した行動。

最近、限定麺のサイクルが短く、以前にも増して訪れる回数の増えた「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
前回は10月10日ですから、わずか4日前。
そのとき食べた新麦限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」。
その翌日から天然の舞茸を入れた「天然舞茸と里芋の鶏つけそば」にグレードアップ。

しかし、連休中に提供すると村山店主が語っていた貝ダシの限定麺がなかなかインスタにアップされない。
もしや、連休中は営業時間が長いので、アップする時間がなく、既に提供開始されているのではないかと推測。

今日(14日)の午後訪ねてみました。

○新麦限定麺「シュウリ貝の塩つけそぱ」(900円)

午後12時30分頃、「路ばた」につくと、駐車場は満杯。
県外ナンバーの車もチラホラ。
店内に入ると、券売機の前には長蛇の列。
店内はカウンター席、テーブル席、小上がりのいずれも満席。
店内待ちが多数という大変な混雑。
これだけの混雑は、ゴールデンウィーク以来かな?

ようやく券売機にたどり着き、左手の限定麺の説明書きを見ると、やはりありました。
「シュウリ貝の塩つけそば」。
貝ダシと聞いて、アサリやハマグリ、ホタテを想像していましたが、「シュウリ貝」(ムール貝)で来るとは!

もうひとつの限定麺は、以前からの「里芋と葱の鶏つけそば」(800円)。
「天然舞茸」の在庫がなくなったようですね。

ともあれ、限定麺(900円)の食券を購入。
店内待ち椅子で、カウンター席の空くのを待ちます。

そして、待つこと約15分。
カウンター席に着席。
先客の注文をこなしてからということで、いつもより到着は遅め。
こちらも10分強待った後で、「シュウリ貝の塩つけそば」が運ばれてきます。

シュウリ貝のダシと塩ダレを合わせたつけ汁は、米の磨ぎ汁のような白く濁った色。
よく見ると、塩ダレにシュウリ貝のエキスが混じっているのが良く分かります。

麺はトロトロの昆布水に良く和えられ、底に残っている昆布水はわずか。
麺線綺麗に整えられた麺の上には、豚ロース肉の低温調理チャーシューが折り畳まれて2枚。

チャーシューの上に黒い粒々。
一体何だろう?
説明書きにも記述がないし、村山店主にも後からあとから押し寄せる注文を1人でこなすため、声をかけることもできない。
麺量を確認するのがやっと。

一見キャビアのようにも見えますが、まさか。
少しつまんでも、キャビアよりももっとあっさりしているものの、独特のプチプチ感。
魚卵だとすれば、キャビアの代用品であるランプフィッシュの卵(ランプフィッシュキャビア)か?
多分100%違うでしょうね。
あるいは実山椒(黒)なのか?
でも、山椒の風味は感じないし。
私の食材知識の乏しさを痛感。

「正解」は、村山店主が後日インスタで上げるでしょうから、それまでお待ちを。

黒い粒々に加え、チャーシューの上には三つ葉が3枚。
他に穂先メンマ1本とかぼす、味玉半分が添えられています。

麺はゆきちからの新麦100%の自家製麺。
切り刃20番、加水率38%のふすまなしの中細角ストレート麺。

トロトロの昆布水で和えた「和えそば」のような麺というのが面白い。
通常の麺以上にツルツルで、噛むとモチモチの食感。
新麦の香りや甘味が昆布ダシの風味と融合。
麺を食べるだけでも、十分なおいしさ。
麺量は200g。

つけ汁をレンゲで飲んでみると、塩角がかなり立っています。
アサリやハマグリのようなシェルダシ特有の風味と違い、シュウリ貝はそこまでダシが出ず、むしろ塩味が強め。

それに塩ダレを合わせているので、つけ汁だけ飲むと、しょっぱさが目立ちます。
しかし、塩味のなかから、ほのかに磯の香りが感じられるところが、シュウリ貝らしさ。

麺を塩味の強いつけ汁につけてみると、これが不思議。
麺を食べるときには塩味がそれほど気になりません。
昆布とシュウリ貝が、麺とつけ汁を介してドッキングするマジックで、淡い昆布の風味、シュウリ貝の風味、そして塩味と麺の小麦の香りが一体に。
磯の香りが漂うなかで、小麦の香りや旨味が弾ける瞬間は、塩ダレだけに本当にダイレクト。

やや赤みの強い豚ロース肉低温調理チャーシューは、柔らかくてロースハムのような淡白な味。
しかし、噛むと肉の旨味が口のなか一杯に溢れます。

シャキシャキとした食感が心地よい穂先メンマも、味付けは薄めで、メンマ本来の旨味を十二分に活かしています。

昆布水で和えた麺をつけるごとに、シュウリ貝ダシの塩つけ汁の塩味は、徐々にマイルドに変化。
そこで、かぼすを麺に搾ってつけ汁につけると、爽やかな酸味が広がります。
さらに三つ葉を一緒に食べると、酸味に三つ葉の香りが重なり、塩味+酸味+三つ葉の香りが一体化。
後味の良さが抜群。

最後に、残ったトロトロの昆布水を、すっかりマイルドになったつけ汁に投入。
昆布水割りをして、飲み干します。

食べたあとは後続客のために、調理に忙しい村山店主にお礼を言って、さっと退店。

次の「新麦限定麺」は何か?
早くも気になっています。

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「シュウリ貝の塩つけそば」(2019年10月14日)

    新麦限定麺「シュウリ貝の塩つけそば」(2019年10月14日)

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「シュウリ貝の塩つけそば」(2019年10月14日)

    新麦限定麺「シュウリ貝の塩つけそば」(2019年10月14日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具材(1)(2019年10月14日)

    麺と具材(1)(2019年10月14日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具材(2)(2019年10月14日)

    麺と具材(2)(2019年10月14日)

  • 南部屋路ばた - シュウリ貝ダシの塩つけ汁(2019年10月14日)

    シュウリ貝ダシの塩つけ汁(2019年10月14日)

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「シュウリ貝の塩つけそば」の説明書き(2019年10月14日)

    新麦限定麺「シュウリ貝の塩つけそば」の説明書き(2019年10月14日)

  • 南部屋路ばた - 「シュウリ貝の塩つけそば」は、900円の限定麺ボタン(2019年10月14日)

    「シュウリ貝の塩つけそば」は、900円の限定麺ボタン(2019年10月14日)

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2019/10訪問121回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

新麦限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」。昆布水に浸った麺を、キレと酸味のある生醤油のダレ&鶏ダシのつけ汁につけて食べる「つけそば」。里芋や鶏つくね、ネギなどの具がつけ汁のキレキレの醤油感を抑える良い仕事!

10月10日(木)

昨日(9日)は、当日限りの新麦限定麺「鶏生姜まぜそば」が売り切れで、「鶏そば」を食べた「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
帰りがけに、村山店主は明日(つまり今日)から新しい限定麺の提供開始を示唆。

そのとおりで、今朝村山店主のインスタをみると、新麦限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」が登場。
村山店主の「普通です」とのコメントが意味深。
それでも「今日は多分大丈夫です(=すぐに売り切れることはない)」との言葉を信じ、12時30分頃家を出ました。

〇新麦限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」(800円)+限定飯「南部かしわ玉子かけご飯」(200円)

今日(10日)は最高気温21℃の盛岡市。
21℃という気温以上に暑く感じられる快晴の一日。
ところが、最低気温が6℃まで下がるというから、油断ができません。
うっかりすると、あっという間に風邪を引いてしまう気温差。
明日の午後からいよいよ台風19号の影響で雨が降り出してくる予報。

13時ジャストに「路ばた」につくと、平日なのに既にかなりの車の台数。
車の中には仙台ナンバーや秋田ナンバーも。
昨日のリベンジのつもりが、返り討ちに遭いそうな嫌な予感。

そんな懸念を振り払い、風除室を抜け店内に入り、すぐ左手の券売機とその左の限定麺の説明書きに注目。
幸い、今日は新麦限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」を提供中。
これに加え、断続的に提供される限定飯は「南部かしわ玉子かけご飯」。
「玉子かけご飯」は普段あまり注文しないのですが、限定麺が残っていた高揚感(大げさ!)で、ついつい「玉子かけご飯」の食券を注文。

カウンター席で、恒例のスマホで撮った限定麺・限定飯説明書きの予習をしていると、ほどなく「南部かしわ玉子かけご飯」が到着。
「ミニ丼」の割には量の多い白飯と南部かしわの殻付きの生卵、そして醤油とトッピングの削り節が別に提供されます。
すぐに食べたい衝動にかられますが、先に「鶏つけそば」を食べてからのお楽しみ。

それからすぐに、メインディッシュの「里芋と葱の鶏つけそば」が運ばれてきます。
昆布水に「ゆきちから」の新麦100%の中細ストレート麺が浸り、麺の上にはすだちの輪切りが1枚。
つけ汁は透明感のある琥珀色の鶏清湯醤油スープ。
具は、里芋の輪切り3個、鶏つくね3個、それに笹切りのネギが多め。

早速麺から食べ始めます。
昆布水は少々トロみがありますが、昆布の風は薄め。
中細麺ストレート麺が絡まないようにする「ほぐし水」的な役割と昆布の旨みコーティングの両方の役割。
麺は、「ゆきちから」の新麦100%で打った自家製麺。
切り刃20番、加水率38%の中細角ストレート麺。
冷水で締めているだけに、やや固めの食感ですが、ツルツル感があり、噛むと今度はモチっとした食感。
小麦の香りや甘味とほのかな昆布の旨みがドッキングした風味。
麺量は200g。

つけ汁は鶏ダシに生醤油メインにブレンドした醤油ダレを合わせ、鶏油を少々。
飲んでみると、鶏の旨みがふわっと感じられますが、それを上回るキレキレの醤油感。
そして生醤油特有の酸味がかなり出ていて、これが酢と間違えるくらいの強さ。
昨日食べた「鶏そば」では、鶏ダシと醤油ダレが見事に融合していましたが、つけ汁では完全に生醤油がメインで、それに鶏ダシをのせた形。

麺をつけ汁につけて食べてみると、やや固めだった麺がつけ汁の効能?で、むしろツルツル感とモチモチ感が前面に出た食感に変貌。
控えめな昆布水の風味に鶏ダシがうまく反応。
それ以上に、つけ汁の醤油感がインパクト絶大。

ここで効果を発揮するのが、つけ汁の具である「里芋」「鶏つくね」「笹切りのネギ」。
昨日のレビューで「鶏そば」を「鶏鍋」のテイストがあると指摘しましたが、それ以上に「鶏鍋」らしい具の「つけ汁」。
「里芋」のねっとり感とホクホクとした食感、ふっくらとした旨み十分の「鶏つくね」、そして甘味のある笹切りのネギなどの具が、つけ汁の鶏ダシと相まって、「鶏鍋」感を増幅。
同時に、これらの具が生醤油の酸味をうまく和らげる効果を果たし、醤油の旨みをリーズナブルにする役割に一役買っています。

途中ですだちを麺に搾って、麺をつけ汁につけると、ごく一瞬ですが、かなり薄まったつけ汁の生醤油由来の酸味に代わり、今度は柑橘系の爽やかな酸味に一瞬味変。

麺を食べるごとに昆布水の量も減って、最後はほんの僅か。
この残った昆布水を麺と一緒につけ汁に入れると、既に相当薄まったつけ汁がさらに飲みやすくなります。
割りスープ(多分ないと思われます)なしに、昆布水割りでつけ汁を飲み干したあと、最初に到着した「南部かしわ玉子かけご飯」に移ります。

最初に殻付きの卵を割りそうになりますが、説明書きによると、まず先にご飯に醤油をかけて「醤油ご飯」にしてから、卵を割って食べた方が「卵の味が良く分かる」という趣旨。
それにしたがい、まず小瓶に入った醤油をご飯にかけて食べると、醤油の香りがアツアツのご飯にのり移り、これだけでも十分な美味しさ。

別皿にトッピングされている削り節を少量振りかけると、削り節と醤油の風味の効いた「醤油ご飯」に。

そのあと、いよいよ卵の殻を割って、黄身と白身を一気にご飯にかけます。
黄身をつぶしながらご飯に混ぜ、白身と一緒に食べると、今度は黄身の濃厚な風味がご飯を覆い、白身のツルっとした食感でどんどんご飯が進み、醤油が良いアクセントに。
まさに、これこそ「玉子かけご飯」の醍醐味。
途中、削り節を入れるはずが、ご飯+卵(黄身・白身)+醤油のあまりの美味しさに、どんどんご飯が進み、最後にほんの少量の残った「玉子かけご飯」にようやく削り節を入れる始末。

満足して帰りがけに村山店主に「しばらく、この限定麺で行くの?」と聞いたら、3連休中に次の限定麺に変えるという。
今度は貝ダシを使った限定麺。
またまた短いインターバルで「路ばた」に来ることになりそうですね。

ところで、職場について夜、村山店主のインスタを見たら、明日(金曜)から「里芋と葱の鶏つけそば」のつけ汁に天然マイタケと三つ葉を入れた「天然舞茸と里芋の鶏つけそば」(1,000円)にマイナーチェンジするという。
これはすぐに終わり、その次がいよいよ貝を使った限定麺。
これもすぐに終わるということですから、相変わらず「路ばた」の限定麺に振り回される日々です(笑)

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」(2019年10月10日)

    新麦限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」(2019年10月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」(2019年10月10日)

    限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」(2019年10月10日)

  • 南部屋路ばた - 昆布水に浸かった麺の上にはすだちの輪切りが1枚(2019年10月10日)

    昆布水に浸かった麺の上にはすだちの輪切りが1枚(2019年10月10日)

  • 南部屋路ばた - 里芋、鶏つくね、ネギなどが入った鶏清湯醤油味のつけ汁(2019年10月10日)

    里芋、鶏つくね、ネギなどが入った鶏清湯醤油味のつけ汁(2019年10月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「南部かしわ玉子かけご飯」(2019年10月10日)

    限定飯「南部かしわ玉子かけご飯」(2019年10月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「南部かしわ玉子かけご飯」(2019年10月10日)

    限定飯「南部かしわ玉子かけご飯」(2019年10月10日)

  • 南部屋路ばた - 殻を割って、南部かしわの生卵をご飯にふりかけ(2019年10月10日)

    殻を割って、南部かしわの生卵をご飯にふりかけ(2019年10月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」説明書き(2019年10月10日)

    限定麺「里芋と葱の鶏つけそば」説明書き(2019年10月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「南部かしわ玉子かけご飯」説明書き(2019年10月10日)

    限定飯「南部かしわ玉子かけご飯」説明書き(2019年10月10日)

  • 南部屋路ばた - 今日は「限定麺」(800円)のボタンに売り切れランプは点灯せず(2019年10月10日)

    今日は「限定麺」(800円)のボタンに売り切れランプは点灯せず(2019年10月10日)

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2019/10訪問120回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「鶏そば」。芳醇な鶏の旨みがコクと深みとキレのある醤油の旨みを引立て、それに「ふすま」入りの小麦香る歯切れの良い麺がマッチする東北屈指の鶏清湯醤油ラーメン!

10月9日(水)

昨日(8日)は、仕事で丸1日拘束され、ラーメンを食べることができず、今日(9日)こそはと意気込んでいましたが、相変わらずの夜型生活。
午前10時という遅い起床。
朝食を食べながら、各店のFacebookやTwitterをチェック。
すると、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)が、今日だけの「新麦限定麺」として「鶏生姜まぜそば」(800円)を提供するという。

「限定麺」に弱い私としては、当初別の店に行く予定を急きょ変更。
「路ばた」の限定麺に方向転換。
村山店主によると、麺が中途半端にあるので、本日のみの限定麺「鶏生姜まぜそば」をつくったという。
しかも、麺が凝っていて、「ふすま入り太平打ち麺」12食、「平打ち麺」11食、「中太麺」14食のうちから、麺の指定ができるということ。
もちろん新麦(ゆきちから)を使用。

これを知ったからには、朝食などをとっていないで、開店(11時)前には店にかけつけるべきなのに、悠長に朝食をとり、おまけに昼のワイドショーを見るなどのんびり過ごした結果、自宅を出たのが13時少し前。
「平日だし、37食あるから、人気が集中しそうな『ふすま入り太平打ち麺』以外なら、2~3食残っているだろう」という楽観的な見方。

ところが、13時30分に店につき、券売機をみると、「ガーン」!
券売機横にあるはずの限定麺の説明書きが撤去され、券売機の「800円ボタン」には無情の「×」ランプ。
要するに、「鶏生姜まぜそば」はとっくに売り切れということですね。
「甘かった」の一言。

2年ほど前なら、平日なら14時頃に来ても限定麺を楽勝で食べることができたのに、今日は12時台で早々と売り切れてしまったとのこと。
そういえば、最近限定麺の売り切れに遭遇することが実に多いな!
車のない私にとって、「路ばた」の限定麺のハードルがどんどん高くなりますね。
以前は「限定麺」のコンプリートを達成したこともありましたが、今年はかなり食べ逃しています。

「限定麺」がなければ、「煮干しそば」に行こうとすると、これも売り切れ。
それでも、まだ「鶏そば」があるのが「路ばた」の良いところ。
そういえば、同店の「煮干しそば」は最近大人気で、限定麺に注文が殺到すると思いきや、敢然と「煮干しそば」を注文する方が、先週の週末随分見受けられました。
「鶏そば」に人気が集中することもあったので、「鶏そば」「煮干しそば」の人気は、それぞれ周期的なものかな?

最終的に「鶏そば」に落ち着きましたが、最近の「路ばた」の「限定麺」人気の凄さには、「驚く」というのを超え、「呆れ」気味。

〇「鶏そば」(750円)

消費税2%アップに伴い、値段は据え置きながら、味玉半分はカットされた「鶏そば」と「煮干しそば」。
私は、そもそも味玉トッピングを積極的に頼む方ではないので、なくなっても、極論すればスープと麺さえあれば十分という立場。

カウンター席に座ってすぐに「鶏そば」到着。
到着するなり、鶏のいい香りがプーンと漂います。
スープの色と麺のレイアウトが美しすぎます。

濃い琥珀色の醤油スープの表面から見て、約半分に麺が芸術的な美しさで折り畳んで盛り付けられています。
スープ越しにも良く分かる「ふすま」の斑点の入った中細ストレート麺。
具は、残りの半分に集約され、これも折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシューとその下に隠れている豚バラ肉の煮豚。
穂先メンマが2本。
豚ロース肉チャーシューの上には、細切りの青ネギと白ネギが混ざって盛り付け。

まずスープを飲むと、鶏ダシと鶏油がミックスした鶏の芳醇な旨み。
その直後に鶏の旨みを追いかける感じで、今度は醤油ダレのコクと深み、それにキレさえ感じさせる旨みが到来。
そして、鶏の旨みと醤油の旨みが融合。
それ以降は、抜群に美味しい醤油を鶏の旨みが一層引き立てています。
鶏ダシと醤油ダレがぴったりと噛み合っていますので、しょっぱさは全く感じません。

とにかく「醤油」ダレの深みのある風味が鶏の旨みと一体化することにより、さらに美味しさを増し、もはや語る言葉も失うほど。

鶏ダシは、親鳥の丸鶏と水(πウォーター)のみからとったもの。
醤油ダレは、再仕込み醤油にたまり醤油、3種の生醤油などをブレンド。
さらに味醂や酒、フルーツ酢などを足しています。
もちろん、スープもタレも無化調。
驚かされるのが、有名地鶏を使わず、普通の鶏(親鳥の丸鶏)を使い、このふくよかな鶏の旨みを実現している点。

麺は、銀河のちからとゆきちからをブレンドした小麦を使い、ゆきちからの「ふすま」(小麦の表皮)を練り込んだ切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
自家製麺です。

麺の配合を変え、「強力粉」のみにしたせいか、最初のポクポクとした素朴な食感は変わりませんが、噛んだあとの食感が以前よりもさらに歯切れが良くなった印象。
歯切れの良さのなかにも、微かにモッチリ感が顔を覗かせる麺。
小麦の香りの良さも以前どおり。
麺量は160gです。

折り畳んだ豚ロース肉低温調理チャーシューは、淡白な味付けでロースハムを連想させますが、今回改めてじっくり噛みしめると、淡白ななかにもしっかり脂分を含んだ旨みが凝縮されています。
淡白なロース肉チャーシューと対照的に、バラ肉の煮豚は濃いめの味付け。
それ以上に、箸でとろうとすると、それだけでホロホロと崩れてしまう柔らかさ。
口に入れると、そのまま噛まずに溶けてしまいそうな食感。

穂先メンマは、以前よりも発酵臭を抑え、大人しめの味に仕上げています。
青と白の細切りのネギは、薬味としても、箸休めとしても実に良くできています。

食後、村山店主と少し雑談する時間がとれたのが平日の良さ。
限定麺の仕込みは村山店主1人でやっています。
そのため、どうしても1日せいぜい40食ほどしかできないという。
最近は平日、土曜、日曜も関係なく、とにかく限定麺を求めるファンが早い時間帯に殺到。
とくに今日のような本日限りの限定は、食べるのが超困難に。

村山店主に「鶏そば」の感想を述べると、「麺はとくに変わってませんよ」と涼しい顔。
村山店主が「鶏そば」でめざしているのは、「醤油の美味しさを感じて欲しい」ということ。
「路ばた」の「鶏そば」は、まさに「醤油の旨みの極致」を味わえるラーメン。
一時、生醤油が多めで、酸味が目立った時期もありましたが、再仕込み醤油のブレンドがぴったり決まり、今は酸味はなく、深みとコクとキレのある醤油の旨みにこれ以上ないほどどっぷりと浸ることができます。
それでも、「鶏そば」をうたっている以上、「鶏」の旨みも必須。

「サンド」の「鶏そば」の特徴を「洗練さ」と述べるなら、「路ばた」の「鶏そば」は洗練されつつも、そこにどこか素朴な味わいが感じられるというのが私なりの印象。

「洗練」と「素朴」というラインを引いてみると、洗練の極致には「サンド」、素朴の極致には「タイヂ」。そして「路ばた」はその真ん中というのが私の拙いイメージ。

「素朴」と感じるのはポクポクとした麺の食感や風味も影響しているでしょうが、それ以上に「鶏鍋」を感じさせるスープだからではないかと村山店主。
たしかにそうですね。
もちろん、「鶏鍋」の風味をねらっているわけではなく、結果としてそう感じるだけ。

ともあれ「サンド」と「路ばた」の「鶏そば」は、岩手や北東北はもちろんのこと、東北を代表する「鶏清湯醤油ラーメン」。
こんな素晴らしい無化調・自家製麺の「鶏そば」を提供してくれる両店が盛岡にあるというのは、私の最大の喜びです。

さて、村山店主によると、明日(10日)から新しい限定麺(多分、新麦限定麺)の提供を開始するという。
そうなると、週末の台風襲来を考え、明日2日連続で来た方がいいかな、などと考えながら店を後にしました。

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2019年10月9日)

    「鶏そば」(2019年10月9日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2019年10月9日)

    「鶏そば」(2019年10月9日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2019年10月9日)

    「鶏そば」(2019年10月9日)

  • 南部屋路ばた - 800円の「限定麺」ボタンには「×」が(2019年10月9日)

    800円の「限定麺」ボタンには「×」が(2019年10月9日)

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2019/10訪問119回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

新麦限定麺「仙台牛すじと南部かしわ釜玉つけそば」と限定飯「炙りサワラ飯」。「ふすま」入りの平打ち麺に南部かしわの生卵を絡め、牛肉風味と酸味のあるつけ汁で食べる一品。サワラの炙り刺身がのるミニ丼も絶品!

10月5日(土)

収穫したばかりの岩手県産小麦を挽いた小麦粉「新麦」を使った麺を楽しむ「新麦限定麺」の新メニューは、昨日(10月4日)から提供の始まった「仙台牛すじと南部かしわ釜玉つけそば」。

インスタでの告知で、村山店主自身「あまり数とれません」と述べていることから、提供2日目の今日は土曜日。
早く行かないと売り切れると慌てて、午前11時50分に店に着きました。

私が着いた時間(12時前)、店前の駐車場に車は10台ほど。
店内にも空席があり、余裕でカウンター席に座ることができました。
しかし、退店時(12時20分)前後からどっとお客が押し寄せ、駐車中の車、これから駐車しようとしている車を合わせると、最大16台!
駐車中の車が出るのを待つ車や、駐車スペースがなく諦めて移動する車も多数。
すごい人気ぶりです。

券売機を見ると、一番下の列に「鶏そば・煮干しそば」と「限定麺」のボタンが2つだけだったのが、何と「限定麺ボタン」が、800円、900円、1000円の3つに増えています。
「鶏そば」「煮干しそば」は750円の値段据え置きですが、トッピングの半味玉がつかなくなりました。

券売機の左側を見ると、「新麦限定麺」が3つ。
先週から提供中の「塩小麦もりそば」「南部かしわ鶏油そば」(いずれも500円)に、ニューフェイスの「仙台牛すじと南部かしわ釜玉つけそば」(900円)。

さらに、限定飯は、今日は「炙りサワラ飯」(300円)

当然「仙台牛すじと南部かしわ釜玉つけそば」と「炙りサワラ飯」の食券を購入。

○新麦限定麺「仙台牛すじと南部かしわ釜玉つけそば」(900円)+限定飯「炙りサワラ飯」(300円)

カウンター席に座ると、横の先客が「仙台牛すじ」を食べていますが、なかなか豪華でユニークなメニュー。
それほど待たずに、女性スタッフが「新麦限定麺」と「限定飯」がのったお盆を運んでくれます。

麺が盛られた丼、牛すじのつけ汁、南部かしわの生卵の入った小鉢。
それに炙ったサワラの刺身が5枚ものったミニ丼。
4つの丼や小鉢がずらりと並び、圧倒的。

まず主役の麺。
フェットチーネのような約5ミリほどの幅広の平打ち麺が、綺麗に折り畳んで盛り付けられています。
麺肌にはふすまの斑点。
岩手県産の「ゆきちから」の「新麦」で打ち、「ゆきちから」のふすまを練り込んだ加水率34%の自家製麺。

まず何もつけずに麺から食べ始めます。
太め幅広の平打ち麺は、ピロピロ食感ですが、同時にモチモチ感も半端じゃありません。
ゆきちからのふすまが練り込まれてるだけに、小麦の香りも「これ以上ない」というくらい感じられます。

ただし、平打ち麺の「あつもり」なので、どうしても麺がくっついて食べにくいのも事実。

そこで、南部かしわの卵の殻を割り、黄身を溶かないまま、白身と一緒に麺にふりかけ、麺と生卵を絡め、「釜玉うどん」のようにして食べてみます。
すると、生卵が「ほぐし水」の役割を見事に果たし、麺がくっつかなくなり、格段に食べやすくなります。

さて、つけ汁は仙台牛スジと黒ハチノス(牛の第2胃)、玉ネギのスープに醤油ダレを合わせています。
つけ汁の具は、プリプリとした牛スジ肉、それに比べると目立ちませんがムニュッとした食感の黒ハチノス、たっぷりの三つ葉、さらに輪切りの里芋が隠れているのも嬉しい限り。

つけ汁は牛スジと黒ハチノスなどでダシをとっているだけに、牛肉の風味満点ですが、醤油や肉から出たのか酸味が感じられます。
酢を使っているのどうか、調理に忙しい村山店主に聞いてしまったほど。
答えは「酢は使っていない」というもの。

卵を麺に絡めずにつけ汁につけると、麺がほぐれてなく食べづらいだけでなく、牛の旨味を十二分に感じながらも、どうしても酸味が気になります。

しかし、南部かしわの生卵を麺に釜玉風に絡め、つけ汁につけると、麺もほぐれるだけでなく、卵がしっかりコーティングされた麺から卵がつけ汁に流れ、あの酸味の強かったつけ汁がぐっとマイルドに味変。

牛肉の旨味はそのままに、酸味が抑えられ、麺の旨味とつけ汁の牛風味が生卵に介して見事に合流。

麺のモチッとした食感、プリプリとした牛すじ肉、これも柔らかい黒ハチノス。
さらにたっぷり入った三つ葉が牛肉風味をうまくクールダウン。
輪切りの里芋の輪切り2枚も、秋の味覚を感じさせてくれます。

麺量は250gと、かなりのボリュームですが、麺一本が太いのと、モチモチ麺の釜玉と牛肉風味のつけ汁の相性が抜群なため、あっという間に食べ終えてしまいます。
生卵が効いて酸味がおとなしくなったマイルドな牛すじのつけ汁も、割らずにそのまま飲み干します。

次は、限定飯の「炙りサワラ飯」。
アツアツの白飯に刻み海苔がふりかけられ、プリプリしたサワラの炙り刺身が5枚。
あとは、白髭ネギとワサビ、かぼす。

付いてくる醤油をかけて、まずは炙り刺身を1枚。
サワラは白身であっさりとした旨味が持ち味ですが、炙っているので、ちょうど良い具合に香ばしさがついて、炙っていない刺身以上の美味しさ。
さらにワサビをつけたり、カボスを搾って酸味を足すなどしながら、ご飯と一緒に食べると、こちらも瞬く間に完食。

「南部屋路ばた」の限定麺と限定飯との組み合わせは、まさしく鉄板。

ふすま入りの平打ち麺を南部かしわの生卵で釜玉風にして、牛すじと黒ハチノス、玉ネギ、醤油の牛風味と酸味のある無化調のつけ汁につけて食べる「つけそば」。
ここで、生卵が麺とつけ汁双方にプラスに働いている点に注目。

この豪華な新麦のつけそばを食べたあと、炙って香りののったサワラの刺身がたっぷりのったミニ丼でし〆る組み合わせ。

絶対オススメです。

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「仙台牛すじと南部かしわ釜玉つけそば」と限定飯「炙りサワラ飯」(2019年10月5日)

    新麦限定麺「仙台牛すじと南部かしわ釜玉つけそば」と限定飯「炙りサワラ飯」(2019年10月5日)

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「仙台牛すじと南部かしわ釜玉つけそば」と限定飯「炙りサワラ飯」(2019年10月5日)

    新麦限定麺「仙台牛すじと南部かしわ釜玉つけそば」と限定飯「炙りサワラ飯」(2019年10月5日)

  • 南部屋路ばた - ゆきちから新麦100%にふすまの入ったフェットチーネのような平打ち麺(2019年10月5日)

    ゆきちから新麦100%にふすまの入ったフェットチーネのような平打ち麺(2019年10月5日)

  • 南部屋路ばた - 牛すじと三つ葉がたっぷり入った醤油味のつけ汁(2019年10月5日)

    牛すじと三つ葉がたっぷり入った醤油味のつけ汁(2019年10月5日)

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    南部かしわの生卵(2019年10月5日)

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    限定飯「炙りサワラ飯」(2019年10月5日)

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    限定飯「炙りサワラ飯」(2019年10月5日)

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    限定飯「炙りサワラ飯」の説明書き(2019年10月5日)

  • 南部屋路ばた - 「限定麺」のボタンが3つに増殖(2019年10月5日)

    「限定麺」のボタンが3つに増殖(2019年10月5日)

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2019/09訪問118回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

新麦限定麺「塩小麦もりそば」「南部かしわ鶏油そば」。限定飯「鰹たたき飯」。岩手県の2019年収穫「新麦」解禁の9月28日提供開始。「新麦」の香り、食感、風味を堪能できる「もりそば」と「鶏油そば」!

9月28日(土)

9月28日は、今年岩手県で収穫されたばかりの小麦を挽いてつくった小麦粉「新麦」を使った商品の解禁日。

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)では、「新麦」解禁日に合わせて、「新麦限定麺」2種を提供開始。
いずれも岩手県産のゆきちからの「新麦」を100%使用。
「シンプルに(麺を)楽しんでいただきたい」との村山店主の配慮から、シンプルなざるそばと鶏油そば。

どちらも1日35食位の提供と、かなりの激戦になりそうなので、今朝は朝食を抜いて、いつもより早く出発。
それでも開店に間に合わず、開店15分後の11時15分に到着。
既に駐車場には車が7~8台。

店に入ると、カウンター席やテーブル席では、先客が「新麦限定麺」を食べています。

券売機横には、「新麦限定麺」2種と「限定飯」のPOP。
はじめは、「新麦限定麺」2種の連食だけで済まそうと思っていましたが、「限定飯」も魅力的。
結局、「新麦限定麺」2種と「限定飯」の全部を食べてしまいました。

○新麦限定麺「塩小麦もりそば」(500円)

「塩小麦もりそば」「南部かしわ鶏油そば」とも500円。
そこで、いつもの限定麺のボタン(800円)の代わりに、「ミニラーメン」(500円)の食券を2枚購入。
スタッフに「もりそば」を先に運んでくれるよう頼みます。

すぐに「塩小麦もりそば」が到着。
大皿にざるそば用のスダレが敷かれ、瑞々しいクリーム色の「新麦」使用の麺が盛り付けられています。

そばつゆは「塩ダレ」だけあって、薄茶の透明感のあるもの。
その他、小皿に薬味。
薬味は、かぼすと生あおさのり、辛味大根、ワサビの4種。

まずは、茹でたあと冷水で締めた麺を、つゆにつけずに、そのまま食べてみます。
岩手県産「ゆきちから」の「新麦」を100%使用した自家製麺。
瑞々しくしっとりとした食感の麺。
切り刃20%、加水率35%の角ストレート麺。
「ふすま」は入っていません。

麺を口に含むと、小麦の香りと甘味が一杯に広がり、堪りません。
このまま「新麦」のフレッシュな風味を楽しんでいたいほど。
適度なコシもあり、啜る楽しみと同時に噛む楽しみ、そして喉ごしの良さを楽しむことのできる素晴らしい麺です。
麺量は160g。

そば猪口に入ったつゆは、村山店主が調理で超多忙のため、直接確認することはできませんでしたが、鰹節と昆布のダシに塩ダレを合わせたと推測。
正解は、村山店主があとでブログで発表するでしょうから、そちらをご覧ください。

そばつゆというと、鰹節と昆布のダシに醤油と味醂などを合わせるのが通例ですが、「新麦」の風味を楽しむため、塩ダレを選択。
これが正解で、鰹節と昆布の旨味溢れるものの、あくまでもカエシが余分な味付けをしない塩ダレのさっぱりとしたつゆ。

フレッシュな麺をさっぱりとしつつも旨味のあるつゆにさっとつけて、食べる美味しさは、本当に来て良かったと感じさせます。

もう麺と塩ダレのつゆだけで十分。
薬味はなくても良かったかな?
とはいえ、まずは辛味大根と生あおさのりを入れ、最後にかぼすを少し搾ります。
ワサビは入れすぎないこと。

大根の辛味とかぼすの酸味がほどほどに効いたつゆを飲み干し終了。
食べ終えたところで、ちょうど良いタイミングで「鶏油そば」が運ばれてきます。

○新麦限定麺「南部かしわ鶏油そば」(500円)

白の大皿の中央に窪みがあり、そこに南部かしわの鶏油のタレで和えた麺が盛り付けられ、その上には三つ葉が一枚添えられています。

大皿の縁には、すだちで挟んだ鶏ムネ肉低温調理チャーシューが2枚。
その他、ブラックペッパーやかぼすが添えられています。

麺は「もりそば」と同じ「ゆきちから」の「新麦」100%使用の自家製麺。
切り刃20番、加水率は39%の角ストレート麺。
こちらも、ふふまは入っていません。

瑞々しくしっとりとして、適度なコシと喉ごしの良さのある麺。
この麺に、南部かしわの鶏油、鶏スープ、醤油をブレンドしたタレを和え、綺麗に盛り付けた「鶏油そば」。
油そば(まぜそば)の一種ですが、鶏油のオイリー感や甘味、コクを主軸に、鶏スープや醤油などの旨味がブレンドされたタレは、見た目よりもずっとあっさりとした味。
「塩もりそば」のタレと同様、「新麦」の香りを損なわず、最低限の味付けを施しています。

「鶏油そば」は盛岡ではあまり提供されてないだけに、今回鶏油そばを選択した村山店主のセンスを絶賛。

すだちに挟まれた鶏ムネ肉低温調理チャーシューは、しっとりとした食感に加え、すだちの酸味が染み込み、爽やかな風味。
それが、鶏油そばのオイリー感を緩和して、麺をさらに食べやすくする役割を果たしています。

さらに皿の縁に添えられたブラックペッパーを麺の上にのせたり、あるいは鶏油のタレをまとった麺をブラックペッパーにつけると、俄然スパイス感が出て、おとなしめの鶏油そばの味が一変。

最後に、かぼすを少し搾って、酸味を加え、食べ終えます。
「鶏油そば」の麺量も160g。

○限定飯「鰹たたき飯」(350円)

ご飯の上に刻み海苔をふりかけ、プリプリした鰹のたたきが4枚ものり、自家製のゴマだれがたっぷり振りかけられています。
最後に、ネギとミョウガの薬味をトッピングしたコストパフォーマンス抜群のミニ丼。

鰹のたたきの旨味とゴマだれの甘味、そしてさっぱりとした薬味がうまくミックス。
既に麺量320gを食べたあとでしたが、あっという間に食べ終えてしまいました。

「新麦」を使った香り高いしっとりとした麺のおいしさはもちろんですが、「もり」のつゆを塩ダレにしたり、もう一種を「鶏油そば」にするところなど、麺が主役ながら、それにとどまらない才気溢れる「新麦限定麺」。
「限定飯」とともに、ラーメンファンなら見逃すことのできないメニューです。

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「塩小麦もりそば」(2019年9月28日)

    新麦限定麺「塩小麦もりそば」(2019年9月28日)

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「塩小麦もりそば」(2019年9月28日)

    新麦限定麺「塩小麦もりそば」(2019年9月28日)

  • 南部屋路ばた -
  • 南部屋路ばた - 塩ダレのそばつゆ(2019年9月28日)

    塩ダレのそばつゆ(2019年9月28日)

  • 南部屋路ばた - 薬味のかぼす、辛味大根、生あおさのり、ワサビ(2019年9月28日)

    薬味のかぼす、辛味大根、生あおさのり、ワサビ(2019年9月28日)

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「南部かしわ鶏油そば」(2019年9月28日)

    新麦限定麺「南部かしわ鶏油そば」(2019年9月28日)

  • 南部屋路ばた - 新麦限定麺「南部かしわ鶏油そば」(2019年9月28日)

    新麦限定麺「南部かしわ鶏油そば」(2019年9月28日)

  • 南部屋路ばた - すだちで挟んだ鶏ムネ肉チャーシュー(2019年9月28日)

    すだちで挟んだ鶏ムネ肉チャーシュー(2019年9月28日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「鰹たたき飯」(2019年9月28日)

    限定飯「鰹たたき飯」(2019年9月28日)

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2019/09訪問117回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「ぶり大根そば」。提供2日目はスープの素材を変更。ぶりに平目や鯛を追加。昆布の旨味と多様な魚介の旨味を塩ダレがまとめたさっぱりした塩ラーメン!

9月23日(月・祝)

9月最後の3連休最終日も、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
ついに、3日連続「南部屋路ばた」に通うことに。

現在同店では、限定麺として「南部かしわそば」を提供中。
それと並行して、昨日はゲリラ限定として「ぶり大根そば」を提供。
さぁ、3日目のゲリラ限定は何かな?とInstagramやブログをチェックしていると、昨日は更新なし。

ところが、今日の開店約1時間半前に、「今日は平目、鯛、ぶりの中骨、ぶり頭です」の記事。
昨日は「ぶりのアラ、ぶりの頭」とぶりづくしでしたので、ぶり色を若干弱め、平目や鯛を足して、さらにスープの旨味のバランスをとる方向にシフト。
これに昆布や鰹節が加わる多様な食材をどうまとめてくるのか?

結局、「ぶり大根そばver.2」(勝手に命名)を食べるために、3日連続「南部屋路ばた」に向かいました。

○限定麺「ぶり大根そば」(800円)

今日は少し遅めの13時過ぎに店に着くと、昨日、一昨日に次いで駐車場は一杯。
店内の混雑は前2日以上。
店内の待ち席も一杯の大盛況。
それでも、後からあとからお客が入店。

今日も限定麺は「南部かしわそば」(900円)と「ぶり大根そば」(800円)。
「ぶり大根そば」のスープ食材は昨日と変更されているのですが、POPは昨日のまま。
書き換える余裕がなかったんでしょうね。

限定麺の食券を買って、待ち椅子に座り、カウンター席が空くのを待ちます。
それでも、10分弱でカウンター席の先客2人が食べ終わり、退店。
スムーズにカウンター席に座ることができました。

10分余り待って着丼した「ぶり大根そば」の新バージョン。
変形の丼に少し茶色がかった黄金色の塩スープが入り、小口切りのネギがスープに浮かびます。

具は、中央に豚ロース肉低温調理チャーシューが1枚。
昨日のロース肉チャーシュー2枚の代わりにロース肉チャーシューの下に、豚バラ肉の煮豚。
チャーシューの上には、九条ネギとすだち1枚が添えられています。
その他、穂先メンマが1本。
スープのなかには、輪切り大根のだし煮が隠れています。

スープは昆布の旨味が一番出ていますが、平目や鯛、ぶり骨、ぶり頭、鰹節など多様な食材を、角の立っていない塩ダレがうまくまとめています。

ぶり感は昨日よりも若干弱くなっていますが、逆に旨味がよりワイドになり、深みが出た印象。
バランス良く鮮魚の旨味がブレンドされた極上の無化調塩ラーメン。
もちろん、動物系不使用です。

麺は昨日と同じ「ゆきちから」(強力粉)、「銀河のちから」(超強力粉)をブレンド。
「ゆきちから」のふすまを練り込んだ自家製麺。
切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
昨日は、ややソフトな茹で加減でしたが、今日はいつものとおり、比較的引き締まったポクポクとした素朴な食感。
噛むと小麦の香りとともに、歯切れの好さのなかにも、軽いモチモチ感を感じる麺。
麺量は160g。

具の豚ロース肉低温調理チャーシューは、柔らかく淡白な味ですが、噛むと肉の旨味が溢れる非の打ちどころがない出来。
豚バラ肉の煮豚は、ホロホロと崩れるような柔らかさとしっかりとした味付け。
口のなかで溶けてしまいそうな食感が堪りません。

穂先メンマは、メンマの発酵臭を活かしたさっぱりとした味付け。

新しい発見だったのは、薄く輪切りにした大根のだし煮。
今日は、煮干しダシで煮込んだことがはっきり分かる味。
柔らかく煮込んだ大根を食べると、ビターな煮干し風味が口一杯に広がります。
大根の甘味と煮干しダシのビター感が融合した絶妙な味。

薬味の九条ネギは箸休めに絶好。
最後は、昨日と同じくすだちを口に含み、酸味と苦味に浸りながら、鮮魚の旨味が詰まった塩スープを完汁。
爽やかな後味で食べ終えます。

「南部かしわそばsecod」「ぶり大根そば」「同ver.2」で楽しませてもらった3連休。
村山店主に感謝。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぶり大根そば(提供2日目)」(2019年9月23日)

    限定麺「ぶり大根そば(提供2日目)」(2019年9月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぶり大根そば(提供2日目)」(2019年9月23日)

    限定麺「ぶり大根そば(提供2日目)」(2019年9月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぶり大根そば(提供2日目)」(2019年9月23日)

    限定麺「ぶり大根そば(提供2日目)」(2019年9月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぶり大根そば」のPOP(ただし、内容は昨日のまま。今日のスープとは違う)(2019年9月23日)

    限定麺「ぶり大根そば」のPOP(ただし、内容は昨日のまま。今日のスープとは違う)(2019年9月23日)

  • 南部屋路ばた - 連休最終日も、限定麺は「南部かしわそば」と「ぶり大根そば」(2019年9月23日)

    連休最終日も、限定麺は「南部かしわそば」と「ぶり大根そば」(2019年9月23日)

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2019/09訪問116回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「ぶり大根そば」。ぶりのアラや頭、昆布、鰹節ダシの旨味たっぷりの塩ラーメン。大根のだし煮がトッピングされたさっぱりした塩ラーメンにすだち、九条ネギが良く合う!

9月22日(日)

昨日(21日)、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)で限定麺「南部かしわそば」を食べ、帰宅。
念のために、「路ばた」村山店主のInstagramをチェックすると、「明日、明後日はゲリラ限定が有るとか、無いとか」という気になる言葉が。

ということは、限定麺「南部かしわそば」を提供しつつ、3連休の残り2日、それぞれ1日限りのゲリラ限定を出すということか?

そうなると3連休は3日間、「路ばた」に通わなければなりませんね。

そして夜、今度はブログで、「明日はゲリラで「ぶり大根そば」やります」と来ました。
これで、22日も「路ばた」に行くことが確定。

○限定麺「ぶり大根そば」(800円)

今日の盛岡は小雨降る一日。
昨日よりも30分ほど早く自宅を出、12時少し過ぎに「路ばた」到着。
相変わらず駐車場は車で一杯。
店内も、昨日ほどではないものの、混みあっています。

早速券売機左横の限定麺のPOPを確認。
今日は限定麺が2種類。
先週金曜から提供されている「南部かしわそば」(900円)とゲリラ限定「ぶり大根そば」(800円)。

「南部かしわそば」はスタッフに現金を払って注文。
「ぶり大根そば」は、券売機の「限定麺」ボタンを押して食券を購入。

今日はカウンター席に空席があったので、店内待ちせずに着席。
座ると、速攻で「ぶり大根そば」が出てきます。
テーブル席では、夫婦やカップルが「南部かしわそば」と「ぶり大根そば」の両方を注文。
私もそうですが、「路ばた」の限定麺ファンの多さに改めて驚きます。

「ぶり大根そば」は、無化調の塩ラーメン。
ぶりのアラ、頭、昆布、鰹節でダシをとり、塩ダレを合わせています。
写真ではどうしても茶色っぽく映ってしまいますが、実はもっと黄金色のやや濁ったスープ。
スープには、小口切りのネギがたっぷり。

具は、大根のだし煮がスープのなかに沈んでいます。
中央に2つに折り畳んだ豚ロース肉低温調理チャーシューが2枚。
その上に、九条ネギとすだち。
さらに穂先メンマがトッピング。

昆布ダシと鰹節のダシが良く効き、さらにぶりのアラダシが重なる旨味たっぷりですが、さっぱりとした動物系不使用のスープ。
塩加減は角も立っていないし、かといってマイルド過ぎないちょうど良い塩梅。
ぶりの生臭さは全く感じません。

麺は「南部かしわそば」と違い、通常の「鶏そば」(「南部かしわそば」提供中はお休み)や「煮干しそば」用の自家製麺。

強力粉の「ゆきちから」と超強力粉「銀河のちから」に、「ゆきちから」のふすまを練り込んだ切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
通常はポクポクとした素朴な食感ですが、今日は塩ラーメンに合わせ少し茹で時間を長めにしているのか、ややソフトな食感で、噛むと軽いモチモチ感と小麦の風味。
麺量は160g。

具材は、豚ロース肉チャーシューが2枚ものっていて、なかなか豪華。
柔らかく淡白な味付けですが、上質なロースハムを食べているような食感が絶品。
ただし、個人的には「ぶり」をもっとメインに出して、チャーシューを1枚にして、ぶりのアラ煮を付けて欲しかったな。

薄い輪切りの大根を出汁汁につけて、柔らかく煮込んだ「大根のだし煮」。
柔らかくてジューシーな大根が、旨味十分な塩スープにぴったり。
発酵臭を活かした穂先メンマのやや濃いめの味付けが、さっぱりとした塩スープのなかで異彩を放っています。

九条ネギの苦味も良く効いていて、塩スープを飲み干す前にすだちを口に含むと、すだちの酸味と苦味が塩スープと混ざり、爽やかな後味を残します。

鶏と水と醤油ダレのみの「南部かしわそば」。
それと対照的な動物系不使用の塩ラーメン「ぶり大根そば」。
両方を食べることが出来、満足!

村山店主に確認すると、3連休最終日にゲリラ限定を提供するかどうかは、魚の入荷次第ということ。
再度「ぶり大根そば」になるのか、それとも別の限定麺が登場するのか、目が離せません。

なお、「南部かしわそば」は引き続き提供されます。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ふり大根そば」(2019年9月22日)

    限定麺「ふり大根そば」(2019年9月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぶり大根そば」(2019年9月22日)

    限定麺「ぶり大根そば」(2019年9月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぶり大根そば」(2019年9月22日)

    限定麺「ぶり大根そば」(2019年9月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぶり大根そば」の説明書き(2019年9月22日)

    限定麺「ぶり大根そば」の説明書き(2019年9月22日)

  • 南部屋路ばた - 今日の限定麺は「南部かしわそば」と「ぶり大根そば」の2種(2019年9月22日)

    今日の限定麺は「南部かしわそば」と「ぶり大根そば」の2種(2019年9月22日)

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2019/09訪問115回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「南部かしわそばsecond」。銘柄地鶏「南部かしわ」の香り豊かな旨味とコクと深みのある醤油ダレが見事なコラボ。超強力粉・強力粉・中力粉ブレンドの自家製麺の美味しさも魅力!

9月21日(土)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺は「南部かしわそばsecond」。
8月初めに提供された限定麺「南部かしわそば」のsecondバージョン。

○限定麺「南部かしわそばsecond」(900円)

9月最後の3連休初日だけに、昼過ぎの「南部屋路ばた」は大混雑。
限定麺売り切れを恐れ、いつもより少し早めの12時30分頃訪れると、既に駐車場は車で一杯。
券売機には行列ができています。

もっとも「second」は900円ですから、券売機はスルー。
直接女性スタッフに現金を渡し、「南部かしわ」を口頭で注文。

カウンター席、テーブル席、座敷すべて満席。
店内の待ち椅子で、しばらく待ちます。
約10分後、カウンター席に空きができたので、スタッフに案内されます。

私が座ったあとも後続客が絶えず、店内待ちが常時発生。
座ってまもなく、女性スタッフが「second」を運んでくれます。

逆円錐形の白い丼に琥珀色のスープが入り、鶏油が浮かんでいます。
丼の半分には、麺が綺麗に折り畳んで盛り付けられています。
残り半分に具材が盛り付け。
南部かしわのモモ肉とムネ肉のチャーシュー。
これも折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
穂先メンマと味玉半分。
九条ネギがたっぷり添えられています。
さらに「すだち」の輪切りが一枚。

「南部かしわ」は、「岩手地鶏」とロードアイランドレッドを掛け合わせた岩手県の銘柄地鶏。
「南部かしわ」の丸鶏とπウォーターのみからとったスープに、たまり醤油、再仕込み醤油など数種類の醤油、そして少量の味醂やフルーツ酢などをブレンドした醤油ダレ(「鶏そば」の醤油ダレと同じ)を合わせ、仕上げに南部かしわの鶏油を垂らしています。

スープを飲むと、鶏ダシと鶏油が相乗した香り豊かな鶏の旨味にいきなり圧倒されます。
実は先日、「路ばた」で「鶏そば」を食べており、「鶏そば」の鶏の旨味もなかなかのものですが、今回の「second」は、それを軽く超える旨味。

8月の「南部地鶏そば」では、上品な鶏の旨味に仕上げていましたが、今回のバージョンは、華やかな鶏の香りと旨味が全面展開します。
しかも、決してそれが過剰でなく、醤油ダレとしっかり一体化させているところが、村山店主の技量。

鶏の抜群の旨味に次いで、今度は醤油ダレのコクと深みのある旨味が追いかけてきて、さらに鶏の旨味と醤油ダレの旨味が合流。
前回のバージョンでは、地鶏の上品な旨味がコクがありながらキレも感じる醤油ダレを引き立てている感がありました。

今回はふくよかで、香りと豊かな南部地鶏の旨味と、コクと深み、それにキレもある醤油ダレが、互いにそれぞれ主張しながらも、見事に一体化。
鶏と水(πウォーター)ベースの無化調鶏そばワールドが全開しています。

麺にも工夫が凝らされています。
通常の「鶏そば」で使われる麺は、最近は「ゆきちから」と「銀河のちから」をブレンド。
これに「ゆきちから」のふすまを練り込んだポクポクとした食感の麺(加水率36%)。

今回の麺は、「ゆきちから」「ねばりごし」「銀河のちから」をブレンド。
レギュラーの「ゆきちから」(強力粉)、「銀河のちから」(超強力粉)に「ねばりごし」(中力粉)を混ぜ、ふすまを練り込まない麺は、加水率は同じ36%、切り刃20番の角ストレート麺てすが、レギュラーの麺とはかなり食感が違います。

今回の自家製麺は、中力粉が効いてポクポク感の代わりにツルツルと啜れるしなやかな麺。
しかし、強力粉、超強力粉が効いて、ツルツルとしながらも、滑らかというよりもむしろシコシコした食感に傾き、さらに歯切れの良さも感じるハイブリッド感覚の麺。
この3種小麦粉ブレンド麺の独特な食感が、旨味の強くなった鶏清湯の醤油スープに見事にマッチ。
麺量は160g。

チャーシューは豚肉2種類、鶏肉2種類の計4種類と豪華。

具の豚ロース肉低温調理チャーシューは、生ハムのような柔らかくて淡白な味ですが、噛むと肉の旨味をしっかりと感じます。
豚ロース肉チャーシューの下には、説明書きに記載のないホロホロとした柔らかい豚バラ肉の煮豚。

そして、今回初登場した「南部かしわ」のモモ肉とムネ肉のチャーシュー。

モモ肉チャーシューは、見た目ワイルド。
固めでコリコリとした食感。
肉を噛めば噛むほど、南部かしわの旨味が溢れ出ます。

南部かしわのムネ肉チャーシューも、一般ムネ肉の低温調理チャーシューのしっとりとした食感と一線を画し、弾力のあるしっかりとした食感。
ムネ肉らしく淡白寄りの味ですが、こちらにもモモ肉ほどではありませんが、地鶏の旨味がちゃんと感じられます。

穂先メンマは、発酵臭を活かしながら柔らかく煮込んでいます。
食べ始めると、トロトロの黄身がスープに流れるハーフ味玉。
黄身の味付けにダシを使っていることがはっきり分かる美味しさ。

多めにトッピングされた九条ネギ。
ほのかな苦味のある九条ネギは、つまむと、口のなかに苦味が広がり、それまでの鶏感や醤油感が瞬時ですが薄められるという優れもの。
薬味として最高の食材です。

最後にすだちを口に含みながら、スープを飲み干すと、鶏+醤油のスープに酸味と苦味が添加され、さっぱりとした後味で食べ終えることができます。

前回の「南部かしわそば」では、「南部かしわ」の絶品味玉がトッピングされていましたが、今回のラインナップは前回に比べやや地味。
しかし、鶏の旨味が確実にアップ。
南部かしわの旨味がつまったモモ肉チャーシューを加えたり、薬味に九条ネギを添えるなど、完成度はさらに高くなっています。
「中力粉」「強力粉」「超強力粉」それぞれの良さを見事に合わせ持たせたハイブリッド麺の美味しさも抜群。

レギュラーの「鶏そば」ファンなら、見逃せない一杯でしょう。

ちなみに、限定麺「南部かしわそばsecond」提供中、「鶏そば」はお休みになるので、ご注意を。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわそばsecond」(2019年9月21日)

    限定麺「南部かしわそばsecond」(2019年9月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわそばsecond」(2019年9月21日)

    限定麺「南部かしわそばsecond」(2019年9月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわそばsecond」(2019年9月21日)

    限定麺「南部かしわそばsecond」(2019年9月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわそばsecond」のPOP(2019年9月21日)

    限定麺「南部かしわそばsecond」のPOP(2019年9月21日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」外観(2019年9月21日)

    「南部屋路ばた」外観(2019年9月21日)

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2019/09訪問114回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」。鰹節と昆布ダシの旨味あるさっぱり塩スープにすだちがたっぷり。メイン具材は「サンマの揚げ浸し」。季節感ある絶品塩ラーメン!

9月15日(日)

「冷やし鰹そば」に続く「南部屋路ろばた」(盛岡市上太田)の限定麺は、9月14日(土)から提供の始まった「秋刀魚とすだちの塩そば」。

昨日(14日)は、丸一日神経を使う仕事に従事。
その疲れも残り、今日(15日)も遅い起床。
そのあとテレビの「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)生中継に釘付け。
中継が終わったら、もう12時を過ぎていました。

今から「路ばた」に出掛けても、限定麺は売り切れの可能性も。
しかし、村山店主がブログで発した言葉「サンマの入荷次第ですが、早ければ月曜日で終わるかも」。
つまり、明日で提供終了の可能性が高いので、だめもとで、12時30分、自宅を出発。

○限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」(900円)

実は9月14日からの三連休は、盛岡八幡宮の例大祭。
山車が昼間から市の中心部を回り、今日の夜は大通で山車のパレード。
そのため、郊外のラーメン店はお客が減少。
昨年このような現象がみられたので、今日少し出遅れても、意外に空いているかもなどと期待。

しかし、そんな淡い期待は甘かった。
13時過ぎに「路ばた」につくと、店内はとくに家族連れで込み合っています。
逆に私のような一人客が少ないので、カウンター席は空いているものの、テーブル席や座敷は混み合うという面白い光景。

さて限定麺はどうか?
券売機横には、「秋刀魚とすだちの塩そば」の説明書き。
そこには「売り切れ」の貼り紙はなし。
「やった」と券売機で食券を買おうとしたら、「限定麺」ボタン(800円)には売り切れの赤ランプ点灯。
この瞬間、限定麺売り切れ?に瞬時に暗転。
そう思って、説明書きを良く見たら、「秋刀魚とすだちの塩そば」は800円じゃなく900円。
券売機を使わず、直接スタッフに現金で注文というシステム。
相変わらずのそそっかしさですね。

気を取り直し、女性スタッフに現金で限定麺を注文。
カウンター席の左端に座りました。

実は昨年のこの時期にも、限定麺「すだちと秋刀魚の塩そば」を提供。
輪切りのすだちがたっぷり浮かぶ塩ラーメンというコンセプトは変わりません。
最大の違いは昨年の「サンマのつみれ」を今年は「ネギをサンマで巻いたサンマの揚げ浸し」に変えたこと。
これにより、サンマそのものの風味をよりダイレクトに感じられるようになりました。

まもなく限定麺が到着。

変形の白と藍色の丼に澄んだ薄黄金色の塩スープ。
写真では、店内の照明の関係で茶色っぽい色に映っているのが残念。

何と言っても圧巻は、メイン具材を囲むようにびっしりとトッピングされた輪切りのすだち。
その数10枚。

すだちに取り囲まれた中央には、まず輪切り大根の煮物。
その上に、ネギをサンマで巻いた揚げ浸しが2つ。
大根の下には、小さく刻んだ穂先メンマ。
揚げ浸しの上には、大きな三つ葉が1枚添えられています。

スープは鰹節と昆布をたっぷり使い、塩ダレを合わせた動物系不使用。
鰹節の香りと旨味、昆布の旨味にすだちの酸味と苦味が重なった旨味のある爽やかなスープ。

「説明書き」には、「すだちは苦味が出ます。好きな方は麺、具と一緒に食べ、苦味が苦手な方は最初にすだちを小皿に移してからどーぞ」という旨の注意書。
もちろん、私はすだちの酸味と苦味が大好きなので、麺、具と一緒に食べます。

塩味は、ほとんど気にならないレベル。
鰹節、昆布、すだちの織り成す爽やかで旨味があり、苦味がいいアクセントのスープで麺を啜ります。
もちろんスープは無化調。

麺は「鶏そば」「煮干しそば」で使われる自家製麺と同じ。

銀河のちから(強力粉)とゆきちから(強力粉)を使い、ゆきちからのふすま(表皮)を入れた切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
ポクポクとした素朴な食感と噛むと小麦の香りとともに歯切れの良さが特徴の麺。
麺量は160g。

昨年は「鶏そば」「煮干しそば」の麺と差別化した専用麺を打ちましたが、専用麺のポクポク感と歯切れの良さもすだち入りの塩スープに良く合っています。

小皿にすだちの皮や種を入れても良いのですが、私は皮ごと、種も一緒にすだちを食べてしまいます。
すだちを食べると、既に酸味と苦味の混じったスープの酸味がさらに強くなり、爽やかさが倍増。

そしてメイン具材の「サンマの揚げ浸し」。
昨年の「サンマのつみれ」も、サンマの風味が良く出ていましたが、今年は練り物にせず、サンマのまま。
揚げ浸しは、生臭さを抜いてサンマの風味そのものをクローズアップ。
昨年よりも一層「サンマ感」が増しています。

臭みがなく、サンマの旨味を純粋に味わえるので、塩スープを損なうことなく、さっぱりとした塩スープにサンマのコクが加わります。
しかも、サンマが巻いているネギの柔らかい食感と甘味も魅力。

薄く輪切りした出汁大根。
口の中で溶けてしまいそうな柔らかさと上品なダシ味。
刻んだ穂先メンマは、メンマの発酵臭をうまく活かした味付け。

最後は、三つ葉の香りを余韻として楽しみながら、さっぱり爽やかで旨味たっぷりの塩スープを飲み干します。

昨年の同時期の限定麺「すだちと秋刀魚の塩そば」よりも、さらにサンマの風味を味わえる(そのため、商品名を「秋刀魚とすだちの塩そば」に変更したのかな?考えすぎでしょうが)「秋刀魚とすだちの塩そば」。

サンマの入荷次第で、三連休最後の明日(16日)で提供終了になる可能性もありますので、サンマ好きのラーメンファンは是非明日訪問を!

  • 南部屋路ばた - 限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」(2019年9月15日)

    限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」(2019年9月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」(2019年9月15日)

    限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」(2019年9月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」(2019年9月15日)

    限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」(2019年9月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」の説明書き(2019年9月15日)

    限定麺「秋刀魚とすだちの塩そば」の説明書き(2019年9月15日)

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2019/09訪問113回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「冷やし鰹そば」。暑さがぶり返し、冷やしが復活。鰹のたたきと薬味、トマトがたっぷりのった自家製手揉み麺のさっぱり爽やかな冷やし中華!

9月7日(土)

昨夜、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主がブログとInstagramを更新。
週末の限定麺を発表。

冷やしは「冷やしカレーそば」で終了と宣言した村山店主でしたが、さすがにぶり返した猛暑に、週末(土・日)限定の「冷やし鰹そば」を提供するという。

「冷やし鰹そば」というネーミングから、鰹節ダシの効いた醤油スープの冷やしラーメンを想像。

しかし、村山店主のセンスはそんな凡庸な想像力をはるかに上回っていました。
鰹のたたきと薬味をたっぷりトッピングした冷やし中華を提供するという。

それはそれで嬉しいのですが、土日それぞれ一本ずつの鰹からたたきをつくり、鰹がなくなり次第、終了という。
一本の鰹からとれるたたきの量は限られているので、今朝になって1日15食ほどしかとれないとInstagramで発言。

これは大変。
土日それぞれ15食ほどというと、両日とも開店の午前11時前に行かなければ確実に食べることができない!
最近「路ばた」の限定麺は、それほどの大人気。

この2回目の発言をチェックしたのが今朝10時過ぎ。
ちょうど遅い朝食を終えたばかり。
今日もいつものように13時頃到着のスケジュールを立てていましたが、今出ないと間に合わない。
焦りまくりましたが、結局家を出たのは11時30分。

タクシーを飛ばしましたが、店に着くのは12時過ぎ。
15食ほどの「冷やし鰹そば」はとっくに売り切れている可能性大。
祈る気持ちで、予定どおり12時を少し回った頃に「路ばた」に到着。
すると、駐車場には車が一杯。

これは売り切れ確実だろうと、半分諦めながら店に入ると、ラッキー!
まだ残っていました。
明日に回さず、今日思い切って来て良かったと心から思いました。

○限定麺「冷やし鰹そば」(1000円)

「冷し鰹そば」は1000円なので、券売機を使わず、1000円をスタッフに支払い、限定麺をお願いするシステム。
お願いしたあと、2席しか空いていないカウンター席に座ると、後から続々と入店するお客さんの多くも、「冷やし鰹そば」を注文。

それほど待たずに、待望の「冷やし鰹そば」が到着。
ガラス製の透明の丼がいかにも涼しげ。
そこに、つゆ(タレ)や麺が見えないほどの具がのっています。
まずは、鰹のたたきが何と5枚。
たたきの上には薄切りのラディッシュ。

薬味はきゅうり、ネギ、アーリーレッドなど。
その上に大葉の千切りがたっぷり。
脇には、一口サイズのトマトもたくさん。
さらに、別皿に味変用のすだちが添えられています。

つゆ(タレ)は丼の底に少量。
鰹節、昆布、醤油、味醂、酢、ゴマ油などをブレンド。
つゆを少し飲んでみると、鰹節の香りがまず飛び込み、続いて醤油や酢、ゴマ油などが良く効いたオーソドックスな冷やし中華のタレに。
もちろん、つゆ(タレ)は無化調。

麺は、ゆきちから、銀河のちから、ねばりごしをブレンドした自家製麺。
加水率39%の3ミリほどの麺幅の平打ち麺を手揉みして縮れをつけた手揉み麺。
やや固めに茹で上げた麺を冷水で締めているので、さらにコシが増し、歯応え抜群の麺。

しかも、手揉みで不規則な縮れがつけられていますので、歯応えがありながら、ランダムな食感がそこに入り混じるという冷やしに絶好な麺。
小麦の香りも十分で、旨味のある麺です。
麺量は200g。

この麺を酢やゴマ油が効いた甘酸っぱいタレにつけて食べるところまでは、上質な冷やし中華のレベル。
しかし、具がオーソドックスな冷やし中華と違い、鰹のたたきと薬味、それにトマトというところが、「冷やし鰹そば」であるゆえん。

プリプリとして柔らかい鰹のたたきは、魚臭さは皆無。
余計な味付けや香り付けもなされていないあっさりとした味。
冷やし中華のタレが、たたきのタレの役割。

これにシャキシャキした野菜の食感、大葉の良い香りがプラスされ、トマトの酸味と合わせ、さっぱりと食べることができます。

途中で、すだちを搾ると酢やゴマ油の風味にさわやかな香りが添加。
爽快感が頂点に達します。

今日の最高気温は31℃。
明日の日曜は33℃に達するとの予報。
そんな残暑厳しい折、絶好の「冷やし鰹そば」。
ネックは15食ほどしか提供できないということ。

私が食べ終え、店を出ようとした12時25分に、今日の「冷やし鰹そば」は売り切れ。
明日(日曜)も提供されますが、遅くとも12時までに来ないと売り切れの恐れがあり。

なお、「路ばた」は毎週火曜が定休ですが、来週は10・11日と火水連休になるので、ご注意ください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし鰹そば」(2019年9月7日)

    限定麺「冷やし鰹そば」(2019年9月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし鰹そば」(2019年9月7日)

    限定麺「冷やし鰹そば」(2019年9月7日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やし鰹そば」の説明書き(2019年9月7日)

    「冷やし鰹そば」の説明書き(2019年9月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし鰹そば」は、12時25分売り切れ(2019年9月7日)

    限定麺「冷やし鰹そば」は、12時25分売り切れ(2019年9月7日)

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2019/08訪問112回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「ゴーヤ塩煮干しつけそば」「鶏白湯まぜそば」。今日初登場の2つの限定麺を連食。ゴーヤ肉詰めと塩煮干しつけそばという意外な組み合わせ!もう1つは鶏白湯と鶏油、醤油のタレに平打ち麺を和えるまぜそば。

8月30日(金)

最近、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の怒涛のような限定麺攻勢の凄さには唖然茫然!
前回紹介した限定麺「冷やしカレーそば」が終わったあと、昨日(29日)1日だけ限定の「鶏楽つけそば」。
そして、今日(30日)から「ゴーヤ塩煮干しつけそば」と「鶏白湯まぜそば」の2つが一気に登場。
さらに、大好評を博した「鶏そば」「煮干しそば」の「ひやあつ」(冷たい麺を熱いスープに入れる)が明日(31日)で終了。
おそらく「煮干しそば」の「冷やし」も明日(31日)終了だろうということで、「南部屋路ばた」のファンは、一体どれを選べば良いのか分からないという嬉しい悲鳴。
しかも、限定麺、鶏そば、煮干しそばはすべて無化調・自家製麺。

とりあえず降りしきる雨のなか、13時に「南部屋路ばた」に着きました。
予想通り、金曜は平日のなかでももっともお客さんの少ない日(あくまでも主観)。
しかも、この雨ですから、店内はガランとしています。
それでも、ボチボチとお客がやってきます。

店内に入ると、券売機の横に予想通り「ゴーヤ塩煮干しつけそば」「鶏白湯まぜそば」の2枚の限定麺の説明書き。
8月28日の村山店主のブログを読むと、「鶏白湯まぜそば」の方が早く終了するらしい。
ただし、メニューの魅力としては「ゴーヤ塩煮干しつけそば」の方が上かな?

そこで村山店主に2種類のどちらが早く販売終了するか、念のために尋ねると意外な答え。
今日明日で終わりと思った「鶏白湯まぜそば」は、スープが予想以上にとれたので、もう少し長く提供できそう。
かといって、「ゴーヤ塩煮干しつけそば」も1週間は持たないという。

ということは、果たしてどうすれば良いのだろうか?

両方とも少なくとも日曜一杯はもつという理解をして、まず今日は「ゴーヤ塩煮干しつけそば」。
1日あけて、明後日(9月1日)、「鶏白湯まぜそば」を食べに来ようと決め、早速限定麺を食券を1枚購入。
女性スタッフに「ゴーヤ塩煮干し」をお願いしました。

〇限定麺「ゴーヤ塩煮干しつけそば」(800円)

カウンター席の一番左端でスマホで撮影した「ゴーヤ塩煮干しつけそば」の説明書きを読んでいると、村山店主自ら麺とつけ汁を運んでくれました。
そのとき、村山店主が一言。
「ゴーヤの肉詰めから食べると美味しいですよ」

つけ麺(つけそば)を食べるときは、必ず麺をつけ汁につけずに食べるのが私の食べ方。
しかし、製作者からそう言われると、従った方が賢明でしょう。

最近同店がつけそば用に良く使う大皿。
白に紺の模様が入った皿です。

そこにさらっとした昆布水が敷かれ、平打ち麺が浸してあります。
麺の上には「ゴーヤの肉詰め」が2つ、豚ロース肉の低温調理チャーシューが1枚、白髪ネギ、穂先メンマ、味玉半分などがトッピング。

つけ汁は赤色の椀なので、スープの色が良く分かりませんが、おそらく薄いセメント色の模様。
表面には、煮干し気泡が浮かび、サラサラの淡麗系スープでありながら、煮干し感はかなり強そう。

まずは村山店主のアドバイスに従い、「ゴーヤの肉詰め」を1個食べてみます。
ゴーヤを輪切りにして、中央をくりぬいたあと、鶏と豚の挽き肉からつくった肉だねを詰め込み、焼いた肉詰め。

食べると、ゴーヤの固い食感と独特な苦み、それに肉だねの旨みが口の中で融合。
苦みと旨みとの微妙な出会いは、たしかに最初に食べてこそ、その真価を味わえるというもの。

次に麺を食べてみます。
「ネバリゴシ」「ゆきちから」「銀河のちから」をブレンドした加水率38%の平打ち麺。
「ふすま」が入ってなく、うどん製麺機で麺幅約4ミリほどで裁断。
薄味のさらっとした冷たい昆布水に浸った平打ち麺は、とにかくツルツル。
啜り具合の良さは抜群。
ツルツルと啜れ、喉越しの良さも素晴らしい!
冷水で締められ、麺のコシもそこそこ感じられますが、平打ち麺のため、コシというよりも、むしろ口の中での軽快感の方が上回っています。
麺量は220g。

つけ汁は、「煮干しそば」のスープに塩ダレを合わせたもの。
背黒、白口、平子、ウルメの4種の煮干しに昆布を加えたスープに塩ダレを合わせ、さらに煮干し油を垂らしています。

つけ汁を飲んでみると、熱いスープは煮干しの苦みがしっかりと抽出され、エグ味はなく、ビター感と少々強めの塩味が塩ダレだけに、ストレートに伝わってきます。
昆布水に浸ったツルツルの平打ち麺を、ビター感の強い煮干し風味のつけ汁に絡ませると、さらさらとしたつけ汁だけに、粘度の高いスープにくらべ、絡み感が落ちる点は否めません。
しかし、麺とつけ汁とのマッチングとともに、麺それ自体の美味しさ、塩つけ汁のビター感のある旨みなどいろいろな様相を楽しむことができます。

その途中で2個目の「ゴーヤの肉詰め」を食べると、煮干し味なども添加され、最初に食べたときとは微妙に違う風味。
豚ロース肉低温調理チャーシューは、赤味の濃い割とワイルドな外観とは裏腹に、いつのもように生ハムを思わせる淡白な味で肉は柔らか。

食べるながら、白髪ネギを箸でつまみ、箸休めとします。
黄身をトロトロに煮た味玉半分の美味しさは不変。
そして、穂先メンマは発酵臭をある程度活かした絶妙な味付け。

麺や具を食べ終わったあと、大皿に残った昆布水を塩煮干しスープに投入し、昆布水割り。
昆布水のため、つけ汁の温度はさらに下がってしまいますが。昆布水が煮干し感と塩味のやや強いつけ汁をうまく薄めて、飲みやすくしてくれます。

昆布水割りを飲み干したあと、少し思案。
明後日再度来ようか、それとも思い切って今連食してしまおうか。

結局お腹に少々余裕がありましたので、220gの麺を食べたあと、再度食券を購入。
今度は「鶏白湯まぜそば」を頼みます。

〇「鶏白湯まぜそば」(800円)

「ゴーヤ塩煮干しつけそば」もカラフルですが、「鶏白湯まぜそば」はそれを上回るカラフルさ。
「インスタ映え」という観点からみれば、同店の限定麺のなかでも屈指の美しさ。

黒くて底に深い逆三角錐の切立丼の底に、鶏白湯と鶏油、醤油ダレをブレンドしたタレ。
その上に、これも平打ち麺。
麺の上には具がびっしりと敷かれ、麺を覆い隠しています。
具の配色が本当に見事。

半分は茶色の鶏ミンチ。
残った半分は、白と紫が混じるアーリーレッド、濃い緑のホウレン草、一口サイズにカットした真っ赤なトマト、緑の万能ネギの輪切りなど。

具の頂点に白髪ネギに細切りの青ネギを添え、さらにその上には赤い糸唐辛子。
本当に芸術品のような具の配置と配色。
文章を読むよりも、写真をみれば一目瞭然ですので、是非ご覧ください。

まぜそばなので、美しい具を麺とタレと一緒に混ぜ込んでしまいます。
混ぜると、鶏白湯と鶏油のコクがベースとなり、それに醤油味がのった濃いめとはいえ、決して脂っこくなく、しょっぱさも程ほどの絶妙なバランスのタレが麺や具に絡みます。
風味としては、鶏油メインで、これに鶏ダシや醤油を混ぜた「鶏油まぜそば」に似ていますが、こちらの方が醤油が強めで、鶏ダシも清湯ではなく白湯なので、その分鶏油の風味は少々引っ込んだ印象。

麺は強力粉「ゆきちから」と超強力粉「銀河のちから」をブレンド。
「ゆきちから」のふすまを練り込んだ加水率36%の平打ち麺。
こちらも、うどん製麺機で麺幅約4ミリで裁断しています。

「ゴーヤ塩煮干しつけそば」の麺にくらべると、加水率も若干低くなり、中力粉「ネバリゴシ」が入らず、ふすまも入りません。
その違いが麺の食感や風味に良く現れています。
もちろん適度なツルツル感はありますが、「ゴーヤ塩煮干し」の麺ほどではなく、こちらはよりしっかりとした食感。
固めとまでは行きませんが、歯切れの良さが光ります。
しかも、ふすまが効いて、小麦の香りは「ゴーヤ塩煮干し」の麺以上。
平打ち麺なので、まぜそばの麺に特徴的なゴワゴワ感やワシワシ感はありませんが、歯切れの良い平打ち麺の食感も特筆もの。

ベースは、醤油ダレの効いたコクのある鶏白湯と鶏油のタレで、それに歯切れが良く小麦感のある平打ち麺を和えるまぜそば。
しかし、多様な具は、単にビジュアル担当だけではありません。

なかでも鶏ミンチの甘辛い風味、トマトの酸味、3種のネギや玉ネギ(万能ネギ、白髪ネギ、アーリーレッド)の異なった食感や風味なども楽しむことができます。
ホウレン草も、地味ながらコクのあるタレに絡んだ平打ち麺の風味をいい意味でクールダウンする役割を果たしています。

「鶏白湯まぜそば」も麺量220g。
結局、2つの限定麺連食で麺量440g!
最近では、もっとも多い麺量を食べた昼食。
もちろん、夕食は抜き。

それでもまだ8月31日終了の「鶏そば」の「ひやあつ」バージョンが残っているのですが、さすがにそこまで食べたらお腹が破裂。

職場への帰路、途中の盛岡駅で胃薬を購入。
早速バスの車内で飲んだことはいうまでもありません。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ゴーヤ塩煮干しつけそば」(2019年8月30日)

    限定麺「ゴーヤ塩煮干しつけそば」(2019年8月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ゴーヤ塩煮干しつけそば」(2019年8月30日)

    限定麺「ゴーヤ塩煮干しつけそば」(2019年8月30日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2019年8月30日)

    麺&具(2019年8月30日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2019年8月30日)

    麺&具(2019年8月30日)

  • 南部屋路ばた - 塩煮干しつけ汁(2019年8月30日)

    塩煮干しつけ汁(2019年8月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ゴーヤ塩煮干しつけそば」の説明書き(2019年8月30日)

    限定麺「ゴーヤ塩煮干しつけそば」の説明書き(2019年8月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏白湯まぜそば」(2019年8月30日)

    限定麺「鶏白湯まぜそば」(2019年8月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏白湯まぜそば」(2019年8月30日)

    限定麺「鶏白湯まぜそば」(2019年8月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏白湯まぜそば」(2019年8月30日)

    限定麺「鶏白湯まぜそば」(2019年8月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏白湯まぜそば」の説明書き(2019年8月30日)

    限定麺「鶏白湯まぜそば」の説明書き(2019年8月30日)

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2019/08訪問111回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気4.0
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「冷やしカレーそば」。ほのかな甘味に辛味が加わり、次第に辛味が強くなる絶妙なカレースープに歯応えのある平打ち麺。夏野菜がたっぷり入った冷やしカレーラーメン!

8月25日(日)

8月22日(木)から提供が始まった「南部屋路ばた」恒例の夏の「冷やしカレーそば」。
数種のスパイスをブレンドした自家製のカレースープに、これも自家製のラー油を垂らし、具は夏野菜と鶏肉という基本線を維持しながら、毎年細かい修正を続けています。

今年はあの暑さはどこへ行ったのか?
そんな感じのめっきり涼しくなった陽気のためか、「路ばた」の限定麺では今年最後の冷やし。
もう少し冷やしを食べたい心境ですが、やむを得ません。

提供開始から4日目の日曜。
そろそろ終了が近いという予感がして、訪れて来ました。

○限定麺「冷やしカレーそば」(900円)

13時少し過ぎに「路ばた」を訪れると、店前駐車場の車の台数が意外に少ない。
店内に入っても、日曜とは思えない落ち着いた雰囲気。

まずは限定麺「冷やしカレーそば」提供中を確認。
深く考えず、価格を確認しないまま「限定麺」(800円)の食券を購入。

写真撮影のため、説明書きを良く見ると、価格は900円。
「現金で支払ってください」との注意書きを見落としていました。

女性スタッフに、限定麺の食券+100円で良いかどうか確認。
大丈夫との答えを得て、一安心。

カウンター席の一番左端に座ります。
すぐに、余裕の笑顔の村山店主が横を通りすぎ、ご挨拶。
お盆休みは休みなしで営業。
昨日と今日は20時まで営業。
調理を1人で担当というハードワークにかかわらず、余裕の表情なのはさすが。

待つこと5~6分で「冷やしカレーそば」が到着。

黒の深い切立丼にスープや麺、具が入っていますが、まずはビジュアルの美しさにいつもながら感動。
黄色のカレースープにラー油の赤が混ざり合う色合いは見事の一言。

具もカラフル。
豚ロース肉の低温調理チャーシューに、皮付きの鶏モモ肉2枚。
緑のオクラと、赤と黄の焼きパプリカ。
赤いトマトに味玉半分、刻み玉ネギとカイワレなど。

カラフルなスープとラー油に、これもカラフルな具。
食べるのが勿体ないほど。

そういう訳には行かないので、まずはラー油の混じったカレースープから飲み始めます。

最初は辛味よりもほのかな甘味が目立ちます。
甘味のあとにやってくる辛味。
最初はそれほど辛さを感じませんが、スープを飲むうちに、じわじわと辛さが効いてきます。

今年はベースのスープに動物系を使わず、節だけを使用。
これに数醜類のスパイスを合わせ、冷たいカレースープに仕上げています。

麺は、ゆきちから、銀河のちからをブレンドした自家製麺。
加水率37%の平打ち麺で、麺幅は約4ミリほど。
うどん製麺機で麺帯を裁断しています。

ツルツルとした麺ですが、冷水で締めているだけにコシが強くなり、噛み応え十分。
小麦の香りも豊かで、冷たい固め平打ち麺と冷たいスープが実に良くマッチ。
麺量は180g。

具の豚ロース肉低温調理チャーシューは、生ハムのような淡白な風味と柔らかさ。
それ以上に素晴らしいのが、皮付きの鶏モモ肉。
昨年は洋風のペッパーチキン。
今年は醤油、味醂、酒をブレンドしたタレに漬け込んだ和風味。
コリコリとした食感の鶏モモ肉に、タレが良く滲み、香ばしさと旨味が冴えわたっています。

いつもの黄身がトロリとした味玉半分が冷たいスープに浸かり、白身がいい具合に弾力を帯びます。
冷やされ弾力のある白身とトロッとした黄身の対照的な食感が口のなかで融合する面白い仕掛け。

カラフルな夏野菜は、そのまま生で提供されるオクラやトマトと、調理を施されたパプリカを組み合わせています。
なかでも感心させられたのが、焼きパプリカ。
厚くスライスした赤と黄パプリカを焼いた「焼きパプリカ」。
焼くことにより、パプリカがトロッとした食感に変化。
甘味も強くなり、生で食べるときとは全く違う食感。

冷やしカレーラーメンと一見合わないかに思える「刻み玉ネギ」。
最初はカレースープや他の具の陰であまり目立ちませんが、麺や具をほとんど食べ終え、残ったスープを飲むとき、意外な存在感を発揮。

カレースープは、残り少なくなるにつれ、辛味が増します。
そのとき、スープに混じる刻み玉ネギのシャキシャキ感と甘味がアクセントとなるとともに、いい意味で辛味を緩和します。

節ダシにスパイスを加えたカレースープとラー油のミックスした甘味と辛味が絶妙に入り混じった冷たいスープ。
ツルツルとしてコシの強い自家製麺の平打ち麺。
それに、ひと手間を加えた夏野菜や鳥モモ肉などの具が加わり、オリジナルな無化調の冷たいカレーラーメンに結実。
夏の終わりに、是非食べたい冷やしラーメンです。

村山店主によると、カレースープがなくなり次第、終了という。
ブログやInstagramをチェックしてから出かけることをオススメします。

なお、前回紹介した「鶏そば」「煮干しそば」の「ひやあつ」バージョン。
水で締めた麺を熱いスープに入れる「ぬるい」ラーメンは、麺の旨味や甘味、スープの本当の旨味が熱いラーメン以上にクリアに味わえるとして、大好評。
好評につき、8月一杯提供されます。

私も来週、前回食べ損ねた「鶏そば」の「ひやあつ」を食べに訪れる予定です。

ラーメンを食べていると、どんどんお客さんが入店。
いつの間にか店内は満席。
店を出ると、駐車場も満杯。
盛岡ナンバーや岩手ナンバーの車以外に平泉ナンバー(岩手県南)や長岡ナンバーの車があったのには、びっくり。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やしカレーそば」(2019年8月25日)

    限定麺「冷やしカレーそば」(2019年8月25日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やしカレーそば」(2019年8月25日)

    限定麺「冷やしカレーそば」(2019年8月25日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やしカレーそば」(2019年8月25日)

    限定麺「冷やしカレーそば」(2019年8月25日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やしカレーそば」の説明書き(2019年8月25日)

    限定麺「冷やしカレーそば」の説明書き(2019年8月25日)

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2019/08訪問110回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「煮干しそば(ひやあつ)」。冷水で締めた麺を熱いスープに入れる「ひやあつ」。スープはぬるくなるものの、小麦の風味や甘味、香りがより強く感じられ、煮干しスープの旨みもよりクリアに。

8月21日(水)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)は、私が東京帰省から盛岡に戻る前日(18日・日曜)と当日(19日・月曜)の2日間、新しい限定麺「冷たいカツカレーそば」を提供。

「路ばた」が夏の終わりに「冷たいカレーそば」を限定で出すことは恒例になっていたものの、まさかそこにロースカツをトッピングするなんて。
既にマイフォロ様の好レビューが上がっていますが、私も是非食べたかった!

「冷たいカツカレーそば」は2日間で終わり、その次の限定麺が「冷たいカレーそば」。
こちらは明日(22日・木曜)から提供が始まるという。

この間の8月21日と22日の2日間に限り、村山店主はレギュラーである「鶏そば」「煮干しそば」を「ひやあつ」にできるという。

「ひやあつ」とは、茹で上げた麺をいったん冷水で締め、それを熱いスープに入れるというやり方。

当然、冷たい麺を熱いスープに入れるので、スープの温度が低下。
結果、「ぬるいスープ」とそこそこ熱くなった麺との組み合わせになります。

ラーメンは「熱い」方が美味しいというのが常識。
それに挑戦して、むしろスープがぬるい方が麺の味、甘味、香りが感じやすくなり、スープの風味もクリアに分かるというのが「ひやあつ」にする理由。

スープの熱さが小麦の味などを感じにくくしていますし、スープ本来の旨みも熱さで感じにくくなっているのではないかというのは、これも常識で分かります。

実は最近レビューした「びいどろ」(盛岡市青山)の「元祖ぬるい中華そば」を食べたとき、工藤店主から「スープがぬるい方が麺やスープの味が良く分かる」と教わったばかり。
そんな「ぬるい」スープのラーメンに、村山店主も違った方法(「ひやあつ」)ですがチャレンジするとは!

「熱いスープが美味しい」という常識を裏返すと、「ぬるい」スープは不味いということになります。
それにあえて挑戦して「ぬるいスープ」を出すのですから、対象はマニアに限られ、それほど杯数は出ないだろうとたかをくくっていたら、今日(21日)13時45分頃に「南部屋路ばた」に着くと、何と「鶏そば」は「ひやあつ」も含め売り切れ。

実は来る途中の車内で、同じ「ひやあつ」を頼むにしても、「鶏そば」と「煮干しそば」のどちらにしようか迷いに迷いました。
その結果、思い切って「鶏そば」→「煮干しそば」の順で「ひやあつ」を店内連食しようと思い立ちました。

ところが入店したときに、券売機に貼られた「鶏そばは終わりました」の紙を見て、「ひやあつ」連食計画はもろくも頓挫。
もはや選択肢は「煮干しそば」の「ひやあつ」のみ。
一瞬、「煮干しそば」の「ひやあつ」→「通常バージョン」を連食して、違いをリアルの確認しようかとも思いましたが、そんな冒険をする歳ではないことを自覚。

村山店主によると、今日は「鶏そば」(「ひやあつ」を含む)が飛ぶように売れ、13時前に早々と終わってしまったという。
その多くが「ひやあつ」を頼んだと勝手に推測。
村山店主がSNSで流すと、打てば響くように反応する盛岡とその周辺のラーメンマニアの方々の行動力は凄いですね。

「鶏そば・煮干しそば」を食券をスタッフに渡し、「煮干しそばのひやあつ」をお願いしました。

〇「煮干しそば(ひやあつ)」(750円)

5分ほどの待ち時間で、「煮干しそば(ひやあつ)」が到着。
見た目は、熱いスープの「煮干しそば」と変わりません。

薄め琥珀色のスープに麺が綺麗に盛り付けられ、煮干しスープらしく、泡が随所で立っています。
具も、二つに折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシュー1枚と、その下に豚バラ肉の煮豚が1枚。
枕木メンマが3本、ハーフ味玉と青ネギが含まれる白髭ネギ。

スープを飲むと、たしかに「ぬるい」!
ただし、滅茶無茶ぬるいというほどではなく、かといってこれを出されたら、スープがぬるいとお客からクレームが来るだろうというスープ温度。
最初からぬるいわけではなく、「冷たい麺」と「熱いスープ」を組み合わせて、「そこそこ熱くなった麺」と「若干ぬるくなったスープ」の組み合わせに変化させたのが「ひやあつ」です。
通常の「熱い麺」と「熱いスープ」の組み合わせと違うのは一目瞭然。

飲んだ瞬間に、程よい煮干しの苦みをベースとする適度なビター感と、それに醤油ダレが合流して組み立てられた「煮干し醤油スープ」の旨みが実にクリアに分かります。

もちろん、この風味はレギュラーの「熱いスープ」、そして「冷やしバージョン」でも分かりますが、スープがぬるくなるだけで、これほどクリアに旨みとその本質が分かるとは!

背黒、白口、平子、ウルメの4種の煮干しと昆布ダシから抽出した煮干しスープに、生揚げ醤油、生醤油、再仕込み醤油、たまり醤油などをブレンドしたカエシを合わせたスープ。
軽いビター感とそれと醤油ダレに支えられた旨みを終始漂わせながら、適度な塩味と「ぬるめ」ということもあいまって、ごくごく飲むことができます。

以前と比べると、煮干し感こそやや抑えられているものの、ちゃんとビター感を感じさせながら、しかも上品にまとめている煮干し醤油ラーメンの真髄が、スープが「ぬるく」なったことで良く分かります。
スープは当然無添加・無化調。

もっと大きく変わったのが麺。
「ゆきちから」と「銀河のちから」をブレンド。
それに「ゆきちから」のふすまを混ぜた切り刃20番、加水率36%の中細角ストレート麺。
もちろん自家製麺です。

村山店主によると、「ひやあつ」では麺を通常よりも長く茹で、ほぼ茹で切りに近い状態で冷水で締めているという。
「茹で切りに近い」こともあって、いつもの「ポクポク」とした食感とコシのあるモチっとした噛み心地は影を潜め、むしろ麺はソフトでサクサクとした食感。
モチモチ感とコシは、かなり失われています。
その代わり、口に含むと小麦の旨みや甘味、香りがいつもにくらべ圧倒的に感じられます。
食感という点では「熱い麺」「冷たい麺」の方が上。
しかし、小麦の風味等をより感じるいう点では、明らかに「ひやあつ」の方が上。
麺量は160g。

豚ロース肉低温調理チャーシューは、生ハムを思わせる淡白で上品な味。
逆に豚バラ肉の煮豚は、濃いめの味付けで口の中でホロホロと溶ける絶妙な調理具合。

短冊状の枕木メンマは、やや甘めの味付け。
相変わらず黄身がトロりと煮込まれ、スープに流れ出しそうな味玉ハーフの美味しさも特筆もの。

白髪ネギに青ネギが混ざる綺麗な色合いのネギも含め、ビジュアル、味いずれも「淡麗煮干し」の到達点ともいえる完成度。
その味の真価を、あえて「ひやあつ」にすることで、改めて確認することができました。
明日「鶏そば」ひやあつのリベンジを考えていましたが、村山店主によると、本日夜事情があって麺を普段より少ない量しか打てないという。
となると、今日売り切れた13時よりももっと早い時間に売り切れることが確実な明日再訪するのは、早起きが苦手な私には無理。

というわけで、明日の「鶏そば」ひやあつリベンジは早々に諦め、週末に新しい限定「冷たいカレーそば」を食べに訪れるスケジュールに変更。

村山店主のブログやインスタを見て、それに一喜一憂する日々。
それでも、この「緊張感」や「悩み」が、私の盛岡におけるラーメン生活最大の起爆剤になっているのですから、感謝しないといけませんね。

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(ひやあつ)」(2019年8月21日)

    「煮干しそば(ひやあつ)」(2019年8月21日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(ひやあつ)」(2019年8月21日)

    「煮干しそば(ひやあつ)」(2019年8月21日)

  • 南部屋路ばた - 8月21・22日に限り、「鶏そば」「煮干しそば」は「ひやあつ」にできます(2019年8月21日)

    8月21・22日に限り、「鶏そば」「煮干しそば」は「ひやあつ」にできます(2019年8月21日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」は既に売り切れ(2019年8月21日)

    「鶏そば」は既に売り切れ(2019年8月21日)

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2019/08訪問109回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「オマール海老のまぜそば」「夏野菜小麦もりそば」。お盆休みの限定麺2品を連食!

8月10日(土)

今日から始まるお盆の9連休。
私は東京の実家に里帰りしますが、気になるのは、本日(10日)より、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺が一挙に2品も始まること。

事実上のお盆期間の限定麺。
いずれも魅力的なだけに、帰省で食べ逃すのが惜しい。
そんな訳で、帰省当日なのに、まずは路ばたを訪れ、無謀にも限定麺を連食。

○限定麺「オマール海老のまぜそば」(900円)

今日はお盆休み初日とあって、移動する人が多いせいか、13時30分頃に着くと、駐車場の車は10台程度。
全部、岩手ないし盛岡ナンバー。
おそらく明日から混雑が始まるでしょう。

店内も約7割程度と、限定麺初日にしては落ち着いています。

券売機横には、今日から始まる「オマール海老のまぜそば」「夏野菜小麦もりそば」の説明書きが並んでいます。

この時点では連食までは考えてなく、さあどちらを食べるか思案。
どちらも捨てがたい。
濃厚なオマール海老風味のまぜそば。
暑い夏にさっぱりと、冷たい麺と麺つゆ、それに夏野菜の揚げ浸しを盛った小麦もりそばもびったり。

そこで、村山店主に「どちらが早く終了するの」と聞くと、「オマール海老」は数日で終わるという。
この時点で、まず「オマール海老のまぜそば」から食べることに決定。
900円なので、スタッフに1000円を渡して、お釣りをもらいます。

冷房も直って涼しさの戻ってきたカウンター席で待つこと数分で、「オマール海老のまぜそば」登場。

まず、その見事な具の色合いに感嘆。
黒の丼に麺が見えないほど具がたっぷり。
まず目立つのが赤いレンゲに盛られた緑のバジルソース。
牛挽き肉と白金豚の挽き肉の合挽きのミンチ(茶色)。
ヘタが緑、身が黄色のズッキーニの揚げ浸しが2枚。
赤いプチぷよ(ミニトマト)と角切りのトマト。
白っぽいレタス。
そして、具の一番上には茎と葉のついた緑の大きなクレソン。

具の選択もユニークですが、きちんと夏野菜から選び、しかも色合い(ビジュアル)にも配慮しているのはさすが。
これはインスタ映えします。

タレはオマール海老、甘エビ、白湯スープに塩ダレ、海老油をブレンド。
これに和える麺は、もちろん自家製麺。
「ネバリゴシ」「銀河のちから」「ゆきちから」を使った加水率38%、麺幅約5ミリのうどん製麺機で裁断した平打ち麺。

麺とたれは既に和えられていますが、さらにバジルオイル、具も一緒に混ぜて食べます。

麺はやや固めのワシワシ食べる食感。
噛み応えも十分で、ませそばの麺としては理想的。
麺量は180~190g。

味は海老の風味がとにかく濃厚。
塩味もそれなりに。
ただし、海老風味にバジルが混じり、海老だけでなく、バジル風味も香る一品。

濃厚な海老風味とバジルの香り、それに絡む噛み応えのある平打ち麺。
麺もワシワシ系ながら、平打ちにすることでタレに絡みやすくなると同時に、食べやすくなるメリットも。

具の合挽きのミンチが、海老とバジルの香るまぜそばに、さらにコクを加えます。
その一方で、甘味のあるジューシーなズッキーニの揚げ浸し、程よい酸味のプチぷよや角切りトマトなどの夏野菜が、味にバリエーションを加え、飽きさせません。

さらにシャキシャキとしたレタス、淡白なクレソンも見た目だけでなく、味覚と食感の両面で良いアクセント。

食べ終わると、丼の底にタレが残りますので、通常は「追い飯」(100円)を足して、タレと混ぜて食べるのですが、連食も念頭に置いていたので、まずは残ったタレをレンゲで丁寧にすくいます。

○限定麺「夏野菜小麦もりそば」(800円)

「オマール海老のまぜそば」を食べたあと、村山店主に「夏野菜小麦もりそば」の提供期間を確認。
お盆休み期間中は提供できるが、そのあととなると微妙とのこと。
お盆休みを丸々実家で過ごす私にとっては、戻ってきたら提供されていない可能性もあるので、食べる方向性に傾きました。

そこで麺量を確かめると、「オマール海老」同様、180g~190g。
ならば両方食べても、380g。
つけ麺大盛程度と判断し、連食を強行。
こちらは800円ですのて、券売機の「限定麺」(800円)のボタンを押します。

「小麦のもりそば」は、文字通り平打ちの自家製麺を和風のそばつゆにつけて食べる「中華もりそば」。
でも、それだけに留まらないところが、さすがに村山店主。

最近使われることの多い、白地に紺の模様のある大皿に、さらっとした昆布水が張られ、そこに麺が浸してあります。

麺は「ゆきちから」「ネバリゴシ」「南部小麦」を使った加水率40%のうどん製麺機で幅約3ミリほどで裁断した平打ち麺。
麺量は180~190g。

「オマール海老のまぜそば」の平打ち麺とは食感がまるで違います。
固めで歯応えのある「オマール」の麺に対し、こちらは半端のないツルツル感でどんどん啜れます。
麺には適度なモッチリとした食感。

昆布水に浸った平打ち麺の上には、夏野菜の具がたっぷり。
まずは麺になかに流れ込むような「オクラのたたき」。
オクラをたたくことで、さらにネバネバ感が生まれ、麺に絡みます。
オクラのたたきの絡んだ平打ち麺をつゆにつけると、ツルツルの麺と粘りのあるオクラがマッチして、ツルツルネバネバ感が一杯に。

ロース肉の低温調理チャーシューは二つに畳まれ、生ハムのような淡白さ。

極め付きは夏野菜の揚げ浸し。
ミニトマトの美味しさはもちろんですが、ナスとズッキーニ、黄色ズッキーニの揚げ浸しの味の違いが面白い。
もっとも甘味が強いのは黄色ズッキーニ。カボチャと勘違いしたほど。
ズッキーニの揚げ浸しは、甘味はもう少し弱くメロンを思わせるような味わい。
ナスはもっとも水分が多く、甘味も控えめ。

さらにもう1つ仕掛けがあります。
大葉の上にミョウガの千切りがトッピングされていますが、これは想定内。
梅肉を食べると、最初は酸っぱかった味が突然辛くなり、この変化にびっくり。

これが「梅一味」。
梅の果肉に一味唐辛子が仕込まれています。

夏野菜の揚げ浸しが甘味の方向にベクトルを向けるなら、梅一味で酸味と辛味という違った方向のベクトルを提示。
なかなか面白い趣向です。

そばつゆは涼しげな透明の容器に入ってきますが、これが実に凝ったダシの取り方とタレの重ね方をしています。
鰹節、宗田節、鯖節など三種の節に昆布を重ねた節ダシに、生揚げ薄口醤油、ザラメ、三河みりん、純米酒のかえしを合わせています。

一見普通のそばつゆのように見えて、飲んでみると、決っしてそれだけではありません。

節のよい香りと甘味がベースになりながらも、甘味だけが突出するのではなく、甘味と酸味、苦味、渋味などが絶妙にブレンドされ、節と昆布、醤油などのオーソドックスなそばつゆを踏襲しながらも、それに収まらない深みのあるそばつゆになっています。

これだけの深みのあるそばつゆを、無化調でつくることのできる日本蕎麦店が一体どの程度あるでしょうか。

麺と具を食べてしまったあと、麺が浸っていた昆布水を、そばつゆの残ったそば猪口にドボン。

「オマール海老のまぜそば」「夏野菜小麦もりそば」のいずれも無化調、自家製麺。
一方は「濃厚」、もう一方は「さっぱり」という対照的な限定麺ですが、いずれも夏野菜を使い、しかも具の色合いを重視する芸術品のような限定麺。

私は提供初日に帰省するという事情があり、連食を強行しましたが、お盆を盛岡やそれ以外の県内で過ごす方は、無理のないスケジュールで、是非両者を堪能してください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オマール海老のまぜそば」(2019年8月10日)

    限定麺「オマール海老のまぜそば」(2019年8月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オマール海老のまぜそば」(2019年8月10日)

    限定麺「オマール海老のまぜそば」(2019年8月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オマール海老のませそば」(2019年8月10日)

    限定麺「オマール海老のませそば」(2019年8月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オマール海老のませそば」(2019年8月10日)

    限定麺「オマール海老のませそば」(2019年8月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「夏野菜小麦もりそば」(2019年8月10日)

    限定麺「夏野菜小麦もりそば」(2019年8月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「夏野菜小麦もりそば」(2019年8月10日)

    限定麺「夏野菜小麦もりそば」(2019年8月10日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2019年8月10日)

    麺&具(2019年8月10日)

  • 南部屋路ばた - そばつゆ(2019年8月10日)

    そばつゆ(2019年8月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オマール海老のませそば」の説明書き(2019年8月10日)

    限定麺「オマール海老のませそば」の説明書き(2019年8月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「夏野菜小麦もりそば」の説明書き(2019年8月10日香りが

    限定麺「夏野菜小麦もりそば」の説明書き(2019年8月10日香りが

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2019/08訪問108回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「南部かしわそば」+「南部かしわの味玉」。無農薬の餌で飼育した南部かしわの丸鶏とπウォーターだけでとったスープに醤油ダレをブレンド。醤油と鶏との完璧なコラボ。南部かしわの味玉は、まさに絶品!

8月5日(月)

現在、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)では、2種類の限定麺を提供中。
1つは、既にレビューした「枝豆の冷やしつけそば」(800円)。
もう1つが、「南部かしわそば」(900円)

同店に無農薬の野菜やコメを提供をしている「雫石八十八屋」。
その「雫石八十八屋」が農薬や添加物を不使用のお米、野菜、大豆などを餌にして大切に育てた岩手県の銘柄地鶏「南部かしわ」(岩手地鶏とロードアイランドレッド種を掛け合わせたもの)。
この希少な「南部かしわ」の丸鶏100%とπウォーターという「鶏と水」だけでとったスープ。
これに醤油ダレと「南部かしわ」の鶏油をブレンド。

自家製麺にも南部かしわの卵を使うというこだわり。
さらにチャーシューは白金豚の肩ロース肉低温調理。
そして、南部かしわの味玉をトッピングした「南部かしわそば」+「南部かしわの味玉」のセット。

本日(5日)、13時30分頃、店を訪れました。
幸い、限定麺2種ともに販売中。
もちろん今回はベテラン女性スタッフに1,000円札を現金で渡して、「南部かしわそば」と「南部かしわの味玉」を注文。

〇「南部かしわそば」(900円)+「南部かしわの味玉」(100円)

女性スタッフが運んでくれた「南部かしわそば」+「南部かしわの味玉」。
同店の「鶏そば」「煮干しそば」の麺線の美しさは群を抜いていますが、「南部かしわそば」もまさにそう。

琥珀色の濃い鶏清湯と醤油のスープには「南部かしわ」の鶏油が振りかけられ、キラキラと輝いています。
表面の4分の3には、麺が実に綺麗に畳まれています。
残りの4分の1に具が集約。
白金豚の肩ロース肉低温調理チャーシューは少々生っぽいビジュアル。
その上に白髪ネギと千切りにした青ネギが乗せてあるのですが、このネギの切り方自体が尋常ではない美しさ。
穂先メンマを隠すように、楕円形で少しつぶれたような独特の形状の「南部かしわの味玉」。

もうビジュアルの美しさだけで、芸術品といっても過言ではありません。

スープは、八十八屋製の南部地鶏の丸鶏とπウォーターだけ。
これに再仕込み醤油やたまり醤油をはじめ数種類の醤油を合わせています。

スープを飲むと、醤油の旨みと香り、キレとコクが一体になって到来。
醤油のあまりの深い旨みに完全にノックアウトされること必至。
しかし、塩味が強いというわけではなく、むしろ鶏油のさっぱりとした甘味が時々顔を覗かせます。

鶏の旨みがガツンと来るのではなく、醤油の半端ない旨みとコクと一体になり、それを引き立てる形で鶏の旨みが効いています。
鶏の旨みはあくまでのナチュラルで上品。
食べた印象は醤油の主役感濃厚ですが、醤油の旨みとコクの根底には南部かしわの旨みがしっかりと潜んでいて、醤油と鶏が完全に一体化した理想的な「鶏そば」(鶏清湯の醤油ラーメン)の姿があります。

醤油を引き立てる鶏の旨みと、上品でさっぱりとしながらも、決して鶏感の不足を感じさせない醤油と鶏の組み合わせ。
鶏臭さなどとは無縁の洗練の極致にある醤油と鶏の完璧なコラボレーション。

コラボレーションの完成度という意味では、「南部屋路ばた」のこれまでの「鶏そば」の延長線上にありながらも、素材の力でそれをさらに推し進めた格好。

とにかく醤油好きには堪らない「南部かしわそば」。

麺もまた美味しい!

「南部かしわそば」専用麺は「ネバリゴシ」を約50%使い、その他の小麦をブレンド。
ふすま不使用の自家製麺。
切り刃20番、加水率38%の角ストレート麺です。
特徴は、南部かしわの卵を使用して麺を打っていること。

中力粉である「ネバリゴシ」メインの中細麺ですが、モチモチとした麺かと思いきや、そうでなく、むしろポキポキとした食感の歯切れの良い麺。
ただし、ポキポキ感だけではなく、モチモチ感は弱いながら、喉越しもなかなか。
ポキポキ感とツルツルとした喉ごしを上手に両立させるところに、卵を使う効果が出ています。
麺量は160g。

同店の「鶏そば」や「煮干しそば」では、チャーシューは豚のみで、ロース肉の低温調理チャーシューとバラ肉の煮豚の組み合わせが定番。
それを今回は白金豚の「肩ロース肉」低温調理チャーシューに変更。

赤身は生っぽく、サシも適度に入っているチャーシューは、なかなか歯応えのある仕上がり。

穂先メンマはやや甘味のある上品な風味。
シャキシャキ感も程よいレベル。

独特の切り口のネギは、麺と一緒に食べるようになっていて、麺の食感やスープの味、そしてネギの食感と爽快感が一体となって口の中で融合します。

ハイライトの「南部かしわ」の味玉。
見た目は少しつぶれたような楕円形の形状ですが、黄身を見ると、これまで見たことがないような美しいレモンティーのような色。
黄身の色が淡いのです。

しかも、黄身はしっとりとしていて、醤油と煮干しだけで味付けをしたさっぱりとした風味。
味醂や砂糖を使わないところに、「南部かしわの卵」そのものの風味を活かそうとする村山店主に心意気が伝わってきます。

今回「南部かしわそば」を食べてみて、スープとタレ、麺、具のすべてがパーフェクトに噛み合った「鶏そば」(醤油そば)に感動。
やはり醤油の旨みや香り、コクやキレ、そして深みなどの魅力を最大限に発揮させる食材は、鶏しかないと改めて確信。

もちろん無化調・無添加。

明日(火)は「南部屋路ばた」の定休日ですが、限定麺「南部かしわそば」は水曜ないし木曜まで提供の予定。
是非お試しください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわそば」+「南部かしわの味玉」(2019年8月5日)

    限定麺「南部かしわそば」+「南部かしわの味玉」(2019年8月5日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわそば」+「南部かしわの味玉」(2019年8月5日)

    限定麺「南部かしわそば」+「南部かしわの味玉」(2019年8月5日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわそば」の説明書き(2019年8月5日)

    限定麺「南部かしわそば」の説明書き(2019年8月5日)

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2019/08訪問107回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「枝豆の冷やしつけそば」。クリーム味に枝豆の風味が混じる冷製ポタージュスープにツルツルの平打ち麺を絡めて食べる冷やしつけそば。具の夏野菜の揚げ浸し、鶏モモ肉の燻製が出色!

8月3日(土)

8月2日から「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺がスタート。
さらに今日(3日)からもう1種類加わり、計2種類ですから迷ってしまいます。

昨日から始まった「枝豆の冷やしつけそば」。
今日からスタートした「南部かしわそば」。
とくに、「南部かしわそば」は、添加物を混ぜない餌で育てた希少な南部かしわの丸鶏とπウォーターのスープに醤油ダレと南部かしわの鶏油を合わせた「鶏そば」好きにはマストな一品。

「枝豆の冷やしつけそば」は、お盆前ぐらいまで提供する(「南部かしわそば」は来週水曜または木曜頃まで)こともあり、「南部かしわそば」をまず食べるべきかなと思いつつ、「南部屋路ばた」に向かいました。

ネックは、最高気温34℃の酷暑。
涼しかった梅雨が終わり、30℃以上の猛暑の日々。
完全に夏バテ状態。

13時前に店につくと、予想どおり駐車場は満杯。
店内も満席近い混雑ぶり。

券売機横の限定麺の説明書きは「南部かしわそば」が上。
「枝豆の冷やしつけそば」が下。
「南部かしわそば」は900円。
トッピングの「南部かしわ」の味玉(100円)とのセットを推奨。
1000円扎で現金払い。
「枝豆の冷やしつけそば」は800円で、限定麺の食券を購入する仕組み。

迷いましたが、決め手になったのが店内の温度。
クーラーの調子が悪いのか、あるいは猛暑にクーラーの性能が追い付かないのか、店内がかなりの暑さ。
魅力はあるものの、この暑さのなか、アツアツの「南部かしわそば」を食べるのは辛い。

そうなると、枝豆風味の冷製クリームスープで麺を食べる冷たいつけそばが何とも魅力的。
やはり体が求めるものを食べるべきと自分に言い聞かせ、限定麺(800円)のボタンを押しました。

何とかカウンター席をゲット。
続々と後続客が入ってきますが、限定麺の注文は「南部かしわ」と「枝豆」が半分ずつ。
カウンター席の右隣の方は「南部かしわ」を食べていましたが、実に美味しそう。
もっと店内が涼しければ、「南部かしわ」を選んでいたでしょうね。

○限定麺「枝豆の冷やしつけそば」(800円)

ベテランの女性スタッフが運んでくれた「枝豆の冷やしつけそば」。

ガラスのグラスに入った冷製ポタージュ風のつけ汁がいかにも涼しげ。
トロみのあるホワイトなスープですが、良くみると枝豆の薄い緑が混ざっています。

さらに粒黒胡椒が白いスープに数粒振りかけられています。

麺は、前回の限定麺「穴子と胡瓜の冷や和えそば」と同じブルーの模様の大皿に盛られています。
大皿には、さらっとした薄めの昆布水が「ほぐし水」的に張られ、それに浸して冷水で締めた平打ち麺。

具は、トマト、インゲン、ズッキーニなど夏野菜の揚げ浸し。
鶏モモ肉の燻製が5枚も添えられ、そのうちの1枚にはタルタルソースがたっぷり。
さらに、紫玉ネギがトッピング。

麺はうどん製麺機で約5ミリ程度に裁断した幅広の平打ち麺。
加水率は39%。
もちろん自家製麺で、ねばりごしを中心にもち姫、ゆきちからなどをブレンド。

冷水で締められ、冷たい昆布水に浸かった平打ち麺は、半端ないツルツル感。
やはり冷たいラーメンやつけそばには、ツルツル感のある麺が最適。
コシも適度にあり、「麺を食べる」快感に浸ることができます。
麺量も200gとたっぷり。

つけ汁は、玉ネギや鶏ダシに牛乳、枝豆などをブレンドしたホワイトに薄緑が混じる冷たいポタージュスープ。
クリーム味にほのかに枝豆の風味がのる洋風の冷製スープ。

平打ち麺をポタージュ状のつけ汁にさっとつけると、平打ち麺にトロみのある冷たいスープが絡みまくります。
いずれも涼しげな麺の風味とクリーム味、それに枝豆の風味が絡み合う瞬間は本当に最高!
やはり、酷暑の中では「枝豆の冷やしつけそば」を選んでよかったと実感。

麺をつけ汁につけて少し食べたところで、具材に手をつけます。
無農薬の夏野菜をそのまま出すのではなく、素揚げして、調理液に浸す「揚げ浸し」にするという凝りよう。

揚げ浸しにすることで、生で食べるときと食感も味もかなり違います。
この「違い」を味わうのも楽しみ。
トマトは酸味がうまく和らぎ、柔らかい果肉の中にトマトの濃厚な旨味が凝縮。

茹でただけだと、シャキッとした食感のインゲンを揚げ浸しにすると、こんなに食べやすくなり青臭さが抜けるのには驚き。

それ以上に驚いたのが、ズッキーニの揚げ浸し。
ズッキーニを縦半分に切った揚げ浸し。
果肉が柔らかくて、本当にメロンのような食感と甘さ。

鶏モモ肉の燻製は香ばしい上、タルタルソースとの相性も良く、5枚でも少ないほど。

多めに添えられた刻んだ紫玉ネギが、冷たいつけそばの爽快感をさらにアップさせます。

ホワイトなスープに入っている黒粒胡椒。
思い切って口に含んで噛んでみると、それほど辛味はなく、むしろいい香りとほのかな甘味が口の中に広がります。
しかも、黒粒胡椒のインパクトは一瞬で、あとはすーっと引いていきます。
牛乳の効いたクリーミーなスープに黒粒胡椒がアクセントを加える見事な組み合わせ。

麺と具を食べ終えたあと、大皿の底に残った薄めの昆布水を慎重につけ汁の入ったグラスに注ぎます。
いい具合に薄められ、サラサラ感も増した「昆布水割り?ポタージュスープ」を飲み干し、「枝豆の冷やしつけそば」を堪能。

連日の猛暑の続くなか、枝豆風味の冷製クリームポタージュスープに平打ち麺を絡め、夏野菜の揚げ浸しやタルタルソース付きの鶏モモ肉の燻製を添える冷やしつけそばは絶好。

明日はじっくり自宅で休養。
明後日、もう1つの限定麺「南部かしわそば」+「南部かしわ味玉」にチャレンジする予定です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「枝豆の冷やしつけそば」(2019年8月3日)

    限定麺「枝豆の冷やしつけそば」(2019年8月3日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「枝豆の冷やしつけそば」(2019年8月3日)

    限定麺「枝豆の冷やしつけそば」(2019年8月3日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2019年8月3日)

    麺と具(2019年8月3日)

  • 南部屋路ばた - 粒黒胡椒が浮かぶ冷製ポタージュスープ(つけ汁)(2019年8月3日)

    粒黒胡椒が浮かぶ冷製ポタージュスープ(つけ汁)(2019年8月3日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「枝豆の冷やしつけそば」の説明書き(2019年8月3日)

    限定麺「枝豆の冷やしつけそば」の説明書き(2019年8月3日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「南部かしわそば」の説明書き(2019年8月3日)

    限定麺「南部かしわそば」の説明書き(2019年8月3日)

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2019/07訪問106回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「穴子と胡瓜の冷や和えそば」。トロトロ昆布と鰹節の冷たい塩味のダシに和えた中細麺。おろしきゅうりが効果的。穴子の白焼きときゅうりのトッピング。旬の食材を駆使した綺麗で美味しい一杯!

7月28日(日)

梅雨が明けたような猛暑が続く盛岡市。
今日も昼の時点で、既に32℃。

昨日はあまりの暑さに負けて、ラーメンは断念。
自宅で休養。
しかし、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)が昨日から提供を開始した新しい限定麺を食べないわけには行きません。

そんな思いで、提供2日目の今日(28日)、自宅から路ばたを往復。

「穴子」と「きゅうり」という旬の食材の意外性のある組み合わせ。
それで、冷たい和えそばをどうやってまとめるのだろうか?
興味津々。

○限定麺「穴子と胡瓜の冷や和えそば」(1000円)

提供初日の昨日は、穴子の天ぷらをつけていたらしい。
だが、村山店主一人で調理しているので、天ぷらは手がかかりすぎるということで、今日からシンプルな「白焼き」に変更。

頑張って昨日来れば、穴子の天ぷらを食べることができたのにと少々残念。
でも、塩味の白焼きもあっさりして、むしろ冷やし和えそばに合うのは、こちらも知れません。

12時40分に路ばたに着くと、駐車場は車で一杯。
盛岡や岩手ナンバーに混じり、平泉、宮城、秋田ナンバーの車も。
路ばたの限定麺の知名度が北東北や宮城にまで広がっていることが、良くわかる光景。

店内に入っても満席。
まずは券売機で食券を購入するはずですが、今回は1000円なので、現金(1000円札1枚)を女性スタッフに渡して、限定麺をお願いします。

幸い、カウンター席に1席だけ空席をみつけ、着席。
その間も、お客がどんどん入店。
店内待ちも発生。
やはり、限定麺の注文が圧倒的。

約10分ほどの待ち時間のあと、女性スタッフが運んでくれた「穴子と胡瓜の冷や和えそば」。

大きな青い模様の皿にトロトロ昆布と鰹節ダシの透明の「昆布水」が敷かれ、そのなかには「おろしきゅうり」が、まるで「あおさ海苔」のように大量に入っています。

昆布と鰹節のトロトロダシ(昆布水)に、「浅蜊ダシ」「塩ダレ」「おろしきゅうり」「ねぎ生姜油」などをブレンドするという凝りよう。

ビジュアル的には、まるで「あおさ海苔」のように、緑の粉状に昆布水に浮かぶ「おろしきゅうり」のインパクトが絶大。

昆布と鰹節のさっぱりとした旨味のある冷たいトロトロダシに「おろしきゅうり」が見た目と味の両方で清涼感を与えます。
塩ダレは微量で、ほんのり塩味を添える程度。
浅蜊ダシとねぎ生姜油も、隠し味といった程度。

このトロトロダシで和えた麺の上には、穴子の白焼きが2枚。
そのうちの1つには、梅干しがのっています。

さらに殻なしの浅蜊、ピンクの酢取りミョウガ、蛇腹切りのきゅうりが2つ、そして黄色い花が咲いたままの小さな「花丸きゅうり」が色を添えます。
その他、大葉の千切りなど、旬の食材を使って、見た目も実に綺麗。

麺は切り刃20番、加水率39%の中細角ストレートの自家製麺。
麺量は180g。

忙しく働く村山店主に、さすがに小麦の種類まで聞くのをためらいました。
恐らくねばりごし、ゆきちから、銀河のちから、南部小麦をブレンドしたふすまなしの麺の模様。
後日改めて確認します。

トロトロのダシをまとった麺は冷たくてツルツル。
滑らかな食感で、やや柔らかめ。
喉ごしの良さ抜群の麺。

薄味ながら昆布や鰹節、そして貝ダシの旨味が重なり、それにおろしきゅうりの爽やかが加わるトロトロのダシがしなやかな麺に絡みまくります。

そして具の穴子の白焼き。
塩をまぶしただけでふわっと焼き上げた穴子は、あっさり味ですが、やはり焼き魚ならではの風味が、薄味傾向のダシや麺に香ばしさを与えています。

穴子の白焼きと梅干しとの組み合わせもぴったり。
穴子以外の具は、さっぱり感を助長。
酢取りミョウガの甘酸っぱさ、大葉の香りはもちろんですが、きゅうりの使い方が実に効果的。

蛇腹切りのきゅうりの食感、そして茎の小さなトゲが口のなかで可愛い刺激を与える「花丸きゅうり」。
花も一緒に食べる面白さも手伝い、見た目と味の両方で楽しめます。
これにスープに入った「おろしきゅうり」。

3種の「きゅうり」のさっぱり感と「穴子の白焼き」の旨味が、トロトロ昆布と鰹節メインの塩ダレの和えそばを、和食の一品料理の域にまで高めることに成功。
旬の食材を巧みに組み合わせ、目にも美しく、食べても美味しい限定麺。

冷えたトロトロの昆布水をベースにしながら、昆布水つけ麺とは全く別物の「和えそば」をつくりあげる村山店主のセンスが冴え渡る一杯。

暑い夏にピッタリの「冷や和えそば」です。

今週金曜頃まで提供の予定ですが、訪れる際は、念のために「★南部屋路ばた限定Blog★」をチェックしてください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「穴子と胡瓜の冷や和えそば」(2019年7月28日)

    限定麺「穴子と胡瓜の冷や和えそば」(2019年7月28日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「穴子と胡瓜の冷や和えそば」(2019年7月28日)

    限定麺「穴子と胡瓜の冷や和えそば」(2019年7月28日)

  • 南部屋路ばた - 具の中央には、黄色の花のついた「花丸きゅうり」(2019年7月28日)

    具の中央には、黄色の花のついた「花丸きゅうり」(2019年7月28日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「穴子と胡瓜の冷や和えそば」の説明書き(2019年7月28日)

    限定麺「穴子と胡瓜の冷や和えそば」の説明書き(2019年7月28日)

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2019/07訪問105回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

「翡翠麺の冷やし担々そば」と「もろこしご飯」。小松菜を練り込んだ緑の翡翠麺とトマトの酸味、芝麻醤のゴマ風味とのコラボが美味しい冷やし担々麺。とうもろこしの甘味を活かした炊き込みご飯「もろこしご飯」!

7月15日(月)

昨日(14日)から始まった限定麺「翡翠麺の冷やし担々そば」。

小松菜のペーストを練り込んだ薄緑色の翡翠(ひすい)麺を村山店主が打つのは2年ぶりだという。
それだけ力の入っている冷やし担々麺。

提供初日の昨日は蒸し暑かっただけに、さぞや混雑したと思ったら、3連休の中日にかかわらず、比較的空いていたらしい。

今日はその反動で混むのではないかと懸念していましたが、12畤30分に店に着くと、駐車場の車は意外に少なめ。

店に入り、いつものように券売機横の限定麺のPOPを見ると、ありました「翡翠麺の冷やし担々そば」。
しかも、限定飯「もろこしご飯」のPOPも。

結局、限定麺と限定飯の食券合計1000円を購入。

最近、土日は激混みの「路ばた」ですが、対照的にのんびりとした雰囲気のなか、スマホで撮影したPOPをじっくり熟読。

まもなく女性スタッフが限定麺と限定飯ののったお盆を運んでくれます。

黒くて深い丼に入った「冷やし担々麺」。
ビジュアルの美しさは息を飲むほど。

スープの表面は綺麗に2つに分かれています。
半分は赤いラー油、残りの半分は花椒のパウダー。
具は大きなグリーンのインゲン、同じくグリーンのカイワレや小松菜。
赤みのあるトマト鶏ミンチがたっぷり。
それにローストトマト、薄くスライスされたズッキーニ。
一番上に糸唐辛子が添えられています。

翡翠麺が見えないほどの具沢山。

まずはスープから飲もうと、レンゲをさすと、ラー油と花椒が自然にミックス。
ホワイトな芝麻醤メインのスープが現れ、これにラー油や花椒が混じります。

ゴマの香る爽やかな甘味に辛味と痺れがブレンドされたコクのある冷たいスープ。
さらにトマトの酸味も加わり、冷やし担々麺のスープでありながら、それにとどまらない創作性溢れた美味しいスープ。

具をかき分けると、翡翠麺が現れます。

ゆきちから、銀河のちから、ねばりごしをブレンドして、小松菜のペーストを練り込み、うどん製麺機で幅約4ミリほどに裁断した自家製の平打ち麺。
加水率42%、麺量180gです。
グリーンの翡翠麺とスープや具との色合いも鮮やか。
ビジュアルでも十分楽しめます。

もちろん麺の美味しさも抜群。
ツルツルした食感に加え、モチモチ感もあり、冷水で締められただけにコシもあるという食べ応えのある麺。

具では、鶏ミンチにトマトペーストを練り込んだ「トマト鶏ミンチ」が出色。
甘めのミンチにトマトの酸味が加わり、柔らかいローストトマトと合わせてトマト風味が充満。

大きなインゲンは噛み応え十分。
たっぷり盛り付けられた小松菜のシャキシャキ感が爽やかさを増幅。
薄くスライスされたズッキーニは柔らかくて口の中で溶けてしまいそう。

すべて自家製の芝麻醤、ラー油、花椒などにトマトの酸味が重なり、ゴマ風味と甘味、辛味、痺れ、酸味などが絶妙に融合したスープで翡翠麺を食べ、しかも夏野菜たっぷりの冷やし担々麺。
村山店主のセンスが凝縮された逸品です。

冷やし担々そばを食べたあと、限定麺の「もろこしご飯」に移ります。

盛岡市の穀倉である「路ばた」の地元・太田地区で収穫したプランド米「銀河のしずく」。
銀河のしずくともうもろこしを、ほんのわずかな醤油だけで、お米の弾力が際立つように炊いた炊き込みご飯。

炊き込みご飯を食べると、たっぷり入ったとうもろこしの甘さが堪能できます。
この自然な甘さを味わってもらうために、味醂などを一切加えていないという。
とうもろこしの甘味に、ご飯のお焦げがアクセントを加え、一気に食べ終えてしまいます。

私が食べている途中から次々とお客が入店。
いつしか店内は満席近くに。

店を出ると、駐車場も満車近い状態。
車のナンバーを見ると、盛岡ナンバー、岩手ナンバーに混じり、福島ナンバーも。
以前と訪れたときにも、八戸ナンバーや宮城ナンバーの車がありましたが、「路ばた」の知名度は東北中に広がっているようですね。

「路ばた」で食べた限定麺「翡翠麺の冷やし担々そば」、限定飯「もろこしご飯」は、3連休の最後を飾る豪華な組み合わせでした。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「翡翠麺の冷やし担々そば」(2019年7月15日)

    限定麺「翡翠麺の冷やし担々そば」(2019年7月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「翡翠麺の冷やし担々そば」(2019年7月15日)

    限定麺「翡翠麺の冷やし担々そば」(2019年7月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「もろこしご飯」(2019年7月15日)

    限定飯「もろこしご飯」(2019年7月15日)

  • 南部屋路ばた - 「翡翠麺の担々そば」と「もろこしご飯」(2019年7月15日)

    「翡翠麺の担々そば」と「もろこしご飯」(2019年7月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「翡翠麺の冷やし担々そば」のPOP(2019年7月15日)

    限定麺「翡翠麺の冷やし担々そば」のPOP(2019年7月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「もろこしご飯」のPOP(2019年7月15日)

    限定飯「もろこしご飯」のPOP(2019年7月15日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」「煮干しそば」のボタンと「限定麺」のボタンは、券売機の左下(2019年7月15日)

    「鶏そば」「煮干しそば」のボタンと「限定麺」のボタンは、券売機の左下(2019年7月15日)

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2019/07訪問104回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス4.0
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

通常利用外口コミ

この口コミは試食会・プレオープン・レセプション利用など、通常とは異なるサービス利用による口コミです。

限定麺「節白湯つけそば」。鶏ガラと丸鶏、3種の節などをブレンドした濃厚な白湯スープにツルツルの手揉み麺を絡ませて啜る「路ばた」では珍しい少々ジャンクなつけそば。

7月10日(水)

7月7日(日)昼に「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)を訪れたとき、2種類の限定麺と2種類の限定飯に遭遇。

限定麺のうち、「冷やし納豆和えそば」か「節白湯つけそば」か迷った挙句、「冷やし納豆そば」を選択。

限定飯「もろこしご飯」と「平目黄身正油飯」は見送ってしまいました。

しかし、あとに残ったのは限定飯「平目黄身正油飯」も食べるべきだったという後悔。

そこで、今日(10日)は中2日で「南部屋路ばた」を訪れ、前回食べ逃した「節白湯つけそば」と、もしあれば「平目黄身正油飯」を食べ得ることに決め、13時15分店到着。

今日も雲一つない晴天。
その代わり、直射日光がまぶしく、気温もぐんぐん上昇。

〇限定麺「節白湯つけそば」(800円)

期待に胸を膨らませて店内に入り、券売機横の限定麺・限定飯の貼り紙を見た途端、茫然自失!

限定麺は「冷やし納豆そば」しかない!
「節白湯つけそば」のPOPが撤去されていたということは、「売り切れ」。
しかも、限定飯のPOPもなし。

こうして「節白湯つけそば」と「平目黄身正油飯」を食べるという私の計画は、もろくもとん挫。
今振り返ると、日曜は上記2品を選択。
今日「冷やし納豆そば」を食べればよかったと戦略ミスを反省。
といっても、これはあくまでも後から振り返ってのこと。

気を取り直して、インスタ限定の「鶏そば(塩)」を再食しようかなと思案していたところ、厨房から村山店主が登場。
「節白湯つけそば」の「つけ汁」が1人前だけ残っているという。
ただし、専用の幅広の平打ち麺は切れてしまったし、具もないということ。

そこで「節白湯つけそば」のつけ汁と「冷やし納豆そば」の平打ち麺を手揉みした麺を組み合わせ、具は「おまかせ」というバージョンをつくってもらうことにしました。
ありがとう!

まもなく到着したつけ汁と麺。
つけ汁は「節白湯つけそば」オリジナルのものと同じ。

いかにも節が凝縮したかのような茶色のスープと白湯スープが混じり合う独特の色合い。
トッピングの魚粉が溶け出し、その周囲がじわじわと黒く変色していく姿に、凄みさえ感じるつけ汁。

鶏ガラ、丸鶏、野菜、そして宗田節、鯖節など3種類の節などを炊いた白湯に醤油ダレ、塩ダレを合わせ、節オイルを少々加えたトロみのあるスープです。

麺はオリジナルバージョンでは、岩手県産「ゆきちから」「銀河のちから」の幅広の平打ち麺ですが、今回は岩手県産「ゆきちから」「銀河のちから」「ねばりごし」「南部小麦」をブレンドした加水率38%の「冷やし納豆そば」用の平打ち麺を手揉みしたもの。

ちなみに、平打ち麺の裁断は、うどん製麺機で行っています。
麺量は230g。

具は、オリジナルの鶏モモ、鶏つくね、肉巻きトマト、味玉半分の代わりに、二つ折りした豚ロース肉低温調理チャーシューが何と3枚。
それに穂先メンマ、細切りの白ネギと青ネギを混ぜた薬味、味玉半分というナインナップ。

まず、つけ汁につけずに麺を食べると、ツルツルとした麺を噛むと口のなかに小麦の香りや甘味が一杯に広がります。
次に濃厚なつけ汁にくぐらせます。

つけ汁は、3種の節の旨みが合わさった濃厚な旨み。
鶏は下支え的な役割ですが、スープにコクと白湯ならではのトロみを提供。

基本的には、「豚骨魚介系」の「またおま系」寄りの風味ですが、「豚骨」ではなく「鶏ガラ」や「丸鶏」を使っているだけに、豚骨魚介ほどの「重み」はなく、食べやすいよりライトな味。

節の旨みや鶏のコクに加え、野菜や節の甘みも感じますが、同時にしょっぱさもそこそこ。
魚粉が溶けて、その跡が黒ずんだスープ。
ただし、そもそものスープ自体がかなり濃厚な節味なので、魚粉のインパクトはビジュアルほどではありません。

麺を絡ませると、つけ汁そのものの塩味がそれほど気にならなくなり、節の旨み溢れる濃厚なつけ汁が手揉み麺に良く絡み、麺とつけ汁が一体となった旨みに夢中になってどんどん麺を啜ります。

つけ汁にくぐらせると、麺のツルツル感がさらに増幅。
さらに噛んだときのモチモチ食感も見逃せません。

途中でチャーシューやメンマ、味玉などの具を賞味。

今日の豚ロース肉低温調理チャーシューは、やや肉厚気味にスライス。
それでもチャーシューの柔らかさは変わりません。
まるでロースハムそのもののような淡白で上品な味と、噛むと肉の旨みがじわっと広がる極上のチャーシュー。
それが3枚ものっているのですから、得をした気分。
つけ汁が濃厚な分、淡白なロース肉のチャーシューが光ります。

穂先メンマは、適度の発酵臭が醤油や味醂等のタレの旨みとうまくブレンドされ、シャキシャキとした食感のもと、噛むごとに深みのある旨みが炸裂します。

トロトロで黄身が溢れそうな味玉半分。
今回は黄身の味付けに塩を使っているようで、少々塩味が過剰気味。

麺を食べ終え、残ったスープをスープ割り。
おそらく鶏ダシであろうスープを足して温度上昇したスープには、たっぷりネギが振りかけられています。
ネギの食感や風味を楽しみながら、節と追加の鶏ダシ(?)がうまくバランスし、サラッとしてサッパリ度も増したスープ割りを飲み干し、念願の「節白湯つけそば」を食べ終えました。

たしかに、濃厚なつけ汁で塩味がやや強いのも事実。
しかし、無化調で雑味感は少なく、鶏ダシと節ダシとのブレンドなので、「重さ」や「くどさ」のない飲みやすいつけ汁。
食べたあとも、「またおま系」つけ麺を食べたあとのように胃もたれすることもなく、むしろさっぱり。

麺やチャーシューの美味しさも手伝い、満足感満点の一杯でした。
それでも、オリジナルバージョンの「肉巻きトマト」が食べたかったな!
節の旨みにトマトの酸味が加わる瞬間を想像するだけでも、よだれが出そうです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「節白湯つけそば」(2019年7月10日)

    限定麺「節白湯つけそば」(2019年7月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「節白湯つけそば」(2019年7月10日)

    限定麺「節白湯つけそば」(2019年7月10日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2019年7月10日)

    麺と具(2019年7月10日)

  • 南部屋路ばた - 節香る濃厚なつけ汁(2019年7月10日)

    節香る濃厚なつけ汁(2019年7月10日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2019年7月10日)

    スープ割り(2019年7月10日)

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2019/07訪問103回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「冷やし納豆和えそば」。節と煮干しダシに醤油の効いた冷たいつゆと納豆との相性が抜群。山芋、きゅうり、大葉、ミョウガとツルツル平打ち麺の組み合わせも最高!

7月7日(日)

今日は午後職場に日曜出勤。
その前に、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺を食べておきたくて、いつもより早い時間(それでも12時ジャスト)に伺いました。

到着時に既に駐車場には車が15台!
盛岡ナンバーや岩手ナンバーに混じって、宮城や八戸ナンバーも見受けられます。
それ以外にバイクも。

当然店内は大混雑。
厨房には村山店主とベテラン女性スタッフがお二人。
調理を一手に引き受ける村山店主は大車輪の活躍。

さて限定麺はと、券売機の左側を見ると、限定麺が2種類、限定飯が2種類も。

限定麺は今日の目的だった「冷やし納豆和えそば」のほかに、「節白湯つけそば」。
「節白湯つけそば」の説明書きが詳しくなっていて、読むと、こちらの方にも食指が動きます。

実際、注文は「節白湯つけそば」の方がやや多め。
でも、私は当初の予定どおり「冷やし納豆和えそば」を注文。

それ以上に驚いたのが2種類の「限定飯」。

トウモロコシの炊き込みご飯である「もろこしご飯」(200円)、そして「平目黄身正油飯」(300円)。

後者は、平目刺身、黄身醤油、薬味、わさびをのせた白飯で、「冷やし納豆和えそば」と合いそう。

注文するかどうか迷いましたが、「和えそば」がかなりのボリュームらしいし、時間の余裕のないので、断念。
しかし、今になって注文すべきだったと後悔しています。

〇限定麺「冷やし納豆和えそば」(800円)

紺の模様の大皿に麺が盛られ、その上に麺が隠れるほどの具がのっています。
そば猪口に入った「そばつゆ」も提供されます。

麺を覆い隠すほどの具は、たっぷりの納豆、皮付きの鶏肉、大葉、みょうが、小口切りの青ネギ、山芋の角切り、きゅうりの角切り、さらにこれもたっぷり振りかけられた削り節。

そば猪口には、鰹節、鯖節、ウルメ節などの節と煮干しダシに醤油をブレンドしたそばつゆ。

そばつゆは、煮干しのほろ苦さと節の旨み、そしてキレのある醤油味がブレンドされ、かなりの濃厚さ。

そのまま麺をそばつゆにつけて、ざるそば風に食べることもできますが、やはり「和えそば」ですから、麺につゆをぶっかけて食べるのが常道と解釈。
つゆを全部そばにドボン。

麺は岩手県産のゆきちから、銀河のちから、ねばりごし、南部小麦をブレンドして打った加水率38%の平打ちの自家製麺。
麺幅は約4ミリほど。

麺は群を抜くツルツル感。
啜り具合も抜群で、喉越しの良さも特筆もの。
麺を噛むと、小麦の甘みを感じるだけでなく、香りも十分感じられます。
麺量は200g。

具の中で何といっても目立つのが、たっぷりと振りかけられた納豆。
納豆好きの私は抵抗ありませんが、たしかに見るからに納豆臭さが漂ってきそうなビジュアル。

しかし、節や煮干しの効いた濃厚なそばつゆをぶっかけた効果なのか?そばつゆが納豆の臭いをうまく緩和し、むしろ納豆のコクや旨みを前面に出す方向に作用。

しかも、そばつゆをぶっかけただけでは足りない冷やし和えそばの味付けを、臭いがかなり打ち消され、旨み部分がクローズアップされた納豆が実にうまく担っています。
納豆の食感も旨みに加えても良いほど、納豆がスムーズに冷たい麺料理に適合。

納豆独特の臭いが苦手な方に無理におススメしませんが、見た目ほどの納豆臭さを感じないどころか、納豆と麺や具、そばつゆとの相性がこれほど良く、むしろさっぱりとした風味を醸し出すことに驚かされるのは間違いなし。

もちろん、それ以外の具も冷たくてさっぱりとした和えそばに不可欠。
大葉やミョウガな定番の具はもちろんのこと、少しトロみのある山芋の角切り、シャキシャキ食感のきゅうりの角切り、たっぷりトッピングされたネギ、さらに削り節なども、冷やし和えそばの清涼感アップに貢献。

その中で異色なのが、皮付きの鶏モモ肉。
醤油を主体としたタレに漬けて、十分煮込んであり、濃厚な旨み。
それが、トータルとしてはさっぱり感の強い冷やし和えそばの中で、ちょうど良いアクセントとなっています。

麺や具を食べ終え、皿の中央に残ったそばつゆを飲み干して完了。

それにしても、これだけ一気に限定麺と限定飯が登場するのは嬉しい誤算。
いずれも、いつ提供が終わるか分かりませんので、「気になったら」迷わず食べることが必須です。

次回来ることができるのは、火曜が「南部屋路ばた」の定休日なので、水曜か?
水曜まで限定麺「節白湯つけそば」が残っているかどうか?
それが今気になってなりません。
もちろん限定飯「平目黄身正油飯」「もろこしご飯」が、いつまで提供されるかも気になります。

本当に「限定」色々ですね!

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし納豆和えそば」(2019年7月7日)

    限定麺「冷やし納豆和えそば」(2019年7月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし納豆和えそば」(2019年7月7日)

    限定麺「冷やし納豆和えそば」(2019年7月7日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2019年7月7日)

    麺と具(2019年7月7日)

  • 南部屋路ばた - そばつゆを麺にぶっかけ(2019年7月7日)

    そばつゆを麺にぶっかけ(2019年7月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし納豆和えそば」のPOP(2019年7月7日)

    限定麺「冷やし納豆和えそば」のPOP(2019年7月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「節白湯つけそば」のPOP(2019年7月7日)

    限定麺「節白湯つけそば」のPOP(2019年7月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「もろこしご飯」のPOP(2019年7月7日)

    限定麺「もろこしご飯」のPOP(2019年7月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「平目黄身正油飯」のPOP(2019年7月7日)

    限定飯「平目黄身正油飯」のPOP(2019年7月7日)

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2019/07訪問102回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

「冷やし煮干しそば」「鶏そば(塩)」。程良いビター感の煮干しスープと抑え気味の醤油ダレのバランスが素晴らしい「冷やし煮干し」。角のない塩ダレが鶏の旨みをそのまま伝える「鶏そば(塩)」!

7月3日(水)

6月30日(日)から「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の「煮干しそば」「鶏そば」(いずれも醤油ダレ)のバリエーションが「インスタ限定」としてスタート。

まず「煮干しそば」の冷やし(醤油のみ)。
「鶏そば」の冷やし(醤油)は、今年はやらないとのこと。

次に「鶏そば」のみ「塩」を提供。

村山店主の言葉によると、今回の(鶏そば塩)の塩ダレは、「個人的にいい感じ」というので大いに期待。

6月30日で提供の終了した「岩手拉麦会」コラボ企画「県産ゆきちからの小麦もりそば」に代わる目玉メニュー。

今日(7月3日)訪れて、両者(煮干しの冷しと鶏そば塩)を連食してきました。

〇限定「冷やし煮干しそば」(醤油)(750円)

今日の盛岡は最高気温30℃。
蒸し暑さがMAXに達し、体が冷やしラーメンを要求。
そこで今季初登場の「冷やし煮干しそば」(醤油)を食べに、「南部屋路ばた」に直行。
といっても、いつものように大幅な出遅れで、店到着は13時30分。
この暑さでは、冷やしは既に売り切れの可能性。
その場合は、アツアツのラーメンですが、「鶏そば(塩)」を注文すると決めて店に入りました。

すると、両方ともありました!
限定麺は、「小麦もりそば」と次の限定麺との間のつなぎ的な「鶏白湯つけそば」。
これは、もう「冷やし煮干しそば」を頼むしかありませんね。

「煮干しそば」の食券を購入。
女性スタッフに「冷やしで」とお願いします。

そのあと村山店主が厨房から出てきて、予期せざる言葉。
「麺が2種類あるんですけど、どちらにしますか」

「小麦もりそば」の2種盛りの延長線上で、レギュラーの「鶏そば」「煮干しそば」でも2種の麺から選択可能に。

それが村山店主の言葉を借りると「固い麺」と「柔らかい麺」。
いずれも切り刃20番、加水率は36%。
「固い麺」は、ゆきちから主体で、これに銀河の力をブレンド。
ゆきちからの「ふすま」入りの麺。
「柔らかい麺」は、ねばりごし主体で、これに南部小麦、ゆきちから、もち姫をブレンドした「ふすま」なしの麺。

やはり煮干しは「固い麺」でしょう。
ということで、前者を選択。

すると、すぐに「冷やし煮干しそば」が着丼。
相変わらず提供スピードの速さには驚かされます。

澄んだ琥珀色のスープは、「鶏そば」に比べると色はやや薄め。
熱いスープだと煮干しの良い香りが立ち上ってくるのですが、冷やしの場合、そこまでは行きません。
冷たい煮干し醤油スープを見ると、麺がスープ越しに微かにみえます。
麺の上に盛られた具は、中央の千切りのきゅうりとオニオンスライスのミックスを挟んで、右側に黄身がトロトロの味玉半分。
その下に枕木メンマ3本が隠れています。
左側には2つ折りの薄くスライスした少々赤みがある豚ロース肉低温調理チャーシュー2枚。

まずスープからいただくと、本当に程良いビター感のある煮干しの旨み。
煮干し感がはっきりと感じられ、これがやや抑え気味の醤油ダレの香りや旨みと一体化して、適度な煮干し感のある冷たい醤油ラーメンが実現。

通常のアツアツの「煮干しそば」に比べると、煮干しのビター感は抑えめですが、淡麗の冷し煮干しとしては十分な煮干し感。
飲んでいると、火照った体がクールダウンするようなさっぱりとして清涼感のある冷やし醤油スープ。
それでいて、煮干しのビターな旨みがプラスされるのですから、レンゲが止まらない美味しいスープ。

背黒、白口、平子、ウルメなどの煮干しを頭やハラワタなども一緒に粉砕して、昆布を足して炊いた煮干しスープ。
これに、生揚げ醤油、生醤油、再仕込み醤油、たまり醤油などをブレンドした醤油ダレを合わせています。
最後に煮干しオイルを添加。

絶妙な温度管理で、頭やハラワタなど雑味が出る部分を一緒に炊き込みながらも、エグ味を出さず、ビター感メインにすっきりとまとめ、しょっぱさも全く感じない飲みやすい無化調のスープ。

夏にぴったりの冷し煮干しスープです。

麺は硬質感のある食感で、冷水で締めているだけにコシがあり、歯切れの良さが特徴。
小麦の香りも十分で、冷やしラーメンの麺としては理想的。
麺量は160g。

二つ折りの薄くスライスした豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
少し赤みがあるので、白っぽいロース肉とやや色合いが違います。
もしや肩ロースかと思いましたが、それにしてはサシが少なくあっさりとした味。

聞くと、ロース肉のなかでも肩に近い部位の、いわゆるリブロースにあたる部位。
一昨日遠征した青森市の「青森中華そば オールウェイズ」の「醤油中華そば」にのっていた豚ロース肉低温調理チャーシューと同じ部位ですね。

柔らかくさっぱりとした味で、冷やしにぴったりですが、噛むと肉の旨みじわーっと広がる素晴らしい出来のチャーシュー。
それが2枚も入っているのですから、文句なし。

黄身が溢れてスープに溢れそうなトロトロの味玉ハーフ。
黄身の濃厚な旨みは、他店の追随を許さないものがあります。

その下に隠れていた枕木メンマはやや太目。
シャキシャキというよりも、しっとりとして柔らかく煮込んでいます。
砂糖を少々加えて甘く煮込んだメンマ3本が、ビター感のある煮干し醤油スープとうまくバランスして、冷やし煮干しそばの完成度を高めています。

中央に盛られた千切りきゅうりとオニオンスライスが、食感と風味の両方で涼味を加えているのも見逃せません。

淡麗冷やし煮干しラーメン(醤油)として、洗練されて完成度も抜群な一杯をスープの最後の一滴まで飲み干し、店を出ようとしましたが、ここであの自分にきびしい村山店主が「いい感じ」という「鶏そば(塩)」を食べないわけには行かないでしょう。

ということで、いったん店を出たあと踵を返して、再入店。
女性スタッフに驚かれながら、夕食抜き確実の連食。

食券を渡すときに、「鶏塩で」と伝えます。

ここで小さな失敗。
麺が2種類あることを一瞬忘れ、指定せずにトイレに行って戻ってくると、既に村山店主が「固い麺」を茹で始めていました。
村山店主「麺を変えましょうか?」
私「いいえ結構です。固い麺で行きます」

実は内心2種の麺のうち、今度は「柔らかい」中力粉主体の麺を試そうと思ったのですが、それでも「固い麺」をアツアツのラーメンと水で締めた冷やしの両方で試し、その食感を比べるのも面白いと自分を納得させます。

今回も速攻で到着した「鶏そば(塩)」。

〇限定「鶏そば(塩)」(750円)

写真ではどうしても茶色く映ってしまっていますが、実際には透明感のある黄金色の実に綺麗なスープ。
写真から分かるように、具を表面の3分の1に固めて盛り付け、残りの3分の2は美しい麺線をそのまま見せるようにしています。
インスタ映えするビジュアルにまず圧倒されます。

具は、まず豚ロース肉(リブロース)の低温調理チャーシューを折り畳んだもの。
その下に、豚バラ肉の煮豚が隠れています。
メンマは、今度は穂先メンマ1本。
やはりトロトロの味玉半分と白髪ネギと青ネギの細切りを合わせて盛り付け。

鶏油の浮くスープを飲むと、塩角のない実にまろやかな塩味。
そして鶏ダシの旨みがナチュラルな形で舌に伝わります。

一瞬自分が塩ラーメンを食べていることを忘れるほどのまろやかさと塩角のなさ。
それに鶏ダシの旨み。
鶏の旨みといっても、醤油ダレと合わせて鶏の旨みを増幅させたあの感じとは全く違い、本当にさっぱりとした鶏ダシ本来の旨み。
塩は鶏本来の美味しさをそのまま伝え、食べやすくするために使われているようなもの。
ここに鶏と醤油が互いに相乗して、鶏の旨みを増幅させながらも、確実に鶏が醤油の旨みやキレ、コクなどを引き出している「鶏そば(醤油)」との違いがあります。

むしろ「塩」の方が鶏そのものの旨みを決して派手ではない形で、むしろ自然に伝えているといえます。

鶏ダシは、親鳥の丸鶏を使用。
塩ダレは4種類の塩をブレンド。
これに昆布と貝ダシを足しています。
たしかに、うっすらと隠し味としてスープに貝の風味を感じます。

それにしても、このまろやかで塩角のないナチュラルな塩ダレはどうでしょうか?
村山店主によると、無化調の塩ラーメンはどうしても塩角が立ってしまう。
これを化調でマイルドにすることは簡単ですが、無化調のまま塩角のない塩ダレをつくるのには相当な時間がかかったと推測。
つまり、今回「鶏そば(塩)」が裏メニューから「インスタ限定」に昇格したのは、無化調で塩角のない塩ダレが完成したという村山店主の自信の表れでしょう。
結果として、それが鶏本来のダシを味わうスープに結実。

麺は、先の「冷やし煮干しそば」と同じゆきちからに銀河のちからをブレンドして、ゆきちからのふすまを練り込んだ切り刃22番、加水率36%の中細角ストレート麺。
しかし、同じ「固い麺」でも、冷やしとアツアツのラーメンでは、麺の食感は全く違うことに驚き。

たしかに、最初こそ固めの食感ですが、噛むと絶妙なモチモチ感。
ふすまが効いて、小麦の香りに満ち溢れています。
村山店主によると、銀河のちからは入荷する粉の品質にブレが大きく、それが麺のモチモチ感に影響するとのこと。
なかなか奥が深いですね。
麺量は160g。

固めで歯切れの良い冷やしの麺と、やや固めですが、噛むとモチモチ感のある麺。
同じ麺でも、水で締めるのとのそうでないのとでは、こうも違うということを改めて発見したのが、「柔らかい麺」を頼まなかった怪我の功名。

具の説明は「冷やし煮干し」やこれまでのレビューとダブりますので、大幅に省略。
冷やしと違う豚バラ肉の煮豚は、口の中でトロけるような柔らかさ。
穂先メンマは、冷やしの枕木メンマに比べると、やや薄めの味付け。

このように、メンマの味付けにもこだわる村山店主の細かいところまで見逃さない完全主義が見事に反映された今日の煮干しの冷しと鶏塩。

さすがに麺量320gとスープを全部クリアしたので、夜21時を過ぎた今でも、まったくお腹がすきません。

唯一残念だったのは、毎年楽しみにしていた「冷やし鶏そば(醤油)」が今年はなくなったこと。
コラーゲンたっぷりのプルプルした冷し鶏スープが麺に絡む食感が良かったんだけど・・・

ともあれ、今後は限定麺でも冷やしが登場する予定ですので、ますます楽しみな「南部屋路ばた」です。

  • 南部屋路ばた - 「冷やし煮干しそば」(2019年7月3日)

    「冷やし煮干しそば」(2019年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やし煮干しそば」(2019年7月3日)

    「冷やし煮干しそば」(2019年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」(2019年7月3日)

    「鶏そば(塩)」(2019年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」(2019年7月3日)

    「鶏そば(塩)」(2019年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 券売機の左下が「鶏そば」「煮干しそば」のボタン。その右が「限定麺」のボタン(2019年7月3日)

    券売機の左下が「鶏そば」「煮干しそば」のボタン。その右が「限定麺」のボタン(2019年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 今日の限定麺は「鶏白湯つけそば」(2019年7月3日)

    今日の限定麺は「鶏白湯つけそば」(2019年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」「煮干しそば」には、ワンタントッピングあり(2019年7月3日)

    「鶏そば」「煮干しそば」には、ワンタントッピングあり(2019年7月3日)

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2019/06訪問101回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

通常利用外口コミ

この口コミは試食会・プレオープン・レセプション利用など、通常とは異なるサービス利用による口コミです。

限定麺「煮干白湯つけそば(麺「鶏楽つけそば」バージョン)」。苦みとエグ味が強い煮干し感MAXのつけ汁とモチモチとした中細麺との相性が絶妙。3種の豚チャーシューの味わいの違いを感じる楽しさも見逃せない!

6月26日(水)

現在、岩手拉麦会の第3回「コラボ企画」で「ゆきちから 小麦もりそば」を限定麺として提供中(6月30日まで)の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。

「ゆきちから 小麦もりそば」と並行して、もう1種類限定麺を提供する日もあります。
先週の週末から今週の月曜にかけて提供されたもう1種類の限定麺が「煮干白湯つけそば」。
村山店主が説明書きで「セメント系のつけそば。若干の苦み・エグ味が大丈夫な方のみどーぞ」と述べているのが気になり、今日(6月26日)も提供しているかどうか本人に確認。

ちなみに、今日提供されている限定麺は「ゆきちから 小麦もりそば」と「鶏楽つけそば」の2種類。
後者の「鶏楽つけそば」は、たまに提供される東京都中野の名店「栄楽」をリスペクトしたしょっぱく、酸味の効いた、ちょい辛のつけそば。
「東池袋大勝軒」以前の「丸長系」のつけそばを再現したクラシカルな味。
「鶏楽」の二文字は、「鶏ダシ」ベースということと、「栄楽」の「楽」からとったもの。
名店「栄楽」は2012年12月に閉店しています。

さて肝心の「煮干白湯つけそば」は月曜で終了したと聞いてガックリ。
しかし、村山店主は続けて「1杯分程度のスープは残っています」
そこで、「煮干白湯つけそば」のつけ汁と「鶏楽つけそば」の麺を組み合わせて提供していただくことになりました。
そのため、紹介するにあたっては、「通常利用外口コミ」とします。

〇限定麺「煮干白湯つけそば(麺「鶏楽つけそば」バージョン)(800円)

まもなく運ばれてきた麺とつけ汁をみてビックリ。
つけ汁は茶濁したトロみのあるスープですが、表面には幕ができており、さらに無数の泡が立っています。
見ただけでも、濃厚さが伝わってくるつけ汁。

麺は、現在提供中の「ゆきちから 小麦もりそば」の二種盛り中の「ゆきちから」20%・ふすまなしの麺の厚みをさらに増したもの。
切り刃20番、加水率35~36%。
ゆきちから20%、ねばりごし40%、南部小麦30%、もち姫10%の割合で打った自家製麺の角ストレート麺。
麺量は250g。

麺の上にのっている具は、なかなか豪華。
白っぽい「豚ロース肉」低温調理チャーシュの下には、赤身の色が濃い「豚肩ロース肉」低温調理チャーシュー。
サシも十分混ざっていて、「赤身とサシとのバランス」という豚肩ロース低温調理チャーシューの真髄を見事に体現。
最後が脂身の多い「豚バラ肉」の煮豚。

さらに巨大な極太穂先メンマが1本。
味玉半分が、いずれも麺にのせてああります。

まずは何もつけず麺を食べてみます。
「ゆきちから 小麦もりそば」を紹介したとき、ツルツルとした啜り心地とモチモチとした食感という趣旨の感想を書きました。
全く同じ小麦のブレンドで、同じ切り刃と同じ加水率であるとはいえ、厚みの増した麺は、ふんわりとした茹で上がりで、最初はソフトな食感。
麺を噛むとコシはそれほど感じませんが、モチモチ感が半端じゃありません。
このモチモチ食感は、「鶏楽つけそば」の「鶏ダシ」で醤油感の強い酸味とピリ辛感のあるさっぱりとしたつけ汁とも良く合いそうですが、濃厚な「煮干白湯」のつけ汁との相性もなかなか。
もともと「煮干白湯つけそば」の麺は平打ち麺でしたが、今日食べた「ゆきちから」20%の麺ともよく合います。

つけ汁は、鶏白湯スープに白口のみを炊き込み、苦みとエグ味を意識的に強めにしながら、醤油ダレを合わせています。
背黒を使わずに、これだけの苦みとエグ味を出しているのには、驚かされました。

通常、動物系と合わせた「煮干しつけそば」のつけ汁は、煮干しそばよりも煮干し感薄めで、その代わりに甘味をつける傾向にあります。
苦みやエグ味がなくライトな煮干し感と甘味が特徴の通常の「煮干つけそば」のつけ汁と真逆で、甘味を排し、苦みとエグ味を含むストロングなビター感をMAXにまで振り切ったドロドロのつけ汁。
ビター感を旨みに昇華させ、甘ったるくないむしろ爽やかささえ感じるつけ汁が、モチモチ感一杯の麺に良く絡みます。

村山店主は「煮干白湯」のつけ汁をさして、「大して美味しくないですよ」と謙遜しますが、私に言わせれば「こんな煮干し感ストロングなつけ汁」は初めて。
ハードなニボラーなら、感激もののつけ汁。
無化調なので、苦みやエグ味がそのまま伝わってくるのも嬉しいところ。

麺の上にのる3種の豚チャーシュー。
二つに折り畳んだ薄いピンクの「豚ロース肉」低温調理チャーシューは、ロースハムのような淡白な味付けとさっぱりとした旨み。

対照的に、サシの割合が増え、赤身が「さび色」の豚肩ロース肉低温調理チャーシュー。
こちらは、ロース肉チャーシューよりももっと濃厚な風味。
サクサクとした食感で、赤身の旨みとサシの甘味、そしてタレの香ばしさが相乗して口の中で弾けます。

最後が豚バラ肉の煮豚。
一番脂身の割合が多く、脂身を含んだ煮豚が口の中でトロけるときの甘味と旨みが何ともいえない美味しさ。

巨大な極太穂先メンマはシャキシャキとした食感。
発酵臭をあえて残し、パンチがありながらも、最後に心地よい甘味を感じながら食べ終えるように工夫された味付けには脱帽もの。

黄身が溢れてくるようなトロトロの味玉ハーフは、黄身の濃厚な風味が印象的。

煮干白湯のつけ汁は、食べ進むうちにどんどんトロみが増す感じで、麺との絡みが良すぎます。
小麦の甘味を感じるモチモチの麺とストロングな煮干し感一杯のつけ汁が口の中で一体になるときの快感こそ、ビターな煮干しつけそばならではのもの。
そのときに、過剰な甘みは不要であると今回改めて感じさせられました。

ただし、絡みが良すぎて、麺を食べ終える頃には、残りのつけ汁はわずか。
そのつけ汁を鶏ダシのスープで割ってもらいます。

アツアツになったさらっとしたスープ割は、煮干し感と鶏の旨みがうまく均衡。
さっぱりとしたスープを飲み干し、満足感一杯で終了。

最近の苦み、エグ味をなくし、煮干し感はライトでクリーミーな甘めなつけ汁という「煮干しつけそば」の常識にチャレンジ。
ストロングなビター感を驚くほどの旨みに凝縮させた無化調煮干白湯つけ汁は稀有。

今後たまにで結構ですので、限定麺として提供を切望します。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「煮干白湯つけそば」(2019年6月26日)

    限定麺「煮干白湯つけそば」(2019年6月26日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「煮干白湯つけそば」(2019年6月26日)

    限定麺「煮干白湯つけそば」(2019年6月26日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2019年6月26日)

    麺と具(2019年6月26日)

  • 南部屋路ばた - 濃厚な「煮干白湯」のつけ汁(2019年6月26日)

    濃厚な「煮干白湯」のつけ汁(2019年6月26日)

  • 南部屋路ばた - 残ったつけ汁に鶏ダシでスープ割(2019年6月26日)

    残ったつけ汁に鶏ダシでスープ割(2019年6月26日)

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2019/06訪問100回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそば」。超強力粉を使った歯応えのある平打ち麺とコクのある牛脂入りの醤油ダレがベストマッチ。具も姫竹、牛そぼろ、トマト、クレソン、新玉ねぎなど豪華!

6月9日(日)

前回、岩手拉麦会のコラボ企画の「ゆきちから 小麦もりそば」を食べたあと、村山店主と立ち話。

そのとき、姫竹が手に入ったので、週末に姫竹を使った限定麺を提供する予定と聞いていました。

土曜朝に村山店主のInstagramをみると、「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそば」を土日それぞれ30食ずつ提供するとの告知。

昨日(土曜)は13時前に早々と売り切れたとの情報を得て、今日(日曜)は気合いを入れて、何と開店15分後の11時15分に「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に到着。
ところが、もう駐車場は一杯。

「コラボ企画」の「小麦もりそば」を求める人、限定30食のまぜそばを求める人、さらに家族連れなどで、店内は11時15分というのに、ごった返しています。

慌てて券売機横の限定麺のPOPをみると、「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそは」には、幸い売り切れのシールは貼られていません。
やはり早く来てよかった。
12時30分頃だと危なかったかも。

早速、女性スタッフに限定麺の食券を渡し、「姫竹のまぜそば」を指定します。

○限定麺「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそば」(800円)

それほど待つこともなく、まぜそばが到着。
黒くて深い丼の底に和牛脂と醤油をブレンドしたタレ。
その上に麺が盛り付けられていますが、具がたっぷりなので、麺が見えません。

薬味の「黒七味」が小皿にのって、別皿提供されます。

表面の具のうち、約半分を占めるのが、牛そぼろ。
それ以外は、刻み新玉ねぎ、角切りのトマト、クレソンの千切り。
牛そぼろの茶、玉ねぎの白、トマトの赤、クレソンの緑の配色が実に美しい。
それらの上には姫竹が2本と糸唐辛子がトッピング。

「南部屋路ばた」の限定麺は美味しいだけでなく、ビジュアルの美しさも魅力。

具をかき分け、麺にたどり着くと、何と幅広の平打ち麺。
麺幅は約5ミリ。

超強力粉「銀河のちから」100%の平打ち麺は、色は薄め。
ふすまは入っていないのでしょう。
それよりも、平打ち麺といえば、モチモチ食感というのが通例。

ところが、超強力粉「銀河のちから」100%の自家製麺は、固めの歯応えのある麺。
モチモチ感よりも硬質感を強調した麺。
加水率は36%。
麺量210g。

最初は固めの平打ち麺に若干戸惑いますが、食べているうちに、歯応えのある平打ち麺が、牛脂入りのコクのある醤油ダレにベストマッチなのがよく分かります。

タレは牛脂が入ってコクがあるものの、脂っぽさは微塵もなし。
麺と具、タレをよく混ぜると、牛脂と甘じょっぱい牛そぼろが相乗して、牛の旨味がじわじわと効いてきます。

新玉ねぎの新鮮なシャキシャキ感、トマトの酸味、クレソンの爽やかな辛味。
そららが麺や牛そぼろ、タレとうまく混ざり、見た目が美しく、食べると抜群に美味しいませそば。

そして何といっても目玉は、2本トッピングされた茹でた姫竹(ネマガリダケ)。
姫竹はコリコリとした食感。
食べるとジューシーで淡白ながら、ほのかな甘味を感じます。

まぜそばを半分程度食べたあと、姫竹を一本食べ、残ったまぜそばを食べ終えたあと、残りのもう一本の姫竹を食べます。

別皿の「黒七味」。

赤唐辛子、山椒粉、白ごま、黒ごま、けしの実、麻の実、青のりなどを焙煎した黒い粉は、焙煎による香ばしさが辛さに加わり、これに山椒の痺れがのる独特な風味。

まぜそばを半分ほど食べたら、黒七味を全部振りかけます。
たしかに辛さや痺れが加わりますが、七味ほど辛くなく、むしろ焙煎による香ばしさがメイン。

牛脂の効いたオイリーなまぜそばの味をぐっと引き締める効果があります。

最後にもう一本の姫竹を食べると、口の中がさっぱり。

入手した姫竹をから、これほど独創的なまぜそばをつくってしまうとは!
改めて村山店主の並外れたセンスに驚かされた一杯でした。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそば」(2019年6月9日)

    限定麺「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそば」(2019年6月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそば」(2019年6月9日)

    限定麺「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそば」(2019年6月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそば」説明書き(2019年6月9日)

    限定麺「姫竹と新玉ねぎの和牛脂まぜそば」説明書き(2019年6月9日)

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2019/06訪問99回目

4.6

  • 料理・味4.6
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「ゆきちから 小麦もりそば」。第3回岩手拉麦会コラボ企画。「路ばた」はゆきちから60%と20%の「あいもり」。60%は小麦の香り、20%は小麦の甘味を楽しめるユニークな趣向!

6月6日(木)

岩手拉麦会コラボ企画は、岩手県産小麦「ゆきちから」を使った「小麦もりそば」。

「中華もりそば(ざるそば)」という大衆的なメニューが、岩手を代表する無化調・自家製麺の4店の店主それぞれの創意工夫により、一流の麺料理に見事に変身。
しかも、各店の違いを楽しむことができるという贅沢な企画です。

「らぁめん サンド」(盛岡市西青山)、「二丁目食堂」(花巻市桜台)に続くコラボ企画3店目は「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。

「路ばた」の「小麦もりそば」については、既に盛岡のマイフォロ様が速攻で好レビューを上げておられますので、重複する部分が多い点はご容赦を。

昨日は30℃の蒸し暑さと夕方から雷雨になるという不安定な天気でしたが、今日は一転。
最高気温は24℃。
青空がまぶしく、吹く風も爽やか。
明日から天気が崩れるのが信じられないような、まさにラーメン日和。

〇限定麺「ゆきちから 小麦もりそば」(800円)

12時50分に店に着くと、厨房前のカウンター席は一杯。
テーブル席と座敷には空席あり。
女性スタッフにテーブル席を推奨されますが、ここはカウンター席に座るため、店内待ち。

その間に、限定麺の説明書きを読み予習。

約10分ほどでカウンター席左端2席のお客さんが退席。
女性スタッフに「限定麺」の食券を渡しながら、「コラボで!」とお願いします。

コラボ企画実施の30日間、「南部屋路ばた」ではもちろん「小麦もりそば」が提供されますが、ときには並行して別の限定麺が提供されることもあります。
そのときには食券は同じですから、注文時にどちらにするのか指定した方が良いでしょう。

座ると、すぐにスタッフが「小麦もりそば説明書」をもってきてくれます。
まもなく「小麦もりそば」が到着。

普段はつけそばが盛られる大皿には、もりそば・ざるそば用の「すだれ」が敷かれ、2種類の麺があいもり。

いずれも「ゆきちから」を使っていますが、その割合とブレンドされる小麦が違っています。

左側の麺はゆきちから60%、銀河のちから40%で、ゆきちからのふすまを練り込んでいます。
麺肌には「ふすま」の粒がはっきりと確認できます。

右側のやや平打ち気味の麺は、ゆきちからの配合を20%に下げ、ねばりごし40%、南部小麦30%、もち姫10%のブレンド。
ふすまは入っていません。

それぞれ麺量は110gで、合計220gと食べ応えがあります。
いずれも切り刃20番、加水率35~36%です。

小皿には具や薬味。
具は、二つ折りの豚ロース肉の低温調理チャーシューと「梅ワンタン」1個。
薬味は、「生あおさのり」、「鶏油おろし生姜」、「みょうがのナムル」。
具や薬味の上には、飾りとしてモミジの青葉が1枚添えられています。

別の小鉢には、珍しい「ゆきちからの天かす」。
そして、そば猪口に入ったそばつゆ。

以上の4点セットが盆にのって配膳されるという豪華版。

やはり最初はつゆにつけずに麺を食べ比べてみます。

左側のゆきちから60%+銀河のちから40%+ゆきちからのふすま入りの麺。

ポクポクとした素朴でやや硬質感のある食感。
冷水で締めているので、麺のコシが増しています。
噛むとゆきちからのふすまが口の中で炸裂。
小麦の香りが溢れます。
つゆにつけないままでも、十分な香りと美味しさ。
こちらは、「小麦の香り」を楽しむ麺。

右側のゆきちから20%+ねばりごし40%+南部小麦30%+もち姫10%のふすまなしの麺。
やや平打ち気味の麺は、左側の麺以上のみずみずしさ。
両方とも麺がくっついていないので、食べやすいのがありがたい。

ツルツルとした啜り具合が抜群。
噛むと、少し粘り気があってモチモチとした食感。
同時に小麦の自然な甘みが感じられます。
こちらは、「小麦の甘み」を楽しむ麺。

そばつゆは、節、昆布、シイタケなどの和風ダシと薄口の生醤油メインのカエシを合わせています。
ここで、あえてカエシを薄口醤油メインにするところがミソ。

通常、そばつゆでは濃口醤油やたまり醤油などをメインにしますが、村山店主は薄口醤油をメインに使用。
飲んでみると、醤油の香り、風味と和風だしの旨みがバランスした甘味を抑え、さっぱりとしたそばつゆ。

ただし、濃口醤油メインのそばつゆに比べると、ほんのわずかですが濃度控えめ。
それは、そばつゆが濃すぎると、2種類の配合の違う麺の風味の違いが十分に感じ取れないという村山店主の考えによるものでしょう(あくまでも私の主観的な推測)。

「説明書」でも、そばつゆに麺を「少し」つけて食べることを推奨。

2種の麺の加水率を揃え、ゆきちから配合の違い、そしてブレンドする小麦の違いによる麺の食感や風味の違いを感じてもらうことこそ、「路ばた」の「小麦もりそば(あいもり)」の狙いなのです。

それでも、そばつゆと麺の相性は抜群。
まさに「日本蕎麦」のもりそばをつゆにつけて啜るように、どんどん食べ進むことができます。

途中、薬味の「生あおさのり」、「鶏油おろし生姜」、「みょうがのナムル」、「ゆきちからの天かす」を、それぞれ麺の上にのせ、そばつゆに少しつけ、さっと啜ります。

「生あおさのり」の磯の香り、「鶏油おろし生姜」のオイリーでピリッと辛いユニークな風味、ゴマ油の良く効いた「みょうがのナムル」、さらにカリッとした食感が心地よい「ゆきちからの天かす」など、それぞれの薬味の風味や食感が麺に加わり、味変を堪能することができます。

具の豚ロース肉の低温調理チャーシューは、いつものとおり、柔らかく、ロースハムのような淡白な味。
さっぱりとした「小麦もりそば」の風味を損なわず、しかもチャーシューの存在が「中華もりそば」であることをしっかりと主張。

驚きなのが「梅ワンタン」。
梅干しの酸味と鶏挽き肉のコクがミックスした餡。
それを包む皮はツルツル。
たった1個というのが惜しいほどの出来。
具の細かいところまで手を抜かず、仕掛けをしてくる村山店主のセンスが光ります。

麺と具、薬味を食べ終わり、残った天かすをそばつゆに投入。
カリっとした天かすがつゆを含んでしっとりとした食感に変わる様子を楽しみながら、そばつゆを少し飲んだあと、最後の楽しみである「そば湯」ならぬ「ゆきちからの麦湯」割りをお願いします。

すると、冷たいつゆがアツアツに変化。
麦の香りと醤油の旨みがうまくミックス。
しっとりとした天かすの食感や風味も加わり、余韻に浸りながら「麦湯」割りを堪能。

麦湯割りを飲んでいると、後ろから2人の男性に声をかけられました。
振り返ると、私がリスペクトしている宮城のマイフォロ様と相棒の方ではありませんか!

最近寝不足で頭がボーっとしているため、最初は気づかず、おかしなことを口走ったのを反省。
途中から気がつきました(笑)

昨日上げた「二丁目食堂」のレビューから、今日この時間帯私が「路ばた」に来るのではないかと予想していたという。
完全に行動を読まれていますね(笑)

お二人も「路ばた」の「小麦もりそば」に感動している様子。
天気にも恵まれ、遠路遠征してきた甲斐があったというもの。
このあとは、今週中に終了する「らーめん人力俥」(盛岡市月が丘)の「ざるそば」を食べに行くとのこと。
そして時間とお腹が許せば、「サンド」の「小麦もりそば」にもチャレンジしたいと語っていました。

でも、岩手拉麦会のコラボ企画は6月30日まで行われますので、まだまだ時間は十分あります。
是非4店の「小麦もりそば」をコンプリートして、正確無比で緻密な分析のレビューをアップしていただきたいと思います。

途中まで車で送ってくれるというお二人のご厚意を丁寧に辞退。
お二人が店を辞したあとも、しばらく「小麦もりそばのあいもり」という村山店主のセンスがいかんなく発揮された「作品」の余韻に浸っていました。

店も落ち着いてきたので、村山店主に感想を述べ、お礼を言って店を出ました。

4日間で3店(空振りに終わった「太极」も含めれば4店)を踏破するという強行軍。
さすがに疲れましたが、充実したラーメン生活を謳歌できた4日間でした。

ラストとなる来週月曜訪問予定の「太极」の「小麦もりそば」も楽しみです。

  • 南部屋路ばた - コラボ企画限定麺「ゆきちから 小麦もりそば」(2019年6月6日)

    コラボ企画限定麺「ゆきちから 小麦もりそば」(2019年6月6日)

  • 南部屋路ばた - コラボ企画限定麺「ゆきちから 小麦もりそば」(2019年6月6日)

    コラボ企画限定麺「ゆきちから 小麦もりそば」(2019年6月6日)

  • 南部屋路ばた - 2種の麺の「あいもり」(2019年6月6日)

    2種の麺の「あいもり」(2019年6月6日)

  • 南部屋路ばた - そばつゆ(2019年6月6日)

    そばつゆ(2019年6月6日)

  • 南部屋路ばた - 具と薬味(2019年6月6日)

    具と薬味(2019年6月6日)

  • 南部屋路ばた - ゆきちからの天かす(2019年6月6日)

    ゆきちからの天かす(2019年6月6日)

  • 南部屋路ばた - コラボ企画限定麺の説明書き(2019年6月6日)

    コラボ企画限定麺の説明書き(2019年6月6日)

  • 南部屋路ばた - 「小麦もりそば説明書」(2019年6月6日)

    「小麦もりそば説明書」(2019年6月6日)

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2019/05訪問98回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」。「昆布水つけ麺」の冷しラーメンバージョン!トロトロの昆布と節と鶏ダシにほどよい醤油感。滑らかな麺、具のアスパラ、焼きトマト、鶏モモ肉チャーシューが一体!

5月29日(水)

一昨日(27日)は33℃の猛暑の中、売り切れで食べ逃した「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」。

定休の火曜をはさんで、今日(29日)訪れてみました。

もっとも午前中は小雨が降り、18℃という少し肌寒い陽気。
「寒くなったらすぐ止めます」という村山店主の言葉が脳裏をよぎり、今日はもしかしたら提供されないのではないか?という不安にかられました。

幸い昼頃からは晴れ間も出て、気温も21℃まで上昇。
余り出足が遅くなると、またしても売り切れの憂き目をみそうなので、いつもより少し早めの13時少し前に店に着きました。

〇限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」(800円)

「信ずれば通じる」というのは本当ですね。
券売機をみるまで不安が一杯。
「提供中止」「提供されても売り切れ」という2つの可能性におびえつつも、店に入り、券売機を見ると、「限定麺」ボタンは大丈夫。
では、「冷やし」はOKかと、券売機横のPOPを見ると、限定麺は「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」。

「やったー!」と心の中で叫びました(いつもながら大げさ)。

早速食券を買って、女性スタッフに渡し、カウンター席の一番左端に着席。
スマホで撮った説明書きを熟読する間もなく、すぐに「冷やしそば」が到着。

とにかく美しいビジュアル。
琥珀色の濃い冷やし醤油スープに鶏油(多分)が浮かび、麺線美しく盛り付けられています。
具は、中央に大きく真っ赤な焼きトマト。
その下に極太のグリーンアスパラ2本。
さらに焼きトマトの陰に隠れるように、皮付きの鶏モモ肉チャーシュー2枚。
これらの具材に、刻み海苔が振りかけられています。

真昆布、鰹節、鶏ダシの冷たいスープ。
これに6種の醤油をブレンドした醤油ダレを合わせています。

スープはキンキンに冷えているというよりも、適度な冷たさ。
昆布水つけ麺の「昆布水」と同程度。

何といっても特徴は、昆布水のようにトロトロの冷たいスープ。
食後、村山店主に「がごめ昆布を使っているんですか」と尋ねたら、「真昆布だけ」とのこと。
真昆布でこのトロミを出すというのは凄いこと。
昆布の旨みに鰹節の旨みが重なったダシ感溢れるトロトロのまさしく「昆布水」。
鶏ダシも結構入っているのですが、鶏は主張せず、むしろスープを支えているといった方が適当でしょう。

この旨みのあるトロトロの昆布・鰹節のスープに、これも程よい醤油味が加わります。
醤油ダレは「鶏そば」と同じで、生醤油、再仕込み醤油、杉樽仕込み醤油、たまり醤油などのブレンドに味醂や酒を足していますが、醤油感は「鶏そば」ほど強くありません。

昆布と鰹節の旨みをしっかりと感じさせるように、そこそこの濃度に抑えた醤油ダレ。
ダシとタレとのバランスも絶妙。

「昆布水つけ麺」ファンの中には、昆布や鰹節のダシが良く出たトロトロの昆布水をまとった麺(昆布水麺)を、つけ汁につけずにそのまま食べ終えたいという欲求を抑えきれない方も多いでしょう。

そんな方の夢をかなえたのが、今回の「路ばた」の「冷やしそば」。
昆布と鰹節のダシ感が満載。
それをしっかり鶏ダシが支えるトロトロのスープに適度な醤油味を添え、麺を浸してあります。

麺は「冷やしそば」専用の自家製麺。
強力粉や超強力粉を使う「路ばた」には珍しく中力粉メインの切り刃20番、加水率37%の中細角ストレート麺。

中力粉をメインで使って打ち、しかもふすまを練り込んでいないだけに、「鶏そば」「煮干しそば」用の麺とはかなり食感が違います。

滑らかでしなやか。スルスルと啜れる喉越しの良い柔らかめの麺です。
しかし、冷水で締めているだけに、ちょうど良いコシも出ています。

この滑らかでツルツルとしている反面、柔らかいものの、ちゃんとコシもある麺は、冷やしラーメン用の麺としては理想的。
そんな麺が冷たくてトロトロの昆布と鰹節と鶏のスープをまとっているのですから、もうこれ以上何も言うことはありません。
麺量は170g。

具材の中で、まず皮付きの鶏モモ肉チャーシューを食べてみます。
やはり、冷やしにはあっさりとした鶏肉のチャーシューが合います。
その中でも、しっとりとして淡白な味のムネ肉チャーシューと異なり、モモ肉のチャーシューは、歯ごたえも適度にあり、しかも皮付きというのも功を奏し、香ばしさの中にも肉の旨みがしっかりと詰まっています。

そして大きな焼きトマト。
噛むと、トマトの酸味と甘みがジュースと一緒に口の中に溢れます。
冷しラーメンの爽快感を増す上でも、トマトのトッピングは絶好ですが、それをあえて焼きトマトにして、酸味に甘みを加えているというところが、村山店主に優れたセンス。

さらに冷やしラーメンの商品名にもなっている「グリーンアスパラ」。
これが極太。
緑の色が赤いトマトと相まって、冷やしに彩りを添えます。
アスパラとトマトとの相性も抜群。
柔らかいトマトと歯応えのあるグリーンアスパラ。

それでも良く茹でているので、決して固くはなく、ちょうど良い食感。
噛むと、自然な甘みを感じ、飽きさせません。

スープがアツアツではないだけに、さくっと食べ終え、もちろんスープも完飲。
やはりこれからは冷やしラーメンのシーズンですね。
もちろん同店がこれから出すであろう「鶏そば」「煮干しそば」の冷しバージョンも素晴らしい出来ですが、工夫を凝らした限定麺の冷しも楽しみ。

ようやく先週末からの課題をクリア。
モヤモヤが吹き飛び、大満足して店を出ました。

いよいよ6月3日(月)から「岩手拉麦会」の4店コラボ企画が始まりますが、それまでは、寒くならない限り(むしろこれから再び暑くなるでしょう)、限定麺として「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」が提供されるでしょう。

冷しラーメンファン、昆布水つけ麺ファン必食の一杯です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」(2019年5月29日)

    限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」(2019年5月29日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」(2019年5月29日)

    限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」(2019年5月29日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺のボタンに売り切れ赤ランプは点灯せず(2019年5月29日)

    限定麺のボタンに売り切れ赤ランプは点灯せず(2019年5月29日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」の説明書き(2019年5月29日)

    限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」の説明書き(2019年5月29日)

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2019/05訪問97回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「鶏そば」。ビジュアルの美しさは芸術的。香り高い醤油の旨みとコク。それ引き立てる鶏ダシ。麺と具のすべてが計算されたパーフェクトな無化調「鶏そば」。

5月27日(月)

いつも天気の話をしてばかりで申し訳ありません。
しかし、土日月の盛岡の猛暑は異常。
5月下旬で、3日間とも30℃を超えるとは。
しかも、今日は最高気温33℃。

こう暑いとアツアツのラーメンを回避。
冷しラーメンを体が求めているのですが、それを察知したかのように、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)は暑さに呼応して限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」(800円)を提供開始。

既にマイフォロ様の速攻のレビューも上がっていますが、インスタもチラホラ。
完全に出遅れてしまった訳ですが、月曜なら少し遅くても残っているだろう。
そんな甘い考えがアダとなりました。

最高気温33℃と、今年一番の暑さを甘く見ていました。
13時30分に「路ばた」に着き、券売機の限定麺ボタンを見たら、ガーン。
またまた「売り切れ」の「×」ランプ点灯。
券売機横の限定麺の説明書きにも「売り切れました」ととどめをさすようにシールが貼ってあります。

今年2回目の限定麺売り切れに遭遇。
前回が、前の限定麺「麻婆まぜそば」。
次が今回。

前回は10連休、今回は異常な暑さということもありますが、平日の13時30分で売り切れとは!
やはり「路ばた」の限定麺の人気がここのところ沸騰していることは間違いありません。
早速レギュラーのメニューに変更。
前回の売り切れのときは「煮干しそば」、今回は「鶏そば」と相成りました。
でも、限定麺が売り切れていても、高レベルの無化調「煮干しそば」「鶏そば」があるというのが同店の魅力。
「鶏そば」「煮干しそば」の冷しバージョンも早く出してね。

〇「鶏そば」(750円)

久しぶりに対面する「路ばた」の「鶏そば」。

「煮干しそば」にくらべ、格段に琥珀色が濃くなっていますが、何といっても麺と具の盛り付けセンスに圧倒されます。
こんなに美しい盛り方は、東京でも少ないでしょう。

具を上の方に無理なく寄せ、琥珀色の澄んだスープの下に麺線を美しく整えるセンスは並のものではありません。
もうこれだけで美味しさを確実にしています。

表面に鶏油が浮く、鶏ダシの醤油スープ。
澄んだスープの下に、麺線美しく折りたたんだ表面に斑点の見える中細麺。

具は、定番の豚ロース肉の低温調理チャーシューの二つ折り。
その下に、豚バラ肉の煮豚が隠れています。
穂先メンマが1本と味玉ハーフ。
それに白髪ネギと細切りの青ネギを混ぜて盛るセンス。

まずスープを飲むと、一口目は鶏ダシと鶏油が絶妙にブレンドされ、鶏の旨みが襲来。
しかし、それに引き続き、今度は醤油のコクと旨み、そして香りがグーンとやってきます。
このキリッとしながらも豊饒な醤油感とそれを引き立てる鶏ダシの旨み。
まさに「鶏そば」であり、「醤油ラーメン」。
雑味が全くなく、一口で無化調と分かるスープ。

親鳥の丸鶏とπウォーターだけからとった「鶏と水」だけのスープ。
それに生醤油、再仕込み醤油、杉樽仕込み醤油、たまり醤油など6種の醤油に味醂や酒を足した醤油ダレを合わせ、鶏油を垂らすだけの醤油スープ。

そんなシンプルな醤油スープが、本当に抜群の美味しさ。
ここまで醤油の旨みや香りを堪能できるラーメンは滅多にないでしょう。
一時期、醤油ダレに酸味や甘味が目立ったときもありましたが、今はキレがありつつも、コクと豊饒感のある醤油の風味とそれと見事に一体化し、醤油味を支える鶏ダシの旨みを心行くまで楽しめます。

もう美味しすぎてレンゲを止めることができない状態。

やっとスープを飲むのをやめ、麺に移ります。
自家製麺に使う小麦粉にも変遷がありましたが、今は岩手県産の超強力粉「銀河のちから」と同じく岩手県産の強力粉「ゆきちから」をブレンド。
それに小麦の表皮である「ふすま」を練り込んでいます。

切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
ポクポクとした独特の食感と以前以上の硬質感。
しかし、噛むとモチっとした食感。
さらに「ふすま」が効いて小麦の香りが満点という文句のつけようがない麺。
麺量160g。

具の豚ロース肉低温調理チャーシューは、柔らかく淡白で、まるでロースハムのような出来。
対照的に脂身の多い豚バラ肉の煮豚は、比較的濃い味付けで、とろけるような食感。
脂身が多いながら、決してくどくなく、旨み十分。

穂先メンマは、最初は柔らかく芯がシャキシャキという凝った仕上がり。
味は淡白。

トロトロの黄身が美味しすぎる味玉ハーフ。
白髪ネギと細切りの青ネギの合わせ盛り付けは、食感といい、適度な苦みといい、醤油スープをさらに引き立てる薬味として十分すぎる存在。

食後、醤油ダレの美味しさを村山店主に告げると、「生醤油の出来が鍵」と一言。
やはり醤油も生き物ですね。
そんなことを実感できるのも無化調だから。
いい意味で、醤油ダレの「ブレ」を感じることができるのも、「路ばた」の「鶏そば」の楽しみ。

このところ「らぁめん サンド」(盛岡市西青山)と「路ばた」の「鶏そば」を食べてきて、やはり鶏そばの真髄は醤油の香りや風味や旨み、そして、それと同化しながら醤油を引き立てている鶏ダシの旨みの両者にあるという実に当たり前のことを痛感しました。

目的の限定麺を食べることができなかったために、かえって「鶏そば」の美味しさを再確認できました。
それでも、限定麺マニア(?)としては、ここで引き下がることはできません。

村山店主によると、限定の「冷やし」は気温が下がったらやめるということ。
明日(火)は定休日。
水・木も、先週末や今日のような猛暑ではないけれど、最高気温は25℃。
6月3日(月)から、いよいよ岩手拉麦会4店(サンド、路ばた、タイヂ、二丁目食堂)のコラボ企画が始まるので、6月中の路ばた限定麺はコラボ企画のメニューとなります。

コラボ企画も楽しみですが(しかし、限定杯数なので早くから並んだり、紫波や花巻など遠い店は車がないのでアクセスが大変!)、それまで残り少ない日々で、何としても限定の「冷やし」を食べたい!

再挑戦を誓って、店をあとにしました。

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2019年5月27日)

    「鶏そば」(2019年5月27日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2019年5月27日)

    「鶏そば」(2019年5月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺のボタンにはああ無情「×」の赤ランプが点灯(2019年5月27日)

    限定麺のボタンにはああ無情「×」の赤ランプが点灯(2019年5月27日)

  • 南部屋路ばた - 次回絶対食べたい限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」の説明書き(2019年5月27日)

    次回絶対食べたい限定麺「アスパラ昆布だし正油冷やしそば」の説明書き(2019年5月27日)

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2019/05訪問96回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「麻婆まぜそば」。辛さと痺れの強いタレに甘辛の麻婆餡とモッチリとした自家製麺。具は「ふうせつ花」の2種の「寄せ豆腐」とタラの芽という独創性溢れる麻婆まぜそば!

5月12日(日)

昨日(11日)13時30分に訪れ、売り切れに遭遇した限定麺「麻婆まぜそば」。

今日(12日)はリベンジに、1時間早い12時30分訪問。

田植え前の水を張った水田に囲まれ、岩手山をのぞむのどかな立地の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
そんな田舎の光景と対照的に、店前の駐車場は満杯。
盛岡ナンバーや岩手ナンバー以外に、宮城ナンバーなど県外の車も。

もしや限定麺はもう売り切れ!との危機感をもって、券売機をみると、今日は売り切れの「×」は点灯していません。
ホッとして、限定麺の食券を購入。
限定麺専用セット「温玉と追い飯」(200円)もありますが、朝食から2時間しか経っていないこともあり、こちらは断念。

○限定麺「麻婆まぜそば」(800円)

食券を買ったものの、カウンター席、テーブル席は満席。
座敷のテーブル席も一杯。
わずかに、座敷のカウンター席がいくつか空いているのみ。
当然ながら、座敷のカウンター席に誘導されます。

それでも、続々とお客さんが入る大混雑状態。

靴を脱ぎ、座敷のカウンター席に座り、水を飲んでいると、「麻婆まぜそば」が到着。

汁なし担々麺用の中央が窪んだ大皿。
窪みにまぜそばのタレと麺、具が盛られています。
それを囲む大皿の平らな部分に山椒がちりばめられています。

タレは、鶏ダシと醤油ダレに自家製のラー油がたっぷり入り、花椒が混ぜられています。
そこに自家製の中細麺が盛り付けられ、豆板醤で炒めた豚挽き肉(麻婆餡)がたっぷり。

具は、八幡平市「ふうせつ花」製の黒豆と緑豆の「寄せ豆腐」(おぼろ豆腐)と大きなタラの芽。

ラー油の辛さと花椒の痺れの強い本格的なタレ。
それに甘辛い麻婆餡。

合わせる麺は、ゆきちから、もち姫、銀河のちから、ねばりごしを合わせた切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
もち姫ブレンドが効いて、中細麺ながら、モッチリとした食感の麺。
麺量は170g。

麺をタレに混ぜて、さらに皿の周りの山椒につけると、辛さのみならず、舌が痺れてきます。
これを緩和するのが甘辛の豚挽き肉(麻婆餡)。

今回の限定麺の目玉は、何といっても「ふうせつ花」の2種の寄せ豆腐(おぼろ豆腐)。

豆乳ににがりを混ぜ、型に入れて固めて木綿豆腐をつくりますが、型に入れず固まる前の豆腐を寄せたのが「寄せ豆腐」(おぼろ豆腐)。

固まっていないので、クリーミーな食感が特徴。
今回は黒豆と緑豆の2種の寄せ豆腐が麺の上にトッピング。
その他、白髪ネギや糸唐辛子などものっています。
そして、緑鮮やかな茹でたタラの芽。

黒豆の寄せ豆腐は、淡いブルー。
上品な甘味とコクが特徴。
モヤシの原料である緑豆の寄せ豆腐は、白に薄緑がほんの少し混ざります。
こちらは黒豆よりもあっさりとした味。

貴重な「寄せ豆腐」の風味とクリーミーな食感を味わったのち、もったいないのですが、「寄せ豆腐」をタレや挽き肉、麺と混ぜて食べます。

すると、辛さと痺れ、そして甘辛さなどの麻婆まぜそばの味がまろやかに。

トッピングのタラの芽はしっかりとした食感と微かなほろ苦さ。

本来なら「麻婆まぜそば」を半分ほど食べた時点で、専用セットの温玉を入れ、味をさらにまろやかにします。
麺を食べ終えたあとに、専用セットのライスを追い飯。
雑炊にして食べ終えます。

しかし、先に書いたように遅い朝食から間もなかったため、「麻婆まぜそば」だけでお腹一杯。
温玉と追い飯の専用セットは断念。

朝食を抜くんだったと後悔。
それでも専用セットで〆なくても、十分楽しめます。
満足して店を出ましたが、今日は快晴で気温20℃。
雪をまとった岩手山を見ながら、呼んだタクシーを待ちました。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「麻婆まぜそば」(2019年5月12日)

    限定麺「麻婆まぜそば」(2019年5月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「麻婆まぜそば」(2019年5月12日)

    限定麺「麻婆まぜそば」(2019年5月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「麻婆まぜそば」(2019年5月12日)

    限定麺「麻婆まぜそば」(2019年5月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「麻婆まぜそば」の説明書き(2019年5月12日)

    限定麺「麻婆まぜそば」の説明書き(2019年5月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺専用セット「温玉と追い飯」の説明書き(2019年5月12日)

    限定麺専用セット「温玉と追い飯」の説明書き(2019年5月12日)

  • 南部屋路ばた - 今日は「限定麺」のボタンに「×」ランプは点灯せず(2019年5月12日)

    今日は「限定麺」のボタンに「×」ランプは点灯せず(2019年5月12日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」入口(2019年5月12日)

    「南部屋路ばた」入口(2019年5月12日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」駐車場から雪をまとった岩手山をのぞむ(2019年5月12日)

    「南部屋路ばた」駐車場から雪をまとった岩手山をのぞむ(2019年5月12日)

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2019/05訪問95回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「煮干しそば」。インスタ映えする美しいビジュアルとそれからは想像もつかない力強い煮干し感。麺もさらにブラッシュアップ!

5月11日(土)

「麺の極 はなみち」(盛岡市前九年)で限定麺を食べたあと、13時30分に「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に到着。

狙いは新しい限定麺「麻婆まぜそば」。
ところが、券売機をみると、私が初めて体験する「限定麺売り切れ」の×印。
13時30分で限定麺が売り切れになるとは!

村山店主に聞くと、豆腐に限りがあって、予想以上に限定麺が出たため、空前の早さで品切れに。
これは明日リベンジに再訪しなければなりません(笑)
でも、「昼過ぎならあると思いますが、保証はできません」という村山店主の言葉がぐさり。

限定麺がなければ、「煮干しそば」か「鶏そば」。

そこで、3月以降2ヶ月食べていない「煮干しそば」の食券を購入しました。

○「煮干しそば」(750円)

それにしても、最近の「南部屋路ばた」の人気は凄いですね。
今日も土曜午後で天気が良いという好条件があるものの、満席近い状況に加え、後からあとからお客さんが入店。

明日はもっと混むだろうな。

そんなことを考えていると、速攻で「煮干しそば」着丼。
到着するなり、煮干しの良い香りがふわっと匂います。

それ以上に、はっとするような美しいビジュアル。

「鶏そば」に比べると、スープの琥珀色は薄めで、透明感があります。

表面の3分の2には、綺麗に折り畳んだ麺を見せるために、何もトッピングされていません。
トッピングはそれ以外の3分の1に集約。
これも折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
その下に豚バラ肉の煮豚。
穂先メンマに代わり、枕木メンマが2本。
味玉ハーフに、白髪ネギと細切りの青ネギを合わせて盛り付けるセンス。

もうすべてが美しすぎる!

スープを一口飲むと、美しいビジュアルからは信じられないほどのストロングな煮干し感。

最初の一口目から煮干しの苦味、エグミ、魚臭さが一体になって到来。
このビター感が続きながら、次第に煮干しに昆布を加えたと思われる濃密な旨味に包まれ、すべてが一体になり、ギリギリで上品さを保っているバランス。
もちろん無添加・無化調のスープ。

醤油感は以前より抑えされ、その分、煮干しの旨味とビター感がストレートに伝わります。

個人的な感想ですが、「煮干しそば(塩)」に寄せたようなある意味生々しい煮干し感。

村山店主に確認すると、背黒を使わなかった3月とは違い、今回は背黒、平子、白口、ウルメ。
これに昆布を足しています。
煮干しの使用量が増えたことと、今日の煮干しの状態から、ややしょっぱくなってしまったと村山店主。
やはり背黒の苦味やエグミなどが聞いているとともに、たしかに塩味も強め。

醤油は、生揚げ醤油、再仕込み醤油、杉樽仕込み醤油などを使い、味醂を加えていると思いますが、村山店主が忙しく、醤油の種類や醤油ダレの詳細を確認できなかったのは残念。

仕上油は煮干しオイル。

麺は岩手県産の銀河のちからとゆきちからをブレンド。
ふすまを練り込んだ切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
ポクポクとした食感は変わりませんが、以前と比べ「銀河のちから」効果なのか、麺の粘りやコシが増した印象。
小麦の香りもしっかりと感じられ、ビジュアルどおりの美味しい麺。
麺量は160g。

折り畳んだ豚ロース肉低温調理チャーシューは、柔らかくて淡白な味。
しかし、噛むと肉の旨味が確実に感じられる仕上がり。

バラ肉の煮豚は口の中でホロホロと崩れるような柔らかさ。

穂先メンマに代わり添えられた枕木メンマは、最初の食感は柔らかいものの、中心部はシャキシャキ。
薄めの味付けが、強い煮干し感と良く合います。
黄身がトロトロの味玉ハーフも変わらない美味しさ。

綺麗に盛り付けられた二種のネギは、単にビジュアル面だけでなく、薬味としても、しっかり存在感を発揮。

今回「煮干しそば」を食べた印象は、背黒を足して煮干しを強化。
その一方で醤油ダレをやや薄めに調整して、煮干しのストロング感をもっと押し出したというもの。

「淡麗煮干し」としては、煮干しの旨味やビター感(苦味やエグミ、魚臭さを含む)をもっとも感じさせてくれる逸品です。

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば」(2019年5月11日)

    「煮干しそば」(2019年5月11日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば」(2019年5月11日)

    「煮干しそば」(2019年5月11日)

  • 南部屋路ばた - 今日逃した限定麺「麻婆まぜそば」の説明書き(2019年5月11日か

    今日逃した限定麺「麻婆まぜそば」の説明書き(2019年5月11日か

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2019/04訪問94回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「山菜汁なし担々麺」。筍やウド、行者ニンニクなどの山菜がたっぷり。ゴマの香りとラー油の辛さとのバランス、モチモチの中細麺の食感が光る本格派の汁なし担々麺。

4月30日(火)

昨日(29日)は、晴天でポカポカの陽気。
3~4分咲きながら、盛岡市米内浄水場のしだれ桜を堪能。

今日(30日)は一転して冷たい雨の一日。
花見はあきらめ、明日(5月1日)からの東京帰省を前に、盛岡での連休最後のラーメンを食べに出掛けました。
行き先は、やはり「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺。

火曜は、本当は「南部屋路ばた」の定休日。
しかし、10連休中は休みなしで営業。

連休中の限定麺は「山菜汁なし担々麺」。
「路ばた」の限定麺で、「汁なし担々麺」を出すのは久しぶり。

○限定麺「山菜汁なし担々麺」(800円)

雨が激しく降り続くなか、13時30分に「南部屋路ばた」に到着。

駐車場は車で一杯。
やはり、雨で行楽地に出掛けるのをやめ、家族で近場で食事ということでしょうか?
店内も超満員。

村山店主とフロア担当のアルバイトらしき男性スタッフの2人で店を回しています。
お馴染みの女性スタッフはお休み。

いつも座る厨房前のカウンター席は満席の上、全員がラーメンを待っている状態。
ちょうど、座敷席のお客が退席。
男性スタッフが、私を座敷のカウンター席に誘導してくれます。

「南部屋路ばた」に通いはじめて3年になりますが、座敷席に座ったのは初めて。
それほどの大混雑です。

靴を脱いで座敷に座るのには違和感がありますが、あのまま厨房前のカウンター席を待っていたら、最低でも20分待ちでしょう。

座敷のカウンターに座り、スマホで撮影した限定麺の説明書きを読んでいると、「山菜汁なし担々麺」が到着。
相変わらずの提供スピード。

大皿中央の凹んだ部分にタレと麺、具が盛られています。
周囲には濃茶の甜麺醤がまるで絵の具を書きなぐったようにトッピング。
さらにブラックペッパーも添えられています。
インスタ映えするビジュアルですね。

タレは自家製の芝麻醤とラー油、そして鶏ダシ少々。
タレの表面はラー油が占め、真っ赤。

具は、サイコロ状にカットした筍、それにウドや行者ニンニクなどの山菜。
さらに白金豚のミンチやナッツ。
糸唐辛子が飾りとして乗せられています。

麺とタレ、具を良く混ぜると、ラー油の下に隠れていた芝麻醤が現れます。
今回の調合は、ゴマの香りが強め。
割とまろやかでコクのある味ですが、ラー油のピリ辛さが良いアクセント。
痺れは弱めで、その代わりにブラックペッパーを混ぜると辛味が増し、甜麺醤を混ぜると甘辛さが加わるなど味変が楽しめます。

麺と具とソースを絡めると、汁なし担々麺ならではの濃厚な味わい。
ソースはもちろん無添加・無化調。

麺は切り刃20番、加水率31%の中細角ストレート麺。
ふすまの練り込みはなし。
岩手県産の小麦粉「ゆきちから」と「銀河のちから」をフレンド。

以上の麺のスペックは、前回と前々回食べた「鯛塩つけそば」「鶏塩つけそば」の「ポキポキ麺」の加水率32%よりも1%低い。
もっとポキポキするはずが、今回はむしろ柔らかめで、モチモチとした食感。

おそらく茹で時間を少し長めにしているのでしょうが、単に加水率という数字だけでは測れない食感をつくりだす手腕は凄いしか言いようがありません。
麺量は180g。

モチモチとした麺とゴマ風味の強いタレ、白金豚のミンチとの相性は抜群。

これにナッツのカリカリとした食感が加わるところまでは想定内。
今回の「汁なし担々麺」のユニークな点は、筍やウド、行者ニンニクななどの山菜が違和感なく具として添えられ、汁なし担々麺の完成度を高めていること。

サクサクした食感で、噛むとジュースが溢れる瑞々しい筍、苦味がなく、むしろ微かな甘味さえ感じられるウド。
さらに、赤い部分(はかま)をとって茹でた結果、ニンニク特有の臭みが消え、柔らかくてさっぱりとした味の行者ニンニク。

旬の山菜を見事に調理。
汁なし担々麺の具として使い、季節感を演出した村山店主のセンスが冴え渡っています。

麺と具を食べたあと、皿の底に芝麻醤が残ります。
できれば、ライスを入れてゴマ風味の雑炊風に仕上げたいところですが、そうすると糖質過多。

やむなくレンゲでラー油や鶏ダシの混じった芝麻醤を最後の一滴まで丁寧にすくって完了。

私が食べ終わるときも、続々とお客が入店。
1人で調理を忙しく調理をこなす村山店主に「ごちそうさま。頑張って下さい」と一言言い残して、店を出ました。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「山菜汁なし担々麺」(2019年4月30日)

    限定麺「山菜汁なし担々麺」(2019年4月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「山菜汁なし担々麺」(2019年4月30日)

    限定麺「山菜汁なし担々麺」(2019年4月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「山菜汁なし担々麺」の説明書き(2019年4月30日)

    限定麺「山菜汁なし担々麺」の説明書き(2019年4月30日)

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2019/04訪問93回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「鶏塩つけそば」。軽い酸味や甘味を含む鶏の旨みたっぷりのスープを塩ダレがやさしく包むつけ汁。ポキポキ系の歯切れの良い麺との相性もぴったり。そして驚きのスープ割りによる味変!

4月26日(金)

今日は終日雨の肌寒い一日。
一気に冬に戻ったような天気。

明日からいよいよ10連休ですが、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺「鶏塩つけそば」は今日が提供最終日。
昨日も1日限定の「鯛塩つけそば」を食べたばかり。
2日連日の「南部屋路ばた」通いですが、今日は仕事の合間を縫って、昼休みに行ってきました。

〇限定麺「鶏塩つけそば」(800円)

店に到着したのは12時30分。
ちょうど昼の真っ最中。
さすがに、店内はこの悪天候にもかかわらず、超満員。

村山店主は調理を一手に引き受け、ベテランの女性スタッフ2人も配膳に大車輪。
「限定麺」の食券を女性スタッフに渡した後、辛うじてカウンターに空席を1つみつけ、「鶏塩つけそば」を待ちます。

普通、待ち時間にスマホで撮った限定麺の説明書きをじっくり予習しながら到着を待つのですが、昨日書いたとおり、「麺ポキポキ系のつけそばです」というあまりにも簡単な説明書き。

麺は昨日の「鯛塩つけそば」と同じであることが容易に想像できましたが、スープに関する説明が欲しかった!

座って5分ほどという速さで到着した「鶏塩つけそば」。

麺や具、つけ汁の入っている器は昨日と同じ。
口の大きく開いた黒い大きな丼に麺が盛り付けられ、その上に具がのっています。

具は、折りたたんだ豚ロース肉の低温調理チャーシュー、枕木メンマ2本、味玉半分と白髪ネギ。

透明感のある鶏ダシのスープに鶏油が浮かぶつけ汁には、今度は小口切りの青ネギが大量に振りかけられています。

くるくると巻くように麺を盛り付けたビジュアルは、相変わらずの美しさ。
食べるのが勿体なくなるほど。

麺は、「鯛塩つけそば」と同じで、切り刃20番、加水率32%の自家製角ストレート麺。
岩手県産の「ゆきちから」と「銀河のちから」をブレンド。
ふすま(小麦の表皮)を含まない固めポキポキ食感の麺です。
麺量は230g。

最初につけ汁につけずに麺のみ食べると、ポキポキとした歯切れの良い食感。
噛むと、小麦の良い香りが口の中に広がります。

次につけ汁だけを飲んでみます。
「鶏塩つけそば」のつけ汁ということで、もっとあっさりとしたスープを予想していたのですが、いい意味で予想を超える味。

スープを飲んだ瞬間に、酸味と甘みを含んだ鶏ダシの旨みが充満。
鶏油も加味して、鶏の旨みが予想以上に強く感じられるスープ。
もちろん鶏が強すぎるということではなく、立体的な鶏の旨みがしっかりと感じられる上に、それをちょうど良い塩梅の塩ダレがうまく包んで、単なる「鶏塩つけそば」という以上のクオリティを感じさせるスープ。

昨日食べた「鯛塩つけそば」のつけ汁では、塩角が立つ手前ぐらいの塩味でしたが、「鶏塩つけそば」のつけ汁は、鶏ダシと塩ダレの相性がさらに良くなって、塩味自体が鶏の旨みを構成しているといってもいいほど鶏と塩が同化しています。
無添加・無化調のスープです。

鶏ダシは、おそらく親鳥の丸鶏+水(πウォーター)だけで、これに複数の塩に貝ダシなどを足した塩ダレを合わせていると推測。
塩ダレに旨みを足していると推測しましたが、それが貝だけなのか、それとも昆布などを含んでいるのか、忙しい村山店主に聞くことができなかったのが残念。

つけ汁に麺をつけると、固めでややくっつき気味の麺がほぐれて食べやすくなります。

さっぱりとしながらも、独特の厚みのある旨みの良い塩梅の塩加減のつけ汁。
小麦の香り豊かで、ポキポキ食感の歯切れの良い麺とつけ汁の相性も抜群。

つけ汁の中には、昨日の「鯛塩つけそば」と同様、鶏挽き肉のつくねが2個入っています。
塩味に良くマッチし、薄味ですが生姜の風味がほんのり感じられる美味しさは特筆もの。

麺にのった定番の具3種(豚ロース肉の低温調理チャーシュー、枕木メンマ2本、味玉反bン)については、昨日の「鯛塩つけそば」と同じなので、説明は省略します。

ただし、たっぷりトッピングされた白髪ネギが地味ながら良い働き。
麺をつけ汁につけるとき、麺と一緒に白髪ネギを少し添えると、ネギの香りと食感、そして軽い苦みが添えられ、さらに美味しくなります。

麺と全部食べ終えたあと、今日は残ったつけ汁に割りスープを足してもらいます。
ブーメラン方式でもどってきたスープ割り。
てっきり、鶏スープを加えたと思っていたら、アツアツに戻った割りスープを飲んだら、驚きの煮干し味。

これはやられました!
割りスープは、「煮干しを含んだ」スープだと、忙しいなかで村山店主にかろうじて確認。
今までの鶏ダシのスープに煮干し風味が加わり、最後になってつけ汁の味が劇的に変化する仕掛けは、もうマジックとしか言いようがありません。

「鶏塩つけそば」という大人しいネーミングや簡単すぎる説明書きからは想像できないほどの完成度の淡麗系細塩つけそば。
できればレギュラー昇格をお願いしたいくらい。
今日で終わってしまうのが残念すぎます。

とはいえ、明日(27日)からのゴールデンウィーク期間中の限定麺は「山菜汁なし担々麺」の予定。

私もGW後半の東京の実家への帰省前に訪れる予定です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏塩つけそば」(2019年4月26日)

    限定麺「鶏塩つけそば」(2019年4月26日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏塩つけそば」(2019年4月26日)

    限定麺「鶏塩つけそば」(2019年4月26日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2019年4月26日)

    麺と具(2019年4月26日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁の中には、鶏挽き肉のつくねが2つ入っています(2019年4月26日)

    つけ汁の中には、鶏挽き肉のつくねが2つ入っています(2019年4月26日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2019年4月26日)

    スープ割り(2019年4月26日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏塩つけそば」の説明書き(?)(2019年4月26日)

    限定麺「鶏塩つけそば」の説明書き(?)(2019年4月26日)

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2019/04訪問92回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.8
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「鯛塩つけそば」。4月25日のみの限定。「鯛塩そば」よりもさらに加水率を下げたポキポキとした中細麺を、鯛の香りや旨みと塩味がうまくミックスしたつけ汁につけて食べる逸品!

4月25日(木)

前回食べた限定麺「鯛塩そば」の次の限定麺が「鶏塩つけそば」。
「鶏塩つけそば」は明日(4月26日・金)までの提供ですが、本日(25日)に限り、「鶏塩つけそば」と並行して1日限り「鯛塩つけそば」も提供されるという。

これでは、2日連続(今日は「鯛塩つけそば」、明日は「鶏塩つけそば」)行かなければならないですね。
村山店主の術中にまんまとはまってしまいました。

「鯛塩そば」では、予想以上に鯛の香りと旨みが出ていたので、スープを濃縮するつけそばでは、それを上回る鯛の存在を感じることができるのではないかと期待して、本日午後訪問してきました。

〇限定麺「鯛塩つけそば」(800円)

店到着は13時15分。
平日ですが、本日のみの限定麺が提供されることから混んでいるのではないか、という読み。
それが見事(?)に当たり、駐車場は車で一杯。
カウンター席も(私が入ったときは)空席は1席のみ。

テーブル席、座敷なども埋まっています。
やはり「鯛塩つけそば」を頼む人が多いですね。

食券を女性スタッフに渡したあと、カウンター席の空席に何とか座り、つけそばの到着を待ちます。

それにしても、「鯛塩つけそば」と「鶏塩つけそば」の説明書きの簡潔なこと。
「鯛の鮮魚系スープ。麺がポキポキ系のつけそばです」(「鯛塩つけそば」)
「鶏塩つけそば」にいたっては、「麺ポキポキ系のつけそばです」という記述のみ(笑)

さて、つけそばの麺と具、そしてつけ汁が盆にのって到着。

油そば(まぜそば)などに良く使う口が大きく開いた大きな黒い丼の下の方に麺が入っています。
そのため麺量が少なめに感じますが、実際は230gとかなりのボリューム。

やや茶色っぽい中細麺が綺麗に巻かれて盛り付けられていますが、その盛り付け方が芸術的。
まるで二段重ねのように盛り付けられ、二段目の方が上にせり出してくるように見え、美しさと同時に迫力のある麺の盛り付け。

麺の頂上には味玉半分。
さらに豚ロース肉(「鯛塩そば」では肩ロース肉)の低温調理チャーシューを二つ折りにして、麺に立てかけています。
その他、長めの枕木メンマ2本、桜の塩漬けが4つのっています。

麺は切り刃20番、加水率は32%と、少々ポキポキ感を感じた「鯛塩そば」の34%よりもさらに下げています。
「ポキポキ系」と村山店主自らがいう麺は、岩手県産小麦の「ゆきちから」と「銀河のかおり」をブレンドして打った自家製麺(中細角ストレート麺)で、ふすまは入っていません。

先日の「鯛塩そば」の麺も、「鶏そば」「煮干しそば」用の麺よりも加水率は低めで、ポキポキの一歩手前の食感で、歯切れの良い麺でした。

「鯛塩つけそば」用の麺は、加水率をさらに下げたため、ポキポキ感やパツパツ感をさらに前面に出した麺。
歯切れの良さが特徴ですが、噛むと小麦の香りが口の中にじわっと広がります。

つけ汁は透明感のある清湯スープ。
表面にザク切りのネギがたっぷり振りかけられています。

説明書きには記述がありませんが、大量の鯛のアラと頭をメインに、それに昆布を加えて炊き上げたスープに塩ダレを合わせています。
スープの表面が割合オイリーなので、「鯛塩そば」同様、鯛脂を添えているのかも知れません。

塩味は少々強めですが、塩角が立つちょうど寸前ぐらいで抑えているという絶妙な塩加減。
この塩味と鯛の香り・旨みがうまくバランス。
上品な鯛のアラ汁を飲んでいるような感じ。
つけ汁ということで、スープが濃縮されていますので、「鯛塩そば」以上に鯛の存在を強く感じます。
もちろん、無添加・無化調のスープです。

鯛の旨み溢れる塩味のスープに固めポキポキ麺をつけると、麺が適度にスープを吸ってポキポキ感が少々緩和され、啜りやすくなります。
もちろんポキポキ感も十分残っていて、固めの麺の食感と小麦の香り、そして塩味と鯛の香り・旨みが口の中で一体化します。

つけ汁には、鶏挽肉のつくねが2個入っていて、さっぱりとした味付けが塩味のスープと良く合います。

麺の丼にトッピングとして添えられた豚ロース肉の低温調理チャーシューは、淡白ながら、肉の旨みがしっかりと感じられる美味しさ。

2本の長めの枕木メンマは、最初のトロッとした柔らかな食感から噛むとシャキシャキとした食感に変わるところが絶妙。
メンマの発酵臭を残しながら、ゴマ油(おそらく)で味付けをして、やや濃いめの味に仕上げています。

味玉半分は、トロッとした黄身にきちんと味付けが施され、十分食べ応えがあります。

そして残るトッピングが桜の塩漬け4つ。
これを残った麺と一緒につけ汁に投入。
麺とともに桜の塩漬けを噛むごとに、桜の香りが口一杯に広がり、春を感じさせるという凝った趣向。

つけ汁の濃度も適度で、桜の香りを残したまま食べ終えたいということで、スープ割りせずにそのままつけ汁を飲み干してしまいました。
これが大失敗。

実は割りスープは鯛の潮汁。
これを足すとスープの温度が再度上昇するのはもちろんのこと、さらに鯛の旨みが増すという仕掛けがあったことを、食べ終えたあと教えられました。

残念・・・

教訓として、つけそばの場合は、割りスープは必ず頼むべし。
いつも実践しているこの教え?を今回うっかり忘れたのは、つけ汁があまりにも美味しく飲みやすいので、ついついごくごく飲んでしまったからという皮肉な結末でした。

明日(26日)は同じ加水率32%のポキポキ麺を使った「鶏塩つけそば」のラストに挑戦する予定。

ところで、明日で限定麺「鶏塩つけそば」を終えたあと、「南部屋路ばた」は10連休中休みをとらず、毎日営業する予定(営業時間は平日は11時~15時、土日祝は11時~20時。土日祝の場合、15時~17時まで中休みをとる場合もあり)。
この間の限定麺は「山菜汁なし担々麺」の予定ですが、「途中で限定麺が変わるかも知れない」とは村山店主の言葉。

それにしても、10日連続営業とは本当にご苦労様です。
それだけ、たくさんのお客さんの来店を見込んでいるということでしょうが、村山店主自ら「ブラック」といっているように、相当な強行軍であることには間違いありません。
十分体調に留意して、乗り切ってもらいたいものです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛塩つけそば」(2019年4月25日)

    限定麺「鯛塩つけそば」(2019年4月25日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛塩つけそば」(2019年4月25日)

    限定麺「鯛塩つけそば」(2019年4月25日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(2019年4月25日)

    麺と具(2019年4月25日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁(2019年4月25日)

    つけ汁(2019年4月25日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛塩つけそば」の説明書き(2019年4月25日)

    限定麺「鯛塩つけそば」の説明書き(2019年4月25日)

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2019/04訪問91回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「鯛塩そば」と限定飯「タルタルご飯」。鯛の中骨、頭などでダシをとった鯛の旨味と香りに満ちた塩ラーメンに桜の塩漬けをトッピング。開花した盛岡の桜をラーメンで表現!

4月21日(日)

今日は日曜で気温も上がり、盛岡市街の桜は一気に満開近くなりました。
当然「花見」に行べきところですが、向かったのは「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
新しい限定麺が提供されているとあっては、行かないわけには行きません。

途中、車窓から見た北上川に架かる夕顔瀬橋を渡り切ったところにある桜は満開。

13時30分頃に「南部屋路ばた」に着くと、駐車場は車で一杯。
今日は皆花見に出掛けるので、郊外の飲食店は空いているだろうとの予想は外れ、改めて「路ばた」の人気を確認。

店内に入り、券売機左の限定麺、限定飯の貼り紙を見ると、ありました。
新しい限定麺「鯛塩そば」。
新しい限定飯「タルタルご飯」。

早速限定麺と「ライス」の食券をそれぞれ購入。
カウンター席の一番右奥に座りました。

厨房では、村山店主が1人で注文の山をこなしています。
配膳担当のベテラン女性スタッフ2人もテキパキと働いています。

2枚の食券を渡し、席に座ってから5分も経たずに、限定麺と限定飯をのせたお盆を、女性スタッフが運んでくれます。
このスピーディーなオペレーションも「路ばた」の特徴。

○限定麺「鯛塩そば」(800円)+限定飯「タルタルご飯」(200円)

同店の無添加・無化調・自家製麺の「鶏そば」「煮干しそば」「限定麺」は、いずれも大盛不可。
そこで、並盛だけでは物足りない方のために、ミニ丼の「限定飯」を用意するようになったのかな?

ともあれ、最近定着してきた「限定飯」。

今回の限定麺は「鯛塩そば」。
同店では、鯛を使ったメニューは珍しくありませんが、今度の限定麺は昆布以外に鯛の中骨、頭など、今まで以上に鯛を使った鮮魚系スープ。
これに塩ダレと鯛脂を合わせるという徹底して鯛の風味にこだわった塩ラーメン。

これは期待できます。
もちろん今回も専用麺を打っています。

塩ラーメンらしく澄んだ薄茶のスープ。
上から見ると、丼の表面下半分には具がなく、綺麗に折り畳んで盛り付けた麺をダイレクトに見ることができます。
具は表面の上半分に集中して添えられています。
これなどは、麺の美しさと具の美しさとのコントラストを食べ手に見せるためのビジュアル的な仕掛け。

これは絶対インスタ映えするビジュアル。

具は、薄くスライスされ折り畳んだロゼカラーの豚肩ロース肉低温調理チャーシュー2枚。
地鶏・南部かしわの卵のだし巻き。
大きな穂先メンマ。
白髪ネギと細切りの青ネギのミックス。
そして、桜の塩漬けが2つトッピング。

表面に浮かぶ脂は、鯛脂。

スープを飲むと、塩角が立つ一歩手前の塩味。
きりっとした塩味がしっかりと感じられ、塩ダレの甘さやマイルドさは抑えられています。
それに、鯛の旨味と香りがふわりと重なります。
塩味と鯛の旨味が上品さを崩さずに見事に融合。
昆布の旨味が鯛と塩ダレをうまく接合。

さっぱりとした鮮魚系塩ラーメンとして、文句のない仕上がりに。
しっかり鯛の旨味や香りが感じられながらも、それが過剰でも過小でもなく、鯛ダシと塩ダレがパーフェクトに一体化。
もちろん、無添加・無化調のスープ。

麺は限定麺専用の自家製麺。
ゆきちから、銀河のちからを使った切り刃20番、加水率34%の「ふすま」なしの角ストレート麺。

ポクポクとした素朴な食感は、「鶏そば」「煮干しそば」に使う「ふすま」入りの自家製麺と共通。

しかし、加水率を「鶏そば」等の麺の35%よりも下げているせいか、ポクポク感に加えて硬質で歯応えのある食感。
「鶏そば」等の麺は、ポクポク感とモチモチ感との組み合わせが絶妙。

これに対し、今度の限定麺用の麺は、ポキポキ感やバツバツ感まで行かないものの、歯切れの良い硬質の食感。
この食感が、鮮魚系のさっぱりとした塩スープに良く合います。
麺量は160g。

具の豚肩ロース肉低温調理チャーシューは、ロース肉チャーシューに比べ脂が多いものの、その分、旨味も濃くなっています。
それでも決して脂っぽいというわけではなく、ロース肉以上に肉の旨味を堪能できます。

スープがさっぱりしているだけに、ロース肉よりも、肩ロース肉の方が合っています。
そんな上出来のチャーシューが2枚も入っているので、満足度が高い一杯。

面白いのが、南部かしわの卵のだし巻き。
厚いだし巻きは卵の風味を満喫できるとともに、甘めのダシがきりっとした塩味のスープと良い意味で対照的。

シャキシャキとした食感の大きなメンマは、薄味でもなく、かといってメンマ臭が強くもないという実にバランスのとれた味。

そしてちょこんと添えられている桜の花の塩漬け。
これを最後まで残しておいて、スープを飲み干すときに一緒に噛むと、ほんのりとした桜の香りが口一杯に広がります。

ラーメンを食べながら、桜満開の気分を「味わいながら」食べ終える「鯛塩そば」。
一見地味なように見えますが、村山店主のセンスが冴えわたった「季節を感じるラーメン」です。

「鯛塩そば」を完汁したあと、今度は「限定飯」の「タルタルご飯」。

小麦で衣をつけ、カリッと揚げた鶏の唐揚げが白飯の上に3つものり、その上に自家製マヨネーズで作ったタルタルソースがたっぷりかかった「鶏南蛮風のミニ丼」。

ボリューム満点で、風味は濃厚。
あっさりとした繊細な「鯛塩そば」と対照的な、ある意味ジャンクなご飯。

個人的には「鯛塩そば」には、鯛のほぐし身の茶漬けをつけ、こちらにも桜の塩漬けをトッピングした方が合うと思います。
しかし、ラーメンと全く違ったテイストのジャンクな「タルタルご飯」も悪くはありません。

残念なのは、限定麺「鯛塩そば」が21日(日)で提供終了ということ。
せめて月曜まで提供して欲しかったのですが、それだけ杯数が出たということでしょう。

いよいよ10連休も間近。
次の限定麺と限定飯が楽しみです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛塩そば」と限定飯「タルタルご飯」(2019年4月21日)

    限定麺「鯛塩そば」と限定飯「タルタルご飯」(2019年4月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛塩そば」と限定飯「タルタルご飯」(2019年4月21日)

    限定麺「鯛塩そば」と限定飯「タルタルご飯」(2019年4月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛塩そば」(2019年4月21日)

    限定麺「鯛塩そば」(2019年4月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「タルタルご飯」(2019年4月21日)

    限定飯「タルタルご飯」(2019年4月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛塩そば」のPOP(2019年4月21日)

    限定麺「鯛塩そば」のPOP(2019年4月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯2種のPOP(2019年4月21日)

    限定飯2種のPOP(2019年4月21日)

  • 南部屋路ばた - 券売機一番下の「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタン。その上の「ライス」のボタンが「限定飯」(2019年4月21日)

    券売機一番下の「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタン。その上の「ライス」のボタンが「限定飯」(2019年4月21日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」駐車場から、残雪の岩手山(2019年4月21日)

    「南部屋路ばた」駐車場から、残雪の岩手山(2019年4月21日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」入口(2019年4月21日)

    「南部屋路ばた」入口(2019年4月21日)

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2019/04訪問90回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「春キャベツ泡白湯つけそば」と限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」。泡系白湯スープに平打ちの太麺が良くマッチ。春キャベツやばっけ味噌など、春を感じさせる具の数々も秀逸。

4月13日(土)

「ラーメンで季節を感じる」
これをテーマに旬の食材を使い、創作性と美味しさを見事に両立させた「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の「限定麺」。
無添加・無化調・自家製麺でつくる同店の限定麺。

盛岡に住むラーメン好きにとって、「南部屋路ばた」の限定麺は大きな楽しみ。

そんな限定麺が更新されたので、早速訪れてみました。

○限定麺「春キャベツ泡白湯つけそば」(800円)+限定飯「白金豚と筍そぼろ丼」(200円)

ここ数日寒さが続き雪も降った盛岡ですが、今日は晴れ間が広がり、ポカポカと暖かい陽気。
ラーメンを食べに行くのに絶好の天気。

盛岡市郊外の田園地帯にある同店。
店に着いたのは13時40分と、かなりの出遅れ。
店は比較的空いていましたが、14時を過ぎる頃になるあたりから、お客がどんどん押し寄せ、いつしか満席状態に。

今回の限定麺は「春キャベツ泡白湯つけそば」(800円)。
これに限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」(200円)をセットにするスタイルは前回の限定麺と同様。

注文してから10分足らずで、村山店主が「こんにちわ」と挨拶を兼ねて、限定麺と限定飯がのったお盆をもってきてくれました。

今回はつけそば。
ということは麺量はラーメンより多いと考え、村山店主に麺量を聞くと、平打ちの太麺は、麺量250g。
これはかなりのボリューム。
「限定飯」も加わるので、満腹は必至。

麺は、ゆきちから、銀河のちから、ねばりごしをブレンドした麺幅約5ミリの平打ちの太麺。
もちろん自家製麺です。
加水率は37%。

具はグリーンや黄色など彩りも鮮やかな瑞々しい茹で春キャベツ。
豚肩ロース肉の低温調理チャーシューが1枚。

麺にさした赤いレンゲには、刻んだ筍が混ざる白金豚のそぼろがたっぷり。

麺が盛られた丼の縁には、これも春先が旬の「ふきのとう味噌」(ばっけ味噌)がトッピング。

つけ汁は、写真ではオレンジ色に映っていますが、実物はもっとホワイト寄り。
ブレンダーで泡立てた白湯スープです。

鶏、豚、野菜の白湯スープで、しかもオイル不使用。

まず麺をつけ汁につけずに、そのまま食べてみると、多加水麺ではなく、加水率37%の麺は、モチモチというよりも、コシがあって、歯応えを感じるタイプ。
麺を平打ちにすることで、麺が主張しすぎず、ある程度の軽やかをもたせています。

少し固めの麺をつけ汁につけると、麺が適度に柔らかくなり、コシがありながら、ツルツルと啜れる喉ごしの良い麺になります。

つけ汁は鶏、豚、野菜の白湯スープをブレンダーで泡立てたもの。
泡立てることで、白湯特有の重たさが軽減され、スープがライトな方向にシフト。
泡を溶くと、白湯の割にはさらっとしたスープが現れます。

鶏白湯がメインで、豚白湯は主張せず、スープのコクを出す下支え。
鶏白湯と野菜を組み合わせることで、鶏白湯の旨味を生かしながら、クセをなくし、野菜の風味も感じられるさらっとしたスープに仕上げています。

醤油ダレは地味ながら、つけ汁の旨味を増す役割を十分果たしています。

存在感のある平打ち麺と、それを受け止める白湯と醤油ダレを合わせたつけ汁とのマッチングが絶妙。

この個性的な麺とスープに加わるのが、季節を感じる具の数々。

まず商品名にもなっている春キャベツ。
茹でた春キャベツはグリーンと黄色の色合いが綺麗で、麺の盛られた皿の中でも一際目立ちます。

食べると柔らかく、甘味を感じます。
麺とスープとの間にあって、絶好の箸休め的な存在。

レンゲに山盛りされた筍の混じる白金豚のそぼろ。
これは限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」でトッピングされてい「そぼろ」と同じもの(「限定飯」では、もっと大きめの筍が添えられますが)。

粗挽きの白金豚は肉の旨味とジューシーさがたっぷり。
醤油、味醂、砂糖、酒などで味付けされています。
これらのタレが筍に良く滲み込み、シャキシャキとした食感の筍を食べると、タレが口の中に溢れてきます。

この筍入りの白金豚のそぼろをスープに入れて麺と一緒に食べると、スープのコクや旨味が一層増します。

もう1つユニークな具が、「ふきのとう味噌」(ばっけ味噌)。
やはり春先が旬の「ふきのとう」と味噌、サラダ油、味醂や砂糖などをブレンドしたペーストのような形状。

「ふきのとう」特有の苦味と香りを保ちながら、甘味をブレンドした独特の風味の味噌。

ペースト状の味噌をスープに溶かしてもよし、麺にのせてスープに軽くつけて食べるのもよしとは村山店主の説明。
もっとも、スープに溶かすと、ふきのとう特有の風味が薄れてしまいますので、麺にのせて食べた方が良いでしょう。

豚ロース肉の低温調理チャーシューは、生ハムのような食感と淡白で上品な味。
ユニークで季節感のある具が目立つなかで、同店の定番の豚ロース肉チャーシューが添えられることで、具のバランスが向上しています。

麺や具を食べ終えたあと、残ったつけ汁のスープ割りをお願いすると、アツアツの鶏スープを足してくれます。

鶏の旨味が増した割りスープを飲みながら、「限定飯」に移ります。
白飯に、白金豚のそぼろと筍がふりかけられ、カイワレがのるシンプルなミニ丼。

醤油、味醂、砂糖、酒などをブレンドしたタレで味付けした白金豚の粗ミンチや筍が、白飯と実に良く合います。
なかでも、タレをたっぷり吸った筍の美味しさは抜群。

最後は、割りスープを飲み干し、終了。
麺量250gのつけそばとミニ丼(限定飯)のセットは、やはり食べ応え満点。
1000円でお腹も心も満たされるのですから、これ以上のご馳走はないでしょう。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「春キャベツ泡白湯つけそば」と限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」(2019年4月13日)

    限定麺「春キャベツ泡白湯つけそば」と限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」(2019年4月13日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「春キャベツ泡白湯つけそば」と限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」(2019年4月13日)

    限定麺「春キャベツ泡白湯つけそば」と限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」(2019年4月13日)

  • 南部屋路ばた - 平打ち太麺と季節感のある具(2019年4月13日)

    平打ち太麺と季節感のある具(2019年4月13日)

  • 南部屋路ばた - 「泡白湯」スープ(つけ汁)(2019年4月13日)

    「泡白湯」スープ(つけ汁)(2019年4月13日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」(2019年4月13日)

    限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」(2019年4月13日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2019年4月13日)

    スープ割り(2019年4月13日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「春キャベツの泡白湯つけそば」の説明書き(2019年4月13日)

    限定麺「春キャベツの泡白湯つけそば」の説明書き(2019年4月13日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」(2019年4月13日)

    限定飯「白金豚と筍そぼろ飯」(2019年4月13日)

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2019/04訪問89回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「筍正油そば」と限定飯「たけのこご飯」。キレのある醤油ダレを背脂がうまく中和。筍の美味しさを浮かび上がらせた季節感ある一杯。筍たっぷりの炊き込みご飯も是非。

4月4日(木)

盛岡を離れ、東京に滞在中も気になっていた「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の「限定麺」。

そして先週後半から新しい限定麺「筍正油そば」が提供開始。
早速、マイフォロアーでもあり、いまもっとも脂がのっている宮城のラーメンライター・monica氏が同店を訪れ、素晴らしいレビューを上げています。

レビューを読むたびに、食べたくて仕方がない!

そんな気持ちを抱きながら、3日夜盛岡に戻りました。
4日午後早速、「南部屋路ばた」に直行。
まだ提供されていることをひたすら願いながら、店に入り、左手の券売機横を見ると、ありましたよ!限定麺「筍正油そば」。

それだけでなく、限定飯「たけのこご飯」も。

まさに筍づくし。
では、ラーメンとご飯で旬の味を楽しもうではありませんか。

〇限定麺「筍正油そば」(800円)+限定飯「たけのこごはん」(200円)

店到着は13時20分。
平日の午後ということもあり、お客は少なめ。
でも、私の前にアベックの2人。
最初は、通常の化調メニューを頼もうとした2人。
さすがに限定麺と限定飯の貼り紙に気づき、少々思案。

決めかねて私に先を譲ってくれましたが、私が限定麺と限定飯(ライスのボタン)の食券を買うと、それに続き、限定麺+限定飯。

ひっそりとしていた店内ですが、そのあとにお客が続々と入店。

恒例となっているカウンター一番奥の席に座り、限定麺と限定飯が到着するまで、スマホで撮った説明書きを読み、予習。
10分ほどの待ち時間で、お盆に限定麺と限定飯がのって到着。

テーブル席のアベックにも限定麺と限定飯が運ばれました。
「綺麗!」という女性の声が聞こえます。
お二人も限定麺の魅力にはまったかな?

まずは限定麺の「筍正油そば」。
濃い琥珀色の透明感のあるスープに、白金豚の背脂と刻み玉ネギがびっしり浮かんでいます。
上にのるのは、スライスされた茹でた肉厚の筍5枚。
それにチャーシュー2種。
これは「鶏そば」「煮干しそば」と同じ組み合わせの豚ロース肉の低温調理チャーシューと豚バラ肉の煮豚。
そしてカイワレとワカメ。

スープはもちろん無化調。

豚と鶏の清湯スープに筍のダシを足す驚きの手法。
具だけでなく、スープにも筍を使うという村山店主の冴えわたったセンスが光ります。

豚・鶏・筍のスープに醤油ダレを合わせ、さらに白金豚の背脂をふりかけるという発想。
私のような凡人には、さっぱりとした清湯スープに背脂を入れるなどという考えはまず浮かびません。

常識的に考えると、せっかくの清湯醤油スープが背脂でギトギトになってしまうのではないか?
それでは、さっぱりとした筍の風味が生かせないのではないか?
そう考えてしまいます。

でも、スープを飲んで、私の考えがいかに浅はかであったのかを痛感させられます。

スープはキレのある醤油ダレが良く効いたさっぱりとしたもの。
ベースとなる豚と鶏は、あくまでもスープのコクを出すための下支え。
鶏と豚の風味は控えめ。
むしろ感じるのは、やや角のある濃いめの醤油感。

これだけだと、醤油味が突出して、筍の風味や食感が負けてしまう。
そこで、背脂を加えて醤油味を程よいレベルに抑え、筍をクローズアップさせるのがねらいではないか。
そんな想像をしてしまう味の組み立て。

たしかに、白金豚の背脂にギトギト感は皆無。
むしろ、ほのかな甘みがあり、これがキレキレの醤油ダレをうまく中和。
醤油の旨みや香りを感じながらも、醤油の角はやや抑えられます。
さらに、背脂が過度に効きすぎないように、刻み玉ネギを添えるセンス。

以上のスープの組み立てからして、素晴らしすぎます。

麺は限定麺のために専用に打った自家製麺。
南部かしわの玉子、無農薬銀河のちから全粒粉、それからゆきちからをブレンドした切り刃20番、加水率35%の中細角ストレート麺です。

全粒粉ブレンドのため、少々茶色がかった麺は、食感的には「鶏そば」「煮干しそば」に使われる自家製麺(ゆきちからメインの加水率35%の麺)に似たポクポクした素朴な食感。

ただし、「鶏そば」等の麺にくらべると、モチモチ感よりも歯切れの良い食感を追求した感じ。
小麦の香りも十分。
麺量は160g。

二つ折りにした豚ロース肉の低温調理チャーシューは、生ハムのような食感と風味。
淡白な味ですが、肉の旨みを十分感じさせてくれます。
豚バラ肉の煮豚は、味付け濃いめのホロホロとトロけるようなタイプ。

それから主役の筍。
縦方向にスライスされていますが、茹でた筍を味付けをせずにそのまま出したというテイスト。
肉厚な筍は、サクサクとした食感とさっぱりとした風味。
そんな旬のナチュラルな味の筍が5枚ものっているのですから、ラーメンを通して季節を感じるという「限定麺」の目的にぴったり。
やはり筍の風味を生かすために、キレのある醤油ダレに甘味のある背脂をブレンドしたと勝手に解釈して、自分を納得させました(的外れだったらごめんなさい)。

筍ももちろんですが、ある意味それ以上衝撃的だったのが、ワカメの美味しさ。
私はラーメンのトッピングにはワカメは合わないという考えの持ち主。
しかし、この考えを本日をもって撤回します(笑)

やわらかく磯の香り豊かな新鮮なワカメ。
実は今回の限定麺に具として添えられたワカメを食べて、初めてワカメの美味しさに気づいた(オーバーかな)と言っても過言ではありません。

多めにのったカイワレが、スープに入る刻み玉ネギとともに、薬味としての役割を十分に発揮。

麺と筍、チャーシュー、カイワレ等を食べ終えたあと、残るのはスープと刻み玉ネギ、そしてワカメ。
この段階で刻み玉ネギと背脂とのマッチングを改めて感じるとともに、ワカメの美味しさを痛感します。
背脂と醤油ダレとの合流から始まった限定麺は、主役の筍の風味を楽しみ、ワカメと刻み玉ネギで終わるように組み立てられているかのよう。

スープを飲み干したあと、茶碗に盛られた「たけのこご飯」に移ります。
昆布ダシ、塩、醤油、味醂で炊きだした筍の炊き込みご飯。
これだけの食材が使われていることを感じさせない薄味の炊き込みご飯に、小さく刻んだ筍がたっぷり。
こちらも筍の風味と食感を生かしています。

ラーメンとご飯でお腹一杯。
同時に旬の筍をラーメンとご飯の両方で存分に味わうことができ、満足。
村山店主のセンスには、いつもながら脱帽させられます。

ちなみに、限定麺「筍正油そば」を、今週末も提供する予定とのこと。
是非ともラーメンで旬を感じに来てください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「筍正油そば」+限定飯「たけのこご飯」(2019年4月4日)

    限定麺「筍正油そば」+限定飯「たけのこご飯」(2019年4月4日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「筍正油そば」+限定飯「たけのこご飯」(2019年4月4日)

    限定麺「筍正油そば」+限定飯「たけのこご飯」(2019年4月4日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「筍正油そば」(2019年4月4日)

    限定麺「筍正油そば」(2019年4月4日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「たけのこご飯」(2019年4月4日)

    限定飯「たけのこご飯」(2019年4月4日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「筍正油そば」の説明書き(2019年4月4日)

    限定麺「筍正油そば」の説明書き(2019年4月4日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「たけのこご飯」(2019年4月4日)

    限定飯「たけのこご飯」(2019年4月4日)

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2019/03訪問88回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「金目鯛とあおさのりのつけそば」。金目鯛のアラダシの塩つけ汁には金目鯛の切身。自家製の平打ち麺にあおさのりを絡め、麺を汁につけると、金目鯛とあおさのりが一体化!

3月21日(木・祝)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺が登場!
今回は度肝を抜かれました。

何と「金目鯛」と「あおさのり」をフィーチャー。
しかも、それをつけそばでやってのけるのだから、想像を絶しています。

いつも書いていますが、最近Facebookで限定麺の告知をしなくなった村山店主。
そのため、限定麺更新のタイミングを見計らって、ネットで各種情報を収集。
昨日そんな情報網に新限定麺の提供開始がヒット。
「金目鯛」と「あおさのり」を使った独創的なつけそばとあっては、行かないわけには行きません。

当初、週末にしようかと考えましたが、食材が果たして週末まで残るかどうか不安があったので、今日訪問。
結局、「はなみち」→「南部屋路ばた」という連食を敢行することに。

○限定麺「金目鯛とあおさのりのつけそば」(1000円)

「はなみち」を13時前に出て、舘坂橋からタクシーで、上太田の「南部屋路ばた」に。
到着は13時20分。

さすがに週日の昼過ぎとあって、店はかなり混み合っています。
入店すると、券売機横に新しい限定麺のPOPを発見し、一安心。
通常、限定麺は800円ですが、今回は1000円。
限定麺の食券(800円)に「ライス」の食券(200円)をプラス。

幸いカウンター席に空席を見つけましたが、私の後の客は店内待ち。
ラッキーなタイミングでした。

今日のスタッフは、調理を一手に担当する村山店主。
お馴染みのベテラン女性スタッフ。
そして初見の老婦人のスタッフの3人。

いつもならもっと限定麺の注文が多いのですが、今日は意外に少ない。
知られていないのか、それとも1000円という価格が敬遠されたのか?

注文して10分あまり。
限定麺が到着。
つけそばですので、当然麺とつけ汁が別々の丼に入って運ばれてきます。

まず麺。
大きめの丼に、たっぷり入ったあおさのりと「昆布水」に絡めた平打ち麺が入っています。

もう1つの椀にはつけ汁。
塩つけ汁の表面は、ザク切りの九条ネギで埋め尽くされています。
具は金目鯛の切身が数個。
鶏ひき肉のつくねが2個。
それにおでんの具のように下茹でした大根がトッピング。

まず麺から食べてみます。

ゆきちから、ねばりごし、南部小麦をブレンドした小麦を使用した自家製麺。

加水率は39%。
麺幅約3ミリ程度の麺幅に、麺帯をうどん製麺機で切り出しています。
昆布水に漬った麺に大量のあおさのりを絡めています。

麺は多加水のツルツルした麺で、どんどん啜れます。
しかも、水で締めた麺はコシもモチモチ感も十分。
小麦の香り豊かな麺にぬるぬるとしたあおさのりが絡むと同時に、磯の香りが麺に乗り移ります。
麺量は230gとたっぷり。

つけ汁は昆布、鰹節、マグロ節、それに金目鯛のアラを足したスープに塩ダレを合わせています。

つけ汁はさっぱりとし塩ダレに昆布や鰹節などのダシが良く効いています。
それに金目鯛のアラと具の金目鯛の切身が加わり、金目鯛特有の上品な甘さがさりげなく感じられます。

ぬるぬるとしたあおさのりを絡めた平打ち麺をつけ汁につけると、今回の主役の二つである「金目鯛とあおさのり」が麺を介して一体に。

今まで数えきれないほどつけそばを食べてきましたが、こんなユニークでさっぱりしたつけそばは初めて。
まるで、高給な和食を食べているかのような錯覚に陥ります。

淡白な「金目鯛の切身」、生姜の良く効いた「鶏ひき肉のつくね」、そしてつけ汁をたっぷり吸ったジューシーな大根。

230gの麺を食べ終え、つけ汁の具を完食したあと、つけ汁が少し残ります。
そのまま飲み干しても良いのですが、あえてスープ割りをお願いします。

するとスープを足したつけ汁が戻ってきます。
九条ネギの食感をそれまで以上に感じながら、アツアツのつけ汁を飲み干します。

食後、割りスープは何だったんだろうかという疑問が浮上。

それほどさっぱりとした割りスープで、つけ汁に余計な味を加えません。
もしや「お湯」かな?
あるいは「金目鯛のアラだし」か?

疑問を感じ、退店するとき、村山店主に割りスープの正体について尋ねると、答えは「秘密」!

ツルツルでモッチリの抜群に美味しい自家製麺。
それをあおさのりと昆布水に絡め、金目鯛のアラ(+昆布や鰹節、マグロ節)ダシの塩スープのつけ汁につけて啜るとき、あおさの磯風味と金目鯛の上品な旨味が融合。
これを金目鯛の切り身でダメを押す仕掛け。

もちろん無化調・無添加。

季節感と店主の創造性、そして美味しさの三者が見事に融合した「創作つけそば」です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「金目鯛とあおさのりのつけそば」(2019年3月21日)

    限定麺「金目鯛とあおさのりのつけそば」(2019年3月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「金目鯛とあおさのりのつけそば」(2019年3月21日)

    限定麺「金目鯛とあおさのりのつけそば」(2019年3月21日)

  • 南部屋路ばた - 昆布水とあおさのりと絡めた自家製の平打ち麺230g(2019年3月21日)

    昆布水とあおさのりと絡めた自家製の平打ち麺230g(2019年3月21日)

  • 南部屋路ばた - 金目鯛のアラダシと塩ダレのつけ汁(金目鯛の切身や鶏つくね、大根、九条ネギなど具も一杯)(2019年3月21日)

    金目鯛のアラダシと塩ダレのつけ汁(金目鯛の切身や鶏つくね、大根、九条ネギなど具も一杯)(2019年3月21日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2019年3月21日)

    スープ割り(2019年3月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「金目鯛とあおさのりのつけそば」の説明書き(2019年3月21日)

    限定麺「金目鯛とあおさのりのつけそば」の説明書き(2019年3月21日)

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2019/03訪問87回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

限定麺「鴨鰹つけそば」と限定麺「カレーご飯」。鴨白湯に鰹節と焦がしネギをブレンドした濃厚なつけ汁で平打ちの太麺を。鴨チャーシューのイタリアンサラダも秀逸。「カレーご飯」はスパイシーなキーマカレー。

3月9日(土)

3月9日(土)から「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺と限定飯が登場。

本当は10日(日)に訪れる予定でしたが、待ちきれず「麺の極 はなみち」(盛岡市前九年)からの連食を敢行。

○限定麺「鴨鰹つけそば」(800円)と限定飯「カレーご飯」(200円)

「南部屋路ばた」には14時到着。
昨日(8日)と2日連続の訪問。

14時という時間のせいか、思ったよりも駐車場の車は少なく、すんなりカウンター席につくことがてきます。

券売機左の限定麺、限定飯の説明書きは更新。
早速食券を購入。
ちなみに、「限定飯」は「ライス」の食券を購入。
食券を渡すときに、「限定麺」を注文します。

待つこと約10分で、「鴨鰹つけそば」の麺とつけ汁、限定飯が同じ盆にのって運ばれます。

茶褐色の少しトロみのあるつけ汁には焦がしネギが浮かびます。
鴨ガラと丸鶏の白湯スープに鰹節粉、醤油、焦がしネギ油を合わせた無化調のつけ汁。

麺は、平打ちの太麺。
「ゆきちから」と「銀河のちから」をブレンドした自家製麺。
「ゆきちから」のふすまを練り込んだ平打ち麺は、加水率38%。
麺帯をうどん製麺機で、約5ミリの幅でカットしています。

麺の盛られた大皿には緑鮮やかな茹でた春キャベツがたくさん。
それ以外に、豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
そして、鴨ロース肉の低温調理チャーシューをイタリアンレタス、ルッコラ、マスタードグリーン(マスタード葉)、オレンジなどをオリーブオイルや酢、胡椒で和えたイタリアンサラダがつきます。

平打ちの太麺は、ツルツルとした食間に加え、モチモチ感も十分。
さらに、ゆきちからのふすまが効いて、噛むと小麦の香りが口の中に充満。
麺量は250gと、たっぷり。

つけ汁は鴨白湯ですが、鴨だけだとどうしても独特の臭みが出るので、鰹節と焦がしネギ油を加えています。
少々トロみのある鴨白湯ベースのつけ汁は、鴨の旨味に鰹節の風味や焦がしネギ油の香ばしさがミックスされ、かなり濃厚な味。

このつけ汁にツルモチの平打ち麺をつけて食べますが、そのときに柔らかくて甘味のある茹でた春キャベツを添えると、さっぱり感が出て、一層食べやすくなります。

豚ロース肉の低温調理チャーシューは柔らかくて淡白な味。
それでいて、肉の旨味がしっかりと詰まっています。

それ以上に驚いたのが、鴨ロース肉低温調理チャーシューのイタリアンサラダ。
食べやすくするため小さくカットされた鴨チャーシューには、甘めの下味がつけられています。
合わせる具は、先ほど述べたようなイタリアンサラダの定番。
イタリアンレタス、ルッコラ、マスタードグリーンなどを鴨チャーシューと一緒にオリーブオイルや酢、胡椒などのドレッシングで和えています。
鴨チャーシューの甘味と具の野菜の食感、とくにマスタードグリーンの淡い辛さ、ドレッシングの酸味のミックスは絶品。
しかも、サラダにはオレンジが入っていて、その甘味と酸味が良いアクセント。

ともあれ、麺の具であるサラダにこれほど凝っているとは驚きの一言。
村山店主のセンスがいかんなく発揮された一杯です。

麺と具を食べ終えたら、残った鴨白湯と鰹節のつけ汁をスープ割りにします。
割りスープは、意外にも昆布ダシ。
濃厚なスープをさっぱりとした昆布ダシで割ることにより、飲みやすくなります。
昆布の旨味が加わり飲みやすくなったスープ割りを完汁。

いよいよ「限定飯」の「カレーご飯」に移ります。

白飯の上にキーマカレーをのせたシンプルな外観ですが、食材には徹底的にこだわっています。
「クミン」「ガラムマサラ」「ターメリック」「カルダモン」などのスパイスを調合した自家製のカレー粉。

これをとりミンチ、白金豚のミンチ、トマトなどと混ぜたスパイシーで辛さも本格的なキーマカレー。

白飯の相性も抜群で、「はなみち」でラーメン一杯(麺量150g)、「南部屋路ばた」でつけそば一杯(麺量250g)の合計400gを食べたあとなのに、「カレーご飯」を瞬く間に完食。

「限定麺」と「限定飯」。
両者の相性はぴったりですので、是非とも両者を注文することをオススメします。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鴨鰹つけそば」と限定飯「カレーご飯」(2019年3月9日)

    限定麺「鴨鰹つけそば」と限定飯「カレーご飯」(2019年3月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鴨鰹つけそば」(2019年3月9日)

    限定麺「鴨鰹つけそば」(2019年3月9日)

  • 南部屋路ばた - 麺と春キャベツ、鴨チャーシューのイタリアンサラダ、豚ロース肉チャーシュー(2019年3月9日)

    麺と春キャベツ、鴨チャーシューのイタリアンサラダ、豚ロース肉チャーシュー(2019年3月9日)

  • 南部屋路ばた - 鴨白湯に鰹節、焦がしネギ油等をブレンドした濃厚なつけ汁(2019年3月9日)

    鴨白湯に鰹節、焦がしネギ油等をブレンドした濃厚なつけ汁(2019年3月9日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁を昆布ダシでスープ割り(2019年3月9日)

    つけ汁を昆布ダシでスープ割り(2019年3月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「カレーご飯」(2019年3月9日)

    限定飯「カレーご飯」(2019年3月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鴨鰹つけそば」の説明書き(2019年3月9日か

    限定麺「鴨鰹つけそば」の説明書き(2019年3月9日か

  • 南部屋路ばた - 限定飯「カレーご飯」の説明書き(2019年3月9日)

    限定飯「カレーご飯」の説明書き(2019年3月9日)

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2019/03訪問86回目

4.5

  • 料理・味4.5
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「煮干しそば」と「限定飯」。ビター感+醤油の旨みと相乗した濃厚な煮干し感は、「淡麗煮干し」ベスト1の味。「限定飯」は醤油等に漬け込んだ真たらこを乗せたシンプルな「たらこ飯」。

3月8日(金)

2月中旬に突然Facebookで、レギュラーの「鶏そば」を2月中でやめますと宣言した「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。

私も呼応して「鶏そば」食べ納めに「鶏そば(醤油)」と「鶏そば(塩)」を連食しました。

しかし、結果からいうと、Facebookをご覧の方はご存知のとおり、「鶏そば」はやめずに現在のままレギュラーとして残ることになりました。
要は、「鶏そば」に代わる新しいレギュラーメニューが納得の行く味にできなかったということ。
詳細も伺いましたが、是非再チャレンジしてほしいですね。

さて3月3日に前回の限定麺「はまぐり塩そば」が終了。
その後、どんな限定麺が出ているかなと様子見の訪問。
何せ、村山店主は限定麺のFacebookによる告知をやめてしまいましたから。

今日は夕方まで時間があったので、あえて閉店時間である15時に近い時間の14時30分に訪れました。

やはりというか、平日昼時や土日の喧騒が嘘のように落ち着いた店内。

店に入り限定麺は何かな?と券売機横のPOPを見ると、「鶏楽つけそば」(800円)。
これは今日までですが、あの中野の名店「栄楽(えいらく)」のつけそばをリスペクトした丸長系のしょっぱくて酸味の効いたつけ汁のつけそば。
「鶏ダシ」の鶏と「栄楽」の楽を組み合わせて「鶏楽」というわけ。

もう1つ貼り紙があったのでよく見ると、こちらは「限定飯」(200円)。
「真たら子と九条ねぎ飯」。
説明を読むと(若干アレンジ)、「新鮮な真鱈のたらこを醤油、酒、味醂、針生姜、一味等のタレに漬けたたらこ飯」。
これは美味しそう。

限定飯はミニ丼だが、「鶏楽つけそば」は麺がかなりの量。
前にも数回食べているので、今日は限定麺をやめて、久々の「煮干しそば」と「限定飯」との組み合わせとしました。

そういえば、券売機の上に貼ってあった「鶏そば」と「煮干しそば」の説明書きは撤去されています(説明書きに書いてあるレシピと今のレシピがかなり違うため)。

〇煮干しそば(750円)+限定飯「真たら子と九条ねぎ飯」(200円)

村山店主自身が運んでくれた煮干しそばと限定飯のセット。

まずは「煮干しそば」から。

琥珀色のスープの色は、以前よりも薄くなりました。
ビジュアル的には、「らぁめん サンド」(盛岡市西青山)の「煮干しそば」に近い色。
やや薄めの琥珀色のスープは表面は澄んでいながら、煮干しスープらしく底の方には濁りがあります。
スープ表面のオイルは、煮干しオイル。

丼の半分には何もトッピングされず、トッピングはもう一方の端に寄せらています。
これは綺麗に盛り付けられた麺線をみせるための工夫でしょう。
片端に寄せられた具は、豚チャーシューが2枚(ロース肉とバラ肉)。
枕木メンマが2本。
味玉ハーフ。
豚ロース肉チャーシューの上には、白髪ネギと笹切りの青ネギの組み合わせ。

スープはアツアツ。
食べる前から、煮干しの実に匂いが立ち上って来て、食欲を誘います。
もちろん無化調・無添加のスープです。

スープを飲むと、いきなり煮干しの苦み(ビター感)をともなう分厚い旨みがやってきて驚きの一言。
スープを啜り続けると、エグミは全く感じませんが、苦みはそこそこ。
それよりも煮干しダシと醤油ダレが明らかに相乗。
いい意味で苦みがアクセントをつける旨みのある煮干しスープに、これも旨みや香り豊かな醤油ダレが合わさり、「醤油マジック」を生んでいます。

要するに「醤油マジック」が「鶏そば」だけではなかった。
煮干しでも「醤油マジック」が働き、両者が完全に一体化(=同化)し、煮干しの旨みと醤油の旨みが相乗して、淡麗煮干しとしては空前絶後の旨みの水準に達しています。

煮干しの苦みと旨み、それに醤油ダレの甘味も含んだ旨みや香りが一体となり、分厚い旨みを形成するというか、別の表現を使えば、醤油ダレが煮干しスープの旨みを最大限引き出しています。

あえて背黒は使用せず、平子、白口、ウルメに昆布等を加えた煮干しスープ。
それに4蔵6種の醤油、つまり生揚げ醤油、再仕込み醤油、杉樽仕込み醤油等をブレンドし、味醂等を加えた醤油ダレを合わせています。
仕上げ油は、先に書いたように煮干しオイル。
アニマルオフの淡麗煮干しですが、煮干しスープと醤油ダレの相乗が素晴らしく、豊饒な旨みは「淡麗」の域を軽く超えています。

村山店主は煮干しをつぶすときに、頭やはらわたなど雑味の元となる部分を取り除いていないという。
そのため、苦みをある程度感じるスープになっていますが、そうした雑味的な部分を持ちつつも、全体としては旨み十分に仕上げ、しかもきちんと上品さを失わない味付けに着地させています。
その手腕は見事。

もちろん煮干しダシの出方は、当日使う煮干しの質にも左右されますが、それを含め、ブレを楽しめるのも無化調だからこそと村山店主は語ってくれました。

今後さらに使用する醤油を1種類増やすということで、村山店主のあくなき味の追求が続きます。

麺は、「ゆきちから」と「銀河のちから」をブレンド。
ふすまを練り込んだ自家製麺です。
切り刃20番、加水率38%の角ストレート中細麺。

強力粉の「銀河のちから」をブレンドすることにより、従来のポクポクとした素朴な食感でありながら、噛むとモチモチという部分のモチモチ感がさらに強化。
麺のコシが従来の「ゆきちから」単独ないし「ゆきちから」と「南部小麦」のブレンド以上に強まっています。
しかも、ふすま練り込みのため、噛むたびに小麦の香りが口の中に広がります。
麺量は160g。

具の豚チャーシューは2種類。
3つ折りにされた豚ロース肉の低温調理チャーシューは淡白な味付けで、スープの邪魔をしません。
その下に隠れているのがトロトロに煮込んだ豚バラ肉チャーシュー(煮豚)。

穂先メンマから枕木メンマに変わりましたが、シャキシャキとした食感がメインで、味付けはあえて薄めにとどめています。

白髪ネギと青ネギの笹切のミックスは爽やかな苦みとシャキシャキ感が印象的。
煮干し醤油スープを飲みながら、薬味のネギをつまんで食べると爽快感。
まさしく良い意味での口直しとして十分な役割を果たしています。

味玉ハーフも、トロトロで味付けも十分に施された黄身が実に美味しく、ハーフでなく、全部食べたくなります。

スープを残さず飲み干しても、底に煮干しを砕いた粉末がほどんど残らないというのも素晴らしい。

無化調アニマルオフの淡麗煮干しとしては、「サンド」と「南部屋路ばた」の「煮干しそば」が岩手では抜けています。

両者を比較すると、ビター感では互角。
醤油と相乗したトータルな煮干しの旨みの豊かさとその継続度という点では、「南部屋路ばた」が頭一つ抜けているという印象。

同店の裏メニューである「煮干しそば(塩)」と比較すると、塩ダレでは煮干しの素の旨みや苦みが表出しますが、醤油のような相乗や同化による芳醇な旨みの塊というところまでは行きません。

村山店主がレベルの高い「塩」を裏メニューにとどめているのも、やはり「醤油」が本命であって、煮干しスープと醤油ダレとのマッチングに最大限の神経を注いでいるからだと勝手に考えています。
もちろん、「塩」も「煮干し」ダシの原型的な味を確認するという意味では貴重なので、裏メニューといえども提供してくれるのは本当に嬉しいです。

さて、「煮干しそば」を完汁したので、「限定飯」の「真たら子と九条ねぎ飯」に移ります。

小さな丼に白飯が盛られ、その上に醤油、酒、味醂、針生姜、一味などのタレにつけた真鱈の新鮮なたらこがのっています。

たらこの上には一味がふりかけられ、脇には九条ネギ。
それから大きな焼き海苔が1枚添えられています。

生のたらこを含む新鮮な真たらこにタレの旨みや辛みが滲みこみ、ご飯の友としてラーメンを食べたあとでもどんどん食が進みます。
新鮮なたらこのしっとりとした粒々感も出色。
九条ネギの爽やかな苦みとの組み合わせも良好で、ミニ丼というのが惜しい感じ。

さて、本日(3月8日)で限定麺「鶏楽つけそば」と限定飯「真たら子と九条ねぎ飯」はおしまい。

明日(3月9日)から新しい限定麺と限定飯が始まります。
詳細は行ってのお楽しみ。
あっと驚くメニューが待っていると思いますよ。

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば」(2019年3月8日)

    「煮干しそば」(2019年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば」(2019年3月8日)

    「煮干しそば」(2019年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「真たら子と九条ねぎ飯」(2019年3月8日)

    限定飯「真たら子と九条ねぎ飯」(2019年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 券売機の左下のボタンが「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」(2019年3月8日)

    券売機の左下のボタンが「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」(2019年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定飯「真たら子と九条めぎ飯」の説明書き(2019年3月8日)

    限定飯「真たら子と九条めぎ飯」の説明書き(2019年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏楽つけそば」の説明書き(2019年3月8日)

    限定麺「鶏楽つけそば」の説明書き(2019年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 水はπウォーターを使用(2019年3月8日)

    水はπウォーターを使用(2019年3月8日)

  • 南部屋路ばた - 平日は15時で閉店(2019年3月8日)

    平日は15時で閉店(2019年3月8日)

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2019/02訪問85回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「はまぐり塩そば」。ハマグリとホンビノスの貝ダシに昆布や煮干しの和ダシ、塩ダレを合わせた貝の旨味たっぷりのアニマルオフ無化調塩ラーメン!

2月24日(日)

昨日(23日)から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の最新の限定麺。

実は昨年の同時期にも「はまぐり塩そば」が限定麺として提供されました。
それと基本線は同じながら、いろいろな点で進化がみられるのが面白い。

○限定麺「はまぐり塩そば」(800円)

今日も盛岡は4月頃の陽気。
暖かさに誘われ、日曜もあって午後の「路ばた」は大混雑。
調理を一手に担当する村山店主と配膳や洗い担当のベテラン女性スタッフ2人の計3人は大車輪の活躍。

何とかカウンター席に空きを見つけて、いつものようにスマホで撮影した限定麺の説明書きを予習していると、あっという間にラーメンが到着。
神業のようなスピーディーな調理には、頭が下がります。

到着した「はまぐり塩そば」の2019年バージョン。

いつも言っていますが、写真ではどうしても茶色っぽく映ってしまいます。
実物はもっと淡い色。
やや濁りのある塩スープに中細ストレート麺が麺線美しく盛り付けられています。
まるで芸術品のような麺の盛り付け。

具は大きな三つ葉が2枚。
白髪ネギ。
それに2つ折りにした豚ロース肉低温調理チャーシューに、茶色のペーストと可愛いピンクの花麩がのっています。

昨年のハマグリとホタテに代わり、ハマグリとホンビノス貝の貝ダシ。
これに合わせる和風ダシは昆布と煮干し。
それに塩ダレを合わせています。 
動物系不使用のスープです。

スープをいただくと、ホンビノスを加えたことで、貝ダシの旨味がさらに強化。
かといって、貝ダシがガツンの来るのではなく、和ダシの好アシストを得て、じんわりと効いてくる感じ。
塩加減もちょうど良く、貝と和ダシが調和した旨味にナチュラルな塩味が加味されます。

もちろん無化調スープなので、雑味や人工的な甘味もなく、食材の自然な旨味のミックスを楽しむことができます。

麺は中力粉メインの専用麺。
切り刃20番、加水率38%の角ストレート麺。
ゆきちからメインで「ふすま」入りの「鶏そば」「煮干しそば」の麺はポクポクとした素朴な食感。

これに対し、中力粉メインのふすまなしの麺は、もっと滑らかでモチモチ度も上がっています。
さっぱりとした貝ダシのスープにペストマッチの麺。
麺量は150g。

2つ折りの豚ロース肉低温調理チャーシューは、柔らかくて淡白な味。
このロース肉チャーシューの淡白さも、貝ダシと調和。

ロース肉チャーシューにのっているペーストは、マッシュルームとポルチーニ茸のオイル。
それほど強い味わいではないので、スープに溶かしても風味が大きく変わるというわけではありません。
それでも和風のスープに洋風のテイストが加わり、スープの華やかさが増してきます。

花麩のモチモチとした食感も、塩ラーメンの良いアクセント。

今回は大きめの三つ葉が2枚。
最後に三つ葉の良い香りが余韻を残すという計算し尽くした一杯。

盛岡にいながら、あの「そばはうす金色不如帰」(新宿御苑前)に匹敵するハマグリダシ+和風ダシ+洋風ペースト+自家製麺+無化調の洗練された塩ラーメンを食べることができる喜び。

しかも、決して東京の名店をフォローするだけでなく、自らの個性をきちんと打ち出している上質な塩ラーメン。

こんな極上の一杯を手軽に食べることができるのですから、「路ばた」通いはやめられません。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「はまぐり塩そば」(2019年2月24日)

    限定麺「はまぐり塩そば」(2019年2月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「はまぐり塩そば」(2019年2月24日)

    限定麺「はまぐり塩そば」(2019年2月24日)

  • 南部屋路ばた - 「はまぐり塩そば」の説明書き(2019年2月24日)

    「はまぐり塩そば」の説明書き(2019年2月24日)

  • 南部屋路ばた - 「限定麺」のボタン(2019年2月24日)

    「限定麺」のボタン(2019年2月24日)

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2019/02訪問84回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「カレーそば」。鶏白湯ベースにスパイスとラー油等をブレンドした本格的なカレースープに2種のペーストとペッパーチキン。和・洋・中・印の合わさった独創的無化調カレーラーメン。

2月22日(金)

今日の盛岡は4月中旬頃の陽気。
上田で仕事をするついでに、昼食に「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)を訪れました。
ターゲットは、昨日提供情報を入手した限定麺「カレーそば」。

これまで限定で「冷しカレーそば」を何回か食べたことがありますが、アツアツのカレーそばにはあまりお目にかかったことがありません。

カレー好きな私としては、絶対外せないメニュー。

○限定麺「カレーそば」(800円)

13時過ぎに「路ばた」に着くと、今日はなぜかカウンター席が一杯。
テーブル席や座敷は空いているのに、カウンター席が混むという珍しい光景。

何とか空席をみつけ、限定麺の食券を女性スタッフに渡します。

まわりをみると、やはり「鶏そば」「煮干しそば」「限定麺」の3種に人気が集中。

これから書きますが、「カレーそば」はかなり凝った内容。
そんな凝りに凝ったラーメンが、注文から5分程度で出てくるというスピーディーな調理はいつものこと。

目前の「カレーそば」は、鶏白湯スープをベースにクミン、コリアンダー、ガラムマサラ、カルダモンなど5種類のスパイスをブレンドした本格的な自家製のカレー粉を合わせています。

さらに醤油ダレを加え、仕上油はラー油。

ラー油が効いてカレーらしい黄色というよりも、赤色のスープ。
そこに緑と白の2種類のペーストが浮かんで、彩りも華やか。
このペーストが独創的。
緑のペーストは、はじめ「冷しカレーそば」で使ったバジルオイルかと思いましたが、実は寒締めほうれん草のペースト。
白いクリーミーなペーストは、豆乳とカシューナッツとパルミジャーノ・レッジャーノ(イタリアを代表するチーズ)をブレンドしたもの。

具は、素揚げ牛蒡がたっぷり。
その上に糸唐辛子が添えられ、ビジュアル的なインパクトも絶大。
さらに皮付きのペッパーチキン、ブロッコリー、メンマも加わる贅沢さ。

以上の食材からも分かるように、和・洋・中・印の枠を超えて自在に食材を駆使。
しかも季節感を生かした一杯にまとめ上げる村山店主のセンスが光る一杯です。
もちろん無化調スープ。

鶏白湯ベースですが、スープはさらっとしています。
スパイスを調合した本格的なカレー味に加えラー油が使われているので、辛さは本格的。
ただし、そこに醤油がうまく効いて、さりげなく和風感を醸し出しています。

麺は、岩手県産のゆきちからをメインに使った自家製麺。
加水率は38%。
うどん製麺機で麺幅約2.5ミリほどでカットした中細の平打ち麺。
ツルツルした食感と喉越しの良さが抜群。
しかも、平打ちだけに、カレースープを良く持ち上げます。
麺量は170g。

トッピングの素揚げ牛蒡は、カリッとした食感と香ばしさが出色。
皮付きの鶏モモ肉に胡椒をふりかけ焼き上げたペッパーチキン4枚は、昨年の限定麺「冷しカレーそば」以来。
コリコリとした食感と胡椒のスパイス感がうまくマッチ。
カレースープにぴったりのチャーシューです。

肉厚で正方形という変形メンマの食感の面白さ。
緑色がカレースープに映える箸休め的なブロッコリーなど、細かい具材も凝っています。

さらに注目すべきは2種類のペースト。
最近限定麺で良く使っている旬の食材・寒締めほうれん草を、ペーストにしてしまったのには驚き。
溶かすと、赤いスープに緑のペーストが混ざり、色合いの変化が楽しめます。
色合いの変化だけでなく、スープにほのかな甘みが加味されるのにも注目。

そして豆乳・カシューナッツ・チーズをブレンドしたホワイトペースト。
こちらを溶くと、予想通り、カレースープがまろやかな風味に味変。

2種のペーストで色変と味変が楽しめますが、後半になると改めてカレーの味が強くなり、辛さが一層増してきます。

もちろんスープを完食。

スパイスから調合した本格的なカレーラーメンをつくるだけでなく、鶏白湯や醤油、ラー油などと合わせるセンス。
トッピングの素揚げ牛蒡とペッパーチキンとの組み合わせ。
2種のペーストによる味変と色変。
さらに、カレースープにぴったりのツルツルした食感で旨みのある自家製平打ち麺など、随所に村山店主の独創性が光ります。

季節感を出すのが難しいカレーラーメンに、バジルオイルの代わりに寒締めほうれん草のペーストを投入ところなど、凡人の私には想像もつかない発想。

創造性だけでなく、美味しさも抜群。
スパイシーなカレーラーメンとして十分に成立している無化調ラーメン。

是非もっとたくさんの方に食べて欲しかったのですが、村山店主によると今日(22日)でおしまい!
明日(23日)から新しい限定麺が始まるという。
そうなると、週末また訪れなければなりませんね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「カレーそば」(2019年2月22日)

    限定麺「カレーそば」(2019年2月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「カレーそば」(2019年2月22日)

    限定麺「カレーそば」(2019年2月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「カレーそば」の説明書き(2019年2月22日)

    限定麺「カレーそば」の説明書き(2019年2月22日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタンは、券売機の一番下(2019年2月22日)

    「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタンは、券売機の一番下(2019年2月22日)

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2019/02訪問83回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

「鶏そば」の醤油と塩を食べ納め

2月11日(月・祝)

2月の3連休。
昨日は疲れが出て、ラーメン休養日としましたが、最終日の今日は2月中旬に終了する「鶏そば」の食べ納めに、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)へ。

連休最終日は近場で食事をする方が多いだろう。
中でも、ラーメンマニアの人気が終了間近な「鶏そば」に集中するだろうから早々とスープ切れ?
そんな気持ちから、いつもより早めの出発。

それでも開店時(11時)に行くのではなく、13時に到着というのが出不精な私らしいところ。

○「鶏そば(醤油)」(750円)

さぞや混んでいるかと思いきや、13時には5割程度の入り。
その後、お客がどんどん押し寄せましたが、私の入店時は落ち着いた雰囲気。
3連休の間、11時から20時まで働きづめの村山店主も、疲れを感じさせない余裕。
それでは、「鶏そば」ラストなので、食べ納めとして「醤油」と「塩」を連食したいと申し入れ。

「鶏そば」といえば、デフォは「醤油」。
実は裏メニューで塩もあり、同店のコアなファンに人気があります。
もちろん、塩ダレはいつも用意されているわけでなく、なければ「できません」ということになります。

今日の連食申し入れに対し、村山店主はOK。
「ありがとう」
では、最初に「醤油」から行きましょう。

注文から5分も経たずに、村山店主自ら運んでくれた「鶏そば(醤油)」。

逆円錐形の白い丼に濃いめ琥珀色のスープ。
表面に鶏油が浮き、キラキラと輝いています。
自家製の中細ストレート麺が麺線綺麗に盛り付け。
具は、2つ折りした豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
その下に豚バラ肉の煮豚が隠れています。
その他、穂先メンマに薬味として白髪ネギと青ネギの細切りのミックスと味玉ハーフ。

スープは親鳥の丸鶏とπウォーターだけの「鶏と水のみのスープ」。
鶏は銘柄地鶏にではなく、「普通の鶏」を使用。

券売機の上にはスープとタレの説明がありますが、これはかなり前のバージョン。
「鶏と水のみのスープ」は変わっていませんが、醤油ダレの食材は大幅に変化。

基本的なアイデアは、銘柄地鶏に比べ旨味の点で劣る食材をカバーするため、醤油ダレを厚めにするというもの。

最初は生醤油メインのブレンドで、比較的酸味が強いタレに。
その後、再仕込み醤油や杉樽仕込み醤油の割合を高め、酸味よりも醤油のコクや旨味を強調(味醂や酢をブレンド)。

今日はどうでしょうか?

スープを飲むと、鶏の旨味と上品な鶏油がブレンドされた「路ばた」独自のさっぱりとした鶏の旨味。
それに続いて醤油ダレの旨味。

今回醤油ダレは少々甘め。
もちろんベタベタとした甘味ではなく、タレのコクや香りに加え、ほのかな甘味が感じられ、これと鶏の旨味が融合。
「たまりや味醂を増量したかな」と勝手に想像。
村山店主に確認すると、醤油の種類をさらに増やし、今後の展開を見据えた実験的なものという。

鶏ダシと鶏油がドッキングしたさっぱりとした過剰感のない鶏の旨味は同店の特徴。

これと合わせる醤油タレの調整により、毎回受ける印象が微妙に変わるのも、醤油ダレが鶏の旨味を増幅するタイプの「鶏そば」ならでは。

鶏と水のスープと醤油ダレとのバランスを志向する「らぁめん サンド」(盛岡市西青山)。
「鶏と水のスープ」を醤油ダレで増幅する「南部屋芦ばた」。
いずれも、スープやタレは完全無化調。

麺は、岩手県産の「ゆきちから」100%の自家製麺。
練り込まれる全粒粉も、ゆきちから
のもの。
切り刃20番、加水率は、今日は37%。
角ストレート中細麺です。

ポクポクとした素朴な食感。
噛むと程良いコシとモチモチ感。
そして、小麦の香り高い素晴らしい麺です。
麺量は160g。

2つ折りした豚ロース肉低温調理チャーシューは、柔らかい食感と淡白な味。
対照的に、豚バラ肉の煮豚はホロホロとして口のなかで溶けてしまいそうな食感。
味付けは濃いめ。
トロッとした黄身がスープに溢れそうな味玉ハーフ。

シャキシャキとした食感の穂先メンマは薄めの味付け。

「サンド」の王道型の鶏そばに対し、「路ばた」の鶏そばは、丸鶏や鶏油の旨味を醤油ダレで増幅。
そのときどきの醤油の種類やブレンド、その他食材の違いにより、「酸味」「コクや香り」「甘味」など変化するタイプ。
にもかかわらず、芯となる鶏ダシの風味にはしっかり同店だけの個性があります。

鶏ダシの個性を、変幻自在の醤油ダレにより微調整する「路ばた」の「鶏そば(醤油)」。
このアプローチが、「鶏そば」終了によりどう継承されるのか、それとも変わるのか、楽しみです。

○「鶏そば(塩)」(750円)

続いて「鶏そば(塩)」が着丼。

いつも書いてますが、写真では茶色っぽく映っていますが、実物は、もっと透明感のあるスープ。

「普通の鶏」親鳥の丸鶏とπウォーターだけでとった「鶏と水のスープ」という点では、当然「醤油」と同じ。

塩ダレは、4種類の塩をブレンド。
少量の貝ダシと数種の食材を足しています。
それでも、以前の塩ダレに比べ、塩以外のダシ成分を最小限にし、塩本来のエッジ感を出すようにしています。

スープをいただくと、最初は塩角が立っている感。
それでも、醤油ダレのような「味付け」がないので、鶏だしと鶏油そのものの旨味がストレートに感じられます。

鶏ダシの旨味は、醤油でも感じられたあっさりしながらも、しっかり鶏の存在感を出した同店ならではのもの。
この「鶏そば」のベーシックな味をしっかりと確認できるのが「塩」の楽しみ。

銘柄地鶏に比べ旨味が劣ることから、「醤油」から「塩」に変えると、かなり味が薄くなるのではないかと危惧する向きもあります。

でも、心配ご無用。
「塩ダレ」でも、決して物足りなくありません。
むしろ、同店独自の鶏ダシは塩ダレとの親和性があると感じるほど。

繰り返しになりますが、同店の鶏ダシの旨味は、しっかりと抽出された銘柄地鶏由来のダシには及ばないかもしれません。
しかし、村山店主の卓越した手腕で、決して不足のない旨味を出しています。
それがさっぱりとした食べやすい味であることから、醤油ダレによる増幅にも、塩ダレによるナチュラルな表出にも耐えうるのです。

麺や具は醤油と同じですので、説明は省略します。
塩で面白かったのは、豚バラ肉煮豚のやや濃いめの味付けと少々の脂っぽさが塩スープにダイレクトに反映。
その結果、最初のあっさり感から後半にいたり、醤油以上のオイリー感が現れます。

こんな違いに気づくのも、醤油と塩を食べくらべているから。

提供ラストの日が発表されるのか、それとももこのまま静かに消えていくのか?

それはともあれ「鶏そば」提供終了が迫っています。
もしお腹に余裕があれば、「醤油」と「塩」を食べ比べてみることを推奨します。

まだ私の発見していない微妙な違いを発見てきるかもしれません。

「鶏そば」後継のメニューが一体何になるのか?本当に楽しみです。

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(醤油)」(2019年2月11日)

    「鶏そば(醤油)」(2019年2月11日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(醤油)」(2019年2月11日)

    「鶏そば(醤油)」(2019年2月11日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」(2019年2月11日)

    「鶏そば(塩)」(2019年2月11日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」(2019年2月11日)

    「鶏そば(塩)」(2019年2月11日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」「煮干しそば」のボタン(2019年2月11日)

    「鶏そば」「煮干しそば」のボタン(2019年2月11日)

  • 南部屋路ばた - 券売機上の「鶏そば」の説明書き(古いバージョンで、今ではタレの食材が大幅に変わっている)(2019年2月11日)

    券売機上の「鶏そば」の説明書き(古いバージョンで、今ではタレの食材が大幅に変わっている)(2019年2月11日)

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2019/02訪問82回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「セリと鴨のつけそば」。鴨ダシと鴨脂など鴨づくしのつけ汁にはセリがたっぷり。麺はピロピロモチモチの平打ち麺!黒コショウがいい仕事をしています!

2月8日(金)

昨日(2月7日)から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
3連休のうち、日・月の2日休めますが、どちらかに同店ラストの「鶏そば」を食べたいので、早めに新限定麺を食べに行きました。

いつも気温の話をしていますが、今日(8日)の盛岡は最高気温が何とマイナス5℃という真冬日。
このまま行くと、日付の変わる午前0時にはマイナス12℃まで下がるとの予報。
明日(9日)は最高気温は相変わらず真冬日でマイナス1℃。
最低気温は-13℃まで下がるという。
そんな中、明日は仕事のため早朝の出発なので、辛い心境。

ともあれ、極度の寒さのなか、「南部屋路ばた」に向かいました。

到着は13時30分頃。
平日のこの時間はそろそろ客足が落ち着く時間帯ですが、駐車場は車で一杯。
私がカウンター席に座ったあとにも、どんどん客が押し寄せます。
その多くが「鶏そば」を注文。
もちろん「限定麺」「煮干しそば」や化調入りの「南部手もみラーメン」(種類豊富)を頼む客もいますが、私の隣の客は、限定麺を食べた後、「鶏そば」を連食する勢い。

今月中旬惜しまれながら、提供終了となる「鶏そば」を愛するファンがいかに多いのか、この悪天と厳寒の中での混雑に表れています。

○限定麺「セリと鴨のつけそば」(920円)

前回の「鱈白子と寒締め法蓮草の味噌つけそば」に続き、今回も中力粉メインで製麺した多加水寄りの平打ち麺を合わせるつけそば。

ただし、前回は主役が鱈白子(たらきく)と寒締めほうれん草でしたが、今回は鴨とセリが主役。
つけ汁も白味噌から醤油に変わっています。

それほど待たずに到着したつけそばとつけ汁。

中央が窪んだ大きな白い皿の窪みに麺が盛り付けられています。
麺の上に、刻み海苔を振りかけ。

皿の縁には具や薬味。
まずは粗挽きの黒コショウ。
よく見たら、昨年3月に提供され、大評判だった限定麺「黒胡椒と鴨のつけそば」(800円)と、つけ汁、具、薬味ともにそっくり。
というか、価格があがったことから分かるように、昨年のメニューよりもさらにグレードアップしています。

粗挽きのコショウは、おそらく昨年使ったマレーシア産の早生品種の黒コショウでしょう。
今回はとくに説明書きでも触れていません。

鴨肉チャーシューは、昨年は白ネギをチャーシューで巻いていました。
今年は、濃いロゼカラーの鴨肉の低温調理チャーシュー2枚に玉ネギの煮物がのっています。

緑の濃い九条ネギのように見えるのは、実は葉玉ネギ。
さらに前回はなかったメンマが2本のります。
このメンマは幅広で長さが短く、厚みがあるというユニークな形状の一口サイズ。
以前、花巻市の「麺屋 わかな」が使っていたメンマに形がよく似ています。

岩手鴨のダシと鴨脂でとったスープに生醤油メインの醤油ダレと鴨チャーシューのタレを合わせたつけ汁には、これも昨年と同じでスープが見えなくなるほど、セリがびっしり浮かんでいます。
セリの葉と茎と根が全部入っているというワイルドさ。
セリ好きな私としては、1年ぶりの再会が嬉しいかぎり。

つけそばの恒例として、最初につけ汁につけず、麺をそのまま食べていきます。
中力粉メインの自家製麺。
加水率は39%。麺幅は3ミリ程度。
麺の厚みは昨年よりも少々ある模様。

平打ちで少し縮れが入っていますが、手揉み麺というほどの縮れではありません。
ふすまを入れない麺は、ツルツルとして平打ち麺特有のピロピロ感がありますが、昨年よりもほんの少し厚みが増したせいか、モチモチ感が昨年よりも増しています。
つけ汁につけないで、そのまま食べると、小麦の風味を感じ、麺をどんどん食べたくなります。
麺量は230g。

そこで麺を食べるのを止め、つけ汁に移ります。
鶏よりも濃厚な鴨の風味を強く感じますが、臭みはなく、鴨の風味と生醤油の酸味、そして鴨脂のオイリーさがうまく混じったつけ汁。
それに大量に入ったセリのシャキシャキとした食感と軽い苦みがうまくミックスして、鴨の濃厚感を緩和させ、さっぱりとしたつけ汁を実現。

今年は薬味の黒コショウの使い方に関する説明がないので、昨年の記憶を呼び覚ましながら食べることに。

はじめは黒コショウをつけずに、麺をそのままつけ汁に投入。
つけ汁の鴨と生醤油の風味が平打ち麺に絡み、セリと一緒に食べるつけそば。
これだけでも季節感と美味しさは十分。

鴨肉の低温調理チャーシューは柔らかくクセもさほどありません。
上にのっている玉ネギの煮物が鴨の微かなクセをうまくカバー。
その結果、両者を一緒に食べると、鴨チャーシューの美味しさがさらに増進。

九条ネギのようにカットされ、色の九条ネギのような葉玉ネギ。
食べると、苦みのあるネギとは対照的な甘みとやはり玉ネギの風味。

変わった形状のメンマは、柔らかく煮込んでいて、食べると口の中でタレのジュースが溢れます。
甘味のあるタレ(醤油と味醂?)とメンマの発酵臭をドッキングさせた風味は、昨日の「麺屋 から草」のメンマを想起させます(形状は全く違いますが)が、今日のメンマの方がもっとさっぱりとした味付け。
しかも肉厚なので、一口サイズのメンマを丸ごと口に含み、メンマの食感を十分に味わう醍醐味があります。
食感的には「びいどろ」の極太メンマを想起させます。

再び麺に戻り、今度は麺の上に黒コショウをのせて、コショウがつけ汁に落ちないように、さっとつけてから麺を食べます。
すると、コショウの独特の辛さと風味が強く感じられ、今まで食べてきた味と一変。

この黒コショウを麺にのせることによる味変が、昨年と同様、今回のつけそばの真骨頂。
鴨ダシや鴨脂のオイリーさを大量のセリが緩和。
さらに後半に黒コショウを麺にのせることにより、今度はコショウの風味が主張する展開。

麺と具を全部食べたあと、残ったつけ汁のスープ割りをお願いします。
すると、割りスープも鴨ダシ。
再度鴨の風味が強くなったと思いきや、スープを飲み干すと、底に黒コショウが隠れていて、それを噛むと、舌がピリピリするような辛さと痺れと爽快さ。

基本的には昨年の「黒胡椒と鴨のつけそば」と同じ構成で、同様な味変を楽しめますが、麺やスープ、具を微調整。
その結果、つけそばとしての完成度がさらに向上。

昨年の「黒胡椒と鴨のつけそば」を食べた方にも、そして初めて食べる方にも、是非とも鴨ダシとセリと生醤油がマッチングしたつけ汁、ピロピロモチモチ食感の自家製平打ち麺、さらに黒コショウの効き具合などをお試しいただきたいと思います。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「セリと鴨のつけそば」(2019年2月8日)

    限定麺「セリと鴨のつけそば」(2019年2月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「セリと鴨のつけそば」(2019年2月8日)

    限定麺「セリと鴨のつけそば」(2019年2月8日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具と薬味(2019年2月8日)

    麺と具と薬味(2019年2月8日)

  • 南部屋路ばた - セリが大量に浮かんだ鴨ダシのつけ汁(2019年2月8日)

    セリが大量に浮かんだ鴨ダシのつけ汁(2019年2月8日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2019年2月8日)

    スープ割り(2019年2月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「セリと鴨のつけそば」説明書き(2019年2月8日)

    限定麺「セリと鴨のつけそば」説明書き(2019年2月8日)

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2019/02訪問81回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

白味噌のつけ汁に「鱈の白子」はじめ旬の食材を合わせた季節を感じるつけそば

2月2日(土)

昨日(2月1日)、Facebookでレギュラーメニュー「鶏そば」を2月中旬に終了すると宣言。

「鶏そば」を愛する岩手県内や近県のファンに大きなショックを与えた(オーバーかな?)「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主。

しかも、昨日から提供開始した新しい限定麺「鱈白子と寒じめ法蓮草の味噌つけそば」は、味噌ダレがなくなり次第終了。
「この土日でなくなると思います」と村山店主自身述べている以上、こちらも猶予なし。

さあどうするか悩んだ挙げ句、まずは急を要する限定麺を先に食べることにしました。

「鶏そば」は来週食べに来ると決意して、「麺の極 はなみち」(盛岡市前九年)からの限定麺連食。

もっとも、来週の平日「鶏そば」を
食べに来たら、今度は次の限定麺が登場。
「選択の悩み」は尽きませんね。

○限定麺「鱈白子と寒じめ法蓮草の味噌つけそば」(920円)

舘坂橋からタクシーで「南部屋路ばた」に直行。
幸い13時前に到着。
土曜だけあって、店前の駐車場は車で一杯。
店内に入ると満席状態。
券売機で限定麺の食券(800円)と大盛(120円)の食券を購入。
これで合計920円。

カウンター席が埋まっているので、スマホで撮影した限定麺の説明書きを読みながら、席が空くのを待ちます。

約10分の待ち時間で、カウンター席の一番左端が空き、席につきます。
それから限定麺が到着するまでが早かった!

今回のつけそばは、村山店主によると、前の前の限定麺「あん肝味噌そば」の鶏白湯ベースの白味噌スープが余ったので、これを転用したもの。
そのためスープの量が少ないため、日曜には終了する見込み。

カウンター席に座っていると、やはり「鶏そば」終了のアナウンスが効いたのか、いつも以上に「鶏そば」の注文が多いですね。

限定麺は「ゆきちから」など強力粉メインの同店には珍しく中力粉メインで製麺。

加水率39%、麺幅約4~5ミリの平打ち麺。
麺量は230g。

麺の上に、「たらきく」(鱈の白子)が3つ。
「たらきく」の上には、糸唐辛子が添えられています。
さらに極太の穂先メンマと寒締めほうれん草がトッピング。

つけ汁は、鶏白湯スープに白味噌をブレンドした「あん肝味噌そば」のスープを濃縮。
それに生姜オイルを加えています。
つけ汁の表面は「葉玉ネギ」の細かいカットと刻みネギでびっしりと覆われ、白味噌のスープが見えないほど。

まずは麺をそのまま食べてみます。

ツルツルとした滑らかな食感で、平打ちながら啜り心地は満点。
さすが中力粉メインだけあります。
小麦の香りも強く、麺を食べる喜びに浸ることができます。

次に岩手県では「たらきく」と呼ばれる(見た目が菊の花のように見えることから)「鱈の白子」を1つ口に含みます。
ふわっとして柔らかく、クリーミーな食感が口一杯に広がります。

さらに、しっとりとした緑の濃い「寒締めほうれん草」を少しいただきます。
寒気にさらしながら育成したほうれん草で、1月から2月が旬。
今まさに旬の食材。

一般のほうれん草よりも柔らかく優しい食感。
風味もほうれん草よりも甘め。
ビタミンCやE、β~カロチンをたくさん含む栄養豊かな野菜。

つけ汁に目を転じ、レンゲでスープを飲んでみます。
「あん肝」の時にはやや甘めのおとなしい白味噌スープが、白味噌の風味を生かしながら、つけ汁らしくインパクトのある味に変身。

最初、酢が入っているのかと村山店主に聞いたくらい。
白味噌と鶏白湯ではつけ汁としては物足りないのでは?という不安は見事に払拭。
生姜オイルの効果もしっかり感じられます。

表面を覆っている緑色の濃いネギののような野菜が「葉玉ネギ」。
玉ネギの玉がふくらむ前に葉をつけたまま収穫したもの。
柔らかくて、ネギのような強い香りがなく、優しい甘味が特徴。
葉玉ネギも、旬は1~2月。

いよいよ麺を白味噌のつけ汁につけて食べます。
幅広の平打ち麺が白味噌のつけ汁とよく絡み、トッピングの葉玉ネギのクセのない甘味とうまくマッチ。

さらに「たらきく」や「寒締めほうれん草」などを一緒に食べると、風味が増すと同時に、旬の食材を食べることを通し、季節感を感じることができます。

単につけそばというだけではなく、「たらきく」「寒締めほうれん草」「葉玉ネギ」など旬の食材をふんだんに使用。
ラーメンで季節感を表現するという村山店主のセンスがいかんなく発揮されています。
しかも、旬の食材を無理なくつけそばの具として落とし込んでいる点にも感心させられます。

さまざまな食材のなかでも、特にラーメンを感じさせる極太の穂先メンマ。
シャキシャキというよりも、かなり歯応えのある食感。
メンマの風味を生かした味付けも秀逸。

麺や具を食べたあと、残った白味噌のつけ汁をスープ割りしてもらいます。
煮干しスープを足したアツアツのスープ割りを飲んでいると、まるで味噌汁を飲んでいるかのよう。

季節の食材を使い、無化調で独創的でしかも美味しい限定麺をつくり続ける村山店主。
その力量を改めて感じたつけそばでした。

3日(日)で終了してしまいそうなのが惜しい出来です。

食後に客足も落ち着いたので、村山店主と立ち話。
当然話は「鶏そば」の終了に移りました。
まだ2月中旬というだけのアバウトな表現で、フィナーレの日は決まっていません。
しかし、あと2週間程度ですので、「今の鶏そばの味」が好きな方は早めに訪れることを勧めます。

たしかに「鶏そば」の提供終了は寂しいですが、「次のステップに移る」と考えれば、次に何が出てくるのか楽しみで仕方がありません。

まずは2月中旬まで、「鶏そば」(醤油・塩)「次の限定麺」と、「南部屋路ばた」を訪れる機会が増えそうです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鱈白子と寒じめ法蓮草の味噌つけそば」(2019年2月2日)

    限定麺「鱈白子と寒じめ法蓮草の味噌つけそば」(2019年2月2日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鱈白子と寒じめ法蓮草の味噌つけそば」(2019年2月2日)

    限定麺「鱈白子と寒じめ法蓮草の味噌つけそば」(2019年2月2日)

  • 南部屋路ばた - 麺と鱈白子、寒締めほうれん草、穂先メンマ(2019年2月2日)

    麺と鱈白子、寒締めほうれん草、穂先メンマ(2019年2月2日)

  • 南部屋路ばた - 「葉玉ネギ」がたっぷりトッピングされた白味噌のつけ汁(2019年2月2日)

    「葉玉ネギ」がたっぷりトッピングされた白味噌のつけ汁(2019年2月2日)

  • 南部屋路ばた - 白味噌のつけ汁を煮干しスープで割ると、まるで「味噌汁」(2019年2月2日)

    白味噌のつけ汁を煮干しスープで割ると、まるで「味噌汁」(2019年2月2日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鱈白子と寒じめ法蓮草の味噌つけそば」の説明書き(2019年2月2日)

    限定麺「鱈白子と寒じめ法蓮草の味噌つけそば」の説明書き(2019年2月2日)

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2019/01訪問80回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.8
  • 雰囲気3.7
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

旬の早採りワカメがたっぷり入ったホタテ風味の極上塩ラーメン!

1月23日(水)

盛岡は今日(1月23日)の昼前から雪が降り始め、明日にかけて本格的な降雪。
当初、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に明日(24日)行こうと思っていたのですが、積雪や道路の渋滞などを考え、降り始めの今日の昼過ぎに訪れました。

目的は、1月20日(日)から提供開始の限定麺「早採りわかめの塩そば」(800円)

説明書きを読むと、「ホタテと煮干しのスープに塩タレを合わせて。オイルはマッシュルームオイル、麺はゆきちから、銀河のちからの加水率35%。具はわかめ、菜の花、メンマなど」

これを読んだら、行きたくなって当然。
ホタテダシがメインの塩ラーメンなんて、なんて贅沢。
それに旬の早採りワカメ、菜の花がトッピング。
麺には珍しく銀河のちからをブレンド。
さらにマッシュルームのオイルを加えているとは・・・

シンプルな塩ラーメンですが、そこには東京のトップレベルのラーメン店に負けない村山店主の「腕」と「センス」が発揮されているのが良く分かります。

一見平凡なようで、実は何重にも工夫を凝らしてあり、レベルは全国でもトップレベル。しかも無添加・無化調ですから、私の好みのど真ん中。
雪の降る中、訪れる価値は十分あり。

○限定麺「早採りわかめの塩そば」(800円)

12時45分に、あたり一面雪景色の「南部屋路ばた」に到着。
自宅を出たころは、日が差していたのですが、店に到着する頃には再び雪が降り始め、その勢いは店を出た13時20分頃には吹雪のようになっていました。

さすがに、この悪天のためか、昼時なのに店内は閑散。
カウンター席には、私を含め2人だけ。

スマホで撮った説明書きを熟読していると、「塩そば」が運ばれてきます。

写真では、かなり茶色っぽく写っていますが、実物はもっと透明感のあるスープ。
マッシュルームオイルが表面に浮いています。

自家製の中細ストレート麺を麺線綺麗に盛り付け。
それ以上に、具沢山。

早撮りワカメの圧倒的な量にまずビックリ。
中央に豚ロース肉低温調理チャーシュー、その下に豚バラ肉チャーシュー。
肩ロース肉の低温調理チャーシューの端には、茶色いペーストのようなものがはさまっています。
チャーシューの上に、太い菜の花の茎と葉。
濃い緑色が印象的。

その上には、白髪ネギと笹切の青ネギ。
スープの中には、穂先メンマが潜んでいます。

スープは、ホタテ8対煮干し2の割合。
これに塩ダレを合わていますが、塩ダレはワカメを意識してか、通常よりも少し弱め。
煮干しはコク出しのための下支えに徹し、ホタテの旨みがふわっと漂い、それにマッシュルームのオイリー感が加味された洗練された味の塩スープ。

ただし、具に比べるとスープの量がやや少なめ。
ホタテの旨みとちょうどよい塩加減に魅せられてスープを飲み続けると、どんどんスープが減ってしまうので、要注意。

麺は、レギュラーの「鶏そば」「煮干しそば」のために打つ「ゆきちから」使用の麺とは切り刃、加水率とも同じながら、「ゆきちから」に「銀河のちから」をブレンド。
小麦のふすまを練り込んでいない今回の限定麺専用の自家製麺。

切り刃は20番、加水率35%の角ストレート麺。
銀河のちからがブレンドされているせいか、麺の硬質感と歯応えがレギュラー麺を上回っています。
レギュラー麺を評して、「ポクポクとした素朴な食感と噛んだときにモチモチ感」と表現しています。
これに対し、今回の専用麺は中加水でポクポクとした食感までは同じですが、噛んだときの歯応えが違います。
全体的に固めの輪郭のくっきりとした麺ですが、おとなしめの塩スープには、このような存在感のある麺が合っています。
麺量は150g。

そして主役の早採りワカメ。
旬は1~2月ですから、まさに今が旬。
ワカメは柔らかい身の部分とコリコリとした食感の茎の部分が一緒に入っていて、身と茎の食感の違いを楽しむことができます。
それ以上に、ワカメの醸し出す磯の風味が塩ダレやホタテの風味とマッチして、初春の磯に連れて行ってくれるような感じ。

早採りワカメとともに、2~3月が旬の菜の花の茎と葉が添えられています。
一見固そうですが、食べてみると柔らかく、口の中にほろ苦さとともに、やはりワカメと同様、初春の季節感が広がります。
シャキシャキとした白髪ネギの食感も爽快!

外は雪ですが、いま眼前の丼で展開されているのは、初春の風味のハーモニー。

淡白な味が特徴の豚ロース肉低温調理チャーシューの間に挟まっているペースト。
オイルを搾り出したあとに残ったマッシュルームにポルチーニ貝を和えてペースト状にしたもの。
これをスープに溶くと、スープがにわかに濁り、茶色っぽくなったスープはホタテ風味のピュアな味から、ホタテ味にマッシュルーム色がさらに増幅された重層的な味に。
この味変も見ものです。

豚ロース肉の低温調理チャーシューの下には、ホロホロと口の中で溶けてしまいそうな比較的濃い味付けの豚バラ肉の煮豚。
太めの穂先メンマもしっかりと味付けされていて、独特のシャキシャキ感が楽しめます。
たっぷり入った早採りワカメの茎のコリコリ感が本当に印象的。
このワカメの食感とホタテ風味の塩味スープ、そしてレギュラー麺よりもエッジのある専用麺の組み合わせ。
さらに、これらの食材をつなぐマッシュルームの大活躍(オイル、ペースト)ぶりが、限定麺のキモでしょう。

一歩間違えると、素朴な磯ラーメン風になるところを、村山店主の技術で高水準の足し算のラーメンに仕上げた「早採りわかめの塩そば」。

旬の味と磯の風味、さらに洗練された仕上がりを楽しんでください。

1月末頃まで提供予定ですので、この機会をお見逃しなく!

  • 南部屋路ばた - 限定麺「早採りわかめの塩そば」(2019年1月23日)

    限定麺「早採りわかめの塩そば」(2019年1月23日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「早採りわかめの塩そば」(2019年1月23日)

    限定麺「早採りわかめの塩そば」(2019年1月23日)

  • 南部屋路ばた - 「早採りわかめの塩そば」の説明書き(2019年1月23日)

    「早採りわかめの塩そば」の説明書き(2019年1月23日)

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2019/01訪問79回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.6
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

白味噌と「あん肝」のブレンドによる味変を楽しむ味噌ラーメン

1月12日(土)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の2019年限定麺第2弾。
「あん肝味噌そば」。

1月12日から提供が始まっています。

実は「麺の極 はなみち」(盛岡市前九年)からの連食。
「はなみち」で、限定麺「純ニボ塩」を食べたあと、盛岡駅西口で13時から仕事と思ったら、仕事は来週の土曜でした。

そこで、せっかく盛岡駅西口まで来たのなら、タクシー2000円で行ける「路ばた」に行って一気に限定麺連食を目論見ました。

○限定麺「あん肝味噌そば」(800円)

「海のフォアグラ」ともいわれる珍味の「あん肝」。
アンコウの肝臓を成型して蒸したもの。

冬が旬なだけに、実は年末年始の東京滞在中にも、いくつかのラーメン店が「あん肝」を使った限定麺を提供。

なかでも、白味噌と牡蠣、それにあん肝をブレンドした「鶏そば なんきち」(西早稲田)「あん肝と牡蠣味噌そば」には食指が動きましたが、食べ逃し。

残念に思っていたところ、牡蠣はないけれど、あん肝と白味噌ブレンドというコンセプトが共通の「あん肝味噌そば」を「路ばた」が提供。
これも何かの縁ということで、13日(日)に訪れる予定にしていました。

それが12日午後のスケジュールが空いたことから、提供開始初日に食べることに。

店には13時40分頃到着。
3連休初日の午後。
しかも、この時期の盛岡にしては暖かい陽気の好天。
混雑を予想していましたが、意外に空いていました。

限定麺の食券を購入し、女性スタッフに渡したあと、カウンター右端の席に着席。
すると、それほど待たずに「あん肝味噌そば」が運ばれてきました。

写真では、かなり茶色っぽく写っていますが、実物はもう少し白っぽい色。

鶏白湯に白味噌をブレンドしたとろみのある味噌スープ。
そこに、「あん肝ペースト」が多目にのっています。
具は春菊の天ぷらと白菜。
春菊の天ぷらには、一味唐辛子が振りかけられています。
さらに豚バラ肉の煮豚と鶏ムネ肉の低温調理チャーシュー。

まずは「あん肝ペースト」を溶かさずに、鶏白湯ベースの白味噌スープを味わいます。

赤味噌主体であったり、赤味噌と白味噌をブレンドする味噌ラーメンが多いなか、鶏白湯と白味噌のブレンドは珍しい。

風味的に鶏白湯は表に出ず、むしろクリーミーなスープベースを構成。
白味噌の米麹が効いた自然な甘味が新鮮。
微かに麹独特の風味も感じられます。

麺は加水率42%の自家製の手揉み麺。
麺幅は3ミリほど。
厚さは薄目のピロピロ麺。
「もち姫」と「ゆきちから」を5対5の割合でブレンド。

「もち姫」を生かしたモチモチ感と肉薄のピロピロ麺両方の良さを兼ね備えた麺。
この麺がクリーミーな白味噌のスープを良く拾います。 
麺量は160g。

途中で「あん肝ペースト」を少しずつ味噌スープに溶かしていきます。
すると「あん肝」特有のこってりとした旨味が白味噌味に溶け込みます。
スープもさらにクリーミーに。
この味変を楽しむ味噌ラーメン。

具の豚バラ肉の煮豚は、良く煮込まれていて、ホロホロとして口の中で溶けるような柔らかさ。
鶏ムネ肉低温調理チャーシューは柔らかく、しっとりとした食感と淡白な味。

シャキシャキとした白菜がスープの中にたくさん入っていて、鶏白湯+白味噌+あん肝のスープの濃厚さを緩和する役割を果たしています。

大きな春菊の天ぷらは、揚げたてで衣がサクサクしています。
サクサクした衣と春菊の風味が、濃厚なスープに対する良い箸休め。

「あん肝ペースト」を全部白味噌スープに溶かすと、スープがドロドロに。
スープの風味も一変し、あん肝のこってりとした風味が中心に。
ドロッとしたあん肝スープの旨味と、具の白菜のシャキシャキ感との対照、そして春菊の天ぷらにまぶしてあった一味唐辛子が溶けたピリ辛感を楽しみながら麺とスープを完食。

本当はスープを残して、ライスを追加注文。
雑炊にして食べれば最高なのですが、さすがに連食で320gの麺を完食済み。
糖質過多を避けるため、あん肝味噌スープの雑炊への誘惑を断ち切りました。

今が旬のあん肝を使い、白味噌と合わせ、味変を楽しむ味噌ラーメン。
「もち姫」をブレンドしたピロピロの手揉み麺の食感を含め、季節感にマッチした独創性満点の無化調味噌ラーメンです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「あん肝味噌そば」(2019年1月12日)

    限定麺「あん肝味噌そば」(2019年1月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「あん肝味噌そば」(2019年1月12日)

    限定麺「あん肝味噌そば」(2019年1月12日)

  • 南部屋路ばた - 「あん肝ペースト」のアップ(2019年1月12日)

    「あん肝ペースト」のアップ(2019年1月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「あん肝味噌そば」の説明書き(2019年1月12日)

    限定麺「あん肝味噌そば」の説明書き(2019年1月12日)

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2019/01訪問78回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.6
  • CP4.0
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

鯛のアラダシの塩ラーメンと「鯛の昆布締め」が乗った「鯛飯」のセット。「南部屋路ばた」の今年初限定麺は「鯛づくし」!

1月7日(月)

1月2日から今年の営業が始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
2019年最初の限定麺は「鯛そばと鯛飯」という「鯛づくし」のメニュー。

盛岡に戻ってきた翌日(1月7日)、早速限定麺を食べに行きました。

○限定麺「鯛そばと鯛飯」(800円)

昨年は限定第一弾を食べ逃し、悔しい思いをしたのですが、今年は幸いまだ提供されていました。

月曜午後の「南部屋路ばた」は、土日の混雑が信じられないくらいのんびりとした雰囲気。
カウンターに2人先客、後客が1人。
いずれも限定麺を注文。

まずは村山店主に「今年もよろしくお願いします」と新年のご挨拶。

それほど待たずに提供された「鯛そばと鯛飯」。

「鯛そば」は、昆布と鰹節、鮪節、大量の鯛のアラを使ってダシをとり、塩ダレを合わせたスープ。

黄金色の澄んだスープには自家製の中細麺が麺線綺麗に盛り付けられ、鶏ムネ肉の低温調理チャーシューが2枚。
白髪ネギと三つ葉が添えられています。
そして柚子皮が1枚。
スープの表面に浮かぶ油は、鯛の腹部からとった油とネギ油。

そして鯛の刺身を昆布で挟み、昆布の旨みが移った「鯛の昆布締め」3枚をのせた「鯛飯」。
「鯛の昆布締め」とご飯の間には、鶏のササミほぐしと細くカットした海苔がはさまっています。

刺身用の醤油を入れた小皿も用意。

まずは「鯛そば」から。

おそらく「鯛の昆布締め」に使った昆布を一部転用しているであろう昆布のダシと鯛の薄味で上品な風味が良くマッチ。
これに節類が旨みを加味しています。
塩加減もちょうどよい具合。

鯛の風味がふわっと漂う塩スープをひとしきり楽しんだあとは、麺に移ります。
切り刃20番、加水率35%。
岩手県産の「ゆきちから」使用の全粒粉入りの断面角ストレート麺。

「鶏そば」「煮干しそば」にも使われる中加水麺は、ポクポクとした素朴な食感ですが、噛むとモチッとして、小麦の香りを楽しむことができます。
ぶっくらとした茹で上げが、麺のモッチリ感を増しています。

しっとりとした鶏ムネ肉の低温調理チャーシューは、ほんのり柚子の香りがする凝った味付け。

スープに浮く柚子皮が良い香りを漂わせ、鯛の風味や昆布、節類の旨みに柚子の香りが重なる繊細な味の組み立て。
ネギ油の香りも微かに感じられます。
あっさりとした塩スープのなかで、薬味の白髪ネギと三つ葉のが果たす役割も無視できません。

麺や具を食べ終わったあと、スープを少し残し、「鯛飯」に。
鯛の淡白な風味に昆布の旨みが移った昆布締めの「鯛の刺身」。
これが3枚ものっているのですから、新春第一弾にふさわしい贅沢な丼。

まず昆布の旨みが加わった鯛の刺身を醤油につけて食べます。
次に「鯛そば」の残ったスープをご飯に投入。
雑炊風ないし鯛茶漬け風にして、スープもご飯も完食。

新年第一弾を飾るにふさわしい「鯛づくし」の「鯛そばと鯛飯」。
もうしばらく提供される予定ですので、未食の方は訪れることをおススメします。

今年も村山店主のセンスが冴えわたる「限定麺」、それから完成度の高い「鶏そば」「煮干しそば」(ともに醤油と塩あり)など、同店の無化調メニューから目を離せません。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛そばと鯛飯」(2019年1月7日)

    限定麺「鯛そばと鯛飯」(2019年1月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛そばと鯛飯」(2019年1月7日)

    限定麺「鯛そばと鯛飯」(2019年1月7日)

  • 南部屋路ばた - 「鯛そば」(2019年1月7日)

    「鯛そば」(2019年1月7日)

  • 南部屋路ばた - 「鯛飯」(2019年1月7日)

    「鯛飯」(2019年1月7日)

  • 南部屋路ばた - 券売機の「鶏そば・煮干しそば」、「限定麺」のボタン(2019年1月7日)

    券売機の「鶏そば・煮干しそば」、「限定麺」のボタン(2019年1月7日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛そばと鯛飯」の説明書き(2019年1月7日)

    限定麺「鯛そばと鯛飯」の説明書き(2019年1月7日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」入口(2019年1月7日)

    「南部屋路ばた」入口(2019年1月7日)

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2018/12訪問77回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

味噌の麹感、背脂の甘味、一味の辛さ、そして柚子の香りが一体となったジャンク?で上品な限定麺「豚汁そば」

12月21日(金)

昨日(20日)訪れたばかりの「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に2日連続の訪問。
前日は2つの限定麺のうち、当日で終了の「泡煮干しそば」を選択。
もう1つの「豚汁そば」は見送りました。

しかし、村山店主曰く「豚汁そばも、スープがなくなり次第終了します」

この言葉に慌てると同時に、写真撮影した「豚汁そば」の説明書きを読むと、行く気満々になり、今日も上太田にやってきました。

○限定麺「豚汁そば」(800円)

出発間際になって、大事なものを紛失する(実はあったのですが)という事態になり大慌て。
結局、店に着いたのが14時過ぎ。
祈るような気持ちで店に入ります。
券売機横の限定麺「泡煮干しそば」の説明書きが、昨日はさらにその左横にあった「豚汁そば」に差し替えられています。
券売機をみても、限定麺に「×」はついていない。

「やった!」と心の中で叫びながら、食券を購入。
カウンター席に着席しました。

説明書きによると、「豚汁そば」は豚骨、豚肉、大根、人参、牛蒡、玉ネギなどのスープに4種類の味噌を合わせ、背脂をたっぷり入れたスープ。
具は、三つ葉、牛蒡、こんにゃく、柚子、豚肉などという。

たしかに豚汁をイメージしてつくったことが分かりますが、そんな枠には収まらない独創的な限定麺。

早速運ばれてきた「豚汁そば」の写真を撮影したあと、いよいよ実食。
おっと、その前にラーメンのビジュアルを紹介しておきましょう。

昨日の「泡煮干しそば」と同じ黒い丼に注がれた白味噌系スープには、背脂がたっぷり。
目を引くのは、垂直方向にスープに帯を描くように振りかけられた赤い一味唐辛子。
トッピングは豚バラ肉、こんにゅく、三つ葉に、丼をはみだすような長さの素揚げ牛蒡2本。

「豚汁そば」が着丼した瞬間から、その濃厚そうな見た目からは想像できない柚子の香りがふわっと漂います。
良く見ると、柚子皮がスープに入っています。

スープを飲むと、豚骨と豚肉がベースとなってコクを醸し出し、ブレンドされた野菜類が甘味を追加。
それ以上に感じるのが、味噌に含まれる米麹の香り。
白味噌2種と田舎味噌2種の計4種類の味噌をブレンド。
味噌は、陸前高田・八木澤商店と岩手県北・軽米町産のものを使用。
地産地消を貫いています。

背脂がびっしりと浮かぶスープは、見た目と違いギトギト感は全くなく、むしろまろやかな旨みさえ感じます。

麹の風味と甘味のあるまろやかでコクのある味噌&背脂のスープに一味の辛みがピリッと効いて、トータルバランスは最高。
そして、甘味・コク・麹感・辛みなどが複合した味を、柚子の香りが上品にまとめ、ジャンク?かつ上品な一杯に仕上げています。
しかも無化調。
これだけの多様な食材を無化調でまとめあげる村山店主のセンスと手腕には、「感動」という言葉以外には浮かびません。

麺は昨日食べた「泡煮干しそば」でも使った切り刃20番、加水率35%の断面角のストレート麺。
岩手県産「ゆきちから」100%の麺で、「ゆきちから」のふすまが練り込まれています。

ただし、本日の茹で加減はふっくら。
モチモチ感をむしろ前面に出しています。
ポクポクとした素朴な食感とは違った味わいで、最初、村山店主に「ふすまは入っていないんでしょう」と聞いたほど。
味噌と背脂と一味が重なり合い、コクと甘味と辛さのあるスープには、今回のようなふっくらとしてモチモチ感のある茹で上げが良く合っています。
麺量は150g。

豚汁を思わせる豚バラ肉とサイコロ状のこんにゃく。
カリッとした牛蒡の素揚げ。
香り豊かな三つ葉など魅力的な具の数々がラーメンの不可欠なパーツとして、すべて意味のある役割を果たしています。
どの1つの具も、「豚汁そば」を成り立たせるためには欠かすことのできない存在。

「豚汁」を思わせながらも、それをはるかに超える無化調創作ラーメンを食べることができ、今日も満足。
食べ終わると、さすがに味噌ラーメンらしく身体がポカポカしてきます。

昨日は「スープがなくなり次第、終了」といっていた村山店主も、今日新たにスープを仕込んだということで、おそらく三連休中提供できるもの思われます。

盛岡の厳しい寒さにぴったりの限定麺「豚汁そば」。
「味噌ラーメン好き」「背脂系ラーメン好き」「辛いラーメン好き」のいずれをも満足させる素晴らしい一杯です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「豚汁そば」(2018年12月21日)

    限定麺「豚汁そば」(2018年12月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「豚汁そば」(2018年12月21日)

    限定麺「豚汁そば」(2018年12月21日)

  • 南部屋路ばた - 「豚汁そば」の説明書き(2018年12月21日)

    「豚汁そば」の説明書き(2018年12月21日)

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2018/12訪問76回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

泡系のセメント煮干しラーメン!

12月20日(木)

昨晩帰宅して「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主のFacebookを見ていたら、同日(19日)のみの限定として、「泡煮干しそば」が提供されたらしい。

「南部屋路ばた」が泡系スープに挑戦するのは、4月の限定麺「春キャベツの泡白湯そば」以来。

当時は鶏や豚の白湯スープに鰹節を合わせたスープをブレンダーで撹拌して泡立てていました。

今回も鶏白湯スープに煮干しをブレンドしたスープを泡立てています。

前回の印象が強かったのですが、昨日1日で提供が終わってしまったとガックリしていたら、「スープが余っていたら木曜もやります」という嬉しい言葉。

木曜昼に出先の仕事を終えたあと、タクシーで「南部屋路ばた」に向かいました。
店に12時50分に着。
さすが昼時だけあって、駐車場は車で一杯。
風除室を抜け店内に入ると、左側に券売機。その左側に限定麺の説明書き。

良くみると、限定麺は「豚汁そば」に替わっているではないか!
豚骨、豚肉、野菜類などのスープに4種の味噌を合わせ、背脂を加えた「豚汁そば」も魅力的。
でも、お目当ての「泡煮干しそば」に間に合わなかったショックが大きい。

と思ったら、「豚汁そば」の左に「泡煮干し」の説明書きもあるではないですか!

要するに昨日から始まった「泡煮干し」と今日から始まった「豚汁そば」の2種類の限定麺があるということですね。

迷わず今日終わってしまうであろう「泡煮干しそば」の食券を購入。

説明には「セメント系の泡スープの煮干しそばです。以上です」とあるだけ。

○限定麺「泡煮干しそば」(800円)

黒の深い逆円錐形の丼。
そこにクリーム色に泡だった煮干しスープと麺。
具は、生の刻み玉ネギとしっとりと和えた刻み玉ネギ。
ナルトにチャーシューが2枚。
豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
さらにスープの底に、豚バラ肉の煮豚が潜んでいます。
その他に海苔が添えられます。

鶏白湯スープに、背黒、白口、平子をブレンド。
醤油ダレを合わせたクリーミーなセメントスープをブレンダーで撹拌して泡立てています。

セメント系ということもあり、ちらりと苦味とエグミを感じますが、それを上回る煮干しの旨味と鶏白湯のクリーミーさ。
さらに泡立てることにより、フワフワでとろっとしたスープに。
スープのマイルドさがさらに強まります。

村山店主自身、あまりにも濃厚なセメント煮干しは好きではないということもあり、敢えてクリーミーなスープをさらに泡立て、クリーミーでフワッとしたスープで煮干し感をうまくマイルドに落とし込んだという。
セメント煮干し入門者には最適なラーメンです。

麺は「鶏そば」「煮干しそば」と同じ自家製麺。
切り刃20番、加水率35%の断面角のストレート麺。
はるゆたか100%使用で、麺に全粒粉を練り込んでいます。

ポクポクした素朴な食感ながら、噛むとモチッとした食感。
全粒粉が効いて小麦の香りが口のなかに充満。
麺量は160g。

豚ロース肉の低温調理チャーシューは薄味ですが、厚くスライスされ、噛み応えがあります。
底に沈んだ豚バラ肉の煮豚はトロトロに煮込まれ、噛むととろけてしまいます。

それに加え、シャキシャキした生の刻み玉ネギとしっとりとした和えた刻み玉ネギの組み合わせも、薬味として存在感を放っています。

「泡系」とセメント煮干しを組み合わせ、食べやすくマイルドなセメント系をめざした「泡煮干しそば」。
再登場を期待したいものです。

ところで、帰りがけにもう一つの限定麺「豚汁そば」をいつまで提供するの?と聞いたら、「スープがなくなるまで」との回答。

ということは、スープがなくなれば明日(21日)にも終了の可能性。

2日連続で、「南部屋路ばた」の限定麺を食べることになりそうですね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「泡煮干しそば」(2018年12月20日)

    限定麺「泡煮干しそば」(2018年12月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「泡煮干しそば」(2018年12月20日)

    限定麺「泡煮干しそば」(2018年12月20日)

  • 南部屋路ばた - 「泡煮干しそば」の説明書き(2018年12月20日)

    「泡煮干しそば」の説明書き(2018年12月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「豚汁そば」も提供開始(2018年12月20日)

    限定麺「豚汁そば」も提供開始(2018年12月20日)

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2018/12訪問75回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

芳醇な肉の旨み溢れたスープときりっとした醤油ダレ、そして自家製麺の織り成す完成度高い「肉そば」と、柔らかい豚角煮たっぷりの「肉飯」のコラボ

12月10日(月)

先週金曜(7日)から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
最近、村山店主はFacebook上で限定麺の告知をしないので、私もフォロワー様の好レビューで知ったという次第。

盛岡市は今日も最高気温2℃、今の気温(18時)-1℃という厳寒。
13時45分というかなり遅い時間に店に到着。
平日とはいえ、果たしてこの時間まで限定麺が残っているのか不安でしたが、券売機とその横の説明書きをみて、「ありました」。

今回の限定麺は「かけラーメン」の「肉そば」と豚ウデ肉の角煮がたっぷり入った「肉飯」という豪華なコラボ。
そのため、通常の800円ではなく、920円とやや高めな価格設定。
でも、値段に見合う価値が十分あります。
むしろ、これだけのラーメン+丼のセットを1,000円を切る価格で提供するとは良心的。

〇限定麺「肉そばと肉飯」(920円)

通常の「限定麺」の食券(800円)と「大盛り」の食券(120円)を購入。
女性スタッフに渡します。
そしてカウンター一番奥の席に着席。

5~6分で「肉そばと肉飯」がセットで届きます。

「肉そば」いうから、豚チャーシューがたっぷりトッピングされたラーメンを想像。
ところが、運ばれてきたのは、「かけラーメン」!
スープに麺にネギのみというシンプルすぎる構成。

濃い琥珀色の澄んだ淡麗スープに、麺線美しく折りたたまれて盛り付け。
具は笹切の青ネギと白ネギのみ。

鶏肉と豚肉のみからとった清湯スープに「鶏そば」「煮干しそば」で使う醤油ダレ(4種の生醤油+再仕込み醤油+杉樽仕込み醤油)をブレンド。
さらに仕上油にラードと鶏油を使っています。

スープは鶏肉と豚肉の旨みが感じられながらも、あくまでも清湯なのでさっぱり。
キレのある醤油のキリッとした風味が全面に出ながら、そのなかでしっかり鶏と豚が主張。
さっぱりとした中にも、ラードや鶏油が適度なコクを与えています。

村山店主によると、「肉そば」だからこれみよがしにチャーシューを増量したり、「貝ダシ」だから殻付き蛤を添えるなどのギミックは嫌いだという。
「肉そば」であれ、「貝ダシそば」であれ、スープを飲むときに鶏や豚、あるいは貝の旨みがじわじわと感じられるのが理想と語っています。
その意味で、今回の「肉そば」らしからぬ「かけそば」は、鶏肉と豚肉の旨みが感じられ、醤油ダレとのブレンドがきっちり決まっているという点で、村山流の「肉そば」といえるでしょう。

麺は、ゆきちから100%使用、「ふすま」もゆきちからの切り刃20番、加水率35~36%の角ストレート麺。
もちろん自家製麺です。
相変わらずポクポクとした素朴な食感と噛むとモチッとした食感がミックス。
小麦の香りもしっかり感じられる極ウマの麺。
麺と醤油の香り高いスープとの相性も抜群。

薬味のネギもいいアクセントで、160gの麺を一気に完食。

スープを少し残して、「肉飯」に移ります。

肉飯はミニ丼というよりも、一杯の丼物に近い分量。
ご飯の上に炙った豚バラ肉チャーシューと刻み玉ネギ、そして大量のブラックペッパーがトッピング。
ご飯には軽く醤油が滲みています。

香ばしい炙りチャーシューとブラックペッパーを混ぜながら、玉ネギをかけてご飯と一緒に食べるという贅沢で斬新な丼。

しかし、「肉飯」はそれだけに尽きません。
ご飯を食べていくと、今度はご飯の中に豚ウデ肉(豚の前足部分)のホロホロと柔らかい角煮がこれでもかというくらい入っています。
角煮の煮汁が、まるで「つゆだく」の牛丼のようにご飯に滲みています。
この角煮が濃厚な旨みとジューシーさで、抜群の美味しさ。

角煮と煮汁、ブラックペッパー、それに玉ネギがミックスされて、ご飯の友として最適。
ご飯の量が多めで、かけラーメン160gを食べたあと、果たして完食できるか心配でしたが、杞憂に終わりました。
最後に、「肉そば」の残りスープを全部飲み干し、終了。

「肉飯」といいながらも炙りチャーシューを玉ネギとブラックペッパーで隠し、さらに大量の豚ウデ肉の角煮をご飯の中に隠すというのが、これも「肉を目立たせたくない」という村山流。

村山店主によると、「肉そばと肉飯」は来週月曜頃まで提供する予定。
鶏肉と豚肉の清湯スープに生醤油等をブレンドしたさっぱりとしながらも、動物系の旨み溢れた無化調のかけラーメン、そして対照的に濃厚な旨みの豚ウデ肉角煮がたっぷり入った肉飯のセットを是非お楽しみください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「肉そばと肉飯」(2018年12月10日)

    限定麺「肉そばと肉飯」(2018年12月10日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「肉そばと肉飯」(2018年12月10日)

    限定麺「肉そばと肉飯」(2018年12月10日)

  • 南部屋路ばた - かけラーメンの「肉そば」(2018年12月10日)

    かけラーメンの「肉そば」(2018年12月10日)

  • 南部屋路ばた - 「肉飯」(2018年12月10日)

    「肉飯」(2018年12月10日)

  • 南部屋路ばた -
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2018/12訪問74回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-

エッジの効いた塩ダレが魅力のピュアな「鶏そば(塩)」。今回は贅沢に白金豚ワンタントッピングと食後の白金豚シューマイ!

12月3日(月)

今日も盛岡は雲一つない快晴。
気温も上がって、昼12時で12℃。この時期では異例の暖かさ。
もっとも、明日は雨が降り、週末から来週にかけては厳冬になるらしい。

そんな穏やかな天気に誘われ郊外の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に出かけてみました。
もしかしたら新しい限定麺があるかなという期待をこめて。

13時過ぎに店に着くと、雪をまとった岩手山が大きく見えますね。
周囲は収穫の終わった田んぼ。
そんなのどかな風景の中の、店は古ぼけた大衆中華料理店のような外観。
この地味過ぎる外観の店が、盛岡はおろか東京の有名店にも匹敵する無添加・無化調・自家製麺の「鶏そば」「煮干しそば」「限定麺」を提供するなど、信じられないほど。

しかし、その尽きない魅力にはまってしまうと、いくら不便な場所とはいえ、週1で通わざるを得なくなります。

店に入ると、限定麺は前回と同じ「大浦牛蒡と牛だし担々麺」。
そこで、以前塩ダレがないとのことでふられた「鶏そば(塩)」に変更。
ついでに「白金豚ワンタン」のトッピング(2回目)。
初めての「白金豚シューマイ」も注文。

昼から贅沢な食事です。

○「鶏そば(塩)」(750円)+「白金豚ワンタン」(120円)+「白金豚シューマイ」(300円)

最近土日に来ることが多かったのですが、やはり平日の午後はのんびりしています。
それでも店内は5分以上の入り。
高齢のご婦人たち(?)のグループが、慣れない券売機と格闘している光景が何ともほほえましい。

お客さんは、化調の「手もみラーメン」を注文している人、ランパスメニュー(化調)を注文している人、無化調の「鶏そば」「煮干しそば」を注文している人、無化調の「限定麺」にチャレンジしている人など多士済々。
そんな多様な注文に、村山店主が一人で応えています。
女性スタッフはベテランの方以外にもう1人新人の中年女性。

まずは「白金豚ワンタン」トッピングの「鶏そば(塩)」が着丼。
白い逆円錐形の丼。
写真ではかなり茶色く映ってしまっていますが、本当はもっと透明感のあるスープ。

最近村山店主は麺の盛り付けにこだわっているらしく、とにかく美しい麺線。
お馴染みの2つ折りにした豚ロース肉低温調理チャーシューと豚バラ肉煮豚のセット。
穂先メンマと味玉ハーフ。
チャーシューの上には、九条ネギが多めに盛られ、輪切りのネギも少量混ざっています。
そして「白金豚ワンタン」が3個。

スープは、「普通の鶏」親鳥の丸鶏とπウォーターからとった「鶏と水」のみのスープ。
鶏油は「南部かしわ 銀雪」から抽出。
塩ダレは4種の塩をブレンド。
それに少量の貝ダシと数種の食材を加えています。
ただし、以前加えた「鶏ダシ」「煮干しダシ」は入れず、貝ダシや食材の量を最小限に抑え、なるべくピュアな塩ダレに近い方向をめざしています。

あえて旨みのある地鶏を使わず、「普通の鶏」にこだわっているにもかかわらず、塩ダレもどんどん塩のみに特化させていく方向性をとる村山店主のスタンス。

スープをいただくと、「普通の鶏」と限りなく「塩」のみに近い塩ダレとのドッキングにもかかわらず、物足りなさは微塵も感じません。

鶏ダシの旨みがしっかり出ていて、それに上品な鶏油がブレンドされます。
両者のブレンドは実に自然。
過剰感はなく、かといって薄さもありません。
ナチュラルな鶏の旨みと対照的に、塩ダレはエッジが効いていて、塩角を感じる一歩手前の調合。
最近多いまろやかな塩ダレとは違い、塩の存在感を十分に感じます。
かといって、塩気が強いというほどではありません。
本当に絶妙な塩の調合。

「地鶏と水でとったスープ」にたっぷりの鶏油、そしてまろやかな塩ダレという最近の流れに抗し、「普通の鶏と水でとったスープ」に地鶏から抽出した鶏油を少々、それからエッジの効いた塩ダレという組み合わせ。

麺は、ゆきちからのみで打った自家製麺。
ゆきちからのふすまを練りこんでいます。
切り刃20番、加水率35%の角ストレートの中細麺。

ポクポクとした素朴な食感と噛むとモチっとした食感がミックスする独自の麺は健在。
麺量は160g。

具の豚ロース肉低温調理チャーシューは淡白な味。
逆に、豚バラ肉の煮豚は、しっかりと味付けされ、口の中で蕩けるようなホロホロとした食感。
シャキシャキ感がたまらない穂先メンマ。
トロッとした黄身の上品な味付けが絶品の味玉ハーフ。
そして多めに盛り付けられた九条ネギの軽い苦みを薬味にしながら、鶏そばを食べるのもなかなか乙なもの。

これだけでも十分すぎますが、今回は「白金豚ワンタン」をトッピング。
ゆきちからだけを使用したシンプルな麺とは違い、ワンタンの皮はゆきちからに南部小麦、もち姫などをブレンド。
まさに「トゥルントゥルン」でフワフワ、そしてモチッとした皮の感触や旨みを味わうワンタン。

もちろん粗挽きの白金豚の挽肉に生姜を加えただけの、これもナチュラルな旨みの餡も実に美味。
ラーメントッピングとして最高です。

食後には、初めての「白金豚シューマイ」を村山店主が運んでくれます。
こちらも皮はワンタンと同じ小麦粉の組み合わせ。
しかし、厚めの皮のワンタンとは対照的に、シューマイは皮が薄く、中の白金豚の粗挽きが大粒。
大ぶりのシューマイが3個とからしが添えてあります。

シューマイの上には白髪ネギと生姜がトッピング。
白金豚のジューシーな肉汁が溢れるシューマイは、むしろ肉の旨みを十二分に味わえます。
なかなかの食べ応えで、3個食べると、さすがにお腹が一杯。
と同時に満足感。
このあとに仕事が控えているので、ビールを飲みたい欲求を何とか抑えましたが、土日だったら絶対ビールを頼んでいるだろうな。

こんな高水準の「鶏そば(塩)」とワンタン、シューマイを食べて、合計1,170円。
リーズナブルな価格で、プチ贅沢感を楽しんだランチでした。

なお、今週金曜から次の限定麺が提供開始されるとのこと。
そうなると、週2回訪れそうな勢いですね。

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」に白金豚ワンタントッピング(2018年12月3日)

    「鶏そば(塩)」に白金豚ワンタントッピング(2018年12月3日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」に白金豚ワンタントッピング(2018年12月3日)

    「鶏そば(塩)」に白金豚ワンタントッピング(2018年12月3日)

  • 南部屋路ばた - 「白金豚ワンタン」と「白金豚シューマイ」の説明書き(2018年12月3日)

    「白金豚ワンタン」と「白金豚シューマイ」の説明書き(2018年12月3日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」「煮干しそば」の説明書き(デフォは醤油味)(2018年12月3日)

    「鶏そば」「煮干しそば」の説明書き(デフォは醤油味)(2018年12月3日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタンは、券売機の左下(2018年12月3日)

    「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタンは、券売機の左下(2018年12月3日)

  • 南部屋路ばた - 「白金豚シューマイ」(2018年12月3日)

    「白金豚シューマイ」(2018年12月3日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」外観(2018年12月3日)

    「南部屋路ばた」外観(2018年12月3日)

  • 南部屋路ばた - 「南部屋路ばた」入口(2018年12月3日)

    「南部屋路ばた」入口(2018年12月3日)

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2018/11訪問73回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

ゴボウと牛骨スープの独創的な担々麺

11月24日(土)

11月23日から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
それが、「大浦牛蒡の牛だし担々麺」(800円)。

もっとも、前日の11月22日(木)には、当日限りの限定麺「塩そば」が提供されたそう。

○限定麺「大浦牛蒡の牛だし担々麺」(800円)

通常の担々麺の常識を覆す一杯。
一応担々麺と銘打っていますが、完全にオリジナルな創作ラーメン。

牛骨と野菜でスープをとっているところからユニーク。
それに自家製の芝麻醤とラー油を合わせ、担々麺風に仕上げています。

牛だしと野菜、芝麻醤がブレンドされた香ばしく甘味とコクのあるスープにラー油がピリ辛風味を添えています。

牛だしとともに主役をつとめるのが「大浦ゴボウ」。
普通の細いゴボウとは対照的な極太のゴボウ。
繊維質たっぷりで、柔らかい食感が特徴。

今回の担々麺には、角切りにした大浦ゴボウに牛挽き肉を和えた「ゴボウの肉そぼろ」がスープに入り、ゴボウの食感と素朴な風味が楽しめるとともに、スープのコクを増しています。

さらに、のせられたトマトの輪切りが適度な酸味を加えています。

その他のトッピングは、カリッと揚げたゴボウの素揚げ、ナッツ、白髪ネギ、カイワレ、菊の花弁など。
実に色鮮やか。

麺は、ゆきちからと南部小麦を使った自家製麺の平打ち麺。
加水率38%、麺幅約3ミリの麺はツルツルしてモチッとした食感。
思わず、村山店主に「『もち姫』使っているんですか?」と訊ねたほどのモチモチ感。

ビジュアルが美しいだけでなく、牛だしと大浦ゴボウをメインに据えたユニークな無化調担々麺。
オススメです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「大浦牛蒡の牛だし担々麺」(2018年11月24日)

    限定麺「大浦牛蒡の牛だし担々麺」(2018年11月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「大浦牛蒡の牛だし担々麺」(2018年11月24日)

    限定麺「大浦牛蒡の牛だし担々麺」(2018年11月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2018年11月24日)

    限定麺の説明書き(2018年11月24日)

  • 南部屋路ばた - 鶏そば・煮干しそば、限定麺のボタンは、券売機の左下(2018年11月24日)

    鶏そば・煮干しそば、限定麺のボタンは、券売機の左下(2018年11月24日)

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2018/11訪問72回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

つけ汁にサワラ、麺のトッピングに紫白菜をフィーチャーした塩つけそば

11月18日(日)

最近Facebookでの告知をやめてしまった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の「限定麺」。

幸い毎週末に更新されるという村山店主のアドバイスを得て、日曜の午後行ってみました。

店に到着したのは13時30分。
果して限定麺が残っているかどうか不安がありましたが、幸い残っていてホッとしました。

○限定麺「鰆(サワラ)の塩つけそば」(800円)

「サワラ」は漢字のとおり、春が旬の魚で、西京漬けが有名。
しかし、脂がのって本当においしくなるのは秋から冬。

そんな「サワラ」の美味しい時期に合わせ、塩つけそばの具とスープの食材に使うなんて、私には想像もできない発想。
村山店主のセンスがいかんなく発揮された一杯。

食券をスタッフに渡してカウンター席に着席。

隣の若い女性2人組は、「限定麺」を盛んに撮影。
「綺麗!」「美味しい!」を連発。
たしかに「南部屋路ばた」の「限定麺」はインスタ映えします。
とくに今回は紫白菜の色が鮮やか。

それにしても、Facebookでの告知を止め、マニアでも食べ損ねることが多いのに、マニアとはいえない?方々が限定麺をねらって訪れる状況。

それだけ「路ばた」の「限定麺」の認知度が以前とは比較できないほど上がっているとはいえ、どこから情報を得ているのかな?

まもなく「鰆の塩つけそば」が到着。
麺は前回と同様、昆布水に浸っています。
麺の具は、生の紫白菜とすだち。

つけ汁は、鰆などの魚のアラと昆布のダシに塩ダレを合わせ、ネギ油で仕上げています。

スープにはザク切りのネギがびっしり。
大根と鰆(サワラ)二切れが具。

麺はレギュラーの「鶏そば」「煮干しそば」と同じサイズの切り刃20番、加水率35%の中細角ストレートの自家製麺。

ただし、使用する小麦粉と配合などが全く違います。
ゆきちから、もち姫、南部小麦を配合。
全粒粉を入れてはいません。
そのため、ポクポクした素朴な食感のレギュラー麺と対照的な食感。
麺肌ツルツル、噛むとモチモチ食感。
喉ごしがよく、一気に啜れる麺。
中細麺ですが、つけそばに最適な麺。
麺量は230g。

つけ汁は、最初塩ダレがやや強めに感じられます。
ただし、鮮魚系のスープながら、サワラのアラを使っていることが信じられないほど、魚の臭みのないスープ。
アラの旨味が昆布にアシストされ、塩ダレとブレンド。
ネギ油の風味も、いい感じで効いています。

しかも、麺をつけると尖っていた塩味がマイルドに変身。

大根はスープをたっぷり吸った柔らかくて淡白な塩味。
サワラは下処理をしっかりしているので臭みはなく、塩味と隠し味が絶妙な味付け。
おまけに、脂がのって、口にいれると溶けてしまいそうな柔らかさと美味しさ。

麺の具である紫白菜はビジュアルだけでなく、シャキシャキした食感が印象的。

麺が残り少なくなったら、すだちを麺に搾り、塩つけ汁につけます。
すると、塩つけ汁に爽やかな酸味が加わり、爽快感ともに麺を食べ終えます。

次に、残った昆布水をつけ汁に入れ、昆布と塩ダレと魚のアラダシのマッチングを楽しみます。

そして最後に〆のスープ割り。
お願いすると、さっぱりしたアツアツの鶏スープで割ったスープ割りが戻ってきます。
ここで鶏の旨味も加味。
温度が上昇し、旨味も複雑になったスープを飲むと、体が温まってきます。

食後、村山店主に次の限定麺について伺いました。
今週末に提供予定の限定麺は、塩つけそばが2週続いただけに、ぐっと趣を変えるそう。
こちらもインスタ映えしそうな(もちろん、味にも期待大)旬の食材を使ったメニュー。
乞うご期待です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鰆(サワラ)の塩つけそば」(2018年11月18日)

    限定麺「鰆(サワラ)の塩つけそば」(2018年11月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鰆(サワラ)の塩つけそば(2018年11月18日)」

    限定麺「鰆(サワラ)の塩つけそば(2018年11月18日)」

  • 南部屋路ばた - 昆布水に浸った麺と、具の紫白菜、すだち(2018年11月18日)

    昆布水に浸った麺と、具の紫白菜、すだち(2018年11月18日)

  • 南部屋路ばた - 塩つけ汁(具はサワラの切り身と大根)(2018年11月18日)

    塩つけ汁(具はサワラの切り身と大根)(2018年11月18日)

  • 南部屋路ばた - 昆布水を投入。さらに鶏スープでスープ割り(2018年11月18日)

    昆布水を投入。さらに鶏スープでスープ割り(2018年11月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鰆の塩つけそば」の説明書き(2018年11月18日)

    限定麺「鰆の塩つけそば」の説明書き(2018年11月18日)

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2018/11訪問71回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

紅葉をイメージした赤大根を麺に絡めて食べる昆布水つけ麺

11月12日(月)

最近「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主は、Facebook上での「限定麺」の告知をやめてしまいました。

告知すると、遠方からもマニアが殺到。
常連の方々が食べ損ねるという配慮からなのだろうか?

それと限定麺のサイクルも短くなったよう。
私のような車をもっていない者にはハードルが上がってしまいましたが、最近では原則土曜に(場合によっては金曜)限定が始まり、月曜に終了(運が良ければ火曜定休をはさんで水・木まで)というサイクルのようです。
このサイクルを念頭に置き、週末か月曜に食べに行けば、限定麺を食べ損ねないでしょう。

私も3週間ぶりなので、この間提供された限定麺2種を食べ損ね。
今日は、週末からの限定麺が残っていてラッキー。

○限定麺「弥吾七大根と赤大根のとりつけそば」(800円)

昨年もこの時期に提供されたメニュー。
ほぼ変わらないが、細かい点で修正がなされています。
値段が昨年の1,000円から今年は800円に値下げされたのが嬉しい。

つけ汁は、鶏ダシ9、煮干し1の割合。
これに生醤油、再仕込み醤油、たまり醤油などをブレンドした醤油ダレを合わせ、仕上油に鶏油を使った醤油味の強いスープ。

つけ汁の中には、煮干しと昆布のダシで煮込んだ弥吾七大根。
ちょうどおでんの大根を半分にカットした感じ。
さらに鶏挽き肉の団子が1個入っています。

麺は、ゆきちから、ねばりごし、もち姫をブレンド。
昨年の南部小麦、ゆちきからのブレンドとは変えてきています。
加水率35%の平打ち麺で、麺幅は約3ミリ。
麺は昆布水に浸かっていて、粘度のある昆布水が絡みつき、そのまま食べてもおいしいほど。

麺の上には半分に折りたたんだ豚ロース肉のチャーシューが2枚。
その上に赤紫の赤大根のおろしが玉状になってトッピング。
その他、すだちと三つ葉。

麺はツルツルで、噛むと意外にコシがあり、しかもモチッとした食感。
小麦の香りも感じられ、麺自体の旨みと麺に絡んだ昆布水の旨みが相乗。

つけ汁は見た目から醤油ダレが強そう。
鶏ダシ9割に鶏油が加わるので、かなり鶏感が強そうと思ったが、鶏感はむしろ適度。
醤油の香りや旨みを押し出している印象。
つけ汁を飲むと、まず酸味を感じますが、これは生醤油からくるものでしょう。
とにかく鶏と鶏油、醤油のブレンドがうまくはまり、鶏の旨みと醤油の旨みや香りがいい意味で融合した見た目以上のさっぱりとしたスープ。

弥吾七大根は、煮干しと昆布のダシをたっぷり吸って、上質なおでんの大根を食べているよう。
あっさりとした鶏挽肉の団子も旨みたっぷり。

麺の具に目を転じると、豚ロース肉の低温調理チャーシューは、淡白な味付けで柔らか。
昆布水を纏った平打ち麺を、少し濃いめの醤油ダレと鶏ダシメインのつけ汁にさっとつけて食べるとき美味しさは想像以上。
昨年よりも麺、つけ汁ともにグレードアップしていながら、200円の値下げには感謝というしかありません。
もっとも、麺量は昨年の230gから200gに減りましたが。

麺を半分ほど食べたのち、今度は赤大根のおろしにすだちを搾ります。
すると赤大根の赤色がさらに鮮やかに。

そして赤大根を麺にまぜそばのように絡めると、麺に赤大根の赤みがついて、村山店主のいうとおり、紅葉を連想させるビジュアル。
季節感溢れる「限定麺」の真骨頂。

すだちと大根おろしが絡んだ麺をつけ汁につけると、すだちの酸味と大根おろしの辛みが濃厚な醤油と鶏のつけ汁にうまく溶けて、飲みやすくなります。

本当はここでスープ割りを頼むべきでしょうが、酸味や辛みが鶏と醤油の旨みに絶妙にミックスしたスープがあまりにおいしいので、バランスを崩したくなく、今回はそのまま飲み干しました。
すだちや赤大根のおかげで、濃厚なつけ汁もすっきり。

ラーメンと日本料理との融合ともいうべき季節感のある限定麺。
今週末には次の限定麺が登場。
盛岡では、最近質の高い無化調の限定麺を出す店が増え、しかもそれらが週末に競合。
嬉しい悲鳴を上げたくなります。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「弥吾七大根と赤大根のとりつけそば」(2018年11月12日)

    限定麺「弥吾七大根と赤大根のとりつけそば」(2018年11月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「弥吾七大根と赤大根のとりつけそば」(2018年11月12日)

    限定麺「弥吾七大根と赤大根のとりつけそば」(2018年11月12日)

  • 南部屋路ばた - 昆布水に浸かった麺の上には赤大根のおろしとすだち(2018年11月12日)

    昆布水に浸かった麺の上には赤大根のおろしとすだち(2018年11月12日)

  • 南部屋路ばた - 醤油味の濃いつけ汁と弥吾七大根(2018年11月12日)

    醤油味の濃いつけ汁と弥吾七大根(2018年11月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「弥吾七大根と赤大根のとりつけそば」のPOP(2018年11月12日)

    限定麺「弥吾七大根と赤大根のとりつけそば」のPOP(2018年11月12日)

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2018/10訪問70回目

4.4

  • 料理・味4.4
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

完成度増した「鶏そば」に「白金豚ワンタン」トッピング!

10月28日(日)

「鶏と水」のみからスープをとった無化調の「鶏そば」が食べたい!
最近そんな欲求が日増しに強まっています。
2日前にも、盛岡におけるこの分野のパイオニア「らぁめん サンド」(盛岡市西青山)で、「鶏そば」を食べたばかり。

そんな中、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主が、大盛不可の「鶏そば」「煮干しそば」のための「白金豚ワンタントッピング」(3個120円)と「白金豚シュウマイ」(3個300円)の提供を始めるとのアナウンス。

これは行くしかないと、今日(28日)午後、「南部屋路ばた」に行ってきました。

○「鶏そば」(750円)+「白金豚ワンタントッピング」(120円)

13時40分に「南部屋路ばた」到着。
相変わらず、日曜の午後だけあって混み合っています。
限定麺は、先週紹介した「鰹そばと鰹飯」(1000円)。
今日で提供終了。

私は券売機で「鶏そば・煮干しそば」の食券(750円)を購入。
合わせて、麺大盛(120円)の食券を買って、「鶏そばのワンタントッピング」をお願いしました。

それほど待たずに「白金豚ワンタン」が3個トッピングされた「鶏そば」(醤油)が到着。

濃い琥珀色の澄んだスープに鶏油がさらっと流され、中細麺が綺麗に盛り付けられているビジュアル。
何度見てもホレボレします。

具は定番の豚ロース肉の低温調理チャーシュー、豚バラ肉のチャーシュー各1枚。
穂先メンマ2本と白髪ネギ・細切り青ネギのミックス、そして味玉ハーフという鉄板のトッピング。
それに、「白金豚ワンタン」3個がのります。

スープを飲むと、鶏ダシと鶏油がセットになって、今まで以上の鶏の旨味が押し寄せます。
有名地鶏を使わず、「普通の鶏」の丸鶏とπウォーターだけからこんなにも豊饒な鶏の旨味が抽出され、しかも旨味が最後まで衰えないところが素晴らしい。

鶏の旨味の次に、今度は深みのある醤油ダレの旨味と香りがやってきます。
以前は味醂の甘さや生醤油の酸味が目立った時期もありました。
しかし、今日のブレンドは醤油ダレの旨味や香りを純粋に感じられるもの。

村山店主に聞くと、醤油のブレンドを最近また変えたという。
現在は以前と銘柄の違う4種の生醤油に再仕込み醤油、杉樽仕込み醤油をブレンド。
さらに味醂や酢を加えています。

醤油ダレは「サンド」のそれよりもストロングですが、決して醤油ダレが「鶏と水」のみのスープを凌駕しているわけではなく、「サンド」よりもやや強めのレベルでバランスしています。

詳しく解析すれば、地鶏に比べ旨味の劣る「普通の鶏」を補うため、醤油ダレを強めにしているというのが原点。
しかし、「普通の鶏」からのダシ抽出のレベル向上に伴い、醤油ダレが前よりもナチュラル化したといえます。

以前感じた甘味や酸味を取り去り、醤油の旨味や香りを純粋に押し出すタレの完成度と、鶏ダシの旨味抽出技術の深化が良い意味でマッチ。

地鶏に頼らず、「普通の鶏」親鳥の丸鶏の可能性を追求し続ける姿勢にも感嘆。
なにせ、ガラさえ追加していないのですから。

麺はゆきちからがメイン。
南部小麦を少し加え、ふすまを練り込んだ自家製麺。
切り刃は20番。
最近寒さが強くなってきたので、加水率を上げ、今日は37%という。

田舎そばを連想させるポクポクとした素朴な食感ながら、噛むと小麦の香りが漂い、適度のコシとモチモチ感のある独特の角ストレート中細麺。

しかし、最近前記の食感を保ちながらも、麺自体が以前よりしやかなで少し柔らかめにシフト。
鶏清湯との親和性がさらに増しています。
麺量は160g。

トッピングの美味しさは、何度も書いているのでごく簡単に。
何と言っても、豚ロース肉(肩ロース肉ではなく)の低温調理チャーシューの出来が素晴らしい。
単に柔らかくて淡白というだけではなく、肉の旨味がしっかり詰まり、しかもジューシー。

バラ肉チャーシューは、赤身はホロホロと溶ける柔らかさ。
脂身も脂っこさは全くなく、口の中で自然に溶け、甘味が残る絶妙な味。

穂先メンマのシャキシャキ感、2種のネギをミックスした薬味の清涼感、トロッと煮込んだ黄身の味付けの良さが特筆ものの、味玉ハーフなど、具のすべてが高レベル。

それに今回は自家製の「白金豚ワンタン」が3個もつくのですから、大満足。

ワンタンの皮へのこだわりが並みではありません。
南部小麦、ゆきちから、もち姫、ネバリゴシなど中力粉中心に6種類の小麦をブレンドして皮をつくっています。
そのため、皮はツルツルでフワフワ。

しかも、白金豚の荒挽きに生姜を少し加えただけで、それ以外の調味料を全く添加せず。
お陰で、白金豚の旨味とコク、そしてジューシーさをストレートに堪能できます。

今回は「白金豚シュウマイ」(300円)の注文は見送りましたが、次回は「ワンタン」と「シュウマイ」両方を堪能する予定。

次の限定麺も楽しみですね。

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」+「白金豚ワンタン」(2018年10月28日)

    「鶏そば」+「白金豚ワンタン」(2018年10月28日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」+「白金豚ワンタン」(2018年10月28日)

    「鶏そば」+「白金豚ワンタン」(2018年10月28日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」のPOP(ただし、醤油ダレのブレンドはかなり変わっています)(2018年10月28日)

    「鶏そば」のPOP(ただし、醤油ダレのブレンドはかなり変わっています)(2018年10月28日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタン(2018年10月28日)

    「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタン(2018年10月28日)

  • 南部屋路ばた - 新発売の「ワンタントッピング」と「シュウマイ」の案内(2018年10月28日)

    新発売の「ワンタントッピング」と「シュウマイ」の案内(2018年10月28日)

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2018/10訪問69回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

鰹節ダシのラーメンと鰹たたきのご飯!鰹づくしの豪華メニュー

10月21日(日)

昨日から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。

今回の限定麺は「鰹そばと鰹飯」(1000円)。
鰹節をはじめ節系でとったスープの醤油ラーメンに自家製の鰹のたたきがのる鰹飯のセット。

ラーメン店で、自家製のたたきをつくるのは大変。
生鰹の入荷にも数量制限があるでしょうから、1日か2日の提供だろうと推測。
というより、昨日1日だけの恐れもあって、店につき、券売機で提供を確認するまでは冷や冷やものでした。

私の直感は半ば当たっていて、村山店主によると、本日なくなり次第、終了とのこと。
今日来て良かったと心の底から思いました。

○限定麺「鰹そばと鰹飯」(1000円)

日曜13時に「南部屋路ばた」着。
予想どおり、好天と暖かい陽気に誘われ、店内は大混雑。
後からあとからお客さんが入店。
券売機の前で行列ができています。

大衆的な化調のラーメン(南部手もみラーメン)やチャーハン、餃子などを大量に提供する一方、無化調・自家製麺の「鶏そば」「煮干しそば」「限定麺」を提供。
調理はすべて村山店主ひとりで担当。

日によって違いますが、お客の7割が大衆的なメニューを注文。
「鶏そば」「煮干しそば」「限定麺」を注文する客は3割程度ですが、最近は「限定麺」が岩手県内外のラヲタの間で話題を集め、休日などは「限定麺」が早い時間帯で終わってしまうことも。

幸いカウンターの一番端に空席を見つけ、食券を女性スタッフに渡します。
写真撮影した「限定麺」の説明を読みながらじっくりと予習。
今日は先客が多いため、注文からラーメンの到着まで約10分強。

到着した「限定麺」。
予想はしていましたが、それを上回る豪華版。

鰹節2種とマグロ節、サバ節、昆布、シイタケ、煮干しなどからとった節系メインのダシに6種の醤油をブレンドした醤油ダレを合わせています。
さらに鰹オイルを加えた醤油スープ。

節系素材がたっぷり詰まっているような少々濁った琥珀色のスープ。
湯気とともに、鰹節の良い香りが立ち上り、食欲をそそります。

自家製の中細麺が綺麗に盛り付けられ、具は豚ロース肉低温調理チャーシューの二つ折り。
その下に豚バラ肉チャーシュー。
肩ロース肉低温調理チャーシューの上には、白髪ネギと細切りの青ネギのミックス。
その他、穂先メンマが2本。

「鰹飯」はそれ以上に贅沢な品。
ミニ丼ですが、千切りの海苔を敷き詰めたご飯の上に、自家製の鰹のたたきが3枚。
横にごまだれが添えられ、薬味は白髪ネギと大葉、菊の花弁のミックス。
食べるのがもったいないような美しいビジュアル。

まずは「鰹そば」から。
スープを飲むと、鰹節の風味がメインながら、その他の節や昆布などの旨味が絶妙にブレンドされ、味に厚みと奥行きを与えます。

それに醤油ダレの風味が加わった旨味が強いものの、どこか上品なスープにレンゲが止まりません。
煮干しスープと明らかに違う節系スープの良さをいかんなく発揮。

個人的には、「鶏そば」「煮干そば」に続き、「鰹そば」をレギュラーにして欲しいほどの完成度の高い無化調スープ。

麺は切り刃20番、加水率35%の自家製中細角ストレート麺。
岩手県産のゆきちからと南部小麦をブレンド。
全粒粉を練り込んでいます。

「鶏そば」「煮干そば」用の麺と同じですが、今日の食感はいつものポクポクした田舎そばのようなものとは微妙に違い、もっと滑らか。
モチモチ感も増している感じ。
もしかしたら、小麦の配合を調整したのかも。

調理に追われる村山店主に、今日の麺の仕様について詳しく確認できなかったのが残念。
麺量は「鶏そば」「煮干そば」と同じで160g。

淡白な味の豚ロース肉低温調理チャーシュー。
ホロホロとした柔らかさと醤油ダレの味付けが絶妙な豚バラ肉チャーシュー。
多目の薬味のネギが、適度な苦味と清涼感を添えています。
シャシシャキ食感の穂先メンマも、相変わらずの美味しさ。

スープを残して麺や具を食べ終えたあと、今度は「鰹飯」に移ります。
麦わらで表面を炙った鰹のたたきは、薫製のような香ばしさ。

それでいて中身はレアで、鰹の旨味が凝縮。
そんな鰹のたたきが3枚ものっているのですから、本当に贅沢。
最初の1枚は何もつけずに、鰹の旨味を味わいます。
2枚目は、白髪ネギ、大葉、菊の花弁などの薬味をのせ、ごまだれにつけたあと、ご飯と一緒に食べます。

そして、今度は残った「鰹そば」のスープを「鰹飯」に全部かけ、薬味やごまだれ、ご飯とまぜて、お茶漬けのようにして、最後の1枚のたたきを食べます。

節系スープの旨味がたたきの旨味に重なり、ごまだれの風味も加わって、まさに「鰹づくし」のお茶漬け。

食べ終えると、鰹を堪能したという満足感と、「鰹そば」と「鰹飯」の両方を食べ終えた満腹感で、しばし放心。

こんな素晴らしいセットが2日間の提供で終わってしまうのは残念。
復活を期待したいものです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鰹そばと鰹飯」(2018年10月21日)

    限定麺「鰹そばと鰹飯」(2018年10月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鰹そばと鰹飯」(2018年10月21日)

    限定麺「鰹そばと鰹飯」(2018年10月21日)

  • 南部屋路ばた - 「鰹そば」(2018年10月21日)

    「鰹そば」(2018年10月21日)

  • 南部屋路ばた - 「鰹飯」(2018年10月21日)

    「鰹飯」(2018年10月21日)

  • 南部屋路ばた - 「鰹そばと鰹飯」の説明書き(2018年10月21日)

    「鰹そばと鰹飯」の説明書き(2018年10月21日)

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2018/10訪問68回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

今はなき名店をリスペクトした「鶏楽つけそば」

10月8日(月)

3連休最終日の8日は、連休初日に訪れた「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に中1日で訪問。

一昨日は地鶏をブレンドした「特別仕様スープ」の「鶏そば」。
本日は限定麺「鶏楽(けいらく)つけそば」を食べました。

「鶏楽つけそば」は、今年既に2回限定麺として提供した「ノス(ノスタルジック)つけそば」をリネーム。

「ノスつけそば」は、惜しまれつつ2012年12月に55年の歴史に幕を閉じた東京都中野区の名店「栄楽」(中野区新井)のつけそばを再現。
過去2回の「ノスつけそば」のレビューで、「栄楽」や「丸長のれん会」のつけそばについて詳述。

簡単にまとめると、つけそばの祖である山岸一雄氏が1955年、丸長系の「中野大勝軒」在籍時につくったつけそばが、「丸長系」のつけそばで、今のつけ麺やつけそばのルーツ。

山岸氏自身、1961年に独立。
「東池袋大勝軒」を開店して以降、豚骨魚介のWスープのより分厚いつけ汁の方向にどんどんシフト。

丸長系→東池袋大勝軒系→青葉系→六厘舎系へとつけ汁がどんどん濃厚化。
「またおま系」などといわれる一方で、ルーツの「丸長系」つけ汁を頑なまでに守り、閉店まで行列店だったのが「栄楽」。

「栄楽」なきあと、その味を求めて「丸長のれん会」のつけそばを放浪する人が後を絶たないことからも、その人気のほどがうかがわれます。

たまたま「南部屋路ばた」村山店主の親友が、熱烈な「栄楽」ファン。
彼の語る味をもとに、無化調・自家製麺で「栄楽」のつけそばを再現したのが、「ノスつけそば」改め「鶏楽つけそば」。

リスペクトを込め、「栄楽」から「楽」の一文字をとり、鶏ベースのつけ汁であるのことから、「けいらく」とリネーム。

「栄楽」のつけ汁は鶏ガラベースの醤油ダレの強い和風のさっぱりとしたスープ。
醤油が強いだけに、しょっぱいだけでなく、さらに酢と一味を加えた酸味の強いピリ辛のつけ汁。
「またおま系」の濃厚なつけ汁に慣れた方は、最初「アレっ」と思うこと必至。
しかし、村山店主が言うように、「3回食べればはまります」

「路ばた」の常連にも「ノスつけそば」のファンが多く、リクエストが殺到。
そこで、季節感はないものの、今回リネームして「限定麺」として復活。

つけそば(つけ麺)のルーツである丸長系のつけそばにもっとも忠実な「栄楽」のつけそばを、盛岡で無化調で再現した「路ばた」の「鶏楽つけそば」は、つけそば好きには必食ものでしょう。

○限定麺「鶏楽(けいらく)つけそば」(800円)

「路ばた」到着は13時30分。
相変わらず、ラヲタや家族連れ、老夫婦など多様なお客で店内は一杯。

村山店主に聞くと、3連休初日から提供が始まった「特別仕様スープ」の「鶏そば」は既に売り切れ。
ここで、「特別仕様スープ」の「鶏そば(塩)」という選択肢は消えました。

そこで「限定麺」の「鶏楽つけそば」の食券を購入。
店では、いつもの村山店主とベテラン女性スタッフの2人に、男性スタッフも加わった3人体制。

とくにこだわりのないお客さんは、化調の「手もみラーメン」やチャーハンを注文。
ラヲタは無化調の「鶏そば」(通常スープ)「煮干しそば」「限定麺」を注文するなど、選択がくっきりと分かれています。

ほどなく「鶏楽つけそば」の麺とつけ汁が到着。

面白いのが麺の盛り付け。
まるで「らぁめん サンド」の「昆布水つけ麺」の麺のように、麺の一部がせり上がった形で盛り付けられています。

中細の麺を食べると、ふんわりとした食感で、噛むとモチモチ感が半端じゃない!
これは多分「もち姫」が配合されているなと推測。

村山店主に聞くと、ゆきちから、南部小麦、もち姫のブレンド。
切り刃20番、加水率41%の多加水ストレート麺。
もちろん自家製麺。
平打ち気味の麺ですが、麺には厚みがあって、これが小麦粉のブレンドとあいまって、ふわふわ感やモチモチ感に寄与。

麺は「栄楽」の太麺と違い中細麺ですが、つけ汁は「栄楽」のあのしょっぱく、酸味と辛味の効いた味を再現。

ただし、基本は「鶏そば」のスープと醤油ダレ。
親鳥の丸鶏とπウォーターだけからとったスープに、6種の醤油や味醂、酒などをブレンド。
違うのは、さらに醤油を足し、酢、砂糖、一味を加えていること。
これにより、「栄楽」のつけ汁の味を踏襲しつつ、さらにグレードアップされたつけ汁(無化調)に。

つけ汁には、豚バラ肉の煮豚、穂先メンマ、ナルトなどの細切りとネギが入り、さらに千切りの海苔がトッピング。

鶏と醤油ダレがバランスないし相乗するのではなく、鶏は下支え。
醤油ダレが圧倒。
バランスなど関係なく、「追い醤油」をした強烈な醤油感としょっぱさ。
それに酸味とピリ辛が加わる鉄板の古典的丸長系のつけ汁。

首都圏の丸長系でも、これだけ醤油感の強いさっぱりしたつけ汁は、今では稀。
つけ汁が良く滲みた煮豚や穂先メンマ、そして海苔の風味やナルトの食感なども「栄楽」の味を再現しつつ改良。

この和風つけ汁にモチモチとした自家製麺をつけて啜るとときの快感は、本当に涙もの(大袈裟ですが)。

麺量は300gもありますが、あっさり完食。
少量残ったつけ汁に割りスープならぬ割り湯(湯を足す)してもらうと、酢や一味の風味が薄められる分、醤油の香りが一段と際立ちます。

限定麺「鶏楽つけそば」は、好評につき今週末も提供。
「またおま系」のつけ汁に慣れた方も、ルーツである「丸長系」のつけ汁を食べる貴重な機会です。

ところで、村山店主は10月16日(火)19時から桜山の「かもし処 陽-SUN-」で行われる「日本酒と小麦のマッチングイベント」で、「小麦コース料理」を提供する予定。
花巻市石鳥谷の銘酒「酉与右衛門」(よえもん)の蔵元・川村酒造とのコラボ。

村山店主のセンスが発揮された「小麦コース料理」というだけでも、食指が動きます。
しかし、予約制(先着順)で、会費7000円というのがネックですね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏楽つけそば」(2018年10月8日)

    限定麺「鶏楽つけそば」(2018年10月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏楽つけそば」(2018年10月8日)

    限定麺「鶏楽つけそば」(2018年10月8日)

  • 南部屋路ばた - 麺(2018年10月8日)

    麺(2018年10月8日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁(2018年10月8日)

    つけ汁(2018年10月8日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁をお湯割り(2018年10月8日)

    つけ汁をお湯割り(2018年10月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏楽つけそば」の説明書き(2018年10月8日)

    限定麺「鶏楽つけそば」の説明書き(2018年10月8日)

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2018/10訪問67回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

新銘柄地鶏「南部かしわ 銀雪」をブレンドした特別仕様の「鶏そば」

10月6日(土)

3連休初日の朝。
朝食をとりながらどこへ行こうか物色。

すると、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主がFacebookに昨晩書き込み。

同店の「鶏そば」のスープは親鳥の丸鶏と水(πウォーター)のみからとったもの。
親鳥が「普通の鶏」で、銘柄地鶏を使っていないのが同店の特色。

地鶏に比べ旨味の点で落ちる「普通の鶏」の親鳥丸鶏を使い、地鶏スープに及ばないながら、旨味の十分なスープを抽出。
及ばないところを、試行錯誤を重ねた分厚い醤油ダレで補完。
地鶏スープの鶏そばに匹敵する鶏の旨味と深み、醤油ダレの旨味と香りが相乗した無化調・無添加の鶏清湯醤油ラーメンをつくりあげています。

最近は醤油ダレを何度もいじり、直近では非加熱無濾過醤油(生醤油、生揚げ醤油)3種、再仕込み醤油の計4種の醤油に三河味醂、純米酒をブレンド。

生醤油の割合を高めにした少々酸味のあるブレンドでした。

果たして地鶏の導入に加え、醤油ダレをその後どういじったのかを確かめたくて、今日14時前に同店を訪れました。

○「鶏そば」(750円)

本日は「鶏そば」のスープが地鶏バージョンの「特別仕様」。
同時に「限定麺」の「鶏楽つけそば」がスタート。

「鶏楽つけそば」は、以前2回提供された「ノスつけそば」の名前を変えたもの。

いまは亡き、東京都中野区の名店「栄楽」(中野区新井)をリスペクトしたしょっぱくて、ピリ辛で酸味の強い「丸長系」のつけそばを無化調で再現した「ノスタルジックつけそば」略して「ノスつけそば」。
今回は「栄楽」へのリスペクトを商品名に反映。
「鶏楽つけそば」と命名。

こちらは既に2回食べているので、今日は「鶏そば」を選択。

もちろん店内には「スープ特別仕様」を示す掲示などは全くありません。

店内はカウンターは一杯なのに、テーブル席はガラガラの面白い光景。
女性スタッフからテーブル席への着席を打診されますが、相席を嫌って、カウンター席が空くのを待ちます。

すぐにカウンター席の2人が食べ終え、退店。
割とすんなりとカウンター席をゲット。

座ると、数分で「鶏そば」が到着。
ビジュアルは、いつもの「鶏そば」。

濃い琥珀色のスープに鶏油が浮かんでいます。
麺線の美しさを強調した麺の盛り付け。
具は、豚ロース肉の低温調理チャーシューを折り畳み、その下に豚バラ肉チャーシュー。
チャーシューの上には、青ネギと白ネギの細切りをミックスさせ盛り付け。
その他は、穂先メンマ2本と味玉ハーフ。

やはりスープの味の変化、醤油ダレの変化が気になります。
スープを飲むと、鶏油のコクと香り、鶏ダシの旨味、醤油ダレの旨みと香りがブレンドされて一気に押し寄せます。

感じるのが、鶏ダシの旨味や深みがさらに増していること。
普通の鳥の親鳥の丸鶏だけでも、かなりの旨味を出していました。
しかし、やはり地鶏の威力は違います。
スープの旨味が深くなると同時にワイドになっています。

使用した地鶏は「南部かしわ 銀雪(ぎんせつ)」。
西和賀町の生産者組織「ユキノチカラ」が、地鶏「南部かしわ」をもとに、西和賀町産の大豆や米を餌として与え、岩手県内一の豪雪地である西和賀町の雪解け水を与え約120日間飼育した鶏。
2017年に誕生した新進の地鶏。

「南部かしわ 銀雪」のガラと丸鶏、従来から使っている(普通鳥)親鳥の丸鶏を5対5でブレンド。
これとπウォーターで引いたスープ。

鶏清湯スープの旨味に深みやワイド感が増す一方で、醤油ダレには深みや香りがありながら、気になっていた酸味がかなり抑えられています。

醤油は4種から6種に。
非加熱無濾過醤油3種と再仕込み醤油に杉樽仕込み醤油と有機醤油をブレンド。
醤油の種類を増やす一方で、生醤油の使用量を減らしています。

酸味が少なくなり飲みやすくなった醤油ダレに地鶏ブレンドで旨味の増した鶏スープの組み合わせ。
「らぁめん サンド」(盛岡市西青山)とはまた違う高レベルの「鶏そば」が誕生。

残念なのは、「南部かしわ 銀雪」の入荷量が少ないため、特別仕様スープの提供が3連休終了頃までということ。
それ以降はいつものスープに戻りますが、新しい醤油ダレとどう調合するのか?
これも楽しみ。

麺は切り刃20番、今日は加水率35%の中加水中細角ストレート自家製麺。
村山店主によると、いつもより少し細めに打ったとのこと。

ゆきちからと南部小麦をブレンド。
「ふすま」(小麦の表皮)を練り込んだ麺。
田舎そばのようなポクポクとした素朴な食感で、適度のコシ、噛むとモチッとした食感。
さらにふすまが効いて、小麦の香り豊かな麺。
麺量は160g。

淡白な味でスープを邪魔しない豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
ホロホロとした柔らかな豚バラ肉チャーシュー。
シャキシャキ食感が心地よい穂先メンマ。
醤油や味醂などダレの旨味が溶け込んだ濃厚な旨味のトロトロの黄身が絶品の味玉ハーフ。
爽やかな苦味とシャキシャキ感が薬味として効果絶大のネギ。
どれをとっても隙がありません。

食べ終えたあと、連休最終日の明後日に、限定麺「鶏楽つけそば」を食べに来ると村山店主に告げました。
すると、今日の「煮干しそば」のダシはとくに美味しくできたとの一言。
それに「特別仕様スープ」の「鶏そば」(塩)にも自信があるという。

連休3日目、限定麺を食べるか、「煮干しそば」(今度は醤油)を食べるか、それとも「特別仕様スープ」
のあるうちに、「鶏そば」(塩)を食べるか?悩みが尽きません。

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(特別仕様スープ)(2018年10月6日)

    「鶏そば」(特別仕様スープ)(2018年10月6日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(特別仕様スープ)(2018年10月6日)

    「鶏そば」(特別仕様スープ)(2018年10月6日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」の説明書き(内容は以前のもの)(2018年10月6日)

    「鶏そば」の説明書き(内容は以前のもの)(2018年10月6日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタン(2018年10月6日)

    「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタン(2018年10月6日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏楽つけそば」の説明書き(2018年10月6日)

    限定麺「鶏楽つけそば」の説明書き(2018年10月6日)

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2018/09訪問66回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

濃厚だが上品な煮干しの旨味が魅力の塩煮干し!

9月27日(木)

今日の盛岡は朝から雨の肌寒い一日。
幸い、15時の会議までフリーなので、3連休最終日に行こうとして見送った「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)へ。

目的は、村山店主オススメの「煮干しそば(塩)」。

「南部屋路ばた」は、岩手のラーメン店としては、4番目に浄水器の「πウォーター」を導入(ちなみに、その他の3店は「サンド」「人力俥」「煮干らー麺シロクロ」)。

村山店主によると、πウォーターの導入により、ダシの出が著しく改善。
スープが以前より濃くなったといいます。
効果は煮干しにとくに顕著。

πウォーターで旨味がさらに増した煮干しダシの魅力を味わうには「塩ダレ」と合わせた「煮干しそば(塩)」がベターというのが村山店主の考え。
そこで平日の午後訪れてみました。

○「煮干しそば(塩)」(750円)

雨の中、13時20分に店に到着。
予想した通り、週末の賑わいがうそのようなのんびりした店内。
先客は2人。後客は1人。
「鶏そば・煮干しそば」の食券を購入。
女性スタッフに渡すとき、「煮干しの塩」をお願いしました。

カウンター席に座ると、まもなく「煮干しそば(塩)」が着丼。
提供スピードの速さにも驚き。

それ以上に湯気とともに、煮干しの実に良い香りが立ち上り、食欲が増します。

ビジュアルも洗練されています。
黄金色の濁りのあるスープ。
そこに浮かぶ煮干しオイル。
丼の3分の2には、麺が実に綺麗に折り畳まれて盛られています。
これは、明らかに麺の美しさを強調した盛り付け。

具は、残りの3分の1のスペースに集約。
味玉半分と折り畳んだロースハムのような豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
その下に豚バラ肉のチャーシューが隠れています。
さらに、穂先メンマ2本と、細切りの白ネギと青ネギの盛り合わせ。
白と緑のコントラストが鮮やか。

まず良い香りを放っているスープを飲んでみます。
熱々のスープをいただくと、濃厚な煮干しの旨味が押し寄せてきます。
苦味やエグミなどはなく、煮干しの旨味だけをぎゅっと凝縮。
それが塩ダレの旨味と相乗して、淡麗系としては極限に近い旨味をつくりながら、それでいて上品な味。

村山店主に伺うと、白口2種と平子、ウルメを使用。
エグミや苦味のある背黒を使わず、白口中心に、やや上品であっさりと仕上げたとのこと。

使う煮干しの種類、煮干しの質によってダシの出方は当然異なりますが、「食材の違いをそのまま反映するのも無化調の楽しさ」と語る村山店主。

煮干し以外に昆布や椎茸も使っていますが、使用量を次第に減らし、「純煮干し」に近づいています。

塩ダレは3種の塩に貝ダシをブレンド。
さらに、鶏ダシや煮干しダシを足しています。
このやや濃いめの塩ダレが煮干しの旨味と相乗。
醤油ダレ以上に煮干しの旨味を伝えながら、同時に煮干しと塩ダレ両者の旨味が重層し、醤油ダレとの重層感とは違った旨味を表出。

淡麗塩煮干しで、ここまで厚みがある旨味を作り出し、しかも上品で洗練されたテイストを保っているのは本当に驚き。

麺は、切り刃20番、加水率36%の中細角ストレート麺。
ゆきちからをメインに南部小麦を加え、さらに少量もち姫をブレンドさせた自家製麺。
ふすまの量をいつもより減らしたといいます。

ポクポクとした素朴な食感が当店のレギュラーメニューの麺の特徴。
今回、ふすまの投入量を減らした結果、ツルツルとまでは行きませんが、滑り具合が増した印象。
それでいて麺の旨味は十分。
少し固めでコシがありますが、噛むとモチッとした食感。
これらの多様な食感の組み合わせは、当店の自家製麺ならでは。
麺量は160g。

まさにロースハムと言って良い淡白な味の豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
ホロホロと口の中でとろけるような豚バラ肉のチャーシュー。
コクのある味ですが、脂っぽさは、ほとんど感じません。
味付けが脂分に勝っている感じ。

シャキシャキ感に加え、食材本来の味を生かした味付けの穂先メンマ。

そして、トロッとした黄身の味付けが抜群に美味しい味玉半分。

見逃せないのが多目のネギ。
白ネギと青ネギの細切りをミックスさせ、盛り付けています。
シャキッとした食感に加え、適度な苦味が煮干しスープに清涼感を添えています。

苦味のない濃厚かつ上品な旨味たっぷりの煮干しダシ、こちらも旨味のある塩ダレ。そして煮干しオイル。
この三者の重層が、無化調にして比類のない美味しさのスープを構成。

それに合わせる個性的な自家製麺。
完成度の高い洗練された具の数々。

以上のトータルが「煮干しそば(醤油)」とは違った個性の「煮干しそば(塩)」。
タレに少量ですが鶏ダシが入っているので、完全アニマルオフとは言えませんが、そんなことはおかまいなし。
煮干し好きは、是非淡麗煮干しの限界に挑戦した「煮干しそば(塩)」を食べてほしい。
香りは醤油に負けますが、煮干し本来の旨味という点では、塩が勝っているかも。

ただし、日によって煮干しの配合、煮干しの質が異なり、それを忠実に反映する無化調スープ。
そのため、以上のレビューが今後もずっと当てはまるかどうかは未知数。
でも、村山店主の先の言葉を繰り返すようですが、このブレ?を楽しむのが無化調ラーメンファンなのです。

村山店主によると、これまで岩手県産の醤油にこだわってきたが、それでは思い通りの味が出せないため、県外の醤油を導入したとのこと。

そうなると、当然「煮干しそば(醤油)」「鶏そば(醤油)」を食べに来なければなりませんね。

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(塩)」(2018年9月27日)

    「煮干しそば(塩)」(2018年9月27日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(塩)」(2018年9月27日)

    「煮干しそば(塩)」(2018年9月27日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば、煮干しそば」の説明書き(2018年9月27日)

    「鶏そば、煮干しそば」の説明書き(2018年9月27日)

  • 南部屋路ばた - 鶏そば・煮干しそば、限定麺のボタン(2018年9月27日)

    鶏そば・煮干しそば、限定麺のボタン(2018年9月27日)

  • 南部屋路ばた - 「πウォーター」を導入(2018年9月27日)

    「πウォーター」を導入(2018年9月27日)

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2018/09訪問65回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

牛と香茸のつけ汁。牛イチボのしゃぶしゃぶ付きの贅沢なつけ麺

9月22日(土)

昨日(21日)から「イオンモール盛岡」では、26日まで恒例の「岩手ラーメン博2018」。
石神秀幸氏プロデュースのもと全国から9店が集結。

毎年大混雑するイベントだが、今年は化調濃厚系のお店がほとんど。
淡麗は「ひるがお」一店だけとあって、事前の盛り上がりはいまいち。
それでも、3連休の開始と重なった今日はイオンモール盛岡周辺の道路は大渋滞したという。

聞くところによると、一番人気は「みそ味専門 マタドール」(北千住)だという。

「マタドール」といえば、牛骨ラーメンで有名だが(今回は本店ではなく、2号店の「濃厚味噌らぁ麺」を提供)、それに対抗したのか、21日から「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)、「麺極 はなみち」(盛岡市前九年)が、ともに牛骨を使ったつけ麺、醤油ラーメンを限定で提供。

「南部屋路ばた」からの告知は今朝。
「はなみち」は開店(午前11時)後。

さあどちらに行くべきか?

「はなみち」は今日と明日だけだが、過去2日目の日曜にメニュー変更になったことも度々(先週も)。

「南部屋路ばた」も、村山店主が「思ってたより取れませんでしたので、お早めのご来店をオススメします」と気になる発言。

もし、どちらかを今日食べて、もう一方を明日に延ばすと、食べ逃す可能性がある。
そんな恐れから、今朝3時過ぎまで仕事をして、身体も頭もボロボロになりながらも、最近やめていた連食に挑戦。

自宅から遠い「南部屋路ばた」→「はなみち」のコースを選択。

12時50分に「南部屋路ばた」に到着。
「ラーメン博」にごっそり客を持っていかれたかと心配していたが、それは杞憂。
しかし、家族連れが多く、私が券売機の前で並んだときは、先客の中で限定麺の注文はなし。

今回は通常の800円ではなく、1000円という値段だったので、限定麺のボタン(800円に固定)ではなく、「ミニラーメン」(500円)の食券を2枚購入。
注文するとき、「限定麺」をお願いします。

ちょうど、女性スタッフに食券を渡すとき、厨房の村山店主と目が合いました。
村山店主曰く「限定が全然出ませんよ」

たしかに、私の前の家族連れには人気のなかった限定麺でしたが、私がカウンター席に座ったのちに、いかにもラヲタらしき方々が続々と訪れ、限定麺の注文が続出。

○限定麺「岩手和牛と香茸のつけそば」(1000円)

先客の注文を1人で手際よくこなす村山店主。
かなり待つなと覚悟しましたが、10分強で限定のつけそばが到着。

化調の手もみラーメンを食べていた家族連れも、私に運ばれた限定麺を見て、驚いていました。
それほど豪華で、ビジュアルの美しさも飛び抜けています。

最近の同店でつけそば専用に使われる中央が窪んでいる白い大きな皿。
窪みに麺が盛られ、その上にピンク色の綺麗な牛イチボのしゃぶしゃぶがのっています。

豚しゃぶのバラ肉に近いのですが、ワインレッドに近い濃いピンクの美しい肉。
肉の上には、白髪ネギと青ネギ千切りのミックスがトッピング。
ピンクと白と緑の色のコントラストが、もはや芸術的。

皿の縁には味変用の薬味が3種。
チリパウダーと粗挽きのブラックペッパー、すだち。

つけ汁は表面に小口切りの青ネギがびっしり。
さらに、牛脂がスープの間から顔を覗かせています。

まずは麺から。
ゆきちから、南部小麦にもち姫を少し入れた配合の自家製麺。
ふすまを練り込んだ加水率35%の平打ち麺。
麺幅は約4ミリ。
麺の厚みは薄めで、典型的なピロピロ麺。
ピロピロ麺らしい滑らかで軽やか、口の中で躍動する食感が魅力的。
適度のコシがあり、噛むと「ふすま」が炸裂し、小麦の香りが広がります。
麺量は250g。

麺も素晴らしいのですが、それれ以上なのが、トッピングの岩手和牛のしゃぶしゃぶ。

牛の部位のなかでも、お尻の上部が柔らかさで定評があるランプ肉。
そのランプの先にあるもっとも柔らかい部位を切り落としたのが、イチボ肉。

それだけに、口の中で溶けてしまうほどの柔らかさ。
しゃぶしゃぶなので、味はついていませんが、それがかえって和牛の旨味をピュアに感じさせます。

麺の上にイチボとネギをのせ、つけ汁につけずにそのまま食べるのも、オススメ。
もちろん、そのあとつけ汁につけると、今度はつけ汁の牛肉風味と香茸(こうたけ)の香りが麺に絡まり、絶品の旨さ。

つけ汁は、牛骨、牛筋をベースに、人参、玉ネギ、セロリ、リンゴなどの香味野菜や果物を加え、昆布や鰹節を効かせています。
さらに牛脂や香茸を含む実に手の込んだ構成。

スープの中には、コロンとした牛脂や細くスライスした香茸がそのまま入っています。

つけ汁を飲んでみると、甘味を含んだ酸味の強さ。
その酸味の中に、牛らしい旨味が実にスムーズに溶け込んでいます。
牛脂の塊を食べると、牛の旨味が一気に濃厚に。
それに加え、「松茸よりも風味が強く美味」と言われる香茸の独特な旨味が、つけ汁に深みを与えています。
牛脂と同じく、香茸のスライスを食べると、独特の食感と旨味が濃厚に。

麺の具のイチボをそのままつけ汁につけると、酸味のあるつけ汁がしゃぶしゃぶのポン酢のようで、これもなかなか。

麺に薬味のチリパウダーや粗挽きのブラックペッパーをのせて、つけ汁につけると、今度は甘めで酸味の強いつけ汁に辛味が加わります。
とくに、粗挽きブラックペッパーのインパクトは絶大。

最後にすだちを麺に搾って、つけ汁につければ、爽やかな酸味が加わります。

麺を食べ終えたら、スープ割をお願いします。
戻ってきたスープを飲むと、酸味がいい意味で薄められ、その結果、牛のいい風味が相対的に強調され、牛の旨味の余韻を堪能しながら、飲み干すことができます。

多様な食材を使いながら、しっかり牛の旨味が感じられるスープ。
これに季節の食材である香茸を添えるセンス。
岩手和牛のイチボのしゃぶしゃぶをトッピング。
和牛を贅沢に使うだけでなく、スープの酸味と組み合わせ、しゃぶしゃぶ感を楽しめ、さらにスパイスを添えるなど、村山店主のセンスがいかんなく発揮された一杯。

ラーメン好きなら、必食の一杯です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「岩手和牛と香茸のつけそば」(2018年9月22日)

    限定麺「岩手和牛と香茸のつけそば」(2018年9月22日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「岩手和牛と香茸のつけそば」(2018年9月22日)

    限定麺「岩手和牛と香茸のつけそば」(2018年9月22日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具、薬味(2018年9月22日)

    麺と具、薬味(2018年9月22日)

  • 南部屋路ばた - 牛脂と香茸のスライスが入る牛骨スープのつけ汁(2018年9月22日)

    牛脂と香茸のスライスが入る牛骨スープのつけ汁(2018年9月22日)

  • 南部屋路ばた - 「岩手和牛と香茸のつけそば」の説明書き(2018年9月22日)

    「岩手和牛と香茸のつけそば」の説明書き(2018年9月22日)

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2018/09訪問64回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.6
  • CP3.9
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

醤油ダレが変化。さらにクォリティがアップした「鶏そば」

9月17日(月・祝)

昨日(16日)、「麺極 はなみち」(盛岡市前九年)で、限定「朝炊きスープの鶏そば」の美味しさにビックリ。
ならばと、3連休最終日の本日(17日)は、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)へ。

最近、限定麺ばかり食べ、レギュラーの「鶏そば」「煮干しそば」をあまり食べていなかったことを猛省。
7月に醤油ダレを変えたというし、最近もまた変えたと聞く。

そんな新しい醤油ダレと「水と鶏」のみでとった鶏スープ、麺三者の最新バランスを是非確認したくなったというわけ。

○「鶏そば」(750円)

「南部屋路ばた」に着いたのは13時30分。
連休最終日は盛岡秋祭りも終わっているし、近場で食事をしたい家族連れも多かろう。
さぞ混雑しているだろうと思ったら、何と駐車場に車は数台だけ。
店内もガラガラというは意外。

もっもと、私が店を出た14時頃になってどんどんお客が入店。
駐車場は一杯。
店も満席近くなったのだから、分からないもの。

今日も限定麺は「すだちと秋刀魚の塩そば」(800円)。
私は、「鶏そば・煮干しそば」の食券を購入。
ベテラン女性スタッフに食券を渡すとき、「鶏そば」をお願いしました。

何とカウンター席にも私一人。
これなら、村山店主からじっくり話が聞けるの喜んだのも束の間。
食べ終える頃になって、お客が続々と入店したのは、先に述べたとおり。

着丼した「鶏そば」は、白の深い逆円錐型の丼に入っています。
琥珀色の濃い澄んだ醤油スープには鶏油が浮かびます。
何といっても、麺の盛り付けが実に美しい。
それだけで食欲が増します。

具は、折り畳んだ豚ロース肉の低温調理チャーシューに、その下に隠れている豚バラ肉チャーシュー。
白髪ネギに青ネギの細切りを混ぜた凝った白と緑のコントラストが美しいネギ。
あとは穂先メンマと味玉ハーフ。

スープからいただくと、鶏のスープと鶏油が一体となって鶏の旨味がまず到来。
「鶏そば」であることを強く印象づけます。

丸鶏と鶏肉と水を炊いた「水と鶏」のみからとったスープ。
ここで指摘したいのは、同店がいわゆる銘柄地鶏を使わず、「普通の鶏」を使っていること。

東京の某有名ブロガーは「鶏そば」を評して、「鶏の旨味の出し方がやや心許ない」と指摘。
しかし、この指摘は同店の「鶏そば」の本質を見誤っていると敢えて言いたい。

「普通の鶏」から比内地鶏などの銘柄地鶏並みの旨味を抽出するのは困難、というか不可能。
にもかかわらず、初動でこれだけの鶏の旨味を印象づける村山店主の力量は並みではない。

いきなり鶏の旨味をしっかりの感じた後に、醤油ダレの酸味と深い旨味が押し寄せます。
以前の醤油ダレは、甘味やや強めの調合。
当時の調合は、生醤油と再仕込醤油、たまり醤油、乾物、本みりん、純米酒、フルーツ酢をブレンド。
これが今でも券売機の上に貼ってあるPOP。

これを、7月下旬から非加熱無濾過醤油3種、再仕込醤油、三河みりん、純米酒などのブレンドに変えました。

さらに最近、浄水器「πウォーター」の導入に伴い、タレを再調整。
生醤油と生揚げ醤油の割合を増やしました。

醤油ダレの変化の結果、タレのキレと旨味が増しました。
やや甘めのタレがきりっと引き締まり、生醤油と生揚げ醤油の配合を高めたために、醤油の酸味が以前より強くなりました。

酸味のあとに醤油の旨味が感じられます。
村山店主は今後、再仕込醤油の割合を高め、酸味を緩和させ、醤油のコクをさらに感じられるように調整するという。

醤油ダレの変化が完成すれば、醤油の酸味、香り、コクなどが絶妙にバランスした切れのあるタレが生まれるのではないかと期待。

ともあれ、路ばたの「鶏そば」の真髄は、「普通の鶏」を使いながら、鶏の旨味をしっかりと抽出。
足りない部分を補うため醤油ダレの風味や旨味に徹底的にこだわり、スープと醤油ダレのブレンドで、トータルとして銘柄地鶏と生醤油を合わせた鶏そばに劣らない美味しさをつくり出していること。

これを知らずして、単に「鶏の旨味が心許ない」と評するのは早計であると強く訴えたい。

水と鶏のみから抽出したスープとこだわりのブレンドの醤油ダレ(無添加・無化調)に自家製麺を合わせることで、同店の「鶏そば」は完成する。

ゆきちからメイン、南部小麦サブの調合。
それに「ふすま」を練り込んだ切り刃20番、加水率原則35%の中細角ストレート麺。
この麺の食感がまたユニーク。

最初は素朴なポクポクとした食感。
噛むと、しっかりのコシがあり、しかもモチッとしている。
ふすまが効いて、小麦の香りも十分。
麺量は160g。

この独自の自家製麺と鶏スープ、そそして醤油ダレの奇跡的な融合。
この麺、このスープ、この醤油ダレだからこそ、この味が生まれるという一杯。

再仕込醤油の割合をもう少し高める最終的な調合が完成すれば、同店の「鶏そば」も、ひとまず完成ということになるだろう。

柔らかく淡白な味の豚ロース肉低温調理チャーシュー。
ホロホロとして口の中でとろけるようで、しかも過剰な味付けのない豚バラ肉チャーシュー。
食べやすく短くカットした穂先メンマ。
そして、トロトロの黄身が抜群に美味しい味玉半分。

スープ、醤油ダレ、麺、具のすべてが「これしかない」というバランスを保ち、とにかく美味しい「鶏そば」。

くどいが、生醤油の酸味をもう少し抑えれば磐石な味になるだろう。

こんな素晴らしいレギュラーメニューの味を再確認でき、満足。

村山店主によると、πウォーターの導入により、ダシの出がさらに良くなり、とくに「煮干しそば」の美味しさがアップしたという。

そして、煮干しスープの旨味をストレートに味わえる「塩煮干しそば」が今オススメとのこと。

「今週末は塩煮干しを食べに来ます」というと、今度は「今週末から新しい限定麺を始める」という。
その内容が、まさに秋の味で魅力たっぷり。

次回は「塩煮干し」にするか、それとも新しい限定麺にするか?
当日まで悩みそうですね。

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2018年9月17日)

    「鶏そば」(2018年9月17日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2018年9月17日)

    「鶏そば」(2018年9月17日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2018年9月17日)

    「鶏そば」(2018年9月17日)

  • 南部屋路ばた - 券売機の「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタン(2018年9月17日)

    券売機の「鶏そば・煮干しそば」「限定麺」のボタン(2018年9月17日)

  • 南部屋路ばた - 鶏そばのPOP(醤油ダレの説明は、以前のもの)(2018年9月17日)

    鶏そばのPOP(醤油ダレの説明は、以前のもの)(2018年9月17日)

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2018/09訪問63回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

すだちの酸味が爽やかな塩ラーメンに秋刀魚のつみれが光る!

9月9日(日)

今日の盛岡は朝から一日雨降り。
気温も15℃程度と肌寒く、家でゆっくり休みたいところ。

しかし、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺が気になり、午後出掛けてみました。

○限定麺「すだちと秋刀魚の塩そば」(800円)

9月7日(金)から提供が始まった限定麺。
9月10日(月)が臨休、11日(火)の定休と2連休になるので、本日食べておきたかった。

雨が激しく、肌寒いので、空いているかなとの予想もむなしく、店前の駐車場は車で一杯。
店内に入ると、5人が店内待ち。
券売機横のPOPを見て、券売機の限定麺ボタンに×印が点灯していないことを確認。
食券を買って、じっくり待つことにします。

10分ほどでカウンター席が空き、いつものようにスマホで撮影した限定麺のPOPを読んで予習。
そんな中、限定麺「すだちと秋刀魚の塩そば」が運ばれます。

スープから湯気が上がっているのを見て、ビックリ。
実は、すだちをフィーチャーした塩ラーメンということから、冷やし塩ラーメンと思い込んでいました。

たしかに商品名に「冷やし」が入っていなかったので、熱いラーメンと気づくべきでした。

それでも、熱々のスープの中で、すだちの酸味や苦味が十分本領発揮できるかどうか?

ビジュアルもインパクト絶大。
スマホの写真では、店内の照明等の影響か、茶色っぽいスープに映っていますが、現物は澄んだ淡い黄金色のスープ。

スープには、輪切りのすだちが大量に浮いています。
添えられた小皿は、すだちの皮を入れるため。
もっとも、私はすだちを皮ごと全部食べてしまいましたが。

すだち以外の具は、秋刀魚のすり身でつくったつみれが2つ。
二つ折りした豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
下茹でした大根。
それに大きな三つ葉。

スープは、昆布と鰹節、鯖節、秋刀魚などのダシに塩ダレ、ネギ、生姜オイルなどを合わせたアニマルオフ。

昆布や節のよく効いた魚介系塩スープにすだちの酸味や苦味が溶け込んだ爽やかな塩味のスープ。

スープを飲みながら一緒にすだちを食べると、酸味が増して、爽やかさが際立ちます。
冷たいスープにひけをとらず、熱々のスープでもすだちの酸味が十二分に味わえるのは、ちょっとした驚き。

麺は、一見「鶏そば」や「煮干しそば」で使われている中細ストレートの角麺のように見えます。
しかし、違うのが村山店主の凄いところ。

「鶏そば」「煮干しそば」用の自家製麺よりかんすいを少なくした白っぽい麺。
切り刃20番、加水率35%。
通常の麺よりもさらに「しなやかさ」と「ツルツル感」「柔らかさ」を出すため、小麦粉の配合を変えています。

通常麺(鶏そば、煮干しそば用)でも、ゆきちからメイン、南部小麦サブの配合ですが、今回の限定麺専用麺ではゆきからメインのものの、南部小麦の配合を増やし、全粒粉は入れていません。

そのせいか通常麺より小麦の香りはやや弱いけれど、ツルツルとしてしなやか、そしてふっくらとした中にも適度のもっちり感のある麺に仕上がっています。
麺量は160g。

すだちの酸味をたっぷり味わいながら、秋刀魚のすり身でつくったつみれがいい味を出しています。
秋刀魚の中骨を抜いて粗めのすり身にしたつみれ。
秋刀魚の旨味を十分に詰めている一方、魚臭さは皆無。

具には前記のとおり、淡白な味の豚ロース肉の低温調理チャーシューも
添えられていますが、私としてはチャーシューの代わりに、秋刀魚のつくねをもう1つ増やして欲しかったほど。

下茹でした柔らかい大根は、まるでおでんの大根のよう。
それによい香りを放つ三つ葉。

すだちを含め、具の構成は和食の一品料理を連想させます。
一見意外性のある食材を組み合わせ、見事なハーモニーをつくり出す村山店主のセンスがいかんなく発揮された一杯。

2日間休みをとって、村山店主は東京のラーメン店を訪ねるという。
「どこに行くの」と尋ねると、今回は数を稼ぐのではなく、「うちと方向性が一番一致する」と村山店主自ら語る「饗 くろ喜」(秋葉原)のリニューアルしたメニューを、2日かけて全部食べるという。

戻ってきた村山店主が腕をふるう限定麺が、さらに楽しみになります。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「すだちと秋刀魚の塩そば」(2018年9月9日)

    限定麺「すだちと秋刀魚の塩そば」(2018年9月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「すだちと秋刀魚の塩そば」(2018年9月9日)

    限定麺「すだちと秋刀魚の塩そば」(2018年9月9日)

  • 南部屋路ばた - 「すだちと秋刀魚の塩そば」のPOP(2018年9月9日)

    「すだちと秋刀魚の塩そば」のPOP(2018年9月9日)

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2018/09訪問62回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

野田村「荒海ホタテ」たっぷりの塩つけそば!

9月2日(日)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の9月最初の限定麺は、岩手県野田湾(野田村)で養殖された「荒海ホタテ」を使った「塩つけそば」。

昨日(1日)から提供が始まりましたが、ホタテがなくなり次第終了。
本日で終了することが予想されましたので、午後慌てて店に向かいました。

案の定、13時20分頃に到着すると、店内はほぼ満員。
券売機横に貼られた限定麺のPOPが外されていないのを確認。
まず安心。

食券を購入。
カウンター席に座ります。
しかし、続々と入店するお客さんの多くが限定麺を注文。
このままでは、14時過ぎには売り切れになりそう。

○限定麺「荒海ホタテ塩つけそば」(800円)

「荒海ホタテ」は、岩手県北三陸・野田村の野田湾で養殖されているホタテ。
大粒で貝柱も肉厚。
甘味のあるプリプリとした食感で、「荒海ホタテ」名でブランド化している入手の難しいホタテ。

この「荒海ホタテ」をまとまった量入手した村山店主が、なるべくホタテの旨味を味わって欲しいと、塩つけそばの具に活用。
その他に、季節の野菜を調理し、トッピングに使っています。

一杯の塩つけそばに「荒海ホタテ」や旬の野菜がいっぱい。
贅沢なつけそばです。

中央が窪んだ白の大皿。
その窪みに麺と具が盛られています。

麺は、南部小麦、ゆきちから、もち姫をブレンドした自家製麺。
加水率43%の平打ち麺です。
麺幅約4ミリで裁断。
麺の厚みを薄めにしています。

麺はさらっとした昆布水に浸かっています。
昆布水にはとくに味はなく、麺のほぐし水として使用。
麺量は230gとたっぷり。

麺の上に、豚ロース肉の低温調理チャーシューの二つ折り。
焦がした白ズッキーニが2枚。
生の水茄子が3枚。
そして、縦に二分割したオクラが添えられています。

「あれっ、荒海ホタテはどこに?」と思う方もおられるでしょう。
ご安心ください。
ちゃんと、つけ汁の中に大粒のホタテ貝柱やヒモがたっぷり隠れています。

つけ汁は、昆布、鰹節というスタンダードな食材に、荒海ホタテも使い、塩ダレを合わせています。
さらに、香味油としてマッシュルームオイルを加えるという凝りよう。

つけ汁の表面には、輪切りのネギがたくさん浮かんでいます。
でも、つけ汁をかきまぜてみると、荒海ホタテの貝柱やヒモが現れます。
貝柱は大きなものが3個も。
その他にヒモやスープ食材にもホタテを使うなど、まさにホタテづくし。

つけそばは、麺をそのまま食べることからスタート。
3種類の小麦粉をフレンドして打った平打ち麺は、口に入れただけで、小麦の良い香りが口一杯に弾ける極上の麺。

ツルツルとした食感と水で締めてぎゅっと締まった固め食感が魅力。
もちろん、平打ちの良さが出て、適度のピロピロ感が、麺のコシとうまく両立。

こんな多彩な魅力のある風味豊かな麺なので、つけ汁につけるのがもったいないくらい。

つけ汁はアニマルオフで、昆布と鰹節の旨味が塩ダレとバランスしたさっぱりとした味。
具の荒海ホタテ貝柱やヒモの風味をそのまま味わえるようなスープ。

平打ち麺をつけ汁につけると、ぎゅっと締まったやや固めの麺がスープの熱でほぐれ、適度の柔らかが加わり、ピロピロ感が増します。

そのままで食べ、コシと小麦の風味を楽しんだあと、今度は鰹節や昆布の効いた塩味のつけ汁につけ、つけ汁と絡んだ麺のピロピロ感を楽しむという2つの魅力。

そこに荒海ホタテや夏野菜が加わるのですから、魅力は絶大。

ホタテの貝柱は、麺やつけ汁と一緒に食べても美味しいのですが、貝柱のみ食べると、「荒海ホタテ」のプリプリとした肉厚で甘味と旨味のある風味が口いっぱいに広がります。

貝柱以外にヒモもたくさん入っているので、ホタテを十二分に堪能できます。

麺の具として季節の野菜がついているのも魅力。
焦がした白ズッキーニの独特の食感、生の水茄子の瑞々しさ、オクラの粘り気などが、塩つけそばの季節感を高めます。

肩ロース肉の低温調理チャーシューは、生ハムのような淡白な味。

麺と具を食べ終わり、つけ汁内の「荒海ホタテ」を食べ終わったら、麺の下の昆布水をつけ汁にドボン。
つけ汁を薄めて飲み干します。

「荒海ホタテ」が主役ですが、それを支える麺やつけ汁、さらに麺を支える昆布水や具にも全く手抜きなし。

すべての食材がそれぞれの役割を果たしながら、「荒海ホタテ塩つけそば」という一杯を見事につくり出しています。
もちろん、無添加・無化調です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「荒海ホタテ塩つけそば」(2018年9月2日)

    限定麺「荒海ホタテ塩つけそば」(2018年9月2日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「荒海ホタテ塩つけそば」(2018年9月2日)

    限定麺「荒海ホタテ塩つけそば」(2018年9月2日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2018年9月2日)

    麺&具(2018年9月2日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2018年9月2日)

    麺&具(2018年9月2日)

  • 南部屋路ばた - 荒海ホタテの貝柱やヒモがたっぷり入った塩つけ汁(2018年9月2日)

    荒海ホタテの貝柱やヒモがたっぷり入った塩つけ汁(2018年9月2日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「荒海ホタテ塩つけそば」の説明書き(2018年9月2日)

    限定麺「荒海ホタテ塩つけそば」の説明書き(2018年9月2日)

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2018/08訪問61回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

煮干しと海苔風味の冷し塩ラーメン。ネギのイワシ巻きに南高梅を添えるセンスが素晴らしい!

8月29日(水)

「冷やしカレーそば」に続き、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)が現在提供中の限定麺「冷やし海苔そば」(800円)。

もっともFacebookでは、まだ告知されていません。

本日午後食べに行き、「発見」!

○限定麺「冷やし海苔そば」(800円)

提供された「冷し海苔そば」は、やや茶色がかった透明な冷やし塩スープに具がたっぷり。

チャーシュー代わりのトッピングが、ネギのイワシ巻き2つ。
その名のとおり、ネギをイワシで巻き、南高梅の赤い果肉を添えています。
スープにはみじん切りの玉ネギがびっしり。
輪切りのキュウリと良く煮込んだトマト、そして「生青海苔あん」がトッピング。

スープは鶏6割、白口メインの煮干しが4割のダブルスープ。
塩ダレを合わせ、煮干しオイルを加えた少しトロみのある冷たいスープ。
無化調です。

鶏の割合が多いですが、風味は完全に煮干し味。
鶏はスープの下支え役。
冷たいスープながら、ビターな煮干しの風味がしっかりと出ています。
塩味なので、煮干しの旨味がダイレクトに感じられ、スープをどんどん飲んでしまいます。
びっしり浮かぶ玉ネギのほろ苦さが、煮干しのビターな風味を一層引き立てます。

麺はゆきちから、南部小麦、もち姫をブレンドした加水率40%の多加水太め平打ち麺。
もちろん自家製麺で、麺生地をうどん製麺機で約4~5ミリ幅で裁断しています。

村山店主によると、もち姫の割合は約20%。
ゆきちからのモチモチ感、南部小麦のツルツル感、そしてモチ姫のフワッとした食感を合わせもったツルモチの平打ち麺。
冷水で締めているので、コシがさらに増しています。
しかし、モチ姫の配合でフンワリ感も出ているなど、小麦の風味と配合の妙による麺の絶妙な食感を楽しむことができます。
やはり麺の旨味を味わうには、冷やしラーメンかつけ麺に限ります。
麺量は160g。

最近村山店主は浄水器のπウォーターを導入。
自家製麺との調整については試行中とのことですが、今後のスープづくり、麺づくりが楽しみ。

冷たいスープの中で、柔らかいトマト煮込みの酸味が一層際立ちます。
輪切りキュウリのさっぱりとした味が、冷し煮干塩スープに良くマッチ。
シャキシャキ食感も魅力。

中でも、ネギをイワシで巻き、南高梅の果肉を添えたトッピングが実に効果的。
ネギの旨味とイワシの濃厚な旨味、そして南高梅の酸味が口の中でミックス。
決して魚臭くなく、煮干しスープとの組み合わせも抜群。

途中で「生青海苔あん」をスープに溶くと、煮干し味のスープが、今度は海苔風味メインに味変。
スープのトロみが増し、合わせて海苔の風味を十分堪能することができます。

券売機横の説明書きには、具が低温ロースと書かれていますが、正しくは上記のように「ネギのイワシ巻き」。
本日(29日)限定とありますが、数日間提供されるよう。

なお、週末には数量限定の「限定麺」が別に登場する予定。
「南部屋路ばた」の限定麺から目が離せません。
もっとも、カエシを再リニューアルしたという「煮干しそば」や「鶏そば」も食べなければなりませんね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし海苔そば」(2018年8月29日)

    限定麺「冷やし海苔そば」(2018年8月29日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし海苔そば」(2018年8月29日)

    限定麺「冷やし海苔そば」(2018年8月29日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし海苔そば」(2018年8月29日)

    限定麺「冷やし海苔そば」(2018年8月29日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やし海苔そば」の説明書き(2018年8月29日)

    「冷やし海苔そば」の説明書き(2018年8月29日)

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2018/08訪問60回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

節と昆布、豆乳、スパイスが見事に融合した「冷やしカレーそば」。具も凝っています。

8月20日(月)

昨年も提供され、今年も8月11日から提供されている「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)のお盆期間定番の限定麺「冷やしカレーそば」。

今年は、お盆期間にさらに超限定で「冷やし味噌そば」「冷たい鰹そば」も提供されたそう。
食べたかった!

「冷やしカレーそば」もそろそろ提供終了間近なので、本日午後慌てて訪れました。

○限定麺「冷やしカレーそば」(800円)

お盆明けの月曜午後とあって、それほど込み合っていないのではないかと予想。
予想は見事に外れ、13時過ぎの到着にもかかわらず、店前の駐車スペースは車で一杯。
店内待ちができていました。

私もカウンターの空き席を求めて、約10分、店内待ち席で待機。

ようやくカウンター席に案内され、限定麺(「冷やしカレーそば」)の食券を渡します。
店は、いつものように村山店主とベテラン女性スタッフの2人で回しています。
お二人とも目の回るような忙しさ。

盛岡郊外のこんな辺鄙な(失礼)場所にあるのに、平日のこの時間のこの混雑は一体何だろうか?
限定麺の注文も確実に増えています。
座って5分ほどで、村山店主直々に「冷やしカレーそば」を運んでくれます。

レシピは昨年とほとんど変わっていません。
麺も昨年同様、多加水の中太平打ち麺。
変わったのは、使用する小麦粉。
昨年は「ゆきちから」を100%使用。
今年は「南部小麦」と今話題の「もち姫」小麦粉をブレンドした加水率40%の多加水中太平打ち麺。
小麦粉の変化が、麺の食感に影響を与えています。
麺量は160g。

さて、ビジュアルは黄色のいかにもカレーらしいスープに赤いラー油と黒いマー油の水泡が浮かび、中央に具が巧みに盛られたもはや芸術的ともいえる美しさ。

スープは、宗田鰹、うるめ節、さば節など数種の節に昆布をブレンド。
これに豆乳を加え、さらにクミン、コリアンダー、カルダモン、ガラムマサラの4種のスパイスで本格的なカレー味を出しています。

黒の切立丼の中央には、具が盛られています。
ベースはパプリカ、茄子、トマト、ズッキーニなどの夏野菜をサイコロ状にカットし、トマトベースで酸味たっぷりに煮込んだ「ラタトゥイユ」。
その上に皮付きのペッパーチキン2枚。
ペッパーチキンの上には、素揚げゴボウがたっぷり。
その他、糸唐辛子やカイワレが添えられています。

節や昆布のダシをベースに、豆乳が甘みを加え、そして何といっても最初はそれほどではありませんが、次第に辛さがじわじわと効いてくるカレースパイスが溶け込んだ冷たいスープ。

麺は昨年のモチモチとした麺から、「南部小麦」のツルツル感と「モチ姫」小麦のモチモチ感を合わせながら、さらに冷水で締めてコシを強めた麺に。
ツルツル感とモチモチ感、そしてコシの強さの三者が見事に合体した平打ち麺。
うどん製麺機で麺生地を約3~4ミリ幅で裁断。

酸味のあるタラトゥイユ、皮付きの鶏モモ肉に胡椒をふりかけて焼いたペッパーチキン、カリカリとした食感と香ばしい風味が独特の素揚げゴボウという鉄板の3種類の具が、冷やしカレーラーメンの味をさらに華やかにしています。

スープが残り少なくなるにつれ、カレーらしい辛味がさらに増すという仕掛けも昨年と同じ。

それでも、スープを飲み干すと、不思議に辛さが口から消え、さわやかさが残ります。

「饗 くろ喜」(秋葉原)の限定麺「冷やしカレーそば」の影響を受けスタートしていますが、昨年・今年と2年提供するなかで、「路ばた」なりのオリジナリティを完全に確立しています。
麺のリニューアルなどは、その最たるもの。

スープを少し残し、「ご飯」を注文。
冷たいカレースープに投入して、雑炊風に食べると、さらに充実感がありますが、ここはぐっと我慢。

無添加・無化調でここまで旨味と辛味のある「冷やしカレーそば」をつくる村山店主の手腕には、本当に恐れ入ります。

そういいながら、早くも次の限定麺に思いを馳せています。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やしカレーそば」(2018年8月20日)

    限定麺「冷やしカレーそば」(2018年8月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やしカレーそば」(2018年8月20日)

    限定麺「冷やしカレーそば」(2018年8月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やしカレーそば」(2018年8月20日)

    限定麺「冷やしカレーそば」(2018年8月20日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やしカレーそば」の説明書き(2018年8月20日)

    「冷やしカレーそば」の説明書き(2018年8月20日)

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2018/08訪問59回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「八幡平サーモン」トッピングの贅沢な冷やし塩ラーメン

8月4日(土)

本日(8月4日)から始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。

八幡平市の有限会社「清水川養鱒場」が養殖したニジマス「八幡平サーモン」の低温調理をトッピングした「八幡平サーモンの冷やしそば」(800円)。

「八幡平サーモン」自体に限りがあるので、なくなり次第終了。
おそらく本日と明日(5日)のみでしょう。

本日は相変わらず出遅れて、店に着いたのは13時少し過ぎ。
駐車場は車で一杯。
店に入ると、小上がり、テーブル席、そしてカウンターまで、まさかの一杯。
カウンターの空きを求め、店内待ちするはめに。

○限定麺「八幡平サーモンの冷やしそば」(800円)

券売機横に貼られた限定麺の説明書き。
今日は2枚。
先週から継続提供の「小麦もりそば」。
もう1つが土日限りと思われる「八幡平サーモンの冷やそば」。
いずれも800円ですので、限定麺の券売機を購入したあと、ベテラン女性スタッフに「八幡平サーモンの方」と指定して、店内の待ち椅子で、カウンターの空きを待ちます。

まもなく先客1人が退席したので、食器を片付け、テーブルを拭いたあと、席に案内されます。
もちろん、満席の客すべてが「八幡平サーモン」を頼んでいるわけではありません。

しかし、注文率がかなり高いため、明日の少し遅い時間では危ないでしょう。
今日訪れて正解。

まもなく女性スタッフが限定麺を運んでくれます。

清涼感のある澄んだ冷やし塩ラーメン。
昆布、鰹節、鮪節、サーモンのダシに塩ダレを合わせた無化調アニマルオフの塩スープ。

麺は、ねばりごし、南部小麦、もち姫を使った自家製麺。
加水率40%の多加水麺。
麺帯をうどん製麺機で約3ミリ幅でカット。

具は低温調理の八幡平サーモン1枚。
もう一つ目立つのが、刻んだキュウリとクリームチーズ、大粒の生ブラックペッパーなどを八幡平サーモンで巻いたもの。

他にトマト、千切り大根のように細くスライスした梨、大粒の生ブラックペッパー、オクラ、スダチなどがトッピング。

パセリのように冷たいスープに浮いているのは「ディル」(イノンド)というハーブを刻んだもの。

キンキンに冷えた塩スープは昆布と節が効いていますが、あくまでも控えめ。
塩ダレもほのかに効いているという程度。
スープとタレすべてが主役の「八幡平サーモン」を引き立てるようにあっさりめに調合。

麺は村山店主か好きな多加水の平打ち麺。
ツルツルした麺肌と冷水でしめたコシ、そして喉ごしの良さと小麦の風味など自家製麺ならではの良さ。
麺量は180gとたっぷり。

冷やし塩スープにぴったりの涼しげなトッピング。
柔らかくてジューシーなトマトは「揚げびたし」かな?。
辛味はさほど感じず、むしろ全体を引き締めている大粒の生ブラックペッパー。

千切りの大根と思ったら、まさかの梨。
淡い甘味が冷やしに良く合います。
梨を添える発想は、冷麺からヒントを得たのかな?

そして主役である低温調理の「八幡平サーモン」。
ぷりっとした食感と適度に脂がのった上品で濃厚な風味。
「八幡平サーモン」そのものの味を100%生かしたまるで刺身のような低温調理。
これを生かすために、スープや塩ダレ、麺や具のすべてが計算されているといっても過言ではありません。

800円という価格の制約と入荷量の制約から1枚というのはやむを得ません。

その物足りなさ?を補うのが、刻んだキュウリや生ブラックペッパー、クリームチーズのサーモン巻き。
食材選択に村山店主のセンスを感じる逸品。

スープに浮かぶパセリのような「ディル」(イノンド)というハーブが、冷やし塩スープの爽快感をさらに高めています。

スープを完飲後、1人で調理をこなす村山店主にお礼を言って退店。

「八幡平サーモン」と塩ラーメンの組み合わせは以前「限定麺」で実施済み。
今回は、真夏にふさわしい冷やし塩ラーメンとの組み合わせ。
しかも、サーモン以外のトッピングがすべて私の想像の域を超えた独創性のあるもの。
といって、主役のサーモンを邪魔しないどころか、冷やしの爽快感を増すという役割。

スープ、タレ、麺、サーモン、その他の具のすべてがぴったりはまった贅沢な冷やし塩ラーメン。
おそらく明日(5日)限りでしょうから、この機会を逃さないでください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「八幡平サーモンの冷やしそば」(2018年8月5日)

    限定麺「八幡平サーモンの冷やしそば」(2018年8月5日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「八幡平サーモンの冷やしそば」(2018年8月5日)

    限定麺「八幡平サーモンの冷やしそば」(2018年8月5日)

  • 南部屋路ばた - 具を拡大(2018年8月5日)

    具を拡大(2018年8月5日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「八幡平サーモンの冷やしそば」の説明書き(2018年8月5日)

    限定麺「八幡平サーモンの冷やしそば」の説明書き(2018年8月5日)

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2018/07訪問58回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

オクラ昆布水に浸かったツルツルの平打ち麺を「和風そばつゆ」につけて食べる「小麦もりそば」

7月30日(月)

しばらくFacebookの更新のなかった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
しかし、7月28日にようやく新しい限定麺「小麦もりそば」の告知。
前回の限定麺「オマール海老の和えそば」の告知が7月6日でしたから、3週間以上たっています。

今回の新限定麺の告知と合わせ、醤油ダレを変えたとのお知らせも。
「非加熱無濾過醤油」3種類
再仕込み醤油
三河みりん
純米酒など。

「鶏そば」「煮干しそば」「限定麺」などに使う醤油ダレが変わったとあっては、レギュラーの「鶏そば」「煮干しそば」も試してみる必要がありますね。
しかし、今日は限定の「小麦もりそば」ねらい。

○限定麺「小麦もりそば」(800円)

今日の盛岡も灼熱の暑さ。
そんな暑さの中、冷たくさっぱりとしたそばつゆに、オクラ昆布水に浸かった冷たい麺をつけて食べる「小麦もりそば」はぴったり。

店に到着は13時過ぎ。
早速限定麺の食券を買ってカウンター席につきます。
例によって、スマホで撮ったばかりの限定麺の「説明書き」を熟読。
まもなく、限定麺「小麦のもりそば」が運ばれてきます。

平たい大皿には、根昆布ダシのサラサラの昆布水に細かく刻んだオクラをまぜた「オクラ昆布水」に浸った綺麗に折り畳んだ平打ち麺。
麺の上には、これも2つ折りにした豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
麺の脇には、茄子、ズッキーニ(2枚)、ミニトマトなど夏野菜の揚げびたし。
薬味として、大葉の上にのった梅肉とミョウガ。

大皿の左側には、涼しげな透明ガラスのそばちょこに入った和風の「そばつゆ」。

麺は、ねばりごし、南部小麦、もち姫をブレンドした自家製麺。
加水率41%の多加水平打ち麺。
うどん製麺機で麺帯を約3ミリ幅でカットしています。

麺は上記の小麦の配合からも分かるように、ツルツル感が半端じゃありません!
それに口に含むと独特のモチモチ食感。
小麦の香りも楽しめる麺です。

がごめ昆布を配合していないさらっとした昆布水で、昆布の旨味も淡いので、正直言って昆布水つけ麺としてのインパクトはそれほどありません。
しかし、濃厚な鶏ダシではなく、節や煮干しなどで引いた醤油味の和風そばつゆには、粘り気が強く、しかも昆布の風味香る昆布水をまとった麺は合わないでしょう。
むしろ、ほぐし水程度のさらっとした昆布水に浸した麺の方が合っています。

そばつゆは、昆布、鰹節、マグロ節、煮干しのダシに、今回から導入した新しい醤油ダレ、つまり3種の生揚げ醤油、再仕込み醤油、三河みりん、純米酒のカエシを合わせています。

これだけの素材からとったそばつゆは、鰹節の風味を主軸にしながら、それを少し抑え、バランスをとるために投入した三河みりんのほのかな甘さも効いたぜいたくなもの。
一流蕎麦店のそばつゆに匹敵する出来です。
ツルツルモチモチとした自家製の平打ち麺をダシの良く効いた冷たいそばつゆにつけて食べるときの爽快感は、何ともいえません。

大ぶりの豚ロース肉の低温調理チャーシューの2つ折りは、まさに生ハムのような淡泊は味わい。

茄子やズッキーニ、ミニトマトを一度揚げたあと、和風ダシにつけた「揚げびたし」。
噛むと和風ダシが口の中にあふれるとともに、生で食べるのと違った食感や味を楽しむことができます。
個人的には、甘味のあるジューシーな茄子の揚げびたしが絶品でした。

薬味の大葉やミョウガ、梅肉を添えると、さらに清涼感が増す趣向。

暑い夏にぴったりの限定麺「小麦もりそば」は、もうしばらく提供されるとのこと。
その間に、ゲリラ的な限定麺が登場するかも知れません。
村山店主のFacebookのチェックも小まめにしたいものです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「小麦もりそば」(2018年7月30日)

    限定麺「小麦もりそば」(2018年7月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「小麦もりそば」(2018年7月30日)

    限定麺「小麦もりそば」(2018年7月30日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「小麦もりそば」の説明書き(2018年7月30日)

    限定麺「小麦もりそば」の説明書き(2018年7月30日)

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2018/07訪問57回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

モチモチの麺とオマール海老、夏野菜、ジェノベーゼが織り成すパスタ風「和えそば」!

7月9日(月)

7月6日(金)から「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺が更新。
土日の混雑を避け、本日(7月9日)訪ねてきました。

曇り空ながら、ときどき日差しもある天気。
昨日までの涼しさがウソのように、暑さが戻ってました。
最高気温29℃に加え、湿度が異常に高い蒸し暑さ。
ここは、オマール海老の旨味と香りが効いた無化調の和えそばで、蒸し暑さを吹き飛ばしたいもの。

午後1時過ぎに店につき、新しい限定麺を確認。
プラス120円で追い飯とスープが付きますが、糖質過剰を避け、泣く泣く(?)限定麺のみの食券を購入。
いつものようにベテラン女性スタッフに食券を渡したあとで、カウンター席の一番右に座ります。
後続のお客さんも限定麺を注文。

約5分の待ち時間ののち、女性スタッフが限定麺を運んでくれます。

○限定麺「オマール海老の和えそば」(800円)

黒い丼に入った和えそば。
とにかく具沢山で麺が全く見えません。

中央に、角切りのトマトと細かく刻んだ青トマトをオイルで和えた「サラダ」。
その上には白金豚のミンチ。
右側に輪切りのズッキーニ。
左側には大量のレタス。
トマトサラダの下には、レンゲが刺さり、その上にバジルとオリーブオイル、アンチョビ、パルメザンチーズ、カシューナッツなどを使った味変用のジェノベーゼソースがのっています。

最初はジェノベーゼソースを混ぜないで、和えそばを食べます。
具をかき分けて、麺に到達。
麺はオマール海老のあたたかいスープに和えられています。

オマール海老のスープは、海老に玉ネギ、人参、セロリなどの野菜をブレンド。
塩ダレ、オマールオイルを合わせています。

こう書くと、いかにも海老風味濃厚なスープを想像しますが、野菜がうまくブレンドされた塩ダレのオマール海老スープはドロッとしていますが、適度な海老の風味と香り。
海老の風味がガツンと来るというほどではありません。
しかし、つねに海老の風味と香りを感じながらも、決してくどくないという絶妙なバランスがちょうど良い塩梅。
もっとも、村山店主に以上の感想を述べると、「結構海老の風味が強いはずなんですが」と笑っていましたが・・・

麺は南部小麦、もち姫、ゆきちからをブレンドして自家製麺した加水率40%の平打ち麺。
麺帯をうどん製麺機で約4ミリ幅でカットしています。
今回は小麦の配合を変え、南部小麦の割合を増やしたといいます。
その結果、麺のツルツル感がさらに強くなっています。
麺量200g。

オマール海老のスープをたっぷりまとったツルツルの平打ち麺を食べると、今度はモチモチの食感。
ツルモチの麺と海老風味のスープが口の中で一体化。
まるでパスタを食べているかのような感覚に陥ります。

トマトの酸味、甘めに味付けした白金豚ミンチの濃厚な味、そしてシャキシャキとした食感のレタスと軽く焼き目をつけたズッキーニなど多彩な具も、持ち味を発揮。

途中でジェノベーゼソースを混ぜてみます。
すると、バジルとアンチョビの良い香りをオリーブオイルに溶かしたソースが効きます。
海老風味は少し弱くなりますが、バジルとアンチョビの香り、カシューナッツのカリカリとした歯ざわりなどが加わって、さらにパスタ方向にシフト。

麺を食べ終えたあと、丼の底にスープが少し残ります。
これにカレー粉とパルメザンチーズをふりかけた追い飯を投入したら、完璧なフィナーレなのですが、先の事情で断念。
レンゲでスープを完飲。

「和えそば」ながらパスタ感満載の「オマール海老の和えそば」は、今後1週間程度提供される予定。
ツルモチの麺とオマール海老のスープ、それに夏野菜とジェノベーゼソースの見事なコラボを是非試してみてください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オマール海老の和えそば」(2018年7月9日)

    限定麺「オマール海老の和えそば」(2018年7月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オマール海老の和えそば」(2018年7月9日)

    限定麺「オマール海老の和えそば」(2018年7月9日)

  • 南部屋路ばた - レンゲにのったジェノベーゼソースを拡大(2018年7月9日)

    レンゲにのったジェノベーゼソースを拡大(2018年7月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「オマール海老の和えそば」の説明書き(2018年7月9日)

    限定麺「オマール海老の和えそば」の説明書き(2018年7月9日)

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2018/06訪問56回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

夏野菜と納豆たっぷりの冷たい煮干しつけ(まぜ)そば

6月27日(水)

6月27日現在提供中の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。

激しい雨と風の中、訪問を敢行。
店に着いたのは14時少し前。
こんな時間で、こんな悪天候でも、ひっきりなしにお客が入店する人気店。
時間が遅かったので、限定は終わっているかもと危惧しましたが、券売機の限定麺ボタンに「×」がないのをみて、ホッとしました。

早速「限定麺」の食券をベテラン女性スタッフに渡し、カウンター席で到着を待ちます。
その間、スマホで撮影した限定麺の説明を熟読して予習。

○限定麺「冷やし納豆和えそば」(800円)

まもなく麺と具の入った大皿と、煮干しダシの入った「そばちょこ」がセットで到着。

麺の方はとにかく具沢山。

南部小麦、もち姫、ゆきちからの3種の小麦を使って打った自家製麺。
加水率40%の多加水麺。
麺帯をうどん製麺機で約4ミリ幅でカットした平打ち麺。
麺量は200g。

麺の上には、小口切りの青ネギ、大葉、ミョウガ、醤油のもろみに漬け込んだきゅうり、長芋、茄子がサイコロ状にカットされてのっています。
その他、皮付きの鶏のムネ肉低温調理チャーシュー、削り節、味玉半分など。
さらに、商品名である「納豆」がたっぷり。

通常の「和えそば」だと、麺の下に濃いスープ(タレ)が入っていて、あらかじめ麺とスープ(タレ)を和えています。
ところが、「冷やし納豆和えそば」では、麺の下にスープがなく、煮干しダシは小さなそばちょこに入って別添えになっています。

5種の煮干しをブレンド。
醤油ダレと合わせ、煮干し油を仕上げに垂らした煮干しダシ。
冷たいダシは、煮干しの苦味を含む旨味がかなり濃厚。
しかし、キンキンに冷えているので、さっぱりとした飲み口。

まず麺と納豆を含む具を和えて、納豆味で食べてみます。
平打ち麺はツルツルとした食感で、モチ姫が効果を発揮し、モチモチ感も十分。
冷水で締めているだけにツルモチ感に加え、適度のコシもあり、喉越しの良い素晴らしい麺。

最初納豆と和えるのに違和感を覚えるかも知れません。
しかし、実際に和えてみると、納豆のネバネバとツルツルの麺が良く合って、さっぱり感が半端じゃありません(流行語を言ってしまったかな?)。
あえて濃厚なタレで和えてしまうのではなく、最初は素の麺と納豆を和えるというのも「あり」と感じさせてくれます。

夏野菜のきゅうりや長芋、茄子の食感も涼しさを増幅。
大葉やミョウガなどの香りも効いています。
皮付きの鶏ムネ肉低温調理チャーシューは、柔らかく淡泊な味ですが、ブラックペッパーで軽い下味がついています。
トロトロの黄身が溢れそうな味玉も相変らず良く出来ています。

しかし何といっても納豆。
納豆のネバリと麺のツルツル感がこんなに合うとは思いませんでした。
それに納豆の風味が多様な食材にさっぱりとした味付けを施し、この時期にぴったり。
タレが入っていない不足感を感じさせません。

途中でつけそば風に、麺をそばちょこの煮干しダレにつけて啜ります。
こちらは、「冷やし煮干しつけそば」風の味を楽しむことができます。
麺もタレも冷たいので、清涼感抜群。

最後に「煮干しダシ」を麺と具の上にぶっかけて、レンゲで煮干しダシや納豆をすくいながら完食します。
「煮干しダシ」をぶっかけても、麺や具が煮干し味一色に染まることはなく、煮干しの旨味が淡く納豆味にのった涼しげな風味で食べ終えることができます。

納豆が苦手な人にはオススメできませんが、納豆が大好き、濃い煮干しも大好きという方には、こんな食べ方もあるんだと新しい発見をさせてくれるニュータイプの「つけそば」であり「和えそば」です。

納豆に加え、夏野菜もたっぷり入っているので、実にヘルシーなメニュー。

私は煮干しダシと一緒に納豆も全部食べてしまいましたが、もし納豆が残ったら、半ライスの「追い飯」が可能ですので、頼んでみてください。

村山店主によると、今回の限定麺は「長めにやる予定」とのこと。
今週末でも食べることができるでしょう。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし納豆和えそば」(2018年6月27日)

    限定麺「冷やし納豆和えそば」(2018年6月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし納豆和えそば」(2018年6月27日)

    限定麺「冷やし納豆和えそば」(2018年6月27日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2018年6月27日)

    麺&具(2018年6月27日)

  • 南部屋路ばた - そばちょこに入った「煮干しダシ」(2018年6月27日)

    そばちょこに入った「煮干しダシ」(2018年6月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やし納豆和えそば」の説明書き(2018年6月27日)

    限定麺「冷やし納豆和えそば」の説明書き(2018年6月27日)

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2018/06訪問55回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「泡系」のセメント煮干しそば!

6月21日(木)

昨日(6月20日)から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。

説明書きによると、「煮干し、鶏、豚の濃厚なセメント系の泡スープになります。クリーミーな味をお楽しみ下さい。煮干しの苦味が苦手な方にはオススメしません」とあります。

実は、同店が限定で泡系を出すのは今度で2回目。
前回は4月初めに提供した「春キャベツの泡白湯そば」。
当時、盛岡ではおそらく初であろう「泡系」ラーメンに驚きましたが、忘れていた頃、今度はセメント煮干しを「泡系」スープにしてしまうとは、村山店主の創造力には限りがないですね。

○限定麺「煮干泡白湯そば」(800円)

今日は少しゆっくりめの訪問。
14時少し前に店に着きました。
にもかかわらず、ひっきりなしにお客さんが来る盛況ぶり。
決して交通の便の良い場所ではなく、それこそ「田んぼの真ん中」のラーメン店なのですが、味の良さは皆の認めるところ
私のような同店の「限定麺フォロアー」が増えているようです。

注文したら、あっという間に「煮干し泡白湯そば」が到着。
見ただけで、笑いが出てくるビジュアル。
何でかと言うと、少し白っぽいセメント煮干しスープが、まるでカプチーノのように泡立っているのですから。

泡立つスープの中央に、こんもりと盛られたピンクの豚ロース肉(肩ロース肉ではありません)のレアチャーシュー。
そして刻み玉ネギがたくさん。
具はそれだけという本当にシンプルな構成。

スープを飲むと、フワフワしたクリーミーなスープの中から煮干しの軽い苦味や旨味が漂ってきます。
鶏白湯スープをベースに豚骨を混ぜ、白口2種、背黒、平子、ウルメという5種類の煮干しを炊き込んだセメント系煮干しスープ。
それをブレンダーで泡立てて提供。

もともと鶏白湯ベースのクリーミーなスープが泡立てることで、もっとクリーミーに。
フワフワとした泡が、煮干しと動物系がブレンドした濃厚スープを覆い、ワンクッション置いて煮干しの風味が伝わるという感じ。

説明書きには「煮干しの苦味が苦手は方にはオススメしません」とあります。
しかし、軽い苦味を含む煮干しの強い旨味が鶏白湯や豚骨とのブレンドで和らげられ、さらに泡でクリーミーかつソフトに仕上げられています。
セメント煮干し入門用としては最適な一杯。
見た目もちょっとおしゃれ。
スープはトロみがありますが、鶏白湯特有のベトベト感はありません。
もちろん無化調スープです。

麺は、「鶏そば」「煮干しそば」などに使っている「ゆきちから」メイン切り刃20番、加水率36%の角ストレート麺。
小麦のふすま(表皮)が練りこんである自家製麺です。
麺量は160g。

通常よりも茹で時間を短くして、固めに茹で上げ。
そのため、最初は全粒粉も効いてポクポクとした食感がさらに強め。
それが、麺を噛むとモチッとした食感に変わる素晴らしい麺です。

セメント系というと、低加水パツパツ系の麺を想像しますが、それとは違った中加水の麺。
村山店主自ら「パツパツ系の麺はあまり好きじゃない」と語っています。
同時にあまりに濃厚なセメント系も好きではないということで、ライトなセメント系で、しかもクリーミーさに重点を置いた「泡系」セメントを考案。
変化球的なセメント煮干しとして、こういった方向性もあると再発見させられました。

最近、村山店主は豚チャーシューを肩ロース肉からロース肉に切り替えました。
今回もロース肉のレアチャーシュー。
脂身が少なく赤身の多いロース肉のレアチャーシューは、柔らかく淡泊な味わい。
それでいて、肉の旨味がちゃんと感じられ、上等なロースハムを食べているかのよう。

多めに入った刻み玉ネギのシャキシャキ感と泡のフワフワ感のミックスも新鮮な感覚。

実は、本日もう1つ限定麺があります。
それが隠れた人気メニュー「ノス(ノスタルジック)つけそば」(800円)。
醤油味と酸味が強いものの、さっぱりとした丸長系のつけそばを、無化調で再現した意欲作。
説明書きには「本日一日限定」と書いてありますが、もともと「まかない」から発展したメニュー。
「注文してくれれば、いつでもご用意できます」とは村山店主の弁。

丸長系のつけそばをつくるなら、次は村山店主が好きな黒コショウをつけ汁に効かせたスパイシーな「荻窪丸長」「勝田台丸長」風のつけそばをお願いしたいところです(無理は言いません)。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「煮干泡白湯そば」(2018年6月21日)

    限定麺「煮干泡白湯そば」(2018年6月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「煮干泡白湯そば」(2018年6月21日)

    限定麺「煮干泡白湯そば」(2018年6月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「煮干泡白湯そば」のPOP(2018年6月21日)

    限定麺「煮干泡白湯そば」のPOP(2018年6月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ノスつけそば」のPOP(2018年6月21日)

    限定麺「ノスつけそば」のPOP(2018年6月21日)

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2018/06訪問54回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

煮干しダレとしらす実山椒トッピングで食べる和えそば!

6月16日(土)

6月14日から提供開始された「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺「しらす実山椒和えそば」(800円)。
明日(17日)頃まで提供の予定です。

私も食べ逃したら大変というとこで、本日の昼過ぎに店に向かいました。

○限定麺「しらす実山椒和えそば」(800円)

黒い器に入って提供された和えそば。
麺が見えないほどの具沢山。
豚ロース肉の大きな低温調理チャーシュー。
メイントッピングの「しらす実山椒(みざんしょう)」がたっぷり。
しらす実山椒の上には、赤い糸唐辛子がのって、実に美しいビジュアル。
味玉半分と筒状にカットされた青ネギ。
キュウリの千切りもたくさんのっています。

「麺とタレを十分合わせていますので、あまり混ぜないて食べてください」と村山店主。

具をかき分けると、姿を現す麺。
醤油と煮干し油、煮干しスープを合わせた煮干し風味のタレ。

麺は、南部小麦、ゆきちから、もち姫をブレンドした自家製麺。
加水率は38%と、多加水寄り。
麺帯をうどん製麺機で約4ミリ幅にカットした平打ち麺。
全粒粉は入っていません。

ツルツルしながも、噛むとモチっとした食感の「ツルモチ麺」。
麺量は250g。

この絶妙な麺が煮干し醤油ダレの良く絡みます。

しかし、ここで終わっては、ただの「煮干し油そば」。

トッピングにご飯の友として愛用されている「しらす実山椒」を使っているのが、今回の限定麺のキモ。

実山椒は、ちょうど今が旬。
村山店主自らが山でとってきた新鮮な実山椒を下処理して、醤油、味醂、酒などを使い、しらすと和えて煮込んでいます。

村山店主は「山椒が苦手な方にはオススメしません」と書いてきますが、辛さも痺れも程良い具合。
しっとりとしたしらすに実山椒の辛味が本当に軽くのり、「ただの」しらすはひと味違います。
辛いというよりも、実山椒の香りのするしらすというのが正解。

煮干し醤油のタレと山椒の香るしらすと組み合わせ。
これがモチモチの麺と合わさり、これまでの油そばやまぜそばで経験したことのない風味と食感。

筒切りの青ネギや千切りのキュウリが良いアクセント。

豚ロース肉の低温調理チャーシューは、脂身が肩ロースほど多くなく、ロースハムのような柔らかさと淡白な味。
ジューシーな黄身が溶けて溢れる味玉半分。

麺と煮干し醤油ダレ、そしてしらす実山椒を主役とするなら、チャーシューや味玉、きゅうり、ネギなどは脇役。

しかし、主役と脇役がしっかりタッグを組んでユニークな和えそばをつくり上げています。

フレッシュな実山椒の香りが強いしらす実山椒をトッピングした和えそばは、初夏でなければ食べることのできない一杯。

最初に述べたように、おそらく明日(17日)で終了。
食べ逃さないでくださいね。

次の限定麺は「煮干泡白湯そば」の予定。
煮干しと鶏白湯を合わせた「泡系」スープを出してくるとは!
村山店主の創作力は、本当に尽きることがないですね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「しらす実山椒和えそば」(2018年6月16日)

    限定麺「しらす実山椒和えそば」(2018年6月16日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「しらす実山椒和えそば」(2018年6月16日)

    限定麺「しらす実山椒和えそば」(2018年6月16日)

  • 南部屋路ばた - 「しらす実山椒和えそば」の説明書き(2018年6月16日)

    「しらす実山椒和えそば」の説明書き(2018年6月16日)

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2018/06訪問53回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

今は亡き東京・中野の名店「栄楽」の「つけそば」を、無化調で再現!

6月11日(月)

中央線・中野駅北口の「栄楽(えいらく)」といっても、今では知らない人の方が多いかも知れません。
1958年に開店。
2012年12月に突然閉店するまで、営業時間中は行列の絶えない人気店でした。

場所は、中野通りが早稲田通りと交差する中野新井通りから早稲田通りを阿佐ヶ谷方向に少し進んだところ。
現在、「東京煮干屋本舗」のある場所です。

本当に小さな店でした。
カウンター10席に4人席のテーブル2つ。
営業時間は午前11時から午後3時までのわずか4時間。

黄色い看板には「和風つけめん 栄楽」。
ところが、白いのれんには「つけそば」と書かれているという適当さ?
店内の「お品書き」には「つけそば」と、しっかり書かれていました。

ちなみに「栄楽」をはじめとする「丸長系」では「つけそば」。
つけそばの生みの親・山岸一雄氏がはじめた「東池袋大勝軒」の系列店では「もりそば」の名称が一般的。
「つけ麺」という名称は、1970年代に一世を風靡したチェーン店「つけ麺大王」に由来。
実は「栄楽」も「東池袋大勝軒」も、そして山岸氏が1955年につけそばを考案した当時、店長として在職していた「中野大勝軒」(現・大勝軒「中野」)も、「荻窪丸長」を総本山とする「丸長のれん会」の会員。

山岸氏が1955年当時つくったつけそばの原型に比較的忠実な「丸長系」に対し、「東池袋大勝軒」はどんどん味を豚骨魚介のダブルスープ系の分厚いものに進化させていきました。

「東池袋大勝軒」系のダブルスープをさらに発展させたのが中野の「青葉」。
「青葉」系のつけ麺に魚粉を投入し、さらに濃厚にしたのが「六厘舎」。

そして、東京のつけそばの原型ともいえる古いタイプの味を忠実に守り続けている「丸長系」の中でも、もっとも丸長系のルーツに忠実なつけそばをつくり続け、長年熱烈なファンを獲得していたのが中野の「栄楽」でした。

その特徴をあえて言えば、鶏ガラベースのスープに醬油味を効かせ、酸味と辛味を加えたしょっぱくて酸味が強く、ピリっと辛いつけ汁。
その後の濁ったダブルスープ系や魚粉を効かせた濃厚系と違い、さっぱりとしたつけ汁。つまり、さっぱりとしたなかに、醬油味と酸味、辛味などが効いたつけ汁。
そして、自家製のツルツルとしてモチッとした食感の平打ちの中太麺。
並でも300gはあろうかというボリュームのモチモチの麺をつけ汁につけて食べ終え、最後はスープ割りで〆るときの満足感。

同じ丸長系の各店でも、大勝軒「中野」のようにつけ汁の酸味や醬油味をマイルドにしたり、総本山の「荻窪丸長」のように、コショウを効かせたスパイシーな味にシフトしたり、「目白丸長」のようにつけ汁に甘味を加えるなど時代の流れと共に味が変化。
そんな中で、東京のつけそばの原型の味を頑なに守り、しょっぱく、酸っぱく、ピリッと辛いつけ汁を提供し続けた「栄楽」。
今でも、「栄楽」のあのつけそばの味を求めて丸長系各店を「放浪」する方も少なくありません。

以上前置きが異常の長くなってしまいましたが、あの幻の名店「栄楽」のつけそばを、遠い盛岡の「南部屋路ばた」が「ノスつけそば」(ノスタルジックつけそば)として、無化調で再現したのが今年1月。

しかし、「栄楽」の味を村山店主に教えた友人が「ノスつけそば」を食べたところ、「栄楽」との違いをいくつか指摘。
今回、村山店主がまさにリベンジとして?「栄楽」にもっと寄せて「ノスつけそば」を再度提供。
当初は6月8日(金)1日限定の予定が、ファンの熱望により、数日提供を延長。
その旨を6月8日深夜のFacebookに書き込んでくれました。

ありがとう。
私も本日(6月11日)、1月に続き今年2回目の「ノスつけそば」を食べてきました。

○限定麺「ノスつけそば」(800円)

本日は職場で健康診断。
そのため朝食抜き。
お腹の空いた状態で、昼休みに盛岡駅経由で「南部屋路ばた」を往復。

激しい雨が降りしきる中、店に12時25分に到着。
この雨にもかかわらず、店は満員。
もっとも化調の「南部手もみラーメン」やランパスメニューを注文する方が多いのも事実。
そこに混じって、限定麺「ノスつけそば」を頼む方がチラホラ。
早速待望の「ノスつけそば」が到着。

つけ汁からはプーンと醬油と酢の匂いが鼻につき抜けます。
麺は前回(1月)の切り刃20番、加水率43%の平打ちの多加水中細麺と違い、加水率38%の麺帯をうどん製麺機で約4ミリ幅に裁断した多加水寄りの平打ち中太麺。
南部小麦、ゆきちから、もち姫をブレンドした自家製麺。
麺量は280g。

前回は平打ちながら中細麺だっただけに、麺がくっつく傾向にありましたが、中太麺にした結果、麺がくっつかず、モチモチ感がさらに増し、あの「栄楽」の麺に近づいています。
つけ汁は本当にシンプルな味付け。
鶏ダシのみを使用。
豚骨や節、煮干しなどを使用していないスープに醬油ダレ、一味、酢を加えています。
醬油はあえて強めにしてしょっぱくしています。
酸っぱさも前回以上。
醬油の強いしょっぱくて、酸味も強いつけ汁。
しょっぱさと酸味のあとに、今度は一味の辛さが追いかけてきます。

具は細かくカットした脂肪たっぷりの豚バラ肉チャーシュー、それに同じくカットしたメンマ。
とくにしょっぱくて酸味のある辛いスープをたっぷり吸ったチャーシューと一緒に、麺を食べるときのジャンクな気分は、もう完全に「栄楽」の世界。

短冊切りのナルトが、丸長系のつけ汁のナルトとまさに同じ姿。
本当に涙が出てきます。
細切りの海苔もたっぷりトッピング。

六厘舎インスパイアの魚粉入りの「酸っぱくない」つけそばに慣れた盛岡の方々は、この「しょっぱく、酸っぱく、辛い」ものの、スープが濁っていないつけ汁に、最初はさぞや戸惑うでしょう。
でも、村山店主が語っているように「3回食べるとはまります」

麺を食べ終えると、つけ汁が少し残ります。
そこでスープ割りを頼みます。
前回(1月)の割りスープは豚骨スープでした。
今回はなんと素割り。
つまり、お湯を足しただけ。
でも、お湯で割ることで、醤油味や酸味、辛味が適度な水準に薄められ、今度は醬油の風味を楽しみながら、ゆっくり余韻に浸ってスープを飲み干します。

今でも多くのファンが求めてやまない「栄楽」の味。
しかし、同じ丸長系に行っても、なかなかあの味に出会えないという悲哀。
ところが、何と遠い盛岡の地で、しかも無化調で「栄楽」のつけそばが忠実に再現されているのですから、東京の「栄楽ファン」に知らせたいくらいです。

私が最後に「栄楽」のつけそばを食べたのは、たしか2005年頃。
もう13年も経っています。
忘れかけた「栄楽」の味を、こうして無化調で味わうことができたのは本当に奇跡のよう。

私が「栄楽」に行かなくなったのは、当時最先端だった「青葉」系のつけそば(とくに「麺彩房」中野区新井)にはまったことと、その後の「麺や 七彩」(都立家政当時)との出会い(2007年)に始まり今に至る無化調への没入が。

当時「古い味」「化調使いすぎ」などと決め付け、閉店まで7年も行かないうち、突然店を畳んでしまった「栄楽」のつけそばを、こうして盛岡で食べることは本当に感無量。
村山店主、そして彼に「栄楽」の味を忠実に教えてくれた友人の方に感謝。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ノスつけそば」(2018年6月11日)

    限定麺「ノスつけそば」(2018年6月11日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ノスつけそば」(2018年6月11日)

    限定麺「ノスつけそば」(2018年6月11日)

  • 南部屋路ばた - モチモチの平打ち中太麺(2018年6月11日)

    モチモチの平打ち中太麺(2018年6月11日)

  • 南部屋路ばた - 昔懐かしいしょっぱく、酸っぱく、ピリ辛の「つけ汁」(2018年6月11日)

    昔懐かしいしょっぱく、酸っぱく、ピリ辛の「つけ汁」(2018年6月11日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁のお湯割り(2018年6月11日)

    つけ汁のお湯割り(2018年6月11日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ノスつけそば」の説明書き(2018年6月11日)

    限定麺「ノスつけそば」の説明書き(2018年6月11日)

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2018/06訪問52回目

4.3

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

これまで食べた淡麗の冷やし煮干しでは最高の出来!

6月8日(金)

今日も盛岡は最高気温28℃で超蒸し暑い!
こんな日には、きりっと冷えた冷やしラーメンの清涼感に身も心も委ねたい。
もちろん、無化調に限ります。

そこで一昨日も行った「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
昨日のFacebookで、本日(6月8日)から「鶏そば」「煮干しそば」の冷やしを始めるとの告知。

限定麺は本日限りで、3月に提供した「ノスつけそば」。
「ノスタルジーつけそば」を省略した名称で、東京・中野の今は亡き名店・栄楽の「つけそば」の味を再現。
つけそばの原点ともいうべき「丸長系」のつけそばを盛岡で復活させた逸品です。

こちらにも魅力はありましたが、既に3月に食べているので(過去レビューを参照)、「煮干しそば」の「冷やし」を食べに、昼休み、職場から盛岡駅経由で「南部屋路ばた」まで往復。

○「煮干しそば(冷やし)」(750円)

店到着は12時50分。
空調の効いた涼しい店内に入ると、早速券売機と対面。
券売機横の壁には、本日1日限りの「限定麺」である「ノスつけそば」の説明書き。
しかし、迷わず券売機の「鶏そば 煮干しそば」のボタンを押します。
ベテラン女性スタッフに「煮干しそばの冷やしをお願いします」と声をかけ、食券を渡します。

約10分弱の待ち時間で、「煮干しそば(冷やし)」が到着。
着丼するなり、その美しいビジュアルに惚れ惚れ。

清涼感たっぷりのスープは、やや薄めの醬油色で、透明感があります。
昨年と違うのは、豚ロース肉の大判の低温調理チャーシューがドーンとのっていること。
「肩ロース肉」ではなく、より高級な「ロース肉」を使い、このビッグサイズ。

これまた大ぶりの穂先メンマがスープの中に沈んでいます。
そして、きゅうりの千切り、玉ネギの千切り、カイワレがトッピング。

煮干しオイルが浮かぶ冷たい醬油スープを一口飲むと、煮干しのビターな旨さが口の中に充満。
最初のこの煮干しのインパクトは、冷やしの淡麗煮干しとしては最大級。
まもなくビターな煮干し感が、次第に角のとれた煮干しの旨味に変貌。
同時に、醬油ダレのさわやかな甘味が煮干しの旨味と融合。
さっぱりとした中、煮干し感と醬油の甘味が高いレベルで一体化した旨味が最後の一滴まで途切れることなく継続します。

なかなか煮干し感を出しづらい冷やしの淡麗煮干しで、「苦味」「旨味」「甘味」などが絶妙に融合。
冷たくさっぱりした煮干し感抜群のスープとカエシの完成度にノックアウト。

あとで村山店主に聞くと、煮干しは白口2種と平子、ウルメを使用。
これに昆布やシイタケを加えたスープ。
カエシは、再仕込み醬油を中心に、生揚げ醬油・たまり醬油をブレンド。
仕上げに煮干しオイルを垂らしています。

「煮干しそば(冷やし)」の魅力を倍増させるのが、冷水でしめた自家製麺。
切り刃20番、加水率36%の中加水ストレート麺。
麺量は160g。

ゆきちからに銀河のちからの全粒粉をブレンド。
冷たくしめた麺は、コシがぐーんと増して、まさしく中細麺を噛み切るというほどの歯応え。
しかし、いざ噛み切ると、今度はモチッとした食感を感じるという絶妙な麺。
小麦の香りを楽しめるコシの強い麺と、煮干し感たっぷりで、それにカエシの上品な甘味ののったスープのドッキングは最強に近い組み合わせ。

具の3種の野菜の組み合わせもスープの清涼感アップに貢献。
なかでも透明感のある千切り玉ネギは、ビジュアルと食感の両方で冷たさを引き立てています。
大ぶりの穂先メンマは薄味ですが、シャキシャキとした食感が魅力。
トロッとした黄身がスープに溢れそうな味玉半分も美味。

しかし、何といってもトッピングのうち最大の売りは、大判の豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
ビジュアルも、味もロースハムそのもの。
肩ロース肉よりも脂身が少なく、しっとりとして柔らかでさっぱりとした味。
冷やしラーメンに最適なチャーシューです。
そういえば、昨年の具は、豚モモ肉の細切りでした。
それよりも肉そのものの旨味がはるかにアップ。

スープを飲み干し、村山店主に挨拶。
「昨年よりも煮干し感が強くなりましたね」と感想を述べると、「昨年とつくり方や食材は変わっていませんよ」と涼しい顔。
もっとも、本日は入荷した煮干しの質が良かったことに加え、少しスープの煮干し濃度をあげたといいます。

今まで東京も含め、冷やし煮干しそばをかなり食べてきましたが、今回の「煮干しそば(冷やし)」は、スープ、カエシ、麺、具のずべてにわたり、もっとも美味しかったというのが率直な感想。
これまで「南部屋路ばた」は総合評価「4.2」をずっとキープしていましたが、この「煮干しそば(冷やし)」の出来は、軽く「4.3」の域に達しています。

ついでに限定麺について一言。
「ノスつけそば」は厳密にいうと、3月に提供したものの改良版。
実は「ノスつけそば」をつくるきっかけとなった「栄楽」ファンの村山店主の友人が、3月のバージョンを実食。
何点かにわたり「栄楽」との味の違いを指摘。
さすがに「栄楽」のあの太麺は再現できませんでしたが、本日提供のバージョンは、3月のものよりもはるかに「栄楽」の味に近づいたといいます。
もちろん無化調です。

そこで、明日からの提供を予定していた次の「限定麺」の材料が届かないという非常事態を受け、「ノスつけそば」の提供を本日限りではなく、来週の月曜まで延ばして欲しいと強く要望。
盛岡の方にはほとんど知られていない「つけそば」の原点「丸長系」の味を浸透させるためにも、もっと多くの方に食べてもらうべきと力説?
村山店主も前向きに検討?というお答え。
最終的な回答はFacebook待ちですが、「ノスつけそば」を週末、そして来週月曜にも食べることができると固く信じています(やんわり、プレッシャーをかけていますね)。

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(冷やし)」(2018年6月8日)

    「煮干しそば(冷やし)」(2018年6月8日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(冷やし)」(2018年6月8日)

    「煮干しそば(冷やし)」(2018年6月8日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」「煮干しそば」の説明書き(2018年6月8日)

    「鶏そば」「煮干しそば」の説明書き(2018年6月8日)

  • 南部屋路ばた - 本日限り?の限定麺「ノスつけそば」の説明書き(2018年6月8日)

    本日限り?の限定麺「ノスつけそば」の説明書き(2018年6月8日)

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2018/06訪問51回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

あれっ!「冷やし塩そば」が「塩つけそば」に変わっちゃった!

6月6日(水)

毎日気温のことばかり書いていますが、今日の盛岡の最高気温も28℃と高め。
明日(7日)は再び30℃まで上がりそう。
もっとも、日曜から気温がぐっと下がり、来週は曇りや雨で20℃前後と暑さも一段落の予報。

暑さの中、何としてもすっきりとした清涼感のある無化調の冷やしラーメンを食べたいと切に希望。
そんな中、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)が6月2日(土)から提供している限定麺が、何と「冷やし塩そば」ではありませんか!

「4店コラボ企画第2弾」も6月3日(日)で終了。
暑さが続く今週末ぐらいまでは、限定麺は「冷やし塩そば」で行くのではないかと予想。
早速本日(6日)行ってきました。

○限定麺「塩つけそば」(800円)

13時少し過ぎに店に到着。
券売機横に限定麺の貼り紙をさっと見て、深く考えずに食券を購入。
ベテラン女性スタッフに食券を渡しました。

この時点までは頭の中が「冷やしラーメン」で一杯だったので、てっきり「冷やし塩そば」を注文したと思い込んでいたのですから、どうかしています。
待ち時間にスマホで撮った説明書きで「予習」しようと何気なく、スマホのギャラリー画像をみたら、商品名は「塩つけそば」。

そこで「限定麺」をもってきてくれた村山店主に聞くと、「冷やし塩そば」は特に暑かった6月2日(土)から3日間の限定で、月曜に終了。
本日は、同じ麺とスープ、具を使って「つけそば」をつくってみたという。
「塩つけそば」は本日1日限り。
今週末からは次の「限定麺」が登場するとのこと。

今日も十分暑いので、「冷やし塩そば」をもう1日継続して欲しかったものの、メニューを決めるのは店主の判断。
「塩つけそば」も「冷やし塩そば」に劣らず美味しそうなので、気分を切り替え、挑戦。
しかし、日曜の「虹ソラ」(冷やしラーメン→まぜそば冷し忍)、そして本日の「南部屋路ばた」(冷やし塩そば→塩つけそば)と、理由はともあれ「冷やしラーメン」を逃しつづける日々。
一体いつ今年最初の「冷やしラーメン」を食べることができるのかな?

さて「塩つけそば」。
先に書いたように、スープや塩ダレ、麺、具などほぼ「冷やし塩そば」と一緒。

麺は、南部小麦、ゆきちから、もち姫をブレンドした小麦を使って自家製麺した加水率38%の多加水寄りの麺。
約4ミリの幅で手切りした平打ち麺。
麺量は200g。

麺は大きな皿の上に盛られ、具は旬の食材を中心に相当凝った構成。
厚味のあるブロックのような低温調理の鶏ササミが2個。
その上には、南高梅の梅干し(果肉)がのり、上にちょこんと粗挽きのブラックペッパーが1粒添えられています。

ロースハムのような薄いピンク色の豚ロース肉低温調理チャーシューは、かなりの大判。
そして細長い姫竹、ソラマメ、酢取りミョウガなどがトッピング。

つけ汁は、昆布をメインに鰹節、マグロ節、鯛のアラをブレンドしたスープ。
それに生姜オイルとザク切りのネギを添えています。

麺はツルっとした中にも、もち姫が良く効いてモチモチとした食感。
うーん、この麺を冷たい塩スープの中で泳がせてみたかった!
それでも、ツルツルの平打ち麺がつけダレによく絡み、啜ると小麦の香り高い麺と塩ダレの効いたつけ汁が一体となって抜群の喉越し。

つけ汁は、比較的塩ダレがよく効いていますが、それを受け止めるスープも、昆布の旨味を軸に鰹節や鯛のアラなどが絶妙にブレンド。
あっさりとしながらもコクのある出来になっています。

具の中では、やはり南高梅の果肉とブラックペッパー1粒がのった鶏ササミが出色。
淡泊な鶏ササミに梅干しの酸味が合わさり、さらにブラックペッパーを噛むと、特有の香りと辛さが口の中で炸裂。

豚ロース肉のレアチャーシューは、生ハムのような淡泊な風味。
サクサクとした食感の姫竹、噛むと美味しさが広がるソラマメ、甘酢に漬けて酸味と甘味、そしてミョウガ特有の風味が凝縮された「酢取りミョウガ」など、村山店主のセンスがいかんなく発揮された季節の具の数々。

200gの麺を完食した後は、スープ割りをお願いします。
塩ダレがちょうど飲みやすい濃度になり、ブレンドされた節や鯛のアラの風味もはっきり分かります。
果たして割りスープは何のスープかなと村山店主に尋ねると、「素割り」、つまりお湯で割っただけとのこと。

「冷やし塩そば」こそ逃しましたが、村山店主のセンス光る「塩つけそば」を十二分に堪能したので、満足。
残念ながら、先に書いたように「塩つけそば」は本日(6日)限りの限定。
明日(7日)に次の限定麺の構想を練り、早ければ金曜(8日)から登場する次の限定麺。
もっとも、店に行ったけど、まだなかったということにならないよう、Facebookで告知されてから行った方が無難でしょう。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「塩つけそば」(2018年6月6日)

    限定麺「塩つけそば」(2018年6月6日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「塩つけそば」(2018年6月6日)

    限定麺「塩つけそば」(2018年6月6日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2018年6月6日)

    麺&具(2018年6月6日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁(2018年6月6日)

    つけ汁(2018年6月6日)

  • 南部屋路ばた - 素割りしたつけ汁(2018年6月6日)

    素割りしたつけ汁(2018年6月6日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「塩つけそば」の説明書き(2018年6月6日)

    限定麺「塩つけそば」の説明書き(2018年6月6日)

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2018/05訪問50回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

4店コラボ企画訪問第一弾は「南部屋路ばた」-「煮干しつけそば」-

5月16日(水)

第2回「岩手拉麦会」(「拉麺 太极」「二丁目食堂」「らぁめん サンド」「南部屋路ばた」)の「コラボ企画」が昨日(5月15日)からスタート。

当然第一弾として訪問したのは、第1回(昨年11月)と同様、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
「南部屋路ばた」は昨日定休日でしたので、本日からの開始となります。

店に着いたのは、いつもより早い12時少し前。
店前の駐車場が空いていたので、安心しました。

店内に入ると、券売機の左に岩手拉麦会コラボ限定麺の説明書き。
前回は岩手県産小麦3種類を使った自家製麺がテーマ。
今回は500円(ワンコイン)の無化調煮干し。
この枠内で各店はラーメンにしようと、つけ麺にしようと、まぜそばにしようと自由。

4店すべての提供メニューが分かりましたが、なかなかバラエティーがあります。
どの店も淡麗煮干しラーメンというわけではないのが、さすがに岩手県を代表する名店だけあります。

「ミニラーメン」の食券(500円)を買って、ベテラン女性スタッフに「コラボで」とお願いします。
一昨日来たばかりで、実は村山店主が「煮干しつけそば」を提供することは事前に聞いていましたが、果たしてどんな内容に仕上げて来るのか楽しみ。
それ以上に、もう何十回も同店に来ていますが、ワンコインというのも初めて。

○岩手拉麦会コラボ限定麺「煮干しつけそば」(500円)

「煮干しつけそば」は麺量220g。
大盛りできますということで、大盛の食券1枚(120円)で330gに、2枚(240円)で440gまで増量できます。
限定麺で大盛可となると、専用麺の減り方が速くなるので、たくさんの人に提供できなくなるおそれも。
それ以上に「ワンコイン」という趣旨から外れます。
という理由で、できれば「大盛不可」として欲しかったというのが本音。
もちろん、ワンコインの並盛(220g)で頼みます。

カウンター席に座っていると、さすがに昼時だけあって、どんどんお客さんが入店。
すべてがコラボ限定麺というわけではなく、通常の手もみ麺やランパスメニューなどを頼むお客さんの中でパラパラと限定麺の注文があるという程度。

ほどなく村山店主が「煮干しつけそば」をもってきてくれます。
麺と具の入った丼、つけ汁の入った赤い丼、そして小皿に一味が入っているという3点セット。

麺はゆきちから、南部小麦、もち姫を使った平打ち麺。
加水率41%の多加水麺です。
麺帯から麺幅4~5ミリ程度で手切りした麺220g。
麺の上には刻み海苔、豚肩ロース肉のレアチャーシュー、それからレモンが一切れ。
つけ汁の色は、丼が赤茶系なので良く分かりませんが、白口・背黒・平子・ウルメなどの煮干しに昆布、シイタケを合わせてダシを抽出。
動物系は不使用。
これに八木澤商店の生薄口醤油でつくったカエシを合わせたという手の込んだもの。

麺やつけ汁のこだわりをみる限り、とても500円とは思えません。
700円以上出しても、惜しくないだけの素材を使っています。

まずは麺から食べてみます。
何もつけずに麺のみ食べると、平打ち麺特有のフルフルとした口当たりの良い滑らかな食感。
それに加え、もち姫がブレンドされているので、モチモチ感も適度に感じられるつけ麺用の麺として絶好の出来。
もちろん、小麦の香りも楽しめます。

つけ汁をレンゲですくってみると、煮干し特有の気泡が立っているものの、淡麗系のサラサラスープですが、意外に煮干しダシが良く効いています。
ビターというか、渋みというか独特の風味が感じられるとともに、この煮干し風味が醤油のカエシと良くバランスしています。
煮干しの風味と醤油の香りの両方が楽しめるつけ汁には、輪切りのネギが浮かんでいるだけ。
それ以上の具は潜んでいません。

麺をつけ汁にさっとつけると、さすがに平打ち麺だけあって、サラサラスープを良く持ち上げます。
煮干しの心地よいビターな美味さと醤油のカエシの香ばしさ、それから小麦の香り豊かな麺が口の中に一体に。
これは、500円のクォリティを超えています。

豚肩ロース肉のレアチャーシューは、薄くスライスされた柔らかく淡白な味。
肉の旨味が生かされていると同時に、淡麗のつけ汁を邪魔しません。

途中で別皿の一味(?)をつけ汁にお好みで適度に入れると、ピリッとした辛味がさらに食欲をそそります。
そして、レモンを麺に搾ってつけ汁にさっとつけると、レモンの酸味が効いて、煮干し風味から酸味中心の味に味変。
爽やかな味ですが、逆にいえばレモンの酸味で煮干しダシが弱くなるので、レモンを麺に搾るのは最後にした方が良いでしょう。

麺を食べ終えたあと、つけ汁のスープ割りをお願いします。
アツアツの煮干しスープで割ったつけ汁は、再び煮干し風味が強化され、最後を締めくくるのにふさわしい煮干し具合。

麺の美味しさはもちろんですが、つけ汁の煮干しの出具合にも感嘆。
今度は多加水平打ち麺ではなく、通常の切り刃20番の中加水麺を使い、水で締めた麺を昆布水に浸して煮干し風味のつけ汁につけてみたいですね。
もちろん限定麺価格800円で!

コラボ企画の限定麺。
まずは近いところから攻めていく予定。
となると、次は「サンド」かな?

南部屋路ばたのコラボ企画限定麺(「煮干しつけそば」)は6月3日(日)まで提供されていますので、是非お試しください。

  • 南部屋路ばた - コラボ限定麺「煮干しつけそば」(2018年5月16日)

    コラボ限定麺「煮干しつけそば」(2018年5月16日)

  • 南部屋路ばた - コラボ限定麺「煮干しつけそば」(2018年5月16日)

    コラボ限定麺「煮干しつけそば」(2018年5月16日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2018年5月16日)

    麺&具(2018年5月16日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁(2018年5月16日)

    つけ汁(2018年5月16日)

  • 南部屋路ばた - 別皿の辛味(2018年5月16日)

    別皿の辛味(2018年5月16日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2018年5月16日)

    スープ割り(2018年5月16日)

  • 南部屋路ばた - コラボ限定麺の説明書き(2018年5月16日)

    コラボ限定麺の説明書き(2018年5月16日)

  • 南部屋路ばた - 第2回岩手拉麦会コラボ企画のポスター(2018年5月16日)

    第2回岩手拉麦会コラボ企画のポスター(2018年5月16日)

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2018/05訪問49回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

アサリダシが濃厚な塩ラーメン!

5月14日(月)

明日(15日)からいよいよ4店(「拉麺タイヂ」「二丁目食堂」「らぁめん サンド」「南部屋路ばた」)のコラボ企画第2回「無化調煮干し」(500円)が始まります。
各店が工夫を凝らし無化調と500円という制約の中で煮干しラーメンや煮干しつけ麺を提供。
1日の提供杯数は各店で違います。

とはいっても、明日(15日)は「サンド」と「南部屋路ばた」がお休み。
明後日(16日)も「サンド」の定休日ということで、「南部屋路ばた」は16日(水)から、「サンド」は17日(木)からということになります。
当初31日終了の予定でしたが、6月3日(日)が最終日となりました。

さて、コラボ企画で混み合う前に、今提供中の限定麺を食べておきたいということで、本日午後「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)を訪れました。

本日(14日)が最終日となる限定麺「浅蜊塩そば」(800円)が目的。
ゴールデンウィーク中にも提供されましたが(私は東京滞在のため未食)、5月11日から提供中のバージョンはスープの構成を変えてみたとのこと。

○限定麺「浅蜊塩そば」(800円)

13時少し前に店に到着すると、土日の喧騒がウソのようにのんびりとした雰囲気。
村山店主にも余裕がありますね。
現在求人中ですが、依然として村山店主とベテラン女性スタッフの2人体制。

券売機左に掲示されている限定麺のPOPを見ると、目的の「浅蜊塩そば」以外にもう1つ「にぼ白湯そば」(850円)が提供されています。
後者はときどき1日限りの限定として提供されるメニュー。
「南部屋路ばた風セメント煮干し」。
既に2回食べ、レビューも上げていますので、本日は「浅蜊塩そば」に専念。

村山店主自ら「お久しぶりです」との言葉とともに運んでくれた「浅蜊塩そば」。
たしかに、連休前以来ですから、2週間以上のご無沙汰となりますね。

目の前の「浅蜊塩そば」。
薄茶色の透明な塩スープに大判の豚肩ロース肉低温調理チャーシューがのっています。
チャーシューの上に添えられている茶色のソースは、ポルチーニとマッシュルームのオイル。
その他、穂先メンマ、白髪ネギ、うるいなどが添えられ、スープにドライトマトのチップが浮いています。

スープは昆布、アサリ、鯛からとったダシに塩ダレを加えたもの。
レンゲでいただくと、アサリの旨味が昆布にアシストされ、実に濃厚な貝ダシ。
以前食べた「活ハマグリ塩そば」でも、ハマグリダシが濃厚に出ていました。
難しいとされる貝ダシの抽出にかけては、村山店主の手腕はぬきんでています。

塩加減もちょうど良く、本当に良く貝ダシの効いた塩ラーメン。
もちろん無化調。
村山店主によると、連休中に提供されたバージョンでは、もっと「アサリ」が効いていたといいます。
食べたかったな!
もっとも鯛はあまり感じられず、ドライトマトのチップも、ほとんど感じられなかったというのが正直なところ。

麺は、国産小麦を使った「ふすま」(小麦の表皮)入りの自家製麺。
切り刃20番、加水率36%の中加水ストレート麺。
一見、ふすまの斑点が目立ち、ザクザクとした食感を予想します。
いざ食べてみると、予想以上ツルツル啜れ、モチモチとした食感が印象的な麺。
少し柔らかめの茹で上げです。
麺量は160g。

大判チャーシューは、薄くスライスされ、味付けも淡白。
脂が適度に混じり、赤身とのバランスも良く、柔らかく調理されています。
青菜として添えられている山菜「うるい」のお浸し。
サクッとした歯ざわりでクセのないあっさりとした味。
穂先メンマも、味付け薄めのシャキシャキ食感。

後半でチャーシューの上にのっているポルチーニとマッシュルームのソースをスープに少しずつ溶きます。
少々酸味を感じるソースですが、ベースの貝と昆布と鯛のスープの旨味が強いため、溶いても、それほど大きな味変は起こりません。
スープの色がやや濃くなると同時に、風味が気持ち強めになるという程度でしょうか。

貝ダシに支えられた旨味たっぷりの塩ラーメンに「うるい」や「ポルチーニとマッシュルームのソース」など面白い食材を合わせた地味だけれど、独創的な塩ラーメン。
貝ダシが好きな人には文句なくオススメなのですが、本日(14日)で終了というのが何とも残念。

明日(15日)の定休日をはさんで、「南部屋路ばた」でも、16日からいよいよコラボ企画の開始。
Facebookには、次の限定麺「鯛と木の芽のそば」が告知されていますが、コラボ企画の「無化調煮干し」(500円)が終わる6月3日までは、限定麺は提供しない予定。
ただし、その間も「煮干しそば」と「鶏そば」は提供されます。
そこで、もしコラボ企画の限定麺が不運にも売り切れてしまったら、「煮干しそば」や「鶏そば」を久々に賞味するのも良いでしょう。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「浅蜊塩そば」(2018年5月14日)

    限定麺「浅蜊塩そば」(2018年5月14日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「浅蜊塩そば」(2018年5月14日)

    限定麺「浅蜊塩そば」(2018年5月14日)

  • 南部屋路ばた - ポルチーニとマッシュルームのソース(2018年5月14日)

    ポルチーニとマッシュルームのソース(2018年5月14日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2018年5月14日)

    限定麺の説明書き(2018年5月14日)

  • 南部屋路ばた - 第2回「コラボ企画」のポスター(2018年5月14日)

    第2回「コラボ企画」のポスター(2018年5月14日)

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2018/04訪問48回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「白金豚」づくしの醤油ラーメン!

4月28日(土)

本日は13時30分過ぎまで、盛岡駅西口の「アイーナ」7階で仕事。
昼食抜きだったので、仕事終了後遅い昼食を食べることに。

ならば、駅西口からタクシーで約15分、2000円程度の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に行こうと決め、念のためにFacebookをチェック。
すると、今日から新しい限定麺「白金豚とうるいの正油そば」(800円)が始まっているではないか!

これはラッキー!ということでタクシーをとばしましたが、店に着いたのが14時過ぎ。
果たして、この時間まで限定麺が残っているかどうか不安。

売り切れも覚悟して店に入り、すぐ左手にある券売機を見ると、限定麺のボタンに×が点灯していない。
ホッとして、食券を購入。

本日は村山店主にベテランの女性スタッフに加え、若い女性アルバイトの3人。
店は予想よりも空いていて、7割程度の入り。
3連休初日で好天だったので、遠出した方が多かったのかな?

○限定麺「白金豚とうるいの正油そば」(800円)。

花巻市の高源精麦が生産している銘柄豚の「白金豚」(プラチナポーク)。

市場になかなか出回らない貴重な白金豚の肉と豚骨からダシをとった「豚清湯」スープ。
これに生醤油、たまり醤油、再仕込み醤油の3種の醤油をブレンドした醤油ダレを合わせ、香味油は白金豚のラード。

具は白金豚のチャーシュー2種。
さらに白金豚の肉団子など、まさしく白金豚づくしの醤油ラーメン。

濃い琥珀色の醤油スープにラードが浮かぶややオイリーだが澄んだビジュアル。
しかし、スープをいただくと、濃厚でオイリー、豚の旨味が出たスープではなく、むしろ香り高い醤油の風味が前面に出たさっぱりとした味。

白金豚の肉や豚骨、ラードなどはむしろ醤油ラーメンの下支えとして、コクや深みを与えています。

村山店主によると、白金豚100%の豚清湯スープ。
これに香りや風味豊かな醤油ダレを加えた実にあっさりしながらもコクのある醤油の風味強いラーメン。
当然、無化調です。

2種のチャーシュー以外は緑鮮やかな「うるい」がたっぷり、そして刻みネギもたっぷり添えられているユニークなビジュアル。

麺は、「ゆきちから」を使って自家製麺した切り刃20番、加水率36%の「ふすま」の入らないストレート麺(中加水麺)。
低加水麺のようなパツパツ食感ではありませんが、ポクポクとした田舎そばのような素朴な食感のある存在感ある麺。
少し固めの茹で上げが、麺の良さを生かしています。

ともに白金豚の2種のチャーシュー。
肩ロース肉の低温調理チャーシューは、軟らかく淡白な味。
これに対し、バラ肉のロールチャーシュー(煮豚)は、箸でつかむとホロホロと崩れる柔らかさ。
味付けは肩ロース肉よりも濃厚。
白金豚の挽き肉を使った肉団子2個も、あっさりしなからジューシーで、実に美味しい。

白金豚づくしのスープやチャーシューに対し、独特の清涼感をくわえているのが、うるいと刻み玉ネギ。
ぬめりがありながらも、シャキシャキ食感がユニークなうるい。
これにシャキシャキ食感の刻み玉ネギが加わり、シャキシャキ食感が相乗。

スープを飲み干すと、深みのある醤油の旨味が余韻として口の中に残ります。

あっさりした白金豚の清湯スープ。
具も白金豚のづくし。
それに意外性のあるうるいと刻み玉ネギ。
素朴な食感の自家製麺。
コクと香り深い醤油ダレ。
これらが丼の中で一体になった地味ですが、きらりと光る醤油ラーメン。

白金豚のスープがなくなり次第終了ですので、食べたい方はお急ぎを。
連休後半は、次の限定麺が出るようです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「白金豚とうるいの正油そば」(2018年4月28日)

    限定麺「白金豚とうるいの正油そば」(2018年4月28日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「白金豚とうるいの正油そば」(2018年4月28日)

    限定麺「白金豚とうるいの正油そば」(2018年4月28日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2018年4月28日)

    限定麺の説明書き(2018年4月28日)

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2018/04訪問47回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

敢えて苦味とエグミを出したニボ度MAXのセメント煮干し

4月15日(日)

この日、大雨の中、訪れた日曜午後の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。

大混雑の店内で限定麺「桜と筍の塩つけそば」(920円)をいただきました。
そこで、Facebookで告知されていないもう1つの限定麺を発見。
それが「にぼ白湯そば」(800円)

説明書きには「セメント系のにぼしそばになります。あえてえぐみ、苦味を出していますので、本当に煮干しがすきな方のみおためしください・・・」とあります。

既に「塩つけそば」でお腹一杯状態ですが、上記の文章を読んだら、ニボラーなら挑戦しないわけには行かないでしょう。
まして、告知されていない限定麺は2、3日で終わってしまう可能性も。
ということで、夕食を抜きにして、「にぼ白湯そば」を頼んでしまいました。

○限定麺「にぼ白湯そば」(800円)

ビジュアルは、セメント系というよりも茶濁したスープ。
鶏白湯スープと煮干しダシ、そして醬油ダレをブレンドしているのが良く分かります。
見るからに濃厚そうですが、スープの粘度は低く、さらっとしています。

具は、豚バラ肉の煮豚2枚と穂先メンマ、それに九条ネギが多め、さらに刻み玉ネギと味玉半分。

実は「南部屋路ばた」は、今年3月にも1日の限定(プラス翌日5杯)で「にぼ白湯そば」を提供しています(過去レビューを参照)。

商品名もPOPの文言も同じ。

鶏白湯スープに大量の背黒と白口を炊き込んでいるのも変わりないでしょう。

しかし、味の違いは歴然。

3月の提供時は、煮干しの軽い苦味とエグミを感じましたが、むしろ目立ったのが煮干しの旨味を包み込む独特の甘味。
ネギを煮込んで甘味を出し、それを煮干しスープに投入したところが特徴。
ニボ度はそれほど高く感じませんでした。

もう1つ違うのが麺。
前回は切り刃こそ20番と「鶏そば」や「煮干しそば(淡麗煮干し)」と同じながら、加水率を38%と高めにして、プリプリモチモチとした麺を使っていました。

さて今回はどうでしょうか?

煮干しの匂いが漂ってくるスープを飲むと、かなりの苦味とエグミ。
前回の比ではありません。
煮干しの搾り汁をそのまま飲んでいる趣き。

同じセメント系で鶏白湯スープと合わせているといっても、煮干しスープ自体を何度も濾して滑らかにし、それと鶏白湯を合わせクリーミーさを出すという手法とは全く違います。
先にも書いたように、スープはサラサラ。
むしろ、煮干しのエグミ、苦味全開のスープにコクと深みを与えるために動物系を使っているように思われます。

それほどストロングな煮干しの旨味とそれと表裏一体となった雑味。
コアなニボラーには堪らない味でしょう。
もちろん、煮干し初心者には苦味・エグミが強すぎ、無理だと思われます。

麺は「鶏そば」「煮干しそば」などで使っている「ふすま」入りの切り刃20番、加水率36%の中加水ストレート麺。
もちろん、自家製麺です。
固め茹で上げのため、パツパツ感もありますが、噛むとモチッとした食感を感じるハイブリッドな麺。

ホロホロとして蕩けてしまいそうな豚バラ肉の煮豚。
シャキシャキ食感が魅力の穂先メンマ。
ネギの甘さと苦さが濃厚煮干しスープにアクセントを与える九条ネギと刻み玉ネギ。
トロトロに煮込んだ黄身が濃厚な旨味を発揮する味玉半分など、具にもぬかりはありません。

同店では、既に淡麗煮干しとしては比較的ニボ度の高い無化調の「煮干しそば」(醬油・塩)が好評。
それに加え、鶏白湯と合わせた濃厚セメント系ながら同店の独自性を発揮できる「にぼ白湯そば」を開発中。
前回はネギの甘味を加えるという変化球を投げてきましたが、今回は鶏白湯と合わせながらもクリーミーではない雑味たっぷり、ニボ度MAXの直球「にぼ白湯そば」を提供。
この強烈な味を無化調で出しているのですから、立派。

次にどのような「にぼ白湯」を出してくるのか?
今から楽しみです。
私はクリーミーな「にぼ白湯」にもチャレンジして欲しいと期待しているのですが。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「にぼ白湯そば」(2018年4月15日)

    限定麺「にぼ白湯そば」(2018年4月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「にぼ白湯そば」(2018年4月15日)

    限定麺「にぼ白湯そば」(2018年4月15日)

  • 南部屋路ばた - 「にぼ白湯そば」のPOP(2018年4月15日)

    「にぼ白湯そば」のPOP(2018年4月15日)

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2018/04訪問46回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

桜と筍など旬の食材を駆使した「塩つけ麺」

4月15日(日)

昨日(4月14日)から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。

昨日は仕事で行けず。
本日は朝から雨で日曜でもお客が少ないと読んで、タクシーを飛ばしました。

店についたのが13時。
雨のなか、店前の駐車場は車で満杯。
店に入ると、満席で店内待ち。

それ以上に驚いたのは「限定麺」が2種類あること。
昨日Facebookで告知され、私も食べに来た「桜と筍の塩つけそば」(920円)以外に、限定麺「にぼ白湯そば」(800円)が。

「聞いてない」と言い出しそうになりましたが(笑)、まずは予定通り「塩つけそば」の食券を購入。
「限定麺」の食券は800円しかないので、麺大盛(120円)の食券を追加購入。

店内の待ち椅子で待つこと約10分で、カウンター席に案内されます。
待っている間も、途切れることなくお客が入店。
一人客、カップル、家族連れなど。
「南部屋路ばた」は、限定麺、無化調・自家製麺の「煮干しそば」「鶏そば」以外にも、化調を使った多種の「手もみらーめん」、そして餃子や炒飯なども出しています。

それらの注文を受け、すべて一人で料理するのが村山店主。
フロア担当はベテラン女性スタッフ。
この2人で凄まじい数と種類の注文をこなすのですから、厨房は戦争状態。
これじゃ、いつものように食べ終えた後、村山店主に話を聞く時間などないと諦め、到着を待ちます。

待つこと10分で「塩つけそば」が到着。

○限定麺「桜と筍の塩つけそば」(920円)

岩手県では、一関や平泉など県南で桜が既に八分咲き。
しかし、盛岡では一番早い「栃内病院」の桜の開花もまだ。
「石割桜」や「岩手公園」の桜も、ここ10日間ほどの寒さで遅れています。

桜の開花に先立ち、桜の塩漬けや筍など季節の食材を使った塩つけそばを食べるのも乙なものです。

「桜と筍の塩つけそば」は3点セット。

いまや「路ばた」のつけ麺ではお馴染みになった中央が窪んだ白の大きな皿。
窪みに麺と豚肩ロース肉のピンクのレアチャーシュー。
そして、薄くスライスした筍4枚。
さらに、レンゲがさしてあって、そこには白い筍のペーストが盛ってあります。
筍のペーストや麺の上には、桜の塩漬け。
季節感と彩りに溢れた麺と具。

つけ汁は、これも定番となった赤い丼に入っています。
塩ダレだけに澄んだスープは、昆布と鰹節、鮪節をブレンドしたアニマルオフ。
スープの具は、たっぷりの九条ネギ、そして肉団子が2つ。

さらに、小皿には筍がたくさん入った「筍のおにぎり」。

さて、食べる前に事前に渡された「桜と筍の塩つけそば」の食べ方を記したPOPを参考にします。

そこには、レンゲの筍ペーストは、麺に付けても、つけ汁に入れても、最後におにぎりをつけ汁に入れたあとででも、お好きなときにお食べくださいと書いてあります。

ただし、筍のおにぎりは、麺を食べ終えた後にスープに入れて食べてくださいとあります。

まずは、つけ麺の例により、麺だけを食べてみます。
ゆきちから、もち姫から打った加水率40%の多加水平打ち麺。
麺は、おそらく手切りでしょう。
麺幅は4ミリぐらい。

ほぐし水に浸った麺は瑞々しさ一杯。
しっとりとした麺は、さすがにもち姫を入れているだけに、弾力性があり、モチッとした食感。

まず麺に桜の塩漬けだけをのせて食べてみます。
すると、小麦の香りに桜の香りが重なり、なんとも言えない幸福感。
このまま桜の塩漬けだけで麺を食べ終えてしまいそうになりますが、ちょっと待った。

まだ筍のペーストやつけ汁もあります。
次に麺に薄味の筍ペーストをつけて食べ、さらに筍ペーストに桜の塩漬けをのせて食べるなど楽しみます。

いよいよつけ汁に麺をつけます。
つけ汁は、塩ダレのためか、少ししょっぱさが気になりますが、節や昆布の旨味が良く出たあっさりとしたスープ。
これなら、筍ペーストや桜の塩漬けを麺と一緒に入れても、つけ汁に負けてしまうことはありません。

肉団子も美味。
そして、トッピングのサクサクした筍の食感。
本当に北国への春の訪れを食で実感。

豚肩ロース肉のレアチャーシューは、柔らかい上、肉の旨味を十分感じることができる仕上がり。
肉の旨味を味わってもらうため、薄味にしている点にも好感がもてます。

つけ汁と別皿にして麺と一緒に盛られていますので、スープの熱による変色や味の劣化を心配する必要がありません。

最後まで桜の塩漬けと筍ペースト、そして麺とつけ汁とのコラボを楽しんだ後、小皿の筍のおにぎりをつけ汁にドボン。

レンゲでおにぎりを解いて雑炊(?)のようにして食べ終えます。
もしかしたら、スープ割りができたかも知れませんが、厨房のあまりの忙しさに声をかけるタイミングを逸し、そのまま飲んでしまいました。

普通ならそこで、おとなしく帰るところですが、もう1つの限定麺「にぼ白湯そば」(800円)が何とも気になる。

Facebookで公表されている「桜と筍の塩つけそば」は、最低でも1週間は提供されるでしょうが、いまのところ未公表の「にぼ白湯そば」は2、3日で終わってしまうかも。

そう思ったら、勝手に体が券売機に向かっていました。

結局、「桜と筍の塩つけそば」「にぼ白湯そば」と、限定を連食する羽目に。
当然、夕食は抜き(笑)。

既にレビューが長くなってしまいましたので、「にぼ白湯そば」は後日改めてレビューを投稿します。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「桜と筍の塩つけそば」(2018年4月15日)

    限定麺「桜と筍の塩つけそば」(2018年4月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「桜と筍の塩つけそば」(2018年4月15日)

    限定麺「桜と筍の塩つけそば」(2018年4月15日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(レンゲの先にのっているのが筍ペースト)(2018年4月15日)

    麺と具(レンゲの先にのっているのが筍ペースト)(2018年4月15日)

  • 南部屋路ばた - 九条ネギと肉団子の入った塩つけ汁(2018年4月15日)

    九条ネギと肉団子の入った塩つけ汁(2018年4月15日)

  • 南部屋路ばた - 小皿にのった「筍のおにぎり」(2018年4月15日)

    小皿にのった「筍のおにぎり」(2018年4月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「桜と筍の塩つけそば」のPOP(2018年4月15日)

    限定麺「桜と筍の塩つけそば」のPOP(2018年4月15日)

  • 南部屋路ばた - 「桜と筍の塩つけそば」の食べ方(2018年4月15日)

    「桜と筍の塩つけそば」の食べ方(2018年4月15日)

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2018/04訪問45回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「あごだし」の旨味を煮干しが支えるあっさり醬油ラーメン!

4月13日(金)

またまた昼時の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に来てしまいました。

理由は、村山店主の4月11日付けFacebook記事。
4月11日から2~3日間のお試し限定として、番外編限定麺「あごだしそば」(800円)を提供するという。

説明書きから引用すると、「あご、昆布、干ししいたけのスープに正油だれ、煮干し油のスープにたっぷりの九条ねぎ、煮豚、なるとのスッキリ中華そば系です」

村山店主のコメントに「ちょっぴり化調します・・・抜きたい方はお気軽にお申し付けください。スープ無くなり次第終了です」

本日は13日だから、提供3日目。
おそらく最終日ではないか?
「南部屋路ばた」が「あごだし」(トビウオ)を使うのも珍しい。
シンプルであっさりしながら、甘味とコクのある醬油ーメンじゃないかと読んで、「化調抜き」で頼もうと、昼休み、職場を抜け出してバスとタクシーを乗り継ぎ、「路ばた」へ。

到着は12時15分と、私としてはかなり早め。
店は、カウンター席を除き、ほぼ満席の盛況。
店に入り、券売機左に貼られた番外限定麺の説明を読み終え、いざ食券を買おうとすると、厨房から村山店主が出てきて、「今終わってしまいました」と死刑宣告(笑)。

券売機を見ると、「限定麺」のボタンに「×」印。
ショックで打ちのめされていると(笑)、村山店主から提案。
「あごだしそば」のスープが半分ほど残っているので、「『煮干しそば』のスープとブレンドしましょうか」

これはありがたい。
完全なあごだしではないものの、その一端は感じ取りたい。
逆にいえば、煮干しダシとのブレンドは、全くのオンリーワン。
「災い転じて福となす」とは、まさにこのこと。

そこで「鶏そば・煮干しそば」の食券を購入して、あごだし×煮干しそばのブレンドを化調抜きで注文。

○「(仮称)あごだし×煮干しだしそば」(750円)

まもなく「(仮称)あごだし×煮干しだしそば」が到着。
見た目は、「煮干しそば」に近いですね。
ただし、スープの透明感が煮干しオンリーよりも上。

具は、豚肩ロース肉のレアチャーシュー、バラ肉の煮豚2枚の計3枚(バラ肉2枚中、1枚サービス?)。
穂先メンマ1本と味玉半分。
そして多めの九条ネギ。

あごだし×煮干しだしを50%ずつブレンドした醬油スープ。
「煮干しそば」なら、煮干しの旨味が直球勝負で到来するのですが、その代わりに「あごだし」独特の甘味とコクのある醬油スープ。
少し甘めの醬油ダレとあごだし独自の甘味のダシがうまくマッチ。
煮干しは、あごだしの旨味を支える役割に徹し、あまりめだちません。

あごだしの甘味とコクがあるサッパリした醬油ラーメンなら、まさに煮干しダシを使わない「番外編限定麺」の味に近いのではないかなどと勝手に想像。

麺は、「煮干しそば」「鶏そば」に使う「ふすま」入りの自家製麺。
切り刃20番、加水率36%の中加水ストレート麺。

固めに茹でているため、はじめは少しボソッとした食感。
噛むと、ふすまの香りと食感が感じられ、さらに少々モチッとした食感も。

豚肩ロース肉のレアチャーシューは、薄切りでさっぱりとした味付け。
肉そのものの旨味をしっかりと閉じ込めています。
対照的にバラ肉の煮豚は口に含むとホロッととろけてしまいそうな柔らかさと比較的濃厚な味付け。
穂先メンマのシャキシャキとした食感も、いつもながら。
味玉半分は、何といってもトロりと煮込んだ黄身の濃厚な美味しさが出色。
いつもより多めの九条ネギの風味と食感もきっちりと楽しみました。

それにしても、提供最終日?とはいえ、12時ちょっとすぎ売切れてしまうとは、「番外編」人気の凄さに驚き。
今回、無添加・無化調のこだわる村山店主が、あえて「ちょっぴり化調」したのも、化調を少し入れた方があごの旨味がさらに際立つからかな。
逆にいえば、煮干しブレンドの無化調スープがこれほど美味しいんなら、やはり化調を抜いあごだしを食べたかったなど、欲求はますますエスカレート。

しかし、明日(14日)からは次の「限定麺」が始まります。
そして、いま村山店主のFacebookを見たら、大変気になる記事が。

5月に、「拉麺タイヂ」(紫波町)、「二丁目食堂」(花巻市)、「らぁめんサンド」(盛岡市)、そして「南部屋路ばた」(盛岡市)の「岩手拉麦会」4店が昨年11月につづき、岩手県産小麦のみを使ったコラボ第二弾を行うらしい。
どうやら定価を500円におさえ、煮干しダシを使った県産小麦の自家製麺ラーメンを提供するらしい?

詳細は全く書かれていないので、以上は村山店主が挙げたキーワードからの推測。
5月というとゴールデンウィーク中かな?
そうなると、ゴールデンウィークに東京の実家に帰れなくなると危惧。
できればゴールデンウィークが終わったあとにして欲しいんだけど。

繰り返しますが、上記は村山店主のFacebookにほんの少し前に他の3店に先駆けてアップされたキーワードのみ列挙した「思わせぶりな」記事から推測した不正確なもの。
いずれ新しい限定麺を食べに行きますので、そのときに詳しく伺おうと思っています。

  • 南部屋路ばた - 「(仮称)あごだし×煮干しだしそば」(2018年4月13日)

    「(仮称)あごだし×煮干しだしそば」(2018年4月13日)

  • 南部屋路ばた - 「(仮称)あごだし×煮干しだしそば」(2018年4月13日)

    「(仮称)あごだし×煮干しだしそば」(2018年4月13日)

  • 南部屋路ばた - 番外編限定麺「あごだしそば」の説明書き(2018年4月13日)

    番外編限定麺「あごだしそば」の説明書き(2018年4月13日)

  • 南部屋路ばた - ショック!「限定麺は売り切れ(2018年4月13日)

    ショック!「限定麺は売り切れ(2018年4月13日)

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2018/04訪問44回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

斬新な「泡系」鶏豚魚介ラーメン!

4月9日(月)

私の東京滞在中に提供が始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
その名も「春キャベツ泡白湯そば」。
名称だけでは、中身を想像しずらいので、説明文を引用しておきましょう。

「鶏、豚、カツオ節の泡系スープに春キャベツ、豚低温、鶏低温、九条ネギをトッピング。オイルなしのコラーゲンたっぷりなフワフワ、クリーミーな泡系になります。スープに半ライス追い飯がオススメです!」

分かったような分からないような?

やはり「百聞は一見にしかず」ということで、おそらく提供最終日であろう本日(4月9日)の13時に「南部屋路ばた」を訪ねてきました。
既に提供開始から1週間以上経っていることと、明日(4月10日)が定休日なので、本日が最後と踏んでやってきました。
感は当たり、村山店主によれば、やはり本日が提供最終日。
しかも、私の注文した一杯が、最後の一杯より1つ前。
私の前後にも限定麺を注文した方がいたから、間一髪というところでした。

今週後半には、次の限定麺がスタートすることになるでしょう。

○限定麺「春キャベツ泡白湯そば」(800円)

到着した限定麺をみて驚き!
薄茶のクリーミーな白湯スープが、カプチーノのように泡だっています。
「泡系」ラーメンがあることは知っていましたが、実物に遭遇するのは初めて。

具は、先の説明とおり、春キャベツ、鶏と豚の低温調理チャーシュー、九条ネギと糸唐辛子、そして味玉半分。

まずフワッとした泡をレンゲですくってみると、文字通りフワフワした食感ですが、スープの旨味をソフトな形で伝えています。

スープは鶏白湯と豚白湯に鰹節をブレンド。
そうしてできた鶏豚白湯魚介スープを、ブレンダーに入れて泡立ててから丼に入れます。
泡の下はトロみのある鶏豚白湯スープと鰹節のミックス。
クリーミーで少しベトベトした動物系白湯スープのマイルドさを生かしながら、そこに鰹節の旨味を絶妙にブレンドしています。

一言でいえば、「麺屋 はし本」(中野)や「鶏こく中華 すず喜」(三鷹)を思い起こす味。
もともと白湯スープでマイルド仕立てですが、泡立てることにより、さらに口当たりが良くなり、ソフト感が増します。
余計なオイルを入れていないので、非常に飲みやすいスープになっています。
もちろん、無化調スープです。

麺は自家製麺。
通常の切り刃20番よりも太目の16番ないし18番のようなモチモチ食感の麺。
これがマイルドな鶏豚骨魚介スープにベストマッチ。

ところが、村山店主に聞くと、切り刃は20番のまま。
加水率は36%の中加水麺。
いつもと違うのは、「ふすま」(小麦の外皮)を入れずに打っているということ。

具の中で何といっても注目は、スープにたっぷり入っている春キャベツ。
春キャベツの甘味と柔らかさが、まろやかなスープとあいまって、ラーメンの魅力を高めます。

豚肩ロース肉のピンク色のレアチャーシューは、薄くスライスされた柔らかい食感。
口に含むと、肉の旨味が口一杯にに広がる絶妙な出来。
鶏ムネ肉の低温調理チャーシューは、しっとりとした食感のあっさり味。
味玉半分も、黄身がトロッとして、口に入れると黄身のコクがしっかりと味わえます。

麺量は160g。
「説明書き」には、半ライスの追い飯をスープに入れるのがオススメとありました。
なるほど美味しそうですが、麺だけでお腹一杯。
スープは白湯のために丼の底の方になるにつれ、ややベトベト感が強くなります。

鶏白湯を主体に、豚白湯を合わせ、さらに鰹節を効かせたスープを「泡立て」、春キャベツを添える発想。
さすがに、私には及ばない村山店主の独創性です。
本日で提供が終わってしまうのが惜しいくらい。
そう言いながら、週末に始まるであろう次の限定に目が移っているのですから、現金なものです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「春キャベツ泡白湯そば」(2018年4月9日)

    限定麺「春キャベツ泡白湯そば」(2018年4月9日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「春キャベツ泡白湯そば」(2018年4月9日)

    限定麺「春キャベツ泡白湯そば」(2018年4月9日)

  • 南部屋路ばた - 「春キャベツ泡白湯そば」の説明書き(2018年4月9日)

    「春キャベツ泡白湯そば」の説明書き(2018年4月9日)

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2018/03訪問43回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

岩手鴨とマレーシア産の黒胡椒をフィーチャーした独創的なつけそば!

3月17日(土)

○限定麺「黒胡椒と岩手鴨のつけそば」(800円)

3月16日(金)から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
提供2日目に訪ねてみました。

中央が窪んだ大きな白い皿と赤い丼の組み合わせは、1月に提供された限定麺「牡蛎の塩つけそば」と同じ。

白い皿の窪みに麺が盛り付けられ、刻み海苔をまぶしています。

麺は、岩手県産小麦「ゆきちから」を使った自家製麺。
加水率は38%。
ふすま入りの手切り平打ち麺。

冷水で締めた麺は瑞々しく、やや固めの食感。
平打ちながら、適度なコシと噛み応えのある麺。
噛むと、小麦の風味が口一杯に広がります。

その一方で、平打ち麺のため、水で締めると麺がくっつきやすくなっているのが難点か?

一方、赤い丼に入ったつけ汁。

岩手鴨とネギでダシをとったスープに鴨チャーシューのタレと醤油ダレ、そして鴨脂を合わせた「鴨清湯」。

臭みのない岩手鴨の芳醇な旨味とネギの甘味、醤油ダレの酸味と鴨脂が織り成す見事なハーモニー。

つけ汁には、旬のセリ(茎)がたっぷり入っています。
その独特なシャキシャキ感と軽い苦味が、つけ汁の濃厚な旨味とうまくマッチ。

白い皿の端には、白ネギを鴨肉で巻いた鴨チャーシューが3つ。
それに青ネギの輪切り、そして黒胡椒が添えられています。

今回のつけそばは、マレーシア産の早生品種の黒胡椒を麺や鴨チャーシューにのせ、つけ汁に浸して食べるという独特な食べ方をするところが特徴。

村山店主に自らつくった「鴨つけそば おすすめの食べ方」というPOPが用意されているところに、店主のこだわりがみてとれます。

まずは黒胡椒をのせずに、麺だけをつけ汁に浸して食べます。
平打ち麺が濃厚な風味のつけ汁をすくい上げ、これだけでも十分な美味しさ。

鴨スモークのような色合いの低温調理鴨チャーシュー。
細くカットした生の白ネギを鴨チャーシューで巻いたユニークな「鴨チャーシュー」。

こちらも臭みは全くなく、香ばしい風味の鴨チャーシューと辛みのある生ネギとの相性は良好。

次に、黒胡椒を麺や鴨チャーシューにまぶして、つけ汁に浸してみます。

黒胡椒を直接つけ汁に入れるのではなく、麺やチャーシューにのせてから入れるところがポイント。

すると、黒胡椒の辛さと香りが適度つけ汁に加わり、濃厚で甘みや酸味のあるスープがぐっと締まります。
その結果、麺の甘みや鴨チャーシューの旨味がさらに際立ちます。
同時に、つけ汁の風味も決して損なわれません。

麺を食べ終わったら、スタッフにスープ割りをお願いします。
割りスープにも鴨ダシのスープを使うというこだわり。

スープを飲み干すと、底に黒胡椒が少量残ります。
もったいないので、レンゲで胡椒をすくって口に含むと、舌がピリピリするほどの辛さと痺れ。

鴨やネギ、セリ、黒胡椒などの個性的な素材を使い、それぞれの良さを引き出しつつ、小麦の風味を楽しむつけそばとしてまとめ上げた一品。

村山店主のセンスが光る傑作です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「黒胡椒と岩手鴨のつけそば」(2018年3月17日)

    限定麺「黒胡椒と岩手鴨のつけそば」(2018年3月17日)

  • 南部屋路ばた - 麺と具(鴨チャーシュー、ネギ、黒胡椒)(2018年3月17日)

    麺と具(鴨チャーシュー、ネギ、黒胡椒)(2018年3月17日)

  • 南部屋路ばた - セリがたっぷり入った鴨とネギダシのつけ汁(2018年3月17日)

    セリがたっぷり入った鴨とネギダシのつけ汁(2018年3月17日)

  • 南部屋路ばた - 黒胡椒(2018年3月17日)

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2018/03訪問42回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

ネギの甘味とプリプリした麺がユニークな創作系無化調セメント煮干し

3月15日(木)

今週から月・金に限り「朝ラー」(午前7時30分から10時30分。450円。手打ち麺を使用)の提供を試験的に開始するなど、意欲的な村山店主。

昨日夜、村山店主のFacebookを見ると、当日(3月14日)、番外編限定麺で「にぼ白湯そば」を限定20杯ぐらいで提供したという。
当日私は「麺の極 はなみち」の限定麺「セメント煮干」を食べて満足。
実は「人力俥」も、3月14日には30食の限定で「最凶煮干そば」を提供。

図らずも、盛岡市内で3店が無化調セメント煮干しを限定提供していたというわけ。

そうなるとニボラーの多い盛岡でも、さすがに客が分散。
そのためか、「南部屋路ばた」では5食残ったという。
その5食を本日(3月15日)開店(11時)から提供。

私も大慌てで店に駆けつけました。
到着10時55分。
ポールポジション。

村山店主に「にぼ白湯そば」が残っていることを確認。
再び店外に出て、開店までのんびり写真撮影など。

その間、次に着いた方に先に入られてしまいましたが、11時まで待って入店。

○番外編限定麺「にぼ白湯そば」(800円)

大好評を博した「活はまぐり塩そば」と明日(3月16日)から始まる次の限定麺「岩手鴨と黒胡椒のつけそば」の間のつなぎとして、14日のみの提供のはずだった「にぼ白湯そば」。

予期せぬ競合により、ラッキーにも本日食べることができました。

少し茶色寄りのセメントスープ。
目立つのは表面のオイルとあちこち立っている気泡。
鼻を近づけるまでもなく、煮干しのいい香りが漂ってきます。

具は、豚肩ロース肉の低温調理チャーシューとバラ肉チャーシュ。
大きな穂先メンマ。
たっぷり振りかけられた玉ネギのみじん切りの上には、九条ネギ。
白と緑のコントラストが映えます。

少しとろみのあるスープ。
ネーミングどおり、鶏白湯スープをベースに大量の背黒と白口を炊き込んでいます。

POPにも「セメント系のにぼしとなります。あえてえぐみ、苦味を出していますので、本当に煮干しの好きな方のみおためしください」との注意書。

セメント系特有の苦味とエグミ、それに続く煮干しの旨味を予想。
たしかに最初、煮干しの軽い苦味とエグミを感じます。
ところが、次に来たのが甘味と一緒になった煮干しの旨味。
もっというと旨味を甘味が包み込んでいる感じ。

ただし、甘味も人工的なものではなく、煮干しの旨味とナチュラルに一体になって、これまでのセメント系の常識を打ち破った風味を作り出しています。

極論すると、もはやセメント煮干しというよりも、それを名乗ってはいるものの、完全に創作ラーメン。

なるほど村山店主ともあろう料理人がブームにのってただ濃いだけのセメント煮干をつくるわけがないですね。
同店には無化調自家製麺の「煮干しそば」があります。
それは淡麗煮干しとはいえ、煮干し度はかなりのもの(とくに「塩煮干し」)。
ならば、セメント系で濃厚さを追求する代わりに、何か別の実験をするのは当然。

その実験の1つがスープのナチュラルな甘味。
では、甘味の由来は何だろう。
これは完全に降参。
帰りがけに村山店主に尋ねます。
すると、「ネギを使って甘味を出した」という。
なるほど、ネギを煮込んで甘味出しに使用したのですね。

鶏白湯と背黒・白口、そしてネギを合わせ、クリーミー感と煮干し風味、そしてそれと一体の甘味を演出した完全なる創作煮干し。
タレの醤油は、それほど前面に出ていません。

もう1つ驚いたのが麺。
セメント系には低加水のパツバツ中細ストレート麺。
そんな常識を打ち破り、ふすま入りの自家製麺は丸麺で、食べ始めはプリプリ感。
噛むとモチモチした食感。
およそ低加水麺とは程遠い食感。

村山店主に確認すると、切り刃20番ですが、加水率は「煮干しそば」や「鶏そば」用の麺よりも高く、38%の多加水寄りの麺。

しかし、鶏白湯+煮干し+ネギの濃厚スープと良く合っているから不思議。

柔らかく肉の旨味が凝縮している肩ロース肉のレアチャーシュー、口にいれるとホロホロととろけるバラ肉チャーシューとも、良くできています。

食べ応えのある大きなメンマも、シャキシャキ感が好印象。
刻み玉ネギと九条ネギのミックスが、甘めに流れがちなスープに歯止めをかける良いアクセント。

通常のセメント系にくらべ、スープの甘味や多加水寄りのプリモチ麺など創作的な要素の強い煮干しラーメン。

それだけに煮干し好きの間でも好みが分かれそうですが、一度は食べておきたい一杯です。

村山店主も「これからちょいちょいやるかもです」と発言。

近く食べる機会があるでしょう。

  • 南部屋路ばた - 番外編限定麺「にぼ白湯そば」(2018年3月15日)

    番外編限定麺「にぼ白湯そば」(2018年3月15日)

  • 南部屋路ばた - 番外編限定麺「にぼ白湯そば」(2018年3月15日)

    番外編限定麺「にぼ白湯そば」(2018年3月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「にぼ白湯そば」のPOP(2018年3月15日)

    限定麺「にぼ白湯そば」のPOP(2018年3月15日)

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2018/02訪問41回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

フグのダシを加味した上品な塩ラーメン

2月26日(月)

一昨日(24日)、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に行ったばかりだというのに、またまた訪問。

なぜかというと、前回紹介した「ひな祭り」限定麺「はまぐり塩そば」と並行して、昨夜と本日の2日間限定で「河豚そば」を提供しているから。
スープがなくなり次第提供終了なので、いつもより早めの11時40分頃に店を訪れました。

○限定麺「河豚そば」(800円)

フグダシを使った塩ラーメンといえば、「ふぐだし潮 八代目けいすけ」(銀座)が有名。

しかし、フグダシ自体上品で極めてあっさり。
そのため、ラーメンのダシに使ったても、フグの存在を感じるのは困難。
「八代目けいすけ」では、フグのアラで使いダシをとる他、昆布締めのフグの切り身を添え、仕上げに残ったスープをフグダシで炊いた味付けご飯にかける「お茶漬け」を組合わせ。
これで、ようやくフグが存在感を発揮。

しかし、「八代目けいすけ」の「ふぐだし潮らーめん」の「お茶漬けセット」は何と1600円!
果たして、その半額の800円でフグの旨味を、ほのかであっても出せるかどうか?

○限定麺「河豚そば」(800円)

店に入ると、「ハマグリ塩そば」「河豚そば」2つの限定麺のPOPが上下に並んでいます。
「ハマグリ塩そば」は、3月4日か5日頃まで提供。

両者とも800円なので、限定麺の食券を購入。
お馴染みのベテラン女性スタッフに食券を渡すと、一昨日「ハマグリ塩そば」を食べているので、「河豚そば一つ」と、こちらが指定する前に気を利かせてくれます。

カウンター席に座ると、5分も経たずに「河豚そば」が到着しました。
ビジュアルは「ハマグリ塩そば」と似ています。

写真では茶色っぽく映ってしまう塩スープですが、実物はもっと薄い色で、少し濁りはありますが、おおむね澄んだスープ。
麺も同じで、「ふすま無し」の中細麺を麺線美しく盛り付け。

ポルチーニ茸とマッシュルームのペーストがない以外は「はまぐり塩そば」と具は同じ。

ブラックペッパーとオリーブオイルでマリネした豚ロース肉の低温調理チャーシュー。
穂先メンマ1本と白髭ネギ、花麩、山椒の葉という構成。

スープに浮く香味油はネギ油。
昆布、鰹、真フグからとったダシに塩ダレを合わせています。

真フグは、身と骨をともに焼いてから昆布、鰹とフレンド。
フグは上品で薄味。
それだけでは旨味がなかなか出ないので、ふぐちりでも昆布ダシと合わせてスープをとっています。

今回のスープも、あえて「河豚そば」と銘打たないと、フグの存在感はそれほど感じません。
しかし、動物系不使用で昆布や鰹、ネギ油などだけでは、ここまで上品で深みのあるダシはなかなか出ません。

フグを直接感じることは難しくても、フグの身と骨をたっぷり使ったダシは、独自のコクと上品さを出すという立派な仕事をしています。

今回、限定麺で「活ハマグリ」や「フグ」等の食材を縦横無尽に使いこなしているのも、村山店主の和食料理での経験の産物。

昆布や鰹、フグの旨味が重なり合った深みのある無化調塩スープに添えられた麺。
ゆきちからと春よ恋を使った切り刃20番、加水率38%の多加水ストレート麺。
もちろん、自家製麺です。

同店定番の「ふすま」(小麦の表皮)を使わずに打った麺。
ふわっとして、モチモチとした食感ながら適度のコシのある麺は、上品な塩スープの中で存在感を発揮。
小麦の香りが過剰にならないので、あっさりした塩スープにぴったり。

肩ロース肉でもバラ肉でもなく、敢えてロース肉にこだわり、ブラックペッパーとオリーブオイルをマリネして、低温調理したチャーシュー。
脂がのり、肉の旨味とペッパーやオイルなどの味付けがうまくマッチした柔らかいチャーシューは、新鮮な感覚。

シャキシャキとした穂先メンマの食感とモチッとした花麩の食感も、地味ながらシンプルな塩ラーメンにアクセントを加えています。

今回の塩ラーメンは、刺身や切り身などをトッピングせず、真フグの身と骨をスープ食材として使い、どこまで味が出せるか試みた実験的な作品。

こんな実験を楽しむことができるのも、村山店主の創作意欲旺盛な限定麺があるから。
「次にどんな食材を使い、どんな創作ラーメンをつくるのか?」
楽しみが尽きません。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「河豚そば」(2018年2月26日)

    限定麺「河豚そば」(2018年2月26日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「河豚そば」(2018年2月26日)

    限定麺「河豚そば」(2018年2月26日)

  • 南部屋路ばた - 「河豚そば」のPOP(2018年2月26日)

    「河豚そば」のPOP(2018年2月26日)

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2018/02訪問40回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.5
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

ハマグリの旨味をストレートに感じる塩ラーメン

2月24日(土)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
毎年この時期に提供される「ひな祭り」限定麺です(今年で3回目)。

今回は「活ハマグリ」をフィーチャーした塩ラーメン。
ハマグリのエキスたっぷりの塩スープと、それに合わせた「ふすま無し」の自家製麺とのマッチングに興味津々。

○限定麺「はまぐり塩そば」(800円)

店到着は13時少し過ぎ。
いつも土日の昼時は大混雑の店内。
それが、急に強くなった雪のせいか、割に空いていました。

もっとも、私が到着した直後に雪が上がり、晴れ間も出ると、どんどんお客が到来。
いつしか駐車場も店内も満杯。

村山店主とベテランの女性スタッフの2人体制で、この混雑をこなすのは本当に大変。

それでもカウンター席に着席後、程なく「はまぐり塩そば」が着丼。

写真では茶色っぽくなっていますが、実物はもっと薄い色合いの澄んだスープ。
麺が折り畳まれ、本当にきれいにスープに盛り付けられています。

具は、薄ピンクの豚ロース肉低温調理チャーシュー1枚。
チャーシューの上にあるのは、ポルチーニ茸とマッシュルームのペーストに木の芽を加えたもの。
横にピンクの花麩が添えられ、ひな祭り色を醸し出しています。

白髪ネギの上に山椒の葉。
それに穂先メンマ1本がトッピング。

大量の活ハマグリにホタテと昆布をブレンドした動物系不使用のダシに、塩ダレを合わせた無化調の塩スープ。

ハマグリの旨味がストレートに感じられ、貝のコハク酸と昆布のグルタミン酸が合わさり、動物系なしでも、旨味やコクは十分。
それでいて、ハマグリ等の食材の旨味が過剰にならず、まるで「ハマグリのお吸い物」のような上品なダシ。

麺は、切り刃20番、加水率38%のゆきちから、春よ恋を使った自家製ストレート麺。
同店の「鶏そば」「煮干しそば」に使われる麺よりも加水率をアップ。
今回は「ふすま」(小麦の表皮)を入れない「ふすま無し麺」。

色合いは、「ふすま入り」の麺よりも薄め。
表面がボソッとしながら、噛むとモチッとした食感は、「ふすま有り」
も「ふすま無し」も同様。
しかし、ふすま特有のザラザラ感や香りが薄くなり、オーソドックスな中細ストート麺に近づきます。

おそらく村山店主は、ハマグリの風味をダイレクトに感じてもらうため、あえて香りの強いふすまを麺から外したのではないかと勝手に想像。

ブラックペッパーやオリーブオイルでマリネ化してローストしたローストポーク。
柔らかくて淡白な上、ブラックペッパーの効いたチャーシュー。
ただし、個人的にはもっと完成度を高める余地があると感じました。

花麩のモチッとした食感も印象的。
穂先メンマは、シャキシャキした食感と香ばしさが特徴。
山椒の葉を噛むと、山椒の風味が口一杯に広がり、一気に清涼感が高まります。

途中でポルチーニ茸とマッシュルームのペーストをスープに溶くと、淡白な塩味のスープが一気に厚みを増します。
しかし、スープの厚みが増す一方で、ハマグリの旨味がより一層際立つのが実に見事。

動物系の食材を使わないシェルスープだけに、塩ダレだけの場合から、ペースとを溶かしたときへの変化が鮮明。

3月4日か5日頃まで提供される予定。
この機に是非とも、首都圏の名店に匹敵する活ハマグリダシの効いた無化調塩ラーメンを堪能してください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「はまぐり塩そば」(2018年2月24日)

    限定麺「はまぐり塩そば」(2018年2月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「はまぐり塩そば」(2018年2月24日)

    限定麺「はまぐり塩そば」(2018年2月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「はまぐり塩そば」のPOP(2018年2月24日)

    限定麺「はまぐり塩そば」のPOP(2018年2月24日)

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2018/02訪問39回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

甘味と強烈な痺れがミックスした「汁なし担々麺」

2月19日(月)

先週の半ばから提供されていた「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
告知が2月16日(金)と、やや遅れた上、本日(19日)ぐらいまでの提供とあっては、ラストチャンス。

それが限定麺「冬の汁なし担々麺」。
本日(19日)昼前に店に到着。
既に先客で店内はかなりの混雑。
しかし、その大半が500円のお得なランパスメニュー狙いの客。
あと300円出せば、村山店主のオリジナリティ溢れる無化調の限定麺を食べられるのにと、教えたくなります。

偶然、カウンターで私の隣に座った客も限定麺を注文。

店の人手不足は深刻なようで、本日も村山店主1人で調理。
ベテランの女性スタッフが、やはり1人で注文や配膳、片付けを担当。

限定麺の告知が遅れたのも、人出不足のため、多くの客が限定麺を注文すると、ランパス客も含め対応できなくなるという事情があったといいます。
本日も、追い飯+スープはできないとのこと。

それでも、座って10分弱で「冬の汁なし担々麺」が到着。

○限定麺「冬の汁なし担々麺」(800円)

平べったい大皿の中央にくぼみがあり、そこにラー油、芝麻醤、麺が入っています。
芝麻醤は自家製。
「桂花陳酒」というキンモクセイの花を漬け込んで熟成させた中国特有の白ワインで香り付けしたラー油。
麺は、ゆきちからメインの加水率38%の中太麺。

麺の上には、これも中国特有の混合調味料の五香粉で香りをつけた白金豚のミンチがたっぷり。
ミンチには、クラッシュナッツも混ざっています。

それだけではありません。
ミンチの上に、チンゲン菜、百合根の素揚げ、セロリの甘素漬けなどの具がのる斬新さ。
さらに麺の周囲に花椒の粉があふれ、黒いソースがまるでキャンバスに絵の具を塗ったように細長く塗りつけられています。
口に含むと独特の甘味。
黒いソースの正体を村山店主に尋ねると、京都の「桜味噌」とのこと。
そーだ。以前、限定麺で別の汁なし担々麺を食べたときにも、使われていた食材でした。
我ながら、自分の忘れっぽさにあきれます。

「桜味噌」は米味噌や豆味噌を調合した赤だし味噌。
京風の甘め風味が特徴。

以上ざっと説明しましたが、私の下手な説明よりも、写真をみていただいた方が分かりやすいでしょう(笑)。
とにかく、「冬の汁なし担々麺」といういささか平凡な名称からは想像もつかないような独創的な汁なし担々麺。

今回の特徴は、強烈な痺れとそれと裏腹の甘味。
まさしく「痺れ」と「甘さ」のミックスこそが、限定麺の狙い。

そのとおりで、ラー油、芝麻醤、ミンチ肉などを麺とかき混ぜたあと、口に含むと、まずはラー油の辛さと芝麻醤のゴマ特有のコクが到来。
ここまでは、割と香りが強いものの、まずは普通の汁なし担々麺。
しかし、麺を周囲の桜味噌につけて食べると、甘味が強く立ち上ります。
それも束の間で、今度は強めの花椒が効いて、一気に舌が痺れます。
今まで、汁なし担々麺を随分食べてきましたが、これだけ強烈な痺れを感じたのは初めて。

辛さとコク→甘さ→痺れの味変が、流れるように何度も押し寄せます。
クラッシュナッツが入ったミンチ肉は独特の食感で、存在感を放ちます。

多加水寄りの中太ストレート麺は、モチモチとした食感。
麺自体が美味しいだけでなく、ラー油や芝麻醤、そして花椒の効いた鶏ダシのスープを良く持ち上げます。

ミンチの上にのる具は、痺れた舌をクールダウンするために効果的な食材が揃っています。
甘酸っぱいセロリの漬物も珍しいのですが、たっぷり入った百合根の素揚げが、まるでフライドポテトのようなホクホク食感と微かな甘味で、実に印象的。

麺を食べたあと、ラー油や芝麻醤、花椒がまざった汁(スープ)が皿の底に残ります。
本当は、ここで追い飯を投入すれば100点満点ですが、提供できないのは残念。
その代わり、レンゲでスープを最後まで飲むと、またまた痺れが到来。
結局、店を出てからしばらくは、舌が痺れたまま。
汁なし担々麺の余韻が残りました。

本日で終了してしまうのが惜しい「甘さ」と「痺れ」が同居するストロングな汁なし担々麺。
是非、定期的に提供して欲しいものです。

ところで、土・日・月の3日間限定で、「鶏そば」「煮干しそば」の麺を、通常の「ふすま入り」の自家製麺の代わりに、「ふすま無しバージョン」の麺に変更可能というサービスもありました。
「ふすま無し麺」も食べたかったと村山店主に話すと、実は次回の限定麺で、この麺を使うとのこと。
ザラザラとした食感ですが、小麦の香り高い「ふすま入り麺」からふすまを抜くと、ツルツル食感になるのかな?などと想像するだけでも楽しいもの。

次の限定麺告知が今から待ち遠しい。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冬の汁なし担々麺」(2018年2月19日)

    限定麺「冬の汁なし担々麺」(2018年2月19日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冬の汁なし担々麺」(2018年2月19日)

    限定麺「冬の汁なし担々麺」(2018年2月19日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺のPOP(2018年2月19日)

    限定麺のPOP(2018年2月19日)

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2018/02訪問38回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

醤油ダレの効いた無化調・自家製麺の「鶏そば」

2月4日(日)

1月25日(木)から「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺は「早採りわかめそば」。
既に1週間以上経つので、そろそろ新しい限定麺が登場しているかもとの淡い期待をもって、日曜午後、訪ねてみました。

到着すると、予想は外れ、限定麺はそのまま。
そこで、今回は「鶏そば」を注文。

○「鶏そば」(750円)

同店にはたくさんのメニューがありますが、こだわりの無化調・自家製麺のラーメンは、レギュラーの「鶏そば」「煮干しそば」と「限定麺」のみ。
どうしても、「限定麺」ねらいになり、レギュラーメニュー中では「煮干しそば」を優先してしまうので、「鶏そば」を食べるのは本当に久しぶり。

ほどなく到着した「鶏そば」は、濃いめ琥珀色のスープに鶏油が浮き、麺が綺麗に盛り付けられています。

薄めスライスながら大きめの豚肩ロース肉の低温調理チャーシューは、赤身の間にサシが適度に入っています。
もう1種類は豚バラ肉の煮豚。
穂先メンマと味玉半分。
それにネギがトッピング。

親鳥の丸鶏と水からとった無化調スープ。
これに生醤油、再仕込み醤油、たまり醤油、乾物、本味醂、純米酒、フルーツ酢などからつくったタレを合わせています。

スープからいただくと、オイリーな鶏油のはざまから、優しい鶏の旨味がたちのぼってきます。
銘柄地鶏のガラを使わず、親鳥のみからダシをとっているので、濃厚な鶏の旨味という点では、若干物足りない感があります。
その代わり、控えめながらあっさりとした鶏の旨味が感じられ、そこに濃厚なタレの旨味が重なります。
本味醂や純米酒、フルーツ酢などが入っているせいか、軽い甘味を感じるタレが、さっぱりとした鶏ダシとうまくミックス。
「らぁめん サンド」(盛岡市西青山)などのオーソドックスな地鶏ベースの「鶏清湯」とは違った魅力のある「鶏そば」を提供。

麺は、岩手県産のゆきちからをメインにふすまを練りこんだ自家製麺。
切り刃20番、加水率35%の中細ストレート麺。
ふすまが入っているためか、少しざらつきのある食感ですが、噛むと意外にモチッとしていて、小麦の香りが口の中に広がります。

適度に脂身の入った豚肩ロース肉チャーシューは、柔らかくて肉の旨味十分。
豚バラ肉の煮豚は、濃厚な味わいですが、ホロホロととろけるような柔らかさ。
穂先メンマは薄味で、メンマ本来の味を十分味わえます。
黄身がゼリー状になった濃厚な味の味玉半分がついているので、得をしたような感じ。

麺量は150gで大盛は不可。
物足りない方は、「煮干しそば」との連食にチャレンジすると良いでしょう。

ところで、私が入った頃には半分程度の入りだった店は、途中からにわかに込んできました。
お得な値段のランパスメニュー(500円)を注文する客が圧倒的に多い中、「煮干しそば」2つと「限定麺」1つを注文する只者ではない雰囲気漂う3人組が入店。
向こうはテーブル席、こちらは背を向けたカウンター席なので、一体どのような客か分かりません。

いつものように村山店主に挨拶して帰ろうとすると、村山店主が例の3人組を指してくれます。
なーんだ、数日前に訪ねたばかりの盛岡有名ラーメン店店主ご一行様ではないですか。
日本蕎麦を食べたあとの2軒目とのこと。
挨拶がてら、しばしの情報交換。
その後、改めて村山店主にお礼を言って店を出ました。

新しい「限定麺」がFacebookで公表される前に食べておこうという思惑は外れましたが、久々に「鶏そば」を食べて、その魅力を再発見。
次回は次の限定麺になるでしょうから、レギュラーの「煮干しそば」を食べるのはいつになるのかな?

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2018年2月4日)

    「鶏そば」(2018年2月4日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」(2018年2月4日)

    「鶏そば」(2018年2月4日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば・煮干しそば」のPOP(2018年2月4日)

    「鶏そば・煮干しそば」のPOP(2018年2月4日)

  • 南部屋路ばた - 券売機の一番左下が「鶏そば・煮干しそば」のボタン。その右が「限定麺」のボタン(2018年2月4日)

    券売機の一番左下が「鶏そば・煮干しそば」のボタン。その右が「限定麺」のボタン(2018年2月4日)

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2018/01訪問37回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

早採りわかめと背脂がたっぷり入った魚介系醤油ラーメン

1月27日(土)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主は、定休日の1月23日(火)と翌24日(水)の2日間、東京と横浜で話題の新店、名店をまわってきたそう。

22日の大雪直後だけに大変だったようですが、大きな収穫を得たようです。

盛岡に戻ってからスタートさせた新しい限定麺が「早採りわかめそば」(800円)。
それにしても、1月にして、もう5番目の限定麺!
ちょっと飛ばし過ぎじゃないの?と心配になります。
あまり無理をしないでね。

○限定麺「早採りわかめそば」(800円)

本日13時過ぎの訪問。
昼でもマイナス2℃の真冬日ですが、晴れのため日差しが降り注ぎ、あまり寒さを感じません。

ただし、店の周りの田んぼが一面雪に覆われ、真っ白。
風が吹くと、積もった雪が吹き上がり、地吹雪のようなありさま。

土曜午後にしては空いている店内。
やはり、厳しい寒さが響いているのかな?

券売機で限定麺の食券を購入。
ベテラン女性スタッフに渡したのち、カウンター席に着席。

程なく「早採りわかめそば」を女性スタッフが運んでくれます。

昆布、カツオ、シイタケ、煮干しの動物系不使用のスープに醤油ダレ。
黒い丼なので、醤油ダレの濃さは、にわかには分かりません。

スープには、白金豚の背脂がたっぷり。
同時に、早採りわかめもたくさん入っています。
わかめと背脂の組み合わせは新鮮。

麺は、切り刃20番、加水率35%のふすま入りのストレート自家製麺。
化学調味料不使用です。

トッピングはわかめと背脂のほか、厚めの豚バラ肉チャーシュー、斜め切りの白ネギ、柚子皮、そして茹でた菜の花2つ。

背脂かたくさんのっているのでギトギト系の味を予想。
それに反してあっさりとした風味。
魚介の中ではカツオと昆布を多目に使用。
これに煮干しも加わった魚介の風味がふんわりと漂うスープ。
醤油のカエシは薄め。

粒子大きめの背脂にはギトギト感は皆無。
むしろ、穏やかな魚介醤油スープにコクと微かな甘味を添加。

三陸産の早採りわかめは、早春の風物詩。
3~4月に採る通常のワカメの新芽を、一足早い1~2月に採るもの。
柔らかく栄養満点。
茎の部分もコリコリとして、食感に変化を与えます。

麺は「ゆきちから」を使って製麺。
「煮干しそば」「鶏そば」に使う麺と共通でしょう。

最初の食感はポクポクとしていますが、口に含むとなめらかで程よいコシ。
噛むと小麦の風味が味わえます。

パツパツ麺でもなく、表面パツパツ、中身モチっとした麺でもなく、かといって柔らかい素麺のような麺でもない。

素朴さとなめらか食感、それに喉ごしのよさと小麦風味が合わさった極上の自家製麺です。

カツオと昆布中心の魚介風味漂う淡白な醤油スープに背脂がコクを加え、たっぷり入った早採りわかめが麺と見事にマッチ。

肉厚の豚バラ肉チャーシューは、トロトロに煮込まれ、口の中でとろけそう。
茹でて緑色も鮮明な菜の花は、柔らかく、苦味も全くありません。

最後に柚子皮を食べると、爽快な柚子の風味が後味として口内に残ります。

食後、東京・横浜のラーメン店で最も印象に残った店を聞くと、村山店主は伊勢佐木町の「中華蕎麦 時雨」を真っ先に挙げました。

ホロホロ鳥と比内地鶏に魚介を加えたスープ。
そして、そば打ち用の製麺機で打った自家製麺で話題の店。

村山店主も一時期ホロホロ鳥をスープ原料として使ったことがあったという。
しかし、「時雨」のスープは当時村山店主が出した味とは少し違っていたと言います。
ただ、自家製麺の美味しさは群を抜いていたとのこと。

恥ずかしながら、私は「時雨」が横浜ということで、完全に見落としていました。
が、村山店主のお陰で行ってみたくなりました。

他に行った店の感想などを少し聞こうとしたら、案の定、お客がどっと入店。
またの機会となりました。

早春が旬の早採りわかめや菜の花など季節を感じる食材をふんだんに使用。
早採りわかめと淡白だが旨味のある魚介醤油スープ、そして背脂の組み合わせが絶妙。
それに自家製麺が絡む必食の一杯です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「早採りわかめそば」(2018年1月27日

    限定麺「早採りわかめそば」(2018年1月27日

  • 南部屋路ばた - 「早採りわかめそば」(2018年1月27日)

    「早採りわかめそば」(2018年1月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2018年1月27日)

    限定麺の説明書き(2018年1月27日)

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2018/01訪問36回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

スパイスの効いた本格派カレーラーメン

本日(18日)から提供開始の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺「冬のカレーそば」。

またまた「南部屋路ばた」かと言われそう。
たしかに1月7日夜に盛岡に戻って以来、「南部屋路ばた」は3回目。
ほぼ10日間で3回。

1月に入り、今回で4回目の限定麺。
やはり限定麺の魅力は絶大です。
それにしても、1月18日にして、既に4回目の限定麺ですから、凄いペースとしか言いようがないですね。

本日は発表1時間後の12時過ぎに仕事先の岩手大学で新しい限定麺の情報をチェック。
そのままタクシーを走らせました。
店到着は13時。

○限定麺「冬のカレーそば」(800円)

平日13時だったので、先客数人。
これは落ち着いて食べることができると喜んだのも束の間。
次から次にお客が入店。
「限定麺」狙いと思ったら、何と「ランチパスポート」のお客さんばかり。
「ランチパスポート」の期限が年度末のため、今慌てて店を回っているのかな?

「カレーそば」は鶏白湯スープと豆乳のスープがベース。
使用するスパイスはクミン、カルダモン、ガラムマサラ、コリアンダーなど本格派。
スープの色も黄色っぽい綺麗なカレー色。
スパイスと醤油ダレがうまくブレンドされ、和洋折衷のスパイシーなスープ。

麺は、最近の限定麺恒例のゆきちから、南部小麦、もち姫(もち小麦)を使った加水率38%の幅3ミリほどの平打ち麺。

具は素揚げしたゴボウとじゃがいも、カシューナッツペーストとみじん切りの玉ネギ、そしてスパイシーなペッパーチキン。

オイルは黒のマー油と赤のラー油。
もう1つ面白いのは、中央にどーんと盛り付けられている緑色のドロリとしたペースト。
説明書きによると、「寒締めほうれん草」のペースト。
冬越しできるほうれん草をあえて寒い環境の中に置くことで、寒さから身を守るために糖度を増すほうれん草ができあがるという。

黄色のカレースープに黒色のマー油、赤色のラー油に加え、緑色のペーストが添えられ、糸唐辛子とあいまって、ビジュアルの美しさは圧巻。

スープは本格派のカレースープ。
食べているうちに、辛さがじわっと効いてきます。
鶏白湯と豆乳を使っているので、まろやかに仕上げてスパイス感は薄いかと思いきや、さにあらず。
少なくとも、昨年8月の限定麺「冷やしカレーそば」より辛さは数段アップ。

麺は、最近村山店主がはまっているモチ姫を含む3種類の小麦をブレンドした多加水寄りの平打ち麺。
ツルツルとした食感で、モチ小麦らしいモチモチ感もあって、食べ応えがあります。
もっとも、スープがドロっとしているので、これに平打ち麺が合わさると、麺がたっぷりとスープと絡み、食べるときに盛大にはねます。
紙エプロンのサービスが欲しいところ。

素揚げのゴボウは、細くカットしたゴボウではなく、しっかりとした肉厚のもの。
カリカリとした食感には欠けますが、逆にゴボウの素朴な風味をしっかり感じます。
皮付きのポテト2枚は、素揚げした割とジャンクな仕上がり。
そして昨年8月の「冷やしカレーそば」にも添えられていた皮付きのペッパーチキン。
鶏モモ肉の焼き具合とコショウの効き具合が絶妙。
2枚しかないのが惜しいぐらい。

マー油とラー油をスープに溶かしても、カレースープがしっかりとした味と辛さなので、少し味変しても、すぐにもとのカレースープに戻ります。
それ以上に面白いのが「寒締めほうれん草」の緑のペースト。
風味はそれほど感じませんが、独特の甘味がカレースパイスの辛さを少し緩和します。

明らかに(?)「くろ喜」(秋葉原)の限定麺「カレーそば」を意識したビジュアルと味ですが、モチ小麦をブレンドしたモチモチとした自家製麺や「寒締めほうれん草のペースト」など、村山店主に才気が随所に発揮された一杯。

東京の名店で提供しても十分勝負になる一杯。
そんな限定麺を自家製麺、無化調で提供し続ける村山店主に感謝。

ちなみに、村山店主は来週の定休日である1月23日と翌24日の2日間、東京のラーメンを集中的に回る予定。
今度はどんな店に行くのかな?
話を聞きたくて仕方ありません。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冬のカレーそば」(2018年1月18日)

    限定麺「冬のカレーそば」(2018年1月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冬のカレーそば」(2018年1月18日)

    限定麺「冬のカレーそば」(2018年1月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2018年1月18日)

    限定麺の説明書き(2018年1月18日)

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2018/01訪問35回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

中野・栄楽をリスペクトしたクラシックなつけそば

1月11日(木)

1月8日(月・祝)に限定麺「牡蠣塩つけそば」を食べた「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。

ところが、村山店主が牡蠣アレルギーだったことが判明。
急きょ、「牡蠣塩つけそば」は中止に。

次の限定麺までの「つなぎ」として、いつもまかないで食べているつけそばを本格的にしたメニューを、限定麺として本日(11日)から提供開始。

名称は「ノスつけそば」?
村山店主がFacebookにアップした写真があまりにも美味しそうだったので、お昼休みに職場を抜け出し、上太田まで電車・タクシー・バスで往復してきました。

○限定麺「ノスつけそば」(800円)

まず名称の「ノス」って何かが気になります。
種明かしの前に、つけそばを紹介しましょう。

麺は、南部小麦をベースにゆきちから、もち姫(もち小麦)をブレンドした切り刃20番、加水率43%の厚め平打ち麺。
「牡蠣塩つけそば」で提供された麺とほぼ同じ小麦の配合の多加水平打ち麺。
限定麺としては初となる玉子を使用した玉子麺というのがミソ。
麺量は300gとボリュームがあります(大盛はなし)。

つけ汁は、鶏ダシに醤油ダレを加え、一味、酢を効かせています。
具は、脂肪たっぷりの豚バラ肉の煮豚、メンマ、ネギ、ナルト、海苔などシンプル。

麺はつけ麺としてはやや細め。
冷や盛りでも熱盛りでもなく、もち小麦のモチモチ感を生かすために、ぬるいお湯で締めています。
そのため、麺のモチモチ感が半端じゃありません。
湯切りは完全で、麺の入った丼の底にはお湯は残っていません。

しかし、つけ麺仕様の太麺の代わりに中細の平打ち麺を使っているため、麺が絡み食べづらくなっているのが残念。
「ほぐし湯」として、お湯を丼の底に少し張ってくれれば良かったのですが・・・。
もちろん、お湯が絡んだ麺がつけ汁をどんどん薄くする弊害はありますが、醤油の立ったつけ汁ですので、少々のお湯ではびくともしないでしょう。

つけ汁は鶏ダシのみを使用。
豚骨や節、煮干しなどは使っていません。
醤油ダレはかなり濃いめ。
これに一味や酢を加えて、ピリッとした辛味と強い酸味を出しています。

具の豚バラ肉チャーシューは、脂肪が多い部位を使った煮豚。
細くカットされたトロトロのチャーシューは、醤油ダレを吸って旨味が増進。
穂先メンマもカットされてつけ汁の具に。
同様に細くカットされたナルトと大量の細切りの海苔。

つけ汁の深い琥珀色の見た目。
甘さがなく、酢の効いた酸味強めで甘さを感じないつけ汁。

この味は、東池袋大勝軒以前の丸長(まるちょう)系つけ麺のつけ汁の味ですね。
醤油ダレが強く、酸味が強い反面、甘味はなく、逆に一味が辛さを加えたさっぱりとしたつけ汁。
今なら、丸長系の「大勝軒 中野」「大勝軒 鍋屋横丁」「丸長 新井薬師店」などで食べることのできるクラシックなつけ汁ですね。

「南部屋路ばた」は、無化調で丸長系のクラシックなつけ汁の味を再現しているのが素晴らしい。

麺を食べ終えたとき、徳利に入った豚骨ダシの割りスープをもってきてくれた村山店主が、限定麺の名前と味の由来を話してくれました。

「ノスつけそば」の「ノス」は「ノスタルジー」の略。
村山店主の友人に、「栄楽」(えいらく:東京都中野区)の「つけそば」大ファンがいます。
「栄楽」の甘くなく、醤油や酢のよく効いたあっさりだが、パンチのある「つけそば」は、昔懐かしい「丸長系」つけ麺の代表格。
昼わずか数時間の営業でしたが、営業時間中はつねに行列の絶えない名店でした。
ところが、2012年12月21日、店主急病のため、突然の閉店。
今、「栄楽」の跡地では「東京煮干屋本舗」が営業。

その友人が手作りで「栄楽」の「つけそば」を再現。
村山店主にふるまってくれました。
このときの味が東京のノスタルジーな「つけそば」の味として、村山店主の舌に強く刻まれたといいます。
今回の「ノスつけそば」は、友人が再現した「栄楽」の「つけそば」をさらに再現したもの。
当初は「東京つけそば」とか「東京ノスタルジーつけそば」という名称を考えていましたが、村山店主が実際に「栄楽」の「つけそば」を食べたわけではないので、「ノスつけそば」という遠慮した表現に。

つけ麺のルーツが1955年、当時丸長系の「中野大勝軒(現・大勝軒 中野)」の店長であった故・山岸一雄氏が「まかない」をもとにメニュー化した「特製もりそば」というのは余りにも有名な話。
今回提供された限定麺「ノスつけそば」も、村山店主がいつもまかないで食べているつけそばをベースにしています。
いずれも「まかない」由来というのも何かの縁。

山岸氏は1961年に独立。
「東池袋大勝軒」を開店したのちは、砂糖を加えて甘味を出すとともに、のちの濃厚豚骨魚介系Wスープの前身となるような厚味のあるつけ汁へと独自に発展を遂げていきます。
この東池袋大勝軒のWスープ型つけ汁が、のちに「青葉」→「六厘舎」へと発展。
今の「またおま系」つけ麺に至るのも周知のとおり。

その反面、山岸氏が最初につくった醤油ダレが強く、甘くない代わりに酢と辛味を効かしたさっぱりとした和風つけ汁は、「丸長系」(東池袋大勝軒も加盟している「丸長のれん会」に由来)として「東池袋大勝軒系」とは差別化。
「丸長系」のクラシックつけ麺の一番人気店が中野の栄楽でした。

栄楽の味を村山店主が限定麺として盛岡で再現してくれるとは夢にも思いませんでした。
これも「牡蠣アレルギー」のお陰といったら叱られてしまいますね。
これで麺が太麺なら、「栄楽」の「つけそば」そのもの。

今回の「割りスープ」は、つけ汁には入っていない豚骨ダシ。
実は、「栄楽」のつけ汁は鶏ダシ以外にも豚骨を使っていると友人から聞いた村山店主。
つけ汁では鶏のみを使用。
割りスープを豚骨ダシとすることで、スープ割りで鶏と豚が合体。
最後に本当の「栄楽」のスープ割りが再現されるというニクい演出。

いま岩手県では「東池袋大勝軒系」や「六厘舎系」のつけ汁を提供する店はありますが、クラシックな「丸長系」のつけ汁を出す店はありません(一関「丸長」は「丸長のれん会」とは無関係。つけ汁も丸長系ではありません)。

提供がここ数日に限られそうな「ノスつけそば」。
つけ麺のルーツである「丸長系」の味。
そして今はなき伝説の名店「栄楽」の「つけそば」の味を味わってみたい方は、是非「南部屋路ばた」を訪れてください。

ちなみに、次の限定麺は「カレーラーメン」とのこと。
詳細は、村山店主のFacebookをご参照ください。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ノスつけそば」(2018年1月11日)

    限定麺「ノスつけそば」(2018年1月11日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ノスつけそば」(2018年1月11日)

    限定麺「ノスつけそば」(2018年1月11日)

  • 南部屋路ばた - もち小麦がをブレンドした文字通りモチモチした麺(2018年1月11日)

    もち小麦がをブレンドした文字通りモチモチした麺(2018年1月11日)

  • 南部屋路ばた - 丸長系の「つけ汁」(2018年1月11日)

    丸長系の「つけ汁」(2018年1月11日)

  • 南部屋路ばた - 割りスープの入った徳利(2018年1月11日)

    割りスープの入った徳利(2018年1月11日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ノスつけそば」の説明書き(2018年1月11日)

    限定麺「ノスつけそば」の説明書き(2018年1月11日)

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2018/01訪問34回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

牡蠣の塩つけそば

1月8日(月)

昨年12月26日から昨日(1月7日)まで12日間、東京の実家に里帰り。
この間、ラーメンを食べまくったのに、昨日夜遅く盛岡に戻るや、本日早速、盛岡でのラーメン食べ始め。

年末年始の盛岡はほとんど雪も降らず、気温も平年並み。
爆弾低気圧の影響で荒れた天気だった昨年暮れの帰省時以降、むしろ天気が安定。
市内中心部にはほとんど雪が残っていません。

今年の盛岡初ラーメンは、もちろん「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺。
今年最初の限定麺(「鯛塩そば」)は、東京滞在のため食べ逃しました。
本日は1月6日から提供されている「牡蠣の塩つけそば」。

自家製麺・無化調を貫きながら、毎回季節を感じる創意溢れる限定麺を提供。
村山店主のセンスには、いつも驚かされます。

○限定麺「牡蠣の塩つけそば」(800円)

昨晩遅く帰宅。
明け方近くまで録りだめたドラマなどをみていたため、寝坊。
目が覚めたのが午前10時過ぎ。
遅い朝食を食べ、タクシーで「南部屋路ばた」に着いたのは13時30分。

3連休最終日。
比較的暖かい好天とあって、駐車場は車で一杯。
限定麺売り切れも覚悟しました。

案の定、店内も満席。
待ち椅子でしばらく待つことに。
幸い、限定麺は残っていました。

少し待った後、カウンター席に空きができたので、食券をスタッフに渡し、着席。
いつものように、写真におさめた限定麺の説明を読みながら到着を待ちます。

まもなく村山店主自ら「今年もよろしくお願いします」と言いながら、限定麺をもってきてくれます。

今回は塩つけば。
説明では、つけ汁は熱々、麺も温かい状態で提供。
冷たい方が良い方はお申し出くださいとあったので、つけ麺は必ず冷やもりの私は麺を冷たくしてくださいと事前に頼んであります。
後で、この選択を後悔することに。

白い大きな皿の真ん中が窪んでいて、ここに麺と具が盛り付けられています。

麺は水にひたした状態で、瑞々しいまま提供。
ゆきちから、南部小麦、もち姫(もち小麦)をブレンドした自家製麺。
切り刃20番の平打ち麺ですが、麺に厚みがあるだけに、一見「角麺」にも見えます。
村山店主は「平打ちっぽい麺」と表現。

具は、ピンクも鮮やかな豚肩ロース肉のレアチャーシュー。
そして、赤大根の薄スライス、ルッコラ、白菜の干しえび和え、葉玉ネギなど彩りも美しい。

塩ダレのつけ汁は熱々。
昆布と鰹節に塩ダレを合わせているほか、牡蠣が3つも入っています。
さらに、花椒オイルを投入。
花椒の実をスープに忍ばせています。
スープには、粗めにみじん切りした青ネギが浮かびます。

まず麺をそのまま食べると、冷水で締めてやや固めのシコシコとした食感。
噛むと、小麦の香りが半端じゃありません。
同時に甘味も感じます。

あとで村山店主に聞くと、ブレンドした「もち小麦」独特のモチモチした食感は、温かい状態で提供してこそ得られるとのこと。
冷水で締めると、もち小麦が固くなるので、麺温かめを推奨しています。

そうすると、あえて冷やもりにした私の選択は「つけ麺」の既成概念にとらわれ、せっかくのモチモチ感を固め食感にしてしまったわけです。
やはり、店主おすすめのデフォを尊重するべきでした。

つけ汁は昆布・鰹節のダシと塩ダレを合わせていますが、牡蠣が3つも入ることと、花椒オイルで軽い痺れを加味している点が特徴。

プリプリした牡蠣の美味しさに加え、スープには花椒の実が入っていて、噛むと独特の痺れ。

平打ち麺がつけ汁を良く持ち上げ、小麦の自然な甘味と、つけ汁の軽い酸味と辛味が驚くほど良くマッチ。
これだけでも満足なのに、つけ汁に牡蠣が3つも入るのですから、本当に豪華。

豚肩ロース肉のレアチャーシューは、柔らかで、生ハムのような美味しさ。
ルッコラや赤大根、白菜の干しえび和え、葉玉ネギなどは単なる色づけにとどまらず、塩つけそばに洋風のアクセントを加えています。

麺を食べ終えたあと、皿の底に麺を締めた水が残ります。
これをつけ汁に入れ、薄めて飲み干そうとします。

そこへ村山店主が登場。
「スープ割りをつくりましょう」
そうでした。早まりました。

そこで、村山店主に残りのつけ汁の入った小丼を渡すと、鶏スープを足し、細切りネギをトッピングして返してくれます。

最後は、再び熱々になった割りスープを飲み干し終了。

今年も、村山店主の繰り出す自家製麺・無化調の限定麺の数々を楽しませてもらいます。
次に何が登場するか、いつ新しい限定麺に変わるのかヤキモキするのも楽しみの一つ。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「牡蠣の塩つけそば」(2018年1月8日)

    限定麺「牡蠣の塩つけそば」(2018年1月8日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2018年1月8日)

    麺&具(2018年1月8日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁(2018年1月8日)

    つけ汁(2018年1月8日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2018年1月8日)

    スープ割り(2018年1月8日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「牡蠣の塩つけそば」の説明書き(2018年1月8日)

    限定麺「牡蠣の塩つけそば」の説明書き(2018年1月8日)

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2017/12訪問33回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

紫白菜と葉玉ねぎを使った和え物が美しいワンタン麺。週末からは麺がグレードアップ!

12月20日(水)

12月16日(土)から提供が始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
限定麺が出るたびに、私にとって未知の食材が使われ、まさしく「未知との遭遇」。
「限定麺」をできるだけ毎週食べるように心がけ始めた昨年の秋以降、約1年3ヶ月。
この間、「限定麺」で初めて知った食材は数知れず。

今回も「紫白菜」と「葉玉ねぎ」という未知の食材に惹かれました。
しかし、訪ねてみると、もっと驚きの「試み」が控えていることを知りました。

○限定麺「紫白菜と葉たまねぎの正油ワンタンそば」(800円)

13時過ぎに「南部屋路ばた」に着くと、結構な数のお客。
カウンターやテーブルに空きを探すのが困難なくらい。
それ以上に、客の多くが「煮干しそば」や「限定麺」を注文していたのにもびっくり。

何とかカウンター席に空席をみつけ、食券を女性スタッフに渡したあと、写真に収めた限定麺の説明書きを熟読。

たしかに「紫白菜」と「葉玉ねぎ」は珍しいですが、それ以外は白金豚を使ったワンタンと手揉み麺を合わせた醤油ラーメン。
限定麺としては、割とおとなしい内容とたかをくくっていました。

まもなく村山店主自ら丼を運んでくれました。

目前の「紫白菜と葉たまねぎの正油ワンタンそば」。
説明書きを参考に概略を示すと、スープは鶏ダシと煮干しダシ、乾物ダシのトリプルスープ。
これに醤油ダレ、鶏油、白金豚の背脂、ねぎ油などを合わせています。

黒い丼なので、スープの色が分かりにくいのが難ですが、香味油が表面に浮いて少々オイリーな見た目ながら、割に澄んだ醤油スープ。

トッピングは豪華。
白金豚の挽き肉を自家製の皮で包んだ大ぶりのワンタンが3個。
サシが適度に混じった豚肩ロース肉のレアチャーシュー。
豚バラ肉のチャーシューも加わります。

丼の中央には、紫色が鮮やかな紫白菜と白っぽい葉玉ねぎの細切りを塩もみ。
塩ダレと柚子で味付けした和え物を綺麗に盛り付け。
その左側には、小口切りした青ネギが多めに添えられ、一部はスープに浮かんでいます。
それ以外に大きめの焼き海苔1枚。

澄んだ醤油スープから飲み始めると、最初は少々酸味を感じます。
おそらく醤油ダレに由来するものでしょう。
まもなく酸味も収まり、穏やかなスープとタレのブレンドに収斂。

鶏、煮干し、乾物などの素材、それに醤油ダレや香味油も必要以上に自己主張をしないバランス型。
どうやら麺を食べさせるためのスープとタレの組み合わせと直感。

麺は加水率42%の手揉み自家製麺。
プリプリとした食感ですが、ピロピロ麺というほどの麺幅ではなく、やや固めの茹で上がりで、小麦がギュッと詰まった麺を噛みしめるような歯応えのある食感が特徴。
小麦の香りも感じられます。
ただし、これまでの高水準の自家製麺に比して、とくに「凄い」というほどでもありません。

2種の豚チャーシュー中、肉厚の肩ロース肉のレアチャーシューは、肉の旨味が凝縮された食べ応えのある仕上がり。
バラ肉チャーシューは典型的な煮豚で、脂の甘味とやわらかい肉の旨味が口の中で一体化してとろけるような食感。

色素であるアントシアニンを豊富に含むため、紫色の紫白菜。
茹でると、せっかくの色があせてしまうため、生のままでサラダ用に使われています。

葉玉ねぎは、玉ネギの玉が大きくなる前に葉をつけたままで収穫した冬の季節限定の野菜。
玉ねぎ特有の苦味が少なく、柔らかいだけに、こちらもサラダや和え物に良く合います。
紫白菜と葉玉ねぎを千切りにして、塩ダレと柚子で薄く味付けした和え物はさっぱりとして、しっとりとした感触。
口に含むと、柚子の香りが漂います。

何といっても、目玉は白金豚の挽き肉がたっぷり入った大ぶりのワンタン3個。
塩で軽く味付けし、生姜を効かしているものの、素材である白金豚の甘味とそれを包むツルツルの皮が一体化。
たった3個というのが惜しいくらい。

焼き海苔もパリパリとして香ばしい味をかもし出しています。

食べ終わったあと、村山店主に確認。
なかでももっとも驚いたのは、実は小麦を「ゆきちから」から希少な「もち小麦」に変えて製麺した麺を提供したかったということ。

農薬や化学肥料を使わずに収穫した「もち小麦」を使った麺は、モチモチ感やツルツル感が半端じゃないほか、栄養価も高いらしい。

残念ながら、「もち小麦」の入荷が間に合わなかったため、本日食べた手揉み麺には入っていません。
それでも週末から「もち小麦」の麺を提供開始。
驚きの食感とツルツルのワンタン、あっさりした紫白菜と葉玉ねぎなどのコラボを楽しむために、訪れる価値大です。
私も「もち小麦」の麺を試しに、再訪したくなったなぁー。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「紫白菜と葉たまねぎの正油ワンタンそば」(2017年12月20日)

    限定麺「紫白菜と葉たまねぎの正油ワンタンそば」(2017年12月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「紫白菜と葉たまねぎの正油ワンタンそば」(2017年12月20日)

    限定麺「紫白菜と葉たまねぎの正油ワンタンそば」(2017年12月20日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2017年12月20日)

    限定麺の説明書き(2017年12月20日)

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2017/12訪問32回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

白金豚+ベジポタの豚汁風「白味噌ラーメン」

12月4日(月)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)が12月3日(日)から提供開始した新しい限定麺は「豚汁そば」。

「とん汁ラーメン」といえば、新潟県上越地方の地ラーメンともいえる存在。
最近では「新潟6大ラーメン」の1つにも数えられています。
カップラーメンにもなったとか。

もともと、豚汁に中華麺を入れただけのシンプルなものが主流ですが、最近は「とん汁ラーメン」を提供する店が増え、店それぞれのこだわりが生まれているようです。

もっとも、村山店主は新潟の「とん汁ラーメン」の存在を知らずに、「豚汁そば」をつくったといいます。
そのため、「豚汁にラーメンを入れた」素朴な「とん汁ラーメン」とは全く異質のユニークな味噌ラーメンとなっています。
店主曰く「豚汁を意識した豚とベジポタの味噌ラーメン」。

どんなものか、説明書きと店主の話および私の実食をもとに、再現してみましょう。

○限定麺「豚汁そば」(800円)

本日(12月4日)は、一日中氷雨の降る肌寒い一日。
そのためか、13時に到着した「南部屋路ばた」は先客ゼロ。
私のあとに後続が3名入店といういささか寂しい状況。

早速券売機で「限定麺」の食券を購入。
ベテラン女性スタッフに渡します。

なかなか手の込んだラーメンのようで、若干調理時間を要したのち、村山店主自ら運んでくれました。

白味噌に白金豚の背脂が混入した黄色っぽい色のスープ。
見た目はかなりオイリー。
黄色っぽい色の味噌スープに一味が一筋振りかけられ、赤い筋をつくっています。

具は白金豚のバラ肉、白髪ネギ、三つ葉に加え、コンニャクが3つ、さらに細長い揚げゴボウが丼をまたぐようにトッピングされています。
少なくとも見た目だけでは、コンニャク以外豚汁を連想させる要素はありません。
濃厚な白味噌ラーメンという印象。

説明書きによると、白金豚、ゴボウ、大根、人参、長ネギからスープを抽出。
スープをとったあとの野菜はペーストにしてスープに再び戻し、トロみをつけています。
これが「ベジポタ」であるゆえん。

この白金豚と野菜のスープに、陸前高田市「八木澤商店」の白味噌を合わせ、白金豚の背脂を加えています。

たしかに背脂がかなり入ったオイリーな味噌ラーメン。
それでも、あえて節類や昆布などの和ダシを使わず、白金豚と野菜からとったスープのみ使用。
それに野菜のペーストや背脂を足してコクを補っています。

ただし、和ダシを使用していないため、どうしてもダシ感や旨味に少々欠ける感をもちます。
その代わり、白味噌の風味がストレートに伝わってきます。
村山店主にいわせると、和ダシを使わなかったのは、「豚汁感」を出したかったからだといいます。

麺は、「煮干しそば」「鶏そば」などに使われる切り刃20番、加水率36%のふすまを練りこんだ自家製の中細ストレート麺がベース。
しかし、食べた感触は通常の中細ストレート麺よりも一回り太く、モチモチとした食感が通常の麺に比べ明らかに増しています。
最初店主に「番手18番?」と聞いてしまったほど。

たしかに番手は20番。
太さや加水率は通常麺と同様ですが、麺の厚さ(高さ)を通常麺よりも増しているので、麺のコシや歯応えなどが確実に強化。
厚味のある麺なので、トロッとしたスープの持ち上げが良く、麺を食べているうちに、みるみるスープが減ってきます。

白金豚のバラ肉はあっさりとしていて、脂っこさは全くなし。
途中三つ葉の良い香りが効いて、オイリーな味噌ラーメンの一服の清涼剤となります。

コンニャクは鰹節などの和ダシで十分煮込み、旨味をたっぷり含んでいます。
スープに感じる若干のダシ不足を、コンニャクがある程度補っています。

そしてユニークな揚げゴボウ。
カリカリとした食感と香ばしい味が相まって、トッピングとしての存在感は抜群。

白味噌と野菜の効いたやさしいスープに白金豚の背脂が適度なオイリー感を与え、一味がこれも適度な辛さを与えます。

村山店主自ら説明書きの最後に「豚汁」(?)と疑問符をつけているように、タイトルのごとく「白金豚とベジポタの白味噌ラーメン『豚汁風』」というのが正解でしょう。

いささかくどくなりますが、「豚汁そば」という名称から新潟風の「とん汁ラーメン」(豚汁+ラーメン)という先入観をもつと、アレッということになります。

このところ「南部屋路ばた」の限定麺は、あっさりした塩ラーメンが続いたので、「豚汁風」味噌ラーメンは大歓迎。
それにしても、村山店主の引き出しの多さには毎回驚かされます。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「豚汁そば」(2017年12月4日)

    限定麺「豚汁そば」(2017年12月4日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「豚汁そば」(2017年12月4日)

    限定麺「豚汁そば」(2017年12月4日)

  • 南部屋路ばた - 「豚汁そば」の説明書き(2017年12月4日)

    「豚汁そば」の説明書き(2017年12月4日)

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2017/11訪問31回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

平目のアラを使った旨味の強い塩ラーメン

11月27日(月)

岩手県産無農薬小麦を使用した2週間にわたる4店無化調・自家製麺の限定ラーメンコラボ企画が11月24日に終了。
その翌日(11月25日)から、新たな限定麺を提供開始するというエネルギッシュな村山店主。

○限定麺「平目塩そば」(800円)

コラボ企画の限定麺でも魚のアラを使っていましたが、今回も平目のアラを使用。
もっとも、平目のアラだけでなく、昆布や花かつおに平目のアラを足してスープを抽出しています。
これに塩ダレを加え、ネギ・生姜のオイルを合わせています。

300円プラスすると、平目の刺身がのったご飯に黄身醤油をかけて食べる「平目飯」(南部赤長かぶの甘酢漬け付き)が提供されます。
まさしく「平目づくし」の豪華メニューですが、私が行った平日13時には既に「平目飯」は売り切れ。
「平目塩そば」のみの実食ととなりました。
「南部屋路ばた」は11時開店ですから、「平目飯」を確実に食べるためには、平日であっても、できるだけ早め(開店時など)に到着することが必須。

まもなく到着した限定麺「平目塩そば」。
少し茶色がかった透明なスープが大きな白い丼に入っています。
丼が大きいため、スープが半分ぐらいの分量になり、スープや麺の量が少なめに見えてしまうのが惜しい。

スープには小口切りの青ネギが散りばめられ、中央には薄くスライスした豚肩ロース肉の低温調理チャーシューをくるっと巻いて盛り付け。
鮮やかなピンク色が印象的ですが、早くもスープに浸かった部分が色変。
チャーシューの上には白髪ネギと糸唐辛子がトッピング。
さらに、チャーシューの下に極薄のかぶの薄切りが2枚。
まるで、スープとチャーシューを遮断して、チャーシューの色変スピードを抑えるために置かれているかのよう(あくまでも私の個人的な感想です)。

メンマも入っていないシンプルな具。
それだけスープに力を傾注しているのでしょう。

そのスープからまずいただきます。
村山店主によると、平目のアラは少なめにして、その分昆布を増やしたとのこと。
そのせいもあってか、平目の風味というよりも、むしろ昆布の旨味をメインにしつつ、その他の旨味を重ねた濃厚な旨味の塩スープとなっています。
塩分濃度は少々高めかも知れません。
平目塩そば自体は、スープの旨味に平目感は少ないですが、平目の刺身がのった「平目飯」を食べることで、トータルとして平目感が強くなるでしょう。
そのためにも、昼前の訪問をオススメします。

麺は、切り刃20番、加水率36%。
ふすまを練りこんだストレート麺。
もちろん、自家製麺です。
冬になると空気が乾燥するため、麺を打つときにも、加水率を高めにする必要があるとは村山店主の話。
麺はふすまの斑点が目立つ濃いめの色に反し、最初の感触はツルツル。
それが口に入れて噛むと、モチッとした食感。
小麦の風味もわずかながら感じられます。

ピンクの薄切りレアチャーシューは、見た目よりもずっと濃厚な味で、肉の旨味を堪能できます。
透明ガラスのようなカブの薄切りは特に味はしませんが、上にレアチャーシューを配置するというアイデア自体が素晴らしい!

最近の鶏清湯塩ラーメンは薄味の傾向が強いのですが、それに対するアンチテーゼのような濃厚な旨味の魚介系塩ラーメン。
繰り返しますが、「平目塩そば」といっても、塩ラーメン単体では昆布の旨味の方が強いです。
平目の風味(といっても淡白ですが)を求めてということだと、ラーメン単独では物足りないかも知れません。
その意味でも、やはり「平目飯」とのセットを推奨したいですが、ハードルが高いですね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「平目塩そば」(2017年11月27日)

    限定麺「平目塩そば」(2017年11月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「平目塩そば」(2017年11月27日)

    限定麺「平目塩そば」(2017年11月27日)

  • 南部屋路ばた - 「平目塩そば」の説明書き(2017年11月27日)

    「平目塩そば」の説明書き(2017年11月27日)

  • 南部屋路ばた - 南部屋路ばた店前の駐車場から、すっかり雪化粧をした岩手山を眺める(2017年11月27日)

    南部屋路ばた店前の駐車場から、すっかり雪化粧をした岩手山を眺める(2017年11月27日)

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2017/11訪問30回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

無農薬小麦コラボ企画限定麺ー1店目「南部屋路ばた」ー

11月11日(土)

いよいよ本日から岩手県内4店(「拉麺 タイヂ」「二丁目食堂」「らぁめん サンド」「南部屋路ばた」)が、県産無農薬小麦を使った各店独自の無化調ラーメンを限定で提供するコラボ企画がスタート。

しかし、前日夜の時点でアバウトながらFacebookで、提供メニューや提供杯数を告知していたのは、「南部屋路ばた」だけ。
その「南部屋路ばた」も、当日になって「つけそば」から「塩ラーメン」に変更。

ようやく「らぁめん サンド」が、開店直前にメニューを発表。
その時点で既に「南部屋路ばた」に向け、タクシーを飛ばしていました。

「南部屋路ばた」の開店は11時。
提供杯数は土・日が20~25杯、平日は10~15杯。
これは、4店の中でも、提供杯数が多い方でしょう。
ちなみに「サンド」は1日10~15杯、「二丁目食堂」は1日10杯と狭き門。

さて、初日でしかも土曜日。
遅くても開店の11時までに店につかないと、売り切れの可能性も。
そこで、午前10時30分に自宅をタクシーで出発。
店に開店2~3分前に到着。

駐車場は限定麺を求める客の車で一杯と予想していましたが、小雨の混じる強風という悪天のせいか、先着の車は11時開店時で1台。

早速タクシーを降り入店。
無農薬小麦を使った「南部屋路ばた」の限定麺は、「小岩井かぶと南部赤長かぶの潮そば」(1000円)。

既に先客2名がカウンターに着席。
私が座ったあと、怒濤の客の到来。
一部の方は別のメニューを注文していましたが、私をはじめ大半は無農薬コラボ限定麺を指名。

○無農薬小麦コラボ限定麺「小岩井かぶと南部赤長かぶの潮そば」(1000円)

座ると同時に、写真撮影した限定麺の説明を熟読。

スープは、魚のアラと3種類の貝(アサリ、ホンビノス貝、ホタテ)、そして少量の鶏ダシをブレンド。
それに、少量の塩ダレと一つまみの玄海の塩を合わせています。

加水率35%の平打ち麺は、銀河のちから1.5、南部小麦1.5、アリーナ1 の割合でブレンドした岩手県産の無農薬小麦からの自家製麺。

潮そば(塩ラーメン)は青ネギとオリーブの実をトッピングしただけの「かけラーメン」で提供。
具の小岩井かぶ、南部赤長かぶ、かぶの葉のおひたし、そして白金豚のチャーシューは、別皿で提供されます。

少々濁りのあるスープは、魚のアラ、3種の貝、鶏ガラが融合。
旨味を出しながらも、どの食材も突出しない穏やかなスープ。
塩ダレもさほど強くなく、軽く塩味を添えている感じ。
すべて、主役である麺の旨味を引き立てる下支え役に撤しています。

3種の岩手県産無農薬小麦をブレンドした幅4ミリ程の平打ち麺。
ふすまが練り込まれた色の濃い麺。

ツルツルとした感触で、口に含むと、小麦がぎっしり詰まったグニュッとした歯応え。
噛むと、小麦の香りが鼻腔を刺激。

個人的には、これだけ上出来な麺なので、できれば「塩つけ麺」で食べたかったというのが本音。
その意味では、昨日のアナウンスどおり「つけ麺」のままの方が良かったのでは?

今回、「サンド」と「二丁目食堂」が「つけ麺」を提供しているのには、小麦の香りや旨味を堪能するには水でしめたつけ麺が絶好という考えがあったのでしょう。
熱い麺でも十分小麦の香りが感じられますが、つけ麺ならそれ以上だと思うと少し残念。

具は、赤身にサシが混じった大ぶりの白金豚肩ロース肉のレアチャーシュー。
2つ折りにしています。

味付けは塩メインとシンプルですが、味は濃厚。
薄味の具やあっさりとした塩ラーメンのなかで、異彩を放っています。

見た目にも美しい紅白のかぶ。
赤い縁取りの薄くスライスされた「南部赤長かぶ」。
カリカリとした硬め食感で、味はやや苦め。
対照的に厚切りした白い小岩井かぶは、甘味があって、しっとりした食感。
この対照的な味と食感のかぶを合わせたところがユニーク。
苦味のあるかぶの葉も、良い箸休め。

最後にオリーブの実(小豆島新漬け)をかじると、独特のコクのある風味が口一杯に広がります。

ちなみに、コラボ企画初日の11日に提供された限定麺は、以下のとおり。

・南部屋路ばた→「小岩井かぶと南部赤長かぶの潮そば」

・らぁめん サンド→「無農薬小麦のお刺身」「和出汁無農薬小麦つけそば」(二品をセットで提供)

・二丁目食堂→「和風つけソバ」

・拉麺 タイヂ→「コラボそば2杯セット・鶏出汁+煮干し出汁」

つけ麺が2店、ラーメン(かけそば)が2店。
値段はすべて1000円。

私の印象では、「サンド」がもっとも攻めていますね。
「南部屋路ばた」は、ちょっと大人しかったかな?

これは全くの個人的な願望ですが、最初から3種の小麦をブレンドするのでなく、それぞれ単独で使って3種の麺を打って欲しい。

それをつけ麺でたべることで、「南部小麦」「銀河のちから」「アリーナ」それぞれの風味と食感を比較したいですね。

その上で、各店主がベストと思うブレンドの3種混合麺を提供。
4種の麺を、つけ麺で比較できたら素晴らしいでしょうね。

今回は無理でしょうが、今後もコラボ企画を続ける場合、こんな大胆な企画(各店がいずれも上記4種の麺をセットで出す。麺の太さ、平打ち麺にするか否か、つけ汁のダシ、4種目の3種混合麺の調合は各店任せ)を是非とも検討して欲しい。

  • 南部屋路ばた - 無農薬小麦コラボ限定麺「小岩井かぶと南部赤長かぶの潮そば」(2017年11月11日)

    無農薬小麦コラボ限定麺「小岩井かぶと南部赤長かぶの潮そば」(2017年11月11日)

  • 南部屋路ばた - 潮そば(2017年11月11日)

    潮そば(2017年11月11日)

  • 南部屋路ばた - 別皿の具(2017年11月11日)

    別皿の具(2017年11月11日)

  • 南部屋路ばた - 無農薬小麦コラボ限定麺の説明書き(2017年11月11日)

    無農薬小麦コラボ限定麺の説明書き(2017年11月11日)

  • 南部屋路ばた - 無農薬小麦コラボ企画のポスター(2017年11月11日)

    無農薬小麦コラボ企画のポスター(2017年11月11日)

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2017/11訪問29回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

牛白湯の濃厚味噌ラーメン

11月3日(金・祝)

3連休初日の11月3日。
盛岡は雲一つない快晴。
気温も20℃まで上がり、お出かけ日和。

一昨日に行ったばかりの「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)。
今日から新しい限定麺の提供開始が、店主のFacebookで告知。

連休初日で好天。
しかも、提供初日とあって、出遅れると売り切れの心配。
そこで、13時に同店に訪問。

駐車場は車で一杯。
外から店内をうかがうと、カウンター席が満席。
「売り切れ」の文字が脳裏をかすめます。

慌てて店内に入り、恐るおそる券売機横の限定麺のPOPを凝視。
新しい限定麺に更新。
幸い、「売り切れ」の表示はありませんでした。

早速、券売機で限定麺の食券(800円)を購入。
食券を購入したり、限定麺のPOPなどをスマホで撮影しているうちに、カウンター席に空席が。
一番左側の席が空いたのはラッキー。

○限定麺「牛白湯味噌そば」(800円)

前回は2種類の大根をフィーチャーした昆布水の鶏つけそば。
今回はがらっと変わり、珍しい「牛白湯」の味噌ラーメン。
まさしく、変幻自在。
初めて食べる食材にも出会い、私にとって「学びの機会」。

それにしても、スープ、味噌、香味油など、すべてが「牛肉づくし」。
牛を使うことさえ予想外の上、牛白湯スープと味噌を合わせるなんて誰が想像できるでしょう?

5分程の待ち時間で提供された「牛白湯味噌そば」。
スープはクリーム色と薄茶色の間。
さすが味噌ラーメンとあって、スープはドロッとしています。

具は、まず2種のチャーシュー。
脂肪がほとんどない赤身中心の肩ロース肉の低温調理チャーシュー。
もう一つは、逆に脂身が3分の1以上を占める豚バラ肉チャーシュー。

珍しいのが、小松菜と白金豚ミンチの白菜巻きが2つ入っていること。

その他は味玉半分と三つ葉、そして謎の赤い色のペーストが添えられています。

表面の香味油は、「黒毛和牛の牛ネギ油」。
最近の味噌ラーメンにありがちな生姜、ニンニク、ゴマなどを一切使用しない「牛味噌」。
生味噌、牛ミンチ、ナッツを合わせています。

この牛味噌を、2日かけて炊き出した牛白湯スープで割っています。
モヤシやニラ、ニンジンなどの野菜炒めを入れる味噌ラーメンと一線を画し、味噌とスープを純粋に楽しむ
「味噌汁系」。

スープ、味噌、香味油すべてに牛が使われていることから、スープをいただくと甘味を含んだ独特の芳醇な牛の風味がいっぱいに広がります。
「牛づくし」の濃厚な味噌ラーメン
という表現がぴったり。

味噌は、おそらく白味噌メインでしょう。
白味噌の甘味と牛の甘味が重なり、牛の味覚と味噌の風味が重なります。
地味ながら、ナッツが牛と味噌の風味をまろやかにする効果を発揮。
私にとって、未体験ゾーンの味です。

麺は、南部小麦を使った加水率42%の手揉みの自家製麺。
プリプリとした麺は幅約4ミリ程か?
中太麺で、モチモチ感と適度なコシがあり、濃厚な味噌スープに負けていません。

赤身中心の豚肩ロース肉のレアチャーシューは、見た目ほど硬くなく、むしろ柔らか。
肉の旨味を十分楽しむことができます。

脂身の多い豚バラ肉チャーシューはさらに柔らかく、トロッとした食感と脂身の甘さが特徴。

小松菜と白金豚ミンチの白菜巻きを口に含むと、クセのない小松菜の風味、あっさりしながら肉汁たっぷりの白金豚ミンチ、そして白菜の甘味が一体に。

後半になって、濃厚な牛白湯と牛味噌のブレンドに単調さを感じたとき、「謎の赤色ペースト」が役に立ちます。

赤色ペーストの正体は、コチュジャンにトマトと唐辛子2種をブレンドしたもの。
辛味だけでなく、甘味や酸味を含んだ深みのある辛さ。
これをスープに溶くと、スープがぐっと締まり、コクのある辛味噌ラーメンに一変。

何はともあれ、牛づくしの味噌ラーメン(無添加・無化調)の芳醇な旨味と手揉み麺のとコラボは、ラーメン好き必食の一杯です。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「牛白湯味噌そば」(2017年11月3日)

    限定麺「牛白湯味噌そば」(2017年11月3日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「牛白湯味噌そば」(2017年11月3日)

    限定麺「牛白湯味噌そば」(2017年11月3日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2017年11月3日)

    限定麺の説明書き(2017年11月3日)

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2017/11訪問28回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

久々に「煮干しそば」の「塩」と「醤油」を食べ比べ

11月1日(水)

11月初日のラーメンは、やはり最近一番通い詰めている「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)でしょう。
ちょうど、昨日(火曜)が定休。
限定麺のサイクルが最近、定休をはさんで水曜から翌々週の月曜までとなっていたので、今日から新しい限定麺の提供開始と読んで、訪ねてみました。

今日も14時と少し遅めの到着。
店に入り、券売機を見ると、左横にある「限定麺」のPOPが「弥吾七大根と赤大根の鶏つけそば」のまま。
しかも、「売り切れ」の札が貼ってありました。

村山店主に聞くと、次の限定麺は今週金曜(11月3日)から提供開始の予定。
やはり3連休と絡めてきたか!
素直に敗北(?)を認め、「煮干しそば」の塩(750円)を注文。
この時点では、「煮干しそば」の醤油を連食する気はありませんでした。

○「煮干しそば(塩)」(750円)

最近やたらに煮干しラーメンばかり食べているので、神様がそう仕向けてくれた(笑)と自分を納得させ、あっさり転向。
「塩」を注文すると、顔なじみのベテラン女性スタッフが一瞬躊躇した様子でしたが、村山店主はOK。
おそらく、「塩」の注文は「煮干しそば」「鶏そば」とも滅多にないんでしょうね。
まあ、「塩」は「裏メニュー」的な存在ですからね。

14時を過ぎ、お客もまばらだったので、比較的短時間で「煮干しそば(塩)」が到着。

薄い琥珀色の透明感のあるスープ。
塩ラーメンとしては、スープの色は濃いめ。
薄口醤油ダレのラーメンといわれても、分からないかも。

とにかく、着丼の瞬間から煮干しの良い香りがプーンと立ち上ってきます。
煮干しラーメンを食べまくっている私でも、これだけ煮干しの匂いが充満しているラーメンは久しぶり。
食欲をそそられます。

煮干しスープのなかには、美しい麺線の中細ストレート麺。
スープの上からも麺の斑点が確認でき、「ふすま」がたっぷり練りこんであることが分かります。
具は、赤身に適度にサシの入ったやや硬そうな豚肩ロース肉の低温調理チャーシュー。
それに、3分の1ほど脂身の柔らかそうな豚バラ肉チャーシュー。
青ネギ、白ネギの小口切り。
味玉半分と穂先メンマ。
表面に香味油が浮いています。

まずスープからいただくと、既に匂いから煮干し感満点ですが、これに予想どおりの味が加わります。
見かけのおとなしい淡麗煮干しからは想像もつかないほどの強烈な煮干しの旨味。
苦味も加わり、もろ煮干しの絞り汁を飲んでいる感覚。
ニボラーには「快感」としか表現できないニボニボ感。

ただし、エグみは取り除かれていますので、苦味を伴う旨味のみがドーンと来ます。
以前も書きましたが、淡麗煮干しとしては最大級のストロングさ。
この味は、「南部屋路ばた」でしか食べることのできない味です。

東京で濃厚なセメント煮干しを出している店でも、淡麗の塩煮干しを提供している店があります。
でも、それらの店は「ド煮干し」ともいうべき「セメント」と対照的に、淡麗(醤油・塩)は煮干し感を抑え、上品な味に仕上げています。

この傾向とは対照的に、「南部屋路ばた」の「煮干しそば(塩)」は、「セメント煮干し」とは全く違うアプローチで「混ざり気のない」ストレートな「ド煮干し」味を最大限表出。
キレのある塩ダレと煮干しスープが織り成す「攻め」の姿勢の塩煮干しは、他に例をみない煮干しラーメン。

あとで村山店主に聞くと、片口イワシの煮干しを2種(背黒、白口)、マイワシの煮干しを1種(平子)、ウルメイワシの煮干しの計4種の煮干しから抽出したスープに昆布をブレンドした動物系不使用の無添加・無化調のスープ。
調理の最後に、煮干しオイルを少量垂らしています。

フランスの「ゲランドの塩」など2種類の塩に、乾物を加えた塩ダレ。

麺は、ゆきちからを使った加水率37~38%、切り刃20番の中細ストレートの自家製麺。
「ふすま」をたっぷり練りこんでいます。

硬めの茹で上げで、表面がザラッとしているポキポキとした食感の麺。
噛むほどに小麦の香りのする麺は歯切れも良く、煮干しスープに良く合います。
一見、低加水かと勘違いするような麺ですが、太さも加水率も「サンド」の自家製麺と同じ。
それでいながら、これほど食感が違うとは!
茹で時間の違いもあるでしょうが、麺づくりの奥深さを垣間見た思い。

最近「限定麺」で提供されるレアチャーシューは、柔らかく薄味で生ハムのような風味。
それとは対照的に、豚肩ロース肉の低温調理チャーシューは、「煮干らー麺シロクロ」のチャーシューなどとも共通する味付けやや濃いめ、そしてやや硬めのチャーシュー。
肉の旨味が堪能できるチャーシューです。
もう1種類の豚バラ肉チャーシューは、対照的に薄味。
脂がのった柔らかい仕上がり。
こちらは、食べやすさに重点が置かれています。

穂先メンマのシャキシャキ感も効果を発揮。
黄身がトロリと溶け出しそうな味玉半分も美味。

煮干しのエグみは出ていないけれども、苦味を含んだ旨味全開のストロングでキレのある塩煮干しラーメン。
個性的な自家製麺の美味しさと相まって、「ビジュアルは淡麗煮干だが、味はド煮干し」を地で行っています。
しかも無化調・無添加とは素晴らしい。
確実に味が進化しています。

ここで帰ろうと思いましたが、「煮干しそば(塩)」のあまりの美味しさに、醤油と比較してみたいという欲求がふつふつと湧いてきました。
結局、禁断の連食(糖質過剰を避けるため、夕食は抜き)。

○「煮干しそば(醤油)」(750円)

前記の煮干し+昆布のスープに、生揚げ醤油・再仕込み醤油・たまり醤油に乾物をブレンドした醤油ダレを合わせています。
ビジュアルは、当然ですが「塩」よりも一層琥珀色が濃くなっています。
しかし、澄んだスープは淡麗系ならでは。

麺や具は「塩」と同じなので、詳細は省略。
味の違い(主観的な)のみ記すことにします。

スープをいただくと、まず煮干しの出具合が「塩」と違います。
苦味を含む煮干し味がストレートに出る「塩」と違い、こちらは醤油ダレが割に濃いので、煮干し+醤油の組み合わせが前面に出ます。

具体的にいうと、たしかに淡麗系としては煮干し味は強め。
ですが、塩ほどストレートに煮干し感が出ず、むしろ醤油とブレンドした程よい煮干し感といった表現が適切。

苦味は醤油ダレによってうまく消され、旨味のみがコクのある醤油と重なって表出されます。
正直、「塩」を食べたあとだと、「醤油」の煮干し感は相対的におとなしめ。
しかし、淡麗煮干し醤油ラーメンとしては、煮干し風味は強めな方でしょう。
多分、最初に「醤油」を食べた方は、煮干し味がかなり強いと感じられるのでは?

「サンド」の「煮干しそば」も醤油味。
こちらと比較すると、醤油ダレは南部屋路ばたの方が圧倒的に深みとコクがあります。
ただし、苦味が醤油ダレでうまく消されているので、薄め醤油味のため苦味がそのまま出てくる「サンド」よりも、いい意味で「バランス良く」感じます。
言い換えると、サンドの煮干しそばよりも「おとなしい」味といえるかもしれません。

強引に「ド煮干し」の度合いを比較すると、
 ①「煮干しそば(塩)」(南部屋路ばた)
 ②「煮干しそば」(サンド)
 ③「煮干しそば(醤油)」(南部屋路ばた)の順となるかな?

村山店主は、「煮干しそば」については、「醤油」の方に自信がある様子。
たしかに、ニボ度の強さ、ストロングさという点では、「塩」に軍配があがります。
しかし、淡麗煮干しそばとしての完成度、煮干しスープとタレとのマッチの度合い、煮干し味と醤油の深みのある旨味とのブレンドという点では、「醤油」が勝っているでしょう。

それでも、ニボラーにオススメなのは、村山店主の意に反するかもしれませんが、圧倒的に「塩」。
逆に煮干し初心者には、むしろ「サンド」の煮干しそばよりも、「南部屋路ばた」の「醤油」の方が食べやすいでしょう。

以上私の勝手な比較でしたが、煮干し好きは是非、「サンド」の「煮干しそば」、「南部屋路ばた」の「煮干しそば」の「塩」「醤油」を食べ比べ、ご自分なりの比較を試みてください。

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(塩)」(2017年11月1日)

    「煮干しそば(塩)」(2017年11月1日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(塩)」(2017年11月1日)

    「煮干しそば(塩)」(2017年11月1日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(醤油)」(2017年11月1日)

    「煮干しそば(醤油)」(2017年11月1日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば(醤油)」(2017年11月1日)

    「煮干しそば(醤油)」(2017年11月1日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」「煮干しそば」の説明書き(2017年11月1日)

    「鶏そば」「煮干しそば」の説明書き(2017年11月1日)

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2017/10訪問27回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

2種の大根をフィーチャーした独創的な「昆布水」つけ麺!

10月18日(水)

本日(18日)から提供開始の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。
夕方、Facebookで告知されましたが、それに先駆け、13時過ぎに伺いました。

○「弥吾七大根と赤大根の鶏つけそば」(1,000円)

「南部屋路ばた」に向かった時点では、Facebookは更新されておらず、前回の限定麺「ボリの生姜醤油そば」が掲載されていました。
しかし、「ボリ」の提供は10月15・16日頃まで。
昨日(17日)が定休日だったので、本日から新しい限定麺が提供されているだろうと踏んでの見切り発車。

店について、券売機横に新しい限定麺のPOPを発見!
「限定麺」は通常800円の場合が多いのですが、今回は1,000円。
「ミニラーメン」(500円)の食券を2枚買って、スタッフに「限定麺」でと伝えることになります。

「南部屋路ばた」としては、今年2回目の「昆布水つけ麺」。
麺は、南部小麦8、ゆきちから2の割合でブレンドした小麦を使った自家製麺。
加水率37%の平打ち麺で、麺の幅は5ミリほど。
麺量は230g。

きれいに折りたたんだ麺が、昆布と塩だけからとったさらっとした「昆布水」に浸かっています。
麺の上には、厚めにスライスとした豚肩ロース肉のピンクのレアチャーシューが2枚。
チャーシューの上に、すだちと「赤大根のおろし」、それに三つ葉がのっています。
赤大根の赤、チャーシューのピンク、そして三つ葉の緑など、色も鮮やか。

つけ汁は、通常の倍もの丸鶏を投入。
丸鶏からとった鶏ダシを一晩寝かし、さらに丸鶏を入れて、もう一晩寝かせた鶏ダシに醤油ダレを合わせています。
丸鶏に加え、鶏油が浮かぶまさしく鶏づくしのつけ汁。
そこにたっぷりつけ汁を吸った「弥吾七大根」半分が入っています。
おでんの具に最適な「弥吾七大根」ですが、つけ汁の具としてもぴったり。

村山店主が「とりつけそばの食べ方」と題したPOPを渡してくれます。
一応それにしたがって実食。

もっとも、POPでは、最初に「そのままつけ汁につけてください」とありますが、やはり麺をつけ汁につける前に、そのままで食べたいもの。
昆布水が絡んだ平打ち麺は、ツルツルしていながらも、噛むと十分な弾力。
小麦の香りが堪能できます。

次に、つけ汁のみをレンゲですくって飲んでみます。
これでもかというほど丸鶏を投入しただけあって、鶏の旨味が凝縮。
それに負けない醤油ダレの旨味と香り。
さらっとしたつけ汁ですが、実に濃厚。

そこに麺を投入すると、平打ち麺がつけ汁に良く絡み、昆布の旨味、そして鶏と醤油の旨味が口の中で融合。
重層的な旨味に導かれて、どんどん麺を食べ進みます。

麺を食べる合間に、チャーシューをつまみます。
肉厚のレアチャーシューが2枚ものっているので、満足度が高いです。
淡白な味付けですが、肉の旨味が十分生かされた上出来のチャーシュー。

つけ汁をたっぷり吸った「弥吾七大根」は、まさにおでんの大根そのもの。
柔らかくてジューシー。
つけ汁に大根を入れる村山店主のセンスに、またしても度肝を抜かれました。
前回は「ボリ(ボリボリ)」。
今回は「弥吾七大根」。
いつも新しい食材を教えてくれる店主に感謝。

「とりつけそばの食べ方」に沿って、麺を3分の2ほど食べたら、すだちを赤大根のおろしに絞ります。
すると、赤大根がさらに色鮮やかに赤くなります。

麺をすだち入りの赤大根おろしに絡め、つけ汁に投入。
今度は、すだちの酸味と赤大根の辛味が、鶏と醤油の風味と融合。
さっぱりとした味で、つけ麺を食べ終えることができます。

麺を食べ終えたら、「スープ割り」をお願いします。
昆布のスープを足して、みじん切りのネギをまぶした熱々のつけ汁を口に含むと、程よい濃度になった鶏と醤油のスープから昆布の旨味が立ち上ります。

ところで、「鶏つけそば」を食べていると、男性2人組が店に入ってきました。
良く見ると、秋田市と大仙市(大曲)の有名ラーメン店の店主ではないですか!
「南部屋路ばた」に来る前に、「らあめん サンド」を訪れ、2人で全メニューを制覇。
「このあと、『拉麺 たいぢ』に行くのですか」と尋ねると、「さすがにもうお腹一杯」。
たしかに、この時間(14時近く)だと、もう「たいぢ」ではスープ切れでしょうね。

大曲の某有名店の店主に次の限定麺の試作具合を伺ったあと、村山店主に挨拶して店を出ました。

「らあめん サンド」の正攻法の「昆布水つけ麺」に加え、「南部屋路ばた」の創意溢れた変化球?「昆布水つけ麺」を食べることができる幸せ。
どうしても、首都圏のラーメン店に目が向いてしまいがちですが、盛岡の先端ラーメン店も決して負けてはいないと再確認させられました。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「弥吾七大根と赤大根の鶏つけそば」(2017年10月18日)

    限定麺「弥吾七大根と赤大根の鶏つけそば」(2017年10月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「弥吾七大根と赤大根の鶏つけそば」(2017年10月18日)

    限定麺「弥吾七大根と赤大根の鶏つけそば」(2017年10月18日)

  • 南部屋路ばた - 麺&具(2017年10月18日)

    麺&具(2017年10月18日)

  • 南部屋路ばた - 弥吾七大根入りのつけ汁(2017年10月18日)(

    弥吾七大根入りのつけ汁(2017年10月18日)(

  • 南部屋路ばた - 赤大根のおろしにすだちを絞ると、より鮮明な赤色に!(2017年10月18日)

    赤大根のおろしにすだちを絞ると、より鮮明な赤色に!(2017年10月18日)

  • 南部屋路ばた - スープ割り(2017年10月18日)

    スープ割り(2017年10月18日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2017年10月18日)

    限定麺の説明書き(2017年10月18日)

  • 南部屋路ばた - 「とりつけそばの食べ方」(2017年10月18日)

    「とりつけそばの食べ方」(2017年10月18日)

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2017/10訪問26回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

ボリボリ(ナラタケ)の入った生姜香る醤油ラーメン!

10月4日(水)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)が10月2日(月)から提供開始した新しい限定麺。
村山店主のFacebookでは、本日(4日)夕方アナウンスされていますが、一足先に本日昼過ぎ訪ねてみました。

○限定麺「ぼりの生姜醤油そば」(800円)

最近、村山店主のFacebookによる限定麺提供開始のアナウンスが少々遅れ気味かな?
まあ、月曜から提供開始で、昨日は定休の火曜。
本日は水曜ですから、実質的には提供2日目終了時点でのアナウンス。
決して遅いというわけではありません。

しかし、前回の「栗と牛ミンチの台湾まぜそば」は提供3日目のアナウンス。
アナウンス時には、提供初日と名称が少し変わっていました(「牛」→「牛ミンチ」)。
前々回の「塩そば 秋」こそ提供前日にアナウンス。
その前の「肉煮干しそば」はアナウンスなし(終了のアナウンスのみ)。
「南部屋路ばた」の限定麺ねらいは、アナウンスを待ちながら悶々とした日々をおくっています(大げさか?)。

前回の「栗と牛ミンチの台湾まぜそば」が提供されてから、既に2週間近く。
最近のFacebookの傾向を観察していると、アナウンスはまだですが、おそらく新しい限定麺の提供が始まっているのではないか?
そう当たりをつけて、本日13時過ぎに訪れてみました。
案の定、始まっていました。

名称は「ぼりの生姜醤油そば」。
券売機横の説明書きをみても、「ぼりを入れました」とあるだけで、肝心の「ぼり」についての説明はなし。

食券を渡してから、限定麺が届くまでの間、必死にスマホで「ぼり」を検索。
しかし、それらしい食材はヒットせず。
でも、「ボリボリ」(ナラタケ)というキノコがヒットしました。
「ぼり」=「ボリボリ」なのかどうか迷っているところに限定麺が到着。

一見普通の醤油ラーメン。
トッピングを見ると、ナメコに少し似た見慣れない黒いキノコがのっています。
運んできた村山店主に「これが『ぼり』ですか」と尋ねると、「そうです」の返事。
忙しい店主をこれ以上足止めできない!
「ぼり」=「ボリボリ」=「ナラタケ」なのか?と疑心暗鬼になりながら、食べ始めます。

説明書きによると、豚骨、丸鶏、生姜、昆布、干ししいたけなどからとった清湯スープに、醤油ダレとチャーシューダレを合わせています。
醤油ラーメンですが、かなり濃い琥珀色。
醤油ダレにチャーシューダレを加えたタレは、通常の醤油ラーメンよりも濃いめ。
この濃いめのタレを受け止めるスープも、清湯ですが、上記のようにさまざまな食材を使ったフルスペックのもの。

濃いめのタレと分厚い旨味の清湯スープとの組み合わせといえば、あの「かしわぎ」(東中野)を連想。
もしや村山店主は今話題の「かしわぎ」のアプローチにインスパイアされたのかと、一瞬思ってしまいました。

しかし、いざ食べてみると、たしかにスープとタレは濃いめですが、それを上回る生姜のインパクト。
スープを飲むと、さまざまな素材とダブルのタレが交じり合った深い旨味が来るというよりは、生姜の香りがまず第一に飛び込んできます。

さきほどアップされたFacebookのアナウンスによれば、スープの表面に浮かんだオイルは、白金豚の背脂に生姜を入れた「生姜オイル」。
もちろん、スープの食材としても生姜が使われています。

さらに、豚肩ロース肉のレアチャーシューの上には、薄緑色のピューレ。
一見、おろし生姜のようにも見えますし、実際生姜の味を感じますが、薄緑の色はどこから出たのか。
味もおろし生姜よりもまろやか。
一体生姜+何なんだろう。

実はFacebookを見ると、答えが出ているのですが、私が食べたときには何の手がかりもなし。
結局、再度村山店主に聞くと、生姜と焼き茄子のピューレとのこと。

念のためにトッピングを整理してみましょう。
チャーシューは2種。
前記のように、豚肩ロース肉のピンクのレアチャーシューが2つ折りになって盛られています。
その上に、生姜と焼き茄子のピューレがのっています。
さらに豚バラ肉のチャーシュー。
最近おなじみのトロトロに煮込んだチャーシューで、半分は脂身。

笹切りのネギ(青ネギと白ネギ)に味玉とナルト。
それに問題の「ぼり」。

自家製麺は、南部小麦100%の中太平打ち麺を手揉みしています。
加水率は40%。

村山店主のねらいは、スープ、タレとも濃いめなので、生姜をふんだんに使って、さっぱりとした味に仕上げようというもの。
スープの食材、生姜オイル、そしてピューレと「生姜のトリプル」で攻めてくるのですから、「生姜ラーメン」といってもいいほど生姜が効いています。
かといって、生姜が過剰に感じないのが、生姜を受け止めるスープとタレの力。
スープとタレと生姜がうまくバランスした醤油ラーメンです。

麺は手揉み麺らしくピロピロとした感触と同時に、噛むとクチュッとした食感。
小麦の風味が堪能できます。

2種のチャーシューの美味しさも特筆もの。
ピンクのレアチャーシューは薄くスライスされ、淡白な仕上がり。
生ハムを連想させる食感と味。
その一方で、トロトロに煮込んだ豚バラチャーシューは柔らかで、肉と脂身が一体となった濃厚な旨味が口の中一杯に広がります。

さて「ぼり」ですが、村山店主に確認すると、やはり「ナラタケ」(ボリボリ)。
ナメコのようなヌメりがありますが、とくに味は感じません。
下処理だけにとどめ、味付けは施していないとのこと。
風味を堪能するというよりも、独特の食感と秋の季節感を楽しむ食材でしょう。

レアチャーシューの上に盛られた生姜と焼き茄子のピューレ。
チャーシューを食べるときに、どうしても全部スープに溶かなければなりません。
そうすると、スープが生姜風味一色に染まってしまうのではないか?
でも、それは杞憂に終わりました。
茄子の甘味が生姜の辛味とうまくブレンドされ、全部溶いても、生姜の風味が極端に強くなるというほどではありません。

本日夕方のFacebookの記事によると、提供初日の一昨日は「焼き茄子」がトッピング。
それを本日は生姜と焼き茄子のピューレに変更しています。
個人的には「焼き茄子」のトッピングも食べたかったというのが正直なところ。
しかし、生姜と焼き茄子のピューレに急きょ変更したのは、もっと生姜の風味を強めると同時に、それを若干セーブするために焼き茄子をピューレにしてブレンドしたのではないかと勝手に想像。

今回初めて食べた「ぼり」(ボリボリ、ナラタケ)。
村山店主の「限定麺」は、いつも未知の食材との遭遇を体験させてくれます。
それでいて、無化調、自家製麺のラーメンとしてしっかりと成立させているところが凄い。

最初に愚痴(?)を書いてしまいましたが、こんなオリジナリティのあるメニューを毎週にように考える村山店主に、「提供前日、せめて提供初日の夕方にアナウンスして欲しい」などと要望するのは勝手過ぎますね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぼりの生姜醤油そば」(2017年10月4日)

    限定麺「ぼりの生姜醤油そば」(2017年10月4日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぼりの生姜醤油そば」(2017年10月4日

    限定麺「ぼりの生姜醤油そば」(2017年10月4日

  • 南部屋路ばた - ぼり(ボリボリ、ナラタケ)(2017年10月4日)

    ぼり(ボリボリ、ナラタケ)(2017年10月4日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ぼりの生姜醤油そば」の説明書き(2017年10月4日)

    限定麺「ぼりの生姜醤油そば」の説明書き(2017年10月4日)

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2017/09訪問25回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

久々のジャンクな限定麺(「台湾まぜそば」)!

9月21日(木)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)前回の限定麺は「塩そば 秋」。
そのレビューで、次の限定麺は「牛白湯つけそば」と書きました。
これは私のミス。
正しくは「牛白湯つけそばまぜそば」。

タレに牛白湯を使い、台湾ミンチも牛挽き肉7割の「台湾まぜそば」。
それに、牛白湯スープを別に用意。

まぜそばのまま食べるもよし、まぜそばをスープにつけて、「つけそば」として食べるもよしというメニューのはずでした。

このところ割と上品で繊細な塩系メニューが多かった限定麺としては、久々の「ジャンク」な一品。
期待していたのですが、なかなかFacebookで告知されない。

待ちきれなくなった本日(21日)、好天に誘われ、「南部屋路ばた」に行ってしまいました。
店到着は13時30分。

限定麺のPOPは風除室を抜け、店に入ったすぐ左手にある券売機の横に掲示されます。
果たして新しい限定麺のPOPが掲示されいるかどうか?
期待と不安で一杯になりながら店に入ります。

あれっ!
限定麺のPOPがない!

直感的に、新しい限定麺は明日か明後日からの開始と悟りました。
ならば今日はレギュラー「煮干しそば」を塩で食べようと、750円の食券を購入。
ちょうど厨房からやってきた村山店主に食券を渡します。

すると村山店主から意外な言葉。
「今日は煮干しスープの出来が良くないんです」
「じゃあ、鶏そばの塩をお願いします」と続けると、「台湾まぜそばはできるんですが」と持ちかけてきます。

村山店主によると、本日から限定麺「牛白湯つけそばまぜそば」を始める予定だったものの、「牛白湯スープ(つけ汁)」の出来に納得がいかないという。
かといって、改めて食材を取り寄せても、到着するのが明後日(土曜)。

もはや間に合わないので、メインの「台湾まぜそば」だけを限定麺として提供することにしたという。
ということは、私が新しい限定麺を食べる最初の客ということになるのかな?

○限定麺「栗と牛の台湾まぜそば」(800円)

そんなわけで、私が台湾まぜそばを食べているとき、村山店主は上記のように名称を変えた限定麺のPOPを券売機横に掲示。
早速、写真を撮らせてもらいます。

「追い飯」50円を足すと850円ですから、私が払った750円では100円足りない。
100円を払おうとすると、「今日は試作ですから」と固辞されました。
本格的な提供は明日からということですね。

少し時間を遡って(大げさな表現ですが)、注文後カウンターで待っていると、「ニンニク」大丈夫ですかと、村山店主が確認。
「大丈夫」と答えると、まもなく「栗と牛の台湾まぜそば」が到着。

「台湾まぜそば」と「追い飯」、それに別皿の「おろしニンニク」の3点セット。
もっとも、「追い飯」は最初からつくのではなく、まぜそばを食べたあと、希望すれば現金50円で追加できます。
「台湾まぜそば」は、ビジュアルからそのものずばりですが、いろいろな細かい工夫を凝らしています。

「牛肉7:白金豚3」の割合の合い挽き肉でつくる甘辛い「台湾ミンチ」。
それ以外に、青ネギと玉ネギのみじん切り、細切りの白ネギ、そして定番の卵黄。
何といっても特徴的なのが、細かく砕いた栗がたっぷりと入っていること。

タレは醤油をベースに酢、牛白湯、ネギ油などをブレンド。

麺は、「ゆきちから」を使ったふすま入りの自家製麺。
加水率38%の太麺です。
村山店主自ら包丁で麺帯を切る「手切り」の麺。

むちっとしてモチモチとした太麺という「台湾まぜそば」の麺とはやや趣きが違います。
どちらかというとゴワゴワとして噛み応え十分の固めの麺。
村山店主自身「固めの麺が好き」と語っています。
ツルツルと啜るというよりも、ワシワシと食べるという言葉がぴったり。

ニンニクは別皿にして、お好みで加える方式。
具と麺、それにタレを十分混ぜてから食べると、コシの強い麺に醤油メインながらうっすらと牛の旨味を感じる濃厚なタレが良く絡みます。
唐辛子も入っているので、結構な辛さ。
そこで、栗が辛さを緩和するとともに、秋の味覚を感じさせる食材として、存在感を十二分に発揮します。

半分ぐらい麺を食べたところで、おろしニンニクを足します。
すると、濃厚な醤油味のタレにニンニクの旨味が加わり、パンチがありながらもさっぱりとした味に変貌。

麺を食べ終えたら、丼の底に残ったタレに「追い飯」を投入。
一気に完食。

麺量(茹でる前)200gに追い飯が追加。
お腹パンパンです。

この前「台湾まぜそば」を食べたのはいつだったろう?
おそらく昨年はじめ、「人力俥」(盛岡市月が丘)が限定で提供した「台湾まぜそば」を食べて以来。
1年半以上も前です。
「人力俥」も「南部屋路ばた」も、無化調で濃厚なまぜそばをつくってしまうのですから、大したもの。

それにしても、「南部屋路ばた」でジャンクな「台湾まぜそば」を食べるとは想像もしなかっただけに、まさにサプライズ。
次の限定麺は何が登場するのか、今から楽しみ!

  • 南部屋路ばた - 限定麺「栗と牛の台湾まぜそば」(2017年9月21日)

    限定麺「栗と牛の台湾まぜそば」(2017年9月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「栗と牛の台湾まぜそば」(2017年9月21日)

    限定麺「栗と牛の台湾まぜそば」(2017年9月21日)

  • 南部屋路ばた - 最後に「追い飯」を投入(2017年9月21日)

    最後に「追い飯」を投入(2017年9月21日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2017年9月21日)

    限定麺の説明書き(2017年9月21日)

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2017/09訪問24回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

松茸がほのかに香る旨味たっぷりの「塩そば 秋」

9月15日(金)

9月14日(木)の夕方、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主が2週間ぶりにFacebookに記事を投稿。
本日(15日)より新しい限定麺を始めるという。
と同時に、もう1つの記事をみて驚き。

現行の限定麺「肉煮干しそば」(920円)は9月14日で終了。
「肉煮干しそば」が限定で提供されていたとは初耳。

8月最終土・日に提供された限定麺「八幡平サーモンの冷やしそば」をはさみ、その前後に限定「鶏つけそば」を提供。
「八幡平サーモン」と「鶏つけそば」の記事以降、限定麺の告知が2週間お休み。
そこで、昨日まで「鶏つけそば」が提供されていた。
あるいは限定麺を休止していたのかのどちらかと思っていたのですが・・・

この間、「肉煮干しそば」が提供されていたとは!
記事によると、「肉煮干しそば」は、「煮干しダシにチャーシューのタレを合わせ、香味油なしの煮干しそば。チャーシュー6枚トッピングで、レギュラーの煮干しそばとの違いをお楽しみください」という内容。

「南部屋路ばた」の限定コンプリートをめざす私としては、9月まで来て、コンプリートが途切れてしまい、残念。
それ以上に、「肉煮干しそば」を食べたかった。

やはり、アナウンスがなくても、レギュラーの「煮干しそば」「鶏そば」を食べに、コンスタントに訪ねるべきだった。
そうすれば、限定の「肉煮干しそば」に遭遇できたのにと、後から思っても後悔先に立たず。
まあ、終わったことは仕方ないので、本日から18日までのわずか4日間しか提供されない限定麺「塩そば 秋」を食べに、「南部屋路ばた」を訪問。

○限定麺「塩そば 秋」(920円)

13時過ぎに「南部屋路ばた」に到着すると、何と先客ゼロ。
私が入店して、15分ぐらいは他に客がいない。
こんなことは初めて。

本日(15日)から「南部屋路ばた」から車で10分程の「イオンモール盛岡」で、毎年恒例の「岩手ラーメンフェスタ2017」が開始(20日まで)。
「鯛塩そば 灯花」(曙橋)なども出店しているので、ラオタの皆さんは皆そちらに行ってしまったのかな?
まあ、私はこの種のラーメンイベントには行かないことにしているので・・・

さて、920円ですので、券売機では「限定麺」(800円)の食券と「麺大盛」(120円)の食券を購入。

注文すると、これまでにないスピードで村山店主が限定麺を運んできました。
「速いですね」と声をかけると、「暇ですから」とのお答え。

「塩そば 秋」は、すだちが一切れのっただけで、それ以外に何の具もないかけの「塩そば」と、別皿の具という構成。

「塩そば」は、とにかくスープが凝っています。
丸鶏、昆布、鰹節、マグロ節、干しシイタケ、アサリ、松茸、煮干しなどからとったスープに塩ダレを合わせ、仕上げに香味油として松茸鶏油を少々加えています。
道理で表面に油が浮いているわけだ。

たくさんの食材からダシを抽出しているため、澄んだ塩ラーメンのスープというよりも、薄めの醤油ラーメンのような茶色がかったスープ。
もちろん塩ラーメンだけに、やや濃いめの色付きですが、スープ自体には透明感があります。
そこに麺がきれいに盛り付けられています。

麺がまた凝っています。
デフォではレギュラーの「煮干しそば」「鶏そば」用の加水率36%(中加水)の「ゆきちから」の中細ストレート麺。

これに加え、50食分だけ「南部小麦」を使った多加水(加水率40%)の平打ち麺に変更できるという趣向。
もちろん、注文時に「平打ち麺」をお願いしました。

別皿の具が、美しいビジュアル。
白金豚の肩ロース肉レアチャーシューは、ピンクの肉厚チャーシュー。
折りたたんで盛り付けた形は、まるで生ハムのよう。
その横に、今度は白い鶏ムネ肉の低温調理チャーシュー。
さらに横には、レンコン。
それ以外に白ネギ主体に青ネギも混ぜて、これも綺麗な盛り付け。
ネギの中には、黄色い柚子片もみえています。

これらの具の上に、何とも珍しい濃い緑色の「ミズのコブ」がのっています。
山菜「ミズ」の茎で、茎のあちこちが肥大化した肉芽。
これが「コブ」に似ていることが名の由来。
秋らしく菊の黄色い花弁ものった目に美しい具の盛り付け。

さすがにこれだけたくさんの食材からダシをとっているだけに、スープの旨味は十分。
ダシの旨味が出ているので、塩分はむしろ薄め。

鶏より節系や乾物系が多いため、節や昆布、シイタケ、アサリ等の旨味が出たスープ。
ただし、どれか1つの食材が突出しているというより、節系や乾物系が一体となり深い旨味を出しているという方が適切。

塩ラーメンで、これだけダシの旨味が効いているスープも珍しい。
もちろん、化学調味料不使用です。

その上、旨味たっぷりの塩ラーメンのスープから松茸の何ともいえない良い香りがフワッと漂ってきます。
それもそのはず。
ダシの材料に松茸も使っているだけでなく、香味油も松茸鶏油。

多加水の平打ち麺は幅5ミリほど。
ツルツルとした麺は、コシも適度。
その上喉越しも良い実に美味しい麺。
小麦の香りも十分感じられます。

途中スダチを噛むと、酸味が滲み出て、スープがさらにさっぱりします。
スープを飲んでいると、底の方に松茸のスライスが何枚も隠してあります。
ダシ用に使った松茸のスライス。
そのため、香りはそんなに濃くありませんが、僅かに残る松茸の香りと独特の食感が松茸感を増幅。

「松茸づくし」とまでは行きませんが、要所要所に松茸を効かせ、さりげなく秋の味覚を演出する手腕はニクイ。

具は、食べるのがもったいなくなる美しさ。
白金豚のレアチャーシューは、見た目と同様、味も生ハムのような香ばしさ。
肉の旨味がぎっしりつまった逸品。
柔らかく仕上げた鶏のムネ肉チャーシューは淡白な味。
しっとりとした食感のレンコンも、地味ながら不可欠な具。

ネギはそのまま食べてもよし、塩ラーメンに入れてもよし。
ネギの中に隠れている柚子片がいい香りを放ちます。

そして何といっても「ミズのコブ」。
シャキシャキ食感ながら、コブの部分がコリコリとした独特な食感。
とくに味付けはしていないので、淡白な味。
味よりも、独特の食感を楽しむ季節の山菜でしょう。

塩ラーメンと具を完食したのち、もう少しお腹に入るということで、今度は具無しで「塩そば」のみ注文。
今度は、「ゆきちから」を使った加水率36%の中細ストレート麺を試してみます(600円)。

こちらも実に綺麗な麺線。
ふすま入りの中加水麺は、多加水の平打ち麺とは違う食感。
表面はざらざらしていますが、口に含むと弾力性があって、中細ながら噛み応えがあります。

両方食べてみて、デフォの中加水中細ストレート麺(ふすま入り)か、それとも多加水の平打ち麺のどちらを選ぶべきか?
甲乙つけがたいのですが、私見ではツルツルしてモチッとした平打ち麺の方が、今回の「塩そば」のスープにより合っている印象を受けました。

松茸をはじめ、秋の味覚満載の限定麺「塩そば 塩」は連休最終日の18日までの提供。
次の限定麺は「牛白湯つけそば」(仮称)。
内容は聞きましたが、店主が告知するまでオフレコにしておきましょう。

それにしても、Facebookで告知されることなく、ひっそりと終わった限定麺「肉煮干しそば」。
1日だけでいいから、再度限定で提供してくれないかな?

はじめ私1人だった店内も、いつしか後続客が続々と入店。
中には限定麺を注文している方も。
ガランとしていた店内も、いつもの活気を取り戻しました。
私も安心して、村山店主に礼を言って退店。
悪い癖が出て、今日も店内連食。
今晩も夕食抜きかな?

  • 南部屋路ばた - 限定麺「塩そば 秋(平打ち麺)」(2017年9月15日)

    限定麺「塩そば 秋(平打ち麺)」(2017年9月15日)

  • 南部屋路ばた - 塩そば(平打ち麺)(2017年9月15日)

    塩そば(平打ち麺)(2017年9月15日)

  • 南部屋路ばた - 別皿の具(ミズのコブに注目)(2017年9月15日)

    別皿の具(ミズのコブに注目)(2017年9月15日)

  • 南部屋路ばた - 塩そば(中細麺)(2017年9月15日)

    塩そば(中細麺)(2017年9月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「塩そば 秋」の説明書き(2017年9月15日)

    限定麺「塩そば 秋」の説明書き(2017年9月15日)

  • 南部屋路ばた - 券売機の「限定麺」(800円)と「麺大盛」(120円)の両方の食券を購入(2017年9月15日)

    券売機の「限定麺」(800円)と「麺大盛」(120円)の両方の食券を購入(2017年9月15日)

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2017/08訪問23回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「八幡平サーモン」が別皿で提供される贅沢な冷やし塩ラーメン

8月26日(土)

今週から来週にかけての「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺は、ちょっとイレギュラーな提供。
昨日と一昨日、それに来週の月・水は、昨日レビューを書いた「鶏つけそば」。

本日と明日(土・日)は、「八幡平サーモンの塩冷やしそば」。
「八幡平サーモン」は、八幡平市の「清水養鱒場」で養殖された「ニジマス」。
出荷数が少ないため、なかなか食べる機会がないので、楽しみにしていました。

入荷数の制約のため、土・日各20食限定。

これは早く行かなければなくなる!
そんな危機感から、念のためにいつもよりも早めの12時少し前に入店。
限定麺の食券をスタッフに渡し、カウンターに座った後、POPを読みながら到着を待ちます。

○「八幡平サーモンの塩冷やしそば」(800円)

到着した「八幡平サーモンの塩冷やしそば」は、スープと麺のみの冷やし塩かけラーメンと別皿提供のサーモン等の具という構成。

写真よりも色合い薄目の澄んだ塩スープに、平打ち麺が綺麗に揃えて盛り付けられています。

スープは「八幡平サーモン」のアラからとったダシと、昆布、鰹節、鮪節からとったダシのタブルスープ。
これに塩ダレを合わせています。

サーモンのアラダシ自体あっさりしているので、相対的に昆布と鰹節の旨味が控えめながら感じられる冷えたスープ。
塩分濃度も抑えめ。

あっさりした塩スープに浸かった麺は、昨日の「鶏つけそば」と同じ。
南部小麦100%の加水率42%の多加水平打ち麺。
ひもかわうどんのように、麺幅が薄いピロピロした麺。
ツルツルして滑らかな麺は、喉ごし良好。
弱点であるコシの弱さが冷やしのために、ある程度リカバリー。

別皿には、サーモンと味玉半分、夏野菜のマリネが盛り付け。
41℃で低温調理したサーモンは柔らかい仕上げ。

脂がのっていますが、味は淡白。
それを補うのが、サーモンの上にトッピングされたブラックオリーブとアンチョビのサラダオイル和え。
それに、サーモンの横に少量添えられたクリームチーズ。

ブラックオリーブとアンチョビのオイル和えを乗せると、サーモンに旨味のある塩味が加味。
サーモンをクリームチーズにつけると、濃厚な味に。

サーモンの上には、グリーンセロリの葉も。
口に含むと、微かな苦味が広がります。

サイコロ状の赤パプリカやトマトなどの夏野菜。
それに紫玉ネギなどのみじん切りを和えたマリネも、淡白なサーモンに適度な酸味を加えています。

「八幡平サーモン」が一切れというのは少々寂しかったかな?
個人的には、もう少し価格を上げてもいいから二切れは欲しかった。
でも、そうすると提供杯数が20杯よりもさらに限られてしまうでしょうね。

サーモンも淡白、冷やし塩ラーメンもあっさりということで、物足りなさを感じる方もいるでしょう。
しかし、盛岡で冷やしラーメンのシーズンの終わりを告げるかのような贅沢な冷やし。

おそらく、私も今回の限定麺を食べなければ、「八幡平サーモン」を食べる機会さえないまま過ごしていたでしょう。
これを機に、もっと岩手の食材に目を向けていきたいと思います。

まずは、「八幡平サーモン」を使った「八幡平サーモンづくし弁当」(道の駅にしね、京王百貨店新宿店で販売)を食べてみたいですね。

  • 南部屋路ばた - 「八幡平サーモンの塩冷やしそば」(2017年8月26日)

    「八幡平サーモンの塩冷やしそば」(2017年8月26日)

  • 南部屋路ばた - 「八幡平サーモンの塩冷やしそば」(2017年8月26日)

    「八幡平サーモンの塩冷やしそば」(2017年8月26日)

  • 南部屋路ばた - 「塩冷やしそば」(かけそば)(2017年8月26日)

    「塩冷やしそば」(かけそば)(2017年8月26日)

  • 南部屋路ばた - 別皿の八幡平サーモン(2017年8月26日)

    別皿の八幡平サーモン(2017年8月26日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「八幡平サーモンの塩冷やしそば」のPOP(2017年8月26日)

    限定麺「八幡平サーモンの塩冷やしそば」のPOP(2017年8月26日)

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2017/08訪問22回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

たたきオクラでとろみを出す新機軸の昆布水つけ麺

8月25日(金)

今日も盛岡やその周辺の新店ハントと思いつつも、念のために「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主のFacebookをチェック。
すると、昨日(24日)から新しい限定麺が始まっていたではありませんか!

24日(木)と25日(金)、そして土日をはさみ、28日(月)と30日(水)が「鶏つけそば」(29日は定休日)。

26日(土)、27日(日)は、土日限定の「八幡平サーモンの冷やしそば」という変則的な提供。

結局この間2回行かなければなりません。
新店ハントは来週に回し、まずは「鶏つけそば」を食べに、本日訪れました。

○「鶏つけそば」(800円)

店に13時頃到着。
普段は賑わっている時間帯ですが、本日は先客ゼロ。
私1人の時間帯も随分ありました。
途中で1人、帰りがけにもう1人が入店。
金曜午後は狙い目です。

「鶏つけそば」は、路ばた版の「昆布水つけ麺」。

「昆布水」には、南部小麦100%を使い、加水率42%の平打ち麺が浸かっています。
麺の上にはローストトマト、たたきオクラ、金時草がトッピング。

ローストトマトの赤とたたきオクラの緑の対比が目を引きます。
紫と緑の葉が混じる金時草も、見映えします。

カウンターには「鶏つけそばの食べ方」のPOP。
それに沿って食べていきます。

ますは、昆布水に浸かった麺を、つけ汁につけずにそのまま食べます。
昆布水は、通常「がごめ昆布」を使い、とろみを出します。
しかし、「鶏つけそば」では「がごめ昆布」を使わず、さらっとしています。

おまけに、鰹節の旨味がしっかり効いているので、そのままでも十分おいしく麺を食べることができます。
鰹節の旨味は、通常の昆布水よりも強め。

平打ちの麺は、ツルツルモチモチしている上、歯応えも弾力も十分。
全粒粉は入っていませんが、小麦の香りが楽しめる麺。

次に、たたきオクラを麺に絡め、昆布水に溶きます。
すると、オクラのネバネバがにとろみに変化。
まるで「がごめ昆布」を使っているかのよう。

「がごめ昆布」の代わりに、たたきオクラを使い、とろみを出すところが、「鶏つけそば」の最大の特徴。

つけ汁は丸鶏100%のスープに、生揚げ醤油、再仕込み醤油、たまり醤油などのカエシを合わせています。
鶏の旨味と醤油の香りが相乗。

具は刻みネギと、チャーシュー代わりの鶏つくね3個。

たっぷり昆布と鰹節のダシをまとい、たたきオクラでとろみのついた平打ちの麺が、つけ汁と良く絡みます。
昆布と鰹節、そして鶏と醤油の旨味がすべて口の中で融合する瞬間。
これこそ、昆布水つけ麺の醍醐味。

あっさりとした味付けの鶏つくねも、絶妙な旨味のマッチングを邪魔しません。

途中でPOPにしたがい、柔らかいローストトマトを、最初はそのまま食べます。
トマトの酸味が良い箸休め。

次に残ったローストトマトをつけ汁に入れ、麺と一緒に食べてみます。
ローストトマトは、鶏や醤油の旨味の強いつけ汁に入れても、独特の酸味は衰えません。
ローストトマト入りのつけ汁に麺をつけると、酸味が加わり、味変が楽しめます。

麺の上にのる金時草は、生の紫と茹でた緑の2種。
両者とも独特のぬめりがあって、オクラのネバネバ感に良く合います。

麺を食べ終えたあと、残った昆布水をつけ汁に全量入れ、スープ割り。
昆布水で割ったスープを飲み干して、完食。

つけ汁の底に柚子が忍ばせてあって、最後柚子の香りで終わります。

シンプルですが、随所に村山店主の独創性が光るつけ麺。
「らぁめん サンド」で昆布水つけ麺にはまった方は、是非「南部屋路ばた」の「鶏つけそば」をお試しください。

明日(26日)は「八幡平サーモンの冷やしラーメン」。
2日連続で「南部屋路ばた」に行くことになろうとは思いませんでした(苦笑)。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏つけそば」(2017年8月25日)

    限定麺「鶏つけそば」(2017年8月25日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鶏つけそば」(2017年8月25日)

    限定麺「鶏つけそば」(2017年8月25日)

  • 南部屋路ばた - 昆布水に浸った麺(2017年8月25日)

    昆布水に浸った麺(2017年8月25日)

  • 南部屋路ばた - 丸鶏100%のつけ汁(2017年8月25日)

    丸鶏100%のつけ汁(2017年8月25日)

  • 南部屋路ばた - たたきオクラを麺に絡ませる(2017年8月25日)

    たたきオクラを麺に絡ませる(2017年8月25日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁を昆布水でスープ割り(2017年8月25日)

    つけ汁を昆布水でスープ割り(2017年8月25日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏つけそば」のPOP(2017年8月25日)

    「鶏つけそば」のPOP(2017年8月25日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏つけそば」の食べ方(2017年8月25日)

    「鶏つけそば」の食べ方(2017年8月25日)

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2017/08訪問21回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
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  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

豆乳の甘さとスパイスの辛さが絶妙にミックスした冷やしカレーラーメン!

8月19日(土)

「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)が8月12日から提供している限定麺。
同日午前のテレビ情報番組で紹介。
当日は大変な混雑だったようです。

残念ながら、私は10日から17日まで東京の実家に帰省。
提供期間が残りわずかということを聞いていたので、昨日(19日)昼過ぎ、慌てて訪れました。

1日の提供杯数が20杯程なので気をもみましたが、12時50分の到着で、まだ残っていました。

○「冷やしカレーそば」(800円)+「追い飯」(80円)

相変わらず、ランチタイムの「南部屋路ばた」は大混雑。
調理に専念する村山店主と女性スタッフの3人体制。

食券を女性スタッフに渡した後、カウンター席に空席を見つけて着席。
POPを読みながら、到着を待ちます。

意外に早く運ばれた「冷やしカレーそば」。
ビジュアルからして、単純な冷やしカレーラーメンの域を超えた創作ラーメン。

カレースープの表面は2つのオイルで分割。
一方は赤いラー油。
もう一方は透明に近いバジルオイル。

カレーの黄色とラー油の赤色がコントラストを描くユニークな見た目。
糸唐辛子を頂上に、刻み玉ネギ、カイワレ、素揚げごぼう、ペッパーチキンなどの具がきれいに盛り付け。
これらの下に、夏野菜のラタトゥイユがたっぷり。

カレースープを飲むと、辛さよりもまろやかな甘味を感じます。
その通りで、スープは宗田鰹、うるめ節、さば節、昆布のダシに、八幡平市の「ふうせつ花」製の豆乳を加えています。
豆乳の旨さと甘さがスープの1つのキモ。

もう1つのキモがクミン、コリアンダー、カルダモン、ガラムマサラという4種のスパイス。

麺は、ゆきちから100%使用の平打ちの自家製麺。
まるで、パスタのような麺。
モチモチとした弾力のある麺が冷水でしめられ、適度なコシ。

素揚げこぼうのカリカリとした食感が良いアクセント。
皮付きの鶏モモ肉をブラックペッパーをまぶして焼いたペッパーチキン2枚は、もっと食べたくなるほどのおいしさ。

少し酸味のあるラタトゥイユは、サイコロ状の赤パプリカ、黄パプリカ、茄子、トマトなどを炒めたもの。

最初は豆乳の旨味や甘味が強いスープですが、ラー油と混ぜると、香ばしさが加わります。

食べず進むうち、最初は影の薄かったスパイスが次第に効き始め、カレーらしい辛さが増してきます。
このまろやかだが、スパイシーな味の組み立てこそ、村山店主のねらいでしょう。

麺と具を食べ終わると、カレースープが少し残ります。
そこで現金80円を渡して、「追い飯」を頼みます。

「追い飯」は白飯の上に味のついた豚挽き肉と粉チーズがのっています。
これで80円とは安すぎます。

追い飯をまぜご飯風にして少し食べた後、スープに投入。
カレーリゾットにして食べます。
さすがに満腹。

いままでの記述から、「くろ喜」(秋葉原)が毎年夏の限定として出している「冷やしカレーそば」との比較を試みるのも面白いでしょう。

平打ち麺やラー油、バジルオイル、鶏と野菜との組み合わせ、「追い飯」など、方向性には共通性がみられます。

もちろん、トマト果汁入りの麺、鶏を「ジャークチキン」、野菜をゴーヤのお浸し、ローストトマト、レンコン、パプリカのピクルス、「追い飯」を「専用キーマカレー飯」にする「くろ喜」は、さらに凝っています。
もっとも、それなりに値がはりますが(「くろ喜」の冷やしカレーそばは、1100円)。

「南部屋路ばた」は、何といっても、豆乳をスープの柱に使っているのが特徴的。
そういえば、「くろ喜」「南部屋路ばた」の冷やしカレーそばは、いずれもスープはアニマルオフですね。
「くろ喜」のフライドポテトに相当するのが、「南部屋路ばた」の素揚げごぼうかな?

盛岡にいながらにして、「くろ喜」に匹敵する創作冷やしカレーラーメンを食べることができるのは魅力的。

惜しいのは、提供が明日(8月21日)までということ。

  • 南部屋路ばた - 「冷やしカレーそば」(2017年8月19日)

    「冷やしカレーそば」(2017年8月19日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やしカレーそば」(2017年8月19日)

    「冷やしカレーそば」(2017年8月19日)

  • 南部屋路ばた - 「追い飯」(2017年8月19日)

    「追い飯」(2017年8月19日)

  • 南部屋路ばた - 残ったカレースープに、追い飯を投入(2017年8月19日)

    残ったカレースープに、追い飯を投入(2017年8月19日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やしカレーそば」の説明書き(2017年8月19日)

    「冷やしカレーそば」の説明書き(2017年8月19日)

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2017/08訪問20回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

鶏と魚介、塩と薄口醤油が絶妙にクロスオーバーする冷やしワンタン麺!

8月7日(月)

今朝(7日)、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の村山店主のFacebookをチェック。
すると、昨日(6日)から新しい限定麺が始まっていたのですね。
しかも、限定麺としては、今年初めての冷やしラーメン。
これは行かねばならない。

という訳で、13時頃、「南部屋路ばた」を訪ねました。
限定麺は「冷やしワンタンそば」(800円)。
券売機で限定麺の食券を購入。
いつものベテラン女性スタッフの代わりに、若い女性アルバイトがホール担当。
村山店主との2人体制。
まだ十分慣れていないのか、村山店主も調理や応対など大変。

○限定麺「冷やしワンタンそば」(800円)

カウンターに座って5~6分ほどで、村山店主が限定麺を運んでくれます。

鶏ダシと昆布、鰹節、マグロ節をブレンドしたスープ。
これに塩ダレ2対薄口醤油ダレ1の割合で調合したカエシを合わせています。
基本的には冷やし塩ラーメンの範疇ですが、生薄口醤油を加えているところがミソ。

スープの色は、同店の塩ラーメンや塩の冷やしと同様、やや茶色がかった透明感のあるもの。
これに岩手県産小麦「ゆきちから」を使い、ふすまを練りこんだ切り刃20番の中加水(加水率35%)中細ストレート麺がきれいに盛り付けられています。

具は大ぶりのワンタン3個、大葉のナムル、ツルムラサキのおひたし、玉ネギのみじん切り、青柚子の輪切りなど。

スープの表面には、鶏そばよりも少ないものの、鶏油が浮かびオイリー。
レンゲでスープをすくうと、最初はトロッとした感触。
まずは鶏油の影響もあり鶏の旨味が先行しますが、すぐに節系や昆布などの旨味が鶏の旨味に合流。
昆布や節系の旨味の方がやや強いですが、かといって鶏を凌駕して全部を支配するほどでもないという絶妙な調合。
やや遅れて、薄口醤油の甘味が到来!
塩分濃度はそれほど高くなく、基本的には塩の冷やしながら、薄口醤油がコクと自然な甘味を加味。

鶏ダシと魚介系ダシ、そして塩ダレと薄口醤油ダレが絶妙にクロスオーバーした冷やしラーメン。

中加水の中細ストレートの麺は、「煮干しそば」「鶏そば」で使っている自家製麺。
冷水でしめた麺は瑞々しく、コシもぐんと増加。
小麦の香り高い麺を食べると、打ちたての日本そばのもりそばを啜っているかのよう。

具の中心は、何といってもワンタン3個。
皮が大ぶり。
まず餡を食べる前に皮を先にいただくと、ツルツルの食感が冷えたスープに実に良く合います。
次に餡を口に含むと、鶏ひき肉に紀州南高梅果肉の甘酸っぱさ、大葉の香りがミックスされ、冷やしスープの淡麗な旨味と良くマッチ。
この上品なワンタンが3個もトッピングされているのですから、お得感満点。

ツルムラサキのおひたしは、独特のシャキシャキとした食感。
みょうがのナムルと玉ネギのみじん切り、青柚子輪切りは、いずれも冷やしラーメンの涼味をアップさせています。

今回の限定麺「冷やしワンタンそば」は今週金曜(祝日)(11日)までの提供。
限定麺としては異例の短い提供期間。

8月12日(土)午前、岩手めんこいテレビ(フジテレビ系列)の岩手限定情報番組「8っぴーサタデー」で「南部屋路ばた」が紹介されます。
そのときに次の限定麺が発表され、番組終了(12日昼)から、お盆休みを含め21日頃まで提供の予定(11日・金から16日・水までは休みなしで、11時から20時ラストオーダーまで営業。17日は休み)。

残念ながら10日から17日まで東京の実家に帰省してしまうので、上記番組を見ることはできませんが、盛岡に戻ってから新しい限定麺を食べに行くのが楽しみ!

その反面、現在の限定麺(「冷やしワンタンそば」)は完成度抜群ながら、提供が残り3日(水・木・金)しかないのが本当に惜しい。

アッサリ系の冷やしラーメン好き、ワンタン麺好きは訪れて損はないと保証します。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「冷やしワンタンそば」(2017年8月7日)

    限定麺「冷やしワンタンそば」(2017年8月7日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やしワンタンそば」(真上から撮影)(2017年8月7日)

    「冷やしワンタンそば」(真上から撮影)(2017年8月7日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やしワンタンそば」の説明書き(2017年8月7日)

    「冷やしワンタンそば」の説明書き(2017年8月7日)

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2017/08訪問19回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

「鶏そば(塩)」の冷やしとアツいラーメンを比較

8月2日(水)

今日は午前中、滝沢市役所で会議。
会議が終わったのが、ちょうど12時。
そこで、昼食は比較的近い「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)で。
滝沢市役所からタクシーを呼び、10分強で到着(タクシー代2260円)。

昼時だけあって、店内は大混雑。
カウンター席は満席。
少し待ち椅子で待機。

いま限定麺は、前回紹介したちぢみ小松菜を練り込んだ翡翠麺の冷やし坦々麺。
今日は未食の「鶏そば(塩)」の冷やしにチャレンジ。
余裕があれば、これも未食の「鶏そば(塩)」のアツいラーメンも食べ、両者を比較する魂胆。

○「鶏そば(塩)」(冷やし)(750円)

まず券売機左下の「煮干しそば、鶏そば」の食券を購入。
お馴染みベテラン女性スタッフに券を渡しながら、「鶏そば塩を冷やしで」とお願いします。

とにかく後からあとから切れ目なくお客が入店。
調理は村山店主1人でこなし、ホール担当はベテラン女性スタッフ1人。
2人で店を回しているのですから、大忙し。

少々待ったあと、「鶏そば(塩)」の冷やしを女性スタッフが運んでくれます。

表面に鶏油が浮く、オイリーな外観。
薄い琥珀色の澄んだスープ。
冷やし用の白金豚のモモ肉チャーシューの細切りがたっぷり。
千切りのきゅうりと白髪ネギ。
穂先メンマと味玉半分。

スープは以前食べた「鶏そば(醤油)」の冷やしと同様、鶏のゼラチン質(コラーゲン)が混じる粘度のあるもの。
ただし、プルプル感は醤油ほどではありません。
これはメニューによる違いというより、日による差かな?

冷たいスープは、丸鶏と水から抽出。
塩ダレは、ゲランドの塩をはじめ数種の塩に乾物を加えています。
もちろん、無加調、無添加。

スープは鶏の旨味以上に甘味が特徴。
塩分濃度はそれほど高くはありません。
プルっとしたコラーゲンたっぷりの冷たいスープは、さっぱりしていながら独特の甘味が口に残ります。

たしかに「鶏そば(醤油)」の冷やしでも甘味を感じました。
説明書きを見ると、醤油の場合、生醤油を含むと3種の醤油以外に、乾物、本みりん、純米酒、フルーツ酢をブレンド。
醤油に加え多様な食材がミックスしたタレが甘味につながると推測。

しかし、塩ダレには乾物は入っているものの、本みりん以下は入っていないはず?
それとも、塩ダレにもある程度、醤油ダレに使った食材が入っているのだろうか?

岩手産の小麦「ゆきちから」に南部小麦のふすまを練り込んだ自家製麺。
切り刃20番の中細ストレート麺は、加水率35%の中加水麺。
表面はざらっとしながら、ツルツルと啜れるソバのような喉ごしの良さと小麦の旨味を味わえる麺。
素朴なたたずまいの麺ですが、冷水でしめられ、コシが増加。
固め食感が心地良いですね。

脂肪の少ない白金豚のモモ肉チャーシューは、あっさりしつつも、肉の旨味がしっかり味わえます。

冷やし中華を思わせる千切りのきゅうりと白髪ネギが冷やしラーメンの涼味をアップ。

味玉は黄身がトロッとして、実に美味。
シャキシャキした食感の穂先メンマも良いアクセント。

丸鶏と水だけでスープをとった冷やしラーメンが少ないなか、自家製麺と合わせた冷やしを塩ダレで提供しているのは貴重。

ただし、プルプルしたスープと独特の甘味は、好みが分かれるかもしれません。

○「鶏そば(塩)」(750円)

「鶏そば(塩)」の冷やしの「甘味」が、果たしてラーメンではどのような出方をしているのか?

これを探るために、「鶏そば(塩)」のアツいラーメンバージョンを連食。
幸い店内はクーラーが効いていますので、アツアツのラーメンを食べても、汗がふき出すことはありません。

今度は村山店主自ら運んでくれた「鶏そば(塩)」。
冷やしと同様、薄い琥珀色だが塩ラーメンらしく透明感のあるスープに鶏油が浮くオイリーな見た目。

具はチャーシューが2種。
豚バラ肉チャーシューと鶏ムネ肉の低温調理チャーシュー。
白髪ネギもたっぷり。
穂先メンマは贅沢にも2本。
味玉半分のトッピングも嬉しいですね。

スープを飲むと、冷やし以上に鶏の旨味を感じます。
同時に冷やしで感じた甘味も漂います。
鶏の旨味と「自然な甘味」のミックスが、冷やしであろうとラーメンバージョンであろうと、「鶏そば(塩)」の特徴。

もっとも、鶏の旨味と甘味とバランスは、あくまでも私個人の感想と注釈をつけたうえで、やや違います。

冷やしでは甘味の方が鶏の旨味を上回っています。
これがアツアツの塩ラーメンとなると逆転。
あくまでも鶏の旨味がメインで、甘味はアクセント。

麺も両者とも同じですが、冷水でしめたかどうかが食感に大きく影響します。
ラーメンバージョンの麺は、冷やしに比べコシの強さは落ちますが、自家製麺そのものの旨さはこちらの方がやや上回っています。
茹で加減は少々柔らかめ。

豚バラ肉のチャーシューは、トロトロに煮込まれ、口のなかでとろけそう。
鶏のムネ肉低温調理チャーシューはら、しっとりしながらも、ややスパイシーな味付けを感じました。

以上、「鶏そば(塩)」の冷やしとラーメンバージョンを食べ比べてみました。
詳細は既述のとおり。
キモは、独特の甘味。
これが同店の「鶏そば(塩)」の個性ともいえます。
問題はその原因。
丸鶏そのものから抽出された旨味なのか、それとも醤油ダレにブレンドされる食材を塩ダレにも加えているのか。

どうしても気になって、調理に忙しい村山店主に確認。
店主によると、丸鶏から出た自然な甘味。
そして、冷やしの方が甘味を強く感じたのは、あくまでも食べ手の主観だろうとのこと。

そうかもしれません。
それにしても、多忙のなか声をかけて申し訳ない!
南部屋路ばたの「鶏そば(塩)」の冷熱の比較を試みましたが、私個人の感想ですので、是非後続の方チャレンジしてみてください。

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」冷やし(2017年8月2日)

    「鶏そば(塩)」冷やし(2017年8月2日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」冷やし(真上から)(2017年8月2日)

    「鶏そば(塩)」冷やし(真上から)(2017年8月2日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」(2017年8月2日)

    「鶏そば(塩)」(2017年8月2日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば(塩)」(真上から)(2017年8月2日)

    「鶏そば(塩)」(真上から)(2017年8月2日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」の説明書き(2017年8月2日)

    「鶏そば」の説明書き(2017年8月2日)

  • 南部屋路ばた - 券売機(鶏そば、煮干しそば、限定麺のボタン)(2017年8月2日)

    券売機(鶏そば、煮干しそば、限定麺のボタン)(2017年8月2日)

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2017/07訪問18回目

4.2

  • 料理・味4.3
  • サービス3.6
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

ちぢみ小松菜を練りこんだ「翡翠麺」が美しい冷やし坦々麺

7月27日(木)

本日(7月27日)から提供開始の「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺。

○「冷やし坦々麺-ちぢみ小松菜の翡翠麺-」(800円)。

主役は八幡平市のちぢみ小松菜を練りこんだ加水率43%、岩手県産小麦ゆきちから100%使用の平打ち手揉み麺。

昨年の7月初旬にも同じメニューを提供。
当時も同様の多加水の平打ち麺を使いました。
これもモチモチとした麺で、十分美味しかったのですが、村山店主はそれに満足していませんでした。

ピロピロした平打ち麺のままでは、スープの持ち上げが良くないと判断。
スープとの絡みを良くするために、今年は平打ち麺を手揉み。

それだけではありません。
平打ち麺ですが、昨年よりもあえて麺をやや細めにカットしています。

到着した冷やし坦々麺。
自家製の芝麻醤とラー油をミックスしたスープ。
そこにグリーンの翡翠麺が盛りつけられています。
ラー油の赤と翡翠麺の緑とのコントラストが食欲をそそります。

具は、小松菜の茎と鶏ミンチのトマト煮。
その他、細切りのネギ、味玉半分、糸唐辛子。
麺鉢の内側に、京桜味噌に鰹節を合わせたこげ茶色の味噌を味変用に添加。

レンゲでスープから飲み始めると、ラー油の浮くビジュアルから想像される辛さよりも、芝麻醤のゴマペーストが良く効いた心地よい甘味が広がります。

鶏ミンチのトマト煮を少しずつスープに入れると、今度は酸味が加味。
ラー油の辛さと芝麻醤の甘味、そしてトマトの酸味がブレンドされた冷たいスープは絶妙。
これにトッピングの味噌を入れると、スープのコクがさらに増します。
小松菜の茎のしゃきしゃきとした食感も新鮮!

翡翠麺といえば、ほうれん草を練りこむのが一般的ですが、昨年に続き八幡平市産のちぢみ小松菜を使用。
昨年よりも細めに打ち、手でしっかり揉んだ平打ち手揉み麺は、色が涼しげなのはもちろんのこと、麺が昨年よりも引き締まっています。
モチモチ食感を残しながらも、コシが増加。
課題だったスープとの絡みも改善されています。
麺量は170gと、十分な食べ応え。

見た目も味も素晴らしい無化調、無添加、自家製麺のオリジナル冷やし坦々麺。
8月10日頃まで提供される予定です。

  • 南部屋路ばた - 「冷やし坦々麺-ちぢみ小松菜の翡翠麺-」(2017年7月27日)

    「冷やし坦々麺-ちぢみ小松菜の翡翠麺-」(2017年7月27日)

  • 南部屋路ばた - 真上から見た「冷やし坦々麺」(2017年7月27日)

    真上から見た「冷やし坦々麺」(2017年7月27日)

  • 南部屋路ばた - 平打ち手揉みの翡翠麺(2017年7月27日)

    平打ち手揉みの翡翠麺(2017年7月27日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やし坦々麺」のPOP(2017年7月27日)

    「冷やし坦々麺」のPOP(2017年7月27日)

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2017/07訪問17回目

4.2

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

加水率の異なる麺二種を食べ比べる「中華ザル」!

7月12日(水)

一昨日(7月10日)、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)に行ったとき、明後日(12日)から始まる次の限定麺を、小麦ヌーヴォー(新小麦)で打った麺の中華ザルにしたいとの情報を入手。

そこで勇んで中1日で本日行ってきました。

ところが・・・
岩手の新小麦の取引は始まったばかりで、まだ店に届いていない模様。
そこで新小麦ではなく、昨年収穫の小麦から加水率の違う麺を打って、その風味や食感の違いを味わうメニューになったようです。
私も「新小麦メニュー」のフライング情報を流してしまい、この場を借りてお詫びいたします。

○限定麺「小麦もりそばと茄子のはさみ揚」(800円)

中華ザルといっても、そこに実験精神が込められているのはさすが村山店主。

今回は、ふすまを練り込んだ切り刃20番の中細ストレート麺を、あえて加水率32%の低加水と加水率40%の多加水の二種類打っています。
両者は、粉の配合(岩手産ゆきちからがメイン)、茹で時間などは全く同じ。
違うのは加水率だけです。

ザルの上の右側が多加水麺、左側が低加水麺。
いずれも麺量は100gで、計200g。
今回にかぎり、120円のプラスで大盛りに出来ます。

麺に練りこんだふすまが斑点をつくる瑞々しい麺は、一見しただけでは区別がつきにくいですね。
あえていえば、瑞々しさの度合いが、多加水麺の方が気持ち高いかなという程度。
そばつゆは当初、鰹節と醤油、三河みりん、それにザラメを合わせて和風に仕上げる予定。
ところが、三河みりんの入荷が遅れたので、提供初日の本日は、急きょ「煮干しそば」や「鶏そば」のタレをベースに仕上げたといいます。

麺二種とそばつゆ以外は、大皿に盛られた天ぷら二種と小皿の自然薯。
ラグビーボールのような形をしたしたミニトマトの天ぷら2つ。
挽き肉と納豆を茄子ではさんで揚げた天ぷらも2つ。
それに、自然薯のすりおろしが小皿で加わります。
なかなか豪華な布陣。
これをみれば、小麦ヌーヴォーを逃した気分も吹き飛びます。

最初に加水率の違う麺二種をつゆにつけずに比較。
多加水麺は何よりもしなやかでしっとり。
コシも適度にあり、ツルツルとした食感も好感が持てます。
対する低加水麺は麺のコシがさらに強くなります。
麺もしなやかというよりも、しっかりとした茹で上がり。
かといっていわゆるパツパツ食感の麺ではありません。
と同時に麦の香りをより強く感じるのは低加水麺の方。

私見では、中華ザルやもりそばには、しっとりした瑞々しい多加水麺の方が合っていると感じました。
ところが、村山店主は低加水麺の方が麦の香りと旨味が強く出て好みとのこと。
本当に人により好みが違うもの。
それにしても、小麦ヌーヴォーは残念でしたが、こうしたマニアックな比較を織り込んだ中華ザル(もりそば)の食べ方はなかなか斬新。

そばつゆも、三河みりんが届かなかったため、ラーメンのタレを転用したとは思えないほどの本格派の和風味。
三河みりんが到着し、鰹節、醤油、みりん、ザラメの完全版でつゆをつくれば、さらにつゆの味がアップするでしょう。

天ぷらは、さっぱりしたもりそばやそばつゆに適度のアクセントをつけています。
ナッツ型のミニトマトの天ぷらは、トマトの酸味と甘味をそのまま封印。
口の中にさわやかな酸味と甘味がジュワーッと広がります。

面白いのが、挽き肉と納豆をはさんだ茄子の天ぷら。
たしかに茄子は夏野菜の代表選手。
その意味では季節の限定麺に盛り込むのは当然の食材。
ただ茄子を揚げるだけでなく、そこに納豆と挽き肉を挟み込み、今回の限定麺中もっとも濃厚な味に仕上げているのも、全体の味のバランスを計算した結果の賜物。

天ぷらをそばつゆにつけて食べた後、今度は自然薯のすりおろしを残ったそばつゆに投入。
しっかりかき混ぜた後に、ザルに残った麺を入れ、そば、そばつゆともに完食。
半ライス(110円)を頼み、残ったそばつゆを自然薯すりおろしに少し入れ、半ライスにかけるという食べ方もできます。

食後、村山店主に本日のメニューのうんちくを聞きながら、しばし雑談。
未食の「冷やし鶏そば(塩)」について、できるかどうか念のために確認。
店主の「できますよ」との回答を受け、来週前半に実食に伺う予定。
コラーゲンたっぷりの冷たい鶏のスープが、塩ダレとどう合わさるか楽しみ。

もりそば合計200gでは、ちょっと少ないかなと最初は懸念。
大盛りを頼むべきだったと後悔していましたが、麺を全部食べ終え、天ぷらや自然薯のすりおろしなどを完食すると、相当なボリュームでお腹一杯。
大盛りを頼まなくて良かったと胸をなでおろしました。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「小麦もりそばと茄子のはさみ揚」(1)(2017年7月12日)

    限定麺「小麦もりそばと茄子のはさみ揚」(1)(2017年7月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「小麦もりそばと茄子のはさみ揚(2)(2017年7月12日)

    限定麺「小麦もりそばと茄子のはさみ揚(2)(2017年7月12日)

  • 南部屋路ばた - 左が低加水麺、右が多加水麺(2017年7月12日)

    左が低加水麺、右が多加水麺(2017年7月12日)

  • 南部屋路ばた - 「茄子のはさみ揚」(上)と「ナッツトマトの天ぷら」(下)(2017年7月12日)

    「茄子のはさみ揚」(上)と「ナッツトマトの天ぷら」(下)(2017年7月12日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺のPOP(2017年7月12日)

    限定麺のPOP(2017年7月12日)

  • 南部屋路ばた - 「小麦もりそば」の食べ方(2017年7月12日)

    「小麦もりそば」の食べ方(2017年7月12日)

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2017/07訪問16回目

4.2

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

さっぱりとした「冷やし煮干しそば」とコラーゲンたっぷりの「冷やし鶏そば」!

7月10日(月)

今日の盛岡は、最高気温がとうとう35℃まで上昇したらしい。
そうなると、今年初の猛暑日か?
30℃以上の猛暑は、これからしばらく続く模様。

ラオタだが、暑さにはからっきし弱い私は、この時期、冷やしラーメンを中心に中華ザル、冷やし中華、つけ麺、まぜそばなどをもっぱら食べています。

今日は猛暑の中、盛岡市上太田の「南部屋路ばた」へ。
いつもは「限定麺」を注文するのですが、本日は違います。
頼むのは、自家製麺とこだわりのスープ、タレ(無化調・無添加)を使った「煮干しそば」「鶏そば」の冷やしバージョン。

○「冷やし煮干しそば(醤油)」(750円)

13時30分頃到着。
さすがに暑さで客足がにぶったかと思いきや、私の着席後に続々とお客さんが来店。
まずは、券売機左下の「鶏そば・煮干しそば」の食券2枚を購入(合計1,500円)。

ベテラン女性スタッフに、食券を渡し、両方とも冷やしでお願いするとともに、まず「煮干しそば」を先に出してくれるよう頼みます。

カウンターに座ると、カウンターの上から村山店主が顔を出し、「冷やし鶏そば」はスープにとろみがありますけどいいですかと尋ねます。
最低でも2週間に一度は必ず顔を出す「南部屋路ばた」だけど、最近では「限定麺」ばかりに目が行き、「冷やし煮干しそば」は塩味しか食べたことがありません。
醤油の冷やしは未食。
「冷やし鶏そば」にいたっては、醤油、塩とも未食。

そこで、「トロみもOK。煮干し、鶏とも醤油で」とお願いします。

すると、すぐに「冷やし煮干しそば(醤油)」が登場。

見た目からして、清涼感たっぷり。
琥珀色の澄んだスープには煮干し油が浮き、表面はややオイリー。
冷やし専用の白金豚モモ肉チャーシューの細切りが中央に盛りつけられています。
脂身の少ないモモ肉は、冷やしにぴったり。
その上に、千切りのきゅうりと白髪ネギもたっぷり。
きゅうり千切りと細切りの豚モモ肉チャーシューとの組み合わせは、冷やし中華の具を思い起こさせますね。
穂先メンマも入っています。

スープを口に含むと、煮干し油と煮干しスープ、そして醤油ダレが口中で混ざり合います。
煮干しのエグみなどの雑味は感じられず、旨味のみが口の中に広がります。
冷やしスープなので、さっぱりとした旨味が印象的。
といって、決して煮干し味が弱いというわけではありません。
スープの最後の一滴までしっかり煮干しが効いています。

淡麗系煮干しそばの冷やしとしては、むしろ煮干し風味がきちんと出ている方でしょう。
しかし、それがさっぱりとした涼味と両立して、ちゃんと「冷やし煮干し」というジャンルを形成しているところが凄い。
醤油のカエシも煮干し味をうまく包み込んでいます。
ただし、先日食べた「冷やし煮干しそば(塩)」に比べると、醤油が効いている分、煮干しの出方はやや大人しめになります。

ふすま(小麦の表皮)をたっぷり練りこんだ中細ストレートの自家製麺(岩手県産小麦「ゆきちから」をメインで使用)は、「ふすま」の斑点が目立つ少しざらついた食感。
もともとコシのある麺ですが、冷水でしめることで、さらにコシが強化。
歯応え抜群の麺に。
固めの麺が好きな方には堪えられないでしょう。

脂身少ない白金豚のモモ肉細切りチャーシューは、あっさりとした味。
ただし、豚肉の旨味もちゃんと感じられる出来。
穂先メンマの味つけは以前にくらべ薄くなりましたが、この位が冷やしとしては適当。
きゅうりと白髭ネギのシャキシャキ感が、冷たいスープとともに清涼感を演出。

「冷やし煮干しそば(醤油)」はさっぱりとした中にも、煮干しの旨味と醤油の香りがしっかりと感じられます。
自家製麺の歯応えも相まって、誰にでもオススメできる一杯になっています。

○「冷やし鶏そば(醤油)」(750円)

「冷やし煮干そば(醤油)」のスープを最後の一滴まで飲み干すと、「冷やし鶏そば(醤油)」が到着。
同じく琥珀色の澄んだ醤油スープで、具も同じ。
ですが、こちらの方が心持ち琥珀色が濃いような気がします。
表面の油は鶏油でしょう。

レンゲでスープをすくうと、たしかにトロみがあります。
これが「冷やし煮干しそば(醤油)」とまず違うところ。

スープを口に含むと、最初に鶏の旨味が充満しますが、その後はトロみの中に鶏油、醤油ダレ、本ミリン、フルーツ酢などが複雑に絡み合った「甘さ」が、鶏の旨味と重なります。

「トロみ」の正体は、丸鶏から抽出した「ゼラチン質」、つまり「コラーゲン」です。
「コラーゲン」と複合的な食材が生み出した「甘味」こそ、「冷やし鶏そば(醤油)」の特徴です。
これは通常の熱い「鶏そば(醤油)」とも違った味。

同じ冷やしラーメンでも、煮干し(醤油)は「さっぱり」。
鶏(醤油)はむしろ「こってり」という対照的な印象。

同じ「鶏そば」でありながら、熱いラーメンでは鶏の旨味と生醤油の香りの相乗というオーソドックスな味付け。
しかし、冷やしではコラーゲンたっぷりのスープに甘味を活かすという大胆な味の差別化。

そうなると、「冷やし鶏そば(塩)」はどんな味になるのかな?
次回、この「冷やし鶏そば(塩)」を試そうと思ったら、早くも今週の水曜(7月12日)から次の限定麺が始まるとのこと。
今回は、獲れたての小麦ヌーヴォーで打った麺を「中華ザル風」に食べるというもの。
新小麦の香りと味を満喫できるメニューですね。

では、次回は小麦ヌーヴォーと「冷やし鶏そば(塩)」の連食にチャレンジしようかな?

  • 南部屋路ばた - 「冷やし煮干しそば」(1)(2017年7月10日)

    「冷やし煮干しそば」(1)(2017年7月10日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やし煮干しそば」(2)(2017年7月10日)

    「冷やし煮干しそば」(2)(2017年7月10日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やし鶏そば」(1)(2017年7月10日)

    「冷やし鶏そば」(1)(2017年7月10日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やし鶏そば」(2)(2017年7月10日)

    「冷やし鶏そば」(2)(2017年7月10日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏そば」と「煮干しそば」のPOP(2017年7月10日)

    「鶏そば」と「煮干しそば」のPOP(2017年7月10日)

  • 南部屋路ばた - 券売機の左下が「鶏そば」「煮干しそば」。その右が「限定麺」のボタン(2017年7月10日)

    券売機の左下が「鶏そば」「煮干しそば」。その右が「限定麺」のボタン(2017年7月10日)

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2017/07訪問15回目

4.2

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

オマール海老の素材の味を活かした「和えそば」

7月3日(月)

6月30日より、南部屋路ばた(盛岡市上太田)の限定麺は、「オマール海老の和えそば」(800円)。

オマール海老を使ったまぜそばといえば、「らーめん五ノ神製作所」(大久保)の「海老油そば」が有名。
私も、「オマール海老」と聞いて、五ノ神並みの濃厚な海老味を期待して、提供4日目の7月3日午後、南部屋路ばたに行ってきました。

店到着は13時30分。
昼のピークを過ぎた時間ですが、後からあとから客が来店。
村山店主とベテランの女性スタッフは大忙し。

まずは券売機で「限定麺」800円の食券と「追い飯セット」(追い飯+スープ付き)(大盛食券120円で兼用)の食券を購入。

後からカウンター席に座った2人も、いずれも限定麺と追い飯セットを注文していたのにはびっくり。
やはり限定麺の人気がじわじわと浸透してきたのですね。

○限定麺「オマール海老の和えそば」(800円)+追い飯セット(追い飯+スープ)(120円)

まもなく村山店主自ら「限定麺」と「追い飯セット」を運んでくれます。

まず限定麺「オマール海老の和えそば」から。
大きなお盆に丼や小皿が4つ。
大きな黒皿に入っているのが「オマール海老和えそば」。

底にオマール海老100%のスープに塩ダレ、オマールオイルを合わせたアニマルオフの海老ダレ。
無化調・無添加です。

その上に、ふすまを通常の10倍練りこんだ平打ち麺が盛りつけられています。
麺の上には、夏野菜のトマトやズッキーニ。
そのほか、レタスや豚挽き肉など具がたっぷり。
皿の端に乗ったレンゲには、緑鮮やかな旬のバジルを使ったジェノベーゼソース。

次に追い飯セット(追い飯+スープ)。
追い飯には、粉チーズとカレー粉がまぶしてあります。
そして、煮干しから抽出したあっさりスープ。
昆布やシイタケなどもブレンドしています。
スープの具は、細くカットしたネギとキクラゲ。
あと空の小皿。

カウンターの上に、「オマール海老の和えそば」の食べ方というPOPがセットしてあります。
その指示どおりに食べることにします。

まず、最初からレンゲのジェノベーゼソースを麺に混ぜてはいけないとの指示。
そこで、ジェノベーゼソースが乗ったレンゲを、空の小皿に移します。
次に指示のとおり、全体を良く混ぜて食べることとします。
ここで不用意に食べると、タレや具が衣服に飛び跳ねるので要注意。

良く混ぜたあと、いよいよ麺から実食。
前回の限定麺「ローストトマトと新生姜の鶏煮干つけそば」と同じ、ふすまを10倍含む中太の平打ち麺。
ツルツルとした食感ながら、コシもあり、喉越しも良いという絶妙な自家製麺。
小麦の香り豊かな麺です。

タレはオマールオイルが効いて、少々オイリー。
濃厚な海老味を予想していましたが、これが意外に優しい旨味とほのかな甘味。
もちろん、海老の風味はしっかり感じられますが、割合おとなしい感じ。

スープは、先に書いたように煮干しでダシをとったあっさりした味。
オイリーな海老ダレの和えそばと淡麗な煮干しスープが良く合います。

ズッキーニやトマトなどの夏野菜やレタス、挽き肉などの味や食感なども楽しみながら、優しいオマール海老風味のタレで平打ち麺を食べると、どんどん箸が進みます。
オマール海老の旨味や甘味を感じるものの、それが濃厚というわけではありませんので、濃い海老ラーメンは苦手という向きでも、抵抗なく食べることができます。

半分ほど麺を食べたら、別皿に移したレンゲに乗ったバジルのジェノベーゼソースをまぜそばに全量投入。
良く混ぜてから食べてみます。

ジェノベーゼソースを入れると、せっかくの海老風味がバジル味に一変という懸念をもっていましたが、良い意味で予想が外れました。
ジェノベーゼソースを加えることで、爽やかで香り高いバジル味がタレのオイリーさを抑え、あっさりさせたうえ、中核となるオマール海老の風味はきちんと維持されています。
むしろ、バジル風味が海老風味に重なることで、ベースに海老味がありながら、バジルの爽やかさが乗るといういい意味での「味変」を実現。

麺を食べ終えたあとは、いよいよ残ったタレに追い飯を投入。
負い飯のチーズ味、カレー味とタレの海老味、バジル味が渾然一体となったご飯を、スープを飲みながら完食。

食後村山店主に「もっとオマール海老の旨味がガツンと来るかと思いました」と持ちかけると、「濃厚に仕上げたら、せっかくのオマール海老がもったいない」との意外な答え。

「オマール海老」そのものの味はあっさりしており、その中に独特の甘味があると説明。
このオマールの「甘味」が感じられるようにスープをオマール100%。
タレも塩を使っています。
上記の調理方法は、オマール海老や伊勢海老を動物系と合わせ、ラードで炊き込み濃厚なスープをつくる「らーめん五ノ神製作所」と対照的。
どちらも美味しいのですが・・・

やはり聞いてみるものですね。
オマール海老=濃厚海老スープという私の思い込みを反省させられた今回の「限定麺」でした。

  • 南部屋路ばた - 「オマール海老の和えそば」(2017年7月3日)

    「オマール海老の和えそば」(2017年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 真上から見た「オマール海老の和えそば」(2017年7月3日)

    真上から見た「オマール海老の和えそば」(2017年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 「和えそば」(2017年7月3日)

    「和えそば」(2017年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 「負い飯セット」のスープ(2017年7月3日

    「負い飯セット」のスープ(2017年7月3日

  • 南部屋路ばた - 「追い飯」(2017年7月3日)

    「追い飯」(2017年7月3日)

  • 南部屋路ばた - ジェノベーゼソース以外の麺、具、タレをまぜる(2017年7月3日)

    ジェノベーゼソース以外の麺、具、タレをまぜる(2017年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 半分ぐらい食べたら、バジルのジェノベーゼソースを投入して、味変(2017年7月3日)

    半分ぐらい食べたら、バジルのジェノベーゼソースを投入して、味変(2017年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 麺を食べ終えたら、「追い飯」を残ったタレに投入(2017年7月3日)

    麺を食べ終えたら、「追い飯」を残ったタレに投入(2017年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 「オマール海老の和えそば」のPOP(2017年7月3日)

    「オマール海老の和えそば」のPOP(2017年7月3日)

  • 南部屋路ばた - 「追い飯セット」は「麺大盛」ボタンを押す(2017年7月3日)

    「追い飯セット」は「麺大盛」ボタンを押す(2017年7月3日)

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2017/06訪問14回目

4.2

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

ローストトマト付きの濃厚煮干しつけ麺!

6月17日(土)

待った甲斐がありました。
6月15日から提供の始まった「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺。

前回の限定麺が5月26日からだったので、この間約3週間。
通常2週間のサイクルで入れ替わる限定麺。
そのため、3週間が随分長く感じまられました。

今回は、あっさりした塩ラーメンの前回とは対照的に、濃厚なつけ麺。
もちろん、無添加、無化調、自家製麺。
単なる濃厚つけ麺に終わらず、いろいろな趣向が凝らしているのが村山店主らしいですね。

○ローストトマトと新生姜の鶏白湯にぼつけそば(800円)

提供3日目の本日昼に訪れました。
相変わらずの村山店主とベテラン女性スタッフの2人体制。
調理はすべて村山店主が担当。

到着した新しい限定麺。
麺が盛られた大皿とつけ汁の入った小丼、そして小皿にはすりおろし生姜がのっています。

まず目を引くのが麺。
色の濃い平打ち麺には、いつもより10倍もの小麦のふすま(表皮)が練り込まれています。
そのため、麺の表面はまだら模様。
ここまで、大量のふすまの入った中華麺を、私は見たことがありません。

大皿には、麺以外に生ハムのような厚めで大判の肩ロース肉チャーシュー2枚が二つ折りで盛り付け。
さらに、ローストトマトに加え、縦半分に切り開かれ、丸い実が並ぶスナップエンドウ2つがトッピング。

ピンクのチャーシューと赤いローストトマト、そして緑のスナップエンドウと、彩りも鮮やか。

つけ汁は、クリーミーな鶏白湯スープに、店主自ら一尾ずつ頭と腹をとってつぶした煮干し粉末を炊き込んだ濃厚な煮干し味。
茶濁したドロドロのスープに、定番の刻み玉ネギが浮かんでいます。

まず麺をそのまま食べてみます。
表面こそ少々ザラついていますが、見た目のまだら模様とは異なり、食べるとツルツルした食感。
コシも十分な上、小麦の香りが強い絶妙な麺。

つけ汁につけずに、麺だけ食べても、十分美味しくいただけます。
むしろ、これだけ風味があるのに、濃厚な煮干し味のつけ汁に入れるのがもったいないほど。

でも逆に言えば、風味豊かでコシの強い麺に対抗?するには、これぐらいの濃厚なつけ汁が必要なのかもしれません。

つけ汁は見た目どおりの強烈な煮干し味。
ただし、雑味は取り除かれ、煮干しの旨味がクリーミーな鶏白湯スープとうまくコラボ。

これだけ濃厚な煮干し味なら、さぞや大量な煮干しを使っていると思い、店主に確認。
ところが村山氏曰く「一杯当たり使用する煮干しは20g未満」

村山店主は、一杯当たりの煮干しの使用量を競う最近の傾向に対するアンチテーゼとして、今回のメニューをつくったといいます。
化学調味料不使用で、一杯当たり20g未満の煮干しでも、これだけ濃厚な煮干し味が出せるのには、本当に驚かされました。

小麦の風味豊かな平打ち麺を、ドロッとした濃厚煮干しのつけ汁につけると、予想以上の旨さ。
これだけで十分という気もしますが、まずチャーシューに手をつけます。
生ハム感満点で、塩味のみの淡白なチャーシューは、肉の旨味をそのまま封じ込めたかのよう。

そしてローストトマト。
説明書きでは、そのまま食べてもよし、くずしてつけ汁に入れてもよしとあります。

しかし、敢えて焼くことで、トマトの酸味を残しながら旨味と甘味が増したローストトマトを、煮干しスープに入れてしまうのはもったいない。
そこで、箸で掴もうとすると崩れてしまうほど柔らかいローストトマトを、慎重に半分まではそのまま食べます。

すると、トマトの酸味と旨味が口内に広がります。
濃厚な煮干しつけ麺を食べる中での絶好な箸休め。

次いで、残り半分のローストトマトをくずしてつけ汁に投入。
すると、煮干しスープに酸味が加わり、これが最初の味変。

さらに、とれたての生姜のすりおろしに麺を絡ませ、つけ汁に入れると、再度の味変。
濃厚な煮干し味が、一気にさっぱりとした味に変化。

麺を食べ終える頃、店主が割りスープの入ったポットをもってきてくれます。
鶏ガラと白金豚の豚骨からとった熱々のあっさりスープをつけ汁に投入。
3度目の味変を楽しみながら、スープを飲み干します。

おっと、旬の食材であるスナップエンドウを忘れていました。
これも、単なる彩りを加える以上の箸休めとして立派に機能。

一見ミスマッチのような麺と具とつけ汁が、店主の緻密な計算のもと、しっかりと噛み合い、比類のないつけ麺に仕上がっています。

それにしても、村山店主の創作意欲は本当に無尽蔵。
早くも、次の限定麺が楽しみでなりません。

  • 南部屋路ばた - ローストトマトと新生姜の鶏白湯にぼつけそば(2017年6月17日)

    ローストトマトと新生姜の鶏白湯にぼつけそば(2017年6月17日)

  • 南部屋路ばた - 麺とチャーシュー、ローストトマト、スナップエンドウ(2017年6月17日)

    麺とチャーシュー、ローストトマト、スナップエンドウ(2017年6月17日)

  • 南部屋路ばた - 鶏白湯濃厚煮干しのつけ汁(2017年6月17日)

    鶏白湯濃厚煮干しのつけ汁(2017年6月17日)

  • 南部屋路ばた - 新生姜のすりおろし(2017年6月17日)

    新生姜のすりおろし(2017年6月17日)

  • 南部屋路ばた - 具のローストトマト(2017年6月17日)

    具のローストトマト(2017年6月17日)

  • 南部屋路ばた - 割りスープの入ったポット(2017年6月17日)

    割りスープの入ったポット(2017年6月17日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁をスープ割り(2017年6月17日)

    つけ汁をスープ割り(2017年6月17日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺「ローストトマトと新生姜の鶏白湯にぼつけそば」の説明書き(2017年6月17日)

    限定麺「ローストトマトと新生姜の鶏白湯にぼつけそば」の説明書き(2017年6月17日)

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2017/05訪問13回目

4.2

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

上品な節の効いた絶品塩ラーメン

5月27日(土)

5月26日から「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺がスタート。
提供2日目の27日午後、早速行ってきました。

○限定麺「昆布と節の塩そば」(800円)

前回の汁なし担々麺から一転。
昆布と2種の節でダシをとり、自家製麺を合わせたシンプルなかけの塩ラーメン。
チャーシューをはじめ具は別皿。
シンプルなかけだけに、ごまかしはききません。

塩スープは、写真では茶色っぽく写っていますが、実物はもっと淡く澄んだ色。

運ばれた瞬間から、節の良い香りが漂います。
岩手産の昆布に、血合いを抜いたマグロ節と鰹節を合わせたダシ。
見た目の淡白さからは想像できないほど節が効いています。
鰹節の香りが勝っていますが、マグロ節の上品さと昆布の旨味が重なり、深みとコクのある風味。

ゆきちから、南部小麦など国内産の3種の小麦をブレンドした自家製麺。
同店の自家製麺は田舎そばのような素朴な食感を押し出していますが、今回の麺は少し違います。
赤かん水を使い打った麺は、切り刃22番の平打ち気味の加水率40%の細ストレート。
赤かん水がうまく効いたしなやかで、ツルツルした麺。

まず、美しい麺線が目を引きます。
スープと麺だけで、ネギも入っていないかけの塩ラーメン。
ごまかしのきかないスープと麺の実力が問われます。
しかも、無化調。
そんなことを感じさせない節の旨さと平打ち気味でスープを良く持ち上げる麺の組み合わせはパーフェクト。

ここまでの完成度なら具は不要。
とはいうものの、別皿で具がちゃんとついてきますので、安心してください。

別皿には、ネギと肩ロース肉のレアチャーシュー2枚、旬の細竹(姫竹、根曲がり竹)2本、そしてだし巻き玉子が入っています。
このなかで、塩ラーメンに入れても良いのはネギだけ。
チャーシュー他は、そのまま食べることをオススメします。

レアチャーシューは、まるで上質のロースハムのような見た目と味。
しゃきしゃきとした食感で、淡白な味の姫竹も、箸休めに絶好。
あっさりした塩ラーメンと具のなか、やや甘めの味ながら、しっかりとした味付けのだし巻き玉子が良いアクセント。

まるで和食のセットメニューのようなかけの塩ラーメンと別皿の具。
旬の味を楽しみながら、節と昆布ダシの旨味をストレートに堪能できるメニューです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「昆布と節の塩そば」(2017年5月27日)

    限定麺「昆布と節の塩そば」(2017年5月27日)

  • 南部屋路ばた - 塩のかけラーメン(2017年5月27日)

    塩のかけラーメン(2017年5月27日)

  • 南部屋路ばた - 別皿の具(2017年5月27日)

    別皿の具(2017年5月27日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2017年5月27日)

    限定麺の説明書き(2017年5月27日)

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2017/05訪問12回目

4.2

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

冷やしラーメン始まりました!

5月21日(日)

昨日(20日)、秋田に遠征?したこともあり、本日は自宅で休養の予定でした。
ところが、南部家路ばた(盛岡市上太田)の村山店主のFacebookを見たら、出掛けないわけには行かなくなりました。
なぜなら、5月20日(土)から冷やしラーメンが始まったんですから。

「暑いので冷やしました」
これが村山店主の最初の言葉。
同店の無化調、無添加、自家製麺の「煮干しそば」「鶏そば」について、注文時に「冷やしで!」と伝えれば、冷やしバージョンをつくってくれるのです。

ちょうど、マイレビ様の投稿で、「麺処 晴」「陽はまたのぼる」でも、冷やし煮干そばの提供が始まったことを知ったばかり。
とくに、両店の冷やしの塩が実に美味しそう。
「南部屋路ばた」でも、煮干しそば、鶏そばには、それぞれ醤油と塩があります。
ただし、塩は裏メニュー的な存在。
果たして、塩煮干しの冷やしバージョンをつくってくれるかな?

○煮干しそば(塩、冷やし)(750円)

21日の盛岡は最高気温が、30.5度まで上昇。
相変わらず出遅れて、店に着いたのは13時45分。
店に入ると、予想に反し、先客は数人。
あまりの暑さで、皆自宅にこもっているのかな?

券売機で冷やしの存在を確認。
「煮干しそば、鶏そば」の食券を購入。
すっかり顔馴染みになったベテラン女性スタッフに、「煮干しの冷やしを塩で」と伝えました。

すると、「醤油はできますが、塩ができるかどうか店主に聞いてみます」。
まもなく、村山店主登場。
「冷やしの醤油ダレはあるのですが、塩ダレはありません。これからつくってみますが、自信はありません」のお答え。

この時、店には家族連れや団体客がどっと入店。
一気に満員に。
そんな状況で面倒な注文をして済みません。

それほど待たずに、村山店主が「醤油の方が美味しいと思います」といいながら、「煮干しそば」(塩、冷やし)を運んでくれました。

スープのビジュアルは、「煮干しそば」(塩)とほぼ同じ。
茶色がかったスープを煮干し油が覆うオイリーな外観。

冷やしでは、具が異なります。
通常バージョンと共通するのは、味玉半分と穂先メンマ。
冷やしのチャーシューは、白金豚のモモ肉チャーシューの細切り。
ネギや水菜に加え、冷やし中華を思わせるキュウリの千切りが乗り、清涼感を増しています。

スープを啜ると、通常の塩より煮干しの出方が抑制されています。
もともと、路ばたの煮干しそば(塩)は、淡麗煮干しにしては、ニボニボ感が相当強め。
醤油よりも塩の方が煮干し感がストロング。
それに比べると、煮干しの出方が抑制されているというだけ。
冷やしながら、少し苦味も含んだ煮干しの旨味がしっかり出ています。

麺は通常バージョンと同じく全粒粉入りの中細ストレート麺。
通常はポクポクとした独特な食感。
それを冷水で締めることにより、麺のコシが格段に増し、歯応えのある固めの食感が生まれます。
この食感が冷たいスープに実に良く合います。

脂身のないあっさりした白金豚のモモ肉チャーシューは、店主が冷やし専用に考案したもの。
細切りの淡白な味のチャーシューも、冷しスープと良くマッチ。

急遽つくった冷やし用の塩ダレも、塩分濃度はちょうど良い塩梅。

スープを完飲すると、村山店主が「どうでした」と感想を聞きに来ます。
お礼と感想を述べると同時に「ミョウガを添えると、もっと清涼感が増しますよ」とコメント。

前回書いたように、店主は5月22日(定休日)と23日の2日間東京でラーメンを食べ歩く予定。
「麺処 晴」と「陽はまたのぼる」を訪れ、冷やし煮干そばを食べるようすすめようとしたとき、麺茹で上がりのタイマーが鳴りました。

次回は、冷やし煮干しの醤油を食べる予定。
と思ったら、次の限定麺(本日は前回と同じ「山菜汁なし担々麺」)もありましたね。
難しい選択を迫られそうです。

  • 南部屋路ばた - 煮干しそば(冷やし、塩)(2017年5月21日)

    煮干しそば(冷やし、塩)(2017年5月21日)

  • 南部屋路ばた - 「冷やし」の注文方法(2017年5月21日)

    「冷やし」の注文方法(2017年5月21日)

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2017/05訪問11回目

4.2

  • 料理・味4.3
  • サービス3.5
  • 雰囲気3.7
  • CP3.8
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

山菜トッピングと玉子トマトスープ付きの汁なし担々麺

5月15日(月)

GW中提供されていた限定麺「浅蜊塩そば」に続く新しい限定麺が、5月11日から登場。
今回は「汁なし担々麺」です。
今までも担々麺が提供されたことはあったのですが、このタイミングで「汁なし」は、意表をつかれた感じ。

土日を外し、雨の中、5月11日(月)13時30分頃訪問。
さすがに、平日のこの時間帯。
おまけに悪天となると、店は比較的空いています。
しかし、客のほとんどが限定麺を注文していたのには驚き。
この半年間で「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の限定麺に対する認知度は飛躍的に高まったようですね。

○限定麺「山菜汁なし担々麺」(800円)

これまで各テーブルやカウンターにも置かれていた限定麺や鶏そば、煮干しそばのPOPが、券売機の横に統合。
それだけ人手が足りないということでしょう。
店は村山店主とベテラン女性スタッフの2名体制。
この2名で、ランチタイムに対応したとなると、人手不足は本当に深刻。

比較的空いているといっても、絶え間なく後続の客が入店。
店主も女性スタッフも大忙しです。

そんな中、村山店主が運んでくれた限定麺。
汁なし担々麺とスープがセットになっています。

まず汁なし担々麺。
ゆきちからを使った自家製麺の平打ち手揉み麺が主役。
モチモチとした食感の麺が、抜群の存在感を放ちます。

それに、いずれも自家製の芝麻醤とラー油を合わせています。
芝麻醤のゴマ風味、ラー油のピリッとした辛味がミックス。
どちらかというと、ゴマのまろやかな風味の方が強め。
辛さは比較的穏やか。

このまろやかさに変化を与えるのが、大皿の空きスペースにまるでキャンバスに絵の具を流したようなビジュアルの黒い味噌。
京桜味噌(八丁味噌と京白味噌のブレンド)に煮干しを加えた旨みのある味噌です。
麺を味噌につけると、マイルドなゴマの香りメインの担々麺にぐっと深みが加わります。

もちろん、村山店主が、オーソドックスな汁なし担々麺の領域で満足するわけがありません。
先の京桜味噌+煮干しダシもそうですが、トッピングに2種の山菜を持ってくるセンスが素晴らしい!
最初は、最近ラーメンの具として売れっ子の小松菜を青菜に使おうと思っていたそうです。
それを山菜の「うるい」に変更。
サクサクとした歯応えは小松菜に似ていますが、かすかなぬめりが独特。
どうせ山菜を加えたならもう1品ということで、ゼンマイを鮮やかな緑色にしたような「コゴミ」もトッピング。
芽の先がくるっと巻き上がった独特の外観の割には、クセや渋みもありません。
トッピングの「うるい」や「コゴミ」をゴマやラー油、麺とよくかき混ぜると、汁なし担々麺に独特の山菜風味が加わります。

さらにユニークなのが、ベビースターラーメンのような「揚げ麺」のトッピング。
カリカリとした食感は、まるでナッツを食べているかのよう。

担々麺に欠かせない挽き肉は白金豚。
糸唐辛子が彩りを加えています。

さすがに、汁なしを食べ続けると、スープが欲しくなるもの。
そんなニーズに応えたのが、玉子トマトスープ。
最初は玉子なしのトマト主体でしたが、今日のスープは玉子スープにトマトと「うるい」が入っているといっても過言ではありません。
鶏と煮干しのWスープにトマトの酸味と玉子のまろやかさが加わり、実に贅沢。

一見麺が少なめに見え、白飯を追加で注文しようかなとも思いましたが、贅沢なトッピングやボリュームのあるスープのおかげで、お腹一杯。
最後に、大皿の底に残った芝麻醤をレンゲですくってフィナーレとしました。

食後、村山店主と恒例の情報交換タイム。
明日(16日)は定休日なので、青森のラーメン店を回る予定。
さらに来週は定休日と翌日の2日休みをとって、東京遠征。
蔦や鳴龍はもちろん、新店も数軒訪れる予定といいます。
いま東北で一番熱いスポットは、「柳麺 多むら 外旭川店」(秋田市)がオープン。
「Ramen RyuGuJo」(秋田市)や「Noodle college Shirokuro」(大仙市)も含め、東京からのUターン組が新風を巻き起こしている秋田県という点でも意見が一致。

太田店の切り盛りや「路ばたグループ」の運営など多忙を極める中でも、限定麺の開発を継続。
おまけに、絶えず注目のラーメン店の食べ歩きを続ける村山店主のエネルギッシュな姿勢に拍手を送りたいですね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「山菜汁なし担々麺」(2017年5月15日)

    限定麺「山菜汁なし担々麺」(2017年5月15日)

  • 南部屋路ばた - 汁なし担々麺(2017年5月15日)

    汁なし担々麺(2017年5月15日)

  • 南部屋路ばた - 玉子トマトスープ(2017年5月15日)

    玉子トマトスープ(2017年5月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2017年5月15日)

    限定麺の説明書き(2017年5月15日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺のボタンは、券売機の一番下(2017年5月15日)

    限定麺のボタンは、券売機の一番下(2017年5月15日)

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2017/04訪問10回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

アサリの旨味濃厚な塩ラーメン!

4月24日(月)

昨日(4月23日)、人力俥で「貝汁旨味そば」(醤油味)を食べたとき、「貝の旨味をストレートに感じるには、塩ラーメンの方がいいかも」と内心感じました。

そんな中、「南部屋路ばた」(盛岡市上太田)の新しい限定麺を、村山店主のFacebookで探すと、何と「浅蜊塩そば」というではないですか!
何か見えない糸に導かれているような・・・
そこで、本日午後、南部屋路ばたを訪問。

4月19日から券売機が導入されました。
今、店は深刻な人手不足に悩まされています。
レジで会計をするのも調理や配膳の合間を見てのことでしたので、券売機導入はやむを得ないでしょう。
写真のように、無添加、無化調、自家製麺の鶏そばや煮干しそば、限定麺のボタンは、左下の目立たない場所に。
しかし、券売機の左手には大きく鶏そばや煮干しそば、限定麺の説明書きが貼られています。

前にも書いたように、限定麺のサイクルは原則2週間弱。
土曜からスタートし、翌々週の金曜に終了。
翌日の土曜から新しい限定麺が始まります。
ちょうど先週土曜(4月22日)から新しい限定麺がスタート。
予想では、5月5日(金・祝)までかな?

○限定麺 浅蜊塩そば(800円)

POPを見ると、「鶏だしと昆布、あさりだしとのWスープに塩だれをあわせ、普段の3倍ふすまを練りこんだ加水率32%の細ストレート麺とあわせました。オイルはマッシュルームと白トリュフオイル。ウルイをそえて春らしく仕上げました」とあります。
期待がふくらみますね。

忙しい中、村山店主自身が運んでくれた「浅蜊塩そば」。

少し褐色に濁った塩スープに、麺を隠すように具がのっています。
大判の豚肩ロース肉のレアチャーシュー。
その上には、マッシュルームと白トリュフソースがたっぷり。
白髭ネギの白とドライトマトの赤。
それに緑の「うるい」との色のコントラストが実に美しいですね。
穂先メンマものった豪華なトッピング。

肝心のスープを味わうと、鶏ベースのスープにアサリをふんだんに使い、昆布が側面から旨味のサポートをしている印象。
とにかく、アサリの旨味が濃厚に感じられる塩スープ。
村山店主自身「(アサリを)たくさん使っていますからね」と語っていました。
塩と醤油との違いはありますが、今は亡き名店「貝出汁しっぽりラーメン 純子」(立川)の「貝出汁ラーメン」(醤油味)のスープを思い出します。

チャーシューは、柔らかい上に肉の旨味が感じられる絶妙な出来。
しかし、急いで食べないと、ピンク色が変色し、味が落ちてしまいます。

面白いのが「うるい」。
ほうれん草か小松菜のおひたしのように添えられています。
クセのない淡白な味で、独特のぬめりが食欲を増進させます。

遅くなりましたが、先のPOPにあるように、麺は中加水の中細ストレート麺。
小麦ふすまが大量に練りこんであることが、麺の表面からも良く分かります。
表面こそ少しザラザラしていますが、口に含むとモチモチとした食感。
小麦ふすまの香りをダイレクトに楽しむことができます。

チャーシューの上にトッピングされたマッシュルームと白トリュフのオイル。
オイルを溶かすと、アサリの旨味が鶏と絶妙に合体した塩ラーメンの味が変わってしまうのではないかと懸念していました。
ところが、実際はむしろアサリの旨味が増幅したのにはびっくり。

アサリのダシと白トリュフソースの味とのバランスを計算。
白トリュフソースが自己主張する方向での味変ではなく、むしろアサリダシの旨味をさらに濃くする方向に作用するよう調合。
さすがです。

私のあとに入店した客の多くも限定麺を注文。
既に私が入店した時間(13時過ぎ)には、鶏そばは売り切れ。
無添加、無化調、自家製麺の鶏そば、煮干しそば、限定麺の人気が着実に高まっているようで嬉しいかぎり。
いつか、この3品が券売機の左上に来ることを期待して、店を出ました。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「浅蜊塩そば」(2017年4月24日)

    限定麺「浅蜊塩そば」(2017年4月24日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2017年4月24日)

    限定麺の説明書き(2017年4月24日)

  • 南部屋路ばた - 真新しい券売機(2017年4月24日)

    真新しい券売機(2017年4月24日)

  • 南部屋路ばた - 鶏そば、煮干しそば、限定麺のボタンは、券売機の左下(2017年4月24日)

    鶏そば、煮干しそば、限定麺のボタンは、券売機の左下(2017年4月24日)

  • 南部屋路ばた - 鶏そば、煮干しそばの新しい説明書き(2017年4月24日)

    鶏そば、煮干しそばの新しい説明書き(2017年4月24日)

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2017/04訪問9回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

春の到来を感じさせる竹の子の塩ラーメン

4月10日(月)

南部屋路ばた(盛岡市上太田)4月最初の限定麺。
「季節を感じるラーメン」という限定麺の趣旨のとおり、今回は春が旬の竹の子をフィーチャー。

○限定麺「たけのこ塩そば」(800円)

4月8日(土)から提供開始。
私は、提供開始3日目の10日(月)午後に訪れました。

鶏ダシと竹の子ダシのWスープに塩ダレをブレンド。
親鶏と鴨の油を香味油として使用。
麺は、ゆきちからにふすまを練りこんだ平打ち麺。
具は、食べやすくカットした竹の子5枚。
豚肩ロース肉の大ぶりの低温調理チャーシュー1枚。
それに、カイワレとネギ。
竹の子の穂先の和え物を添えるなど、和食の経験を生かした竹の子をふんだんに使った塩ラーメン。

綺麗な透明のスープを飲むと、一瞬酸味を感じますが、それも束の間。
竹の子の甘味がほんのりと効いたあっさりした塩スープ。

メインは、平打ち麺と竹の子。
肩ロース肉のレアチャーシューは、色が変質する前に速攻で食べるのが肝要。
平打ちの中太ストレート麺は、中細ストレート麺や手揉み麺とは違った食感が魅力。
ツルツルしながらも、コシがあり、歯応え十分。
存在感のある麺を食べる楽しみに浸れます。

竹の子は薄味で、素材の旨みをそのまま味わうことができます。
ほのかな甘味と独得のサクサク感が魅力的。

スープとタレは薄味。
この超あっさりした塩スープだからこそ、竹の子の繊細な旨みと平打ち麺が醸しだすたしかな小麦の風味を感知することができるのです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「たけのこ塩そば」(2017年4月10日)

    限定麺「たけのこ塩そば」(2017年4月10日)

  • 南部屋路ばた - 「たけのこ塩そば」の説明書き(2017年4月10日)

    「たけのこ塩そば」の説明書き(2017年4月10日)

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2017/03訪問8回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

限定麺「鯛のあら炊き塩そば」

3月26日(日)

前日の3月25日(土)、南部屋路ばた(盛岡市上太田)の新しい限定麺が登場。

最近、限定麺は土曜から始まり、2週間提供のサイクルが定着した模様。

○限定麺「鯛のあら炊き塩そば」(780円)

提供2日目の26日(日)13時頃店を訪問。
さすが日曜の昼過ぎとあって、店は大混雑。
カウンターに座ったあとも、どんどん客が入店。

今回驚いたのは、カウンターの先客2人、後客1人が私と同様限定麺を頼んでいたこと。
「知る人ぞ知る」存在だった限定麺の認知度が、次第に上昇しているようです。

新しい限定麺は「鯛」をメインに据えた塩ラーメン。
鯛のアラと昆布でとった鮮魚系スープに塩ダレを合わせています。
面白いのは、150円の追加で、「鯛茶漬け」が提供されること。
まさに、鯛づくしのメニュー。

村山店主がらーめんと鯛茶漬けを運んでくれました。
そのとき店主が一言。
「先週の定休日に大曲のシロクロに行きました。醤油Noodleと塩Noodleを食べましたが、美味しかったですよ」
その後、シロクロが始めた「味噌Noodle」と1月から提供されている「味噌中華」の写真を私が見せるなど、短時間の情報交換。

さて、「鯛のあら炊き塩そば」は、薄茶の透明な鮮魚系塩スープ。

豚肩ロース肉のピンクのレアチャーシューを薄くスライス。
これを、「真鯛らーめん 麺魚」のように、ぐるっと巻き付けています。
もう一つ目立つのが、ネギと針生姜のトッピング。
桜の塩漬けがさりげなく添えられ、春らしさを演出。

鮮魚系塩スープは、生臭さなど微塵もありません。
鯛の香りがほのかに漂う上品で、あっさりしたスープ。
鯛の味以上に、トッピングの生姜の風味が目立ちます。

岩手産「銀河のちから」メインで、全粒粉を練り込んだ自家製麺は、相変わらず素朴な食感ながら、弾力性のある中細ストレート麺。

ピンクのレアチャーシュー巻きは、すぐにスープの熱で変色します。
速攻で食べることが肝心。

桜の塩漬けを口に含むと、鮮魚系に生姜の効いた塩スープが一気に桜の風味に染まります。

○鯛茶漬(150円)

塩そばのスープを少し残し、鯛茶漬けに移ります。

ご飯の上に、ダシで使った鯛のアラのほぐし身がたっぷりふりかけられています。
ネギやゴマもたくさんトッピング。

まずは、そのまま鯛茶漬けを食べます。
鯛のアラのほぐし身は、既にスープをとったあとなので、鯛の風味は抑え気味。
でも、たしかに香ばしい旨さが感じられます。

そのあとは、レンゲでラーメンのスープをふりかけ茶漬け風に食べるのもよし。
逆に、鯛茶漬けをラーメンのスープを投入。リゾット風に食べてもよし。

鯛のアラスープとほぐし身が一緒になり、これまで以上の鯛のアラ風味が溢れます。

季節を感じさせてくれる「南部屋路ばた」の無化調の変幻自在な限定麺。

次に何が登場するのか、今から楽しみです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「鯛のあら炊き塩そば」と「鯛茶漬け」(2017年3月26日)

    限定麺「鯛のあら炊き塩そば」と「鯛茶漬け」(2017年3月26日)

  • 南部屋路ばた - 鯛のあら炊き塩そば(2017年3月26日)

    鯛のあら炊き塩そば(2017年3月26日)

  • 南部屋路ばた - 鯛茶漬け(2017年3月26日)

    鯛茶漬け(2017年3月26日)

  • 南部屋路ばた - 塩そばのスープを入れてお茶漬け風に(2017年3月26日)

    塩そばのスープを入れてお茶漬け風に(2017年3月26日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2017年3月26日)

    限定麺の説明書き(2017年3月26日)

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2017/03訪問7回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク-
¥1,000~¥1,9991人

煮干しそばと「塩煮干し」

3月18日(土)

いま盛岡市のラーメン店で一番はまっている「南部屋路ばた」(上太田)。
もっとも、最近では2週間ごとに更新される「季節の限定麺」ばかり追いかけていました。
ふと気づくと、この店にはまったきっかけの「煮干しそば」(醤油、塩)を半年以上食べていませんでした。

昨日、「らぁめん サンド」の煮干しそばを久々に食べ、美味しさに感動。
そこで、俄然「南部屋路ばた」の煮干しそばが食べたくなり、3連休初日の午後訪ねました。

どうせ煮干しそばを食べるなら、醤油と塩を連食。
両者を比較しようと意気込んで訪ねましたが、なにせ3連休初日とあって、店は大混雑。
これでは村山店主と話す時間もありませんね。

○煮干しそば(醤油)(750円)

何とかカウンターに空席を1つ見つけ着席。
すっかり馴染みになったスタッフの方が親切にも「限定麺」の説明書きを提示してくれました。
「それ先週食べました。今日は煮干しそばの醤油と塩を連食します。まずは醤油をお願いします」と返答。

村山店主自ら運んでくれた「煮干しそば」(醤油)。
そういえば、スタッフの方々は、煮干しそば(醤油)を「煮干し」、塩を「塩煮干し」と呼んでいました。

「煮干し」のビジュアルは、サンドの煮干しそばよりも、醤油の琥珀色はやや濃いめ。
着丼の瞬間から煮干しのいい香りが立ち上ってきます。

今回具で大きく変わったのがチャーシュー。

鶏ムネ肉と豚バラ肉のチャーシューから、トロトロのバラ肉はそのまま。
鶏ムネ肉の代わりに、適度に脂肪の乗った豚肩ロースの薄くスライスされたピンク色のレアチャーシューに変更。
レアチャーシュー自体は良くできているのですが、スープの熱であっという間に変色してしまうので、すぐに食べなければなりません。

穂先メンマと味玉半分、それにネギの組み合わせは変わりません。
ネギの盛り付けの美しさは特筆もの。

スープを飲むと、煮干しの旨味が到来。
同じ淡麗煮干しでも、煮干し感はサンド以上。
煮干し風味の持続力も、サンド以上。
ただし、少しエグミも含んだストロングな煮干しの旨味が特徴と思っていたのですが、意外にマイルド。
エグミや苦味などは全く感じられず、旨味のみ前面に出てきます。

ちなみに煮干しスープは、背黒煮干しと白口煮干しからとったアニマルオフスープ。
それに、生揚げ醤油、再仕込み醤油、たまり醤油をブレンドしたカエシを合わせています。

カエシがワイルドな煮干しスープをうまく包み込み、カドを取って丸くしたという印象。

昨年暮れから自家製麺をゆきちからメインから「銀河のちから」メインに変更。
加水率も変えています。
もちろん、全粒粉練り込みの中細ストレート麺のポクポクとした素朴な食感は変わりません。
しかし、小麦の変更により、麺がさらに締まってコシが強くなりました。

麺の改善と具の一部変更の結果、「煮干しそば」(醤油)の完成度がさらに向上。
サンドの煮干しそば以上にニボニボ感がありながら、それが適度なレベルに抑制されています。
その意味で、サンドの煮干しそばで淡麗煮干しにはまった方が、次に食べるべきラーメンとして最適。
もちろん、ニボラーにもオススメ。

○煮干しそば(塩)(750円)

具の構成は醤油と同じ。
ビジュアルは、塩といいながら、やや茶色っぽい透明感のあるスープ。
塩ダレは、フランスのゲランドの塩等2種の塩をブレンド。
これに乾物を加えています。

スープを飲むと、醤油にくらべ格段にニボニボ感が強まっています。
同時に、醤油では感じなかったエグミも少々。
この適度なエグミが、煮干し好きにはたまりません。
煮干し汁ともいうべき煮干しスープの「素の味」が、ストレートに出ています。

淡麗煮干しで、ここまでの丸ごとの煮干し感を出しているのはあっぱれ。
ニボラーには、醤油以上に塩を勧めます。
ただし、煮干し味は好きだが、かといってストロングな煮干しはちょっという向きには、塩はオススメできません。

  • 南部屋路ばた - 煮干しそば(塩)(2017年3月18日)

    煮干しそば(塩)(2017年3月18日)

  • 南部屋路ばた - 煮干しそば(醤油)(2017年3月18日)

    煮干しそば(醤油)(2017年3月18日)

  • 南部屋路ばた - 「煮干しそば、鶏だしそば」の説明書き(2017年3月18日)

    「煮干しそば、鶏だしそば」の説明書き(2017年3月18日)

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2017/03訪問6回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

ふすま入り平打ち麺と「春キャベツ」が主役の塩つけ麺

3月11日(土)

○限定麺「春キャベツの鰹豚骨塩つけそば」(880円)

3月10日(金)から南部屋路ばた(盛岡市上太田)の新しい限定麺が始まりました。
提供2日目の11日(土)13時に店を訪問。

前回の限定麺は、繊細で上品な味の「はまぐり塩そば」。
今回は一転してつけ麺にチャレンジ。
村山店主は、つけ麺は苦手と語っています。
にもかかわらず、つけ麺をあえて提供したのには理由があります。

それは小麦のふすま(表皮)がたっぷり入った麺をうち、小麦の味と香りを堪能して欲しいという店主の願い。

加えて、旬の春キャベツの甘みを楽しむためには、つけ麺が最適と判断。

麺とキャベツを主役に据え、両者の味と香りを生かしたつけ汁となると、やはり「塩」しかありません。
それも単なるさらっとした塩のつけ汁ではなく、豚骨をベースに、これに鶏ガラ、野菜、鰹節、煮干しなど加えた濃厚なスープに、塩ダレと合わせたつけ汁とするところが、村山店主の非凡なところ。

塩ダレながら、茶色っぽいドロッとしたいかにも濃厚そうなつけ汁には、店主自身が削ったという鰹節がトッピング。

ポタージュのような熱々のつけ汁は、豚骨ベースですが、野菜や鶏ガラなどがブレンドされているため、脂っこさは全く感じません。
さまざまな素材が重ね合わされ、それを塩ダレがうまくまとめています。

ただし、表面にトッピングされた削り節を溶いていくと、次第に鰹節の旨味がメインになっていきます。
とはいっても、魚介風味が全面展開するほど強烈なものではありません。
鰹節のいい香りが漂うつけ汁は、あくまでも麺の美味しさを引き立たせるためのサブの役割に徹しています。

さて、主役の1つである麺。
小麦のふすまがたっぷりと練りこまれ、ブツブツが目に見えるほどの平打ちの太麺。
口に含んだだけで、ふすまを中心とした小麦の味と香りが全開。
これまでいろいろな麺を食べてきましたが、ここまで小麦の味と香りを強烈に感じたのは初めて。

実は、つけ麺の麺は「あつもり」で提供されます。
通常、つけ麺では「冷やもり」がデフォ。
あつもりにすると、つけ汁の温度低下を抑えることはできますが、逆に麺が絡んで食べにくくなる欠点があります。

しかし、あえて食べやすさを犠牲にしてまで、あつもりにすることにより、小麦の風味がより強く感じられる点に店主は着目。
たしかに、冷やもりでは、ここまで強く小麦の香りが立ち上ることはないでしょう。

麺によく絡むスープを塩ダレにしたのも、醤油ダレだと、醤油の香りが小麦の風味の邪魔をしてしまうから。

平打ちの太麺は、ツルツルとした食感ですが、噛み応えもあり、おまけに小麦の香り全開の極上の麺。
麺だけでもどんどん食べてしまいたくなりますが、粘度がありながらもあっさりとしたつけ汁につけると、麺の旨さがさらに引き立ちます。

もう1つの主役が、旬の春キャベツ。
さっと熱湯で茹でたキャベツは鮮烈なグリーン色。
最初はつけ汁につけないまま、キャベツを一口食べると、甘くてジューシー。
キャベツ単独でつけ汁に入れるのもよし、そのまま食べるのもよし、さらにキャベツと麺を一緒に食べるのも構いません。

その他、大ぶりの豚肩ロース肉の低温調理チャーシュー。
それにトマトの新玉ねぎ和え。
新玉ねぎの甘みと辛味、そしてトマトの酸味が良く絡み合います。

グリーンの煮キャベツ、赤いトマト、やや脂身の多いレアチャーシューの三者が麺の上を覆います。
この色合いの美しさも出色。

麺を食べ終えた後、スープ割りを頼みます。
すると、つけ汁の残りにスープを足すのではなく、別に用意した玉ねぎ、人参など野菜に加えキクラゲも入ったコンソメスープ。

実は、「らぁめん サンド」が昨年8月に「塩つけ麺-ネバリゴシ小麦の可能性②-」を限定で提供したとき、小麦のふすまをフィーチャーするとともに、スープ割りに「ベーコン入りのオニオンスープ」を出して話題になりました。

今回のコンソメスープによる割りスープは、サンドの試みを意識しているのかな?

少しスープが薄いのが残念ですが、提供期間中に確実に改善されるでしょう。

それにしても、ラーメンを食べながら旬の食材を口にし、季節の変化を感じるというのは、実に贅沢ですね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「春キャベツの鰹豚骨塩つけそば」(2017年3月11日)

    限定麺「春キャベツの鰹豚骨塩つけそば」(2017年3月11日)

  • 南部屋路ばた - 麺と春キャベツ(2017年3月11日)

    麺と春キャベツ(2017年3月11日)

  • 南部屋路ばた - つけ汁(2017年3月11日)

    つけ汁(2017年3月11日)

  • 南部屋路ばた - 割りスープ(コンソメスープ)(2017年3月11日)

    割りスープ(コンソメスープ)(2017年3月11日)

  • 南部屋路ばた - 限定麺の説明書き(2017年3月11日)

    限定麺の説明書き(2017年3月11日)

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2017/02訪問5回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

雛祭り限定麺「はまぐり塩そば」

2月27日(月)

南部屋路ばた(盛岡市上太田)の村山店主が2週間ぶりに、新しい限定麺をFacebookで告知。
提供3日目の2月27日昼過ぎに行ってみました。

○雛祭り限定麺「はまぐり塩そば」(800円)

店主の説明書きによると、大量のはまぐりとその他数種類の食料からとったダシと、鶏ダシとのWスープ。
そのスープに、ゆきちから、春よ恋、はるゆたかで打った自家製麺を合わせた塩ラーメン。
「季節の移り変わりを塩そばでお楽しみください」といううたい文句がニクイ。

店に入ると早速店主に軽く会釈。
まずはカウンターに座り、限定麺を注文。

店主自ら運んでくれた雛祭り限定麺。
ビジュアルがとにかく美しい!

少し茶色がかった塩スープにきれいに細麺が盛り付け。
中央には生ハムのようなピンクの大きな肩ロースチャーシュー。
その上に、紅白の花麩が添えられています。
この花麩が「雛祭り」の季節感を演出。

その他、白髪ネギと山椒の葉、贅沢にも穂先メンマ2本。
さらにスープの端には、焦がしネギのような黒い粒々!

スープを一口。
さすがにハマグリを大量に使ったというだけあって、貝の旨味が実感できるスープ。
鶏ダシは、貝ダシの下支えに徹している感。

貝の旨味といっても、ガツンと来るものではありません。
スープを口に含むと、じわっと感じられるという絶妙なダシ感。

さらにスープを飲み続けると、鯛らしき良い香りが一瞬プワッと漂います。

そうなると気になるのが、説明書きにある「その他数種類の食材」。
単純にハマグリだけからとったダシではなさそう。

食後店主に確認すると、
・貝ダシと鶏ダシとの比率は、前者が4分の3、後者4分の1。
・貝ダシは、ハマグリに鯛のあら焼き、昆布、シイタケなどをブレンド。

なるほど、鯛のあら焼きが隠し味だったのか。

自家製麺は、通常の「銀河のちから」麺ではなく、先に書いたようにゆきちから、春よ恋、はるゆたかで打った中細ストレート麺。
ツルツルして喉越しの良い麺は、南部屋路ばたの自家製麺の素朴な食感とは少し違っています。
どちらかというと、「サンドっぽい」柔らかい麺。
でも、この麺が上品な貝ダシ塩ラーメンに良く合っています。

大ぶりの豚肩ロース肉の低温調理チャーシューは、生ハムのような見た目と食感。
柔らかい上に香ばしい味付けが効き、塩ラーメンにはぴったり。
2本の穂先メンマも薄目の味付け。

上品な味付けの中で、異彩を放っているのが前記の黒い粒々。
一瞬、焦がしネギかと思ってしまいます。

しかし、焦がしネギだと、溶かすと淡いスープ全体のバランスを崩してしまうおそれがあります。

黒い粒々を口に含むと、たしかに焦がしネギに近い味。
でも、食感は全く違います。
おまけにスープに混ぜても、全体のバランスを崩さず、適度なオイリーさを加える程度。上品なスープに対し、いい意味でアクセントを加えています。

これも食後に店主に確認。
「ポルチーニ茸を刻んで揚げたもの」という回答。
なるほど。

いや勉強になります。
村山店主が限定麺に自由自在に加えるさまざまな食材から、どれだけ多くを学んだことか?
ラーメンの可能性がどんどん広まりますね。

最後まで残しておいた可愛らしい彩の花麩を食べると、塩スープを吸いながらもモチッとした食感が保たれています。

凝りに凝った食材を一杯のラーメンに見事に集約。
その上、味も見た目も季節を感じさせる職人技。
村山店主のセンスが冴え渡っています。

食後少し話す時間をもちましたが、明日(火曜)の定休日には、多賀城市のラーメン店(自家製麺の塩ラーメンが有名)に行ってみたいと熱心に語っていました。

村山店主の天性のセンスに、気になる店には必ず足を運ぶ研究熱心さが加わるかぎり、今後も南部屋炉ばたの季節の限定麺には無限の可能性が期待できますね。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「はまぐり塩そば」(2017年2月27日)

    限定麺「はまぐり塩そば」(2017年2月27日)

  • 南部屋路ばた - 「はまぐり塩そば」の説明書き(2017年2月27日)

    「はまぐり塩そば」の説明書き(2017年2月27日)

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2017/02訪問4回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

麺が絶品の鶏白湯担々麺

2月11日(土)

南部家路ばた(盛岡市上太田)の新しい冬の限定麺が、2月10日、Facebookで告知。

翌11日、羽場の栗林に行った折、南部家路ばたに連食しちゃいました。

栗林からタクシーを呼び、約2000円で南部屋路ばた。14時前という遅い訪問です。

店に入ると、まず目につくのが、「ランチパスポート対象メニュー売り切れ」のお知らせ。

通常の路ばたメニュー(手もみ麺プラス化調スープ)から対象商品(700円程度)を指定。
ランパス提示で、500円に値引きするシステム。

私と一緒に入店しようとした女性はランパス片手。
先のおしらせを見ると、踵を返して車に戻り、ランパスを見ながら、次の候補店を物色。

しかし、安ければいいというだけで、店への愛着が全く生まれないランパスというシステムはいかがなものでしょうか?

○冬の限定麺「鶏白湯担々麺」(880円)

改めて南部屋路ばた(上太田)の商品構成を整理すると、「通常の路ばたメニュー(手もみ麺と化調スープ)」と「店主オリジナルメニュー」。

後者のオリジナルメニューは、無化調、自家製麺。
常時提供される「煮干しそば(醤油と塩)」「鶏だしそば(醤油と塩)」に加え、原則週替わりで商品がかわる「季節の限定麺」の3種類。

私は季節の限定麺が告知されるたびに訪ねています。

今回も村山店主に会釈してカウンター席に着席。

新しい冬の限定麺は「鶏白湯担々麺」(880円)。
栗林に続き鶏白湯スープベースのメニュー。

単なる担々麺ではないところが、限定麺ならでは。
無化調、自家製麺は当然。

鶏白湯に醤油を加えたスープがベース。
これに自家製の芝麻醤をたっぷり合わせています。
自家製麺は、「細目」と言っていますが、「中太」の平打ち麺。

具は、穂先メンマメインの同店には珍しく太目の材木メンマ2本。

さらに、ローストした白菜、多めの九条ねぎ、これも多めの挽き肉、セロリの甘酢漬けがトッピング。

スープは、さすがにピリッときますが、鶏白湯スープが適度なマイルドさを与えます。
芝麻醤のゴマの香りがやや強め。

特筆したいのが、自家製麺の出来。

岩手県産「銀河のちから」メインの中太平打ち麺は、ツルツルとしてモチモチしながらもコシもある理想的な麺。
小麦の風味も感じられます。
是非この麺で、つけ麺を食べてみたい。

材木メンマは、少しビターだが過不足のない味つけ。

アクセント用の甘めのロースト白菜と酸味のあるセロリは店主の才気を感じさせますが、担々麺の具としては微妙。

会計時に村山店主と少し会話。

毎週のように意表をつく季節の限定麺を発表する姿勢に賛辞を述べると、「限定麺こそ自分が店をやっている存在理由」との趣旨のお答え。

父親がおこしたろばたグループ4店の経営を引き継ぐ責任。

その一方で、押さえきれない創作意欲と東京の名店、新店に負けないラーメづくりへの意欲を、限定麺を含む店主オリジナルメニューに込める「思い」がひしひしと伝わってきました。

果たして次回の季節の限定麺では、どのような驚きを与えてくれるのでしょうか。
今から待ち遠しいです。

  • 南部屋路ばた - 鶏白湯担々麺(2017年2月11日)

    鶏白湯担々麺(2017年2月11日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏白湯担々麺」の説明書き(2017年2月11日)

    「鶏白湯担々麺」の説明書き(2017年2月11日)

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2017/01訪問3回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

背脂ワカメラーメン

1月28日(土)

南部屋路ばた上太田店の店主が、昨晩新作限定麺を告知。

今年3作目。
本日(1月28日)から提供開始。
居ても立っても居られず、上太田の路ばたにタクシーを飛ばしました。

○限定麺「早採りわかめ塩そば」(850円)

無化調、自家製麺で毎週センスの良い限定麺を提供し続ける路ばた上太田店。

東京の名店や新店の店主、岩手県内の自家製麺店の店主などと交流。
つねに新しいアイデアや最先端の味にアンテナを張りつつ、意外性に富んだ限定麺を止むことなく開発。

私にとっても、路ばた上太田店の限定麺が盛岡ラーメンライフ最大の楽しみになりました。

1月28日(土)は、かなりの出遅れ。13時40分頃に店に到着。
最近、限定麺が盛岡やその周辺のラーメンフリークの間で認知度が急速に増大。
結果、店に行っても売り切れだったという声を良く聞きます。
土曜日13時40分は微妙な時間。
ヒヤヒヤしながら外から店内を覗くそ、カウンター席に「限定麺」の説明書きが見えました。

ホッとして入店。
厨房内で忙しく働く店主に挨拶して、カウンター席に。

ラーメン到着を待ちながら新しい限定麺の説明を熟読。
しかし、百聞は一見に如かずで、ラーメンが到着すると、そのビジュアルに驚き。

塩ラーメンの上に早採りワカメがたっぷり。
さらに、大量の白金豚の背脂がワカメを覆っています。
背脂の上には、緑がまぶしい菜の花。
柚子片やすだち、オリーブの実などもトッピング。
オリーブの実をさりげなく添えるあたりに、店主がリスペクトする蔦の影響が見え隠れしています。

問題は味。

見た目こそ濃厚そうですが、スープは鶏と煮干しのブレンド。
タレは塩。
このスープと塩ダレが実にあっさり。
よく注意していないと、鶏や煮干しを感じ取れないほど。
塩ダレも、味付けがあるかないかというギリギリのライン。
その分、早採りワカメのコリコリとした食感と塩味を含む磯の香りがストレートに感じ取れます。

ワカメと並ぶ主役が、白金豚の背脂。
「背脂チャッチャ系」(古い表現だな!)まんまの見た目ですが、これが全然ギトギトしていません。

甘味を感じる背脂が超あっさりの塩スープにいい意味で味付けをしています。
これに、ワカメの磯の香りが加わり、洗練さとジャンクさが入りまじった創作ラーメンに。

麺は、中太平打ちの手もみ麺。もちろん、自家製麺です。
これが、七彩の手打ち麺を思わせるピロピロとした食感が心地よい麺。
麺のコシは七彩の手もみ麺を上回っています。

なお、麺は注文時に、ふすま入りの自家製細ストレート麺に変更可能です。

具も計算し尽くされています。
菜の花の苦味がラーメンの良いアクセントに。
トロトロの豚バラ肉チャーシュー、鶏ムネ肉の低温調理チャーシューが、背脂とワカメの下に隠れています。
オリーブの実をかじると、あっさりした味の塩ラーメンに独特のコクが加味。

スープが残り少なくなった頃に柚子片を噛むと、柚子の香りが口の中で爆発。
最後はすだちでさっぱりと締めます。

ワカメと背脂という一見ミスマッチのような組み合わせが主役の塩ラーメン。
店主の才気が実感できる創作ラーメンです。

  • 南部屋路ばた - 限定麺「早採りわかめ塩そば」(2017年1月28日)

    限定麺「早採りわかめ塩そば」(2017年1月28日)

  • 南部屋路ばた - 「早採りわかめ塩そば」の説明書き(2017年1月28日)

    「早採りわかめ塩そば」の説明書き(2017年1月28日)

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2017/01訪問2回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.7
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

鶏白湯カレーラーメン

1月15日(日)

○冬の限定麺「鶏白湯カレーそば」(800円)

今週、村山店主は定休日と翌日の2日間、東京の新店、名店を集中的に食べ歩いたという。
「麦苗」「くろ喜」「ちとせ」など。

忙しい仕事の合間をぬって、絶えず東京の最先端の味をチェック。
その成果を生かし、旬の食材を使い、無化調、自家製麺で縦横無尽に季節を感じる限定麺を週1ペースで提供。

2017年第2弾の限定麺は、前回のあっさりした阿波尾鶏の鶏そばとは対照的な濃厚な鶏白湯カレーそば。

1月15日(日)13時頃、店に到着。
店主と東京の新店情報を交換。
今回一番印象的だったのが、「麦苗」だったという。
私も実は1月4日の通常営業初日に行こうとしたものの、大行列を予想。
断念しただけに、「麦苗」と「パパパパパイン」を、次回上京時の訪問最有力候補に決定。

新しい冬の限定麺の説明を熟読。
味を予想しているうちに、待望のカレーそばが到着。

まず見た目のインパクトが凄い。
カレー色に染まった鶏白湯スープに、ラー油が浮いています。

説明によると、鶏白湯スープにカシューナッツペーストとカレースパイス、醤油ダレを合わせたスープ。

これを、ラー油とパラペーニョオイル(青唐辛子のオイル)で「大人の味」に仕上げたといいます。

普通これだけ多数の素材があると、まとめるのに苦労するのが普通。

ところが、スープを飲むと、カシューナッツペーストで、カレーのコクや旨みを増強。
カレーと合わせたクリーミーな鶏白湯スープが、カレーの風味を残しつつ、辛みを適度に緩和。
さらに、ラー油やバラペーニョオイルがスープにアクセントを加えます。

多数の素材が見事に一体化。

スパイスカレーの新しい方向性を提案する一方で、食べやすく仕上げている点に感心。

麺は、「銀河のちから」メインの中太平打ちの自家製麺。
ふすまを練り込んでいます。
ツルツルとした食感ですが、モチモチとしてコシもある麺で、カレー風味の鶏白湯スープを良く持ち上げます。

具は、チャーシューの代わりに、白金豚のバラ肉。
さらに、白金豚を旬の大浦ごぼうで巻いた「豚肉のごぼう巻き」が2個。
そして、スティック状の大浦ごぼうの素揚げが、カリカリとした食感と香ばしい風味を添えています。

1月30日頃まで提供する予定とのこと。
カレーラーメン好きにも、鶏白湯ラーメン好きにも、是非食べてほしい一杯です。

  • 南部屋路ばた - 冬の限定麺「鶏白湯カレーそば」(2017年1月15日)

    冬の限定麺「鶏白湯カレーそば」(2017年1月15日)

  • 南部屋路ばた - 「鶏白湯カレーそば」の説明書き(2017年1月15日)

    「鶏白湯カレーそば」の説明書き(2017年1月15日)

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2017/01訪問1回目

4.2

  • 料理・味4.2
  • サービス3.7
  • 雰囲気3.5
  • CP4.1
  • 酒・ドリンク-
~¥9991人

「銀河のちから」麺登場!

1月7日(土)

東京では初ラーメンを済ませましたが、今度は盛岡の初ラー。

昨年暮れに、2016年岩手最後のラーメンを食べた南部屋路ばた盛岡市上太田店。
やはり、盛岡(岩手)初ラーメンも、こちらの限定麺。

○阿波尾鶏の鶏そば(塩)(750円)

酉年にちなんで、2017年最初の限定麺は、徳島県の地鶏「阿波尾鶏」
のガラと丸鶏に少々の野菜を加えたスープの鶏そば。

村山店主は、無化調、自家製麺にこだわった限定麺を、昨年は30種類以上提供したといいます。
私が食べたのは昨年後半からですが、週替わりで提供される変幻自在の「季節を感じるラーメン」に感嘆。

今回の鶏そばは、デフォは醤油。
塩もできると聞き、塩をたのみました。

運ばれた鶏そばを見て、まず驚き。
スープと麺だけのかけラーメン。
具は別皿で提供。

最初は具なしで、鶏スープと麺のみを味わって欲しいとの店主からのメッセージが伝わってきます。

かけラーメンは実に美しいビジュアル。
塩ラーメンとしては少々茶色がかっていますが、澄んだスープに綺麗に麺が盛りつけられています。
「麺がスープの中を泳いでいる」という表現がピッタリ。
スープの表面には、鶏油がきらきらと輝きます。

スープは塩味だけに、あっさりとしていますが、上品な中にも鶏の旨みを確実に感じさせます。

ただし、何といっても素晴らしいのが麺。

実は店主は、新年から麺の原料を岩手産の「ゆきちから」メインから、同じ岩手産「銀河のちから」メインに変えました。
その最初の麺です。

前の麺も上出来でしたが、店主は満足していたわけではなく、さらに上をめざすべく、「銀河のちから」に切り替えました。

中細ストレートの麺は、従来と違って少し平打ち。
これまで以上にツルツルとした食感ながらコシも十分。
全粒粉入りの麺は香り豊か。

別皿の具は、鶏ムネ肉の低温調理チャーシューに、豚バラ肉チャーシュー。
味玉半分に穂先メンマとネギ。

面白いのは、紅白のナルト巻きに見えたのが、実は紅白のなます。
白い大根と赤い人参を赤ピーマンで巻く凝りよう。

年頭から新年にふさわしいラーメンをいただきました。
今年も数々の独創的な「季節を感じる」限定ラーメンが提供されるでしょう。
期待大です。
……………………………………………………
12月26日(月)

今日が、今年岩手で食べる最後のラーメン。
明日(27日)夜から1月5日午後まで、東京の実家に帰省します。
年末年始をはさむだけに、フル回転とは行きませんが、新店を含む7~8店程度は回りたいものです。

東京の新店ハンターの方々の後追いになりますが、1月6日以降レビューをボチボチ再開しますので、乞うご期待(?)

先週から提供されている冬の限定麺「自然薯のワンタンの醤油そば」。
クリスマス連休中の告知で、塩バージョンも出来るとのこと。

ということで、今年岩手最後のラーメンに、今年後半もっとも通った「南部屋路ばた 上太田店」の限定麺をチョイス。

店到着は12時10分頃。
案の定、昼休みの激コミに遭遇。
店に入るものの、お目当てのカウンターは満席の模様。

風除室の待ち椅子で少し待っていると、カウンター席が1つ空いているとのお言葉。
早速席につき、冬の限定麺塩バージョンを注文。

○冬の限定麺「自然薯のワンタンの塩そば」(880円)

先週の醤油そばにつづき、塩そばを試してみます。
着丼した塩そばは、透明な塩スープの上に麺を覆い隠すように具がたくさん盛られています。

白金豚と自然薯の大き目のワンタン2個。
厚切りのトロトロ豚バラ肉チャーシュー。
気前良く穂先メンマ2本。
味玉半分。
それにネギとナルトに海苔、

麺が全く見えない状態!

早速スープを飲むと、これが醤油以上に自己主張しないあっさりとした塩味。
塩分濃度もちょうど良いですね。
さすが塩味だけあって、鶏と煮干のダブルスープのほのかな甘みさえ感じる旨みを、醤油以上にストレートに伝えます。

中太の平打ち手揉み麺(自家製麺)は、前回以上の美味しさ。
平打ちならではのピロピロ麺に、プリプリとした食感がさらに強化されている印象。
何よりも、あっさりした塩ダレのお陰で、小麦粉の風味がより一層伝わってきます。

ワンタン2個は、手作りの皮はモチモチ。
しかし、噛むと白金豚の挽肉の肉汁とともに、コリコリした自然薯の食感。
塩味のお陰で、ワンタンに詰めた柚子の風味を、さらに強く感じることができました。

豚バラ肉チャーシューや穂先メンマ、味玉の美味さはいつものとおり。

何と言っても、塩ダレとWスープとのマッチングが見事!
それに、スープの持ち上げの良いピロピロの平打ち手揉み麺が圧巻。
プラス自然薯のワンタンが加わるのですから、実にぜいたくなワンタン麺。

私見では、塩ダレの方が醤油ダレ以上に、スープや麺の風味が楽しめます。

さて、店主の告知によると、「煮干しそば」と「鶏だしそば」の麺の粉と加水率を変えたとのこと。

小麦を「ゆきちから」メインから「銀河のちから」メインに変更。
これと加水率の調整により、茹でのびの早さや若干の茹で溶けを解消したといいます。

新年は、早速新しい麺を試しに、「煮干しそば」「鶏だしそば」を食べに行かねばなりませんね。

もっとも、新年の新しい限定麺も気になります。
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12月19日(月)

南部屋路ばた 盛岡市上太田店の新しい「冬の限定麺」が17日(土)から提供開始。
12月中旬ながら、ポカポカ陽気の19日昼前、早速行ってきました。

○冬の限定麺「自然薯のワンタンの醤油そば」(880円)

今回の限定麺のポイントは、以下の3つ。

・煮干しと鶏のダブルスープの醤油ラーメン
・麺は、自家製麺の中太平打ち手もみ麺
・白金豚の挽肉と自然薯(じねんじょ)のすりおろし、自然薯の角切り2個が入ったワンタン

このうち何といっても主役は中太平打ちの手もみ麺。
平打ちの麺を手でもんで縮れをつけた麺。
麺をすすると、平打ち特有のピロピロ感と中太麺特有のモチモチ感を同時に楽しめます。
これは、麺や 七彩が都立家政や東京ラーメンストリート時代につくっていた麺を再現しているかのよう。

そんな感想を店主に話すと、「七彩を意識して麺をうったわけではありませんが、出来上がったら、七彩の麺のようになりました」との回答。

麺を引き立てるため、スープはあえて自己主張をしない大人しめの味に。
最初店主は煮干しのスープを考えていました。
しかし、それでは煮干し味が強すぎるので、無化調のダブルスープにしたといいます。
そんな計算されたスープは、あっさりした鶏ベースの味ながら、煮干しの旨みがほのかに感じられます。

最後の目玉は、自然薯をたっぷりと具に使った大ぶりのプリプリしたワンタン2個。
すりおろした自然薯のトロみと、自然薯の角切り2個のコリコリ感が実にユニーク。

その他の具は、お馴染みの豚バラ肉チャーシューに穂先メンマ、味玉半分と海苔、ネギ、ナルト。
一見地味なようで、細部まで凝りに凝ったワンタン麺。
「最近の限定麺の中でも、とくに気に入っています」という店主の自信作。

いま店主は同じ具と麺を使った塩ワンタン麺の提供を思案中。
もしかしたら、今週末に「自然薯のワンタンの塩そば」の告知があるかもしれません。
告知がなければ来週初めに訪れて、塩味を頼んでみようかな?
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12月5日(月)

2週間ぶりに登場した南部屋路ばた 盛岡市上太田店の冬の限定麺。
今回は意表をつく無化調・無添加・自家製麺の海老つけ麺。

○(冬の限定麺)海老白湯辛つけそば(追い飯付)880円

注文すると、店主からパクチートッピングの有無、それに麺をふすま入りにするかどうか聞かれます。
当然パクチートッピングとふすま入りを注文。

ほどなく提供されたつけ麺は、麺とつけ汁、それに追い飯の3点セット。

麺はふすまを練りこんだ平打ち太麺。
麺の上にライムが乗っています。

まず麺を食べると、これがやや硬めでコシがありながらも、小麦の香り充満の上質な麺。
麺だけでも、どんどん食べ進めることができます。

次に海老のエキスが凝縮した濃厚なつけ汁。
パクチーが大量トッピング。

説明書きを読むと、大量の海老の頭と豚骨、鶏ガラで炊いた白湯スープに山椒とラー油をブレンド。

さらに、ケールの苦味やコリアンダーの香りなどをプラス。

まさに、海老と動物系の旨味を合わせ、辛めに仕上げたつけ汁。

こう書くと、竹本商店の濃厚豚骨伊勢海老つけ麺を店主が意識しているのが良く分かります。
つけ汁を沸騰させることで、せっかくの伊勢海老の風味が飛んでしまった竹本商店とは対照的。
こちらはつけ汁を飲むと、まず海老の香りが強烈に感じられます。

最近海老をつかったラーメン、つけ麺が増えていますが、これほど海老の香りや旨みがストートに出ているものも珍しいですね。

しかも、ラードを使っていないので、五ノ神製作所の「海老つけ麺」のように食べているうちに、次第につけ汁が重たくなり、飽きがくるということもありません。

海老の香りが横溢していながら、決してくどくなく、サラッと食べ進むことができます。
加えて、海老の旨みだけでなく、山椒やラー油などがブレンドされ、やや辛めで香り高い仕上がり。
それにケールやコリアンダー、パクチーなどのトッピングが合わさり、エスニック色を強めています。

具は、豚バラチャーシュー2枚につみれ。

この個性溢れるつけ汁と平打ちの太麺が実に良くマッチ。

途中で、ライムを麺に搾って、麺をつけ汁につけると、独特の酸味が出て、さらに食が進みます。

麺を食べ終えたあとは、辛口のカレー粉をまぶした追い飯をつけ汁に投入。
すると、海老味とカレー味が絶妙にミックスした辛口の雑炊ができあがります。

毎週のように更新される変幻自在な限定麺の中でも、今回の海老つけ麺は傑作の部類に入るでしょう。

竹本商店の濃厚豚骨伊勢海老つけ麺を軽く凌駕。
五ノ神製作所の海老つけ麺の「重さ」も解消した海老の香りと旨味全開のエスニック風つけ麺を、是非試してみてください。

海老つけ麺の出来に感動。
評価を4.1から4.2にアップさせます。
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11月21日(月)

○限定麺 白金豚と菜彩鶏のつくねと芹の鴨そば(800円)

週変わりの南部屋路ばた 盛岡市上太田店の限定麺。

次に何が登場するのか、全く想像がつかないところが魅力。
それだけに、店主からの新作の告知が楽しみで仕方がありません。
いつしか、週1回の南部屋路ばた 盛岡市上太田店訪問が恒例となりました。

11月20日(日)から始まった限定麺は「鴨」をメインにした創作ラーメン。

説明書きを引用すると、

「丸鶏と鴨肉のスープに岩手鴨の鴨脂を!
4種類の醤油を火入れしただけのたれと合わせました。
具には、ふわふわの肉のつみれと鴨と相性の良いセリをたっぷりと!」

もちろん、無化調・無添加・自家製麺です。

これを読んだだけでも、期待が膨らみます。

11月21日(月)14時少し前に店に到着。
店主に軽く挨拶をしたのち、着席。

カウンターに座り、限定麺の説明書きがあることを確認し、注文。

まもなく到着した限定麺。

ビジュアルのインパクトが大。

根がついたままのセリが大量にトッピング。
それに、岩手の銘柄豚である白金豚と銘柄鶏である菜・彩・鶏(さいさいどり)でつくった大ぶりのつくねが3個。

スープを飲むと、鴨肉と鴨脂を前面に出しただけに、一口目から鴨の濃厚な旨みが口いっぱいに広がります。

鴨の旨みとは対照的に、醤油ダレは薄味です。

鴨の旨みが過剰にならないようにうまく抑えているのが、トッピングのセリ。
とくに、セリの根のシャキシャキ感が心地良いですね。
セリの香りが鴨肉や鴨脂独特の臭みを消して、おいしく食べることができます。

麺は、煮干しそばや鶏ダシそばに使われる全粒粉入りの中細ストレートの自家製麺。
ポクポクとした食感がたまりません。

そしてチャーシュー代わりの白金豚と菜・彩・鶏のつくね。
これがあっさりとした味で、説明書きどおりのふわふわとした出来。
ちょうど良い箸休めになります。

根のついたセリをたっぷりと使ったラーメンといえば、数年前に食べた食堂七彩(都立家政)の「セリそば」以来。

「鴨セリ鍋」や「きりたんぽ鍋」などを連想させる今回の一杯には、東北の食材の旨みがたっぷり詰まっています。
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○大粒なめこと葉玉ねぎの鶏だし白味噌そば(850円)

11月12日(土)

前日(11日)、大曲で3連食。
週末はラーメンを自粛しようと誓った矢先。
南部屋路ばた 盛岡市上太田店の新限定麺の情報が入るや、急行するとは!
もはやビョーキですね。

毎週手品のように、意表を突く限定麺を提供する上太田店の店主。
前回に続き、八木澤商店の味噌(今回は白味噌)を使ったもやしの乗らない味噌ラーメン挑戦第2弾。

説明書きによると、八木澤商店の白味噌と鶏ダシのスープに自家製の中太ストレート麺を合わせ、具には大粒なめこと葉たまねぎ、鶏モモ肉の塩焼きを添加。

到着した白味噌ラーメンは、相変わらずの美しいビジュアル。
白味噌の上品な甘みと鶏ダシの旨みがドッキングしたスープ。
いままでの味噌ラーメンとは違った味の世界を体験させてくれます。

自家製麺は、中細ストレート麺よりも一回り太目のモチモチとした麺。
白味噌スープに合っています。

何よりも特徴的なのが具。

大粒のナメコがたっぷり。
丼の内側を囲むようにレイアウトされた細長い葉玉ねぎ。
玉ねぎの玉の部分が膨らむ前に早取りしたもの。
ビジュアルはニラに近いですね。
ネギや玉ねぎ特有の苦味は皆無。
甘く柔らかい食感は、初体験。

大粒な鶏モモ肉の塩焼きはふわっとした焼き上がりで、香ばしい味付。
味玉とともに、ユニークな具(ナメコや葉玉ねぎ)とうまい対比をなしています。

次回の限定も、もやしの乗らない味噌ラーメン第3弾か?
それとも、新しい展開があるのか?
目が話せない南部屋路ばた上太田店の限定麺です。
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○赤味噌煮干しそば(750円)

2016年11月7日(月)

最近、私的に毎週月曜は南部屋路ばた 盛岡市上太田店の限定麺の日。
本日も13時と、やや出遅れ気味ながら伺いました。

今回の限定麺は「焼長芋と赤ねぎの赤味噌煮干しそば」(800円)。
本みりんと八木澤商店の生赤味噌、八丁味噌を合わせた味噌ダレと煮干しだしのスープ。

麺は、通常の中細ストレート麺よりも太目の中太ストレート麺にふすまを練りこみ。

具はたっぷりの赤ネギと、オリーブオイルをまとわせて焼いた長芋を添え、モヤシを乗せないタイプの味噌ラーメンを狙ったといいます。

先週、岩鷲のにぼみそを食べているだけに、味噌ダレと煮干しだしのブレンドとは、まさしく路ばた流の「にぼみそ」!
おまけに、具の焼長芋も美味しそう。

ということで、訪ねてみたのですが。
13時に店に入ると、いつも「そこにある」はずの限定麺の案内がない!
残念終わってしまったのか・・・と気落ちしましたが、やむを得ません。
代わりに、未食の鶏だしそばの塩を注文。

そこに、限定麺の案内をもった店主が登場。
限定麺の具は終わってしまったが、味噌ダレは1食分残っているので、つくりましょうかとの嬉しいご提案。
提案を即採用したことはいうまでもありません。
具は煮干しそば、鶏だしそばとほぼ同じながら、スープと麺が限定と同じ。
ということで、「赤味噌煮干しそば」(750円)の名称となりました。

まもなく運ばれた赤味噌煮干しそばは、ネギからカイワレと紫玉ねぎに代わった以外は、煮干しそば、鶏だしそばと具が同じ。

スープの色も醬油と変わらぬ琥珀色。
やや赤味がかっているかな?
味噌ラーメンのスープからイメージするどろどろとした味噌ダレとは全く違う清湯風の味噌ラーメン。

スープを飲むと、まず煮干しがガツンと来ます。
ところが、スープを飲み進むうち、煮干し味に舌が慣れてきたのか、むしろ八丁味噌の味も混ざった味噌味が強く感じられるようになります。

さらっとした味噌スープは、濃厚味噌ラーメンのスープというよりも、赤味噌と赤ダシをブレンドした味噌汁に近いですね。

そこに煮干しがそこはかとなく感じられます。

麺はストレートですが、中太より一回り細く、通常の中細ストレート麺より一回り太いという程度。

小麦のふすまを練りこんだ自家製麺は、中細麺以上にモチモチとした食感に仕上がっています。
これは、味噌味と煮干し味がブレンドされた清湯スープに良く合いますね。

スープを飲み干す頃に、再度煮干し感が強まりますが、これが良い後味になります。

焼長芋と赤ねぎなどが通常の具に代わったのは少々残念。
でも、具がシンプルになったお陰で、味噌ダレと煮干しだし、それに麺の旨さが、よりダイレクトに堪能できました。

それにしても、週変わりに(あるいは数日変わりに)提供される限定麺には、毎回驚かされます。
店主のアイデアは、本当に無尽蔵。

もっとも、限定麺の人気が出すぎて、早い時間帯に来ないと売り切れというのも、困りますね。
人気が出たのは嬉しいものの、ちょっと複雑な心境。
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○紅芯大根と黒大根の鰹飯と鰹そば(950円)

毎週のように独創的な限定ラーメンで、新鮮な驚きを与えてくれる「南部屋路ばた 盛岡市上太田店」。

先週水曜(10月26日)から提供されている秋の限定麺「紅芯大根と黒大根の鰹飯と鰹そば」。
週末は仕事のため、食べに行けず、ようやく10月31日(月)、雨の中訪れました。

10月31日(月)、いつものように、盛岡駅西口からタクシーを飛ばし、田んぼの真ん中の南部屋路ばた 盛岡市上太田店に。
昼のピークを少し過ぎた13時15分頃というのに、駐車場は満杯。

店に入ると、後続客もどんどん押し寄せ、カウンターは満席。
大変な繁盛振りです。

カウンターに座って、限定麺の存在を確認。早速注文。
今回驚いたのは、自家製麺メニューの注文者が着実に増えていること。

カウンターでは、私を含め2人が秋の限定麺、もう1人が「煮干しそば(塩)」(塩煮干し)を注文。
知る人ぞ知る存在だった「自家製麺」メニューも、次第にラーメンフリークの間で評判になっているようです。

限定メニューの説明を読みながら待っていると、待望の「紅芯大根と黒大根の鰹飯と鰹そば」が到着。
タイトルから分かるように、今回は鰹を主役に据えたラーメンとご飯(ミニ丼)。

鰹そばは、昆布と鰹節のみのスープに醬油ダレを合わせ、仕上げに鰹油を添えています。
説明書きにもあるように、まさしく「鰹づくしのスープ」。

鼻を近づけるだけでも、鰹節の旨そうな香りが漂い、食欲をそそります。
スープを飲むと、これが鰹節の旨みがたっぷり出た「予想どおり」の味。
これだけ鰹節の旨みが充満した醤油ラーメンは、滅多にお目にかかれません。
「追い鰹」なしで、この旨みですから、正直驚き。

鰹づくしのスープが、全粒粉のザラザラ感を生かしつつ、弾力性をもたせた中細ストレートの自家製麺とうまくマッチ。

具は、いつもの豚バラ肉チャーシューと鶏ムネ肉の低温調理チャーシュー。
それに穂先メンマ2本と味玉半分、そしてたっぷりのネギ。

「鰹そば」は、煮干しそば、鶏だしそばに次ぐ、第3のレギュラーメニューとして定着させて欲しいほどの完成度。

いつもなら、スープを一気に残らず飲み干すのですが、今回は鰹飯のためにスープを残します。

鰹飯は、ご飯の上に、何と鰹の刺身3枚が乗っています。
ラーメン店で、刺身を食べることになるとは!

刺身には自家製のゴマペーストがたっぷりとふりかけられています。

さらに、刺身の上には紅芯大根と黒大根の千切りがトッピング。
紅芯大根の「赤」と黒大根の「白と黒」の3色のコントラストが鮮やか。

まずは、大根の千切りを少し食べます。
両方とも辛いのですが、紅芯大根と黒大根の辛さには微妙な違いがありますね。

次に、千切り大根の下に隠れている鰹の刺身。
鰹の刺身とゴマペーストの香りが絶妙な組み合わせ。

どんどん食が進みますが、半分ぐらい食べたところで、ラーメンのスープをご飯に投入。
お茶漬けにすると、鰹節主体のスープと鰹の刺身がいい感じで一体に。
さらに、スープの熱で大根の辛味が微妙に変化。

あっという間に完食。

鰹をフィーチャーしたラーメンとご飯の組み合わせと、色鮮やかな2種の大根。
まるで和食の創作料理を食べているようです。
ラーメン+ご飯でお腹も満腹。

食後に店主に伺うと、今回の限定メニューを本日で終了にするか、週末まで続けるか迷っているとのこと。

是非週末まで続けて欲しいもの。
しかし、既に店主の頭の中には次の「秋の限定麺」の構想が浮かんでいるようです。

限定麺がコンスタントに更新・提供される限り、レギュラー麺と両方食べるためには、週2回は通わなければなりませんね。
嬉しい悲鳴(タクシー代が恐ろしい!)です。
---------------------------------------------------
先日、人力俥で店主にご挨拶しながら、3週間ほど空いてしまった「南部屋路ばた 盛岡市上太田店」。

ところが、最近煮干しそばで使う煮干しの量を増量。
さらに、火入れの温度も変えたとの情報を入手。

そこで確かめるべく10月24日(月)の午後、お邪魔しました。

○煮干しそば(塩)750円

14時過ぎ(平日は15時で終了)というのに、駐車場は車で一杯!
店内も、8割の入りです。

カウンターで隣に座ったお客は、着席すると、早速ランパスを提示。
ランパス効果絶大ですね。

そんなランパスで注文できる通常メニューは無視。
「煮干しそば(塩)」を注文。

今日は限定メニューなし。
ということで、迷うことなく注文できました。

数分の待ち時間の後運ばれてきた「煮干しそば(塩)」
透明感のある美しい塩ラーメンながら、煮干し増量がスープの見た目からも分かります。
もちろん、煮干しの香りはこれまで以上。

期待に胸膨らませ、スープを一口。
煮干し度が以前よりもさらに増しています。

これまでの煮干しそばでも、淡麗系煮干しラーメンとしては、煮干し度高めでした。
それが、煮干し増量の効果が発揮され、さらに煮干しの旨みが濃くなっています。

塩ダレのおかげで、煮干しスープの味をそのまま確かめることができます。
おそらく、淡麗系煮干しラーメンとしては、他店以上に煮干し度を高めたといえます。
苦味やエグみが出ないギリギリのところまで煮干しを増量しているといえるでしょう。
まるで、煮干しを搾った汁をそのまま飲んでいるようです。
しかも、煮干しの臭みを抑えて旨みのみ濃厚にしているという点に、店主の手腕を感じます。

前回指摘した塩分濃度は、ちょうど良い水準になっています。

もちろん、麺は全粒粉を練りこんだ中細ストレートの自家製麺。
ありがちなパツパツ麺やツルツルの麺ではありません。
全粒粉のザラザラ感を保ちながらも、ふっくらとした食感の麺に仕上げています。

具はトロトロの絶品豚バラ肉チャーシュー1枚に、低温調理の鶏ムネチャーシュー2枚(1枚サービス?)。
これまた絶妙な味付けの穂先メンマ2本にネギと味玉半分。

あっという間に完食。

会計時に店主と少しお話しました。
店主によると、たしかに煮干しを増量したが、これでも出来に満足していないとのこと。

ということは、煮干しそばのスープ自体、今回煮干し度が上がったように、さらに変化・発展する可能性があるということですね。

定休明けの10月26日(水)頃から次の限定メニューを提供する予定ということ。

となると、次回は煮干しそばの醬油を食べるか、それとも限定にするか迷うこと確実です。
その前に、鶏だしそばの塩を食べなければ!
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○秋刀魚の揚げびたし 追い鰹 塩そば
   ~松茸オイル~(880円)

今一番はまっている盛岡のラーメン店が「南部屋路ばた 盛岡市上太田店」。

とくに猫の目のように目まぐるしく変わる無化調・自家製麺の限定ラーメンに大注目。

10月3日(月)、大雨の中、盛岡駅西口からタクシーを飛ばして食べたにきたのが、秋の限定麺「秋刀魚の揚げびたし 追い鰹 塩そば~松茸オイル~」(880円)。

13時15分頃、店に到着。
土砂降りにもかかわらず、皆車で来ているためか、カウンターやテーブルに数人の先客。
しかし、全員通常の「手もみラーメン」を食べていますね。

カウンターに座り、限定麺の存在を再確認。

まず名前からして食欲をひかれます。
説明を読むと、ますます食欲増進。

客に提供する直前に、鶏ダシのスープに鮪と鰹の節を投入(=追い鰹)した塩ラーメン。

さらに、岩手県産の松茸をふんだんに使った自家製の「松茸オイル」で松茸の香りをプラス。

そして、具として赤ネギの「肉巻き」ならぬ「秋刀魚巻き」を揚げた「揚げびたし」をトッピング。

秋の食材満載の塩ラーメンです。

まもなくやってきた待望の塩ラーメンは、写真よりも透明感のある美しい塩スープ。

低温調理の鶏ムネ肉チャーシューの上に、黒トリュフオイルないしセップ茸オイルに似た「松茸オイル」が、フレーク状でたっぷり乗っています。

チャーシューは、上記の鶏チャーシュー1枚だけですが、その代わりに秋刀魚の揚げびたしが2枚入っています。

そのほか、穂先メンマ、ネギ、すだちの輪切り1枚が添加。

まず、松茸オイルをスープに溶かさないで、塩スープのダシ本来の味を賞味。

説明書きには「旨みたっぷりなスープ」とありますが、むしろ旨みを極力押さえた非常に上品であっさりしたスープ。

追い鰹の香りはさほど感じられません。
塩加減はちょうど良いですね。

これは想像ですが、主役の1つである松茸オイルの香りと旨みをダイレクトに出すため、あえて塩スープのダシ加減を薄めにしているのではないでしょうか?

麺は「鶏だしそば」「煮干しそば」と同じでしょうが、今回はやや柔らかめに茹でているようで、サンドの麺を思い起こさせます。

さて、いよいよ松茸オイルを少しずつ溶かしていきましょう。

松茸の何ともいえない良い香りが口一杯に漂います。

松茸オイルをスープに溶かすにつれ、鶏と追い鰹の淡い香りの塩スープが、次第に松茸味の塩スープに変貌していきます。

そして秋刀魚の揚げびたしを食べると、今度は秋刀魚の濃厚な旨みが!
秋刀魚の旨みが松茸に勝ってしまうのではないかと懸念しましたが、さにあらず。
スープを飲むと、再び松茸の香りが。

松茸と秋刀魚のどちらかが支配するというのではなく、両者がうまく両立した秋の味覚満載の塩ラーメンです。

松茸オイルで口の中が少々オイリーになったあとに、最後にすだちの輪切りで仕上げると、爽やかな幕切れとなります。

いや、驚きましたね。
ラーメンの範疇を完全に超えています。

秋葉原の「饗 くろ㐂」が限定麺として提供しても全くおかしくない和食のような一杯。

いつまで提供されているか分かりませんが、これも必食でしょう。
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すっかりはまってしまった「南部屋路ばた 盛岡市上太田店」。

秋の限定麺として、「秋茄子の汁なし担々麺」が提供されているという情報を入手。

9月24日(土)は疲れが出て、土曜各局午前のローカル情報番組を見ながら、再度寝入ってしまいました。

起きたのが13時過ぎ。

慌ててバスで盛岡駅に向かおうとしましたが、土日祝はバスの本数が少なく、ようやく14時30分過ぎに盛岡駅に到着。

幸い、「南部屋路ばた 上太田店」は土日祝は通し営業なので安心ですが、この時間まで限定が残っているかどうか心配。

とにかくタクシーで店に急ぎます。

15時直前という遅い時間に、田んぼの真ん中のひなびた店に到着。

土日祝の繁忙時には厨房は最大4人体制ですが、さすがにこの時間帯は若い店主のワンオペ。

それでも店内にお客さんが数人、私の後も何人か入店。
地元で愛されている店の証拠でしょう(たとえ、それが「手もみ麺」でも)。

早速カウンターに座り、限定メニューを確認したあと、店主にまだ残っているか問い合わせると、残っていますとの答え。一安心。

○秋の限定麺「秋茄子の汁なし担々麺」(追い飯・スープ付き:850円)

汁なし担々麺は「細麺」が相場ですが、限定麺では春よ来いと南部小麦の加水率42%のピロピロの平打ち麺を使用。

モチモチとしながらも、喉越しの良い麺の感触が最大の魅力。

おまけにスープ(これがただ者じゃない)と負い飯が付いて850円(このうち100円は台風10号被災者への募金)だからお徳用。

「汁なし担々麺・スープ・追い飯」の3点セットがお盆に乗って登場。

大きな皿の中央に盛られた汁なし担々麺。
皿の底に自家製ゴマ味の芝麻醤、その上にピロピロの平打ち麺が盛られ、さらにラー油がたっぷり。

秋茄子が3切れトッピングされている上、麺の左側には白金豚のトマト煮もトッピングという贅沢な構成。

白金豚のトマト煮には手をつけず、最初はラー油と麺と芝麻醤をまぜて実食。

見た目ほどの辛味はなく、むしろ砕かれたナッツとピロピロ麺がラー油と芝麻醤(ゴマ味)と一体となり、どんどん食が進みます。

茄子がちょうど良い箸休めになります。

途中、適宜スープを補給。

このスープが単なる出来合いの添え物ではなく、実に深い味。
細切りのキクラゲがたくさん入っていて、コリコリした食感が心地良い。

このスープは何だろうか?
おそらく鶏ガラがベースだろうが、それだけじゃない。
煮干しも入っていると推理。

麺を半分程食べたところで、これまで手をつけなかった白金豚のトマト煮をまぜると、味が激変!

いい意味で、汁なし担々麺がスパゲティナポリタンに味変した味わい。

しかし、皿の底にはゴマ味の芝麻醤もたっぷり残っているので、これとトマト味がミックスすると、さらに味が微妙に変化。

もちろん、自家製麺・無化調・無添加です。

さて、麺を食べ終えたら、底に汁や挽肉が十分残っているので、追い飯を投入して、台湾まぜそば風に完食。

スープを飲み干して終了。
お腹一杯です。

会計時に、店主にスープの組成を確認。
すると、前回の限定麺である「醤油そば」のスープ(白金豚の豚骨、親鳥の鶏ガラと丸鶏をベースにとったスープに、貝や煮干し、野菜などの和風ダシをブレンド)を使ったといいます。

道理で奥深い味わいなんですね。

次々に登場する南部屋路ばた上太田店の限定麺を、全部食べることができないのが悔しいかぎり!(何せ、数日単位で限定メニューがどんどん変わってしまうので)
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9月15日(木)に南部屋路ばた 盛岡市上太田店には行ったばかり。

岩手県内はおろか、東京でも希少な「煮干しそば(塩)」の美味しさに驚き、投稿したのがわずか4日前。

ところが、「麺屋 わかな」(花巻市)の帰りに東北本線中でスマホで情報をチェックしていると、南部屋路ばた上太田店が、「醤油そば」なる限定ラーメンを出していることを知りました。

連食を決め、盛岡駅西口からタクシーで上太田へ。

それにしても、盛岡駅西口ロータリーから10分おきに出ているイオンモール盛岡へのシャトルバスの乗り口は長蛇の大行列。

14時15分頃に南部屋路ばた上太田店に到着。

店内は、さすがに3連休最終日なのか、家族連れをはじめ混み合っていました。

○「限定麺 醤油そば」(850円)

案内書きによると、白金豚の豚骨、親鶏の鶏ガラ、丸鶏、アサリ、ホンビノス貝、昆布、鰹節、鯵節、さわら節、イカ煮干し、スルメ、野菜などを1つの寸胴に時間差で投入した「シングルスープ」に、タレとしてではなく、「調味料」として醤油を少し加えたスープ。

それに、最後にポルチーニ茸のオイルを添加。

複雑でありながら、シンプルな味であると店主は書いています。

なお、850円のうち100円は台風10号で被災された方々への募金にあてるといいます。

これを読む限り、多種多様な食材からとった旨味がそれぞれ個々に際立ちながらも、しかもトータルでまとまっているスープを目指しているようです。

あくまでも、食材の旨味を引き出すことを目指したスープで、名称は「醤油そば」といいながらも、その実、醤油は「調味料」として少し加えるだけ。

おまけに「ポルチーニ茸のオイル」を使うとは・・・

まもなく「醤油そば」が到着。

これも写真の写りと実物には落差があります。

実物は、もっと醤油スープが濁っています。

店主のいうとおり、醤油はタレではなく、あくまでも調味料的な位置づけ。

醤油そばは、少し濁った醤油スープ(実際は多種多様な食材の旨みがしみ出したスープ)に豚バラチャーシューが乗り、穂先メンマが2本、味玉が半分、カイワレとネギ、そして海苔、さらにナルトがトッピングされるというごくオーソドックスな外観です。

スープを飲むと、醤油そばといいながら醤油感は薄く、食材の中ではとくに貝の旨みが目立ちながらも、かといって全体の統一感は失われていません。
人によっては、「地味なスープ」と感じるかもしれません。
ポルチーニ茸のオイルも、それ自体が自己主張するのではなく、むしろスープの深みを増す役割を果たしています。

麺は全粒粉を練りこんだザクザクとした食感の中細ストレートの自家製麺。
「煮干しそば」「鶏だしそば」の麺と同じです。

結論ですが、発展途上という感はぬぐえませんが、明らかに金色不如帰や蔦の醤油そばを意識した無化調・自家製麺の醤油そばを、独自性を施しながら商品として提供するところまで仕上げた若き店主のセンスには脱帽です。

盛岡でこんな上質のラーンを食べることができるとは!
いい時代になったものです。
「ラーメン博」に行っているどこじゃないですよ(?)

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店舗基本情報

店名
南部屋路ばた 盛岡市上太田店
ジャンル ラーメン、中華料理
お問い合わせ

019-659-0150

予約可否

予約不可

住所

岩手県盛岡市上太田岡沼81-4

交通手段

大釜駅より、車で約8分程
盛岡インターチェンジより、車で約6分程

大釜駅から3,180m

営業時間
  • 月・水・木・金・土・日

    • 11:00 - 21:00

      L.O. 20:30

    • 定休日
  • ■ 定休日
    火曜日(火曜日が祝日の際は営業。翌日振り替え休み。)

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算(口コミ集計)
~¥999 ~¥999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

電子マネー不可

席・設備

席数

27席

(カウンター7、4人掛けテーブル3、小上がり2卓)

個室

貸切

不可

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

店舗敷地内20台程度

空間・設備

落ち着いた空間、カウンター席あり

特徴・関連情報

利用シーン

家族・子供と 一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

一軒家レストラン

お子様連れ

子供可

ホームページ

http://robata-g.jp/

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